JP2010172411A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波診断装置に用いられる超音波探触子が有する複数の圧電素子の各々の機能を自己診断することが可能であり、さらに機能が損なわれていると自己診断された圧電素子の機能を回復させることが可能な超音波診断装置を提供する。
【解決手段】送信用素子である無機圧電素子22の近傍に配置された受信用素子である有機圧電素子21で、該無機圧電素子22が送信した超音波を受信し、受信信号を基準信号と比較することで故障等の発生した無機圧電素子22を特定して自己診断し、機能回復を実施する。
【選択図】図5

Description

本発明は、超音波診断装置に用いられる超音波探触子が有する複数の圧電素子の機能を自己診断することが可能であり、さらに該圧電素子の機能を回復させることが可能な超音波診断装置に関する。
超音波は、通常、16000Hz以上の音波をいい、非破壊、無害および略リアルタイムでその内部を調べることが可能なことから、欠陥の検査や疾患の診断等の様々な分野に応用されている。その一つに、被検体内を超音波で走査し、被検体内から来た超音波の反射波(エコー)から生成した受信信号に基づいて該被検体内の内部状態を画像化する超音波診断装置がある。この超音波診断装置は、医療用では、他の医療用画像装置に較べて小型で安価であり、そしてX線等の放射線被爆が無く安全性が高いこと、また、ドップラ効果を応用した血流表示が可能であること等の様々な特長を有している。このため、超音波診断装置は、循環器系(例えば心臓の冠動脈等)、消化器系(例えば胃腸等)、内科系(例えば肝臓、膵臓および脾臓等)、泌尿器系(例えば腎臓および膀胱等)および産婦人科系等で広く利用されている。
超音波診断装置には、被検体に対して超音波(超音波信号)を送受信する超音波探触子が用いられている。超音波探触子は、圧電現象を利用することによって、送信の電気信号に基づいて機械振動して超音波(超音波信号)を発生し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる超音波(超音波信号)の反射波を受けて電気信号である受信信号を生成する複数の圧電素子を備え、これら複数の圧電素子が例えばアレイ状に2次元配列されて構成されている(例えば、特許文献1参照)。
超音波診断装置や超音波探触子においては、長期の使用および磨耗により欠陥が生じうる。超音波探触子における2次元配列された圧電素子、及び回路系統は、電源の不安定、部品の老化・消耗、落下による破損、または数々の電気傷害のため機能不良が生じうる。さらに、各々の圧電素子自体に発生する欠陥や、各々の圧電素子に接続された細線である電気配線に発生する欠陥などの問題は、使用者にとって直ちに検知することができない。このような検知困難な欠陥は、超音波診断において、検知して改善をすることが困難な診断能力の低下を招来する。超音波診断装置にとって、このような問題を自己診断し、さらには機能回復することが望ましい。
この問題を解決するための提案がなされている。例えば、超音波探触子から超音波信号を、大気に暴露した超音波探触子の音響窓に向かって送信させ、音響窓と空気との界面において反射して戻るエコーを受信し、受信したエコーを解析して、超音波探触子の動作を確認するというものがある(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−088056号公報 特開平8−238243号公報
特許文献2に記載の技術は、確かに、超音波探触子が送信した超音波信号を被検体に伝播させずに受信して自ら送信した超音波信号を受信し、受信した超音波信号を解析することができる。被検体に送信せず、音響窓からの反射を受信するので、音響インピーダンスの不整合を検知してしまうこともないので、超音波探触子に発生する欠陥等を検知できる能力を有す。しかし、超音波探触子を構成する各々の圧電素子で受信する超音波信号は、各々の圧電素子から音響窓を経て反射するという長い経路を経た信号であるので、受信した超音波信号を解析することによっては、どの圧電素子に欠陥が生じているかを検知することは難しい。一方、超音波探触子で発生する不具合は、1つ1つの圧電素子の機能を回復させることで解決しなければならないものである。従って、特許文献2に記載の技術によっては、不具合の発生した超音波探触子を特定して自己診断し、機能回復することはできない。
本発明は、超音波診断装置に用いられる超音波探触子が有する複数の圧電素子の各々の機能を自己診断することが可能であり、さらに機能が損なわれていると自己診断された圧電素子の機能を回復させることが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
前述の目的は、下記に記載する発明により達成される。
1.被検体内に第1超音波信号を送信する複数の送信用素子を有する送信部と、
前記第1超音波信号が前記被検体内において反射されて生成された反射信号である第2超音波信号を受信して、電気信号を生成する複数の受信用素子を有する受信部と、
前記電気信号から前記被検体内の超音波画像を生成する画像処理部と、
前記電気信号を基に、前記第1超音波信号を送信する前記送信用素子の各々が正常に機能しているか判断する判断手段と、
前記送信部と前記受信部とを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記送信部を制御して前記複数の送信用素子の各々に第1超音波信号を送信させ、前記受信部に前記第1超音波信号を受信させた後に、
前記判断手段に正常に機能していないと判断された送信用素子を駆動せず、正常に機能していると前記判断手段に判断された送信用素子を駆動して被検体に前記第1超音波信号を送信することを特徴とする超音波診断装置。
2.被検体内に第1超音波信号を送信する複数の送信用素子を有する送信部と、
前記第1超音波信号が前記被検体内において反射されて生成された反射信号である第2超音波信号を受信して、電気信号を生成する複数の受信用素子を有する受信部と、
前記電気信号から前記被検体内の超音波画像を生成する画像処理部と、
前記電気信号を基に、前記複数の送信用素子の各々が送信する前記第1超音波信号を受信して前記複数の送信用素子の各々の機能を検査し、機能の補正が可能か判断する検査手段と、
前記送信部と前記受信部とを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記送信部を制御して前記複数の送信用素子の各々に第1超音波信号を送信させ、前記受信部に前記第1超音波信号を受信させた後に、
前記検査手段に機能の補正が可能でないと判断された送信用素子を駆動せず、機能の補正が可能であると判断された送信用素子を駆動して前記被検体に前記第1超音波信号を送信することを特徴とする超音波診断装置。
3.被検体内に第1超音波信号を送信する複数の送信用素子を有する送信部と、
前記第1超音波信号が前記被検体内において反射されて生成された反射信号である第2超音波信号を受信して、電気信号を生成する複数の受信用素子を有する受信部と、
前記電気信号から前記被検体内の超音波画像を生成する画像処理部と、
前記電気信号を基に、前記第1超音波信号を送信する前記送信用素子の各々が正常に機能しているか判断する判断手段と、
前記送信部と前記受信部とを制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記送信部を制御して前記複数の送信用素子の各々に第1超音波信号を送信させ、前記受信部に前記第1超音波信号を受信させた後に、
前記判断手段に正常に機能していないと判断された送信用素子を駆動せず、正常に機能していると前記判断手段に判断された送信用素子を前記正常に機能していないと判断された送信用素子の出力を補間させて駆動して前記被検体に前記第1超音波信号を送信することを特徴とする超音波診断装置。
4.前記第2超音波信号は、前記第1超音波信号の第2高調波成分、または第3高調波成分であることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
5.前記送信用素子が正常に機能しているかを前記判断手段が判断する基となる前記電気信号、または、前記送信用素子の機能の補正が可能かを前記検査手段が判断する基となる前記電気信号は、前記送信用素子の近傍に位置する少なくとも一つの前記受信用素子から得ることを特徴とする前記1から4の何れか1項に記載の超音波診断装置。
6.前記送信用素子は無機圧電素子であり、前記受信用素子は有機圧電素子であることを特徴とする前記1から5の何れか1項に記載の超音波診断装置。
7.前記送信用素子と前記受信用素子とは前記第1超音波信号の送信方向に積層されてなることを特徴とする前記1から6の何れか1項に記載の超音波診断装置。
超音波診断装置に用いられる超音波探触子が有する複数の圧電素子の各々の機能を自己診断することが可能であり、さらに機能が損なわれていると自己診断された圧電素子の機能を回復させることが可能な超音波診断装置を提供できる。
実施形態における超音波診断装置の外観構成を示す図である。 実施形態における超音波診断装置の電気的な構成を示すブロック図である。 実施形態における超音波診断装置における超音波探触子の構成を示す図である。 実施形態における超音波探触子2内の回路構成を示す回路構成例1の概要図である。 実施形態における回路構成例1における接続状態を示す概要図である。 実施形態における超音波探触子2内の回路構成を示す回路構成例2の概要図である。 実施形態における回路構成例2における接続状態を示す概要図である。 実施形態における超音波探触子2内の回路構成を示す回路構成例3の概要図である。 実施形態における回路構成例3における送信側と受信側の実際の回路の一例の概要図である。 実施形態における回路構成例3における送信側と受信側の実際の回路の他の例の概要図である。 実施形態における超音波診断装置における超音波探触子の他の構成を示す図である。 実施形態における超音波診断装置における超音波探触子の他の構成を示す図である。 実施形態における第1故障診断処理の処理フロー図である。 実施形態における2次元状に配列された無機圧電素子アレイ4の概要図である。 実施形態における第2故障診断処理の処理フロー図である。 実施形態における第3故障診断処理の処理フロー図である。
以下に本発明の実施形態を図面により説明するが、本発明は以下に説明する実施形態に限られるものではない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。また、本明細書において、適宜、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
(超音波診断装置および超音波探触子の各構成および動作)
図1は、実施形態における超音波診断装置の外観構成を示す図である。図2は、実施形態における超音波診断装置の電気的な構成を示すブロック図である。図3は、実施形態の超音波診断装置における超音波探触子の構成を示す図である。
超音波診断装置Sは、図1に示すように、図略の生体等の被検体に対して超音波(超音波信号)を送信すると共に、被検体で反射した超音波の反射波(エコー、超音波信号)を受信する超音波探触子2と、超音波探触子2とケーブル3を介して接続され、超音波探触子2へケーブル3を介して電気信号の送信信号を送信することによって超音波探触子2に被検体に対して超音波を送信させると共に、超音波探触子2で受信された被検体内からの超音波の反射波に応じて超音波探触子2で生成された受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像として画像化する超音波診断装置本体1とを備えて構成される。
超音波診断装置本体1は、例えば、図2に示すように、診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報等のデータを入力する操作入力部11と、超音波探触子2へケーブル3を介して電気信号の送信信号を供給することで超音波探触子2に超音波を発生させるよう駆動する送信部12と、超音波探触子2からケーブル3を介して受信信号を受信する受信部13と、受信部13で受信した受信信号に基づいて被検体内の内部状態の画像(超音波画像)を生成する画像処理部14と、受信部13で受信した受信信号に基づいて後述する自己診断と機能回復を実施するチェック部17と、チェック部17で得られた結果等を記憶させる記憶部18と、画像処理部14で生成された被検体内の内部状態の画像を表示する表示部15と、これら操作入力部11、送信部12、受信部13、画像処理部14、表示部15、チェック部17および記憶部18とを該機能に応じて制御することによって超音波診断装置Sの全体制御を行う制御部16と、を備えて構成される。なお、チェック部は超音波探触子2の内部に備えられていてもよい。従って、図2では、超音波診断装置本体1と超音波探触子2の両方にチェック部17が記されているが、原則、何れか一方に備えられるものとする。
超音波探触子(超音波プローブ)2は、超音波の送信用素子である無機圧電素子と、超音波の受信用素子である有機圧電素子とを備えている。
また、後述するように、無機圧電素子への送信信号や、有機圧電素子からの受信信号と超音波診断装置本体1とのやりとりを行い、制御部16で制御される各回路を有する。
無機圧電素子は無機圧電材料を備えて成り、圧電現象を利用することによって受信信号と超音波信号との間で相互に信号を変換することができる。有機圧電素子は有機圧電材料を備えて成り、圧電現象を利用することによって電気信号と超音波信号との間で相互に信号を変換することができる。
有機圧電材料は、例えば、フッ化ビニリデンの重合体を用いることができる。また例えば、有機圧電材料は、フッ化ビニリデン(VDF)系コポリマを用いることができる。
このような構成の超音波探触子2は、例えば、図3に示す構成の超音波探触子2を例示することができる。
この超音波探触子2は、平板状の音響制動部材23と、この音響制動部材23の上に積層された音響整合層31と、この音響制動部材23の一方主面上に支持されて積層された複数の無機圧電素子22を備えた無機圧電素子アレイ4と、これら複数の無機圧電素子22同士の隙間に音響分離材を充填して作製される音響分離部24と、これら複数の無機圧電素子22上に積層された共通接地電極25と、この共通接地電極25上に積層される音響整合層26と、この音響整合層26上に積層される有機圧電素子21を備えた有機圧電素子アレイ5と、この有機圧電素子21上に積層される音響整合層27と、外部からの電気信号を受ける導電パッド28と無機圧電素子22の電極とを接続する第1信号線29と、外部からの電気信号を受ける導電パッド28と有機圧電素子21の電極とを接続する第2信号線30などから構成される。
音響制動部材23は、超音波を吸収する材料から構成され、複数の無機圧電素子22から音響制動部材23方向へ放射される超音波を吸収するものである。
音響整合層31は、音響制動部材23と無機圧電素子22の各々の音響インピーダンスの中間の音響インピーダンスを有し、音響制動部材23と無機圧電素子22の音響インピーダンスの整合を図る。
各無機圧電素子22は、無機圧電材料から構成される圧電素子101における互いに対向する両面にそれぞれ電極102、103を備えて構成される。複数の無機圧電素子22は、互いに所定の間隔を空けて平面視にて2次元状に配列され、音響制動部材23上に配置されている。
複数の無機圧電素子22は、超音波を送信するように構成されている。より具体的には、複数の無機圧電素子22には、送信部12からケーブル3と導電パッド28、第1信号線29を介して電気信号が入力される。この電気信号は、無機圧電素子22の電極102と電極103との間に入力される。複数の無機圧電素子22は、この電気信号を超音波信号に変換することによって超音波信号を送信する。
音響分離部24は、無機圧電素子22の音響インピーダンスに比して値が大きく異なる低音響インピーダンス樹脂から構成され、音響インピーダンスが大きく異なることにより、音響分離材として働き、これら複数の無機圧電素子22の相互干渉を低減する機能を有する。音響分離部24によって各無機圧電素子22間におけるクロストークの低減が可能となる。
共通接地電極25は、導電性の材料から構成され、図略の配線によって接地されており、そして、複数の無機圧電素子22上にまたがって直線状に積層されることによってこれら無機圧電素子22における各電極103を電気的に接地している。
音響整合層26は、有機圧電素子21と無機圧電素子22の各々の音響インピーダンスの中間の音響インピーダンスを有し、有機圧電素子21と無機圧電素子22の音響インピーダンスの整合を図る。
有機圧電素子21は、所定の厚さを持った平板状の有機圧電材料から成る圧電素子105と、この圧電素子105の一方主面に形成された互いに分離した複数の電極106と、この圧電素子105の他方主面に略全面に亘って一様に形成された電極107とを備えて構成されたシート状の圧電素子である。
複数の電極106が圧電素子105の一方主面に形成されることによって、有機圧電素子21は、1個の電極107と圧電素子105と電極106とから成る圧電素子を2次元状に備え、各圧電素子が個別に動作する。
有機圧電素子21における複数の圧電素子は、個別に機能させるために無機圧電素子22のように個々に分離する必要がなく、一体的なシート状で構成することが可能である。
有機圧電素子21は、反射波の超音波信号が受信され、この超音波信号を電気信号に変換する。この電気信号は、有機圧電素子21における電極106と電極107とから出力される。この電気信号は、ケーブル3を介して受信部13へ出力される。
第2信号線30は、外部からの電気信号を受ける導電パッド28と有機圧電素子21の電極106とを接続する。すなわち第2信号線30は有機圧電素子21の電極106から、音響整合層26、音響分離部24、音響整合層31、音響制動部材23を貫通して導電パッド28に接続されている。
音響整合層27は、有機圧電素子21の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスとの整合をとる部材である。音響整合層27は、円弧状に膨出した形状とされ、被検体に向けて送信される超音波を収束する音響レンズの機能を有する。
このような構成の超音波診断装置Sでは、例えば、操作入力部11から診断開始の指示が入力されると、制御部16の制御によって送信部12で電気信号の送信信号が生成される。この生成された電気信号の送信信号は、ケーブル3を介して超音波探触子2へ供給される。より具体的には、この電気信号の送信信号は、超音波探触子2における複数の無機圧電素子22へそれぞれ供給される。この電気信号の送信信号は、例えば、所定の周期で繰り返される電圧パルスである。複数の無機圧電素子22は、それぞれ、この電気信号の送信信号が供給されることによってその厚み方向に伸縮し、この電気信号の送信信号に応じて超音波振動するよう駆動される。この超音波振動によって、複数の無機圧電素子22は、共通接地電極25、音響整合層26、有機圧電素子21および音響整合層27を介して超音波を放射する。超音波探触子2が被検体に例えば当接されていると、これによって超音波探触子2から被検体に対して超音波が送信される。
なお、超音波探触子2は、被検体の表面上に当接して用いられてもよいし、被検体の内部に挿入して、例えば、生体の体腔内に挿入して用いられてもよい。
この被検体に対して送信された超音波は、被検体内部における音響インピーダンスが異なる1または複数の境界面で反射され、超音波の反射波となる。反射波には、送信された超音波の周波数(基本波の基本周波数)成分だけでなく、基本周波数の整数倍の高調波の周波数成分も含まれる。例えば、基本周波数の2倍、3倍および4倍などの第2高調波成分、第3高調波成分および第4高調波成分なども含まれる。反射波の超音波は、超音波探触子2で受信される。より具体的には、反射波の超音波は、音響整合層27を介して有機圧電素子21で受信され、有機圧電素子21で機械的な振動が受信信号として電気信号に変換されて取り出される。取り出された受信信号は、ケーブル3を介して制御部16で制御される受信部13で受信される。
画像処理部14は、制御部16の制御によって、受信部13で受信した受信信号に基づいて、送信から受信までの時間や受信強度などから被検体内の内部状態の画像(超音波画像)を生成し、表示部15は、制御部16の制御によって、画像処理部14で生成された被検体内の内部状態の画像を表示する。本実施形態における超音波探触子2および超音波診断装置Sでは、上述したように基本波の高調波が受信されるので、ハーモニックイメージング技術によって超音波画像を形成することが可能となる。このため、本実施形態における超音波探触子2および超音波診断装置Sは、より高精度な超音波画像の提供が可能となる。そして、比較的パワーの大きい第2高調波と第3高調波が受信されるので、より鮮明な超音波画像の提供が可能となる。
(超音波診断装置と超音波探触子の回路構成)
超音波診断装置と超音波探触子間の電気接続について図4から図10を用いて説明する。図4は、超音波探触子2内の回路構成を示す回路構成例1の概要図である。図5は、回路構成例1における接続状態を示す概要図である。図6は、超音波探触子2内の回路構成を示す回路構成例2の概要図である。図7は、回路構成例2における接続状態を示す概要図である。図8は、超音波探触子2内の回路構成を示す回路構成例3の概要図である。図9は、回路構成例3における送信側と受信側の実際の回路の一例の概要図である。図10は、回路構成例3における送信側と受信側の実際の回路の他の例の概要図である。図11は、超音波診断装置における超音波探触子の他の構成を示す図である。回路構成例1においては、図4に示すように、無機圧電素子アレイ4を構成する各無機圧電素子22は、n個の送信チャネルcht1〜chtnにおける各チャネルに対応している。有機圧電素子アレイ5を構成する各有機圧電素子21は、n個の受信チャネルchr1〜chrnにおける各チャネルに対応している。
無機圧電素子アレイ4の各無機圧電素子22は、配線43、送受切替回路45、送信素子選択回路48を通じて、超音波診断装置本体1から供給された送信用信号に対応する第1超音波信号を被検体に送信する。
有機圧電素子アレイ5を構成する各有機圧電素子21から変換された受信信号は、受信素子選択回路47に配線されている。
有機圧電素子21が受信した第2超音波信号から変換された受信信号は、受信素子選択回路47、送受切替回路45、配線43を通じて超音波診断装置本体1に送られる。
このように配線43を共有化するために送受切替回路45は、送信素子選択回路48、受信素子選択回路47の何れかを、配線43内に接続するように切替える。
送受切替回路46の例としては、図5に示すように、無機圧電素子22と有機圧電素子21へ各々接続する導電パッド28と配線との接続を、アナログスイッチ60を用いて直接切替えるものがある。アナログスイッチ60としては、FET(Field Effect Transistor)を用いてもよい。
回路構成例2においては、図6に示すように、無機圧電素子アレイ4を構成する各無機圧電素子22は、n個の送信チャネルcht1〜chtnにおける各チャネルに対応している。有機圧電素子アレイ5を構成する各有機圧電素子21は、n個の受信チャネルchr1〜chrnにおける各チャネルに対応している。無機圧電素子アレイ4を構成する各無機圧電素子22に対してパルス発生器40からパルスが印可される。
無機圧電素子アレイ4の各無機圧電素子22は、超音波診断装置本体1から配線43と送受切替回路46を通じて供給された送信用信号に対応する第1超音波信号を被検体に送信する。
有機圧電素子21が受信した第2超音波信号から変換された受信信号は、同様に送受切替回路46と配線43を通じて超音波診断装置本体1に送られる。
このように配線43を共有化するために送受切替回路45は、無機圧電素子アレイ4、または有機圧電素子アレイ5の何れかを、配線43に接続するように切替える。
回路構成例3においては、図8に示すように、無機圧電素子アレイ4の各無機圧電素子22と、有機圧電素子アレイ5の各有機圧電素子21とは、超音波診断装置本体1に直接接続されている。
無機圧電素子アレイ4の各無機圧電素子22は、超音波診断装置本体1から供給された送信用信号に対応する第1超音波信号を被検体に送信する。
有機圧電素子21が受信した第2超音波信号から変換された受信信号は、超音波診断装置本体1に送られる。
有機圧電素子アレイ5を構成する各有機圧電素子21から変換された受信信号は、超音波診断装置本体1に備えられたチェック部17に入力されるよう配線されている。
次に、図9を用いて超音波探触子2において選択回路を用いずに送受信を自動的に切替える超音波診断装置本体1に内蔵された回路の一例を説明する。
最初に、送信時の回路動作を説明する。Vccはプラス側に電圧を持つ電源で、Vddはマイナス側に電圧を持つ電源である。
送信側90の圧電素子Y1を駆動するため超音波診断装置本体1の端子80から送信信号が入力される。送信信号波形は、プラス側、マイナス側にも振られる正弦波でも良いし、矩形波でも良い。またインパルス波形でもよい。
送信信号は大信号のため、ダイオードD1はONし、送信信号は圧電素子Y1に印加される。
受信側91の圧電素子Y2には、送信波形のプラス側信号はダイオードD3を通過した後、抵抗R2を通過してVdd側に流れる。送信波形のマイナス側信号は抵抗R1を通ってVccへ、及び抵抗R2を通ってVdd側に流れるため、Y2側に信号が印加されない。
このような動作により、受信側91の圧電素子Y2を振動させずに、送信側90の圧電素子Y1を振動させることができる。
次に受信時の回路動作を説明する。第2超音波信号を受けて圧電素子Y2において電気信号が発生し、VccおよびVddによって常にダイオードD3はONされる。
受信信号はダイオードD3を通過し端子80側に伝達される。送信側90においては、ダイオードD1のスレッショルド電圧によってダイオードD1はOFF状態のため、圧電素子Y1側には電気信号は流れない。以上の動作によって、図9に示す回路がスイッチを用いずとも、送受切替回路46の機能を有する。
また、図10に示す構成を有する回路でも良い。最初に、送信時の回路動作を説明する。Vccはプラス側に電圧を持つ電源で、Vddはマイナス側に電圧を持つ電源である。
送信側90の圧電素子Y1を駆動するため超音波診断装置本体1の端子80から送信信号が入力される。送信信号波形は、プラス側、マイナス側にも振られる正弦波でも良いし、矩形波でも良い。またインパルス波形でもよい。
送信信号は大信号のため、ダイオードD1はONし、送信信号は圧電素子Y1に印加される。
受信側91の圧電素子Y2には、ダイオードD17、D18、D19、およびD20はVccおよびVddの電圧によって常にONしている為、送信波形のプラス側信号は抵抗R12を通過した後、Vcc側に流れる。送信波形のマイナス側信号は抵抗R14を通ってVdd側に流れるため、Y2側に信号が印加されない。
このような動作により、受信側91の信号Y2を振動させずに、送信側90の圧電素子Y1を振動させることができる。
次に受信時の回路動作を説明する。第2超音波信号を受けてY2から電気信号が発生し、抵抗R10、R11、R13の比率によって定まる増幅率に従ってオペアンプUが電気信号を増幅される。図10では、圧電素子Y2の出力をオペアンプUの正の入力端子に接続したが、負の入力端子に接続してもよい。第2超音波信号を増幅させない場合には、第2超音波信号をダイオードD17とダイオードD19の間に直接接続する。VccおよびVddによって常にダイオードD17、D19はONされる。
ダイオードD17とダイオードD19の間に伝達された電気信号は端子80側と接続されるダイオードD17とダイオードD19の間に同じ電圧が発生するため、超音波診断装置本体1の端子80に伝達される。
ダイオードD16のスレッショルド電圧によってダイオードD16はOFF状態のため、送信側90の圧電素子Y1側には受信信号は流れない。以上の動作によって、図10に示す回路がスイッチを用いずとも、送受切替回路46の機能を有する。
なお、Vcc、Vddの電圧を送信時は逆の関係(Vccをマイナス側、Vddをプラス側)にする事で、ダイオードD17、D18、D19、およびD20は常にOFFになるため、送信信号が完全に抵抗R13側に流れないようにできる。
超音波探触子2は図3に描いたような構成でもよいが、図11に示す構成でもよい。図11は、超音波診断装置における超音波探触子の他の構成を示す図である。無機圧電素子アレイ4と有機圧電素子アレイ5を、第1超音波信号81の進行方向に対して垂直方向に、並列に配置する構成でもよい。二つの無機圧電素子アレイ4を中心に、二つの有機圧電素子アレイが取り囲み、音響制動部材23と音響整合層26を備える構成とする。無機圧電素子22と、無機圧電素子22が送信する超音波の強度を受信する有機圧電素子21との対応は、例えば、無機圧電素子22a−1が送信した超音波は有機圧電素子21a−1が受信し、続いて、無機圧電素子22a−2が送信した超音波は有機圧電素子21a−2が受信する、という対応関係とする。また、無機圧電素子22b−1が送信した超音波は有機圧電素子21b−1が受信し、続いて、無機圧電素子22b−2が送信した超音波は有機圧電素子21b−2が受信する、という対応関係とする。
また、超音波探触子2は図12に描いたような構成でもよい。図12は、超音波診断装置における超音波探触子の他の構成を示す図である。図12においては、無機圧電素子2と有機圧電素子21とが第1超音波信号81の進行方向に対して垂直方向に、有機圧電素子21−1、無機圧電素子22−1、有機圧電素子21−2無機圧電素子22−2、というように交互に配列され、音響制動部材23と音響整合層26を備える構成とする。無機圧電素子22と、無機圧電素子22が送信する超音波の強度を受信する有機圧電素子21との対応は、例えば、無機圧電素子22−1が送信した超音波は有機圧電素子21−1が受信するという対応関係とする。
(超音波探触子の自己診断と機能回復)
以下に本実施形態における超音波探触子2の自己診断と機能回復について説明する。以下の動作は、制御部16が中心になって実施される動作であり、動作するタイミングは、術者からの操作指示の入力を受けて実施されてもよいし、超音波診断装置を立ち上げた際に自動で実施されてもよい。
回路構成については上記したように3つの構成例があるが、ここでは、代表して図6に示す回路構成2を用いて説明する。
また、以下の動作は超音波探触子2を被検体の超音波診断を行わない状態、すなわち超音波探触子2を被検体に当接させない状態で実施することが望ましい。被検体からの反射である第2超音波信号を受けずに、第1超音波信号を直接受信することで、ノイズや誤情報によるトラブルを防止し、超音波探触子2の自己診断を精度よく実施するためである。
最初に何らかの不具合や故障により、送信素子として使用できない無機圧電素子22を特定する自己診断を実施し、使用できないと判断された送信素子を使用せずに第1超音波信号を送信する超音波診断素子の第1故障診断処理について、図6、図7、図13を用いて説明する。図13は第1故障診断処理の処理フロー図である。
ステップS1にて、制御部16は、図7に示すように、有機圧電素子21側に選択されているアナログスイッチ60−1を送信側である無機圧電素子22側に切替える。
次にステップS2にて、制御部16は、切替えて選択された1つの無機圧電素子22に対して送信部12にチェック用信号を印可させる。チェック用信号を印可させることで、選択された無機圧電素子22は超音波を送信する。
次にステップS3にて、制御部16は、選択した無機圧電素子22に最も近い位置(近傍)に位置する有機圧電素子21に、駆動された無機圧電素子22からの超音波を受信させるために、アナログスイッチ60−1を受信側である有機圧電素子21側に切替える。
図3に示した超音波探触子2のように、第1超音波信号を送信する無機圧電素子アレイ4と、第1超音波信号を受信する有機圧電素子アレイ5とが積層されている超音波探触子2は、第1超音波信号を有機圧電素子アレイ5が直接受信することができ、ノイズや誤情報が無く特に好ましい。
次にステップS4にて、制御部16は、チェック部17に有機圧電素子22が受信した受信信号が所定の基準信号に相当しているかチェックさせる。チェック部17は、所定の回路で構成されるチェック回路である。チェック部は、駆動した無機圧電素子22が故障等なく駆動されているかを判断する判断手段として機能するものである。なお、受信信号は例えば第3高調波などの高次高調波であることが望ましい。高次高調波を用いることで、より鮮明な超音波画像の提供が可能となる。以下、受信信号は高次高調波の受信信号であるとする。所定の基準信号とは、有機圧電素子21が超音波を変換した電気信号の電圧値である。
次に、ステップS5にて、受信信号が所定の基準信号に相当ないとチェック部17によって判断された場合にはステップS7に移り、所定の基準信号に到達していない送信素子である無機圧電素子22を特定するための演算を実施する。続いて、所定の基準信号に到達していない送信素子である無機圧電素子22はステップS8にて記憶部18で記憶され、該無機圧電素子22の超音波を受信した有機圧電素子21はステップS9で記憶部18に記憶され、ステップS10に移る。
ステップS5にて、受信信号が所定の基準信号に相当するとチェック部17によって判断された場合にはステップS6に移り、受信信号が所定の基準信号に到達していると判断された無機圧電素子22と有機圧電素子21の組み合わせが記憶部18に記憶され、ステップS10に移る。
ステップS10においては、チェックする無機圧電素子22と有機圧電素子21とが所定の数に到達したか判断する。全ての無機圧電素子22と有機圧電素子21をチェックしても良いし、故障等の不具合が発生しやすい部分のみチェックしてもよい。
所定数に到達しなければ、ステップS1に戻り、残りの無機圧電素子22と有機圧電素子21とを順次チェックしていく。所定数に到達していれば、フローは終了する。
なお、基準信号は、超音波診断を実施する場合と同じ信号であってもよいし、数周期分の正弦波でもよい。数周期分の正弦波の場合には、受信信号に発生するリンギングや歪みを測定することで有機圧電素子21に採用されるフッ化ビニリデン系コポリマの分極が壊れていないか確認できる。また、無機圧電素子22からチャープ信号を送信し、有機圧電素子21の受信信号にFFT解析を実施して、フッ化ビニリデン系コポリマの周波数特性を確認してもよい。無機圧電素子22が送信する信号は符号化した信号でもよい。
ステップS3では、選択した無機圧電素子22に最も近い位置(近傍)に位置する有機圧電素子21に、駆動された無機圧電素子22からの超音波を受信させてチェックしたが、近傍にある複数の有機圧電素子21に受信させてチェックしてもよい。異常の素子を間違いなく特定するために好ましい。この場合の近傍とは、送信用素子からの第1超音波信号を直接検出できる位置関係にある状態である。
チェック動作は、超音波探触子2を超音波診断装置本体1に接続した場合や、超音波診断装置本体1に電源を投入して立ち上げる場合などに行う。また、有機圧電素子21に採用されるフッ化ビニリデン系コポリマの分極が壊れる温度は100度と無機圧電素子22に採用されるPZTに比べて小さいので環境温度の影響を受けやすい。そこで、超音波探触子2内に温度センサを設けて所定の温度(例えば60度)を越えた時点でチェック動作を行ってもよい。
以上のように、使用できないと判断された無機圧電素子22を特定し自己診断することで、超音波診断を実施する際に、制御部16は該無機圧電素子22を記憶部18から呼び起こし、該無機圧電素子22を使用しないように制御して超音波信号1を生成する。このように制御することで、正確な超音波診断を実施することができる。
なお、2次元状に配列された無機圧電素子アレイ4において、全ての無機圧電素子22を送信に用いるのではなく、図14に示すように、一部の無機圧電素子22を用いても良い。図14は、2次元状に配列された無機圧電素子アレイ4の概要図である。
図14は、一部の無機圧電素子22を駆動素子82(同図中の黒色部)として超音波の送信に用い、残りの無機圧電素子22を非駆動素子83(同図中の白色部)として超音波の送信に用いないようにするスパースアレイを表す。スパースアレイを採用することで、一部の駆動素子82が故障等により超音波を送信しない場合でも、残りの駆動素子82が生成する第1超音波信号によって正確な超音波診断を行うに堪える超音波波面を形成することができる。
次に、何らかの不具合や故障により、そのままでは送信素子として使用できない無機圧電素子22を特定して自己診断し、入力信号の電圧値等を補正することで、機能回復した第1超音波信号を送信する超音波診断素子の第2故障診断処理について図15を用いて説明する。図15は、第2故障診断処理の処理フロー図である。
ステップS1からステップS5までは、ステップS5が一部異なる以外は、上記の第1故障診断処理と同じであるので、ステップS5以降の異なるステップを中心に説明する。
ステップS5においては、有機圧電素子21が受信した超音波の受信信号が所定の基準信号に相当するか判断する。
チェック部は、駆動した無機圧電素子22が故障等なく駆動されているかを判断して自己診断し、機能回復できるか検査する検査手段として機能するものである。
第2故障診断処理における所定の基準信号は、第1故障診断処理における基準信号に比べてやや低い値となる。第1故障診断処理においては、そのままでは使用できないほど送信する超音波が弱まった無機圧電素子22を特定するものであるが、第2故障診断処理においては補正可能な無機圧電素子22を特定するからである。
ステップS5にて、受信信号が所定の基準信号に相当ないとチェック部17によって判断された場合にはステップS7に移り、所定の基準信号に到達していない送信素子である無機圧電素子22を特定するための演算を実施する。
所定の基準信号に到達していない送信素子である無機圧電素子22はステップS8にて記憶部18で記憶され、該無機圧電素子22の超音波を受信した有機圧電素子21はステップS9で記憶部18に記憶される。
次にステップS21にて、受信信号が所定の基準信号に到達していない無機圧電素子22が、入力信号を変更することで、有機圧電素子21の受信信号が所定の基準信号に相当するように、出力を補正して機能回復できるかチェック部17が判断する。
具体的には、無機圧電素子22が送信する超音波の強度は無機圧電素子22に入力する電気信号の振幅に略比例するので、送信部12が無機圧電素子22に入力可能な該電気信号の振幅の範囲で、有機圧電素子21の受信信号が基準信号を超えるような振幅の超音波を送信できるかチェック部17が判断する。
有機圧電素子21の受信信号が基準信号を超えるような振幅の超音波を送信できないと制御部16が判断した場合には、ステップS6に移り、補正して機能回復が可能と判断された無機圧電素子22と有機圧電素子21の組み合わせが記憶部18に記憶され、ステップS24に移る。
ステップS21にて、機能回復が可能と判断された場合には、ステップS22に移り、補正係数を算出する。補正係数とは、受信信号が所定の基準信号に到達するように、無機圧電素子22の超音波の強度を高めるために、無機圧電素子22への入力信号の振幅に乗算すべき係数を言う。
補正係数はステップS23にて記憶部18に記憶される。次にステップS24に移り、チェックする無機圧電素子22と有機圧電素子21とが所定の数に到達したか判断する。全ての無機圧電素子22と有機圧電素子21をチェックしても良いし、故障等の不具合が発生しやすい部分のみチェックしてもよい。
所定数に到達しなければ、ステップS1に戻り、残りの無機圧電素子22と有機圧電素子21とを順次チェックしていく。所定数に到達していれば、フローは終了する。
以上のように、入力信号を変更することで、使用できないと判断された無機圧電素子22を使用可能とすることができ、正確な超音波診断を実施することができる。
次に、何らかの不具合や故障により、そのままでは送信素子として使用できない無機圧電素子22を特定して自己診断し、該無機圧電素子22は使用せず、周辺の無機圧電素子22が送信する超音波の強度を高めることで補間して機能回復し、超音波探触子2に第1超音波信号を送信させる超音波診断素子の第3故障診断処理について図16を用いて説明する。図16は、第3故障診断処理の処理フロー図である。
ステップS1からステップS5までは、ステップS5が一部異なる以外は、上記の第1故障診断処理と同じであるので、ステップS5以降の異なるステップを中心に説明する。
ステップS5においては、チェック部17は、有機圧電素子21が受信した超音波の受信信号が所定の基準信号に相当するか判断する。
チェック部17は、駆動した無機圧電素子22が故障等なく駆動されているかを判断して自己診断し、補間して機能回復できるか判断する判断手段として機能するものである。
第3故障診断処理における所定の基準信号は、第2故障診断処理における基準信号に比べて低い値となる。第2故障診断処理においては、そのままでは使用できずに補正して使用する無機圧電素子22を特定するものであるが、第3故障診断処理においては補間して機能回復が可能な無機圧電素子22を特定するからである。該無機圧電素子22には、送信部12が駆動しないように制御部16が制御することとなる。
ステップS5にて、受信信号が所定の基準信号に相当ないとチェック部17によって判断された場合にはステップS7に移り、所定の基準信号に到達していない送信素子である無機圧電素子22を特定するための演算を実施する。
第2故障診断処理における基準信号は、無機圧電素子22への入力信号を変更して無機圧電素子22が送信する超音波の強度を補正可能な値であるが、第3故障診断処理における基準信号は、無機圧電素子22への入力信号を変更しても無機圧電素子22が送信する超音波の強度を補正できない値である。従って、第3故障診断処理における所定の基準信号は、第2故障診断処理における所定の基準信号よりも小さい値となる。
所定の基準信号に到達していない送信素子である無機圧電素子22はステップS8にて記憶部18で記憶され、該無機圧電素子22の超音波を受信した有機圧電素子21はステップS9で記憶部18に記憶される。
次にステップS31にて、受信信号が所定の基準信号に到達していない無機圧電素子22の出力を、周辺の無機圧電素子22の出力を増加させることで補間して機能回復させる補間量を算出する。
具体的には、該無機圧電素子22が送信すべき超音波の強度は、第1故障診断処理における基準信号と等しいとできるので、第1故障診断処理における基準信号と、該無機圧電素子22が実際に送信している超音波によって有機圧電素子21にて生じている受信信号との差を補間量とする。
術者が超音波診断を実施する際には、制御部16は、該無機圧電素子22の周辺の無機圧電素子22、例えば、該無機圧電素子22を円の中心にし、90度毎に位置する4つの無機圧電素子22に、補間量を4等分した受信信号に相当する超音波出力を出力させるように制御することとなる。
次にステップS32にて、制御部16は、補間量、および、故障等した無機圧電素子22を補間する無機圧電素子22を特定した情報を記憶部18に記憶させる。
次にステップS33にて、チェックする無機圧電素子22と有機圧電素子21とが所定の数に到達したか判断する。全ての無機圧電素子22と有機圧電素子21をチェックしても良いし、故障等の不具合が発生しやすい部分のみチェックしてもよい。
所定数に到達しなければ、ステップS1に戻り、残りの無機圧電素子22と有機圧電素子21とを順次チェックしていく。所定数に到達していれば、フローは終了する。
このように、使用できない無機圧電素子22の出力を補間して機能回復させることで、正確な超音波診断を実施することができる。
以上のように、本実施形態によれば、使用できないと判断された無機圧電素子22を特定し自己診断することで、超音波診断を実施する際に、制御部16は該無機圧電素子22を記憶部18から呼び起こし、該無機圧電素子22を使用しないように制御して超音波信号1を生成する。このように制御することで、正確な超音波診断を実施することができる。
また、本実施の形態によれば、入力信号を変更することで、使用できないと判断された無機圧電素子22を使用可能とすることができ、正確な超音波診断を実施することができる。
また、本実施の形態によれば、使用できない無機圧電素子22の出力を補間して機能回復させることで、正確な超音波診断を実施することができる。
また、本実施の形態によれば、第2超音波信号に、第1超音波信号の第2高調波成分、または第3高調波成分を採用することで、より鮮明な超音波画像の提供が可能となる。
また、本実施の形態によれば、前記送信用素子である無機圧電素子22の近傍に位置する受信用素子である有機圧電素子21からの受信信号をチェックすることで、無機圧電素子22の自己診断を正確に実施することができる。
また、本実施の形態によれば、送信用素子に無機圧電素子22を採用することで、強度の大きい第1超音波信号を送信でき、受信用素子に有機圧電素子21を採用することで、第2超音波信号を広帯域に受信することができるので、鮮明な超音波画像を得ることができる。
また、本実施の形態によれば、送信用素子である無機圧電素子22と受信用素子である有機圧電素子21とが第1超音波信号の送信方向に積層されて一体化することで、小型の超音波探触子2を構成することができる。
1 超音波診断装置本体
2 超音波探触子
3 ケーブル
4 無機圧電素子アレイ
5 有機圧電素子アレイ
11 操作入力部
12 送信部
13 受信部
14 画像処理部
15 表示部
16 制御部
17 チェック部
18 記憶部
21 有機圧電素子
23 音響制動部材
24 音響分離部
25 共通接地電極
26、27 音響整合層
28 導電パッド
29 第1信号線
30 第2信号線
31 音響整合層
40 パルス発生器
43 配線
45 送受切替回路
46 送受切替回路
47 受信素子選択回路
48 送信素子選択回路
60 アナログスイッチ
80 端子
81 第1超音波信号
82 駆動素子
83 非駆動素子
90 送信側
91 受信側
101 圧電素子
102、103、106、107 電極
103 電極
105 圧電素子
S 超音波診断装置

Claims (7)

  1. 被検体内に第1超音波信号を送信する複数の送信用素子を有する送信部と、
    前記第1超音波信号が前記被検体内において反射されて生成された反射信号である第2超音波信号を受信して、電気信号を生成する複数の受信用素子を有する受信部と、
    前記電気信号から前記被検体内の超音波画像を生成する画像処理部と、
    前記電気信号を基に、前記第1超音波信号を送信する前記送信用素子の各々が正常に機能しているか判断する判断手段と、
    前記送信部と前記受信部とを制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記送信部を制御して前記複数の送信用素子の各々に第1超音波信号を送信させ、前記受信部に前記第1超音波信号を受信させた後に、
    前記判断手段に正常に機能していないと判断された送信用素子を駆動せず、正常に機能していると前記判断手段に判断された送信用素子を駆動して被検体に前記第1超音波信号を送信することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 被検体内に第1超音波信号を送信する複数の送信用素子を有する送信部と、
    前記第1超音波信号が前記被検体内において反射されて生成された反射信号である第2超音波信号を受信して、電気信号を生成する複数の受信用素子を有する受信部と、
    前記電気信号から前記被検体内の超音波画像を生成する画像処理部と、
    前記電気信号を基に、前記複数の送信用素子の各々が送信する前記第1超音波信号を受信して前記複数の送信用素子の各々の機能を検査し、機能の補正が可能か判断する検査手段と、
    前記送信部と前記受信部とを制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記送信部を制御して前記複数の送信用素子の各々に第1超音波信号を送信させ、前記受信部に前記第1超音波信号を受信させた後に、
    前記検査手段に機能の補正が可能でないと判断された送信用素子を駆動せず、機能の補正が可能であると判断された送信用素子を駆動して前記被検体に前記第1超音波信号を送信することを特徴とする超音波診断装置。
  3. 被検体内に第1超音波信号を送信する複数の送信用素子を有する送信部と、
    前記第1超音波信号が前記被検体内において反射されて生成された反射信号である第2超音波信号を受信して、電気信号を生成する複数の受信用素子を有する受信部と、
    前記電気信号から前記被検体内の超音波画像を生成する画像処理部と、
    前記電気信号を基に、前記第1超音波信号を送信する前記送信用素子の各々が正常に機能しているか判断する判断手段と、
    前記送信部と前記受信部とを制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記送信部を制御して前記複数の送信用素子の各々に第1超音波信号を送信させ、前記受信部に前記第1超音波信号を受信させた後に、
    前記判断手段に正常に機能していないと判断された送信用素子を駆動せず、正常に機能していると前記判断手段に判断された送信用素子を前記正常に機能していないと判断された送信用素子の出力を補間させて駆動して前記被検体に前記第1超音波信号を送信することを特徴とする超音波診断装置。
  4. 前記第2超音波信号は、前記第1超音波信号の第2高調波成分、または第3高調波成分であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  5. 前記送信用素子が正常に機能しているかを前記判断手段が判断する基となる前記電気信号、または、前記送信用素子の機能の補正が可能かを前記検査手段が判断する基となる前記電気信号は、前記送信用素子の近傍に位置する少なくとも一つの前記受信用素子から得ることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記送信用素子は無機圧電素子であり、前記受信用素子は有機圧電素子であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記送信用素子と前記受信用素子とは前記第1超音波信号の送信方向に積層されてなることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の超音波診断装置。
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