JP2010172917A - スラグベアの形成を抑制することを目的としたモールドパウダーの評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スラグベアの形成を抑制できるモールドパウダーか否かを、圧縮強度を測定することなく簡便に評価することができる技術を提供する。
【解決手段】坩堝2内に充填したモールドパウダーMを、2〜30の範囲内における所定の温度勾配G[℃/mm]であって、前記温度勾配G[℃/mm]の勾配の方向に沿った温度の分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むような加熱条件で10〜30分加熱する。この加熱により形成された焼結層の厚みD[mm]を測定する。下記式(1)を満足した場合、このモールドパウダーMは実機でスラグベアの形成を抑制できると評価する。
【数1】
【選択図】図2
【解決手段】坩堝2内に充填したモールドパウダーMを、2〜30の範囲内における所定の温度勾配G[℃/mm]であって、前記温度勾配G[℃/mm]の勾配の方向に沿った温度の分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むような加熱条件で10〜30分加熱する。この加熱により形成された焼結層の厚みD[mm]を測定する。下記式(1)を満足した場合、このモールドパウダーMは実機でスラグベアの形成を抑制できると評価する。
【数1】
【選択図】図2
Description
本発明は、スラグベアの形成を抑制することを目的としたモールドパウダーの評価方法に関する。
一般的に、鋳型内のメニスカスにはモールドパウダーが添加され、このモールドパウダーの表面は室温に、下面は溶鋼温度(概ね1520℃)に晒されて所定の温度勾配を持ち、表面から下面にかけて、未脱炭層−脱炭層−焼結層−溶融層がこの順で形成される。
この種の技術として、特許文献1(特開2001−259805号公報)は、所謂スラグベアが形成され易いかどうかをオフラインで予測できる、モールドパウダーの焼結性評価方法を提案している。この評価方法は、焼結体の圧縮強度が所定値以下であれば、この焼結体により例え一時的にスラグベアが形成されたとしても、鋳型の振動や溶鋼の湯面レベル変動の際に壊れるので、実質的にはスラグベアの生成を抑制できる、というコンセプトに基づいて創作されている。例えば、特許文献1の段落番号0003、0004、0007、0013を参照されたい。
また、特許文献2(特許第2637004号公報)は、鋳型内抜熱強度の指標として、従来採用されてきた「凝固温度」に代えて、パウダー結晶相と溶融パウダー界面温度を採用することを特徴とするパウダーの設計・評価方法を開示する。そして、この界面温度を測定するために、温度勾配を持つ炉内において擬似的にパウダー結晶相と溶融パウダーを共存せしめることとしている。例えば、特許文献2の段落番号0006〜0011を参照されたい。
しかし、上記特許文献1の評価方法は、焼結体の圧縮強度を測定する必要があり煩雑である。
そこで、本願発明の発明者は圧縮強度を測定することなく簡便に行える評価方法を独自の視点から開発し、鋭意研究の末、モールドパウダーが温度勾配を有する状態をオフラインで再現することで溶融層と焼結層、粉末層を積極的に形成させ、この際できた焼結層の厚みを上記の温度勾配と共に評価することで、所謂縦割れやノロカミの原因となるスラグベアの形成のし易さを的確に予測できることを見出して以下の発明を完成させた。
本願発明の観点によれば、モールドパウダーの評価は、以下のような方法で行われる。即ち、坩堝内に充填したモールドパウダーを、2〜30の範囲内における所定の温度勾配G[℃/mm]であって、前記温度勾配G[℃/mm]の勾配の方向に沿った温度の分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むような加熱条件で10〜30分加熱する。この加熱により形成された焼結層の厚みD[mm]を測定する。下記式(1)を満足した場合、このモールドパウダーは実機でスラグベアの形成を抑制できると評価する。
以上の方法によれば、スラグベアの形成を抑制できるモールドパウダーか否かを、圧縮強度を測定することなく簡便に評価することができる。
なお、特許文献2には、本願発明と同様に、坩堝内に充填したモールドパウダーを所定の温度勾配を有する温度条件で加熱する思想が開示されているが、上記式(1)に代表される本願発明のコンセプトは一切、記載も示唆もされていない。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本願発明の一実施形態に係るモードルパウダーの評価装置の全体概略図である。図1に示されるように、本実施形態に係るモールドパウダーMの評価装置1は、Al2O3又はMgOから成りモールドパウダーMを収容する有底筒状の坩堝2と、この坩堝2を立てた状態で収容すると共に坩堝2を加熱するための縦型温度勾配炉3と、を主たる構成として備える。更に、上記の評価装置1は、坩堝2内に充填したモールドパウダーMの温度の鉛直方向における分布を測定するための略示の熱電対4を複数備えると共に、各熱電対4の出力電圧を温度に換算して表示する温度分布表示装置5と、縦型温度勾配炉3による坩堝2の加熱を制御するための加熱制御装置6と、を備える。
本実施形態に係る縦型温度勾配炉3は、上記の坩堝2を立てた状態で収容可能な筒状の炉芯管7と、この炉芯管7を取り囲むように環状に設けられる破線で略示のシリコニット式の発熱体8と、から構成される電気炉である。上記の加熱制御装置6は、発熱体8への電流を適宜に増減することにより、上記の坩堝2の温度の鉛直方向における分布に対して所定の温度分布を付与するようになっている。なお、上記の電気炉に代えて高周波誘導炉を採用するのは、モールドパウダーMの炭素成分が直接的に加熱されてしまう問題があり好ましくない。
以下の説明において、「温度の鉛直方向における分布」は、単に「温度分布」とも称する。
次に、上記の評価装置1を用いて行われるモールドパウダーの評価方法を、図1〜図4を参照しつつ説明する。図2は、図1に類似する図であって、モールドパウダーの加熱条件の説明図である。図3は、本願発明の一実施形態に係るモードルパウダーの評価方法のフローである。図4は、粉末層と焼結層、焼結層と溶融層、夫々の境界を例示する写真である。
先ず、モールドパウダーMの評価を開始するには(図3:S300)、評価対象たるモールドパウダーMを坩堝2内に充填し、図1に示されるように、この坩堝2を炉芯管7内に立てた状態で装入する。
<加熱工程>
次に、坩堝2内に充填したモールドパウダーMを2〜30の範囲内における所定の温度勾配G[℃/mm]であって、前記温度勾配G[℃/mm]の勾配の方向に沿った温度の分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むような加熱条件で10〜30分加熱する(図3:S310、加熱工程)。具体的には、以下の通りである。
次に、坩堝2内に充填したモールドパウダーMを2〜30の範囲内における所定の温度勾配G[℃/mm]であって、前記温度勾配G[℃/mm]の勾配の方向に沿った温度の分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むような加熱条件で10〜30分加熱する(図3:S310、加熱工程)。具体的には、以下の通りである。
即ち、図1に示される発熱体8に対する電流値を適宜に制御することで、炉芯管7が上端から下端に向かって熱くなるように例えば4や25などといった2〜30の範囲内における所定の温度勾配G[℃/mm]を炉芯管7の温度分布に対して付与する。このとき、単に温度勾配G[℃/mm]のみを制御するのではなく、炉芯管7の温度分布の絶対値にも留意する。即ち、坩堝2内に収容されたモールドパウダーMの温度分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むように、例えば炉芯管7の上端を110[℃]とし下端を1420[℃]とするといったように炉芯管7を加熱する。
この状態で、前述の温度分布表示装置5を通じてモールドパウダーMの温度分布を監視すると、炉芯管7の温度分布に対する上記温度勾配G[℃/mm]の付与に遅れるかたちで、モールドパウダーMの温度分布は、炉芯管7の温度分布と一致する。換言すれば、坩堝2に充填したモールドパウダーMの温度分布に対して、炉芯管7の温度分布に対して付与された温度勾配G[℃/mm]と同じ温度勾配G[℃/mm]が付与されると共に、モールドパウダーMの温度分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むことになる。なお、ここでいうモールドパウダーMの『温度』とは、モールドパウダーMの『水平断面平均温度』を意味し、ここでいう『水平断面平均温度』は、例えば、モールドパウダーMの水平断面に間隔をおいてマトリクス状に配置した9つの熱電対の出力値で求めるものとする。なお、図1で略示する熱電対4は模式的に描いてある。
そして、上記の温度勾配G[℃/mm]と温度範囲ΔT[℃]によって特定される加熱条件でモールドパウダーMを10〜30分、継続して加熱する。すると、図2及び図4に示すように坩堝2内のモールドパウダーMは、溶融層と焼結層それに粉末層の三層状態となる。溶融層とは、モールドパウダーMが脱炭反応と焼結反応を経て溶融状態に至った層を意味する。焼結層とは、脱炭反応を経て焼結状態に至った層を意味する。粉末層とは未脱炭層と脱炭層から成り、脱炭層は脱炭反応は起こったが焼結反応は起こっていない粉末状の層を意味する。一方、未脱炭層は脱炭反応すら起こっていない粉末状の層を意味する。
<測定工程>
次に、上記の加熱により形成された焼結層の厚みD[mm](以下、単に焼結層厚みD[mm]と称する。)を測定する(図3:S320、測定工程)。以下、この測定の方法を詳しく説明する。
次に、上記の加熱により形成された焼結層の厚みD[mm](以下、単に焼結層厚みD[mm]と称する。)を測定する(図3:S320、測定工程)。以下、この測定の方法を詳しく説明する。
即ち、先ず、上記の加熱が完了したら、坩堝2をヤットコで挟んで炉芯管7から取り出し、鋼製の受皿の上に加熱時と同じ姿勢で静かに置く。この取り出しに際しては、坩堝2を傾かせると図2の溶融層のメニスカスが傾いて焼結層の下部の意図しない溶融を招く点に留意する。次に、坩堝2を室温(即ち、50℃以下)に至るまで冷却する。この冷却は、急激な収縮による坩堝2の破損を回避すべく徐冷であることが好ましく、即ち、水冷よりも空冷が望まれる。冷却後、溶融樹脂を坩堝2の粉末層へ注入することで粉末層を固化し、そして、坩堝2をちょうど半分に縦割りする。このように粉末層を固化した上で縦割りすれば、縦割れ時に発生する、焼結層の意図しない部分的崩壊を回避することができる。次に、図4に示すように、上下二本の境界線B1・B2を確定した上で、境界線B1・B2間の距離に相当する焼結層厚みD[mm]を三点平均で測定する。具体的には、上側の境界線B1は粉末層と焼結層の存在割合が半々となるように確定し、下側の境界線B2は焼結層と溶融層の存在割合が半々となるように確定する。確定は目視によって行う場合と、市販の拡大鏡ないし光学顕微鏡を用いて行う場合と、が考えられる。また、上記切断によって露出した焼結層の幅方向をWとすると、1/4Wの位置と、2/4Wの位置と、3/4Wの位置と、の三つの位置で測定した焼結層の厚みD[mm]を平均したものを焼結層厚みD[mm]として採用する。なお、焼結層内に溶融領域(一度溶融状態を経て凝固したと認められる領域)があったとしても、そのような溶融領域もスラグベアの原因の一つとなると考えられるので、焼結層の一部と見做すものとする。
<判定工程>
次に、下記式(1)を満足した場合、このモールドパウダーMはスラグベアの形成を抑制できると評価する。以下、この判定について詳しく説明する。
次に、下記式(1)を満足した場合、このモールドパウダーMはスラグベアの形成を抑制できると評価する。以下、この判定について詳しく説明する。
上記式(1)中の変数「G」は、モールドパウダーMの温度分布に対して付与した上記の温度勾配G[℃/mm]を意味する。また、上記式(1)中の変数「D」は、上記の焼結層厚みD[mm]を意味する。そして、図2によれば、上記式(1)中の左辺、即ち、「G×D」は温度範囲ないし温度領域を意味することが理解されよう。即ち、「G×D」は焼結層が占める温度範囲ないし温度領域を意味することとなる。ということは、端的に言えば、「G×D」が大きければ、その分、焼結層が形成され易いと言及できる。そして、焼結層はスラグベアの形成の主たる原因であることを踏まえると、「G×D」が大きければ、その分、スラグベアが形成され易いということになる。この視点で、上記式(1)に示すように、「G×D」に対して根拠ある閾値を設け、この根拠ある閾値を下回った場合(図3:S330、YES)、スラグベアの形成を抑制できると評価するものとした(図3:S340)。一方、上記の「G×D」が上記閾値を下回らなかったら(図3:S330、NO)、スラグベアの形成を抑制できないと評価するものとした(図3:S350)。
<式(1)中の閾値の根拠>
次に、上記式(1)中の右辺に記載の閾値の根拠を詳しく説明する。結論から言えば、この閾値は、鋼片の表面欠陥の観点から設定したものである。
次に、上記式(1)中の右辺に記載の閾値の根拠を詳しく説明する。結論から言えば、この閾値は、鋼片の表面欠陥の観点から設定したものである。
即ち、連続鋳造され例えば12.5m程度の長さに切断された鋼片は、一般に、深さ1.5mm程度のホットスカーフ(表面溶削)が施される。従って、このホットスカーフによって完全に取り除かれるような微小な表面欠陥は問題とされない。この表面欠陥の代表的なものとして「縦割れ」「ノロカミ」が挙げられる。
<式(1)中の閾値の根拠:微小な表面欠陥とは>
「縦割れ」とは、鋼片の反基準面(連続鋳造設備の鋳造経路の水平領域において上側となる面を意味する。)を冷間目視で観察して識別する、鋳造方向に5[mm]以上の長さを有する割れを意味する。この「縦割れ」の主たる原因は、モールドパウダーによる鋳型内抜熱の調整機能の不良である。そして、ホットスカーフによって完全に取り除かれるような微小な「縦割れ」とは、下記表1に示される経験則に基づいて以下のように定める。即ち、下記表1の左列は、とある鋼片のホットスカーフ前に視認した縦割れの長さの最大値(以下、「縦割れ最大長さ」と称する。)であり、右列は、その鋼片のホットスカーフ後に縦割れが視認できたか否かを示す。「割れなし」とあるのは、その鋼片のホットスカーフ後に縦割れが一切視認できなかったことを意味し、他方で、「割れあり」とあるのは、その鋼片のホットスカーフ後に縦割れが少なくとも一つ、視認できたことを意味する。従って、この下記表1によれば、上記の微小な「縦割れ」とは、とある鋼片のホットスカーフ前に視認した、長さが200[mm]以下の縦割れである。
「縦割れ」とは、鋼片の反基準面(連続鋳造設備の鋳造経路の水平領域において上側となる面を意味する。)を冷間目視で観察して識別する、鋳造方向に5[mm]以上の長さを有する割れを意味する。この「縦割れ」の主たる原因は、モールドパウダーによる鋳型内抜熱の調整機能の不良である。そして、ホットスカーフによって完全に取り除かれるような微小な「縦割れ」とは、下記表1に示される経験則に基づいて以下のように定める。即ち、下記表1の左列は、とある鋼片のホットスカーフ前に視認した縦割れの長さの最大値(以下、「縦割れ最大長さ」と称する。)であり、右列は、その鋼片のホットスカーフ後に縦割れが視認できたか否かを示す。「割れなし」とあるのは、その鋼片のホットスカーフ後に縦割れが一切視認できなかったことを意味し、他方で、「割れあり」とあるのは、その鋼片のホットスカーフ後に縦割れが少なくとも一つ、視認できたことを意味する。従って、この下記表1によれば、上記の微小な「縦割れ」とは、とある鋼片のホットスカーフ前に視認した、長さが200[mm]以下の縦割れである。
一方、「ノロカミ」とは、鋼片の外周面(ただし、切断面を除く。)を冷間目視で観察することで、鋼片の外周面にモールドパウダーが噛み込まれたかたちとして視認し得る外接円直径1mm程度以上の疵を意味する。この「ノロカミ」の主たる原因としては、非溶融状態のモールドパウダーが鋳型と凝固シェルの間に噛み込まれ、或いは、凝固シェルの内面に非溶融状態のモールドパウダーが付着したことが挙げられる。そして、ホットスカーフによって完全に取り除かれるような微小な「ノロカミ」とは、図5に示される経験則に基づいて以下のように定める。図5は、ノロカミ密度(スカーフ前)とノロカミ密度(スカーフ後)との関係を示すグラフである。即ち、図5の横軸はホットスカーフ前のノロカミの密度(以下、単にノロカミ密度とも称する。)であり、縦軸はホットスカーフ後のノロカミ密度である。この図5によれば、ノロカミ密度[個/m2]が0.008以下だとホットスカーフによってすべてのノロカミが完全に除去されるようなので、上記の微小な「ノロカミ」とは、とある鋼片のホットスカーフ前に認められるノロカミ密度[個/m2]が0.008以下となった場合のノロカミである。
以上説明したように、ホットスカーフ前に認められる、「200[mm]以下の縦割れ」や「ノロカミ密度[個/m2]が0.008以下である場合のノロカミ」といった微小な表面欠陥は、ホットスカーフによって完全に取り除かれるので問題とされない。
<式(1)中の閾値の根拠:鋼片の表面欠陥と、スラグベアと、の関係>
次に、鋼片の表面欠陥と、スラグベアと、の関係を紹介する。即ち、本願出願人の連続鋳造設備の現場では、鋼片の看過できない表面欠陥(即ち、微小の域を越えた表面欠陥)が発生したとき、いつもよりスラグベアが厚くなっていたことが経験的に認識されていた。そこで、本願出願人は、鋼片の表面欠陥と、スラグベア平均厚みと、の対応関係を蓄積し、図6と図7のグラフを得た。
次に、鋼片の表面欠陥と、スラグベアと、の関係を紹介する。即ち、本願出願人の連続鋳造設備の現場では、鋼片の看過できない表面欠陥(即ち、微小の域を越えた表面欠陥)が発生したとき、いつもよりスラグベアが厚くなっていたことが経験的に認識されていた。そこで、本願出願人は、鋼片の表面欠陥と、スラグベア平均厚みと、の対応関係を蓄積し、図6と図7のグラフを得た。
図6は、スラグベア平均厚みAve(d)と縦割れ最大長さとの関係を示すグラフである。図7は、スラグベア平均厚みAve(d)とノロカミ密度(スカーフ前)との関係を示すグラフである。図6及び図7では、1チャージにつき1プロットとした。図6の縦軸である「縦割れ最大長さ」は、1チャージ分の全ての鋼片の縦割れ最大長さの最大値である。図7の縦軸である「ノロカミ密度(スカーフ前)」は、1チャージ分の全ての鋼片夫々におけるノロカミ密度(ただし、ホットスカーフ前のもの。)の平均値を意味する。そして、図6及び図7の横軸である「スラグベア平均厚み Ave(d)」は、鋳造開始時から30分経過した時点でのスラグベア平均厚みであって、詳しくは以下のように測定したものである。図8は、実機の鋳型の立面断面図である。図9は、実機の鋳型の平面図である。図8に示されるように、鋳型の上方から溶鋼のメニスカスに向けて投入された粉末状のモールドパウダーは溶鋼から熱を受けることで脱炭や焼結、溶融し、粉末層と焼結層それに溶融層を形成する。更に、鋳型の内壁面には、溶融状態のモールドパウダーが固着し、固着層が形成される。メニスカス近傍の焼結層にあるモールドパウダーの焼結体がこの固着層に折り重なるように付着堆積することで、メニスカス近傍において肉厚な所謂スラグベアが形成される。そして、このスラグベアが厚くなって先端が折れるなどしたとき、モールドパウダーによる鋳型内抜熱の調整機能の不良が発生したり、非溶融状態のモールドパウダー(即ち、スラグベア)が鋳型と凝固シェルの間に噛み込まれ、或いは、凝固シェルの内面に非溶融状態のモールドパウダーが付着したりすると考えられる。さて、話を元に戻すと、このスラグベア平均厚みAve(d)の測定は、以下のような方法によって行った。即ち、先ず、鋳造開始から30分経過した時点で鋳型内の湯面レベルを下げることでスラグベアを露出させ、採集する。この採集は、鋳型全周に亘って行う。そして、スラグベアの厚みdを測定する。測定位置としては、図9に示すように各広面においては等間隔に10箇所、各狭面においては等間隔に2箇所、合計24箇所とし(符号p参照)、図8において符号dで示すように、これらの測定位置におけるスラグベアの水平方向における厚みdをノギスを用いて測定し、24個の厚みdの平均をとってスラグベア平均厚みAve(d)[mm]を得た。
図6及び図7によれば、鋼片の看過できない表面欠陥の発生を回避するには、スラグベア平均厚みAve(d)[mm]が8未満とすべきことが判る。
<式(1)中の閾値の根拠:スラグベア平均厚みAve(d)と、「G×D」と、の関係>
次に、スラグベア平均厚みAve(d)と、上記式(1)中の「G×D」と、の関係を紹介する。即ち、多品種のモールドパウダーMの固有値ないし物性たる「G×D」を上記の評価装置1を用いて特定すると共に、各モールドパウダーMを実機で用いた場合のスラグベア平均厚みAve(d)[mm]を求め、図10のグラフを得た。図10では、1モールドパウダーにつき1プロットとした。図10の横軸は「G×D」であり、縦軸はスラグベア平均厚みAve(d)である。図10によれば、スラグベア平均厚みAve(d)を8未満とするには、「G×D」が100未満であるモールドパウダーMを採用すべきことが判る。
次に、スラグベア平均厚みAve(d)と、上記式(1)中の「G×D」と、の関係を紹介する。即ち、多品種のモールドパウダーMの固有値ないし物性たる「G×D」を上記の評価装置1を用いて特定すると共に、各モールドパウダーMを実機で用いた場合のスラグベア平均厚みAve(d)[mm]を求め、図10のグラフを得た。図10では、1モールドパウダーにつき1プロットとした。図10の横軸は「G×D」であり、縦軸はスラグベア平均厚みAve(d)である。図10によれば、スラグベア平均厚みAve(d)を8未満とするには、「G×D」が100未満であるモールドパウダーMを採用すべきことが判る。
以上説明した内容を繋ぎ合わせることで、上記式(1)中の右辺に記載の閾値が、鋼片の表面欠陥の観点から合理的に特定されたものであることが理解されよう。
以下、上記図10で示されたグラフを得るために行われた一連の試験の詳細な試験条件を紹介すると共に、上述した評価方法を多角的に検証すべく試験の失敗例も併せて紹介する。
以下、表2の各列タイトルを説明した上で、各試験に共通する試験条件を順に説明する。
≪列タイトルの説明≫
・φ mm:坩堝2の内径。
・H mm:坩堝2の高さ。
・Δt min:所定の加熱条件での加熱時間。
・T−CaO/SiO2:モールドパウダーMの塩基度を示し、このうち「T−CaO」は、CaO又はCaF2のかたちで添加されたCaのすべてをCaOとして換算したものである。
・η poise:粘度
・Ts ℃:凝固温度
なお、上記の粘度及び凝固温度は振動片粘度計測装置を用いて以下のように測定した。即ち、モールドパウダを凝固温度以上に加熱し、冷却速度を3〜5℃/minとして連続的に徐冷する。そして、温度依存する粘度が急激に上がる温度を凝固温度とする。即ち、logη−1/Ts曲線の変曲点におけるTs値を凝固温度とする。また、溶融モールドパウダーの温度が1300℃となったときの粘度を代表として採用した。
・φ mm:坩堝2の内径。
・H mm:坩堝2の高さ。
・Δt min:所定の加熱条件での加熱時間。
・T−CaO/SiO2:モールドパウダーMの塩基度を示し、このうち「T−CaO」は、CaO又はCaF2のかたちで添加されたCaのすべてをCaOとして換算したものである。
・η poise:粘度
・Ts ℃:凝固温度
なお、上記の粘度及び凝固温度は振動片粘度計測装置を用いて以下のように測定した。即ち、モールドパウダを凝固温度以上に加熱し、冷却速度を3〜5℃/minとして連続的に徐冷する。そして、温度依存する粘度が急激に上がる温度を凝固温度とする。即ち、logη−1/Ts曲線の変曲点におけるTs値を凝固温度とする。また、溶融モールドパウダーの温度が1300℃となったときの粘度を代表として採用した。
≪共通試験条件≫
次に、各確認試験に共通する試験条件について説明する。
・温度勾配G[℃/mm]
主として、2〜30の範囲内の値を採用した。これは以下の理由による。即ち、2未満だと坩堝2の高さH[mm]が長くなり、坩堝2の内径φ[mm]を十分に確保しないと、炭素燃焼に伴うガス抜けがうまくいかず、焼結層の形成が安定しない。具体的には、試験No.13によれば、モールドパウダーMが坩堝2の上端から吹き零れてしまった。また、坩堝2の内径φ[mm]を大きくすると評価装置1そのものが大掛かりになり、試験時間も大幅に伸びてしまう。一方、30を越えるものとすると、そのような急激な温度勾配G[℃/mm]を安定して実現すること自体が困難である。例えば、試験No.19を参照されたい。更に言えば、35を越えるものとすると、そのような装置自体の製作が極めて困難であって、例えば、試験No.25のように、評価試験を実施できない。
・炉芯管7の内径[mm]:60
・炉芯管7の高さ[mm]:1200
・炉芯管7内雰囲気:大気
モールドパウダーMの脱炭反応を阻害しないよう、窒素置換などは行わない。
・温度勾配G[℃/mm]の付与方向:鉛直方向
例えば水平方向に温度勾配G[℃/mm]を付与すると、脱炭−焼結−溶融に伴う体積収縮部ができたり、溶融層が焼結層に流動したりして、焼結層の同定が困難となるからである。なお、鉛直方向に温度勾配G[℃/mm]を付与すれば、上記の体積収縮は、モールドパウダーMの自重により勝手に解消される。
・坩堝2の材質:Al2O3又はMgO
モールドパウダーMは脱炭後に焼結反応、溶融反応が発生する。従って、炭素成分を含んでいる坩堝2は上記の脱炭に影響を与えるので好ましくない。熱衝撃による割れの観点からはAl2O3を主成分とする坩堝2が好ましく、モールドパウダーMとの反応を抑制する観点からは坩堝2は極力高純度であることが好ましい。
・少なくとも存在すべき温度範囲ΔT[℃]:
主として、400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を採用した。これは以下の理由による。即ち、少なくとも400℃の領域を確保しないと粉末層と焼結層との境界が不明瞭となってしまう。また、少なくとも1300℃の領域を確保しないと焼結層と溶融層との境界が不明瞭となってしまう。なお、モールドパウダーMによっては未脱炭層の存在により僅かながら焼結挙動が異なる場合があるので、より好ましくは、少なくとも存在すべき温度範囲ΔT[℃]は200〜1300とするとよい。
・加熱時間Δt[min]
主として、10〜30の範囲内の値を採用した。これは以下の理由による。即ち、モールドパウダーMの脱炭−焼結−溶融の各反応の過渡期を経て図2に示されるような定常状態へと至るには少なくとも10分は要するからである。参考までに、試験No.26〜29を参照されたい。特に、試験No.27〜28では、加熱時間が十分でなかったため過渡期を経過するに至らず、従って、焼結層が若干厚めに観測された。一方、30を越えると、どうしてもモールドパウダーMが坩堝2自体と反応してモールドパウダーMの成分が変わってしまうし、第一、試験時間や経済面などの観点から有意義ではない。なお、上記の範囲は、鋳型内でモールドパウダーMが滞在する時間が概ね3〜20分であり、常温時から概ね10分程度で前述の加熱条件に至る、という事実も一つの根拠となっている。
・坩堝2内へのモールドパウダーMの充填量
坩堝2の上端に至るまでモールドパウダーMを充填するのではなく、上端から40〜50mm下方にモールドパウダーMの上端が来るようにする。このように坩堝2の上端に若干の余裕を持たせることで、モールドパウダーMが昇熱時や脱炭時に膨張しても、この膨張によるモールドパウダーMの吹き零れを抑制でき、もって、装置の損傷等を回避できる。
次に、各確認試験に共通する試験条件について説明する。
・温度勾配G[℃/mm]
主として、2〜30の範囲内の値を採用した。これは以下の理由による。即ち、2未満だと坩堝2の高さH[mm]が長くなり、坩堝2の内径φ[mm]を十分に確保しないと、炭素燃焼に伴うガス抜けがうまくいかず、焼結層の形成が安定しない。具体的には、試験No.13によれば、モールドパウダーMが坩堝2の上端から吹き零れてしまった。また、坩堝2の内径φ[mm]を大きくすると評価装置1そのものが大掛かりになり、試験時間も大幅に伸びてしまう。一方、30を越えるものとすると、そのような急激な温度勾配G[℃/mm]を安定して実現すること自体が困難である。例えば、試験No.19を参照されたい。更に言えば、35を越えるものとすると、そのような装置自体の製作が極めて困難であって、例えば、試験No.25のように、評価試験を実施できない。
・炉芯管7の内径[mm]:60
・炉芯管7の高さ[mm]:1200
・炉芯管7内雰囲気:大気
モールドパウダーMの脱炭反応を阻害しないよう、窒素置換などは行わない。
・温度勾配G[℃/mm]の付与方向:鉛直方向
例えば水平方向に温度勾配G[℃/mm]を付与すると、脱炭−焼結−溶融に伴う体積収縮部ができたり、溶融層が焼結層に流動したりして、焼結層の同定が困難となるからである。なお、鉛直方向に温度勾配G[℃/mm]を付与すれば、上記の体積収縮は、モールドパウダーMの自重により勝手に解消される。
・坩堝2の材質:Al2O3又はMgO
モールドパウダーMは脱炭後に焼結反応、溶融反応が発生する。従って、炭素成分を含んでいる坩堝2は上記の脱炭に影響を与えるので好ましくない。熱衝撃による割れの観点からはAl2O3を主成分とする坩堝2が好ましく、モールドパウダーMとの反応を抑制する観点からは坩堝2は極力高純度であることが好ましい。
・少なくとも存在すべき温度範囲ΔT[℃]:
主として、400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を採用した。これは以下の理由による。即ち、少なくとも400℃の領域を確保しないと粉末層と焼結層との境界が不明瞭となってしまう。また、少なくとも1300℃の領域を確保しないと焼結層と溶融層との境界が不明瞭となってしまう。なお、モールドパウダーMによっては未脱炭層の存在により僅かながら焼結挙動が異なる場合があるので、より好ましくは、少なくとも存在すべき温度範囲ΔT[℃]は200〜1300とするとよい。
・加熱時間Δt[min]
主として、10〜30の範囲内の値を採用した。これは以下の理由による。即ち、モールドパウダーMの脱炭−焼結−溶融の各反応の過渡期を経て図2に示されるような定常状態へと至るには少なくとも10分は要するからである。参考までに、試験No.26〜29を参照されたい。特に、試験No.27〜28では、加熱時間が十分でなかったため過渡期を経過するに至らず、従って、焼結層が若干厚めに観測された。一方、30を越えると、どうしてもモールドパウダーMが坩堝2自体と反応してモールドパウダーMの成分が変わってしまうし、第一、試験時間や経済面などの観点から有意義ではない。なお、上記の範囲は、鋳型内でモールドパウダーMが滞在する時間が概ね3〜20分であり、常温時から概ね10分程度で前述の加熱条件に至る、という事実も一つの根拠となっている。
・坩堝2内へのモールドパウダーMの充填量
坩堝2の上端に至るまでモールドパウダーMを充填するのではなく、上端から40〜50mm下方にモールドパウダーMの上端が来るようにする。このように坩堝2の上端に若干の余裕を持たせることで、モールドパウダーMが昇熱時や脱炭時に膨張しても、この膨張によるモールドパウダーMの吹き零れを抑制でき、もって、装置の損傷等を回避できる。
(まとめ)
以上説明したように上記実施形態においてモールドパウダーMの評価は、以下のような方法で行われる。即ち、坩堝2内に充填したモールドパウダーMを、2〜30の範囲内における所定の温度勾配G[℃/mm]であって、前記温度勾配G[℃/mm]の勾配の方向に沿った温度の分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むような加熱条件で10〜30分加熱する。この加熱により形成された焼結層の厚みD[mm]を測定する。下記式(1)を満足した場合、このモールドパウダーMは実機でスラグベアの形成を抑制できると評価する。以上の方法によれば、スラグベアの形成を抑制できるモールドパウダーMか否かを、圧縮強度を測定することなく簡便に評価することができる。
以上説明したように上記実施形態においてモールドパウダーMの評価は、以下のような方法で行われる。即ち、坩堝2内に充填したモールドパウダーMを、2〜30の範囲内における所定の温度勾配G[℃/mm]であって、前記温度勾配G[℃/mm]の勾配の方向に沿った温度の分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むような加熱条件で10〜30分加熱する。この加熱により形成された焼結層の厚みD[mm]を測定する。下記式(1)を満足した場合、このモールドパウダーMは実機でスラグベアの形成を抑制できると評価する。以上の方法によれば、スラグベアの形成を抑制できるモールドパウダーMか否かを、圧縮強度を測定することなく簡便に評価することができる。
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の実施形態は以下のように変更して実施することができる。
即ち、例えば、上記実施形態では、モールドパウダーMを坩堝2内に充填し、この坩堝2を炉芯管7内に立てた状態で装入し、その後、炉芯管7の常温からの加熱を開始することとした。しかし、坩堝2内に充填されたモールドパウダーMが上述した所定の加熱条件で加熱されさえすれば、上記の手順に限られず、例えば、以下のような手順でも構わない。即ち、(1)炉芯管7内に予め装入し予熱しておいた坩堝2内にモールドパウダーMを充填する、(2)炉芯管7内に予め装入しておいた坩堝2内にモールドパウダーMを充填し、その後に常温からの加熱を開始する、といったような手順である。
また、上記実施形態では、図1に示されるようにモールドパウダーMの温度分布を監視することとしているが、モールドパウダーMの熱伝導度は成分の如何に拘わらず殆ど一定であるので、2回目以降は、坩堝2のサイズなどに変更がない限り、この監視を省略し、縦型温度勾配炉3の出力制御に置き換えてもよい。
また、上記実施形態では、所定の加熱条件での加熱が完了したら、坩堝2をヤットコで挟んで炉芯管7から取り出した上で空冷することとした。しかし、これに代えて、炉芯管7の自然放熱による冷却速度が過小でなければ、坩堝2を炉芯管7に装入したまま単に縦型温度勾配炉3の電源を落とし、炉芯管7内で坩堝2を十分に冷却してから坩堝2を取り出すこととしてもよい。こうすれば、炉芯管7内から坩堝2を取り出す際に、坩堝2を傾かないようにする煩雑さがなくなる。
また、上記実施形態では、坩堝2をちょうど半分に縦割りしてから上記の焼結層厚みD[mm]を測定することとした。しかし、これに代えて、粉末層のモールドパウダーMが崩れないのであれば、坩堝2を割らずに坩堝2から試料を抜き取り、その後に焼結層厚みD[mm]を測定することとしてもよい。また、坩堝2をちょうど半分に縦割りしてから試料を坩堝2から完全に取り外し、その上で焼結層厚みD[mm]を測定してもよい。
また、上記実施形態では、所定の加熱条件での加熱が完了したら、坩堝2をヤットコで挟んで炉芯管7から取り出すこととした。しかし、これに代えて、坩堝2を昇降させる自動昇降装置を炉芯管7に設け、この装置を用いて坩堝2を炉芯管7の上方へリフトさせる構成を採用してもよい。これによれば、炉芯管7内から坩堝2を取り出す際に、坩堝2を傾かないようにする煩雑さがなくなる。
1 評価装置
2 坩堝
3 縦型温度勾配炉
G 温度勾配
D 焼結層厚み
Ave(d) スラグベア平均厚み
2 坩堝
3 縦型温度勾配炉
G 温度勾配
D 焼結層厚み
Ave(d) スラグベア平均厚み
Claims (1)
- 坩堝内に充填したモールドパウダーを、
2〜30の範囲内における所定の温度勾配G[℃/mm]であって、前記温度勾配G[℃/mm]の勾配の方向に沿った温度の分布が少なくとも400〜1300の温度範囲ΔT[℃]を含むような加熱条件で10〜30分加熱し、
この加熱により形成された焼結層の厚みD[mm]を測定し、
下記式(1)を満足した場合、このモールドパウダーは実機でスラグベアの形成を抑制できると評価する、
ことを特徴とする、モールドパウダーの評価方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009016633A JP2010172917A (ja) | 2009-01-28 | 2009-01-28 | スラグベアの形成を抑制することを目的としたモールドパウダーの評価方法 |
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CN104209480A (zh) * | 2014-09-29 | 2014-12-17 | 湖南镭目科技有限公司 | 一种渣厚检测及加渣预测方法和系统 |
JP2016190264A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 日新製鋼株式会社 | 連続鋳造用モールドパウダーの選定方法及び鋳造片製造方法 |
-
2009
- 2009-01-28 JP JP2009016633A patent/JP2010172917A/ja active Pending
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US10213827B2 (en) | 2014-09-29 | 2019-02-26 | Hunan Ramon Science & Technology Co., Ltd. | Slag thickness detection and slag adding prediction method and system |
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