JP2010177349A - 集積型光発電素子の製造方法及び集積型光発電素子の製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜された電極層が大気中に曝露されることを原因とする性能低下の問題を解決した集積型光発電素子の製造方法等を提供する。
【解決手段】基板11と基板11上に成膜された電極層とを有する集積型光発電素子の製造方法であって、光透過窓30を備えた真空チャンバー(真空槽)10の外部から光透過窓30を通して照射されたレーザ光41により、基板11上に成膜された電極層の一部を除去し且つ分離するパターニング工程を、少なくとも有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】基板11と基板11上に成膜された電極層とを有する集積型光発電素子の製造方法であって、光透過窓30を備えた真空チャンバー(真空槽)10の外部から光透過窓30を通して照射されたレーザ光41により、基板11上に成膜された電極層の一部を除去し且つ分離するパターニング工程を、少なくとも有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、集積型光発電素子の製造方法等に関し、より詳しくは、薄膜系太陽電池に適用可能な集積型光発電素子の製造方法等に関する。
従来、薄膜型の太陽電池では、パターニングにより基板上に複数の太陽電池セルが分割形成され、これらを直列に接続した集積型構造を形成する製造方法が採用されている(特許文献1,2参照)。集積型構造を有する太陽電池モジュールは、太陽電池セルを複数個直列に接続することにより、所定の電圧が得られている。
ところで、例えばCIS系等の薄膜系太陽電池は、通常、以下の手順により製造される。
図3は、従来のCIS薄膜系太陽電池の製造工程を説明する図である。初めに、真空槽内で、絶縁性の基板1上にスパッタリング法等により裏面電極層2を形成した後、レーザスクライブ法により、裏面電極層2を短冊状に形成する(図3(a))。次に、スパッタリング法等により裏面電極層2上に半導体層3を形成し、(図3(b))、続いて、メカニカルスクライブ法により半導体層3の一部をストライプ状に除去し(図3(c))、その後、透明電極層4を形成する(図3(d))。最後に、透明電極層4を短冊状に分割し、分割溝5によって分割された複数のセルが直列に結合した集積型構造が形成される(図3(e))。
この場合、例えば、真空槽内で基板1上に成膜された裏面電極層2をレーザスクライブ法により短冊状に加工する場合、製造工程の途中段階で、一旦、基板1を真空槽外に取り出し、レーザスクライブ処理が完了後に、再び基板1を真空槽内に戻し、さらに加工が続けられる。
図3は、従来のCIS薄膜系太陽電池の製造工程を説明する図である。初めに、真空槽内で、絶縁性の基板1上にスパッタリング法等により裏面電極層2を形成した後、レーザスクライブ法により、裏面電極層2を短冊状に形成する(図3(a))。次に、スパッタリング法等により裏面電極層2上に半導体層3を形成し、(図3(b))、続いて、メカニカルスクライブ法により半導体層3の一部をストライプ状に除去し(図3(c))、その後、透明電極層4を形成する(図3(d))。最後に、透明電極層4を短冊状に分割し、分割溝5によって分割された複数のセルが直列に結合した集積型構造が形成される(図3(e))。
この場合、例えば、真空槽内で基板1上に成膜された裏面電極層2をレーザスクライブ法により短冊状に加工する場合、製造工程の途中段階で、一旦、基板1を真空槽外に取り出し、レーザスクライブ処理が完了後に、再び基板1を真空槽内に戻し、さらに加工が続けられる。
しかし、製造工程の途中段階で、基板1を真空槽外に取り出すと、基板1の表面に大気によって塵や埃等が吸着される。このため、レーザスクライブ処理の完了後に基板1を再度真空槽内に戻しても、その吸着物がその後の加工に悪影響を及ぼすという問題がある。
本発明の目的は、成膜された電極層が大気中に曝露されることを原因とする性能低下の問題を解決した集積型光発電素子の製造方法等を提供することにある。
本発明によれば、基板と基板上に成膜された電極層とを有する集積型光発電素子の製造方法であって、光透過窓を備えた真空槽の外部から光透過窓を通して照射されたレーザ光により、基板上に成膜された電極層の一部を除去し且つ分離するパターニング工程を、少なくとも有することを特徴とする集積型光発電素子の製造方法が提供される。
ここで、本発明が適用される集積型光発電素子の製造方法では、パターニング工程は、透光性材料から構成された基板を通してレーザ光を電極層に照射することが好ましい。
また、パターニング工程において、レーザ光を電極層に照射することにより生じる加工屑を、気体流を用いて除去することが好ましい。
また、パターニング工程において、レーザ光を電極層に照射することにより生じる加工屑を、気体流を用いて除去することが好ましい。
さらに、本発明が適用される集積型光発電素子の製造方法では、パターニング工程により分離された電極層上に半導体層を成膜する半導体層成膜工程と、半導体層上に透明電極層を成膜する透明電極層成膜工程とを、さらに有することが好ましい。
また、集積型光発電素子の半導体層は、IB族元素、IIIB族元素、VIB族元素から選ばれるいずれか1種を含むことが好ましい。
さらに、半導体層は、カルコパイライト構造を有するCu−In−Se系半導体を含むことが好ましい。
また、集積型光発電素子の半導体層は、IB族元素、IIIB族元素、VIB族元素から選ばれるいずれか1種を含むことが好ましい。
さらに、半導体層は、カルコパイライト構造を有するCu−In−Se系半導体を含むことが好ましい。
次に、本発明によれば、基板と基板上に成膜された電極層とを有する集積型光発電素子の製造装置であって、真空チャンバーと、真空チャンバー内に設置され、集積型光発電素子の基板の表面に成膜される電極層の材料から構成されたターゲットと、ターゲットと対向して配置される基板を保持可能に構成された基板ホルダと、真空チャンバーに設けられた光透過窓と、真空チャンバー外に設けられ、光透過窓を通し、真空チャンバー内にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、を有することを特徴とする集積型光発電素子の製造装置が提供される。
ここで、本発明が適用される集積型光発電素子の製造装置は、レーザ光を基板上の電極層に照射することにより生じる加工屑を、電極層から除去する加工屑除去手段を備えることが好ましい。
また、加工屑除去手段により基板上の電極層から除去された加工屑を回収する加工屑回収手段を備えることが好ましい。
また、加工屑除去手段により基板上の電極層から除去された加工屑を回収する加工屑回収手段を備えることが好ましい。
本発明によれば、成膜された電極層が大気中に曝露されることを原因とする性能低下の問題を解決した集積型光発電素子が得られる。
本発明によれば、電極層が大気に暴露される機会が低減することにより、太陽電池の生産効率が向上する。
本発明によれば、電極層が大気に暴露される機会が低減することにより、太陽電池の生産効率が向上する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。また、使用する図面は本実施の形態を説明するためのものであり、実際の大きさを表すものではない。
本発明が適用される集積型光発電素子の製造方法は、一般に薄膜系太陽電池として分類され、基板上に成膜された裏面電極層を有する太陽電池の製造方法に適用することができる。このような薄膜系太陽電池としては、例えば、水素化アモルファスシリコンを用いる薄膜シリコン型太陽電池、アモルファスと単結晶シリコンを組み合わせたHIT太陽電池、化合物半導体を用いる化合物太陽電池等が挙げられる。
さらに、化合物太陽電池としては、GaAs系太陽電池、CIS系(カルコパイライト系)太陽電池、Cu2ZnSnS4(CZTS)太陽電池、CdTe−CdS系太陽電池等が挙げられる。
さらに、化合物太陽電池としては、GaAs系太陽電池、CIS系(カルコパイライト系)太陽電池、Cu2ZnSnS4(CZTS)太陽電池、CdTe−CdS系太陽電池等が挙げられる。
これらの中でも、CIS系(カルコパイライト系)太陽電池は、光吸収層の材料として、シリコンの代わりに、Cu、In、Ga、Al、Se、S等から成るカルコパイライト系と呼ばれるIB−IIIB−VIB族化合物を用いる。代表的なものとしては、Cu(In,Ga)Se2、Cu(In,Ga)(Se,S)2、CuInS2等が挙げられ、それぞれCIGS、CIGSS、CISと略称される。
CIS系(カルコパイライト系)太陽電池は、製造法や材料の組み合わせが豊富であり、また多結晶であるため、大面積化や量産化に好適であり、フレキシブルな製品が得られやすい。
以下、本実施の形態が適用される集積型光発電素子の製造方法を、薄膜系太陽電池の一つであるCIS系(カルコパイライト系)太陽電池の製造方法に適用した例に基づき説明する。
CIS系(カルコパイライト系)太陽電池は、製造法や材料の組み合わせが豊富であり、また多結晶であるため、大面積化や量産化に好適であり、フレキシブルな製品が得られやすい。
以下、本実施の形態が適用される集積型光発電素子の製造方法を、薄膜系太陽電池の一つであるCIS系(カルコパイライト系)太陽電池の製造方法に適用した例に基づき説明する。
(集積型光発電素子の製造装置)
図1は、本実施の形態において使用する集積型光発電素子の製造装置の一例である。
図1に示す製造装置X0は、内部を真空状態に保持可能な真空チャンバー(真空槽)10と、真空チャンバー10の内部に、スパッタ法に用いる2個のターゲット21,22と、ターゲット21,22と対向して配置される基板11を保持可能に構成された基板ホルダ13と、基板ホルダ13を取り付けた成膜トレー12と、が配置されている。
真空チャンバー10は、光透過性材料からなる光透過窓30を備えている。さらに、真空チャンバー10の外から光透過窓30を通して、真空チャンバー10内の基板11上に成膜された電極層にレーザ光41を照射するレーザ発信器(レーザ光照射手段)40が設けられている。
図1は、本実施の形態において使用する集積型光発電素子の製造装置の一例である。
図1に示す製造装置X0は、内部を真空状態に保持可能な真空チャンバー(真空槽)10と、真空チャンバー10の内部に、スパッタ法に用いる2個のターゲット21,22と、ターゲット21,22と対向して配置される基板11を保持可能に構成された基板ホルダ13と、基板ホルダ13を取り付けた成膜トレー12と、が配置されている。
真空チャンバー10は、光透過性材料からなる光透過窓30を備えている。さらに、真空チャンバー10の外から光透過窓30を通して、真空チャンバー10内の基板11上に成膜された電極層にレーザ光41を照射するレーザ発信器(レーザ光照射手段)40が設けられている。
ターゲット21,22と基板11とは互いに平行になるように設置されている。ターゲット21,22は、それぞれ高周波電源Iに接続されたターゲット電極21a,22aと一体的に接合されている。また、基板11の電極を兼ねる成膜トレー12は高周波電源IIに接続されている。
また、基板ホルダ13を取り付けた成膜トレー12は、移動手段14により矢印Aの方向に移動可能となっている。真空チャンバー10には、真空ポンプVaに接続された排気口が設けられていると共に、アルゴンガス等の不活性ガスAr(放電ガス)の導入口が設けられている。
また、基板ホルダ13を取り付けた成膜トレー12は、移動手段14により矢印Aの方向に移動可能となっている。真空チャンバー10には、真空ポンプVaに接続された排気口が設けられていると共に、アルゴンガス等の不活性ガスAr(放電ガス)の導入口が設けられている。
光透過窓30は、光透過性材料からなる光透過性板を用いて構成される。ここで、光透過性材料は、可視光の波長領域380nm〜780nmの範囲で透過率が80%以上であることが好ましい。このような光透過性材料としては、例えば、石英ガラス、強化ガラス等のガラスが挙げられる。これらの中でも、透過する波長が広範囲な石英ガラス、強度に優れた強化ガラス等が好ましい。本実施の形態では、石英ガラスを使用している。光透過窓30を構成する光透過性板の厚さは特に限定されないが、本実施の形態では、3mmである。
図1に示すように、本実施の形態では、光透過窓30は、真空チャンバー10の下側に設けられている。後述するように、真空チャンバー10外に設けたレーザ発信器40からのレーザ光41は、光透過窓30を透過し、基板11を通して基板11上に成膜された電極層に照射する。
ターゲット21は、基板11上に成膜される電極層の材料から構成されている。電極層を構成する材料としては、金属が好ましく、例えば、Mo、Ti、Cr、Al、Ag、Au、CuおよびPtから選択された少なくとも1つの金属またはこれらの合金が挙げられる。本実施の形態では、電極層は、厚さ0.3μm程度の金属薄膜として成膜され、後述するように、レーザスクライブにより分割される。
また、ターゲット22は、電極層上にさらに成膜される半導体層の材料から構成されている。本実施の形態では、周期表IB族、IIIB族、VIB族の元素を含むカルコパイライト型化合物半導体を使用している。カルコパイライト型化合物半導体としては、銅(Cu)、インジウム(In)及びセレン(Se)を含むカルコパイライト構造を有するCu−In−Se系半導体材料が好ましい。
レーザ発信器40は、安定な単一周波数出力を発するレーザ光源を有することが好ましい。レーザ光源としては、アルゴンレーザ等のガスレーザ、Nd−YAGレーザ等の固体レーザ、半導体レーザ等が挙げられる。本実施の形態では、発信波長1,064nmのNd−YAGレーザを使用している。
尚、本実施の形態では、真空チャンバー10内に、ターゲット21,22以外に、集積型光発電素子の透明電極層の材料から構成されるターゲット(図示せず)を設けている。
透明電極層を構成する材料は特に限定されず、例えば、In2O3にSnをドーパントとして添加したITO(Indium Tin Oxide)等の酸化インジウム系金属材料;SnO2等の酸化スズ系金属材料;ZnOにAlをドーパントとして添加したAZO、ZnOにGaをドーパントとして添加したGZO、ZnOにInをドーパントとして添加したIZO等の酸化亜鉛系金属材料等が挙げられる。
本実施の形態では、ITO、SnO2、ZnOから選択された少なくとも1つを含む金属材料を用い、スパッタリングにより成膜することが好ましい。透明電極層の厚さは、本実施の形態では、約0.6μmである。
透明電極層を構成する材料は特に限定されず、例えば、In2O3にSnをドーパントとして添加したITO(Indium Tin Oxide)等の酸化インジウム系金属材料;SnO2等の酸化スズ系金属材料;ZnOにAlをドーパントとして添加したAZO、ZnOにGaをドーパントとして添加したGZO、ZnOにInをドーパントとして添加したIZO等の酸化亜鉛系金属材料等が挙げられる。
本実施の形態では、ITO、SnO2、ZnOから選択された少なくとも1つを含む金属材料を用い、スパッタリングにより成膜することが好ましい。透明電極層の厚さは、本実施の形態では、約0.6μmである。
さらに、本実施の形態では、半導体層と透明電極層との間に設けるバッファー層の材料から構成されるターゲット(図示せず)を設けている。この場合、バッファー層を構成する材料は特に限定されないが、本実施の形態では、InS3、ZnS等の硫化物を用いることが好ましい。半導体層と透明電極層の間にバッファー層を設けることにより、半導体層と透明電極層との界面で発生する欠陥を抑制することができる。
(集積型光発電素子の製造方法)
次に、図1に示す集積型光発電素子の製造装置X0を用いる集積型光発電素子の製造方法について説明する。
先ず、真空チャンバー10の成膜トレー12上に設けた基板ホルダ13に集積型光発電素子の基板11を取り付ける。基板11は、光透過窓30と同様に光透過性材料から構成され、本実施の形態では、ガラスを用いている。基板11の大きさは特に限定されないが、本実施の形態では縦×横が10cm×10cmであり、厚さは、0.5mmである。
尚、本実施の形態では、成膜トレー12及び成膜トレー12に設けた基板ホルダ13も、光透過性材料から構成されることが好ましい。
次に、図1に示す集積型光発電素子の製造装置X0を用いる集積型光発電素子の製造方法について説明する。
先ず、真空チャンバー10の成膜トレー12上に設けた基板ホルダ13に集積型光発電素子の基板11を取り付ける。基板11は、光透過窓30と同様に光透過性材料から構成され、本実施の形態では、ガラスを用いている。基板11の大きさは特に限定されないが、本実施の形態では縦×横が10cm×10cmであり、厚さは、0.5mmである。
尚、本実施の形態では、成膜トレー12及び成膜トレー12に設けた基板ホルダ13も、光透過性材料から構成されることが好ましい。
次に、真空チャンバー10を真空状態(1×10−6[Pa]〜1×10−3[Pa])に保持し、不活性ガスAr(放電ガス)の導入口からアルゴンガスを真空チャンバー10に導入する。続いて、ターゲット21の表面をスパッタリングすることにより、ターゲット21を構成する金属材料の薄膜を基板11上に積層し、電極層を成膜する(電極層成膜工程)。
続いて、電極層を成膜した基板11を移動手段14により、矢印Aの方向に、光透過窓30が設けられている場所まで移動する。
続いて、電極層を成膜した基板11を移動手段14により、矢印Aの方向に、光透過窓30が設けられている場所まで移動する。
次に、基板11上に成膜された電極層に、真空チャンバー10の外部から光透過窓30を通してレーザ光41を照射し、電極層の一部を除去し且つ分離する(パターニング工程)。
図2は、パターニング工程を説明する図である。図2(a)に示すように、本実施の形態では、レーザ発信器40から発信されたレーザ光41は、真空チャンバー10の外部から光透過窓30を透過し、光透過性材料から構成される基板11を通して電極層11aに照射される。そして、レーザ光41により電極層11aの一部を除去するレーザスクイライブ処理を行い、電極層11aを複数の分割溝によって分割する。この場合、成膜トレー12及び基板ホルダ13も、光透過性材料から構成されている。
尚、本実施の形態では、パターニング工程は、透光性材料から構成された基板11を通してレーザ光41を電極層11aに照射することにより行われるが、レーザ光41は基板11を透過させることなく電極層11aに照射することもできる。この場合は、基板11は光透過性材料により構成する必要はない。
図2は、パターニング工程を説明する図である。図2(a)に示すように、本実施の形態では、レーザ発信器40から発信されたレーザ光41は、真空チャンバー10の外部から光透過窓30を透過し、光透過性材料から構成される基板11を通して電極層11aに照射される。そして、レーザ光41により電極層11aの一部を除去するレーザスクイライブ処理を行い、電極層11aを複数の分割溝によって分割する。この場合、成膜トレー12及び基板ホルダ13も、光透過性材料から構成されている。
尚、本実施の形態では、パターニング工程は、透光性材料から構成された基板11を通してレーザ光41を電極層11aに照射することにより行われるが、レーザ光41は基板11を透過させることなく電極層11aに照射することもできる。この場合は、基板11は光透過性材料により構成する必要はない。
本実施の形態では、パターニング工程のレーザスクライブ処理において、レーザ光41を電極層11aに照射することにより生じる加工屑を、気体流を用いて除去することが好ましい。
例えば、図2(b)に示すように、レーザスクライブ処理により電極層11aから生じた加工屑11bは、例えば、エアノズル50(加工屑除去手段)等による気体流51を基板11の表面に吹き付けることにより電極層11aから除去される。
さらに、本実施の形態では、基板11の表面から除去された加工屑11bを、基板11の表面近くに設けた加工屑回収手段60により回収することが好ましい。加工屑回収手段60を構成する材料は特に限定されないが、例えば、電極層11aの金属材料を吸着可能な、磁性体、電磁石等が挙げられる。加工屑11bを回収することにより、基板11の表面に電極層11aから生じた加工屑11bが残留することによる集積型光発電素子の性能低下を防止することができる。
例えば、図2(b)に示すように、レーザスクライブ処理により電極層11aから生じた加工屑11bは、例えば、エアノズル50(加工屑除去手段)等による気体流51を基板11の表面に吹き付けることにより電極層11aから除去される。
さらに、本実施の形態では、基板11の表面から除去された加工屑11bを、基板11の表面近くに設けた加工屑回収手段60により回収することが好ましい。加工屑回収手段60を構成する材料は特に限定されないが、例えば、電極層11aの金属材料を吸着可能な、磁性体、電磁石等が挙げられる。加工屑11bを回収することにより、基板11の表面に電極層11aから生じた加工屑11bが残留することによる集積型光発電素子の性能低下を防止することができる。
次に、レーザスクライブ処理によって電極層11aの一部を除去し且つ分離した基板11を移動手段14により、矢印Aの方向に、ターゲット22が設けられている場所まで移動する。そして、ターゲット22の表面をスパッタリングすることにより、ターゲット22を構成する半導体材料の薄膜を基板11上に積層し半導体層(図示せず)を成膜する(半導体層成膜工程)。
その後、本実施の形態では、バッファー層の形成、メカニカルスクライブによる半導体層の分離処理の後、スパッタリングによる透明電極層(図示せず)の成膜(透明電極層成膜工程)、メカニカルスクライブによる透明電極層の分離工程を経て、基板11上に複数のセルが分割形成され、これらを直列に接続した集積型光発電素子が得られる。尚、メカニカルスクライブは、例えば、金属刃、カッターナイフ、金属針又はニードル等を用いて半導体層と透明電極層の一部を短冊状に切り分ける。
上述したように、本実施の形態が適用される集積型光発電素子の製造方法は、従来から行われているCIS薄膜系太陽電池の製造工程と比べ、基板11を真空チャンバー10から取り出すことなくレーザスクライブを行うことができる。これにより、電極層11aが大気に暴露される機会が低減し、太陽電池の性能低下が防止される。
尚、以上の説明は、本発明の実施の形態を説明するための一例に過ぎず、本発明は本実施の形態に限定されるものではない。
本発明は複数の元素から構成される半導体層と、これを挟む2つの電極層を備える光発電素子や、このような構造を有する光発電素子の製造方法に応用することができる。例えば、Cd−Te系に代表されるII−VI族半導体、Cu−In−Se系に代表されるI−III−VI族半導体、Cu−Zn−Sn−S系化合物に代表されるI−II−IV−VI族半導体、Si−Ge系等の2種類以上の元素からなるIV族半導体に適用することも可能である。
本発明は複数の元素から構成される半導体層と、これを挟む2つの電極層を備える光発電素子や、このような構造を有する光発電素子の製造方法に応用することができる。例えば、Cd−Te系に代表されるII−VI族半導体、Cu−In−Se系に代表されるI−III−VI族半導体、Cu−Zn−Sn−S系化合物に代表されるI−II−IV−VI族半導体、Si−Ge系等の2種類以上の元素からなるIV族半導体に適用することも可能である。
1,11…基板、2…裏面電極層、3…半導体層、4…透明電極層、5…分割溝、13…基板ホルダ、11a…電極層、11b…加工屑、12…成膜トレー、14…移動手段、21,22…ターゲット、30…光透過窓、41…レーザ光、40…レーザ発信器(レーザ光照射手段)50…エアノズル(加工屑除去手段)、51…気体流、60…加工屑回収手段
Claims (9)
- 基板と当該基板上に成膜された電極層とを有する集積型光発電素子の製造方法であって、
光透過窓を備えた真空槽の外部から当該光透過窓を通して照射されたレーザ光により、基板上に成膜された電極層の一部を除去し且つ分離するパターニング工程を、少なくとも有する
ことを特徴とする集積型光発電素子の製造方法。 - 前記パターニング工程は、透光性材料から構成された前記基板を通して前記レーザ光を前記電極層に照射することを特徴とする請求項1に記載の集積型光発電素子の製造方法。
- 前記パターニング工程において、前記レーザ光を前記電極層に照射することにより生じる加工屑を、気体流を用いて除去することを特徴とする請求項1又は2に記載の集積型光発電素子の製造方法。
- 前記パターニング工程により分離された前記電極層上に半導体層を成膜する半導体層成膜工程と、当該半導体層上に透明電極層を成膜する透明電極層成膜工程とを、さらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の集積型光発電素子の製造方法。
- 前記半導体層は、IB族元素、IIIB族元素、VIB族元素から選ばれるいずれか1種を含むことを特徴とする請求項4に記載の集積型光発電素子の製造方法。
- 前記半導体層は、カルコパイライト構造を有するCu−In−Se系半導体を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の集積型光発電素子の製造方法。
- 基板と当該基板上に成膜された電極層とを有する集積型光発電素子の製造装置であって、
真空チャンバーと、
前記真空チャンバー内に設置され、集積型光発電素子の基板の表面に成膜される電極層の材料から構成されたターゲットと、
前記ターゲットと対向して配置される前記基板を保持可能に構成された基板ホルダと、
真空チャンバーに設けられた光透過窓と、
真空チャンバー外に設けられ、前記光透過窓を通し、当該真空チャンバー内にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、
を有することを特徴とする集積型光発電素子の製造装置。 - 前記レーザ光を前記基板上の前記電極層に照射することにより生じる加工屑を、当該電極層から除去する加工屑除去手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の集積型光発電素子の製造装置。
- 前記加工屑除去手段により前記基板上の前記電極層から除去された加工屑を回収する加工屑回収手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の集積型光発電素子の製造装置。
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JP2009016801A JP2010177349A (ja) | 2009-01-28 | 2009-01-28 | 集積型光発電素子の製造方法及び集積型光発電素子の製造装置 |
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