JP2010184386A - 混練機、射出成形装置及び被混練物の計量方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外周部8aにスクリュー7を有し回転可能に設けられた軸状のスクリュー部8と、スクリュー部の外周部及び先端部8bを囲繞するように設けられたシリンダー部9と、を有し、シリンダー部とスクリュー部の外周部及び先端部との間の混練空間に、スクリュー部の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物Wを循環させて混練を行う混練機2であって、被混練物を混練空間の外部に吐出させるためスクリュー部の先端部に対向する位置のシリンダー部に設けられた吐出口12と、吐出口を開閉する吐出口開閉機構13と、循環流路を開閉する循環流路開閉機構14と、スクリュー部をスクリュー部の軸線方向Dに進退させるスクリュー駆動機構15と、を備える。
【選択図】図3
Description
この混練機によれば、スクリュー部を高速で回転させることにより、投入された被混練物を循環させながら強い剪断力を与えて溶融させ、被混練物の粒子の径がそれぞれ数十ナノメータ程度まで小さくなるように分散させた押出し成形品が製造できるとされている。
また、特許文献1の混練機では、溶融状態の被混練物を金型に射出して射出成形を行うことはできないので、射出成形を行う場合には溶融状態の被混練物をペレット化する必要がる。この場合、ペレットを再溶融しなければならないので、被混練物の分散サイズが混練時に比べ大きくなってしまうという問題があった。
本発明の混練機は、外周部にスクリューを有し回転可能に設けられた軸状のスクリュー部と、該スクリュー部の外周部及び先端部を囲繞するように設けられたシリンダー部と、を有し、該シリンダー部と前記スクリュー部の外周部及び先端部との間の混練空間に、前記スクリュー部の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物を循環させて混練を行う混練機であって、前記被混練物を前記混練空間の外部に吐出させるため前記スクリュー部の前記先端部に対向する位置の前記シリンダー部に設けられた吐出口と、該吐出口を開閉する吐出口開閉機構と、前記循環流路を開閉する循環流路開閉機構と、前記スクリュー部を該スクリュー部の軸線方向に進退させるスクリュー駆動機構と、を備えることを特徴としている。
次に、循環流路開閉機構により循環流路を閉状態にしてスクリュー部を回転させながら基端側に移動させることで、スクリュー部の外周部とシリンダー部の内周面との間にある被混練物をスクリュー部の先端側へ移動させ、スクリュー部の先端部とこのスクリュー部の先端部に対向するシリンダー部の内面との間、及び循環流路において閉止部からスクリュー部の先端部までの間、に被混練物を保持する。
そして、吐出口開閉機構により吐出口を開いて連通させてから、スクリュー駆動機構によりスクリュー部を先端側へ一定量移動させる。これにより、被混練物を循環流路に逆流させることなく、一定量の被混練物を計量し圧力を高めて吐出口から吐出させることができる。
この場合、循環流路を構成する第1の流路と第2の流路とを栓部材で遮断することができるので、被混練物を循環流路に逆流させることなくスクリュー部を一定量先端側へ移動させ、被混練物を計量し圧力を高めて吐出させることができる。
吐出口を開いて連通させる前に循環流路開閉機構により栓部材をスクリュー部の先端側に移動させることにより、第1の流路内に滞留している被混練物をスクリュー部の先端部とスクリュー部の先端部に対向するシリンダー部の内面との間に移動させて保持することができる。
この場合、スクリュー部を先端側へ移動させ吐出口から被混練物を吐出させる時に被混練物がスクリュー部の先端側から基端側へ移動するのを防止することができる。従って、逆流防止機構がない場合に比べて、高圧で被混練物を吐出しても正確な量の被混練物を吐出口から吐出することができる。
この場合、吐出口から円滑に被混練物を吐出させることができる。
この発明によれば、吐出口から金型に圧力を高めた被混練物を吐出し金型内の被混練物を保圧することができるので、射出成形品にヒケが生じるのを防止することができる。
また、被混練物をペレット化することなく射出成形品を製造することができるので、温度変化により被混練物の物性が低下することを抑えるとともに、射出成形品の製造効率を向上させることができる。
そして、混練工程の後で行われる被混練物保持工程において、循環流路を栓部材を用いて閉止したうえでスクリュー部を回転させながら基端側に移動させ、少なくともシリンダー部の外周部側の混練空間における被混練物をスクリュー部の先端部とスクリュー部の先端部に対向する内面との間、及び循環流路の栓部材からスクリュー部の先端部までの間に形成される計量空間に移動させて保持する。
次に、計量吐出工程において、シリンダー部のスクリュー部の先端部に対向する位置に設けられた吐出口と混練空間とを連通させてから、スクリュー部をスクリュー部の先端側に一定距離進出させることにより、被混練物保持工程で計量空間に保持された被混練物を計量して、吐出口から吐出させる。
このため、被混練物が循環流路を逆流させることなく、スクリュー部を先端側へ移動させることができ、一定量の被混練物を計量し圧力を高めて吐出させることができる。
この場合、被混練物を第1の流路内に滞留させることなく、スクリュー部の先端部とスクリュー部の先端部に対向するシリンダー部の内面との間に移動させて保持することができる。
また、循環流路を栓部材で閉止するので、スクリュー部を一定量先端側へ移動させる時に被混練物を循環流路に逆流させることなく被混練物を計量し圧力を高めて吐出させることができる。
図1に示すように、本実施形態の射出成形装置1は、被混練物Wを混練する混練機2と、金型Pを取付ける一対のプラテン3と、このプラテン3の移動をガイドするガイド棒4と、を備え、混練した被混練物Wを吐出口12からプラテン3に取付けられた金型Pに射出して射出成形品を製造する装置である。なお、本実施形態では、被混練物Wは高分子材料と粉末粒子からなる2種類の材料で構成されている。
また、被混練物Wにおいて樹脂混合物に分散させる成分として常用の各種添加成分、例えば、相溶化剤、結晶核剤、着色防止剤、酸化防止剤、離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などの添加剤を用いても良い。
そして、混練機2は、被混練物Wを混練空間Sの外部に吐出させるためスクリュー部8の先端部8bに対向する位置のシリンダー部9に設けられた吐出口12と、吐出口12を開閉する吐出口開閉機構13と、循環流路を開閉する循環流路開閉機構14と、スクリュー部8をスクリュー部8の軸線C回りに回転させるとともにスクリュー部8の軸線方向Dに進退させるスクリュー駆動機構15と、吐出口開閉機構13、循環流路開閉機構14及びスクリュー駆動機構15を制御する制御部16と、を備える。
第1の流路20及び吐出口12は軸線C上に形成されている。また、第1の流路20、第2の流路21及び吐出口12は、被混練物Wが流れる方向に対する断面形状がそれぞれ円形になるように形成されている。
吐出口開閉機構13は、吐出口12を遮断可能な円柱状の吐出用栓部22と、吐出用栓部22を吐出口12の流路に進退させる吐出用栓部進退手段23とを有する。
また、循環流路開閉機構14は、第1の流路20を遮断可能かつ第1の流路20内で軸線方向Dに移動可能とされた円柱状の栓部材24と、一端が栓部材24に固定され第1の流路20内に挿通された棒状の軸部材25と、この軸部材25の他端側に取付けられ軸部材25を軸線方向Dに進退させる栓部材進退手段26と、を有する。
なお、循環流路に対して栓部材24が閉状態等の一定の状態を保ったままスクリュー部8が軸線方向Dに移動する時は、スクリュー部8と栓部材24との軸線方向Dにおける相対位置が変わらないように、スクリュー部8と栓部材24とは一体となって移動する。
そして、吐出口12の先端側D1には、先端側D1の外形が半球状のノズル30が軸線C上に取付けられている。
後述するように、被混練物Wを吐出する時にスクリュー部8が栓部材24と一体となって先端側D1に移動する距離をL1とすると、被混練物Wの体積Rは、次式で求められる値になる。
R=(A1+A2)×L1−V1 ・・・(1)
従って、スクリュー部8が栓部材24と一体となって先端側D1に移動する距離L1は、次式で求められる値に設定することになる。
L1=(R+V1)/(A1+A2) ・・・(2)
ガイド棒4は固定側プラテン3aの4隅に軸線Cに沿って4本配置され、可動側プラテン3bは自身の4隅にそれぞれ形成されたガイド孔3dに案内されて軸線方向Dに移動することが可能となっている。
固定部P1と可動部P2とが結合された状態では、射出された被混練物WはスプルーP3に導かれて流れランナーP4で2つに分岐され、2つのキャビティP5にそれぞれ充填されることとなる。
なお、予め固定側プラテン3aに金型Pの固定部P1を、可動側プラテン3bに可動部P2を取付け、固定側プラテン3aを基端側D2に移動させて固定部P1と可動部P2とを結合させておく。
次に、スクリュー駆動機構15によりスクリュー部8を軸線C回りに一定の回転速度で回転させてから、ホッパー27に貯留された被混練物Wを一回分の混練に用いられる所定量シリンダー部9の内部に投入する。
そして、シリンダー部9とスクリュー部8の外周部8a及び先端部8bとの間の混練空間Sを通過した被混練物Wは、第1の流路20と第2の流路21とで構成された循環流路内をこの順に通ってスクリュー部8の外周部8aに戻り、再び先端側D1に押出される。こうして、被混練物Wは混練空間S及び循環流路内を循環しながら繰返し混練されていく。
そして、スクリュー駆動機構15によりスクリュー部8を軸線C回りに回転させながら基端側D2に移動させることで、少なくともシリンダー部8の外周部8a側の混練空間Sにおける被混練物Wをスクリュー部8の先端部8bとスクリュー部8の先端部8bに対向するシリンダー部9の内面との間、及び循環流路の栓部材24からスクリュー部8の先端部8bまでの間に形成される計量空間Tに移動させて保持する。
この時、スクリュー部8の先端部8bとスクリュー部8の先端部8bに対向する内面に保持された被混練物Wが、体積Rだけ押出されてノズル30から先端側D1に取付けられた金型Pに射出される。
そして、その一定時間が経過した後で、図5に示すように、制御部16は、可動側プラテン3bを先端側D1に移動させて金型Pの固定部P1から可動部P2を離間させる。さらに、エジェクタピンP6、P7を基端側D2に移動させ、可動部P2のランナーP4及びキャビティP5から射出成形品W1を離型させる。
以上説明した、混練工程(ステップS11)から成形品取出し工程(ステップS14)まで工程を繰返し行うことで、射出成形装置1で射出成形品W1を繰返し成形することが可能となる。
次に、循環流路開閉機構14の栓部材24により循環流路を閉状態にしてスクリュー部8を回転させながら基端側D2に移動させることで、スクリュー部8の外周部8aとシリンダー部9の内周面との間にある被混練物Wをスクリュー部8の先端側D1へ移動させ、スクリュー部8の先端部8bとこのスクリュー部8の先端部8bに対向するシリンダー部9の内面との間、及び循環流路の栓部材24からスクリュー部8の先端部8bまでの間に形成される計量空間Tに被混練物Wを保持する。
そして、吐出口開閉機構13により吐出口12を開いて吐出口12を計量空間Tに連通させてから、スクリュー駆動機構15によりスクリュー部8を先端側D1へ一定量移動させる。これにより、スクリュー部8の先端部8bとこのスクリュー部8の先端部8bに対向するシリンダー部9の内面との間から吐出口12に流れようとする被混練物Wをこの間から循環流路側に逆流させることなく、一定量の被混練物を計量し圧力を高めて吐出口から吐出させることができる。
逆流防止機構35は、上述した計量吐出工程において、スクリュー部8を先端側D1へ移動させ吐出口12から被混練物Wを吐出させる時に被混練物Wがスクリュー部8の先端側D1から基端側D2へ移動するのを防止することができる。従って、逆流防止機構35がない場合に比べて、高圧で被混練物Wを吐出しても正確な量の被混練物Wを吐出口12から吐出することができる。
また、第2の流路21のスクリュー部8の外周部8a側の開口より先端側D1にこの逆流防止機構35を設けることで、上記計量吐出工程において、栓部材24がスクリュー部8の先端部8bに達するまで先端側D1に移動させる時に、混練物Wがスクリュー部8の外周部8aの先端側D1から基端側D2へ移動して吐出口12から吐出される被混練物Wの量が減少するのを抑えることができる。
なお、この場合、次回の循環用の被混練物Wが、スクリュー部8の先端部8bとスクリュー部8の先端部8bに対向するシリンダー部9の内面との間に達する前にスクリュー部8の回転を停止させることにより、今回吐出される被混練物Wに次回の循環用の被混練物Wが混ざらないようにする。
また、上記実施形態では、吐出口12はスクリュー部9の先端部8bに対向する位置のシリンダー部9に設けられていれば混練物Wを外部に吐出することができる。このため、吐出口12は軸線C上に設けられていなくてもよい。
そして、次式で示される変動係数Kを求める。なお、この変動係数Kは、被混練物Wの分散性が高くなる程小さな値を示すものである。
K=σ/μ×100(%) ・・・(3)
そして、変動係数Kで分散性を評価し、この変動係数Kが所定の値より小さくなった場合に混練が完了していると判断するのである。
そして、変動係数Kが所定の値より小さくなるのに要する被混練物Wを混練させる時間を求め、以降の射出成形においてはこの求めた時間だけ被混練物Wの混練を行うことで、変動係数Kが所定の値より小さく分散性の高い射出成形品W1を製造することができる。
2 混練機
7 スクリュー
8 スクリュー部
8a 外周部
8b 先端部
9 シリンダー部
12 吐出口
13 吐出口開閉機構
14 循環流路開閉機構
20 第1の流路
21 第2の流路
24 栓部材
26 栓部材進退手段
35 逆流防止機構
D 軸線方向
S 混練空間
W 被混練物
Claims (7)
- 外周部にスクリューを有し回転可能に設けられた軸状のスクリュー部と、該スクリュー部の外周部及び先端部を囲繞するように設けられたシリンダー部と、を有し、該シリンダー部と前記スクリュー部の外周部及び先端部との間の混練空間に、前記スクリュー部の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物を循環させて混練を行う混練機であって、
前記被混練物を前記混練空間の外部に吐出させるため前記スクリュー部の前記先端部に対向する位置の前記シリンダー部に設けられた吐出口と、
該吐出口を開閉する吐出口開閉機構と、
前記循環流路を開閉する循環流路開閉機構と、
前記スクリュー部を該スクリュー部の軸線方向に進退させるスクリュー駆動機構と、を備えることを特徴とする混練機。 - 請求項1に記載の混練機において、
前記循環流路は、
前記スクリュー部の先端部から該スクリュー部の軸線方向に延ばされた第1の流路と、
前記第1の流路から前記スクリュー部の外周部まで貫通する第2の流路と、で構成され、
前記循環流路開閉機構は、
前記第1の流路と前記第2の流路とを遮断可能、かつ前記第1の流路内で前記軸線方向に移動可能とされた栓部材と、
前記栓部材を前記軸線方向に進退させる栓部材進退手段と、を有することを特徴とする混練機。 - 請求項1又は請求項2に記載の混練機において、
前記シリンダー部と前記スクリュー部の前記外周部との間には、前記混練空間において、前記被混練物が前記スクリュー部の前記先端側から前記基端側へ移動することを防止する逆流防止機構が設けられていることを特徴とする混練機。 - 請求項1又は請求項2に記載の混練機において、
前記吐出口は前記スクリュー部の前記軸線上に配置されており、
前記スクリュー部の先端側は、該スクリュー部の基端側から前記先端側に向かうに従って前記スクリュー部の径が小さくなっていることを特徴とする混練機。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の混練機を備え、
該混練機で混練された前記被混練物を前記吐出口から金型に射出させることを特徴とする射出成形装置。 - 回転可能に設けられた軸状のスクリュー部の外周部及び先端部と、該スクリュー部の外周部及び先端部を囲繞するように設けられたシリンダー部との間の混練空間に、前記スクリュー部の内部側に設けられた循環流路を通して被混練物を循環させて混練を行う混練機を用いた被混練物の計量方法であって、
前記スクリュー部を回転させ、前記被混練物を前記混練空間及び前記循環流路内で循環させて、前記被混練物を溶融させて混練する混練工程と、
該混練工程の後、栓部材を用いて前記循環流路を閉止したうえで前記スクリュー部を回転させながら基端側に移動させ、少なくとも前記シリンダー部の外周部側の前記混練空間における前記被混練物を、前記スクリュー部の先端部と該スクリュー部の先端部に対向する内面との間と、前記循環流路の前記栓部材から前記スクリュー部の先端部までの間とに形成される計量空間に移動させて保持する被混練物保持工程と、
前記スクリュー部の先端部に対向する位置に設けられた前記シリンダー部の吐出口と、前記計量空間とを連通させてから、前記スクリュー部を該スクリュー部の先端側に一定距離進出させることにより、前記被混練物保持工程で前記計量空間に保持された前記被混練物を計量して、前記吐出口から吐出させる計量吐出工程と、を備えることを特徴とする被混練物の計量方法。 - 請求項6に記載の被混練物の計量方法において、
前記被混練物保持工程は、前記循環流路の前記栓部材を前記スクリュー部の先端部まで移動させた状態で前記被混練物を保持することを特徴とする被混練物の計量方法。
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