JP2010173185A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】解像度を低減することなく、粒状感を抑制した高品位な画像記録を行う画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも3以上の色材を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備える画像形成装置であって、画像形成手段は、少なくとも3以上の色材に加え、少なくとも3以上の各色材の間の色相である色材を各々少なくとも1以上用いて画像を形成し、間の色相である色材は、少なくとも2以上の濃度を有し、少なくとも2以上の濃度を有する色材は、隣り合う段階の濃度の色材による記録明度と記録媒体の明度との差が35以内である。なお、明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って、測定されるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも3以上の色材を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置及び画像形成方法に関する。
近年、パソコンやワープロ等のOA機器が広く普及し、これら機器で入力した情報の出力も文字や線画等のいわゆる2値画像だけではなく、写真等の中間調画像の出力やカラー画像の出力をする機会が急速に増えてきている。
これら画像を出力する出力方法として様々な画像形成方法や画像形成装置が開発されてきている。中でも、安価に高画質カラー記録が可能なインクジェット(IJ)記録方式を適用した画像形成装置が広く市場に受け入れられ始めている。このIJ記録方式の画像形成装置を含め、現在普及している多くの画像形成装置では、上記中間調の形成を面積階調によって表現している。ここで、面積階調とは記録媒体上への記録面積を制御することで中間調再現を行う方法である。例えば、IJ記録方式の画像形成装置を例に挙げると、中間調再現を行う方法として大きくはドット径変調方法と擬似階調方法の2種類に分類できる。ドット径変調方法は、記録する1ドットのインク吐出量を制御することで記録媒体上の1ドットの大きさを階調値に応じて制御し、単位面積当たりの記録面積を制御する方法である。他方、擬似階調方法としては、ディザマトリックス法やED法(エラーディフュージョン法)等周知の階調再現方法が挙げられる。
しかし、上述したような中間調再現方法にあっては下記のような問題があった。まず、ドット径変調方法では、現実的にドット当たりの吐出量の変調範囲は約2倍程度であり、この程度の吐出量変調では中間調の再現能力としては不十分である。例えば、80ng/ドットの吐出量での記録ドット径と8ng/ドットの吐出量での記録ドット径とを記録媒体である用紙上で比較すると、1ドット当たりの吐出量は10倍違うにもかかわらず、用紙上のドット径は2倍程度の差にしかならない。無論インクの組成、記録媒体の種類によって若干の変動はあるにせよ、吐出量2倍程度の変調幅では用紙上での記録ドット径の制御による面積階調方法としてはとても十分とは言い難い。
次に、擬似階調方法であるディザマトリックス法は、既定のマトリックスサイズの中に記録するドットの数を制御する方法である。マトリックスサイズを大きくすることで階調再現能力も向上させることが可能であるが、事実上の解像度が低下し、文字や線画の先鋭度が悪化してしまう。さらには、特に低階調の画像部(ハイライト部)でドットの粒状感が違和感として生じる。前記ED法を用いれば解像度の低下は若干緩和されるが、ハイライト部での粒状感はドット濃度に起因して生じるので改善はされない。
また、粒状感が目立たないように薄い淡インクを用いて記録する方法もあるが、むやみにインクを希釈して用いたのではハイライト部の粒状感は緩和できてもダーク部での最高濃度を満足できずに画像全体として高画質化は望めない。
また上述した問題を解決し、粒状感を目立たないようにするために、シアン、マゼンタといったプロセスインクについて複数の濃度のインクを記録インクとして用いる、いわゆる濃淡インク記録方法が開示されている。濃淡インク記録方法は、十分に薄いインクと十分に濃いインクを用いることでハイライト部の粒状感とダーク部の最高濃度を双方満足する記録方法であるが、この場合には階調再現において淡インク記録から濃インク記録への切り替わり部で粒状感が生じてしまう。すなわち、十分に薄い淡インクで記録したハイライト画像の中に十分に濃い濃インクのドットを打ち込むと、淡インク画像と濃インクドットのコントラストの差で粒状感が目立ってしまい、濃淡記録を行った効果が得られなくなるという問題があった。
上述した問題を解決するために、プロセスインクについて複数段階の濃度のインクを記録インクとして用い、且つプロセスインクそれぞれについて、隣り合う段階の濃度のプロセスインクによる記録明度の差が35以内であり、最低濃度のプロセスインクによる記録明度と用紙の明度との差が35以内とする中間調記録装置の技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
さらに、各色インク滴の重ねる順序によって色調が異なってしまうため、双方向印刷する場合には色差が生じてしまうという問題があった。この問題を解決するために、プロセスインクと黒色インクに加え、プロセスインクとは異なる色相の記録液を使用して画像形成を行う技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
上記特許文献1の技術のように、シアン、マゼンタといったプロセスインクについて、淡インクと濃インクのさらに中間濃度に希釈した中インクや、さらにそれらの中間の中淡インクや中濃インク等、インクの希釈濃度の段階を増やしていくことで、シアン、マゼンタに近い色相色については十分な効果を得ることができる。しかし、その組合せによるブルー、またイエローインクとの組合せによるレッド、グリーンといった2次色については、シアン、マゼンタの濃淡インクだけでは粒状感を向上させるには限界があるとうい問題があった。また、透過型の記録媒体(例えば、液晶フィルタ等)に粒状感を抑制した高品位な画像記録を行うには、レッド、グリーン、ブルーの濃淡インクが必要となるという問題があった。
また、上記特許文献2の技術では、双方向印刷時の色差を低減させることのみを目的としているため、記録明度については示唆されていない。そのため、粒状感を向上させるには限界があるとうい問題があった。
本発明はこのような実情を鑑みてなされたものであり、上記従来の課題を解決し、実解像度を低減することなく、粒状感を抑制した高品位な画像記録を行う画像形成装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、少なくとも3以上の色材を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備える画像形成装置であって、画像形成手段は、少なくとも3以上の色材に加え、少なくとも3以上の各色材の間の色相である色材を各々少なくとも1以上用いて画像を形成し、間の色相である色材は、少なくとも2以上の濃度を有し、少なくとも2以上の濃度を有する色材は、隣り合う段階の濃度の色材による記録明度と記録媒体の明度との差が35以内であり、明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って、測定されるものであることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、少なくとも3以上の色材を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成ステップを備える画像形成方法であって、画像形成ステップは、少なくとも3以上の色材に加え、少なくとも3以上の各色材の間の色相である色材を各々少なくとも1以上用いて画像を形成し、間の色相である色材は、少なくとも2以上の濃度を有し、少なくとも2以上の濃度を有する色材は、隣り合う段階の濃度の色材による記録明度と記録媒体の明度との差が35以内であり、明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って、測定されるものであることを特徴とする。
本発明によれば、実解像度を低減することなく、粒状感を抑制した高品位な画像記録を行うことが可能となる。
本実施形態に係る画像形成装置の機構部の概略構成例を示す図である。 本実施形態に係る画像形成装置の画像形成方法例を説明するための平面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の記録ヘッドの構成例を示す斜視図である。 本実施形態に係る画像形成装置の搬送ベルトの例を示す模式図である。 本実施形態に係る画像形成装置のインク滴噴射例を説明するための図である。 本実施形態に係る画像形成装置の制御部の概略構成例を示すブロック図である。 本実施形態に係る画像形成装置の印刷制御部及びヘッドドライバの概略構成例を示す図である。 本実施形態に係る画像形成装置により生成される駆動波形の例を示す図である。 本実施形態に係る画像形成装置により生成される駆動波形の例を示す図である。 本実施形態に係る画像形成装置のノズルの配列例を示す図である。 本実施形態に係る画像形成装置のノズルの配列例を示す図である。 本実施形態に係る画像形成装置のノズルの配列例を示す図である。 画像形成装置のノズルの配列例を示す図である。
以下に本発明の実施形態の例について、図面を用いて詳細に説明する。
まず、本実施形態を適用する画像形成装置として、インクジェット記録方式の画像形成装置を例に挙げて、図1〜図4を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の機構部全体の概略構成例を示す。図2は、本実施形態に係る画像形成装置の要部の例を示す。図3は、本実施形態に係る画像形成装置のヘッド構成例を説明するための図である。図4は、本実施形態に係る画像形成装置の搬送ベルトの例を模式的に示す断面図である。尚、本実施形態ではインクジェット記録方式の画像形成装置を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
このインクジェット記録方式の画像形成装置は、画像形成装置本体1の内部に画像形成部2等を有し、装置本体1の下方側に多数枚の記録媒体である用紙3を積載可能な給紙トレイ4を備えている。この給紙トレイ4から給紙される用紙3を取り込み、搬送機構5によって用紙3を搬送しながら画像形成部2によって所要の画像を記録した後、装置本体1の側方に装着された排紙トレイ6に用紙3を排紙する。尚、以下、本実施形態では記録媒体として用紙3を適用する場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。
また、この画像形成装置は、画像形成装置本体1に対して着脱可能な両面ユニット7を備え、両面印刷を行うときには、一面(表面)印刷終了後、搬送機構5によって用紙3を逆方向に搬送しながら両面ユニット7内に取り込み、反転させて他面(裏面)を印刷可能面として再度搬送機構5に送り込み、他面(裏面)印刷終了後排紙トレイ6に用紙3を排紙する。
ここで、画像形成部2は、ガイドシャフト11、12にキャリッジ13を摺動可能に保持し、図示しない主走査モータでキャリッジ13を用紙3の搬送方向と直交する方向に移動(主走査)させる。このキャリッジ13には、液滴を吐出する複数の吐出口であるノズル孔14n(図3参照)を配列した液滴吐出ヘッドで構成した記録ヘッド14を搭載し、また、この記録ヘッド14に液体を供給するインクカートリッジ15を着脱自在に搭載している。尚、インクカートリッジ15に代えてサブタンクを搭載し、メインタンクからインクをサブタンクに補充供給する構成とすることもできる。
給紙コロ(半月コロ)21と図示しない分離パッドは、給紙トレイ4の用紙3を1枚ずつ分離し、画像形成装置本体1内に給紙して、搬送機構5に送り込む。
搬送機構5は、搬送ガイド部23、搬送ローラ24、加圧コロ25、ガイド部材26、27、押し付けコロ28、を有している。搬送ガイド部23は、給紙された用紙3をガイド面23aに沿って上方にガイドし、また両面ユニット7から送り込まれる用紙3をガイド面23bに沿ってガイドする。搬送ローラ24は、用紙3を搬送する。加圧コロ25は、搬送ローラ24に対して用紙3を押し付ける。ガイド部材26は、用紙3を搬送ローラ24側にガイドする。ガイド部材27は、両面印刷時に戻される用紙3を両面ユニット7にガイドする。押し付けコロ28は、搬送ローラ24から送り出す用紙3を押圧する。
さらに、搬送機構5は、記録ヘッド14で用紙3の平面性を維持したまま搬送するために、駆動ローラ31と従動ローラ32との間に掛け渡した搬送ベルト33と、この搬送ベルト33を帯電させるための帯電ローラ34と、帯電ローラ34に対向するガイドローラ35と、図示しないが、搬送ベルト33を画像形成部2に対向する部分で案内するガイド部材(プラテンプレート)と、搬送ベルト33に付着した記録液(インク)を除去するためのクリーニング手段である多孔質体等からなるクリーニングローラ等を有している。
ここで、搬送ベルト33は、無端状ベルトであり、駆動ローラ31と従動ローラ(テンションローラ)32との間に掛け渡されて、図1の矢示方向(用紙搬送方向)に周回するように構成している。
この搬送ベルト33は、単層構成、又は図4に示すように第1層(最表層)33aと第2層(裏層)33bの2層構成あるいは3層以上の構成とすることができる。例えば、この搬送ベルト33は、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とで構成する。
帯電ローラ34は、搬送ベルト33の表層に接触し、搬送ベルト33の回動に従動して回転するように配置されている。この帯電ローラ34には図示しない高圧回路(高圧電源)から高電圧が所定のパターンで印加される。
また、搬送機構5から下流側には画像が記録された用紙3を排紙トレイ6に送り出すための排紙ローラ38を備えている。
このように構成した画像形成装置において、搬送ベルト33は矢示方向に周回し、高電位の印加電圧が印加される帯電ローラ34と接触することで正に帯電される。この場合、帯電ローラ34は、所定の時間間隔で極性を切り替えることによって、所定の帯電ピッチで搬送ベルト33を帯電する。
ここで、この高電位に帯電した搬送ベルト33上に用紙3を給送すると、用紙3内部が分極状態になり、搬送ベルト33上の電荷と逆極性の電荷が用紙3の搬送ベルト33と接触している面に誘電され、搬送ベルト33上の電荷と搬送される用紙3上に誘電された電荷同士が互いに静電的に引っ張り合い、用紙3は搬送ベルト33に静電的に吸着される。このようにして、搬送ベルト33に強力に吸着した用紙3は反りや凹凸が校正され、高度に平らな面が形成される。
そこで、搬送ベルト33を周回させて用紙3を移動し、キャリッジ13を片方向又は双方向に移動走査しながら画像信号に応じて記録ヘッド14を駆動し、図5の(a)、(b)に示すように、記録ヘッド14から液滴14iを吐出(噴射)して、停止している用紙3に液滴であるインク滴を着弾してドットDiを形成することにより、1行分を記録し、用紙3を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了する。尚、図5(b)は図5(a)のドットDi形成部分を拡大したものである。
上述したような方法により、画像が記録された用紙3は排紙ローラ38によって排紙トレイ6に排紙される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の制御部の概略構成例について図6のブロック図を参照して説明する。
本実施形態に係る画像形成装置の制御部200は、輪郭部の補正を行う手段(例えば、ジャギー補正を行う手段)を兼ねた、画像形成装置全体の制御を司るCPU201と、CPU201が実行する本実施形態に係るプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM202と、画像データ等を一時格納するRAM203と、画像形成装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ204と、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他画像形成装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC(Application Specified IC)205と、を備えている。
また、この制御部200は、ホスト側とのデータ、信号の送受を行うためのI/F206と、記録ヘッド14を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動波形を生成する駆動波形生成手段を含む印刷制御部207と、キャリッジ13側に設けた記録ヘッド14を駆動するためのヘッドドライバ(ドライバIC)208と、主走査モータ220及び副走査モータ222を駆動するためのモータ駆動部210と、帯電ローラ34にACバイアスを供給するACバイアス供給部212と、エンコーダセンサ221、223からの各検出信号、ドット形成位置のズレを来たす要因としての環境温度を検出する温度センサ215などの各種センサからの検出信号を入力するためのI/O213などを備えている。また、この制御部200には、この画像形成装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作部214が接続されている。
ここで、制御部200は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置、イメージスキャナなどの画像読み取り装置、デジタルカメラなどの撮像装置などのホスト側からの画像データ等をケーブル或いはネットを介してI/F206で受信する。
そして、制御部200のCPU201は、I/F206に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析し、ASIC205にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部207からヘッドドライバ208に転送する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は後述するようにホスト側のプリンタドライバで行っている。
印刷制御部207は、上述した画像データをシリアルデータでヘッドドライバ208に転送するとともに、この画像データの転送及び転送の確定などに必要な転送クロックやラッチ信号、滴制御信号(マスク信号)などをヘッドドライバ208に出力する以外にも、ROM202に格納されている駆動信号のパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び電圧増幅器、電流増幅器等で構成される駆動波形生成部及びヘッドドライバに与える駆動波形選択手段を含み、1つの駆動パルス(駆動信号)或いは複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形を生成してヘッドドライバ208に対して出力する。
ヘッドドライバ208は、シリアルに入力される記録ヘッド14の1行分に相当する画像データに基づいて印刷制御部207から与えられる駆動波形を構成する駆動信号を、選択的に記録ヘッド14の液滴を吐出させるエネルギーを発生する駆動素子(例えば、前述したような圧電素子)に対して印加することで、記録ヘッド14を駆動する。このとき、駆動波形を構成する駆動パルスを選択することによって、例えば、大滴(大ドット)、中滴(中ドット)、小滴(小ドット)など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
また、CPU201は、リニアエンコーダを構成するエンコーダセンサ221からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて主走査モータ220に対する駆動出力値(制御値)を算出して、モータ駆動部210を介して主走査モータ220を駆動する。同様に、ロータリエンコーダを構成するエンコーダセンサ223からの検出パルスをサンプリングして得られる速度検出値及び位置検出値と、予め格納した速度・位置プロファイルから得られる速度目標値及び位置目標値とに基づいて副走査モータ222に対する駆動出力値(制御値)を算出して、モータ駆動部210を介して副走査モータ222を駆動する。
次に、印刷制御部207及びヘッドドライバ208の一例について図7を参照して説明する。
印刷制御部207は、上述したように、1印刷周期内に複数の駆動パルス(駆動信号)で構成される駆動波形(共通駆動波形)を生成して出力する駆動波形生成部301と、印刷画像に応じた2ビットの画像データ(階調信号0、1)と、クロック信号、ラッチ信号(LAT)、滴制御信号M0〜M3を出力するデータ転送部302と、を備えている。
なお、滴制御信号は、ヘッドドライバ208の後述するスイッチ手段であるアナログスイッチの開閉を滴毎に指示する2ビットの信号であり、共通駆動波形の印刷周期に合わせて選択すべき波形でHレベル(ON)に状態遷移し、非選択時にはLレベル(OFF)に状態遷移する。
ヘッドドライバ208は、データ転送部302からの転送クロック(シフトクロック)及びシリアル画像データ(階調データ:2ビット/CH)を入力するシフトレジスタ311と、シフトレジスタ311の各レジスト値をラッチ信号によってラッチするためのラッチ回路312と、階調データと滴制御信号M0〜M3をデコードして結果を出力するデコーダ313と、デコーダ313のロジックレベル電圧信号をアナログスイッチ315が動作可能なレベルにレベル変換するレベルシフタ314と、レベルシフタ314を介して与えられるデコーダ313の出力でオン/オフ(開閉)されるアナログスイッチ315と、を備えている。
このアナログスイッチ315は、各圧電素子121の選択電極(個別電極)に接続され、駆動波形生成部301からの共通駆動波形が入力されている。したがって、シリアル転送された画像データ(階調データ)と制御信号MN0〜MN3をデコーダ313でデコードした結果に応じてアナログスイッチ316をオンにすることにより、共通駆動波形を構成する所要の駆動信号が通過して(選択されて)圧電素子121に印加される。
次に、駆動波形の一例について図8及び図9を参照して説明する。
駆動波形生成部301からは1印刷周期(1駆動周期)内に、図8に示すように、基準電位Veから立ち下がる波形要素と、立下り後の状態から立ち上がる波形要素などで構成される、8個の駆動パルスP1ないしP8からなる駆動信号(駆動波形)を生成して出力する。一方、データ転送部302からの滴制御信号M0〜M3によって使用する駆動パルスを選択する。
ここで、駆動パルスの電位Vが基準電位Veから立ち下がる波形要素は、これによって圧電素子121が収縮して加圧液室の容積が膨張する引き込み波形要素である。また、立下り後の状態から立ち上がる波形要素は、これによって圧電素子121が伸長して加圧液室の容積が収縮する加圧波形要素である。
そして、データ転送部302からの滴制御信号M0〜M3によって、小滴(小ドット)を形成するときには図9の(a)に示すように駆動パルスP1を選択し、中滴(中ドット)を形成するときには図9の(b)に示すように駆動パルスP4ないしP6を選択し、大滴(大ドット)を形成するときには図9の(c)に示すように駆動パルスP2ないしP8を選択し、微駆動の(例えば、滴吐出を伴わないでメニスカスを振動させる)ときには図9の(d)に示すように微駆動パルスP2を選択して、それぞれ記録ヘッド14の圧電素子121に印加させるようにする。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の記録手段について説明する。本実施形態に係る画像形成方法では、高画質な階調記録を行うためにほぼ同一色で明度の異なる有彩色の色材をそれぞれ記録する記録手段を有する。上記複数の記録手段は、複数の記録ヘッドを用いて記録を行う別体方式であってもよく、また1つの記録ヘッドで複数の濃度の記録を行う一体方式であってもよい。
高画質な階調記録のためには、低中間調画像部(ハイライト部)から高中間調画像部(ダーク部)まで広い階調再現範囲と違和感のない階調のつなぎを実現することが重要である。広い再現範囲とは、言い替えれば再現可能な最高画像濃度が高いことであり、各色材のベタ画像濃度を一定値以上とすることで実現できる。また、違和感のない階調のつなぎとは定義が容易ではないが、例えば、記録媒体に記録ドットを印字する場合、記録媒体と印字ドットのコントラストがある一定以上となると画像にぼつぼつ感、ざらざら感(これを粒状感と称す)が発生する。
コントラストの指標の一つとして明度差を挙げることができるが、この明度差が25を超えると粒状感が発生し、明度差が35を超えると顕著に粒状感があらわれることとなる。一般的なコピー用紙の明度は90前後であるので、90前後の明度の記録媒体上に直接記録してもそのドットの粒状感が目立たないようにするためにはインクの記録明度は65以上であることが望ましい。よって、本実施形態では、最も薄いインク(淡インク)による記録明度は65となるような記録インク(色材)を用いることとする。
尚、前記記録明度とはCIE(国際照明委員会)が1976年に勧告した心理計測明度の定義で、通常L*で表記する値を意味する(今後特に明記しない場合、明度、色相、彩度はCIE1976での定義とする)。
また、記録明度の測定方法は、前記記録手段によって記録媒体上に記録した記録ドットの明度、または色材を100%ベタ記録した場合の記録領域の明度で、このときの光源は前記CIE定義の標準照明光D65である。
また上述したように、広い再現範囲を実現するために最高画像濃度を一定値以上と設定する必要がある。この最高濃度記録は高画質化を目的としたその画像形成装置固有の専用記録媒体であれば少なくとも測定色の補色フィルタを用いて測定する光学反射濃度(O.D)で1.4以上であることが望ましい。一般的なコピー用紙への記録であっても高画質を狙うためには前記O.Dで1.0以上は必要とされる。例えば、以下に示すような、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)系とCMY間の色相R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)色材を用いて、フルカラー画像を形成する画像形成装置においては、Yインクは上記明度65以上のインクで濃度1.4が実現できる色相のインクなので、Y色材は明度85のインク1種類とする。M、Cインクは明度65に調整したインクではO.D1.4を達成できないのでこの明度65の記録明度となるM、C色材(淡インク)を1種類と、さらにO.D1.4を達成できるM、C色材(濃インク)を設定する。
また、R、G、Bについては、本実施形態に係る画像形成装置装置固有の専用記録媒体であれば少なくともCIE(国際照明委員会)が1976年に勧告した心理計測明度の定義の彩度(C)でR80以上、G65以上、B55以上であることが望ましい。一般的なコピー用紙への記録であっても、高画質を実現するには前記彩度Cで50以上は必要とされる。R、G、Bインクを明度65に調整したインクでは彩度CがR80以上、G65以上、B55以上を達成できないので、この明度65の記録明度となるR、G、B色材(淡インク)を1種類と、さらに彩度CがRで80以上、Gで65以上、Bで55以上を達成できるR、G、B色材(濃インク)を設定する。
ここで、中間調記録ではハイライト部(低階調部)は上記淡インクで記録を行い、ダ−ク部(高階調部)記録に移るにしたがって濃インクによる記録を混在させて中間調記録を行う。濃インクを混在させた場合にこの濃インクによるドットの粒状感を目立たなくするためには、淡インク記録部の明度と濃インク記録部の明度の明度差を前記同様望ましくは25以内、最大でも35以内になるように濃インクの明度(インク濃度)を決定する必要がある。
また、濃インクによるM、Cでは記録明度をおよそ50とすることで濃インク記録によるベタO.Dを1.4以上とすることができる。この記録明度50は淡インクとの記録明度の差が15と25より十分小さいので、淡インクと濃インクの中間濃度のインクをさらに使用することなく淡インク記録部に濃インク記録を混在していっても、その粒状感は殆ど目立たないレベルとすることができる。
R、G、Bについては、Rは明度46.8、Gは明度67.2、Bは明度36.3にすることで彩度CがR80以上、G65以上、B55以上を達成することができる。このときBの記録明度45は淡インクとの記録明度の差が25より小さい(差は23.7)ので、淡インクと濃インクの中間濃度のインクをさらに使用することなく淡インク記録部に濃インク記録を混在していっても、その粒状感は殆ど目立たないレベルとすることができる。
したがって、この本実施形態であれば、Yは1種類、M、Cは各2種類、R、G、Bについても各2種類の前記明度に調整したインクを用いることにより、低階調部から高階調部まで全ての中間調再現域において違和感のない階調のつなぎと広い階調再現範囲をもつ高画質階調を実現する画像形成装置を提供することが可能となる。すなわち、各色最小限の種類の(記録明度の)インク(色材)を備えることで、高画質階調を実現することが可能となる。
さらに、記録媒体がフィルタのような透過型の媒体については、上記色材のうち、R、G、Bのみを使用することで、同様の効果を得ることができる。
顕色性の概念としてはインクそのものの発色性の強さ、または記録媒体に描画された状態での発色の強さの度合いを示すものである。有彩色の場合は発色の強さの程度を表わすものであり、無彩色の場合は明るさの程度を表わすものである。また、同一の染料や顔料を用いている場合は、インクの染料濃度を示すこともある。また、例えば、記録媒体に印字された状態で比較する場合においては、光学反射濃度を示したり、ほぼ同一色相での最大彩度を示したりもする。いわゆる光発色なものを優れた顕色性という位置付けとする。
<記録ヘッド>
本実施形態に係る画像形成装置の記録ヘッド14としては、例えば、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する液滴吐出ヘッドである独立した4個のインクジェットヘッド14y、14m、14c、14kとしているが、各色のインク滴を吐出する複数のノズル列を有する1又は複数のヘッドを用いる構成とすることもできる。尚、色の数や種類、配列順はこれに限ったものではない。
本実施形態に係る画像形成装置に適用することができる記録ヘッド14は、副走査方向に配列した複数のノズルからなるノズル列を主走査方向に複数列配列し、同一色のインクを吐出するノズル列を2列以上有し、前記同一色のインクを吐出するノズル列の間に異なる色のインクを吐出するノズル列を1列以上配列する構成とすることができる。これにより、インク滴の重ねる順序によって色調が微妙に異なるといった、いわゆる「双方向色差」を抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係る画像形成装置に適用することができる記録ヘッドの別の形態として、副走査方向に配列した複数のノズルからなるノズル列を主走査方向に複数列配列し、同一色のインクを吐出するノズル列を2列以上有し、該同一色のインクを吐出するノズル列の間に異なる色のインクを吐出するノズル列を1列以上配列し、主走査方向に直行する軸を中心に、同一色のインクを吐出するノズル列を左右対称に配列する構成とすることもできる。
本実施形態に係る画像形成装置の記録ヘッドは、上述したいずれの形態でも適用することができ、記録ヘッドを上述した構成とすることで双方向印刷時の色差発生を防止することができる。以下、具体的な例について、図を用いて説明する。
まず、図13に示すように、印写方向に各色のノズル列が1列ずつ配列されたヘッド(例えば、YMCKと配置されたヘッド)では、双方向印字すると複数の記録液を重ねた部分では双方向色差が生じてしまう。
ところが、同一色のインクを吐出するノズル列を2列以上配列し、その間に重ねたい別の色インクを吐出するノズル列を1列以上配列させることで、上述した問題を解決することができる。例えば、図10に示すように、Yインクを吐出するノズル列の間にC、Mインクを吐出するノズル列を配列するようにすることによって、往路、復路に関わらずC→Yの順で重ね合わせることもできるし、Y→Cの順で重ね合わせることもできる。また、往路、復路に関わらずM→Yの順で重ね合わせることもできるし、Y→Mの順で重ね合わせることもできる。これによって、色再現域を拡大しながら双方向印字することができ、色再現域が広いカラー印刷物を高速で印刷することが可能となる。
さらに、図11に示すように、主走査方向に直行する軸を中心に、同一色のインクを吐出するノズル列を左右対称に配列することによって、より多くの色について往路、復路に関わらず任意の重ね順序で2種以上の色インクを重ね合わせることができる。図11では、Kインクを吐出するノズルを中心として、C、M、Yインクを吐出するノズルを左右対称に配列する例を示している。これによって、さらに広い色再現域を得ながら双方向印字することができ、さらに色再現域が広いカラー印刷物を高速で印刷することが可能となる。
また、図12に示すように、通常のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)インクの他に、特色として用いるレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)、さらにはそれぞれのインクに対して色濃度の低いイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、レッド、グリーン、ブルーを用いることができる(例えば、ライトイエロー(LY)、ライトマゼンタ(LM)、ライトシアン(LC)、ライトグレー(LK)、ライトレッド(LR)、ライトグリーン(LG)、ライトブルー(LB))。これら色濃度の低いインクを用いることで、色再現域を拡大することに加えて、粒状感(ざらつき感)が抑制されたカラー印刷物を印刷することが可能となる。尚、本実施形態に用いるインクの色の種類や数はこれに限定されるものではない。
また、本実施形態に適用する記録液は色材として、顔料、染料のいずれでも用いることができ、混合して用いることもできる。
また、本実施形態に係る画像形成装置の記録ヘッド14を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等を、インクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたもの等を適用することができる。
(実施形態1)
本実施形態において、画像形成装置が画像形成を形成する対象としている記録媒体は、前記一般的なコピー用紙と、表面にインクを保持するコート層が設けられているインクジェット専用紙である。本実施形態においてはこのインクジェット専用紙にて以下の表1及び表2の特性となるようなインクを作成した。
Figure 2010173185
Figure 2010173185
表1及び表2に記載のデータは、前記100%ベタ印字を行った場合の値である。ちなみに「200%」は縦360dpi、横720dpiの格子点に各1ドット印字した場合の結果であり、単位面積当たりの記録ドットの打ち込み量は100%ベタ印字の場合の2倍となる。表1から明らかなように、100%ベタ印字時の各色の記録O.Dは、Cインクが1.50、Mインクが1.42、Yインクが1.41でいずれも1.4を超えている。最高画像濃度が十分に高いことから高画質な階調記録を行う上で重要な1要素である階調再現範囲は十分に広くとることが可能となる。
一方、同表に記すように記録明度はYが88.8と十分に高い明度を示しているのに比べ、Cが52.1、Mが46.2といずれも60を下回っている。該インクジェット専用の記録媒体の明度は94.2であり、記録媒体とC、Mインクの記録明度との差はそれぞれ42.1、48.0である。また、表2に示すように記録媒体とR、G、Bインクの記録明度との差はそれぞれ47.4、27.0、57.9とかなり大きい差となる。前述の通り、記録明度差が35を超えると著しくドットの粒状感が出てしまうことから、階調再現において、特にハイライト部での階調再現で違和感のない滑らかなつなぎは期待できない。
しかし、本実施形態では階調再現性の品質を左右する上記ハイライト部での粒状感と最高画像濃度のバランスを定量的に判断し解を導く。すなわち、各色の記録明度が60以上になるようにY、M、C、R、G、Bのインクの染料濃度、もしくは顔料濃度を決定する。記録明度を60以上とするのは、記録媒体との明度差を35以内(L*≦35)とするためである。1つの画像形成装置で対象とする記録媒体は通常1種類ではない。また、一般に使用者が手に入れられるコピー用紙は多種多様であるので、ただ1つの媒体との明度差のみにとらわれてインクを設定することは適当ではない。
しかし、コピー用紙は多種多様ではあるがそれらの媒体明度はおよそ85から90の範囲であり、また上記インクジェット専用紙の媒体明度はおよそ90から95である。したがって最も厳しいインクジェット専用紙の媒体明度95であっても記録インクの記録明度を60以上に合わせておけば、殆どのコピー用紙、インクジェット専用紙で明度差25から35を達成できる。前記の通り明度差25は粒状感をなくすのに望ましい範囲であり、明度差35は粒状感を許容できる範囲であり、したがって記録明度を60以上とすることにより大半の記録媒体に対して最適な希釈濃度を決定できる。
尚、無彩色のK(ブラック)インクについては、表1の濃度では高濃度インクで記録明度20.8であり60を大きく下回っている。本実施形態では表1のようなKを希釈した3段階の濃度のインクを、段階間が明度35以下となるように作成した。またKはC、M、Yインクを用いて薄いグレーを合成する方法でも良い。
上述したように、有彩色を記録する全ての記録色材の記録明度を60以上(L*≧60)とすることで、前述の低階調部から高階調部まで全ての中間調再現域において違和感のない階調のつなぎと広い階調再現範囲をもつ高画質階調再現を実現した、同一色相で明度の異なる複数のインク(色材)を用いた画像形成装置を容易に提供できる。
(実施形態2)
次に、さらに高画質な階調記録が可能な他の例について説明する。上記実施形態1では、ほぼ同一色相のインク1種類ずつを用いることにより高画質階調記録を行うことが可能なインク組成の例について説明した。これは、上述したように、高画質階調記録は可能であるが高濃度画像の出力を実現するために対象記録媒体の許容受容範囲内で単位面積当たり多くのインクを打ち込む仕様であった。しかし、インクの打ち込み量を多くすると使用インク量が増大し、ランニングコストが増大する。また、インクタンクの交換頻度が増す等操作上の煩わしさが増す。さらには、ページ当たりの印字ドット数が増大するので記録ヘッドの寿命も短命化してしまうなど、特に大量の印刷行う現場では無視できない差となって現れる場合もある。
しかし、本実施形態では単位面積当たりの打ち込みドット数を低減し上記問題を抑制した画像形成装置を実現する。本実施形態では高画質階調記録が実現できる条件の下で、かつ、ベタ100%印字で最高濃度が達成できるようにほぼ同一色相に明度の異なる複数の記録明度インクを設定する。
高画質階調記録を実現する条件とは、上述したように低階調部から高階調部まで全ての中間調再現域にいおいて違和感のない階調のつなぎが達成でき、広い階調再現範囲を有することである。具体的に本実施形態では、ほぼ同一色相の階調記録を行う場合に打ち込むドットの記録明度と周囲明度との明度差が35以内(最高明度の色材による記録明度と記録媒体の明度差が35以内であることを含む)、最高濃度はインクジェット用の専用用紙では光学反射濃度(O.D)で1.4以上、一般的なコピー用紙であれば1.0とする。また、RGBについてはほぼ同一色相の階調記録を行う場合に打ち込むドットの記録明度と周囲明度との明度差が35以内(最高明度の色材による記録明度と記録媒体の明度差が35以内であることを含む)、最高彩度はインクジェット用の専用用紙では彩度CでR80以上、G65以上、B55以上、一般的なコピー用紙であればRGBそれぞれ彩度C60以上とする。
さらに本実施形態では、これらの濃度が確保できるCMYKインクおよびRGBインクを用意し、そのインクを濃インクと呼ぶこととする。
次に、上記濃インクでは改善できない高画質階調再現、すなわちハイライト部等での粒状感のない滑らかな階調つなぎの方法について説明する。濃インクでの記録明度は上記表1に記す通り、C、M、Yはそれぞれ52.1、46.2、88.8である。また、R、G、Bの濃インクでの記録明度は上記表2に示すように、それぞれ46.8、67.1、36.3である。
上述の通り、記録明度の記録ドットを印字しても粒状感が目立たないためには背景(すなわち既に記録した画像)との明度差が35以内(望ましくは25以内)でなくてはならない。よって、濃インクよりも濃度の低いインク(便宜上淡インクと称す)の明度はC、Mそれぞれ87.1、81.2以下、R、G、Bはそれぞれ81.8、102.1、71.3の範囲で選択できる(望ましくは明度差25以内であるので、C77.1、M71.2、R71.8、G92.1、B61.3以内の記録明度である方がより好ましい)。
また、淡インクでの記録明度は濃インクでの記録明度との明度差のほか、記録媒体との明度差も考慮しなくてはならない。本実施形態で想定する記録媒体は上記実施形態1同様の最大明度95である。よって、濃インク記録明度と記録媒体明度の中間に、以下の表3及び表4に示すような淡インクの記録明度を設定することで双方との明度差を許容範囲内に設定できる。したがって、C、Mの淡インクを表1の4倍、3倍とする。すなわち、Cの淡記録明度が73.0、Mの淡記録明度が65.0、Rの淡記録明度が70.8、Gの淡記録明度が80.0、Bの淡記録明度が64.3となる。Yは濃インクで濃度、明度双方を満足しているので淡インクを設定する必要はない。
Figure 2010173185
Figure 2010173185
上記濃インク、淡インクの設定で、C画像に関しては媒体と淡記録画増間の明度差が22(95−73)、淡記録画像と濃記録画像間の明度差が20.9(73.0−52.1)、そして最大記録濃度(光学反射濃度O.D)が1.50となる。また、M画像に関しては媒体と淡記録画像間の明度差が30、淡記録画像と濃記録画像間の明度差が18.8、そして最大記録濃度(光学反射濃度O.D)が1.42となる。またY画像に関しては媒体とY画像間の明度差が6.2、そして最大記録濃度(光学反射濃度O.D)が1.41となる。
また、上記濃インク、淡インクの設定で、R画像に関しては媒体と淡記録画増間の明度差が24.2(95−70.8)、淡記録画像と濃記録画像間の明度差が24(70.8−46.8)、そして最大記録彩度(C)が90となる。G画像に関しては媒体と淡記録画増間の明度差が15(95−80)、淡記録画像と濃記録画像間の明度差が12.8(80−67.2)、そして最大記録彩度(C)が72.8となる。またB画像に関しては媒体と淡記録画増間の明度差が30.7(95−64.3)、淡記録画像と濃記録画像間の明度差が28(64.3−36.3)、そして最大記録彩度(C)が58.5となる。
本実施形態では、記録画像の最高濃度1.4以上と定めた点とRGB彩度がR80以上、G65以上、B65以上と定めた点、記録媒体を一般的なコピー用紙とインクジェット専用記録紙と定めた点と、インクを表1で定めた組成としたこと等の前提で、C、M、Y、R、G、Bのインクの種類がたまたまC、M、R、G、Bが2種類、Yが1種類となったが、この前提を変えればインクの種類はいろいろな組合せで各々必要な種類数がまた別に決まってくる。
前提がどのような場合であっても、媒体間、各々のインク間の記録明度差が35以内(望ましくは25以内)の条件でインク組成(色材組成)を調整することで本発明の効果である高画質階調記録は実現されるものであり、本発明が本実施形態の前提条件、及び該条件の下での最適組合せの一例に限定されるものではもちろんない。但し、明度はその定義上最大値が100であり、画像形成装置が記録媒体に印字する系であれば、事実上存在する記録媒体の明度の最大値はおよそ95程度と判断できる。よって最大の記録明度として60以上の明度の記録ができる色材(淡色材)を有することで、殆どの場合記録媒体と淡色材による記録画像間での粒状感は抑制することが可能となる。
尚、上述した「同一色相で明度が異なる色材(インク)」とは、同一色相の階調記録時に、主に低階調部(ハイライト部)の記録を行うときに用いる高明度色材と、主に高階調部(ダーク部)の記録を行うときに用いる低明度色材を、同一色相で明度が異なる色材を称している。よって、同一色相の階調記録時に用いる明度の異なるインクとは必ずしも2種類と限定されるものではない。同一色相の記録を行う明度の異なる色材を3種以上有する場合の構成及び作用効果は前記実施形態と同様であるので、ここでは説明を省略する。
さらに、本実施形態ではCMYとRGBの色材を用いた画像形成方法の例について説明したが、RGBのみの色材を用いた画像形成方法にも適応可能である。
以上好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上述した画像形成装置及び画像形成方法に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であるということは言うまでもない。
尚、上記実施形態においては、本発明をインクジェット記録装置に適用した例で説明したが、本発明をプリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機等にも適用することができ、また、インク以外の記録液を用いた画像形成装置やこの画像形成装置に印刷データを与えるデータ処理装置及びこのデータ処理装置に搭載されるプリンタドライバ等にも適用することが可能である。
1 画像形成装置
2 画像形成部
3 記録媒体
4 給紙トレイ
5 搬送機構
6 排紙トレイ
7 両面ユニット
11 ガイドシャフト
12 ガイドシャフト
13 キャリッジ
14 記録ヘッド
14i 液滴
15 インクカートリッジ
21 給紙コロ
23 搬送ガイド部
23a ガイド面
23b ガイド面
24 搬送ローラ
25 加圧コロ
26 ガイド部材
27 ガイド部材
28 押し付けコロ
31 駆動ローラ
32 従動ローラ
33 搬送ベルト
33a 第1層
33b 第2層
34 帯電ローラ
35 ガイドローラ
38 排紙ローラ
121 圧電素子
200 制御部
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 不揮発性メモリ
205 ASIC
206 ホストI/F
207 印刷制御部
208 ヘッドドライバ
210 モータ駆動部
212 ACバイアス供給部
213 I/O
214 操作部
215 温度センサ
220 主走査モータ
221 エンコーダセンサ
222 副走査モータ
223 エンコーダセンサ
特許第3774505号公報 特開2006―167934号公報

Claims (5)

  1. 少なくとも3以上の色材を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備える画像形成装置であって、
    前記画像形成手段は、前記少なくとも3以上の色材に加え、前記少なくとも3以上の各色材の間の色相である色材を各々少なくとも1以上用いて画像を形成し、
    前記間の色相である色材は、少なくとも2以上の濃度を有し、
    少なくとも2以上の濃度を有する色材は、隣り合う段階の濃度の色材による記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
    前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って、測定されるものであることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記少なくとも3以上の色材のうち少なくとも2以上の色材は、少なくとも2以上の濃度を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記色材は、シアン、マゼンダ、イエローであり、
    前記色材の間の色相である色材は、レッド、グリーン、ブルーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像形成手段は、無彩色の色材をさらに用いて画像を形成し、
    前記無彩色の色材は、少なくとも2以上の濃度を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 少なくとも3以上の色材を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成ステップを備える画像形成方法であって、
    前記画像形成ステップは、前記少なくとも3以上の色材に加え、前記少なくとも3以上の各色材の間の色相である色材を各々少なくとも1以上用いて画像を形成し、
    前記間の色相である色材は、少なくとも2以上の濃度を有し、
    少なくとも2以上の濃度を有する色材は、隣り合う段階の濃度の色材による記録明度と前記記録媒体の明度との差が35以内であり、
    前記明度は、光源として標準照明光D65を用い、CIE1976心理計測明度の定義に従って、測定されるものであることを特徴とする画像形成方法。
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