JP2010180837A - ヒートポンプを使った蒸気タービン駆動システム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来復水器で捨てていた熱を利用する蒸気タービン駆動システムを提供する。
【解決手段】過熱蒸気Gにより蒸気タービン2を駆動する蒸気タービン駆動システムにおいて、蒸気タービン2と、発電機3と、蒸気タービン2を駆動したタービン排出蒸気G1の熱を利用する凝縮器4と、圧縮機5とを備える。蒸気タービン2を駆動したタービン排出蒸気G1の熱を利用することができる。蒸発器4に圧縮機5を接続し、この圧縮機5により水(冷媒)W1を蒸発させ、冷凍サイクルで潜熱でタービン排出蒸気G1を凝縮させることができる。凝縮器4は凝縮潜熱と蒸発潜熱の交換場所である。
【選択図】図2
【解決手段】過熱蒸気Gにより蒸気タービン2を駆動する蒸気タービン駆動システムにおいて、蒸気タービン2と、発電機3と、蒸気タービン2を駆動したタービン排出蒸気G1の熱を利用する凝縮器4と、圧縮機5とを備える。蒸気タービン2を駆動したタービン排出蒸気G1の熱を利用することができる。蒸発器4に圧縮機5を接続し、この圧縮機5により水(冷媒)W1を蒸発させ、冷凍サイクルで潜熱でタービン排出蒸気G1を凝縮させることができる。凝縮器4は凝縮潜熱と蒸発潜熱の交換場所である。
【選択図】図2
Description
本発明は、水(冷媒)の冷凍サイクルを用いて(水のヒートポンプ)タービンを駆動する蒸気タービン駆動システム(原動機含む)に関する。
カルノーサイクルは最も効率のよい理論サイクルであるが、実施は困難であるため、一般に蒸気原動機ではランキンサイクルを基本としている。ランキンサイクルでは、タービン排気が復水器で冷却され、多量の熱(潜熱)を捨て、復水となる(例えば特許文献1)。ランキンサイクルの効率を上げるためには、再生サイクル,再熱サイクルや再熱再生サイクルがあるが、それでも効率は低い。効率向上を図ったものとして、ガスタービンと蒸気タービンを熱的に結合した複合サイクル(combined cycle)があるが、それでも効率は50%に届かない。
地球の温暖化により北極やヒマラヤの氷が溶け始めている時代です。発電機、原動機の効率を向上させてCO2の排出量を少なくしなければならなくなっている。
そこで、本発明は、従来復水器で捨てていた熱(潜熱)を水(冷媒)にして圧縮機で蒸発させ、水蒸気にして過熱器に送り、エンタルピーを増加させ、タービンを回転させる蒸気タービン駆動システムを提供することを目的とし、冷凍サイクル,水のヒートポンプを利用する。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、水(冷媒)を加熱した蒸気により蒸気タービンを駆動する蒸気タービン駆動システムにおいて、前記蒸気タービンを駆動したタービン排出蒸気の熱を回収する熱交換器を備えることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、前記熱交換器は、前記蒸気タービンを駆動した前記タービン排出蒸気から潜熱を奪って水(冷媒)にすることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、前記熱交換器に圧縮機を接続し、この圧縮機により前記水(冷媒)を蒸発させると共に、前記熱交換器により前記タービン排出蒸気から水(冷媒)に蒸発熱を加えて前記水(冷媒)を気化することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、前記熱交換器は、前記水(冷媒)を回収する回収容器と、この回収容器と前記圧縮機を接続する複数の熱交換路とを備え、前記タービン排出蒸気が熱交換室に入り、蒸発した蒸気が前記熱交換路を通り、前記熱交換路に前記タービン排出蒸気を接して前記水(冷媒)と熱交換することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、前記圧縮機により加圧加温した蒸気を過熱器により過熱し、この過熱蒸気を前記蒸気タービンに供給することを特徴とする。
請求項1の構成によれば、蒸気タービンを駆動したタービン排出蒸気の熱を利用することができる。
また、請求項2の構成によれば、タービン排出蒸気の潜熱を利用できる。
また、請求項3の構成によれば、圧縮機により水(冷媒)を蒸発させるので、タービンを出た蒸気を水(冷媒)にできる。
また、請求項4の構成によれば、前記熱交換路に前記タービン排出蒸気を接して前記水(冷媒)と熱交換する。
また、請求項5の構成によれば、加圧した蒸気を過熱し、この過熱蒸気により蒸気タービンを駆動することができる。このように、圧縮機の上流では水(冷媒)が蒸発し、その下流では蒸気を加圧加熱し、蒸気タービンを効率よく駆動することができる。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例について説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の蒸気タービン駆動システムたる発電システムは、水を冷媒とし、蒸気を加熱する過熱器1と、過熱器1により加熱された過熱蒸気Gにより駆動する蒸気タービン2と、このタービン2により駆動する発電機3とを備え、前記タービン2を駆動する際、前記過熱蒸気Gは膨張してタービン排出蒸気G1となり、このタービン排出蒸気G1は前記過熱蒸気Gより低温となり、熱交換器たる凝縮器4に送られる。尚、過熱器1と蒸気タービン2は、鎖線で示す管路K1により接続され、蒸気タービン2と凝縮器4は、鎖線で示す管路K2により接続されている。
尚、発電機3を用いずに蒸気タービン2を車や船などの各種の動力に用いてもよい。
前記凝縮器4は、熱交換室11と、前記タービン排出蒸気G1が液化した水(冷媒)Wを貯水する回収容器たる貯水室12と、前記水(冷媒)Wが蒸発する際、前記タービン排出蒸気G1の潜熱を奪って気化した蒸気G2が通過する通過室13と、前記熱交換室11内に設けられ前記貯水室12と前記通過室13とを連通する複数の熱交換パイプ14,14・・・とを備え、前記通過室13には、圧縮機5が接続されている。そして、前記通過室13の下に前記熱交換室11が設けられ、この熱交換室13の下に前記貯水室12が設けられている。尚、凝縮器4と圧縮機5は、鎖線で示す管路K3により接続され、圧縮機5と過熱器1は、鎖線で示す管路K4により接続されている。
前記熱交換室11の下部と前記貯水室12とは、管路15により接続され、前記管路15の下流には、前記貯水層12内の水位を調整する水位調整手段たるフロート弁17を設けている。
また、前記発電システムは、前記圧縮機5の駆動を制御する制御手段21を備え、この制御手段21は、前記圧縮機5の手前の管路K3に温度調節計22を接続し、この温度調節計22により管路K3の蒸発蒸気G2の温度を測定し、この温度が設定温度になるように圧縮機5を駆動制御する。具体的には、インバーターにより圧縮機5の回転数を調節する。
また、前記発電システムは、前記過熱器1の手間の蒸気の圧力を調節する制御手段23を備え、この制御手段23は、前記過熱器1の手前の管路K4に圧力調節弁24を設けると共に、この圧力調節弁24の下流の管路K4の蒸気圧を検出する検出手段25を設け、この検出手段25により検出した蒸気圧を所定圧に保つように前記圧力調節弁24を制御する。
さらに、前記発電システムは、前記蒸気タービン2に供給する過熱蒸気の温度を制御する制御手段26を備え、この制御手段26は蒸気タービン2の手間の管路K1に温度調節計27を接続し、この温度調節計27により管路K1の過熱蒸気Gの温度を測定し、この温度が設定温度になるように過熱器1を駆動制御する。具体的には、過熱器1に供給されるガスなどの燃料の供給量を調節弁28により制御することにより、過熱量を調節し、過熱蒸気Gが所定の温度になるように調節する。
次に、前記発電システムの動作について説明する。過熱器1により過熱された過熱蒸気Gは、蒸気タービン2を駆動することにより、膨張してタービン排出蒸気G1となる。このタービン排出蒸気G1は熱交換室11に送られ、熱交換パイプ14に熱を奪われて凝縮し、凝縮水Wとして熱交換室11の下部に貯まる。この熱交換室11に貯まった凝縮水Wは管路15を通って貯水室12に落下し、貯水室12内の水(冷媒)W1の水位はフロート弁17により所定範囲内に保たれる。尚、凝縮器4にフィルター手段を設けて水Wに含まれるゴミ類を除去するようにしてもよい。
ここで、圧縮機5の駆動により、圧縮機5に接続した通過室13,複数の熱交換パイプ14,14・・・及び貯水室12内が減圧され、低圧条件で貯水室12内の水(冷媒)W1が蒸発して蒸発蒸気G2が発生し、この際、熱交換室11内のタービン排出蒸気G1を凝縮する。
前記蒸発蒸気G2は、圧縮機5により圧縮されることにより、所定圧に上昇する。この場合の圧力は、ゲージ圧で、例えば2kg/cm2程度とすれば、蒸気の圧縮比は3となる。この圧縮機5で圧縮した蒸気を過熱器1により過熱することにより、過熱蒸気Gが得られ、この過熱蒸気Gの温度は、300度(200〜400°)
この過熱蒸気Gにより蒸気タービン2を駆動することができる。
この過熱蒸気Gにより蒸気タービン2を駆動することができる。
尚、一例として、前記タービン排出蒸気G1は、圧力450mmHg、温度86〜100度、前記蒸発蒸気G2は、前記タービン排出蒸気G1より圧力及び温度が低く、圧力376mmHg、温度81度前後(77〜85度)である。
熱交換器たる凝縮器4において、凝縮潜熱と蒸発潜熱の交換が行われます。尚、図1中の温度,圧力は仮定です。
このように本実施例では、水(冷媒)を加熱した蒸気たる過熱蒸気Gにより蒸気タービン2を駆動する蒸気タービン駆動システムたる発電システムにおいて、蒸気タービン2を駆動したタービン排出蒸気G1の熱を回収する熱交換器たる凝縮器4を備えるから、蒸気タービン2を駆動したタービン排出蒸気G1の潜熱を利用することができる。
また、このように本実施例では、熱交換器たる凝縮器4は、タービン2を駆動した前記タービン排出蒸気G1から蒸発熱を奪って凝縮水W,水(冷媒)W1にするから、タービン排出蒸気G1から潜熱を奪うことができる。
また、このように本実施例では、熱交換器たる凝縮器4に圧縮機5を接続し、この圧縮機5により水(冷媒)W1を減圧すると共に、凝縮器4によりタービン排出蒸気G1から水(冷媒)W1に潜熱を加えて水(冷媒)W1を気化するから、圧縮機5により水(冷媒)W1を減圧すると共に、低圧蒸気であるタービン排出蒸気G1から蒸発熱を奪って水(冷媒)W1が気化する。
また、このように本実施例では、水(冷媒)W1を回収する回収容器たる貯水室12と、この貯水室12と圧縮機5を接続する複数の熱交換路たる熱交換パイプ14とを備え、熱交換パイプ14にタービン排出蒸気G1を接して水(冷媒)W1と熱交換するから、熱交換パイプ14にタービン排出蒸気G1を接して水(冷媒)W1と熱交換する。
また、このように本実施例では、圧縮機5により加圧加温した蒸気を過熱器1により過熱し、過熱蒸気Gを蒸気タービン2に供給するから、加圧加温した蒸気を過熱し、この過熱蒸気にGより蒸気タービンを駆動することができる。このように、圧縮機5の上流では凝縮水W,水(冷媒)W1を減圧し、その下流では蒸気Gを加圧加温するから、蒸気タービン2を効率よく駆動することができる。
また、実施例上の効果として、熱交換器たる蒸発器4は、熱交換室11と、蒸気タービン2を駆動したタービン排出蒸気G1が凝縮した水(冷媒)W1を貯水する貯水室12と、水(冷媒)W1が減圧されタービン排出蒸気G1の潜熱を奪って気化した冷媒蒸気が通過する通過室13と、熱交換室12内に設けられ貯水室12と通過室13とを連通する複数の熱交換パイプ14,14・・・とを備えるから、熱交換室11においてタービン排出蒸気G1を一旦凝縮水Wに変換して溜め、発電システム内で水(冷媒)の供給量を調整することができる。
図3は、本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では、制御手段21,23を用いることなく、制御手段31を備え、この制御手段31は、前記過熱器1の手前の蒸気の圧力を調節するものであって、この制御手段31は、前記過熱器1の手前の管路K4の蒸気圧を検出する検出手段32を設け、この検出手段32により検出した蒸気圧を所定圧に保つように圧縮機5を駆動制御する。具体的には、インバーターにより圧縮機5の回転数を調節する。
このように本実施例においても、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
尚、本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、発電機の駆動に限らず、蒸気タービンを原動機として各種の動力に用いることができる。
1 過熱器
2 蒸気タービン
3 発電機
4 凝縮器(熱交換器)
5 圧縮機
11 熱交換室
12 貯水室
13 通過室
14 熱交換パイプ(冷媒がとおる)
G 過熱蒸気
G1 タービン排出蒸気
W 水(凝縮)
W1 水(冷媒)
G2 蒸気(冷媒)
2 蒸気タービン
3 発電機
4 凝縮器(熱交換器)
5 圧縮機
11 熱交換室
12 貯水室
13 通過室
14 熱交換パイプ(冷媒がとおる)
G 過熱蒸気
G1 タービン排出蒸気
W 水(凝縮)
W1 水(冷媒)
G2 蒸気(冷媒)
Claims (5)
- 水を加熱した蒸気により蒸気タービンを駆動する蒸気タービン駆動システムにおいて、前記蒸気タービンを駆動したタービン排出蒸気の熱を回収する熱交換器を備えることを特徴とする蒸気タービン駆動システム。
- 前記熱交換器は、前記蒸気タービンを駆動した前記タービン排出蒸気から潜熱を奪って水にすることを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン駆動システム。
- 前記熱交換器に圧縮機を接続し、この圧縮機により前記水を減圧蒸発させると共に、前記熱交換器により前記タービン排出蒸気から水に潜熱を加えて前記水を気化することを特徴とする請求項2記載の蒸気タービン駆動システム。
- 前記水を回収する回収容器と、この回収容器と前記圧縮機を接続する複数の熱交換路とを備え、前記熱交換路に前記タービン排気蒸気を接して前記水と熱交換することを特徴とする請求項3記載の蒸気タービン駆動システム。
- 前記圧縮機により加圧加温した蒸気を過熱器により過熱し、この過熱蒸気を前記蒸気タービンに供給することを特徴とする請求項3記載の蒸気タービン駆動システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009026774A JP2010180837A (ja) | 2009-02-06 | 2009-02-06 | ヒートポンプを使った蒸気タービン駆動システム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009026774A JP2010180837A (ja) | 2009-02-06 | 2009-02-06 | ヒートポンプを使った蒸気タービン駆動システム |
Publications (1)
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2009026774A Withdrawn JP2010180837A (ja) | 2009-02-06 | 2009-02-06 | ヒートポンプを使った蒸気タービン駆動システム |
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JP (1) | JP2010180837A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022190764A1 (ja) * | 2021-03-10 | 2022-09-15 | 三菱パワー株式会社 | 捕集装置、復水設備、及び捕集方法 |
-
2009
- 2009-02-06 JP JP2009026774A patent/JP2010180837A/ja not_active Withdrawn
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WO2022190764A1 (ja) * | 2021-03-10 | 2022-09-15 | 三菱パワー株式会社 | 捕集装置、復水設備、及び捕集方法 |
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