JP2010171766A - 画像処理装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】カメラC_1〜C_4は、自動車に設けられて斜め下方向の被写界を捉える。メモリ制御回路12は、カメラC_1〜C_4から繰り返し出力される被写界像P_1〜P_4を、SDRAM14を利用して鳥瞰画像BEV_1〜BEV4に変換する。CPU20は、カメラC_1〜C_4から出力される被写界像P_1〜P_4の位相関係を繰り返し変更し、メモリ制御回路12の負荷が基準値を上回るか否かを位相変更処理と並列して繰り返し判別する。判別結果が否定的な結果から肯定的な結果に更新されると、メモリ制御回路12の画像変換特性がCPU20によって変更される。判別結果が否定的な結果から肯定的な結果に更新されることなく既定期間が経過すると、メモリ制御回路12の画像変換特性がCPU20によって確定される。
【効果】鳥瞰画像の再現性が自動車毎に適正化される。
【選択図】図1
【効果】鳥瞰画像の再現性が自動車毎に適正化される。
【選択図】図1
Description
この発明は、画像処理装置に関し、特に、移動体に設けられて斜め下方向の被写界を捉える複数のカメラから繰り返し出力される被写界像を鳥瞰画像に変換する、画像処理装置に関する。
この種の装置の一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、複数のカメラが車両に設置され、車両上方を視点とする画像つまり鳥瞰画像がこれらのカメラの出力に基づいて作成される。作成された鳥瞰画像は、モニタ画面に表示される。車両の四隅には、4つのコーナーセンサがそれぞれ設置される。車両に近接する障害物がこれらのコーナーセンサのいずれか1つによって検知されると、障害物を検知したコーナーセンサの設置位置に対応して既定のマークがモニタ画面に表示される。これによって、運転者は、モニタ画面を通して障害物の存在を認識することができる。
また、同様の装置が平成19年12月4日付けで提出された特願2007−313103号に開示されている。この装置によれば、一旦画像メモリに蓄えられた入力画像は、LUTに従って読み出され、かつ合成される。合成画像は、フレームメモリに一旦保存されることなく出力される。
しかし、鳥瞰画像を作成するときの負荷は、複数のカメラから出力される元画像の位相関係や元画像を鳥瞰画像に変換するときの変換特性によって相違するし、さらには複数のカメラの設置状況によっても相違する。そして、鳥瞰画像を作成するときの負荷が過大になると、鳥瞰画像の再現性の低下を引き起こす。
また、上述の先行出願に係る装置では、外部カメラから入力される画像を蓄えるメモリの読み出し能力が高くなければならない。たとえば、ランダムアクセス性に優れた高速なSRAMを複数個用い、画像メモリを構成するなどしなければならない。一般に、高価な高速SRAMを複数個用いることは製品価格を高めるため、比較的安価なSDRAMを用いることが好ましいし、さらには消費電力が低い製品を作ることが好ましい。また、より安価にするためには、そのSDRAMの個数を必要最小限に留める必要がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、鳥瞰画像の再現性を移動体毎に適正化できる、画像処理装置を提供することである。
この発明に従う画像処理装置(図1の10参照)は、移動体(図2の100参照)に設けられて斜め下方向の被写界を捉える複数のカメラ(図1のC_1〜C_4参照)から繰り返し出力される被写界像を鳥瞰画像に変換する変換手段(図1の12参照)、複数のカメラから出力される被写界像の位相関係を繰り返し変更する位相変更手段(図11〜図12のS15,S17,S33参照)、変換手段の負荷が基準を上回るか否かを位相変更手段の変更処理と並列して繰り返し判別する判別手段(図11〜図12のS21〜S27参照)、判別手段の判別結果が否定的な結果から肯定的な結果に更新されたとき変換手段の変換特性を変更する特性変更手段(図12のS37参照)、および判別手段の判別結果が否定的な結果から肯定的な結果に更新されることなく既定期間が経過したとき変換手段の変換特性を確定させる確定手段(図12のS35参照)を備える。
変換手段は、移動体に設けられて斜め下方向の被写界を捉える複数のカメラから繰り返し出力される被写界像を鳥瞰画像に変換する。複数のカメラから出力される被写界像の位相関係は、位相変更手段によって繰り返し変更される。判別手段は、変換手段の負荷が基準を上回るか否かを、位相変更手段の変更処理と並列して繰り返し判別する。判別手段の判別結果が否定的な結果から肯定的な結果に更新されると、変換手段の変換特性が特性変更手段によって変更される。
このように、複数のカメラから出力される被写界像の位相関係は繰り返し変更され、変換手段の負荷はこのような位相変更処理と並列して繰り返し判別される。変換手段の変換特性は、既定期間が経過する前に変換手段の負荷が基準を上回ったとき、別の変換特性に変更される。変換手段の負荷が基準を上回ることなく既定期間が経過すると、変換特性が確定される。これによって、鳥瞰画像の再現性が移動体毎に適正化される。
好ましくは、位相変更手段は第1周期で位相変更処理を実行し、判別手段は第1周期よりも短い第2周期で判別処理を実行し、既定期間は第1周期に相当する期間よりも長い。
好ましくは、変換手段は複数のカメラから出力された被写界像をメモリ(図1の14参照)に書き込む書き込み手段(図6の32a〜32d,34参照)を含み、変換手段および判別手段はそれぞれ書込み手段によってメモリに格納された被写界像に注目して変換処理および判別処理を実行する。
好ましくは、位相変更手段は、複数のカメラを停止する停止手段(図13のS51参照)、および複数のカメラを互いに異なるタイミングで起動する起動手段(図13のS53〜S59参照)を含む。
好ましくは、変換手段によって変換された鳥瞰画像を移動体の操作者に向けて表示する表示手段(図1の18参照)がさらに備えられる。
好ましくは、変換手段の変換特性を定義するパラメータは鳥瞰画像の解像度および/またはフレームレートを含む。
この発明に従う画像処理装置(図1の10参照)は、移動体(図2の100参照)に設けられて斜め下方向の被写界を捉える複数のカメラ(図1のC_1〜C_4参照)から繰り返し出力される被写界像を鳥瞰画像に変換する変換手段(図1の12参照)、複数のカメラから出力される被写界像の位相関係を変換手段の負荷が最大となる位相関係に設定する設定手段(図15のS61参照)、および変換手段の負荷が基準を上回るか否かを設定手段の設定処理に関連して繰り返し判別する判別手段(図15〜図16のS21〜S27参照)を備え、変換手段の負荷が計測期間において常に負荷を超えないと判断される場合に変換手段の変換特性を確定する。
このように、複数のカメラから出力される被写界像の位相関係は変換手段の負荷が最大となる位相関係に設定され、変換手段の負荷はこのような位相設定処理と並列して繰り返し判別される。変換手段の変換特性は、既定期間が経過する前に変換手段の負荷が基準を上回ったとき、別の変換特性に変更される。変換手段の負荷が基準を上回ることなく既定期間が経過すると、変換特性が確定される。これによって、鳥瞰画像の再現性がそれぞれの移動体の表示画面毎に適正化される。
この発明によれば、複数のカメラから出力される被写界像の位相関係は、繰り返し変更されるか、或いは変換手段の負荷が最大となる位相関係に設定される。変換手段の負荷はこのような位相変更処理または位相設定処理に関連して繰り返し判別される。変換手段の変換特性は、既定期間が経過する前に変換手段の負荷が基準を上回ったとき、別の変換特性に変更される。変換手段の負荷が基準を上回ることなく既定期間が経過すると、変換特性が確定される。これによって、鳥瞰画像の再現性がそれぞれの移動体の表示画面毎に適正化される。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1に示すこの実施例の操縦支援装置(画像処理装置)10は、4個のカメラC_1〜C_4を含む。カメラC_1は水平同期信号Hsync_1および垂直同期信号Vsync_1に応答して被写界像P_1を繰り返し生成し、カメラC_2は水平同期信号Hsync_2および垂直同期信号Vsync_2に応答して被写界像P_2を繰り返し生成する。また、カメラC_3は水平同期信号Hsync_3および垂直同期信号Vsync_3に応答して被写界像P_3を繰り返し生成し、カメラC_4は水平同期信号Hsync_4および垂直同期信号Vsync_4に応答して被写界像P_4を繰り返し生成する。
被写界像P_1は水平同期信号Hsync_1および垂直同期信号Vsync_1とともにメモリ制御回路12に与えられ、被写界像P_2は水平同期信号Hsync_2および垂直同期信号Vsync_2とともにメモリ制御回路12に与えられる。また、被写界像P_3は水平同期信号Hsync_3および垂直同期信号Vsync_3とともにメモリ制御回路12に与えられ、被写界像P_4は水平同期信号Hsync_4および垂直同期信号Vsync_4とともにメモリ制御回路12に与えられる。
メモリ制御回路12は、水平同期信号Hsync_1および垂直同期信号Vsync_1に応答して被写界像P_1をSDRAM14のメモリエリアF_1に書き込み、水平同期信号Hsync_2および垂直同期信号Vsync_2に応答して被写界像P_2をSDRAM14のメモリエリアF_2に書き込む。メモリ制御回路12はまた、水平同期信号Hsync_3および垂直同期信号Vsync_3に応答して被写界像P_3をSDRAM14のメモリエリアF_3に書き込み、水平同期信号Hsync_4および垂直同期信号Vsync_4に応答して被写界像P_4をSDRAM14のメモリエリアF_4に書き込む。
図2(A)〜図2(D)を参照して、操縦支援装置10は、地面を走行する自動車100に搭載される。具体的には、カメラC_1は、自動車100の前方斜め下を向く姿勢で、自動車100の前部のほぼ中央に設置される。カメラC_2は、自動車100の右斜め下を向く姿勢で、自動車100の右側の幅方向ほぼ中央でかつ高さ方向上側に設置される。カメラC_3は、自動車100の後方斜め下を向く姿勢で、自動車100の後部の幅方向ほぼ中央でかつ高さ方向上側に設置される。カメラC_4は、自動車100の左斜め下を向く姿勢で、自動車100の左側の幅方向ほぼ中央でかつ高さ方向上側に設置される。
自動車100とその周辺の地面とを鳥瞰した状態を図3に示す。図3によれば、カメラC_1は自動車100の前方を捉える視野VW_1を有し、カメラC_2は自動車100の右方向を捉える視野VW_2を有し、カメラC_3は自動車100の後方を捉える視野VW_3を有し、そしてカメラC_4は自動車100の左方向を捉える視野VW_4を有する。また、視野VW_1およびVW_2は共通視野VW_12を有し、視野VW_2およびVW_3は共通視野VW_23を有し、視野VW_3およびVW_4は共通視野VW_34を有し、そして視野VW_4およびVW_1は共通視野VW_41を有する。
図1に戻って、メモリ制御回路12に設けられたルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3は、互いに異なる変換特性を有する。つまり、ルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3は被写界像P_1〜P_4を後述する鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4に変換するために(カメラC_1〜C_4が同一機種である場合は)共通の歪み補正曲線を有するものの、鳥瞰画像BEV_1〜BEV_1〜BEV_4の解像度はルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3の間で相違する。したがって、メモリ制御回路12の負荷は、ルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3のいずれを参照するかによって異なる。
より具体的には、ルックアップテーブルLUT_1を参照して作成された鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4は高解像度を有し、ルックアップテーブルLUT_2を参照して作成された鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4は中解像度を有し、そしてルックアップテーブルLUT_3を参照して作成された鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4は低解像度を有する。この結果、メモリ制御回路12の負荷は、ルックアップテーブルLUT_1を参照する場合に最大となり、ルックアップテーブルLUT_3を参照する場合に最低となる。
なお、ここでは説明を簡単にするため解像度が高い場合にメモリ負荷が大となるようにしているが、実際は、歪補正および鳥瞰変換を行った場合のメモリ負荷は入力画像の読み出しのランダム性に依存する。即ち、SDRAMのバースト読み出しを有効に利用できないランダム読み出しが多い表示画像(LUT)ほどメモリ負荷が最大となる。このメモリ負荷の大小の判定は容易には判定できないため、以下では、簡単のため、解像度が高い場合にメモリ負荷が大として説明する。
なお、ルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3の歪み補正曲線は、カメラC_1〜C_4を自動車100に装着した後のキャリブレーション作業によって調整される。
電源が投入されたとき、CPU20は、制御プログラムに従い決定されレジスタRGSTに指定登録されるLUT識別子に対応するルックアップテーブルを参照LUTとして選択する。出荷段階では、ルックアップテーブルLUT_1を識別するLUT識別子がレジスタRGSTに登録される。後述する初期化操作が行われると、自動車100に適するルックアップテーブルがルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3の中から特定される。レジスタRGSTに登録されたLUT識別子は、特定されたルックアップテーブルのLUT識別子によって更新される。
メモリ制御回路12は、参照LUTを利用して、メモリエリアF_1に格納された被写界像P_1の一部を鳥瞰画像BEV_1に変換し、メモリエリアF_2に格納された被写界像P_2の一部を鳥瞰画像BEV_2に変換し、メモリエリアF_3に格納された被写界像P_3の一部を鳥瞰画像BEV_3に変換し、そしてメモリエリアF_4に格納された被写界像P_4の一部を鳥瞰画像BEV_4に変換する。
図4を参照して、鳥瞰画像BEV_1は視野VW_1の一部を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当し、鳥瞰画像BEV_2は視野VW_2の一部を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当する。また、鳥瞰画像BEV_3は視野VW_3の一部を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当し、鳥瞰画像BEV_4は視野VW_4の一部を鉛直方向に見下ろす仮想カメラによって捉えられた画像に相当する。
こうして変換された鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4は、バッファ16に一旦格納された後、自動車100の運転席に設置された表示装置18に与えられる。表示装置18は、与えられた鳥瞰画像BEV_1〜BEV4をモニタ画面に表示し、かつ自動車100の上部を模したグラフィック画像G1を表示画像に多重する。この結果、図6に示す操縦支援画像が完成する。上述のように、モニタ画面に表示された操縦支援画像の解像度は、ルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3のいずれが参照LUTとされたかによって相違する。
メモリ制御回路12は、図6に示すように構成される。書き込みアドレス生成回路32aは、カメラC_1から与えられた水平同期信号Hsync_1および垂直同期信号Vsync_1に基づいて書き込みアドレスを生成し、生成された書き込みアドレスを調停回路34に与える。調停回路34は、カメラC_1から出力された被写界像P_1を、書き込みアドレス生成回路32aから与えられた書き込みアドレスを参照してメモリエリアF_1に書き込む。
書き込みアドレス生成回路32bは、カメラC_2から与えられた水平同期信号Hsync_2および垂直同期信号Vsync_2に基づいて書き込みアドレスを生成し、生成された書き込みアドレスを調停回路34に与える。調停回路34は、カメラC_2から出力された被写界像P_2を、書き込みアドレス生成回路32bから与えられた書き込みアドレスを参照してメモリエリアF_2に書き込む。
書き込みアドレス生成回路32cは、カメラC_3から与えられた水平同期信号Hsync_3および垂直同期信号Vsync_3に基づいて書き込みアドレスを生成し、生成された書き込みアドレスを調停回路34に与える。調停回路34は、カメラC_3から出力された被写界像P_3を、書き込みアドレス生成回路32cから与えられた書き込みアドレスを参照してメモリエリアF_3に書き込む。
書き込みアドレス生成回路32dは、カメラC_4から与えられた水平同期信号Hsync_4および垂直同期信号Vsync_4に基づいて書き込みアドレスを生成し、生成された書き込みアドレスを調停回路34に与える。調停回路34は、カメラC_4から出力された被写界像P_4を、書き込みアドレス生成回路32dから与えられた書き込みアドレスを参照してメモリエリアF_4に書き込む。
画像変換回路36に設けられた表示アドレス生成回路38は、回路内で生成する水平同期信号Hsync_5および垂直同期信号Vsync_5に基づいて、表示アドレスを生成する。読み出しアドレス生成回路40は、ルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3の1つを参照LUTとしてみなし、表示アドレス生成回路38から出力される参照LUT読み出しアドレスで指定されるアドレスを参照LUTから読み出し、この参照LUTから読み出したSDRAM14に対する読み出しアドレスを調停回路34に与える。
調停回路34は、与えられた読み出しアドレスを参照してメモリエリアF_1〜F_4から被写界像P_1〜P_4の一部を読み出す。これによって、被写界像P_1〜P_4が鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4に変換される。変換された鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4は、バッファ16に向けて出力される。
カメラC_1〜C_4からSDRAM14へのアクセス動作ならびに表示装置16からSDRAM14へのアクセス動作は、調停回路34によって選択的に実行される。したがって、メモリ制御回路12の負荷は、カメラC_1〜C_4から出力される被写界像P_1〜P_4の位相関係,被写界像P_1〜P_4を鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4に変換するときの変換特性,カメラC_1〜C_4の設置状況つまり被写界像P_1〜P_4の歪みの程度などによって相違する。そして、メモリ制御回路12の負荷の増大は、操縦支援画像の再現性の低下を引き起こす。このように、カメラの種類、カメラ設置位置や表示する変換画像が変わるとメモリ制御回路の負荷が変化する。また、非同期カメラを使用する場合は、各カメラ間の入力映像の同期の位相が常に変動するため、これに合わせてメモリ制御回路の負荷も変動する。
そこで、この実施例では、互いに異なる変換特性を有するルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3を準備するとともに、図7に示す起動タイミングテーブルTBLを準備し、キー入力装置20によって初期設定操作を受け付けたときに以下に述べる要領で参照LUTを確定するようにしている。
まずルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3のいずれか1つを選択すべき旨の命令が読み出しアドレス生成回路38に与えられる。読み出しアドレス生成回路38は、所望のルックアップテーブルを参照LUTとして決定し、参照LUTを利用して表示アドレスに対応する読み出しアドレスを生成する。
続いて、図7に示す起動タイミングテーブルTBLを形成する複数のカラムのいずれか1つが指定される。図7によれば、起動タイミングテーブルはタイミング情報ACT_2〜ACT_4が各々に記述されたPmax個のカラムを有する。タイミング情報ACT_2は、カメラC_1を起動してからカメラC_2を起動するまでの時間差(=+α1,+α2,+α3,…+αmax)を示す。タイミング情報ACT_3は、カメラC_1を起動してからカメラC_3を起動するまでの時間差(=+β1,+β2,+β3,…+βmax)を示す。タイミング情報ACT_4は、カメラC_1を起動してからカメラC_4を起動するまでの時間差(=+γ1,+γ2,+γ3,…+γmax)を示す。
カラム指定が完了すると、カメラC_1〜C_4が一旦停止され、その後にカメラC_1が速やかに起動される。カメラC_2は指定カラムのタイミング情報ACT_2に従うタイミングで起動され、カメラC_3は指定カラムのタイミング情報ACT_3に従うタイミングで起動され、そしてカメラC_4は指定カラムのタイミング情報ACT_4に従うタイミングで起動される。このようなカメラC_1〜C_4の再起動によって、カメラC_1〜C_4から出力される被写界像P_1〜P_4の位相関係が指定カラムに対応する位相関係に調整される。
たとえば、PTN=1に対応するカラムが指定されたときは図8(A)に示す垂直同期信号Vsync_1〜Vsync_4に対応する位相関係が確立され、PTN=2に対応するカラムが指定されたときは図8(B)に示す垂直同期信号Vsync_1〜Vsync_4に対応する位相関係が確立され、そしてPTN=3に対応するカラムが指定されたときは図8(C)に示す垂直同期信号Vsync_1〜Vsync_4に対応する位相関係が確立される。なお、メモリ制御回路12の負荷は、垂直同期信号Vsync_1〜Csync_4の位相が完全に一致したときに最大となる場合が多い。
位相関係の調整が完了すると、タイマTM1およびタイマTM2のリセット&スタートを実行する。タイマTM1は時間T1の測定を開始し、タイマTM2は時間T2の測定を開始する。ここで、時間T1は時間T2よりも長く、好ましくは時間T1は時間T2の整数倍に相当する。
図9を参照して、タイマTM2にタイムアウトが発生すると、バッファ16に残存する鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4のデータ量を参照してメモリ制御回路12の負荷が算出され、算出された負荷の大きさが判別される。算出された負荷の大きさが基準値REF以下であれば、タイマTM1にタイムアウトが発生しない限り、タイマTM2のリセット&スタートが実行され、時間T2が経過する毎にメモリ制御回路12の負荷が判別される。
タイマTM1にタイムアウトが発生するまでメモリ制御回路12の負荷が基準値REF以下を維持すれば、起動タイミングテーブルTBLを形成する他のカラムが指定される。カメラC_1〜C_4は新たに指定されたカラムに記述されたタイミング情報ACT_2〜ACT_4に従うタイミングで再起動され、これによってカメラC_1〜C_4から出力される被写界像P_1〜P_4の位相関係が変更される。上述したメモリ制御回路12の負荷判別は、変更後の位相関係に対応して時間T2毎に実行される。
起動タイミングテーブルTBL上のいずれかのカラムに対応して、メモリ制御回路12の負荷の大きさが基準値REFを上回ると、現時点の参照LUTは自動車100に適しないとみなされ、参照LUTが他のルックアップテーブルに変更される。上述したメモリ制御回路12の負荷判別は、変更後の参照LUTに対応して改めて実行される。
メモリ制御回路12の負荷の大きさが“T1*Pmax”に相当する期間にわたって基準値REF以下であれば、現時点の参照LUTが自動車100に適するルックアップテーブルとみなされ、現時点の参照LUTを識別するLUT識別子がレジスタRGSTに登録される。
このように、カメラC_1〜C_4から出力される被写界像P_1〜P_4の位相関係は繰り返し変更され、メモリ制御回路12の負荷はこのような位相変更処理と並列して繰り返し判別される。参照LUTは、“T1*Pmax”に相当する期間が経過する前にメモリ制御回路12の負荷が基準値REFを上回ったとき、別のルックアップテーブルに変更される。メモリ制御回路12の負荷が基準値REFを上回ることなく“T1*Pmax”に相当する期間が経過すると、参照LUTが確定される。これによって、操縦支援画像の再現性が自動車100毎に適正化される。
CPU20は、具体的には図10〜図13に示す画像再現処理を含む複数の処理を実行する。なお、これらの処理に対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ24に記憶される。
図10を参照して、ステップS1では、レジスタRGSTに登録されたLUT識別子を検出し、検出されたLUT識別子に対応するルックアップテーブルの選択を読み出しアドレス生成回路38に命令する。読み出しアドレス生成回路38は、所望のルックアップテーブルを参照LUTとし、参照LUTを利用して表示アドレスを読み出しアドレスに変換する。ステップS3ではカメラC_1〜C_4を起動し、ステップS5では表示装置18を起動する。
この結果、被写界像P_1〜P_4がカメラC_1〜C_4からそれぞれ出力され、出力された被写界像P_1〜P_4がメモリ制御回路12によって鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4に変換される。表示装置18には、変換された鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4に基づく操縦支援画像が表示される。キー入力装置22上で初期設定操作が行われると、ステップS7でYESと判別し、ステップS9でLUT確定処理を実行する。LUT確定処理が完了すると、ステップS7に戻る。
ステップS9のLUT確定処理は、図11〜図13に示すサブルーチンに従って実行される。まずステップS11で変数Tを“1”に設定し、ステップS13でルックアップテーブルLUT_Tの選択を読み出しアドレス生成回路38に命令する。読み出しアドレス生成回路38は、所望のルックアップテーブルを参照LUTとして利用し、表示アドレスを読み出しアドレスに変換する。
ステップS15では変数PTNを“1”に設定し、ステップS17では位相設定処理を実行する。カメラC_1〜C_4から出力される被写界像P_1〜P_4の位相関係は、変数PTNに対応する位相関係に調整される。位相関係の調整が完了すると、ステップS19でタイマTM1のリセット&スタートを実行し、さらにステップS21でタイマTM2のリセット&スタートを実行する。タイマTM1は時間T1の測定を開始し、タイマTM2は時間T2の測定を開始する。
タイマTM2にタイムアウトが発生すると、ステップS23からステップS25に進み、バッファ16に残存する鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4のデータ量を参照してメモリ制御回路12の負荷を算出する。ステップS27では、算出された負荷の大きさが基準値REFを上回るか否かを判別し、NOであればステップS29に進む一方、YESであればステップS37に進む。
ステップS29ではタイマTM1にタイムアウトが発生したか否かを判別し、ステップS31では変数PTNが最大値Pmaxに達したか否かを判別する。ステップS29でNOであれば、ステップS21に戻る。ステップS29でYESである一方、ステップS31でNOであれば、ステップS33で変数PTNをインクリメントしてからステップS17に戻る。ステップS29およびS31のいずれもYESであれば、ステップS35に進み、ルックアップテーブルLUT_Tの識別子をレジスタRGST1に登録する。こうして参照LUTが確定すると、上階層のルーチンに復帰する。
ステップS37では変数Tをインクリメントし、ステップS39ではインクリメントされた変数Tが所定値Tthを上回るか否かを判別する。所定値Tthは、負荷の基準値REFの設定レベルにもよるが、負荷の基準値REFが一度でも基準値REFを上回ると映像に乱れが生じるような設定にした場合はTthを“0”とする。ここでNOであればステップS13に戻る一方、YESであればステップS41でエラー処理を実行してから上階層のルーチンに復帰する。
図11に示すステップS17の位相設定処理は、図13に示すサブルーチンに従って実行される。まずステップS51でカメラC_1〜C_4を停止し、ステップS53でカメラC_1を起動する。ステップS55では、起動タイミングテーブルTBLのPTN番目のカラムに記述されたタイミング情報ACT_2に従うタイミングでカメラC_2を起動する。ステップS57では、起動タイミングテーブルTBLのPTN番目のカラムに記述されたタイミング情報ACT_3に従うタイミングでカメラC_3を起動する。ステップS59では、起動タイミングテーブルTBLのPTN番目のカラムに記述されたタイミング情報ACT_4に従うタイミングでカメラC_4を起動する。ステップS59の処理が完了すると、上階層のルーチンに復帰する。
以上の説明から分かるように、カメラC_1〜C_4は、自動車100(移動体)に設けられて斜め下方向の被写界を捉える。メモリ制御回路12は、カメラC_1〜C_4から繰り返し出力される被写界像P_1〜P_4を、SDRAM14を利用して鳥瞰画像BEV_1〜BEV4に変換する。CPU20は、カメラC_1〜C_4から出力される被写界像P_1〜P_4の位相関係を繰り返し変更し(S15, S17, S33)、メモリ制御回路12の負荷が基準値REFを上回るか否かを位相変更処理と並列して繰り返し判別する(S21~S27)。判別結果が否定的な結果から肯定的な結果に更新されると、参照LUTつまりメモリ制御回路12の変換特性がCPU20によって変更される(S37)。判別結果が否定的な結果から肯定的な結果に更新されることなく既定期間(=T1*Pmax)が経過すると、参照LUTがCPU20によって確定される(S35)。
このように、カメラC_1〜C_4から出力される被写界像P_1〜P_4の位相関係は繰り返し変更され、メモリ制御回路12の負荷はこのような位相変更処理と並列して繰り返し判別される。参照LUTは、既定期間が経過する前にメモリ制御回路12の負荷が基準値REFを上回ったとき、別のルックアップテーブルに変更される。メモリ制御回路12の負荷が基準値REFを上回ることなく既定期間が経過すると、参照LUTが確定される。これによって、鳥瞰画像の再現性が自動車100毎に適正化される。
なお、この実施例では、メモリ制御回路12にルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3を設けるようにしているが(図6参照)、ルックアップテーブルLUT_1〜LUT_3はSDRAM14に格納するようにしてもよい。この場合、メモリ制御回路12は、好ましくは、図14に示すように構成される。
図14を参照して、LUT読み出しアドレス生成回路40は、表示アドレス生成回路36によって生成された表示アドレスに対応するLUTアドレスを生成する。調停回路34は、参照LUTを形成するLUTデータのうち生成されたLUTアドレスに対応する一部のLUTデータをSDRAM14から読み出し、読み出された一部のLUTデータを読み出しアドレス生成回路38に与える。読み出しアドレス生成回路38は、調停回路38から与えられたLUTデータを参照して、表示アドレスに対応する読み出しアドレスを生成する。調停回路34は、生成された読み出しアドレスを参照して、メモリエリアF_1〜F_4に格納された被写界像P_1〜P_4の一部を読み出す。
また、この実施例では、被写界像P_1〜P_4の位相関係を繰り返し変更するようにしているが(図11〜図12のステップS15,S17,S33参照)、メモリ制御回路12の負荷が最大となる位相関係に対応するタイミング情報ACT_2〜ACT_4を出荷段階でフラッシュメモリ24に保存しておき、このタイミング情報ACT_2〜ACT_4に対応する位相関係でメモリ制御回路12の負荷を判別するようにしてもよい。この場合、好ましくは、図11〜図13に示すLUT確定処理に代えて図15〜図17に示すLUT確定処理が実行される。
ただし、図15〜図16に示す処理は、図11に示すステップS15の処理および図12に示すステップS31〜S33の処理が省略される点、およびステップS61の位相設定処理において図17に示すサブルーチンにジャンプする点を除き、図11〜図13に示す処理と同じである。
また、図17に示す処理は、ステップS71においてフラッシュメモリ24に保存されたタイミング情報ACT_2に従うタイミングでカメラC_2を起動し、ステップS73においてフラッシュメモリ24に保存されたタイミング情報ACT_3に従うタイミングでカメラC_3を起動し、ステップS75においてフラッシュメモリ24に保存されたタイミング情報ACT_4に従うタイミングでカメラC_4を起動する点を除き、図13に示す処理と同じである。
さらに、この実施例では、メモリ制御回路12の画像変換特性を変更するにあたって鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4の解像度に注目したが、解像度に代えて或いは解像度とともに鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4のレイアウトに注目してもよい。すなわち、鳥瞰画像BEV_1〜BEV_4の画面上の表示範囲を小さくするなどのレイアウト変更を施し、SDRAMからなるべくランダムアクセスを伴う画像の読み出しを少なくするように変更してもよい。
10 …操縦支援装置
C_1〜C_4 …カメラ
12 …メモリ制御回路
14 …SDRAM
18 …表示装置
20 …CPU
24 …フラッシュメモリ
100 …自動車
C_1〜C_4 …カメラ
12 …メモリ制御回路
14 …SDRAM
18 …表示装置
20 …CPU
24 …フラッシュメモリ
100 …自動車
Claims (7)
- 移動体に設けられて斜め下方向の被写界を捉える複数のカメラから繰り返し出力される被写界像を鳥瞰画像に変換する変換手段、
前記複数のカメラから出力される被写界像の位相関係を繰り返し変更する位相変更手段、
前記変換手段の負荷が基準を上回るか否かを前記位相変更手段の変更処理と並列して繰り返し判別する判別手段、
前記判別手段の判別結果が否定的な結果から肯定的な結果に更新されたとき前記変換手段の変換特性を変更する特性変更手段、および
前記判別手段の判別結果が否定的な結果から肯定的な結果に更新されることなく既定期間が経過したとき前記変換手段の変換特性を確定させる確定手段を備える、画像処理装置。 - 前記位相変更手段は第1周期で位相変更処理を実行し、
前記判別手段は前記第1周期よりも短い第2周期で判別処理を実行し、
前記既定期間は前記第1周期に相当する期間よりも長い、請求項1記載の画像処理装置。 - 前記変換手段は前記複数のカメラから出力された被写界像をメモリに書き込む書き込み手段を含み、
前記変換手段および前記判別手段はそれぞれ前記書込み手段によって前記メモリに格納された被写界像に注目して変換処理および判別処理を実行する、請求項1または2記載の画像処理装置。 - 前記位相変更手段は、前記複数のカメラを停止する停止手段、および前記複数のカメラを互いに異なるタイミングで起動する起動手段を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記変換手段によって変換された鳥瞰画像を前記移動体の操作者に向けて表示する表示手段をさらに備える、請求項1ないし4のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記変換手段の変換特性を定義するパラメータは前記鳥瞰画像の解像度および/またはフレームレートを含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置。
- 移動体に設けられて斜め下方向の被写界を捉える複数のカメラから繰り返し出力される被写界像を鳥瞰画像に変換する変換手段、
前記複数のカメラから出力される被写界像の位相関係を前記変換手段の負荷が最大となる位相関係に設定する設定手段、および
前記変換手段の負荷が基準を上回るか否かを前記設定手段の設定処理に関連して繰り返し判別する判別手段を備え、
前記変換手段の負荷が計測期間において常に負荷を超えないと判断される場合に前記変換手段の変換特性を確定する、画像処理装置。
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JP2009012725A JP2010171766A (ja) | 2009-01-23 | 2009-01-23 | 画像処理装置 |
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WO2015132979A1 (ja) * | 2014-03-03 | 2015-09-11 | Smk株式会社 | 画像処理システム |
-
2009
- 2009-01-23 JP JP2009012725A patent/JP2010171766A/ja not_active Withdrawn
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WO2015132979A1 (ja) * | 2014-03-03 | 2015-09-11 | Smk株式会社 | 画像処理システム |
JP2015165628A (ja) * | 2014-03-03 | 2015-09-17 | Smk株式会社 | 画像処理システム |
US10178307B2 (en) | 2014-03-03 | 2019-01-08 | Smk Corporation | Image processing system |
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