JP2010182234A - 圧力容器評価装置及び圧力容器評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力容器の応力解析に基づく強度評価に要する時間を短縮し評価精度を向上させること。
【解決手段】圧力容器の三次元データを入力し、入力された三次元データと、材質データ記憶部に記憶される材質データと、解析条件記憶部に記憶される解析条件と、に基づいて、圧力容器について有限要素法を用いた熱伝導解析及び弾塑性解析を行い、解析結果に基づいて、標準化された圧力容器規格のうち三次元データによる解析結果に基づいた評価を規定した圧力容器規格を圧力容器が満足するか否か評価し、評価結果を出力する。
【選択図】図1
【解決手段】圧力容器の三次元データを入力し、入力された三次元データと、材質データ記憶部に記憶される材質データと、解析条件記憶部に記憶される解析条件と、に基づいて、圧力容器について有限要素法を用いた熱伝導解析及び弾塑性解析を行い、解析結果に基づいて、標準化された圧力容器規格のうち三次元データによる解析結果に基づいた評価を規定した圧力容器規格を圧力容器が満足するか否か評価し、評価結果を出力する。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧力容器の応力解析・強度評価を行う圧力容器評価装置及び圧力容器評価方法に関する。
従来から、圧力容器の応力解析に基づき強度評価は、ASME(American Society of Mechanical Engineers)規格に規定された応力分類法と呼ばれる強度評価に従って行われてきた。具体的には、圧力容器の構造モデルの三次元CADデータを二次元の軸対称モデルに変換し、変換後の二次元の軸対称モデルを用いて応力解析を行い、その解析モデルに応力評価線を設定することによって、応力評価線に応じた強度評価を行っていた(特許文献1,特許文献2参照)。
このようにして解析・設計された圧力容器は、従来から石油精製や化学プラントなどにおいて必須の装置として利用されている。圧力容器の利用環境は年々高温高圧の一途を辿っており、これに伴い圧力容器の構造も大型化・肉厚化し、その設計に要する時間も長期化している。そのため、圧力容器の圧力解析に基づいた強度評価に要する時間の短縮が要求されている。また、応力分類法における課題として、応力評価線の設定の仕方によって同じ構造モデルでも得られる強度評価結果が変わる可能性があった。そのため、応力評価線を用いる応力分類法とは別に、応力評価線の決め方に依存しない強度評価法の開発が望まれていた。
このような要求に対し、従来は応力分類法による強度評価が適用されていたため、圧力容器全体の評価を行うためには多数の応力評価線を定義し応力評価線毎に評価を行う必要があった。そのため、応力評価線の定義の仕方によっては不要な評価処理が発生してしまうことがあり、評価に要する時間の長期化の一因となっていた。さらには、必要な応力評価線を定義し損なうことによる評価の精度低下を招くこともあった。
上記事情に鑑み、本発明は、圧力容器の応力解析に基づく強度評価に要する時間を短縮し評価精度を向上させる圧力容器評価装置及び圧力容器評価方法を提供することを目的としている。
上記事情に鑑み、本発明は、圧力容器の応力解析に基づく強度評価に要する時間を短縮し評価精度を向上させる圧力容器評価装置及び圧力容器評価方法を提供することを目的としている。
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による圧力容器評価装置は、圧力容器の三次元データを入力する三次元データ入力部と、前記圧力容器の材質に関する材質データを予め記憶する材質データ記憶部と、応力解析の解析条件を予め記憶する解析条件記憶部と、前記三次元データ入力部によって入力された前記三次元データと、前記材質データ記憶部に記憶される前記材質データと、前記解析条件記憶部に記憶される前記解析条件と、に基づいて、前記圧力容器について有限要素法を用いた熱伝導解析及び弾塑性解析を行うFEM解析部と、前記FEM解析部における解析結果に基づいて、標準化された圧力容器規格のうち三次元データによる解析結果に基づいた評価を規定した圧力容器規格を前記圧力容器が満足するか否か評価する評価部と、前記評価部による評価結果を出力する出力部と、を備える。
[2]また、上述した本発明の一態様による圧力容器評価装置において、前記標準化された圧力容器規格は、圧力容器に対して解析による設計として規定されたものであることを特徴とするように構成されても良い。
[3]また、上述した本発明の一態様による圧力容器評価装置において、前記標準化された圧力容器規格は、“ASME Section VIII Div.2”又は“EN 13445 Part3”のいずれかであることを特徴とするように構成されても良い。
[4]また、本発明の一態様による圧力容器評価方法は、圧力容器の材質に関する材質データを予め記憶する材質データ記憶部と、応力解析の解析条件を予め記憶する解析条件記憶部と、を備える圧力容器評価装置が、圧力容器の三次元データを入力する三次元データ入力ステップと、前記圧力容器評価装置が、前記三次元データ入力ステップによって入力された前記三次元データと、前記材質データ記憶部に記憶される前記材質データと、前記解析条件記憶部に記憶される前記解析条件と、に基づいて、前記圧力容器について有限要素法を用いた熱伝導解析及び弾塑性解析を行うFEM解析ステップと、前記圧力容器評価装置が、前記FEM解析ステップにおける解析結果に基づいて、標準化された圧力容器規格のうち三次元データによる解析結果に基づいた評価を規定した圧力容器規格を前記圧力容器が満足するか否か評価する評価ステップと、前記圧力容器評価装置が、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと、を備える。
本発明により、圧力容器の応力解析に基づく強度評価において、軸対称モデルへの変換や応力評価線の定義を行うことなく、三次元CADデータをそのまま用いて応力解析を行い、その結果に基づいて強度評価を行うことが可能となる。そのため、圧力容器の強度評価に要する時間を短縮し評価精度を向上させることが可能となる。
図1は、圧力容器評価装置1の機能構成を表す機能ブロック図である。図示するように、圧力容器評価装置1は、三次元データ入力部11、材質データ記憶部12、解析条件記憶部13、FEM解析部14、評価部16、出力部17を備える。
三次元データ入力部11は、圧力容器評価装置1が行う強度評価の対称となる圧力容器の三次元データを入力する。三次元データは、AutoCAD(登録商標)、CADAM(登録商標)、Jw_cad等のCAD(Computer Aided Design)ソフトウェアを用いて作成される。このようにCADソフトウェアを用いて作成された三次元データは、DXF(Drawing Interchange File)、DWG、SXF(Scadec data eXchange Format)等のファイルフォーマットによって構成される。
材質データ記憶部12は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成され、応力容器に用いられる材料の材質に関する材質データを記憶する。材質データの詳細については後述する。
解析条件記憶部13は、磁気ハードディスクや半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成され、FEM解析部14における熱応力解析及び弾塑性解析を行うに当たって必要となる全ての解析条件を記憶する。具体的には、解析条件記憶部13は、解析対象となる圧力容器に関する拘束条件及び荷重条件(内圧、反力、温度など)などを記憶する。
FEM解析部14は、三次元データ入力部11によって入力される三次元データと、材質データ記憶部12に記憶される材質データと、解析条件記憶部13に記憶される解析条件とに基づいて、有限要素法を用いた熱伝導解析及び弾塑性解析を行い、圧力容器の各部位における変形量や応力を算出する。具体的には、FEM解析部14は、熱伝導解析を行うことによって各時点における各要素の温度を解析し、弾塑性解析を行うことによって各時点における各要素の応力を計算する。
規格記憶部15は、磁気ハードディスクや半導体記憶部などの記憶装置を用いて構成され、三次元データによる解析結果に基づいた評価を規定した圧力容器規格の内容を記憶する。この規格は、例えばASME(American Society of Mechanical Engineers)規格の“Section VIII(8) Div.2”や、EN(European Norm)規格の“13445 Part3”である。
評価部16は、FEM解析部14における弾塑性解析の解析結果に基づき、規格記憶部15に記憶される標準化された圧力容器規格に従って圧力容器の評価を行い、評価対象となっている圧力容器が圧力容器規格を満足しているか否か判定する。評価部16が行う評価は、従来の技術により実現可能である。
出力部17は、例えば画像表示装置による表示や、プリンターによる印刷や、スピーカーによる音声出力などによって、評価部16による評価結果を出力する。
出力部17は、例えば画像表示装置による表示や、プリンターによる印刷や、スピーカーによる音声出力などによって、評価部16による評価結果を出力する。
図2は、材質データ記憶部12が記憶する材質データのうち、非定常熱伝導解析に用いられる材質データ(以下、「熱伝導解析用材質データ」という)を表す図である。熱伝導解析用材質データは、所定の材料に関して、複数の温度に対応づけて、その温度の時の熱伝導率、比熱、密度を有する。図2は、材料Xに関する熱伝導解析用材質データを表す図である。図2の場合、例えば温度が摂氏20度である場合の熱伝導率はλ1(W/m・摂氏温度)、比熱はCp1(J/摂氏温度・kg)、密度はρ1(kg/立方メートル)である。材質データ記憶部12は、複数の材料に関する熱伝導解析用材質データを記憶しても良い。
図3は、材質データ記憶部12が記憶する材質データのうち、弾塑性解析に用いられる材質データ(以下、「弾塑性解析用材質データ」という)を表す図である。弾塑性解析用材質データは、所定の材料に関して、複数の温度に対応づけて、その温度の時のヤング率、ポアソン比、線膨張係数、降伏応力を有する。図3は、材料Xに関する弾塑性解析用材質データを表す図である。図3の場合、例えば温度が接し200度である場合のヤング率はE3(GPa)、ポアソン比はν3、線膨張係数はα3(/摂氏温度)、降伏応力はσy3(MPa)である。
図4は、圧力容器評価装置1の動作を表すフローチャートである。以下、図4を用いて圧力容器評価装置1の動作について説明する。まず、三次元データ入力部11が、評価の対象となる圧力容器の三次元データを入力する(ステップS101)。
次に、FEM解析部14が、三次元データ入力部11によって入力された三次元データを複数の要素に分割し、材料データ記憶部12に記憶される熱伝導解析用材質データと、解析条件記憶部13に記憶される解析条件とに基づいて有限要素法による熱伝導解析を実行する(ステップS102)。さらに、FEM解析部14が、分割後の各要素について、熱伝導解析の解析結果と、材料データ記憶部12に記憶される弾塑性解析用材質データと、解析条件記憶部13に記憶される解析条件とに基づいて有限要素法による弾塑性解析を実行する(ステップS103)。
次に、評価部16が、FEM解析部14による弾塑性解析の解析結果に基づいて、評価対象となっている圧力容器の構造が、三次元データによる解析結果に基づいた評価を規定した圧力容器規格の標準化規格を満足しているか否かについて判定する(ステップS104)。
このように構成された圧力容器評価装置1は、従来とは異なり、三次元データを二次元データの軸対称モデルに変換することなく、三次元データを用いて熱伝導解析及び弾塑性解析を行う。そして、圧力容器評価装置1は、三次元データによる解析結果に基づいた評価を規定した圧力容器規格の標準化規格を用いることにより、弾塑性解析の解析結果に対して応力評価線を定義することなく、強度評価を行う。そのため、圧力容器の強度評価に要する時間を短縮し評価制度を向上させることが可能となる。これに伴い、強度評価の結果に基づいた疲労評価やラチェット評価の信頼性を向上させることが可能となる。
<変形例>
材質データ記憶部12は、キーボードやマウス等の入力装置によって入力された材質データを記憶しても良いし、圧力容器評価装置1と通信可能に接続された他の情報処理装置から受信した材質データを記憶しても良いし、圧力容器評価装置1に差し込まれたCD−ROMや接続された外付け補助記憶装置(USBメモリなど)から材質データを読み出して記憶しても良い。
材質データ記憶部12は、キーボードやマウス等の入力装置によって入力された材質データを記憶しても良いし、圧力容器評価装置1と通信可能に接続された他の情報処理装置から受信した材質データを記憶しても良いし、圧力容器評価装置1に差し込まれたCD−ROMや接続された外付け補助記憶装置(USBメモリなど)から材質データを読み出して記憶しても良い。
解析条件記憶部13は、キーボードやマウス等の入力装置によって入力された解析条件を記憶しても良いし、圧力容器評価装置1と通信可能に接続された他の情報処理装置から受信した解析条件を記憶しても良いし、圧力容器評価装置1に差し込まれたCD−ROMや接続された外付け補助記憶装置(USBメモリなど)から解析条件を読み出して記憶しても良い。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1…圧力容器評価装置, 11…三次元データ入力部, 12…材質データ記憶部, 13…解析条件記憶部, 14…FEM解析部, 15…規格記憶部, 16…評価部, 17…出力部
Claims (4)
- 圧力容器の三次元データを入力する三次元データ入力部と、
前記圧力容器の材質に関する材質データを予め記憶する材質データ記憶部と、
応力解析の解析条件を予め記憶する解析条件記憶部と、
前記三次元データ入力部によって入力された前記三次元データと、前記材質データ記憶部に記憶される前記材質データと、前記解析条件記憶部に記憶される前記解析条件と、に基づいて、前記圧力容器について有限要素法を用いた熱伝導解析及び弾塑性解析を行うFEM解析部と、
前記FEM解析部における解析結果に基づいて、標準化された圧力容器規格のうち三次元データによる解析結果に基づいた評価を規定した圧力容器規格を前記圧力容器が満足するか否か評価する評価部と、
前記評価部による評価結果を出力する出力部と、
を備える圧力容器評価装置。 - 前記標準化された圧力容器規格は、圧力容器に対して解析による設計として規定されたものであることを特徴とする請求項1に記載の圧力容器評価装置。
- 前記標準化された圧力容器規格は、“ASME Section VIII Div.2”又は“EN 13445 Part3”のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧力容器評価装置。
- 圧力容器の材質に関する材質データを予め記憶する材質データ記憶部と、応力解析の解析条件を予め記憶する解析条件記憶部と、を備える圧力容器評価装置が、圧力容器の三次元データを入力する三次元データ入力ステップと、
前記圧力容器評価装置が、前記三次元データ入力ステップによって入力された前記三次元データと、前記材質データ記憶部に記憶される前記材質データと、前記解析条件記憶部に記憶される前記解析条件と、に基づいて、前記圧力容器について有限要素法を用いた熱伝導解析及び弾塑性解析を行うFEM解析ステップと、
前記圧力容器評価装置が、前記FEM解析ステップにおける解析結果に基づいて、標準化された圧力容器規格のうち三次元データによる解析結果に基づいた評価を規定した圧力容器規格を前記圧力容器が満足するか否か評価する評価ステップと、
前記圧力容器評価装置が、前記評価ステップによる評価結果を出力する出力ステップと、
を備える圧力容器評価方法。
Priority Applications (1)
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JP2009027241A JP2010182234A (ja) | 2009-02-09 | 2009-02-09 | 圧力容器評価装置及び圧力容器評価方法 |
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JP2015187827A (ja) * | 2014-03-14 | 2015-10-29 | 株式会社カネカ | 断熱容器内の温度算出装置、方法及びコンピュータプログラム |
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JP2020052929A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-04-02 | 積水化成品工業株式会社 | 評価装置、評価方法、製造方法及び評価プログラム |
-
2009
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