JP2010175901A - 変倍光学系、この変倍光学系を有する光学機器、及び、変倍光学系の製造方法 - Google Patents

変倍光学系、この変倍光学系を有する光学機器、及び、変倍光学系の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コンパクトで高変倍でありながら、良好な光学性能を達成できる変倍光学系、この変倍光学系を有する光学機器、及び、変倍光学系の製造方法を提供する。
【解決手段】デジタル一眼レフカメラ1等に搭載される変倍光学系ZLは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、負の屈折力を有する第2レンズ群G2、正の屈折力を有する第3レンズ群G3、負の屈折力を有する第4レンズ群G4、正の屈折力を有する第5レンズ群G5を有して構成される。これらのレンズ群の中のいずれかのレンズ群の少なくとも一部を、光軸と略垂直方向の成分を持つように移動し、広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、各レンズ群の間隔が変化するよう構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、変倍光学系、この変倍光学系を有する光学機器、及び、変倍光学系の製造方法に関する。
従来、写真用カメラ、電子スチルカメラ、ビデオカメラ等に適した変倍光学系が提案されている(例えば、特許文献1参照)
特開2006−227526号公報
しかしながら、従来のズームレンズは、光学系を構成するレンズ枚数が多くなり、コンパクト性が損なわれ、また、高変倍化を図ると、光学性能の劣化が著しく、満足できる性能のものがないという課題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、コンパクトで高変倍でありながら、良好な光学性能を達成することができる変倍光学系、この変倍光学系を有する光学機器、及び、変倍光学系の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、を有する。これらのレンズ群の中のいずれかのレンズ群の少なくとも一部は、光軸と略垂直方向の成分を持つように移動し、広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が変化し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が変化し、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が変化し、第4レンズ群と第5レンズ群との間隔が変化し、第2レンズ群の焦点距離をf2とし、第3レンズ群の焦点距離をf3とし、第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式
0.65 < (−f2)/f3 < 0.90
0.42 < f2/f4 < 0.90
の条件を満足する。
また、このような変倍光学系は、次式
1.20 < f5/(−f4) < 2.00
の条件を満足することが好ましい。
また、このような変倍光学系は、像側から物体側への移動量を正としたときの、第5レンズ群の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量をx5としたとき、次式
0.70 < x5/(−f2) < 2.10
の条件を満足することが好ましい。
または、このような変倍光学系は、像側から物体側への移動量を正としたときの、第4レンズ群の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量をx4とし、第3レンズ群の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量をx3としたとき、次式
0.65 < x4/x3 < 0.90
の条件を満足することが好ましい。
また、このような変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、第1レンズ群が像側から物体側に移動することが好ましい。
また、このような変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、第5レンズ群が像側から物体側に移動することが好ましい。
また、このような変倍光学系は、第2レンズ群の少なくとも一部を光軸に沿って移動させることにより近距離物点への合焦を行うことが好ましい。
また、このような変倍光学系において、第2レンズ群は、非球面形状のレンズ面を有することが好ましい。
また、このような変倍光学系において、第3レンズ群は、少なくとも1つの正レンズ成分を含み、正レンズ成分のうち最も屈折率の高い正レンズ成分の媒質のd線における屈折率をnd3bとしたとき、次式
1.70 < nd3b < 1.85
の条件を満足することが好ましい。
また、本発明に係る光学機器は、物体の像を所定の像面上に結像させる上述の変倍光学系のいずれかを有して構成される。
また、本発明に係る変倍光学系の製造方法は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、を有する変倍光学系の製造方法であって、レンズ群の中のいずれかのレンズ群の少なくとも一部は、光軸と略垂直方向の成分を持つように移動可能に配置し、広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が変化し、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が変化し、第3レンズ群と第4レンズ群との間隔が変化し、第4レンズ群と第5レンズ群との間隔が変化するように配置し、第2レンズ群の焦点距離をf2とし、第3レンズ群の焦点距離をf3とし、第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式
0.65 < (−f2)/f3 < 0.90
0.42 < f2/f4 < 0.90
の条件を満足するように配置する。
本発明に係る変倍光学系、この変倍光学系を有する光学機器、及び、変倍光学系の製造方法を以上のように構成すると、コンパクトで高変倍でありながら、良好な光学性能を達成することができる。
第1実施例による変倍光学系の構成を示す断面図である。 第1実施例の広角端状態での無限遠合焦状態における諸収差図であり、(a)は広角端状態での無限遠合焦状態における収差図であり、(b)は広角端状態での無限遠撮影状態において0.64°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図である。 第1実施例の中間撮影距離状態での無限遠合焦状態における収差図である。 第1実施例の望遠端状態での無限遠合焦状態における諸収差であり、(a)は望遠端状態での無限遠撮影状態における収差図であり、(b)は望遠端状態での無限遠撮影状態において0.29°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図である。 第2実施例による変倍光学系の構成を示す断面図である。 第2実施例の広角端状態での無限遠合焦状態における諸収差図であり、(a)は広角端状態での無限遠合焦状態における収差図であり、(b)は広角端状態での無限遠撮影状態において0.64°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図である。 第2実施例の中間撮影距離状態での無限遠合焦状態における収差図である。 第2実施例の望遠端状態での無限遠合焦状態における諸収差であり、(a)は望遠端状態での無限遠撮影状態における収差図であり、(b)は望遠端状態での無限遠撮影状態において0.29°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図である。 第3実施例による変倍光学系の構成を示す断面図である。 第3実施例の広角端状態での無限遠合焦状態における諸収差図であり、(a)は広角端状態での無限遠合焦状態における収差図であり、(b)は広角端状態での無限遠撮影状態において0.64°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図である。 第3実施例の中間撮影距離状態での無限遠合焦状態における収差図である。 第3実施例の望遠端状態での無限遠合焦状態における諸収差であり、(a)は望遠端状態での無限遠撮影状態における収差図であり、(b)は望遠端状態での無限遠撮影状態において0.29°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図である。 第4実施例による変倍光学系の構成を示す断面図である。 第4実施例の広角端状態での無限遠合焦状態における諸収差図であり、(a)は広角端状態での無限遠合焦状態における収差図であり、(b)は広角端状態での無限遠撮影状態において0.64°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図である。 第4実施例の中間撮影距離状態での無限遠合焦状態における収差図である。 第4実施例の望遠端状態での無限遠合焦状態における諸収差であり、(a)は望遠端状態での無限遠撮影状態における収差図であり、(b)は望遠端状態での無限遠撮影状態において0.29°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図である。 本実施形態に係る変倍光学系を搭載するデジタル一眼レフカメラの断面図を示す。 本実施形態に係る変倍光学系の製造方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本願の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、本変倍光学系ZLは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とを有して構成される。そして、これらのレンズ群の中のいずれかのレンズ群の少なくとも一部を、光軸と略垂直方向の成分を持つように移動させる。
それでは、このような変倍光学系ZLを構成するための条件について説明する。まず、この変倍光学系ZLは、広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が変化し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が変化し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔が変化する。そして、第2レンズ群G2の焦点距離をf2とし、第3レンズ群G3の焦点距離をf3とし、第4レンズ群G4の焦点距離をf4としたとき、以下に示す条件式(1)及び(2)を満足することが望ましい。
0.65 < (−f2)/f3 < 0.90 (1)
0.42 < f2/f4 < 0.90 (2)
条件式(1)は、第2レンズ群G2の焦点距離に対する第3レンズ群G3の焦点距離を規定するための条件式である。本変倍光学系ZLは、この条件式(1)を満足することで良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。条件式(1)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3の屈折力が強くなり、望遠端状態における球面収差の補正が困難となるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(1)の上限値を0.80にすることが好ましく、より良い光学性能を実現することができる。反対に、条件式(1)の下限値を下回ると、第2レンズ群G2の屈折力が強くなり、広角端状態における非点収差の補正が困難となるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(1)の下限値を0.67にすることが好ましく、第2レンズ群G2の屈折力を適切に設定することができ、変倍時のコマ収差変動を小さくできる。
条件式(2)は、第2レンズ群G2の焦点距離に対する第4レンズ群G4の焦点距離を規定するための条件式である。本変倍光学系ZLは、この条件式(2)を満足することで良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。条件式(2)の上限値を上回ると、第2レンズ群G2の屈折力が弱くなり、所定の変倍比を得るため第1レンズ群G1を大きく繰り出さなければならず、製造後の像面湾曲及び非点収差が劣化するため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(2)の上限値を0.75にすることが好ましく、より良い光学性能を実現することができる。また、本願の効果を更に確実にするために、条件式(2)の上限値を0.65にすることが好ましい。反対に、条件式(2)の下限値を下回ると、第4レンズ群G4の屈折力が弱くなり、変倍時の像面湾曲の変動を補正することが困難になるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(2)の下限値を0.50にすることが好ましく、第2レンズ群G2の屈折力を適切に設定することができ、変倍時のコマ収差変動を小さくできる。また、本願の効果を更に確実にするために、条件式(2)の下限値を0.55にすることが好ましい。
また、本変倍光学系ZLは、以下に示す条件式(3)を満足することが望ましい。
1.20 < f5/(−f4) < 2.00 (3)
条件式(3)は、第5レンズ群G5の焦点距離に対する第4レンズ群G4の焦点距離を規定するための条件式である。本変倍光学系ZLは、この条件式(3)を満足することで良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。条件式(3)の上限値を上回ると、第4レンズ群G4の屈折力が強くなり、望遠端状態におけるコマ収差の補正が困難になるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(3)の上限値を1.80にすることが好ましく、第4レンズ群G4の屈折力を適切に設定することができ、望遠端状態におけるコマ収差を小さくできる。また、本願の効果を更に確実にするために、条件式(3)の上限値を1.60にすることが好ましい。反対に、条件式(3)の下限値を下回ると、第5レンズ群G5の屈折力が強くなり、広角端状態における非点収差の補正が困難となるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(3)の下限値を1.20にすることが好ましく、より良い光学性能を実現することができる。また、本願の効果を更に確実にするために、条件式(3)の下限値を1.40にすることが好ましい。
また、本変倍光学系ZLは、像側から物体側への移動量を正としたときの、第5レンズ群G5の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量をx5としたとき、以下に示す条件式(4)を満足することが望ましい。なお、条件式(4)においては、像側から物体側への移動量を正とし、物体側から像側への移動量を負として計算を行っている。これらは、以降の条件式(5)においても同様である。
0.70 < x5/(−f2) < 2.10 (4)
条件式(4)は、第5レンズ群G5の移動量に対する第2レンズ群G2の焦点距離を規定するための条件式である。本変倍光学系ZLは、この条件式(4)を満足することで良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。条件式(4)の上限値を上回ると、第2レンズ群G2の屈折力が強くなり、広角端状態における非点収差の補正が困難となるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(4)の上限値を1.90にすることが好ましく、より良い光学性能を実現することができる。また、本願の効果を更に確実にするために、条件式(4)の上限値を1.70にすることが好ましい。反対に、条件式(4)の下限値を下回ると、第5レンズ群G5の移動量が小さくなり、各レンズ群の屈折力を強く設定しなければならず、高次のコマ収差が発生し性能が劣化するため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(4)の下限値を0.90にすることが好ましく、第5レンズ群G5の移動量を適切に設定することができ、所定の変倍比を確保しつつ、より高次のコマ収差を補正できる。また、本願の効果を確実にするために、条件式(4)の下限値を1.10にすることが好ましい。
また、本変倍光学系ZLは、像側から物体側への移動量を正としたときの、第4レンズ群G4の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量をx4とし、第3レンズ群G3の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量をx3としたとき、以下に示す条件式(5)を満足することが望ましい。
0.65 < x4/x3 < 0.90 (5)
条件式(5)は、第4レンズ群G4の移動量に対する第3レンズ群G3の移動量を規定するための条件式である。本変倍光学系ZLは、この条件式(5)を満足することで良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。条件式(5)の上限値を上回ると、第3レンズ群G3の移動量が小さくなり、望遠端状態における球面収差の補正が困難になるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(5)の上限値を0.82にすることが好ましく、より良い光学性能を実現することができる。また、本願の効果を更に確実にするために、条件式(5)の上限値を0.78にすることが好ましい。反対に、条件式(5)の下限値を下回ると、第4レンズ群G4の移動量が小さくなり、変倍時の像面湾曲の変動とコマ収差の変動を補正することが困難になるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(5)の下限値を0.68にすることが好ましく、変倍時の像面湾曲の変動とコマ収差の変動を小さくできる。また、本願の効果を更に確実にするために、条件式(5)の下限値を0.70にすることが好ましい。
また、本変倍光学系ZLは、広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、第1レンズ群G1が像側から物体側に移動することが好ましい。これにより、球面収差と像面湾曲の変動を効果的に補正しつつ、所定の変倍比を確保することができる。
また、このような変倍光学系ZLは、広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、第5レンズ群G5が像側から物体側に移動することが好ましい。これにより、球面収差と像面湾曲の変動を効果的に補正しつつ、所定の変倍比を確保することができる。
また、本変倍光学系ZLは、第2レンズ群G2の少なくとも一部を光軸に沿って移動させることにより近距離物点への合焦を行うことが望ましい。これにより、合焦時の球面収差、像面湾曲等の収差変動を効果的に補正することができる。
また、本変倍光学系ZLにおいて、第2レンズ群G2は、非球面形状のレンズ面を有することが望ましい。これにより広角端状態における歪曲収差と像面湾曲を同時に補正することができる。
また、本変倍光学系ZLおいて、第3レンズ群G3は、少なくとも1つの正レンズ成分を含み、正レンズ成分のうち最も屈折率の高い正レンズ成分の媒質のd線における屈折率をnd3bとしたとき、以下に示す条件式(6)を満足することが望ましい。
1.70 < nd3b < 1.85 (6)
条件式(6)は、第3レンズ群G3中の最も屈折率の高い正レンズ成分の媒質のd線における屈折率を規定するための条件式である。本変倍光学系ZLは、この条件式(6)を満足することで良好な光学性能を実現し、かつ、所定の変倍比を確保することができる。条件式(6)の上限値を上回ると、ペッツバール和が小さくなり、広角端状態における像面湾曲の補正が困難になるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(6)の上限値を1.80にすることが好ましく、媒質の屈折率を適切に設定することができ、広角端状態における像面湾曲をより良好に補正することができる。反対に、条件式(6)の下限値を下回ると、正レンズ成分の曲率が強くなり、望遠端状態で高次の球面収差の補正が困難になるため好ましくない。なお、本願の効果を確実にするために、条件式(6)の下限値を1.75にすることが好ましく、より良い光学性能を実現することができる。
図17に、上述の変倍光学系ZLを備える光学機器として、デジタル一眼レフカメラ1(以後、単にカメラと記す)の略断面図を示す。このカメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2(変倍光学系ZL)で集光されて、クイックリターンミラー3を介して焦点板4に結像される。そして、焦点板4に結像された光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へと導かれる。これにより、撮影者は、物体(被写体)像を接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、クイックリターンミラー3が光路外へ退避し、撮影レンズ2で集光された不図示の物体(被写体)の光は撮像素子7上に被写体像を形成する。これにより、物体(被写体)からの光は、当該撮像素子7により撮像され、物体(被写体)画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者は本カメラ1による物体(被写体)の撮影を行うことができる。なお、図17に記載のカメラ1は、変倍光学系ZLを着脱可能に保持するものでも良く、変倍光学系ZLと一体に成形されるものでも良い。また、カメラ1は、いわゆる一眼レフカメラでも良く、クイックリターンミラー等を有さないコンパクトカメラでも良い。
なお、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
本実施形態では、5群構成の変倍光学系ZLを示したが、以上の構成条件等は、6群構成にも適用可能であり、更に、7群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。また、レンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。
また、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。この場合、合焦レンズ群はオートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モーター等の)モーター駆動にも適している。特に、前述したように第2レンズ群G2の少なくとも一部を合焦レンズ群とするのが好ましい。
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向の成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としてもよい。特に、第3レンズ群G3の少なくとも一部、または第4レンズ群G4の少なくとも一部を防振レンズ群とするのが好ましい。
また、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を妨げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折面としても良く、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしても良い。
開口絞りSは、第3レンズ群G3近傍または第3レンズ群G3の内部に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用しても良い。
さらに、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施しても良い。
本実施形態の変倍光学系ZLは、変倍比が3.5〜10程度である。
本実施形態の変倍光学系ZLは、第1レンズ群G1が正のレンズ成分を2つ有するのが好ましい。また、第1レンズ群G1は、物体側から順に、正正の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。または、第1レンズ群G1が正のレンズ成分を2つと負のレンズ成分を1つ有するのが好ましい。また、第1レンズ群G1は、物体側から順に、負正正の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
また、本実施形態の変倍光学系ZLは、第2レンズ群G2が正のレンズ成分を1つと負のレンズ成分を3つ有するのが好ましい。また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、負負正負の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
また、本実施形態の変倍光学系ZLは、第3レンズ群G3が正のレンズ成分を3つ有するのが好ましい。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、正正正の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。または、第3レンズ群G3が正のレンズ成分を3つと負のレンズ成分を1つ有するのが好ましい。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、正負正正の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
本実施形態の変倍光学系ZLは、第4レンズ群G4が負のレンズ成分を2つ有するのが好ましい。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、負負の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。または、第4レンズ群G4が正のレンズ成分を1つと負のレンズ成分を2つ有するのが好ましい。また、第4レンズ群G4は、物体側から順に、正負負の順番にレンズ成分を配置するのが好ましい。
また、本実施形態の変倍光学系ZLは、第5レンズ群G5が正のレンズ成分を1つと負のレンズ成分を1つ有するのが好ましい。また、第5レンズ群G5は、物体側から順に、正負の順番にレンズ成分を、空気間隔を介在させて配置するのが好ましい。
なお、本願を分かり易く説明するために実施形態の構成要件を付して説明したが、本願がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
以下、本実施形態の変倍光学系ZLの製造方法の概略を、図18を参照して説明する。まず、各レンズを配置してレンズ群をそれぞれ準備する(ステップS100)。具体的に、本実施形態では、例えば、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンL11と両凸レンズL12との接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13を配置して第1レンズ群G1とし、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22、両凸レンズL23、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24を配置して第2レンズ群G2とし、物体側から順に、両凸正レンズL31、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と両凸レンズL33との接合レンズ、及び、両凸レンズL34を配置して第3レンズ群G3とし、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41と両凹レンズのL42接合レンズ、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL43を配置して第4レンズ群G4とし、物体側から順に、両凸レンズL51、及び、両凸レンズL52と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53との接合レンズを配置して第5レンズ群G5とする。
この際、これらのレンズ群の中のいずれかのレンズ群の少なくとも一部は、光軸と略垂直方向の成分を持つように移動可能に配置する(ステップS200)。また、広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔が変化し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔が変化し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔が変化するように各レンズ群を配置する(ステップS300)。
そして、第2レンズ群G2の焦点距離をf2とし、第3レンズ群G3の焦点距離をf3とし、第4レンズ群G4の焦点距離をf4としたとき、以下に示す条件式(1)及び(2)を満足するよう配置する(ステップS400)。
0.65 < (−f2)/f3 < 0.90 (1)
0.42 < f2/f4 < 0.90 (2)
以下、本願の各実施例を、図面に基づいて説明する。なお、図1、図5、図9及び図13は、各実施例に係る撮影レンズSL(SL1〜SL4)の構成及び屈折力配分並びに無限遠合焦状態から近距離合焦状態への合焦状態の変化における各レンズ群の移動の様子を示す断面図である。図1、図5及び図9に示すように、第1〜第3実施例に係る変倍光学系ZL1〜ZL3は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。そして、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増大し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が減少するように、各レンズ群の間隔が変化する。
また、図13に示すように、第4実施例に係る変倍光学系ZL4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、負の屈折力を有する第4レンズ群G4と、正の屈折力を有する第5レンズ群G5と、負の屈折力を有する第6レンズ群G6とから構成されている。そして、広角端状態から望遠端状態への変倍に際し、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔が増大し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔が減少し、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との空気間隔が増大し、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との空気間隔が減少し、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との空気間隔が増大するように、各レンズ群の間隔が変化する。
各実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、高さyにおける各非球面の頂点の接平面から各非球面までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐定数をκとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(a)で表される。なお、以降の実施例において、「E−n」は「×10-n」を示す。
S(y)=(y2/r)/{1+(1−κ×y2/r21/2
+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10 (a)
なお、各実施例において、2次の非球面係数A2は0である。また、各実施例の表中において、非球面には面番号の左側に*印を付している。
〔第1実施例〕
図1は、本願の第1実施例に係る変倍光学系ZL1の構成を示す図である。この図1の変倍光学系ZL1において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12との接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13から構成されている。第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22、両凸レンズL23、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24から構成され、第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズであり、最も像側に位置する負メニスカスレンズL24は、像側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズである。無限遠から0.45mmまでの合焦に際して、この第2レンズ群G2が像側から物体側へ、広角端で1.8mm、望遠端で6.2mm移動する。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と両凸レンズL33との接合レンズ、及び、両凸レンズL34から構成されている。第4レンズ群G4は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41と両凹レンズL42との接合レンズ、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL43から構成されている。第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凸レンズL51、及び、両凸レンズL52と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53との接合レンズから構成され、最も物体側に位置する両凸レンズL51は、物体側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズである。
また、開口絞りSは、第3レンズ群G3の最も物体側の正レンズ(両凸レンズL31)の像側に隣接して位置し、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して第3レンズ群G3とともに移動する。無限遠から近距離物点への合焦は、第2レンズ群G2を物体方向に移動させて行う。像ブレ補正(防振)は、第4レンズ群G4の接合レンズを光軸と略垂直方向の成分を持つように移動させることにより行う。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ぶれ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)がKのレンズで角度θの回転ぶれを補正するには、ぶれ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第1実施例の広角端状態においては、防振係数は0.98であり、焦点距離は24.6(mm)であるので、0.64°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.28(mm)である。第1実施例の望遠端状態においては、防振係数は1.47であり、焦点距離は117.1(mm)であるので、0.29°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.40(mm)である。
以下の表1に、第1実施例の諸元の値を掲げる。この表1において、fは焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角、Bfはバックフォーカスをそれぞれ表している。さらに、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、面間隔は各光学面から次の光学面までの光軸上の間隔を、屈折率及びアッベ数はそれぞれd線(λ=587.6nm)に対する値を示している。全長は、無限遠合焦時のレンズ面の第1面から像面Iまでの光軸上の距離を表している。ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離、曲率半径、面間隔、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。なお、曲率半径0.0000は平面を示し、空気の屈折率1.00000は省略してある。また、これらの符号の説明及び諸元表の説明は以降の実施例においても同様である。
(表1)
広角端 中間焦点距離 望遠端
f = 24.6 〜 50.6 〜 117.1
FNO = 4.1 〜 4.1 〜 4.1
2ω = 85.4 〜 45.1 〜 20.4
全長 =145.9 〜 162.0 〜 190.8
Bf = 38.4 〜 49.7 〜 65.7

面番号 曲率半径 面間隔 アッベ数 屈折率
1 214.7722 2.0000 23.77 1.846660
2 87.5000 7.4635 67.87 1.593189
3 -1279.2497 0.1000
4 58.9352 5.2795 52.29 1.755000
5 147.0393 (d1)
*6 244.7505 1.3500 42.72 1.834810
7 15.8707 7.5000
8 -34.1921 1.0000 42.72 1.834810
9 -306.6108 0.1000
10 64.5088 4.7500 23.77 1.846660
11 -28.6256 0.5082
12 -24.9541 1.0000 40.94 1.80610
*13 -142.4696 (d2)
14 53.3000 2.5581 52.29 1.755000
15 -319.1136 1.4000
16 0.0000 0.5000 開口絞り
17 31.1069 2.0000 23.77 1.846660
18 17.5705 7.2500 70.45 1.487490
19 -90.7232 0.1000
20 40.8460 2.7000 67.87 1.593189
21 -3872.3835 (d3)
22 -56.1850 3.3307 32.35 1.850260
23 -16.8047 1.0000 52.29 1.755000
24 69.3978 2.7459
25 -49.7769 1.0000 52.29 1.755000
26 -208.3941 (d4)
*27 131.4027 5.5000 61.18 1.589130
28 -24.1216 0.1000
29 471.8066 6.6400 70.45 1.487490
30 -20.9950 1.2000 32.35 1.850260
31 -99.6677 (Bf)

[各レンズ群の焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
G1 1 107.1
G2 6 -18.1
G3 14 25.3
G4 22 -30.3
G5 27 45.4
この第1実施例において、第6面、第13面、及び、第27面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表2に、非球面のデータ、すなわち頂点曲率半径R、円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
(表2)
κ A4 A6 A8 A10
第6面 1.0000 9.85080E-06 -2.64620E-08 4.20250E-11 -2.74520E-14
第13面 10.0000 -9.97690E-07 -1.34120E-08 -3.09280E-11 1.00000E-14
第27面 -30.0000 -1.12040E-05 1.08940E-08 -4.34270E-11 9.85800E-14
この第1実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔d3、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d4は、変倍に際して変化する。次の表3に、無限遠及び近距離物点での広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態の各焦点距離における可変間隔を示す。
(表3)
広角端 中間焦点距離 望遠端
d1 2.9 22.0 44.2
d2 24.8 10.8 1.2
d3 2.5 6.2 9.1
d4 8.2 4.2 1.4
次の表4に、この第1実施例における各条件式対応値を示す。なおこの表4において、f2は第2レンズ群G2の焦点距離を、f3は第3レンズ群G3の焦点距離を、f4は第4レンズ群G4の焦点距離を、x5は第5レンズ群G5の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量を、x4は第4レンズ群G4の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量を、x3は第3レンズ群G3の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量を、nd3bは第3レンズ群G3中の最も屈折率の高い正レンズ成分の媒質のd線における屈折率を、それぞれ表している。以上の符号の説明は以降の実施例においても同様である。
(表4)
(1)(―f2)/f3=0.72
(2)f2/f4=0.60
(3)f5/(−f4)=1.50
(4)x5/(−f2)=1.18
(5)x4/x3=0.72
(6)nd3b=1.76
この第1実施例の広角端状態での無限遠合焦状態の収差図を図2(a)に示し、中間焦点距離状態での無限遠合焦状態の収差図を図3に示し、望遠端状態での無限遠合焦状態の収差図を図4(a)に示す。また、第1実施例の広角端状態での無限遠撮影状態において0.64°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図を図2(b)に示し、望遠端状態での無限遠撮影状態において0.29°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図を図4(b)に示す。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を、Aは各像高に対する半画角を、dはd線(λ=587.6nm)を、gはg線(λ=435.6nm)を、それぞれ示している。また、非点収差を示す収差図において実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。各収差図から明らかなように、第1実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
〔第2実施例〕
図5は、本願の第2実施例に係る変倍光学系ZL2の構成を示す図である。この図5の変倍光学系ZL2において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12との接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13から構成されている。第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21、両凹レンズL22、両凸レンズL23、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24から構成され、第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズである。無限遠から0.45mmまでの合焦に際して、この第2レンズ群G2が像側から物体側へ、広角端で1.6mm、望遠端で5.6mm移動する。
第3レンズ群G3は物体側から順に、両凸レンズL31、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と両凸レンズL33との接合レンズ、及び、両凸レンズL34から構成されている。第4レンズ群G4は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41と両凹レンズL42との接合レンズ、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL43から構成されている。第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凸レンズL51、両凸レンズL52と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53との接合レンズから構成され、最も物体側に位置する両凸レンズL51は、物体側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズである。
開口絞りSは、第3レンズ群G3の最も物体側の正レンズ(両凸レンズL31)の像側に隣接して位置し、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して第3レンズ群G3とともに移動する。無限遠から近距離物点への合焦は、第2レンズ群G2を物体方向に移動させて行う。像ブレ補正(防振)は、第4レンズ群G4の接合レンズを光軸と略垂直方向の成分を持つように移動させることにより行う。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ぶれ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)がKのレンズで角度θの回転ぶれを補正するには、ぶれ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第2実施例の広角端状態においては、防振係数は0.98であり、焦点距離は24.6(mm)であるので、0.64°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.28(mm)である。第2実施例の望遠端状態においては、防振係数は1.47であり、焦点距離は117.0(mm)であるので、0.29°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4の移動量は0.40(mm)である。
以下の表5に、この第2実施例の諸元の値を掲げる。
(表5)
広角端 中間焦点距離 望遠端
f = 24.6 〜 50.0 〜 117.0
FNO = 4.1 〜 4.1 〜 4.1
2ω = 85.4 〜 45.1 〜 20.4
全長 =145.8 〜 163.7 〜 192.6
Bf = 40.4 〜 50.5 〜 67.8

面番号 曲率半径 面間隔 アッベ数 屈折率
1 168.6057 1.5000 23.75 1.846660
2 74.0037 7.6844 67.87 1.593189
3 -1572.0876 0.1000
4 52.4243 5.1021 52.29 1.755000
5 109.4928 (d1)
*6 120.3215 1.3500 45.34 1.796680
*7 14.6301 7.4992
8 -43.6507 1.0000 49.61 1.772500
9 67.8619 0.1000
10 37.0188 4.8917 25.41 1.805180
11 -37.6071 0.7823
12 -28.2744 1.0000 49.61 1.772500
13 -190.4764 (d2)
14 63.8494 2.3065 52.29 1.755000
15 -291.0862 1.4000
16 0.0000 0.5000 開口絞りS
17 30.3754 1.3958 23.75 1.846660
18 18.7015 7.6600 70.45 1.487490
19 -56.3191 0.1000
20 44.8038 2.6036 67.87 1.593189
21 -1480.7317 (d3)
22 -60.0697 3.3444 32.33 1.850260
23 -19.3470 1.0000 52.29 1.755000
*24 64.5794 3.5520
25 -26.7812 1.0000 46.63 1.816000
26 -54.8874 (d4)
*27 60.5775 7.3885 61.18 1.589130
*28 -21.7258 0.1000
29 -197.0389 5.3709 70.45 1.487490
30 -23.1778 1.5000 31.31 1.903660
31 -102.0182 (Bf)

[各レンズ群の焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
G1 1 102.8
G2 6 -16.7
G3 14 24.3
G4 22 -26.3
G5 27 39.1
この第2実施例において、第6面、第7面、第24面、第27面、及び、第28面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表6に、非球面のデータ、すなわち頂点曲率半径R、円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
(表6)
κ A4 A6 A8 A10
第6面 1.0000 3.76150E-06 -4.32870E-08 1.63110E-10 -1.91840E-13
第7面 1.0000 -5.24680E-06 -9.55930E-08 -1.37810E-10 -4.65040E-13
第24面 1.0000 -2.42520E-06 1.40090E-08 -4.50560E-11 0.00000E+00
第27面 1.0000 -1.17490E-05 1.46620E-08 -7.63690E-11 -8.46830E-15
第28面 1.0000 1.03350E-05 1.08360E-08 -3.24650E-12 -1.56130E-13
この第2実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔d3、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d4は、変倍に際して変化する。次の表7に、無限遠及び近距離物点での広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態の各焦点距離における可変間隔を示す。
(表7)
広角端 中間焦点距離 望遠端
d1 2.7 22.1 42.5
d2 21.6 10.0 1.2
d3 2.8 6.5 9.4
d4 8.1 4.4 1.5
次の表8に、この第2実施例における各条件式対応値を示す。
(表8)
(1)(―f2)/f3=0.69
(2)f2/f4=0.63
(3)f5/(−f4)=1.48
(4)x5/(−f2)=1.64
(5)x4/x3=0.76
(6)nd3b=1.76
この第2実施例の広角端状態での無限遠合焦状態の収差図を図6(a)に示し、中間焦点距離状態での無限遠合焦状態の収差図を図7に示し、望遠端状態での無限遠合焦状態の収差図を図8(a)に示す。また、第2実施例の広角端状態での無限遠撮影状態において0.64°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図を図6(b)に示し、望遠端状態での無限遠撮影状態において0.29°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図を図8(b)に示す。各収差図から明らかなように、第2実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
〔第3実施例〕
図9は、本願の第3実施例に係る変倍光学系ZL3の構成を示す図である。この図9の変倍光学系ZL3において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12との接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13から構成されている。第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL21、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22、両凸レンズL23、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24から構成され、第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズであり、最も像側に位置する負メニスカスレンズL24は、像側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズである。無限遠から0.45mmまでの合焦に際して、この第2レンズ群G2が像側から物体側へ、広角端で1.7mm、望遠端で5.6mm移動する。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と両凸レンズL33との接合レンズ、及び、両凸レンズL34から構成されている。第4レンズ群G4は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41と両凹レンズL42との接合レンズ、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL43から構成されている。第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凸レンズL51、及び、両凸レンズと物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL52との接合レンズから構成され、最も物体側に位置する両凸レンズL51は、物体側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズである。
開口絞りSは、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間に位置し、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して第3レンズ群G3とともに移動する。無限遠から近距離物点への合焦は、第2レンズ群G2を物体方向に移動させて行う。像ブレ補正(防振)は、第3レンズ群G3の最も物体側の両凸レンズL31とその像側に隣接して配置された接合レンズ(物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と両凸レンズL33との接合レンズ)とを光軸と略垂直方向の成分を持つように移動させることにより行う。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ぶれ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)がKのレンズで角度θの回転ぶれを補正するには、ぶれ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第3実施例の広角端状態においては、防振係数は1.69であり、焦点距離は24.7(mm)であるので、0.64°の回転ぶれを補正するための第3レンズ群G3の移動量は0.16(mm)である。第3実施例の望遠端状態においては、防振係数は2.60であり、焦点距離は111.8(mm)であるので、0.29°の回転ぶれを補正するための第3レンズ群G3の移動量は0.22(mm)である。
以下の表9に、この第3実施例の諸元の値を掲げる。
(表9)
広角端 中間焦点距離 望遠端
f = 24.7 〜 49.0 〜 111.8
FNO = 4.1 〜 4.1 〜 4.1
2ω = 85.4 〜 45.1 〜 20.4
全長 =147.6 〜 162.2 〜 190.9
Bf = 34.7 〜 46.1 〜 59.2

面番号 曲率半径 面間隔 アッベ数 屈折率
1 246.0491 2.0000 23.77 1.846660
2 84.7836 7.7000 67.87 1.593189
3 -885.6521 0.1000
4 59.1074 5.4790 46.63 1.816000
5 140.2546 (d1)
*6 824.4655 0.1000 38.09 1.553890
7 195.0000 1.5000 46.63 1.816000
8 15.9678 8.0000
9 -34.9410 1.0000 42.72 1.834810
10 -201.2418 0.1000
11 54.8341 4.5000 23.77 1.846660
12 -33.9457 0.5374
13 -29.1034 1.2000 40.94 1.806100
*14 -537.4230 (d2)
15 0.0000 1.5000 開口絞りS
16 55.6400 3.0000 52.29 1.755000
17 -194.6988 0.1000
18 29.1963 2.2576 23.77 1.846660
19 16.8888 6.8000 70.45 1.487490
20 -196.1439 0.5000
21 49.6966 3.0000 67.87 1.593189
22 -205.9500 (d3)
23 -62.4232 3.3000 32.35 1.850260
24 -17.7266 1.0000 52.29 1.755000
25 85.0141 2.4116
26 -40.4411 1.0000 55.52 1.696800
27 -241.7912 (d4)
*28 115.7889 6.4000 61.18 1.589130
29 -22.7957 0.1000
30 -433.8211 6.5000 70.45 1.487490
31 -19.6120 1.3500 32.35 1.850260
32 -85.0846 (Bf)

[各レンズ群の焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
G1 1 107.2
G2 6 -17.8
G3 15 25.3
G4 23 -30.7
G5 28 45.5
この第3実施例において、第6面、第14面、及び、第28面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表10に、非球面のデータ、すなわち頂点曲率半径R、円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
(表10)
κ A4 A6 A8 A10
第6面 1.0000 1.59500E-05 -3.85270E-08 5.99450E-11 -5.06110E-14
第14面 1.0000 6.16800E-07 -1.55190E-08 -1.73480E-11 0.00000E+00
第28面 -30.0000 -1.26410E-05 -2.71420E-10 6.17710E-11 -2.07970E-13
この第3実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔d3、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d4は、変倍に際して変化する。次の表11に、無限遠及び近距離物点での広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態の各焦点距離における可変間隔を示す。
(表11)
広角端 中間焦点距離 望遠端
d1 3.1 20.1 44.7
d2 24.0 10.2 1.2
d3 4.0 8.2 11.1
d4 10.3 6.1 3.3
次の表12に、この第3実施例における各条件式対応値を示す。
(表12)
(1)(―f2)/f3=0.70
(2)f2/f4=0.58
(3)f5/(−f4)=1.48
(4)x5/(−f2)=1.38
(5)x4/x3=0.71
(6)nd3b=1.76
この第3実施例の広角端状態での無限遠合焦状態の収差図を図10(a)に示し、中間焦点距離状態での無限遠合焦状態の収差図を図11に示し、望遠端状態での無限遠合焦状態の収差図を図12(a)に示す。また、第3実施例の広角端状態での無限遠撮影状態において0.64°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図を図10(b)に示し、望遠端状態での無限遠撮影状態において0.29°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図を図12(b)に示す。各収差図から明らかなように、第3実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
〔第4実施例〕
図13は、本願の第4実施例に係る変倍光学系ZL4(6群構成)の構成を示す図である。この図13の変倍光学系ZL4において、第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と両凸レンズL12との接合レンズ、及び、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13からなる。第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズとL21、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL22、両凸レンズL23、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL24から構成され、第2レンズ群G2の最も物体側に位置する負メニスカスレンズL21は、物体側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズであり、最も像側に位置する負メニスカスレンズL24は像側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズである。無限遠から0.45mmまでの合焦に際して、この第2レンズ群G2が像側から物体側へ、広角端で1.6mm、望遠端で5.6mm移動する。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL31、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL32と両凸レンズL33との接合レンズ、及び、両凸レンズL34から構成されている。第4レンズ群G4は、物体側から順に、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL41と両凹レンズL42との接合レンズ、及び、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL43から構成されている。第5レンズ群G5は、物体側から順に、両凸レンズL51、及び、両凸レンズL52と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL53との接合レンズから構成され、最も物体側に位置する両凸レンズL51は、物体側のガラスレンズ面に非球面を形成した非球面レンズである。第6レンズ群G6は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL61から構成されている。
開口絞りSは、第3レンズ群G3の最も物体側の正レンズ(両凸レンズL31)の像側に隣接して位置し、広角端状態から望遠端状態への変倍に際して第3レンズ群G3とともに移動する。無限遠から近距離物点への合焦は、第2レンズ群G2を物体方向に移動させて行う。像ブレ補正(防振)は、第4レンズ群G4の接合レンズを光軸と略垂直方向の成分を持つように移動させることにより行う。
なお、全系の焦点距離がfで、防振係数(ぶれ補正での移動レンズ群の移動量に対する結像面での像移動量の比)がKのレンズで角度θの回転ぶれを補正するには、ぶれ補正用の移動レンズ群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交方向に移動させればよい。第4実施例の広角端状態においては、防振係数は0.98であり、焦点距離は24.8(mm)であるので、0.64°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4における接合レンズの移動量は0.28(mm)である。第4実施例の望遠端状態においては、防振係数は1.47であり、焦点距離は111.9(mm)であるので、0.29°の回転ぶれを補正するための第4レンズ群G4における接合レンズの移動量は0.40(mm)である。
以下の表13に、この第4実施例の諸元の値を掲げる。
(表13)
広角端 中間焦点距離 望遠端
f = 24.8 〜 44.4 〜 111.9
FNO = 4.1 〜 4.0 〜 4.0
2ω = 85.4 〜 50.2 〜 21.0
全長 =148.2 〜 159.3 〜 190.0
Bf = 26.4 〜 37.7 〜 57.1

面番号 曲率半径 面間隔 アッベ数 屈折率
1 198.1451 2.0000 23.77 1.846660
2 83.1076 7.5952 67.87 1.593189
3 -2407.2718 0.1000
4 58.1135 5.4790 52.29 1.755000
5 143.3465 (d1)
*6 426.6084 1.2000 46.63 1.816000
7 15.6978 8.0182
8 -34.0153 1.0000 45.30 1.795000
9 -123.5592 0.1000
10 63.2721 4.2000 23.77 1.846660
11 -32.4461 0.5374
12 -27.9469 1.0000 40.94 1.806100
*13 -528.6953 (d2)
14 50.2914 2.4342 52.29 1.755000
15 -1099.3184 1.4000
16 0.0000 0.5000 開口絞りS
17 31.0475 3.0000 23.77 1.846660
18 17.1303 6.6000 70.45 1.487490
19 -82.4820 0.1000
20 41.5438 3.5000 67.87 1.593189
21 -589.6794 (d3)
22 -54.3208 3.5000 32.35 1.850260
23 -17.0699 1.0000 52.29 1.755000
24 84.5694 3.0000
25 -52.8099 1.0000 53.89 1.713000
26 -590.9085 (d4)
*27 94.2512 5.7349 61.18 1.589130
28 -24.4009 0.1000
29 -311.9655 6.5095 70.45 1.487490
30 -20.8486 1.0000 32.35 1.850260
31 -100.0000 (d5)
32 -200.0000 2.0000 46.63 1.816000
33 -120.0032 (Bf)

[各レンズ群の焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
G1 1 106.8
G2 6 -17.8
G3 14 25.3
G4 22 -30.7
G5 27 48.3
G6 32 363.6
この第4実施例において、第6面、第13面、及び、第27面の各レンズ面は非球面形状に形成されている。次の表14に、非球面のデータ、すなわち頂点曲率半径R、円錐定数κ及び各非球面定数A4〜A10の値を示す。
(表14)
κ A4 A6 A8 A10
第6面 1.0000 1.16370E-05 -2.95490E-08 4.79300E-11 -4.07190E-14
第13面 1.0000 -1.33470E-06 -2.08660E-08 3.94960E-12 -9.57420E-14
第27面 -30.0000 -8.76090E-06 -1.75720E-09 3.64680E-11 -1.18100E-13
この第4実施例において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔d1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔d2、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との軸上空気間隔d3、第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との軸上空気間隔d4、第5レンズ群G5と第6レンズ群G6との軸上空気間隔d5は、変倍に際して変化する。次の表15に、無限遠及び近距離物点での広角端状態、中間焦点距離状態、及び、望遠端状態の各焦点距離における可変間隔を示す。
(表15)
広角端 中間焦点距離 望遠端
d1 2.9 17.2 44.5
d2 24.0 11.7 1.2
d3 1.6 5.6 8.8
d4 8.1 4.7 1.1
d5 12.4 9.7 4.7
次の表16に、この第4実施例における各条件式対応値を示す。
(表16)
(1)(―f2)/f3=0.70
(2)f2/f4=0.58
(3)f5/(−f4)=1.57
(4)x5/(−f2)=1.72
(5)x4/x3=0.69
(6)nd3b=1.82
この第4実施例の広角端状態での無限遠合焦状態の収差図を図14(a)に示し、中間焦点距離状態での無限遠合焦状態の収差図を図15に示し、望遠端状態での無限遠合焦状態の収差図を図16(a)に示す。また、第4実施例の広角端状態での無限遠撮影状態において0.64°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図を図14(b)に示し、望遠端状態での無限遠撮影状態において0.29°の回転ぶれに対するぶれ補正を行った時のコマ収差図を図16(b)に示す。各収差図から明らかなように、第4実施例では、広角端状態から望遠端状態までの各焦点距離状態において諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有することがわかる。
ZL(ZL1〜ZL4) 変倍光学系
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群 G4 第4レンズ群
G5 第5レンズ群
S 開口絞り
1 デジタル一眼レフカメラ(光学機器)

Claims (11)

  1. 物体側から順に、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    負の屈折力を有する第2レンズ群と、
    正の屈折力を有する第3レンズ群と、
    負の屈折力を有する第4レンズ群と、
    正の屈折力を有する第5レンズ群と、を有し、
    前記レンズ群の中のいずれかのレンズ群の少なくとも一部は、光軸と略垂直方向の成分を持つように移動し、
    広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化し、
    前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記第3レンズ群の焦点距離をf3とし、前記第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式
    0.65 < (−f2)/f3 < 0.90
    0.42 < f2/f4 < 0.90
    の条件を満足する変倍光学系。
  2. 次式
    1.20 < f5/(−f4) < 2.00
    の条件を満足する請求項1に記載の変倍光学系。
  3. 像側から物体側への移動量を正としたときの、前記第5レンズ群の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量をx5としたとき、次式
    0.70 < x5/(−f2) < 2.10
    の条件を満足する請求項1または2に記載の変倍光学系。
  4. 像側から物体側への移動量を正としたときの、前記第4レンズ群の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量をx4とし、前記第3レンズ群の広角端状態から望遠端状態までの光軸上の移動量をx3としたとき、次式
    0.65 < x4/x3 < 0.90
    の条件を満足する請求項1〜3いずれか一項に記載の変倍光学系。
  5. 広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、前記第1レンズ群が像側から物体側に移動する請求項1〜4いずれか一項に記載の変倍光学系。
  6. 広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、前記第5レンズ群が像側から物体側に移動する請求項1〜5いずれか一項に記載の変倍光学系。
  7. 前記第2レンズ群の少なくとも一部を光軸に沿って移動させることにより近距離物点への合焦を行う請求項1〜6いずれか一項に記載の変倍光学系。
  8. 前記第2レンズ群は、非球面形状のレンズ面を有する請求項1〜7いずれか一項に記載の変倍光学系。
  9. 前記第3レンズ群は、少なくとも1つの正レンズ成分を含み、前記正レンズ成分のうち最も屈折率の高い正レンズ成分の媒質のd線における屈折率をnd3bとしたとき、次式
    1.70 < nd3b < 1.85
    の条件を満足する請求項1〜8いずれか一項に記載の変倍光学系。
  10. 請求項1〜9いずれか一項に記載の変倍光学系を有する光学機器。
  11. 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、を有する変倍光学系の製造方法であって、
    前記レンズ群の中のいずれかのレンズ群の少なくとも一部は、光軸と略垂直方向の成分を持つように移動可能に配置し、
    広角端状態から望遠端状態まで変倍する際に、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔が変化し、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化し、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群との間隔が変化し、前記第4レンズ群と前記第5レンズ群との間隔が変化するように配置し、
    前記第2レンズ群の焦点距離をf2とし、前記第3レンズ群の焦点距離をf3とし、前記第4レンズ群の焦点距離をf4としたとき、次式
    0.65 < (−f2)/f3 < 0.90
    0.42 < f2/f4 < 0.90
    の条件を満足するように配置する変倍光学系の製造方法。
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