JP2010178293A - レベルシフト回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】低消費電力で高速動作が可能なレベルシフト回路を提供する。
【解決手段】レベルシフト回路は、タイミング制御回路1と、充電回路2と、放電回路3と、電圧保持回路4と論理合わせ回路5とを有する出力信号生成回路6とを備えている。出力信号Voutの論理を決定するために電流駆動力が大きいトランジスタQ21とトランジスタQ31とを縦続接続し、これらトランジスタQ21とトランジスタQ31とに貫通電流が流れないようにタイミング制御回路1がトランジスタQ21とトランジスタQ31のオン・オフを制御するため、トランジスタQ21およびトランジスタQ31が同時にオン状態となることはない。よって、低電源電圧端子から、トランジスタQ21およびトランジスタQ31を通して、接地端子へ貫通電流が流れることがなく、レベルシフト回路は低消費電力で高速動作が可能である。
【選択図】図2
【解決手段】レベルシフト回路は、タイミング制御回路1と、充電回路2と、放電回路3と、電圧保持回路4と論理合わせ回路5とを有する出力信号生成回路6とを備えている。出力信号Voutの論理を決定するために電流駆動力が大きいトランジスタQ21とトランジスタQ31とを縦続接続し、これらトランジスタQ21とトランジスタQ31とに貫通電流が流れないようにタイミング制御回路1がトランジスタQ21とトランジスタQ31のオン・オフを制御するため、トランジスタQ21およびトランジスタQ31が同時にオン状態となることはない。よって、低電源電圧端子から、トランジスタQ21およびトランジスタQ31を通して、接地端子へ貫通電流が流れることがなく、レベルシフト回路は低消費電力で高速動作が可能である。
【選択図】図2
Description
本発明は、高電源電圧回路の論理レベルを低電源電圧回路の論理レベルへ変換するレベルシフト回路に関する。
高電源電圧レベルで動作する回路ブロックから、低電源電圧レベルで動作する回路ブロックへ信号を伝達する場合、ハイに対応する電圧レベルを、高電源電圧から低電源電圧へ変換するためのレベルシフト回路が必要である。
レベルシフト回路としては、抵抗を用いて低電源電圧レベルを生成する回路方式が一般的である。しかしながら、抵抗が小さいと、論理レベルが遷移する際に大きな電流が流れ、消費電力が増大してしまう。そのため、抵抗を大きくせざるを得ず、レベルシフト回路が数百KHz程度の低速でしか動作しないという問題がある。
また、特許文献1には、抵抗を用いず、トランジスタのみで構成されたレベルシフト回路が開示されている。しかしながら、高電源電圧から低電源電圧に変換するトランジスタが、電圧を変換する動作を行えない所定期間の「不感応領域」を有するため、やはり高速動作できないという問題がある。
本発明は、低消費電力で高速動作が可能なレベルシフト回路を提供するものである。
本発明の一態様によれば、第1の制御信号に基づいて、入力信号のハイ電圧レベルを第1の基準電圧に設定する動作を行う充電回路と、第2の制御信号に基づいて、前記入力信号のロウ電圧レベルを第2の基準電圧に設定する動作を行う放電回路と、前記第1の基準電圧をハイ電圧レベルとし、前記第2の基準電圧をロウ電圧レベルとし、前記入力信号と同論理の出力信号を生成する出力信号生成回路と、前記充電回路から前記放電回路へ貫通電流が流れないように、前記入力信号と前記出力信号とに基づいて前記第1および第2の制御信号を生成するタイミング制御回路と、を備えることを特徴とするレベルシフト回路が提供される。
本発明によれば、レベルシフト回路が低消費電力で高速動作ができる。
以下、本発明に係るレベルシフト回路の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るレベルシフト回路の概略構成を示す図である。図1のレベルシフト回路は、タイミング制御回路1と、充電回路2と、放電回路3と、電圧保持回路4と論理合わせ回路5とを有する出力信号生成回路6とを備えている。タイミング制御回路1には、高電源電圧VDDH(例えば、5V)および低電源電圧VDDL(例えば、3.3V)が供給されている。充電回路2、電圧保持回路4、論理合わせ回路5には、低電源電圧VDDLが供給されている。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るレベルシフト回路の概略構成を示す図である。図1のレベルシフト回路は、タイミング制御回路1と、充電回路2と、放電回路3と、電圧保持回路4と論理合わせ回路5とを有する出力信号生成回路6とを備えている。タイミング制御回路1には、高電源電圧VDDH(例えば、5V)および低電源電圧VDDL(例えば、3.3V)が供給されている。充電回路2、電圧保持回路4、論理合わせ回路5には、低電源電圧VDDLが供給されている。
入力信号Vinは、高電源電圧回路(不図示)から出力され、出力信号Voutは、低電源電圧回路(不図示)へ入力される。高電源電圧回路と、低電源電圧回路と、レベルシフト回路とは、通常は1つのチップに内蔵されているが、2つ以上のチップに分散して内蔵されていてもよいし、各回路をプリント基板等にディスクリート部品で実装してもよい。
入力信号Vinは、ハイとロウの状態を有するディジタル信号であり、ハイの場合は高電源電圧VDDH、ロウの場合は接地電圧を意味する。また、出力信号Voutも、ハイとロウの状態を有するディジタル信号であり、ハイの場合は低電源電圧VDDL、ロウの場合は接地電圧を意味する。図1のレベルシフト回路は、入力信号Vinを、入力信号Vinと同論理であり、ハイが低電源電圧VDDL、ロウが接地電圧のディジタル出力信号Voutに変換するものである。なお、「論理」とは、信号がハイまたはロウのいずれかの状態を表すものとする。また、「論理レベル」とは、信号の電圧(例えば、0Vや高電源電圧VDDH、低電源電圧VDDL)を表すものとする。
タイミング制御回路1は、入力信号Vinおよび出力信号Voutに基づいて信号C(第1の制御信号)およびA(第2の制御信号)を生成する。これら信号C,Aは、充電回路2および放電回路3の動作タイミングを制御するために用いられる。充電回路2は、信号Cに基づいて、信号V0の電圧レベルを低電源電圧(第1の基準電圧)VDDLに設定する。放電回路3は、信号Aに基づいて、信号V0の電圧レベルを接地電圧(第2の基準電圧)に設定する。電圧保持回路4は、出力信号Voutの電圧レベルが保持されるよう信号V0,Dの電圧レベルを制御する。論理合わせ回路5は、出力信号Voutの論理を入力信号Vinと同論理とする。
図1のレベルシフト回路のおおまかな動作は以下の通りである。
まず、入力信号Vinがロウからハイに遷移する場合を説明する。タイミング制御回路1は、ハイ(高電源電圧VDDH)に遷移した入力信号Vinに基づいて、所定のタイミングで充電回路2が動作するよう、信号Cを制御する。充電回路2は、信号Cに基づいて、信号V0の電圧レベルを低電源電圧VDDL(ハイ)に設定するように動作する。なお、このとき、放電回路3は動作していない。電圧保持回路4は、信号V0の論理を反転し、信号Dを接地電圧(ロウ)に設定する。論理合わせ回路5は、さらに信号Dの論理を反転し、出力信号Voutを低電源電圧VDDL(ハイ)に設定する。
出力信号Voutがハイに設定された後、タイミング制御回路1は、出力信号Voutに基づいて、充電回路2が動作をしないよう信号Cを制御する。しかし、電圧保持回路4は、信号Dを電圧保持回路4内でフィードバックすることで信号Dをロウに保持でき、論理合わせ回路5は、出力信号Voutをハイに保持できる。
次に、入力信号Vinがハイからロウに遷移する場合を説明する。タイミング制御回路1は、ロウ(接地電圧)である入力信号Vinに基づいて、所定のタイミングで放電回路3が動作するよう、信号Aを制御する。放電回路3は、信号Aに基づいて、信号V0の電圧レベルを接地電圧(ロウ)に設定するように動作する。なお、このとき、充電回路2は動作していない。電圧保持回路4は、信号V0の論理を反転し、信号Dを低電源電圧VDDL(ハイ)に設定する。論理合わせ回路5は、さらに信号Dの論理を反転し、出力信号Voutを接地電圧(ロウ)に設定する。
以上のようにして、レベルシフト回路は、ハイが高電源電圧VDDH、ロウが接地電圧の入力信号Vinを、入力信号Vinと同論理で、ハイが低電源電圧VDDL、ロウが接地電圧の出力信号Voutに変換できる。
図1のタイミング制御回路1は、充電回路2と放電回路3が同時に動作しないよう制御する。よって、入力信号Vinの論理レベルが遷移する際に、低電源電圧端子から、充電回路2および放電回路3を通して、接地端子へ貫通電流が流れることがない。そのため、充電回路2および放電回路3を電流駆動力が大きい素子で構成しても、大電流が流れることはなく、レベルシフト回路を高速動作させることが可能である。
図2は、図1のレベルシフト回路の具体的な構成の一例を示す回路図である。タイミング制御回路1は、インバータ11と、NOR回路12と、PMOSトランジスタQ13と、NMOSトランジスタQ14とを有する。インバータ11、NOR回路12には、高電源電圧VDDHが供給される。インバータ11は、入力信号Vinの論理を反転して、信号Aを出力する。NOR回路12は、信号Aおよび出力信号Voutに基づいて、NOR演算により信号Bを出力する。トランジスタQ13およびトランジスタQ14は、低電源電圧端子と接地端子との間に縦続接続されている。トランジスタQ13のゲートには接地電圧が供給され、トランジスタQ14のゲートには信号Bが入力されている。トランジスタQ13のドレインとトランジスタQ14のドレインとの接続ノードから信号Cが出力される。
充電回路2は、ソースに低電源電圧VDDLが供給され、ゲートに信号Cが入力されるPMOSトランジスタQ21(第1のトランジスタ)を有する。トランジスタQ21は、ゲートに入力される信号Cの電圧に応じて、ドレインである信号V0の電圧レベルを制御する。
放電回路3は、ソースに接地電圧が供給され、ゲートに信号Aが入力されるNMOSトランジスタQ31(第2のトランジスタ)を有する。トランジスタQ31は、ゲートに入力される信号Aの電圧に応じて、ドレインである信号V0の電圧レベルを制御する。
トランジスタQ21とQ31は、低電源電圧端子と接地端子との間に縦続接続されており、トランジスタQ21とQ31の接続ノードから信号V0が出力される。
電圧保持回路4は、インバータ41とPMOSトランジスタQ42(フィードバックトランジスタ)とを有する。インバータ41には、低電源電圧VDDLが供給される。インバータ41は、信号V0の論理を反転して、信号Dを出力する。トランジスタQ42のソースには低電源電圧VDDLが供給され、ゲートには信号Dがフィードバックされて入力される。トランジスタQ42は信号Dに基づいて、ドレインである信号V0の電圧レベルを制御する。
論理合わせ回路5は、インバータ51を有する。インバータ51には、低電源電圧VDDLが供給される。インバータ51は、信号Dの論理を反転して、出力信号Voutを出力する。
ここで、トランジスタQ14,Q21およびQ31は、高速に信号V0の電圧レベルを変化させる必要があるため、電流駆動力が大きなトランジスタとする。一方、トランジスタQ13およびQ42は、オン時に流れる電流が小さい(オン抵抗が大きい)トランジスタを採用し、消費電流を抑制する。後述するように、トランジスタQ13は、出力信号Voutの論理確定後に充電回路2をオフ状態とするため、トランジスタQ42は、信号Dの電圧を保持するためにそれぞれ用いられ、いずれのトランジスタも高速動作を必要としないからである。
このように、充電回路2および放電回路3は、タイミング制御回路1や電圧保持回路4と比較して、電流駆動力の大きい素子を用いて構成される。各トランジスタの用途に応じて、駆動力が異なるトランジスタを使い分けるため、本実施形態のレベルシフト回路は、高速かつ低消費電力で動作可能である。
図3は、図2のレベルシフト回路の各部の電圧波形図であり、横軸は時間、縦軸は各部の電圧である。図4は、図3の各時間における、各トランジスタのオン・オフ状態を示す図である。図3および図4を用いて、図2のレベルシフト回路の動作を詳細に説明する。
まず、入力信号Vinがロウからハイに遷移する場合を説明する。時刻t0において、入力信号Vinと出力信号Voutとは、共にロウであると仮定する。時刻t1で入力信号Vinがハイになると、インバータ11は信号Vinを反転して、信号Aをロウに設定する(時刻t2)。ロウである信号Aおよびロウである出力信号Voutに基づき、NOR回路12は信号Bをハイに設定し(時刻t3)、これにより、トランジスタQ14はオンする。上述のように、トランジスタQ14は、トランジスタQ13より電流駆動力が大きいため、トランジスタQ14は信号Cを短時間でロウに設定する(時刻t4)。
信号Cがロウになると、トランジスタQ21がオンする。一方、信号Aはロウなので、トランジスタQ31はオフである。よって、トランジスタQ21は信号V0の電圧レベルを上げ、ハイに設定する(時刻t5)。ここで、トランジスタQ21のソースには低電源電圧VDDLが供給されているので、信号V0のハイ電圧レベルは低電源電圧VDDLである。その後、インバータ41は、信号V0を反転して、信号Dをロウに設定する(時刻t6)。さらに、インバータ51は、信号Dを反転して、出力信号Voutをハイに設定する(時刻t7)。インバータ51には、低電源電圧VDDLが供給されているので、出力信号Voutのハイ電圧レベルは低電源電圧VDDLである。
以上のようにして、時刻t1で入力信号Vinがハイに設定された後、時刻t7で出力信号Voutがハイに設定される。図3では、説明のためにt1〜t2等の間隔を大きく描いている。しかし、実際のインバータ11等の論理ゲートやトランジスタの1段分の遅延時間である時刻t1〜t2等は数nsであるので、図2のレベルシフト回路は数十MHz程度の高速で動作可能である。
図2のレベルシフト回路は、インバータ51からNOR回路12、および、インバータ41からトランジスタQ42のフィードバックループを有しているので、上記のように出力信号Voutがハイに設定された後は、以下のように動作する。ハイに設定された出力信号Voutに基づき、NOR回路12は信号Bをロウに設定する(時刻t8)。これにより、トランジスタQ14はオフする。すると、ゲートに接地電圧が供給されているトランジスタQ13により信号Cはハイに設定される。ここで、トランジスタQ13はオン抵抗が大きいため、信号Cはなだらかにロウからハイへと変化する(時刻t9)。信号Cがハイになると、トランジスタQ21はオフし、トランジスタQ21は信号V0を低電源電圧VDDLに保持する動作を行わなくなる。時刻t9では、トランジスタQ31もオフであり、トランジスタQ31も信号V0の電圧を設定する動作を行わない。
しかし、時刻t6で信号Dがロウに設定されると、トランジスタQ42がオンするため、トランジスタQ42が信号V0の電圧レベルを上げ、信号V0はハイを保持できる。トランジスタQ42のソースには低電源電圧VDDLが供給されているので、信号V0の電圧レベルは、やはり低電源電圧VDDLである。信号V0がハイであれば、インバータ41が出力する信号Dはロウであり、さらに、インバータ51が出力する信号Voutはハイを保持できる。
このようにして、出力信号Voutがハイになった後は、時刻t9でトランジスタQ21がオフするが、トランジスタQ42により出力信号Voutはハイを保持できる。
次に、入力信号Vinがハイからロウに遷移する場合を説明する。時刻t11で入力信号Vinがロウになると、インバータ11は信号Vinを反転して、信号Aをハイに設定する(時刻t12)。信号Aがハイであるため、NOR回路12が出力する信号Bはロウのままである。よって、トランジスタQ14,21はオフ状態から変化せず、トランジスタQ21は信号V0の電圧レベルを上げる動作を行わない。
一方、時刻t12で信号Aはハイなので、トランジスタQ31はオンする。トランジスタQ31およびトランジスタQ42が共にオンであるが、トランジスタQ31の電流駆動力がトランジスタQ42の電流駆動力より大きい。よって、トランジスタQ31は信号V0の電圧レベルを下げ、ロウに設定する(時刻t13)。その後、インバータ41は、信号V0を反転して、信号Dをハイに設定する(時刻t14)。さらに、インバータ51は、信号Dを反転して、出力信号Voutをロウに設定する(時刻t5)。
以上のようにして、時刻t11で入力信号Vinがロウに設定された後、時刻t15で出力信号Voutがロウに設定される。
図2のレベルシフト回路では、仮に、トランジスタQ21およびトランジスタQ31が同時にオン状態になっていると、低電源電圧端子から、トランジスタQ21およびトランジスタQ31を通して、接地端子へ貫通電流が流れてしまう。しかしながら、図4から明らかなように、トランジスタQ21とトランジスタQ31とが同時にオン状態となることはない。これは、入力信号Vinがハイになると、入力がハイである期間(時刻t1〜t10)の長短にかかわらず、充電回路2は時刻t4〜t8のみ動作し、その後は入力信号Vinの論理レベルが遷移するまでは、充電回路2および放電回路3の動作は停止するためである。
このように、低電源電圧端子から、トランジスタQ21およびトランジスタQ31を通して、接地端子へ貫通電流が流れることがないので、トランジスタQ21およびトランジスタQ31を、電流駆動力が大きいトランジスタとすることができ、レベルシフト回路は高速動作が可能である。
なお、時刻t2〜t7では、低電源電圧端子から、トランジスタQ13およびトランジスタQ14を通して、接地端子へ貫通電流が流れる。同様に、時刻t11〜t15では、低電源電圧端子から、トランジスタQ42およびトランジスタQ31を通して、接地端子へ貫通電流が流れる。しかしながら、上述のようにトランジスタQ13およびQ42は、オン時に流れる電流が小さい(オン抵抗が大きい)トランジスタであるため、これらの貫通電流によって消費電力が大幅に増加することはない。
このように、第1の実施形態では、出力信号Voutの論理レベルを決定するために電流駆動力が大きいトランジスタQ21とトランジスタQ31とを縦続接続し、これらトランジスタQ21とトランジスタQ31とに貫通電流が流れないようにタイミング制御回路1がトランジスタQ21とトランジスタQ31のオン・オフを制御するため、トランジスタQ21およびトランジスタQ31が同時にオン状態となることはない。よって、低電源電圧端子から、トランジスタQ21およびトランジスタQ31を通して、接地端子へ貫通電流が流れることがなく、レベルシフト回路は低消費電力で高速動作が可能である。
(第2の実施形態)
第2の実施形態はタイミング制御回路1の変形例である。
第2の実施形態はタイミング制御回路1の変形例である。
図5は、図1のレベルシフト回路の具体的な構成の別の一例を示す回路図である。図5では、図2と共通する構成部分には同一の符号を付しており、以下では相違点を中心に説明する。図5のレベルシフト回路は、タイミング制御回路1の内部構成のみ図2と異なっており、その他は図2と同様である。
タイミング制御回路1は、インバータ11,15と、PMOSトランジスタQ13と、NMOSトランジスタQ14,Q16とを有する。インバータ11,15には、高電源電圧VDDHが供給される。インバータ11は、入力信号Vinの論理を反転して、信号Aを出力する。インバータ15は、出力信号Voutの論理を反転して、信号B’を出力する。トランジスタQ13,Q16およびQ14は、低電源電圧端子と接地端子との間に縦続接続されている。トランジスタQ13のゲートには接地電圧が供給されている。トランジスタQ14のゲートには入力信号Vinが、トランジスタQ16のゲートには信号B’が、それぞれ入力されている。トランジスタQ13のドレインとトランジスタQ16のドレインとの接続ノードから信号Cが出力される。
ここで、トランジスタQ14,Q16,Q21およびQ31は、高速に信号V0の電圧レベルを変化させる必要があるため、電流駆動力が大きなトランジスタとする。一方、トランジスタQ13およびQ42は、高速動作の必要がないため、オン時に流れる電流が小さい(オン抵抗が大きい)トランジスタとする。
図6は、図5のレベルシフト回路の各部の電圧波形図であり、横軸は時間、縦軸は各部の電圧である。図7は、図6の各時間における、各トランジスタのオン・オフ状態を示す図である。図6および図7を用いて、図5のレベルシフト回路の動作を詳細に説明する。
まず、入力信号Vinがロウからハイに遷移する場合を説明する。時刻t0において、入力信号Vinと出力信号Voutとは、共にロウであると仮定する。時刻t1で入力信号Vinがハイになると、インバータ11は信号Vinを反転して、信号Aをロウに設定する(時刻t2)。これにより、トランジスタQ31はオフする。また、トランジスタQ14は、入力信号Vinがハイなのでオンし、トランジスタQ14とトランジスタQ16との接続ノードはロウに設定される(不図示)。
一方、時刻t0で出力信号Voutはロウであるので、信号B’はハイであり、トランジスタQ16はオンしている。よって、時刻t2では、トランジスタQ14およびQ16が共にオンしている。トランジスタQ14およびQ16は、トランジスタQ13より電流駆動力が大きいため、トランジスタQ14とトランジスタQ16との接続ノードがロウに設定された後に、信号Cはロウに設定される(時刻t3)。
信号Cがロウになると、トランジスタQ21がオンする。一方、信号Aはロウなので、トランジスタQ31はオフである。よって、トランジスタQ21は信号V0の電圧レベルを上げ、ハイに設定する(時刻t4)。ここで、トランジスタQ21のソースには低電源電圧VDDLが供給されているので、信号V0のハイ電圧レベルは低電源電圧VDDLである。その後は、第1の実施形態と同様に、インバータ41は、信号V0を反転して信号Dをロウに設定し(時刻t5)、インバータ51は、信号Dを反転して、出力信号Voutをハイに設定する(時刻t6)。インバータ51には、低電源電圧VDDLが供給されているので、出力信号Voutのハイ電圧レベルは低電源電圧VDDLである。
以上のようにして、時刻t1で入力信号Vinがハイに設定された後、時刻t6で出力信号Voutがハイに設定される。
その後、ハイに設定された出力信号Voutに基づき、インバータ15は信号B’をロウに設定する(時刻t7)。これにより、トランジスタQ16はオフする。すると、ゲートに接地電圧が供給されているトランジスタQ13により信号Cはハイに設定される。ここで、トランジスタQ13はオン抵抗が大きいため、信号Cはなだらかにロウからハイへと変化する(時刻t8)。信号Cがハイになると、トランジスタQ21はオフし、トランジスタQ21は信号V0を低電源電圧VDDLに保持する動作を行わなくなる。時刻t8では、トランジスタQ31もオフであり、トランジスタQ31も信号V0の電圧を設定する動作を行わない。
しかし、時刻t5で信号Dがロウに設定されると、トランジスタQ42がオンするため、トランジスタQ42が信号V0の電圧レベルを上げ、信号V0はハイを保持できる。トランジスタQ42のソースには低電源電圧VDDLが供給されているので、信号V0の電圧レベルは、やはり低電源電圧VDDLである。信号V0がハイであれば、インバータ41が出力する信号Dはロウであり、さらに、インバータ51が出力する信号Voutはハイを保持できる。
このようにして、出力信号Voutがハイになった後は、トランジスタQ21がオフするが、トランジスタQ42により出力信号Voutはハイを保持できる。
次に、入力信号Vinがハイからロウに遷移する場合を説明する。時刻t10で入力信号Vinがロウになると、インバータ11は信号Vinを反転して、信号Aをハイに設定する(時刻t11)。すると、トランジスタQ31はオンする。トランジスタQ31およびトランジスタQ42が共にオンであるが、トランジスタQ31の電流駆動力がトランジスタQ42の電流駆動力よりも大きい。しかも、時刻t11において信号Cはハイであるから、トランジスタQ21はオフである。よって、トランジスタQ31は信号V0の電圧レベルを下げ、ロウに設定する(時刻t12)。その後、インバータ41は、信号V0を反転して、信号Dをハイに設定する(時刻t13)。さらに、インバータ51は、信号Dを反転して、出力信号Voutをロウに設定する(時刻t14)。
以上のようにして、時刻t10で入力信号Vinがロウに設定された後、時刻t14で出力信号Voutがロウに設定される。
その後、ロウになった出力信号Voutに基づき、インバータ15は信号B’をハイに設定する(時刻t15)。時刻t15において、トランジスタQ16はオンするが、入力信号VinはロウなのでトランジスタQ14はオフしている。よって、信号Cはハイのままであり、トランジスタQ21はオフのままである。
図7から明らかなように、図5のレベルシフト回路でも、電流駆動力の大きなトランジスタQ21とトランジスタQ31とが同時にオン状態となることはなく、貫通電流は流れない。
このように、第2の実施形態でも、第1の実施形態と同様にレベルシフト回路は低消費電力で高速動作が可能である。さらに、通常はNOR回路12はトランジスタ4つ、インバータ11はトランジスタ2つで構成されるため、図2のタイミング制御回路1では合計8つのトランジスタを有するが、図5のタイミング制御回路1では、合計7つのトランジスタを有し、トランジスタの総数削減によるレベルシフト回路の小面積化が可能である。
図2および図5のレベルシフト回路は一例に過ぎず、種々の変形が可能である。例えば、MOSトランジスタの少なくとも一部を、バイポーラトランジスタやBi−CMOS等の他の半導体素子を用いて構成してもよい。また、トランジスタの導電型を逆にし、それに応じて電源端子と接地端子の接続位置を逆にしたレベルシフト回路を構成してもよい。この場合も基本的な動作原理は同じである。
本発明に係るレベルシフト回路は、回路全体を同一の半導体基板上に形成してもよいし、回路の一部を別の半導体基板上に形成してもよい。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
1 タイミング制御回路
2 充電回路
3 放電回路
4 電圧保持回路
5 論理合わせ回路
6 出力信号生成回路
11,15,41,51 インバータ
12 NOR回路
Q13,Q14,Q16,Q21,Q31,Q42 トランジスタ
2 充電回路
3 放電回路
4 電圧保持回路
5 論理合わせ回路
6 出力信号生成回路
11,15,41,51 インバータ
12 NOR回路
Q13,Q14,Q16,Q21,Q31,Q42 トランジスタ
Claims (5)
- 第1の制御信号に基づいて、入力信号のハイ電圧レベルを第1の基準電圧に設定する動作を行う充電回路と、
第2の制御信号に基づいて、前記入力信号のロウ電圧レベルを第2の基準電圧に設定する動作を行う放電回路と、
前記第1の基準電圧をハイ電圧レベルとし、前記第2の基準電圧をロウ電圧レベルとし、前記入力信号と同論理の出力信号を生成する出力信号生成回路と、
前記充電回路から前記放電回路へ貫通電流が流れないように、前記入力信号と前記出力信号とに基づいて前記第1および第2の制御信号を生成するタイミング制御回路と、を備えることを特徴とするレベルシフト回路。 - 前記入力信号の論理レベルがハイ電圧レベルになると、前記入力信号がハイ電圧レベルを保持する時間の長短にかかわらず、前記充電回路は所定期間だけ前記入力信号のハイ電圧レベルを前記第1の基準電圧に設定する動作をし、その後は、前記入力信号の論理レベルが遷移するまでは、前記充電回路は前記入力信号のハイ電圧レベルを前記第1の基準電圧に設定する動作を停止し、かつ、前記放電回路は前記入力信号のロウ電圧レベルを前記第2の基準電圧に設定する動作を停止することを特徴とする請求項1に記載のレベルシフト回路。
- 前記充電回路の出力端子と前記放電回路の出力端子とは共に、前記出力信号生成回路の入力端子に接続され、
前記出力信号生成回路は、
前記の入力端子を入力とするインバータと、
前記インバータの出力が制御端子に入力されるフィードバックトランジスタと、を有し、
前記出力信号生成回路は、前記充電回路が前記入力信号のハイ電圧レベルを前記第1の基準電圧に設定する動作を停止し、かつ、前記放電回路が前記入力信号のロウ電圧レベルを前記第2の基準電圧に設定する動作を停止しているときに、前記入力端子の論理を保持する動作を行うことを特徴とする請求項2に記載のレベルシフト回路。 - 前記充電回路は、前記出力信号生成回路の入力端子を前記第1の基準電圧に設定するか否かを切替える第1のトランジスタを有し、
前記放電回路は、前記出力信号生成回路の入力端子を前記第2の基準電圧に設定するか否かを切替える第2のトランジスタを有し、
前記第1および第2のトランジスタは、前記第1の基準電圧の端子と前記第2の基準電圧の端子との間に縦続接続されて、前記第1および第2のトランジスタの接続ノードが前記出力信号生成回路の入力端子に接続され、
前記出力信号生成回路は、前記出力信号の電圧レベルが前記第1の基準電圧のときに、前記第1のトランジスタがオフであっても、前記出力信号生成回路の入力端子の電圧レベルを前記第1の基準電圧に保持させることを特徴とする請求項3に記載のレベルシフト回路。 - 前記充電回路および前記放電回路は、前記出力信号生成回路および前記タイミング制御回路と比較して、電流駆動力の大きい素子を用いて構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のレベルシフト回路。
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