JP2010175280A - クランクシャフトのアンバランス修正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】クランクシャフトのアンバランス修正を高精度かつ低コストに実施する。
【解決手段】クランクシャフトのアンバランス量を測定する工程と、アンバランス量の測定結果に基づきカウンタウェイトへの穴開け加工深さを算出する工程と、カウンタウェイトの外径寸法を実測する外径実測工程と、外径実測工程で得た外径実測値に基づき穴開け加工深さを補正する工程、とを経て取得した補正後の深さまで前記穴開け加工を行うことでクランクシャフトのアンバランスを修正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、クランクシャフトのアンバランスを修正するための方法に関し、特にカウンタウェイトの穴開け加工によるアンバランス修正方法に関する。
カウンタウェイトは、クランクシャフトの回転バランスを取る上で重要な要素であり、通常、クランクシャフト本体の機械加工終了時に残存したアンバランスを除去するべく、適当な穴開け加工をカウンタウェイトに対して施すことでシャフトのアンバランス修正を図るようにしている(例えば、下記特許文献1を参照)。
近年では、自動車の更なる燃費向上、振動音の低減を目的として、クランクシャフトの回転バランス精度の向上が要求されている。この要求に応えるための手段として、例えば下記特許文献2に示すクランクシャフトのアンバランス修正方法を挙げることができる。
この修正方法は、アンバランス修正面となるカウンタウェイトの外周面に対して2段階の穴開け加工を施すことにより行われるもので、まず、クランクシャフトの初期アンバランスの測定結果に基づいて上記外周面に荒修正穴が加工され、次いで、荒修正穴加工後のクランクシャフトのアンバランスの測定結果に基づいて外周面に仕上修正穴が加工される。この際、アンバランスの修正精度を高めるために、荒修正穴と、荒修正穴よりも小さい直径の仕上修正穴とがカウンタウェイト外周面の異なる位置に加工される。
特開平8−105493号公報 特開2005−308158号公報
ところで、この種のシャフトは通常鍛造で成形されるため、当該シャフトと一体に成形されるカウンタウェイトの外径寸法がばらつき易い傾向にある。上記穴開け加工では、カウンタウェイト外径寸法の設計値をもとにアンバランス修正量およびドリルによる穴開け加工深さの大きさを算出しているため、上述のように、実際の外径寸法が計算上の値(設計値)と異なる場合には、真に穴開け加工すべき深さが異なる。上記特許文献2では、複数段階に分けて穴開け加工を施すことで高精度なアンバランス修正を図っているが、実際には上述の理由から、たとえ上記特許文献2に開示の方法に則って計算通りの深さ分だけ穴開け加工を行ったとしても所要のバランス修正量を得ることは難しい。また、穴開け加工箇所が増えると上記バランス修正量の誤差も大きくなる。
加えて、最近では、製造コストの削減化要求を受けて、車種によっては加工工数の削減を図るべく、カウンタウェイトの外周面加工を省略する場合がある。この場合、穴開け加工は、いわゆる黒皮の残った外周面(鍛造面)に対して実施することになるため、外径寸法のばらつきが修正精度に顕著に現れ易くなる。
以上の事情に鑑み、本明細書では、クランクシャフトのアンバランス修正を高精度かつ低コストに実施することを、本発明により解決すべき技術的課題とする。
本発明は、前記課題の解決を図るためになされたものである。すなわち、本発明に係るクランクシャフトのアンバランス修正方法は、カウンタウェイトに対して所定深さの穴開け加工を行うことでクランクシャフトのアンバランスを修正する方法であって、クランクシャフトのアンバランス量を測定する工程と、アンバランス量の測定結果に基づきカウンタウェイトへの穴開け加工深さを算出する工程とを有するものにおいて、カウンタウェイトの外径寸法を実測する外径実測工程と、外径実測工程で得た外径実測値に基づき穴開け加工深さを補正する工程とをさらに有し、この補正工程で得た補正後の深さまで穴開け加工を行う点をもって特徴付けられる。
このように、本発明は、カウンタウェイトの成形および加工プロセスに起因する寸法誤差がクランクシャフトのアンバランス修正量に及ぼす影響に着目して創作されたものである。上記修正方法によれば、実際の外径寸法を測定し、この実測値と設計値との差に起因するアンバランス修正量のずれを穴開け加工深さの補正という形で修正するようにしたので、カウンタウェイトの外径寸法の設計値と実際の寸法との間に大きなずれが存在する場合でも、このずれを補正工程にて修正して、所要の範囲内にクランクシャフトの回転バランスを収めることができる。また、従前に比べて高精度なアンバランス修正加工のため、当該加工を1回ないし極力少ない回数で終わらせることができ、作業時間の削減ひいては作業コストの低減を図ることができる。
ところで、アンバランス修正量gとその際の穴開け加工深さhとの間には所定の相関が経験的に認められることから、アンバランス修正量gを加工深さhの関数として与えることができる。このことは、アンバランス修正量gの関数として加工深さhを与え得ることを意味しており、これにより、測定したアンバランス量を打ち消す所定のアンバランス修正量gAが定まれば、上記穴開け加工深さ算出工程において対応する穴開け加工深さhAを求めることができる。また、この際、穴開け加工深さhの関数はカウンタウェイトの外径寸法をパラメータの1つとして含むことから、その外径実測値が求まれば、アンバランス修正量gを新たな加工深さhの関数として与えることができる。そのため、外径実測値に対応する新たなgの関数として、真の穴開け加工深さ(補正後の穴開け加工深さ)hBを求めることができる。
上述のようにすれば、外径実測値に基づく上記補正工程で、補正後の穴開け加工深さhBないし補正前の穴開け加工深さhAからの補正深さ分Δhを求めることができる。ところが、上記穴開け加工深さhの関数は複雑又は高次の関数で与えられるのが通常であるから、外径実測値に基づき新たに当該関数を求め、さらにこの逆関数から補正後の穴開け加工深さhBを求めるには多大な演算時間が必要となる。また、実際には上記修正加工を複数のカウンタウェイトに対して、あるいは1枚のカウンタウェイトの複数点に対して実施することになるため、各加工点ごとに補正演算を行うとなると、演算処理に対して更なる長時間を要する可能性もある。
上記事情に鑑み、上記修正方法に係る補正工程は、外径実測工程の前に、想定される外径実測値の大きさ別に、穴開け加工深さとその際の補正深さ分との相関を示す複数の補正深さ関数を予め導出しておく工程と、外径実測工程で得た外径実測値に最も対応する一の補正深さ関数を複数の補正深さ関数の中から選択する工程と、選択した補正深さ関数と、穴開け加工深さ算出工程で得た穴開け加工深さとから補正深さ分を算出する工程とをさらに有するものであってもよい。なお、ここでいう「外径実測値に最も対応する一の補正深さ関数」とは、各補正深さ関数を導出する際の基準とした外径寸法の想定値と外径実測値とを比較した場合の、当該実測値に最も近い外径想定値をもとに作成された補正深さ関数、との意味である。
この方法によれば、予め複雑かつ長時間の演算を必要とする穴開け加工深さとその際の適正な補正深さ分との相関を示す関数(補正深さ関数)を、カウンタウェイトの所定の外径寸法ごとに取得しておけるので、実際の外径寸法(実測寸法)を入手した際には、当該外径寸法情報を予め用意された補正深さ関数のうち最も適当なものに当てはめるだけで早急に適正な補正深さ分が求まる。よって、外径実測値から複雑な補正演算を行うことなく、修正すべきアンバランス量に対応する真の(補正後の)穴開け加工深さを短時間に算出することができる。
また、上記補正工程は、補正深さ関数導出工程で作成された全ての補正深さ関数を、穴開け加工深さの所定幅ごとに複数の領域に区分し、区分した各領域内の補正深さ関数をこの関数より低次の関数に近似する近似工程をさらに有し、かつ、補正深さ分算出工程において、補正深さ関数に代えて近似工程で取得した近似関数を使用するようにしたものであってもよい。
上記補正深さ関数は、カウンタウェイトの外径寸法を設計値とした場合の穴開け加工深さhの関数と、上記外径寸法を実測値とした場合の穴開け加工深さhの関数との差分で求められることから、この補正深さ関数についても複雑又は高次の関数となる。そのため、外径実測値に応じて最も適当な補正深さ関数を選択した場合であっても、所定の穴開け加工深さhAに対応する補正深さ分Δhを算出するのに相当の演算時間を要することが想定される。この点、上記方法によれば、最終的に求めるべき補正深さ分Δhを穴開け加工深さhAの低次関数、例えば直線式で与えることができる。そのため、非常に容易な演算のみで補正深さ分Δhを算出することができ、演算に要する時間を大きく短縮することができる。
あるいは、本発明に係る修正方法は、穴開け加工がドリルを用いて行うものであって、外径実測工程では、穴開け加工開始時のドリルとカウンタウェイトとの実際の当接位置に基づいて外径実測値を求めるものとし、かつ、補正工程を、ドリルによる穴開け加工の間に行うものであってもよい。
このように、ドリルをカウンタウェイトの外周面所定位置に当接させると同時に、当接位置情報を取得し、この情報に基づき外径実測値を求めるようにすれば、別途の位置検知手段が不要となる。また、上記位置情報を穴開け加工開始時に検知することで、多くの時間を補正深さ分Δhの演算のために確保することができる。そのため、上記補正工程を穴開け加工の間に行うことで、この穴開け加工と、補正後の穴開け加工深さの算出作業とを平行して実施でき、アンバランス修正作業全体に要する時間の短縮を図ることができる。
また、補正工程として、上述のように複数の補正深さ関数を予め用意しておきこれを選択使用する場合には、ドリルがカウンタウェイトに当接した段階でカウンタウェイトの実外径が算出でき、かつ何れの補正深さ関数を選択すべきか分かる。そのため、非常に短時間で穴開け加工の補正深さ分を求めることが可能となる。従って、高速かつ高精度にドリル穴開け加工を実施することができ、一層のコスト低減を図ることができる。
以上のように、本発明によれば、クランクシャフトのアンバランス修正を高精度かつ低コストに実施することができる。
本発明に係るクランクシャフトのアンバランス修正方法の一実施形態に対応するフローチャートである。 穴開け加工開始時のドリル位置を模式的に示す図である。 穴開け加工深さとアンバランス修正量との相関を示す図である。 穴開け加工深さとその際の補正深さ分との相関を示す図である。 図4に係る相関図であって、この相関図に含まれる補正深さ関数を所定の加工深さ幅ごとに区分し、区分した領域内の補正深さ関数を直線近似したものを概念的に示す図である。
以下、本発明に係るクランクシャフトのアンバランス修正方法の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、上記アンバランス修正方法の一実施形態に対応するフローチャートを示している。このフローチャートに示すように、本発明に係るアンバランス修正方法は主に、(A)クランクシャフトのアンバランス量測定工程、(B)アンバランス修正量に対応する穴開け加工深さの算出工程、(C)カウンタウェイトの外径実測工程、(D)穴開け加工深さの補正工程、および(E)補正後の加工深さまで穴開け加工を実施する工程、とを経て実施される。この実施形態では、穴開け加工によるアンバランス修正加工の終了後に、(F)当該修正の良否を判定する工程、すなわち、修正後のアンバランス量が閾値以下であるか否かを判定する工程をさらに実施するようにしている。
また、(D)補正工程は、この実施形態では、(D1)補正深さ関数導出工程、(D2)低次関数近似工程、(D3)補正深さ関数選択工程、および(D4)補正深さ分算出工程とを有する。以下、各工程の詳細を説明する。
(A)アンバランス量測定工程
まず、鍛造で粗成形したクランクシャフトの素材を形成し、この素材に対して機械加工を含む各種加工を完了したものに対して回転バランスを評価し、その際のアンバランス量を測定する。この実施形態では、工数削減のため、カウンタウェイトの外周面に対して何らの加工を施していない状態(いわゆる黒皮が残った状態)の素材に対してアンバランス量の測定を行うようにしている。
(B)アンバランス修正量に対応する穴開け加工深さの算出工程
次いで、上記工程(A)で判明したアンバランス量を打ち消し得るアンバランス修正量gAを定めると共に、定めたアンバランス修正量gAに応じてカウンタウェイトの全部又は一部にドリルで所定深さの穴開け加工を行う際の穴開け加工深さhAを算出する。ここで、一般に、アンバランス修正量gと穴開け加工深さhとの間には所定の相関:
g=f(h) ・・・(式1)
が経験的に認められており、f(h)は例えば穴開け加工深さhの他に、カウンタウェイトの密度ρ、外径R、加工穴の大きさ(ドリル径)rをパラメータとして含む高次の関数である。従って、穴開け加工深さhのみを変数として、関数f(h)の逆関数:
h=F(g) ・・・(式2)
を求めることで、g=gAのときの穴開け加工深さhAが、
A=F(gA) ・・・(式3)
として求まる。なお、カウンタウェイトの穴開け加工位置(外周面の円周方向位置)およびその数は、先の工程(A)で求めたアンバランス量(ベクトル量)に基づき、各カウンタウェイトごとに定めるようにする。
(C)カウンタウェイトの外径実測工程
上記のようにして穴開け加工深さhAを求めた後、カウンタウェイトの実際の外径寸法を測定する。この実施形態では、ワークとなるクランクシャフトを穴開け加工機にセットし、図2に示すように、所定のカウンタウェイト1の外周面所定位置に対してドリル2で所定深さの穴3を開けるための加工を開始する際、ドリル2とカウンタウェイト1との当接位置に基づいてカウンタウェイト1の外径実測値RBを求める。ここでは、ドリル2がカウンタウェイト1の外周面に到達した際、ドリル2のトルクが急激に増大したことを検知することで、この際のドリル先端位置(カウンタウェイト1との当接位置)を求め、この情報に基づきカウンタウェイト1の外径実測値RBを求めるようにしている。
(D)穴開け加工深さの補正工程
上記工程(B)で求めた穴開け加工深さhAは、穴開け加工の対象となるカウンタウェイトの外径寸法を設計値RAとした場合の値であるから、これを外径実測値RBとした場合の真の穴開け加工深さhBを求め直す必要がある。ここで、一番正確なのは、(式1)の如く、カウンタウェイトの外径寸法を実測値RBとした場合のアンバランス修正量gと穴開け加工深さhとの相関関数を新たに求め、これから(式2)、(式3)と同様の導出手順で真の(補正後の)穴開け加工深さhBを算出することであるが、かかる作業には多大な演算時間を要する。(式1)は通常高次の関数で与えられ、この逆関数で与えられる(式2)も高次かつ複雑になる可能性が高いためである。以上の事情に鑑み、この実施形態では、ドリルによる穴開け加工と当該補正作業とを平行して実施し、かつ、ドリルによる穴開け加工が終了するまでに補正後の穴開け加工深さhBを算出するために、hBの算出に係る演算作業を以下の手順で実施する。
(D1)補正深さ関数導出工程
上記の外径実測工程(C)の前に、想定し得る外径実測値(以下、単に外径想定値と呼ぶ)の大きさ別に、穴開け加工深さhとその際の補正深さ分Δhとの相関を示す複数の補正深さ関数を予め導出しておく。具体的には、まず図3に示すように、カウンタウェイトの実際の外径寸法として種々の値を想定した際の、アンバランス修正量gを表す穴開け加工深さhの関数を求める。ここで、図3中の1点鎖線で描かれた曲線は、第1の外径想定値R1が設計値RAに等しい場合のhの関数を示している。また、同図中の実線で描かれた曲線は、第2の外径想定値R2が設計値RAより小さい場合(R2<RAの場合)のhの関数を示しており、2点鎖線で描かれた曲線は、第3の外径想定値R3が設計値RAより大きい場合(R3>RA)のhの関数を示している。これを一般化すれば、実際の外径寸法をRi(i=1,2,…,n)とした場合のアンバランス修正量gと穴開け加工深さhとの間には、
g=ki(h) ・・・(式4)
および、この逆関数として、
h=Ki(g) ・・・(式5)
がそれぞれ成立する。
上記の関係に基づき、外径寸法を設計値RAから外径想定値Riとした場合の、穴開け加工深さの補正量(補正深さ分)Δhを求める。外径寸法を外径想定値Riとした場合において、設計値RAの場合と同量のアンバランス修正量gAを付与するための補正深さ分Δhは、(式2)および(式5)から、
Δh=hi−hA=Ki(gA)−F(gA)=Ji(hA) ・・・(式6)
のようにhAの関数(補正深さ関数)として表すことができる。ここで、図4中の実線で描かれた曲線は、第2の外径想定値R2が設計値RAより小さい場合のhAの補正深さ関数を例示している。
(D2)近似工程
以上のようにして、各外径想定値Ri(i=2,3,…,n)の場合の補正深さ関数が求まるが、この実施形態では、さらに、i個の補正深さ関数をそれぞれ、穴開け加工深さhAの所定幅ごとに区分し、区分した各領域内に含まれる補正深さ関数Ji(hA)を、この関数より低次の関数に近似する。この一例として、図5には、実際の外径寸法を第2の外径想定値R2とした場合の図4に示す補正深さ関数J2(hA)を所定の穴開け加工深さの幅ごとにm個の領域に区分し、区分したj(j=1,2,…,m)番目の領域内に含まれる補正深さ関数J2(hA)を、
Δh=J2(hA)≒αjA+βj (式7)
のように直線近似した場合を示している。なお、導出過程より明らかなように、係数αj,βjは穴開け加工深さhAの大きさに応じて定まる値である。また、区分の幅は全領域にわたって均一である必要はなく、図4に示すように加工深さhAの値が大きくなるにつれてその勾配が増加する場合には、hAが大きい領域ほどその区分幅を小さくする等の調整が可能である。
(D3)補正深さ関数選択工程および(D4)補正深さ分算出工程
このようにして、予め複数の補正深さ関数およびその近似関数(それぞれ(式6)、(式7)を参照)を求めておき、ドリルによる穴開け加工の開始時に取得したカウンタウェイトの外径実測値RBに最も対応する一の補正深さ関数を上記複数の補正深さ関数の中から選択する。具体的には、外径実測値RBに最も近い外径想定値Riをカウンタウェイトの外径寸法とした場合に導出した補正深さ関数Ji(hA)を選択する。そして、例えば選択した補正深さ関数Ji(hA)が図4に示す関数であった場合(i=2)、その近似関数に上記工程(B)で求めた所定の穴開け加工深さhAを代入することで、以下のように穴開け加工深さの補正分Δhが求まる。
Δh=J2(hA)≒αjA+βj ・・・(式8)
この場合、求めるべき補正後の穴開け加工深さhBは、
B=hA+Δh=(αj+1)hA+βj ・・・(式9)
として求めることができる。
(E)補正後の加工深さまで穴開け加工を実施する工程
そして、穴開け加工深さの指示値をhAから上記工程(D1)〜(D4)で求めたhBに変更する指令を出すことで、図2に示すように加工穴3の深さがhBに達するまでドリルによる穴開け加工が継続実施される。これにより、カウンタウェイト1に対して適正な深さの穴開け加工が施される。
(F)修正良否判定
以上のようにして、穴開けによるアンバランス修正加工が実施された後、再度クランクシャフトに対してアンバランス量の測定が実施される。そして、修正後のアンバランス量が閾値以下であれば良品と判定され、閾値を超えていれば、再度上記(B)〜(E)の工程を経ることでクランクシャフトの更なるアンバランス修正が行われる。
以上説明した通り、本発明に係るアンバランス修正方法によれば、カウンタウェイトの外周面の加工の有無に関らず、アンバランス測定から修正加工、そして再測定、との1サイクルないし極力少ない回数でクランクシャフトのアンバランス量を目標の閾値以下に収めることができる。また、本修正方法は、既存の設備を利用して実施することができるため、特段の新たな設備を導入せずに済み、設備投資によるコスト高騰を避けることができる。また、同種の加工設備に対しても容易に展開が可能である。
また、上記実施形態に係る補正方法によれば、非常に短時間で加工深さの補正指示を下すことができるので、ドリルによる切削加工(穴開け加工)を中断することなく短時間でアンバランス修正を行うことができる。
さらに、上記修正方法にであれば、予め想定される外径実測値の数nを多くしておけば、その分精細な穴開け加工深さの補正が可能となる。
もちろん、上記補正方法は本発明の一実施形態に過ぎず、外径実測工程(C)で得た外径実測値に基づき、穴開け加工深さ算出工程(B)で得た穴開け加工深さhAを補正する限りにおいてその方法は問わない。
また、カウンタウェイト1の外径実測方法についても上記手段に限定されるものではなく、穴開け加工開始時以外の段階で測定してもよく、また、穴開け加工機とは別に測定機器を設け、これにより別途外径を実測するようにしても構わない。
また、上記以外の事項についても、本発明の技術的意義を没却しない限りにおいて他の具体的形態を採り得ることはもちろんである。
1 カウンタウェイト
2 ドリル
3 加工穴
A 外径寸法の設計値
B 外径寸法の実測値
A アンバランス修正量
A 穴開け加工深さ
B 補正後の穴開け加工深さ

Claims (4)

  1. カウンタウェイトに対して所定深さの穴開け加工を行うことでクランクシャフトのアンバランスを修正する方法であって、
    前記クランクシャフトのアンバランス量を測定する工程と、アンバランス量の測定結果に基づき前記カウンタウェイトへの穴開け加工深さを算出する工程とを有するものにおいて、
    前記カウンタウェイトの外径寸法を実測する外径実測工程と、
    外径実測工程で得た外径実測値に基づき前記穴開け加工深さを補正する工程とをさらに有し、この補正工程で得た補正後の深さまで前記穴開け加工を行うことを特徴とするクランクシャフトのアンバランス修正方法。
  2. 前記補正工程は、
    前記外径実測工程の前に、想定される前記外径実測値の大きさ別に、前記穴開け加工深さとその際の補正深さ分との相関を示す複数の補正深さ関数を予め導出しておく工程と、
    前記外径実測工程で得た前記外径実測値に最も対応する一の補正深さ関数を前記複数の補正深さ関数の中から選択する工程と、
    前記選択した補正深さ関数と、前記穴開け加工深さ算出工程で得た前記穴開け加工深さとから前記補正深さ分を算出する工程とをさらに有する請求項1に記載のアンバランス修正方法。
  3. 前記補正工程は、前記補正深さ関数導出工程で作成された全ての前記補正深さ関数を、前記穴開け加工深さの所定幅ごとに複数の領域に区分し、区分した各領域内の前記補正深さ関数をこの関数より低次の関数に近似する近似工程をさらに有し、かつ、
    前記補正深さ分算出工程において、前記補正深さ関数に代えて前記近似工程で取得した近似関数を使用するようにした請求項2に記載のアンバランス修正方法。
  4. 前記穴開け加工はドリルを用いて行うものであって、
    前記外径実測工程では、前記穴開け加工開始時の前記ドリルと前記カウンタウェイトとの実際の当接位置に基づいて前記外径実測値を求めるものとし、かつ、
    前記補正工程を、前記ドリルによる穴開け加工の間に行う請求項1〜3の何れかに記載のアンバランス修正方法。
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