JP2010169531A - 電力量計および接続状態確認方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力量を計量させることなく、安全かつ容易に電力量計の接続状態の確認をおこなうこと。
【解決手段】電源に接続される第1の端子1S、2S、3Sと負荷に接続される第2の端子1L、2L、3Lとの間に設けられ、電源から負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量部301と、第1の端子1S、2S、3Sと計量部301との間に設けられ、第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断可能に接続するブレーカー部400(第1のブレーカー部410)と、を備えた電力量計100とした。
【選択図】図4

Description

この発明は、接続された負荷に供給された電力量を計量する電力量計および当該電力量計の接続状態確認方法に関する。
電力量計は、電力量計を通過した電力の量を計量する電気計器であって、メーターなどと称されている。電力量計は、当該電力量計を通過した電力P[W]を時間t[h]の単位で積算することによって、電力量[Wh](=電力P[W]×時間t[h])を計量している。一般家庭においては、交流電力のうち有効電力を積算して計量する電力量計、いわゆる誘導型(機械式)電力量計が設置されていることが多い。有効電力は、たとえば家電製品の稼働などの負荷によって実際に消費した電力であり、電力料金請求の対象量とされている。
誘導型電力量計(以下「電力量計」という)は、電力量計の筐体内部に、電力の使用にともなって回転する円盤を備えている。このような電力量計が備える円盤は、同時に使用する電力の大きさによって回転速度が速くなったり遅くなったりする。電力量計は、電気の使用量(kWh)を示す文字盤を備えている。この文字盤には、円盤の回転数にしたがって積算された電力量が示される。
従来、電力量計の設置に際しては、家屋の壁などの所定の位置に電力量計を取り付け、取り付けた電力量計を引込線および屋内配線のそれぞれと接続する。そして、接続後の電力量計における円盤の回転方向を視認することによって、電力量計の接続方向が正しく、電力量計が正しく動作しているかどうかを確認していた。
また、従来、電力量計の設置対象となる家屋が建築中の新築家屋である場合など、電力量計を設置したにもかかわらず当該電力量計を通過した電力を使用する負荷となる設備がない場合は、負荷試験器を用いて模擬的に負荷を発生させ、電力量計に電流を流すことによって、電力量計が正しく動作しているかどうかを確認していた。
電力量計においては、電力量計に負荷試験器を接続するための試験用の端子が並列して設けられているものがあった。このような電力量計を設置する場合、当該電力量計が正しく動作しているかどうかの確認作業に際して、並列して設けられている試験用の端子のそれぞれに、負荷試験器におけるプラス側およびマイナス側の2つの端子を接触させる。これによって、負荷試験器を介して試験用の端子どうしが電気的に接続され、負荷試験器に電気を通して負荷を発生させることができる。
負荷試験器においては、試験用の端子に接続する端子にワニ口クリップが設けられているものがあり、このような負荷試験器を電力量計の接続状態を確認する接続状態確認作業に際して用いる場合は、試験用の端子をワニ口クリップで挟むことによって負荷試験器に電気を通し、負荷を発生させるようにしていた。
特開2007−333446号公報
しかしながら、上述した従来の技術のように、電力量計を設置した場所に当該電力量計を通過した電力を使用する負荷となる設備がないために、負荷試験器を用いて模擬的に負荷を発生させるために使用した電力の料金は、電力量計を設置した電力会社などの業者側の負担ではなく、電力量計が設置された施設側すなわち電力会社などの業者にとってのお客様の負担となる。従来、電力量計の設置に際しては、お客様に対して、当該お客様が使用していない電力料金を負担させることになってしまっているのが現状であった。
また、電力量計においては、電力量計に負荷試験器を接続する試験用の端子どうしの間隔が狭い。このような電力量計を、たとえば家屋の裏側や隣接する家屋との間などのように狭い場所に設置する場合、接続状態確認作業に際しての良好な作業環境を確保することが難しいことがある。このような場合、接続状態確認作業に際して、作業者は、狭い作業環境に手を差し入れるなどの無理な体勢を取らざるをえない。そして、作業者が無理な体勢で作業をおこなうことにより、負荷試験器の端子をワニ口クリップで挟む際に誤って1度に複数の端子接触し、試験用の端子どうしが短絡してしまう危惧があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、電力量を計量させることなく、安全かつ容易に電力量計の接続状態の確認をおこなうことができる電力量計および当該電力量計の接続状態確認方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる電力量計は、電源に接続される第1の端子と負荷に接続される第2の端子との間に設けられ、前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量部と、前記第1の端子と前記計量部との間に設けられ、前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断可能に接続するブレーカー部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、電力量計が正しく接続されている状態で、ブレーカー部によって第1の端子および計量部を電気的に遮断した場合、第1の端子が充電状態となり、第2の端子が非充電状態となる。このため、第1の端子および第2の端子のそれぞれに対する検電をおこなうことによって電力量計の接続状態を確認することができるので、計量部に対して電力を供給することなく、すなわち電力量を計量させることなく電力量計の接続状態を確認することができる。
また、この発明によれば、電力量計の接続状態の確認作業に際しては、汎用的な検電器を用いて第1の端子および第2の端子のそれぞれに対する検電をおこなうことによって電力量計の接続状態を確認することができるので、接続方向の確認作業の容易化を図ることができる。
また、この発明によれば、ブレーカー部によって第1の端子および計量部を電気的に遮断した状態で、第1の端子および第2の端子に対する検電をそれぞれ個別におこなうことにより、電力量計の接続状態を確認することができるので、端子間における短絡および端子間における短絡を原因とする事故の発生をなくし、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる電力量計は、上記の発明において、前記計量部が、金属材料を用いて円板形状に形成され、円板形状の中心に設けられた回動軸を回動中心として回動可能に設けられた回転円盤部材と、前記回転円盤部材の一面側に設けられて、磁心が回転円盤部材の回動中心に一致するように配置された電圧コイルと、前記回転円盤部材の他面側に設けられて、磁心が前記回転円盤部材の回動中心に一致するように配置された電流コイルと、を備え、供給された電力量にしたがって回転する前記回転円盤部材の回転量に基づいて電力量の積算値を計量することを特徴とする。
このように、電力量計が誘導型電力量計である場合は、ブレーカー部によって第1の端子と計量部とを電気的に遮断した状態においては、第1の端子が充電状態となり、第2の端子が非充電状態となる。
この発明によれば、汎用的な誘導型電力量計における計量部と端子部との間に、ブレーカー部を設けることによって、電力量を計量させることなく電力量計の接続状態を確認することができ、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図り、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図ることができる電力量計を、既存の誘導型電力量計の構成を大きく変更することなく実現することができる。
また、この発明にかかる電力量計は、上記の発明において、表示画面を有し、当該表示画面を制御して前記計量部が計量した電力量の積算値に関する情報を表示する表示部を備え、前記計量部が、供給された電力における電圧レベルおよび電流レベルを、前記第1の端子および前記第2の端子間に構成される電子回路の電圧レベルおよび電流レベルに変換する入力変換部と、前記入力変換部によって変換された電圧レベルおよび電流レベルに基づいた乗算処理によって、供給された電力量に比例したパルス信号を生成する乗算処理部と、前記乗算処理部が生成したパルス信号のクロック周波数を当該クロック周波数よりも低い所定のクロック周波数に変換する分周回路部と、前記分周回路部が前記所定のクロック周波数に変換したパルス信号に基づく積分処理をおこなって電力量の積算値を計量することを特徴とする。
このように、電力量計が電子式電力量計である場合は、第2の端子に負荷を接続せずブレーカー部によって第1の端子と計量部とを電気的に接続した状態において、電力量の積算値に関する情報として「無計量」であることを示す情報が表示画面に表示され、ブレーカー部によって第1の端子と計量部とを電気的に遮断して計量部に対する電力の供給を停止した場合、電力量の積算値に関する情報として「停電」であることを示す情報が表示画面に表示される。
この発明によれば、汎用的な電子式電力量計における計量部と端子部との間に、ブレーカー部を設けることによって、電力量を計量させることなく電力量計の接続状態を確認することができ、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図り、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図ることができる電力量計を、既存の電子式電力量計の構成を大きく変更することなく実現することができる。
また、この発明によれば、電圧変動、電流変動、周波数変動の影響を受けず、設置された電力量計の傾斜角度にかかわらず電力量を計量できる電子式電力量計の利点を維持した状態で、電力量を計量させることなく電力量計の接続状態を確認することができ、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図り、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図ることができる電力量計を、既存の電子式電力量計の構成を大きく変更することなく実現することができる。
また、この発明にかかる電力量計は、上記の発明において、前記ブレーカー部が、前記第1の端子および前記計量部を電気的に接続する位置と、前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断する位置と、に選択的に位置付けられるレバー部材を備え、前記レバー部材が、当該レバー部材の動作を規制する規制部材が取り付けられる規制部材取付部を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、規制部材取付部に規制部材を取り付けてレバー部材の動作を規制することにより、電力を遮断する権限のない者が電力の供給を受ける側において、負荷に供給する電力を不正あるいは不用意に遮断することを防止することができる。
また、この発明にかかる電力量計は、上記の発明において、前記ブレーカー部が、前記第1の端子と前記計量部との間に設けられ、前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断可能に接続する第1のブレーカー部と、前記第2の端子と前記計量部との間に設けられ、前記第2の端子および前記計量部を電気的に遮断可能に接続する第2のブレーカー部と、を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、電力を供給する側の都合や、電力の供給を受ける側の都合などに応じて第1のブレーカー部および第2のブレーカー部を操作し、電力の供給状態を適宜変更することができるので、送電停止や接続に際しての作業の容易化を図ることができ、作業者の作業負担を軽減することができる。
また、この発明にかかる電力量計は、上記の発明において、前記第1の端子および前記第2の端子がそれぞれ複数設けられており、前記第1のブレーカー部および前記第2のブレーカー部の少なくとも一方は、前記複数の端子と前記計量部とを一括して電気的に遮断可能に接続することを特徴とする。
この発明によれば、第1の端子と計量部との接続および遮断や、第2の端子と計量部との接続および遮断を、一括しておこなうことができるので、各端子と計量部との電気的な接続や遮断を端子ごとにおこなう場合と比較して接続や遮断に際して作業者にかかる負担を軽減することができる。
また、この発明によれば、たとえば電力の供給状態の変更などに際し、一部の端子と計量部との電気的な接続や遮断をし忘れることを防止し、電力の供給状態を確実に変更することによって、電力量計に対する信頼性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる電力量計は、上記の発明において、前記第2のブレーカー部が、前記負荷を前記電源から切り離す負荷遮断機能を備えたことを特徴とする。
この発明によれば、電力量計において負荷遮断ができるので、契約上使用できる電気の最大容量(契約容量)の変更に際して、電力会社設備とされているブレーカーを電気の供給を受ける側の施設内への設置を不要とすることができ、計量部のみの交換によって対応することができる。
また、この発明によれば、電力量計において負荷遮断ができるので、電力量計に過剰な負荷がかかることによる電力量計の故障を防止することができる。
また、この発明にかかる接続状態確認方法は、電力量計の接続状態を確認する接続状態確認方法であって、電源に接続される第1の端子と負荷に接続される第2の端子との間に設けられ、前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量部と、前記第1の端子と前記計量部との間に設けられ、前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断可能に接続するブレーカー部と、を備えた電力量計を用いて、前記ブレーカー部によって前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断した状態における、前記第1の端子および前記第2の端子における充電状態によって前記電力量計の接続状態を示すことを特徴とする。
この発明によれば、ブレーカー部によって第1の端子および計量部を電気的に遮断した状態における、第1の端子および第2の端子における充電状態によって電力量計の接続状態を示すことにより、電力の供給を受ける側において電力を消費することなく、電力量計の接続状態を容易に確認することができる。すなわち第1の端子および計量部を電気的に遮断するとともに第2の端子の間に負荷を接続した状態において計量部が計量をおこなっている場合は、電力量計の接続方向が誤っていることを容易に判断することができる。
この発明にかかる電力量計および接続状態確認方法によれば、電力量を計量させることなく、安全かつ容易に電力量計の接続状態の確認をおこなうことができるという効果を奏する。
これによって、電力量計の設置に際しての電力の不正使用に対する顧客の不信感を払拭し、電力量計の設置にかかわる業者に対する信頼性の向上を図るとともに、設置された電力量計に対する信頼性の向上を図ることができる。
この発明にかかる実施の形態の電力量計の外観を示す説明図である。 接続端子台の外観構造を示す説明図である。 電力量計の内部結線状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態にかかる電力量計が備えるブレーカー部の構成を示す説明図である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる電力量計および接続状態確認方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(電力量計の外観)
まず、この発明にかかる実施の形態の電力量計の外観について説明する。この発明にかかる実施の形態の電力量計は、誘導型電力量計であってもよいし、電子式電力量計であってもよく、電力量の計量にかかる構成については特に限定するものではない。図1は、この発明にかかる実施の形態の電力量計の外観を示す説明図である。図1においては、この発明にかかる実施の形態の電力量計を、正面側から見た状態における外観を示している。
図1において、この発明にかかる実施の形態の電力量計100は、本体部110と接続端子台120とを備えている。本体部110は、箱状の筐体111を備えている。筐体111の正面側には、電力量計100の内部を確認できる窓部112が設けられている。筐体111の内側には、計量部(図3における符号301を参照)および表示部が設けられている。
計量部は、電力量計100に供給された電力量の積算値を計量する。表示部は、計量部が計量した電力量の積算値に関する情報を表示する。表示部における表示内容は、電力量計100を正面から見た場合に、窓部112を介して電力量計100の外側から視認することができる。計量部の構成は、この発明にかかる実施の形態の電力量計100が、たとえば誘導型電力量計100であるか、電子式電力量計100であるかに応じて異なる。
この発明にかかる実施の形態の電力量計100が、たとえば誘導型電力量計100である場合、計量部は、金属材料を用いて形成された回転円盤部材と、電圧コイルと、電流コイルと、を備える。回転円盤部材は、金属材料を用いて円板形状に形成され、円板形状の中心に設けられた回動軸を回動中心として回動可能に設けられている。
電圧コイルは、回転円盤部材の一面側に設けられて、磁心が円板形状部材の回動中心に一致するように配置されている。電流コイルは、回転円盤部材の他面側に設けられて、磁心が円板形状部材の回動中心に一致するように配置されている。
計量部においては、電力量計100に対して電力が供給されると、電圧コイルに加わる電圧および電流コイルに加わる電流に基づいて、電圧コイルと電流コイルとの間で回転円盤部材を貫くような磁束が発生する。この磁束は、回転円盤部材の回転中心の回りを移動し、この磁束の移動によって回転磁界を発生させる。
回転円盤部材は、この回転磁界を利用して得られる回転トルクによって回転する。誘導型電力量計100における計量部は、回転円盤部材の回転量に基づいて、電力量計100に供給された電力量の積算値を計量する。回転トルクは、電力に比例している。誘導型電力量計100における計量部の構成については、公知の技術であるため説明を省略する。
また、この発明にかかる実施の形態の電力量計100が、たとえば電子式電力量計100である場合、計量部は、電力量計100に対して供給された電力に基づいて、電圧と電流との乗算をおこない、乗算結果を積分することによって電力量計100に供給された電力量の積算値を計量する。電子式電力量計100における計量部は、入力変換部と乗算処理部と分周回路部とを備えている。
入力変換部は、供給された電力における電圧レベルおよび電流レベルを、第1の端子および第2の端子間に構成される電子回路の電圧レベルおよび電流レベルに変換する。乗算処理部は、入力変換部によって変換された電圧レベルおよび電流レベルに基づいた乗算処理によって、供給された電力量に比例したパルス信号を生成する。分周回路部は、乗算処理部が生成したパルス信号のクロック周波数を当該クロック周波数よりも低い所定のクロック周波数に変換する。このような計量部は、分周回路部が所定のクロック周波数に変換したパルス信号に基づく積分処理をおこなって電力量の積算値を計量する。
電子式電力量計100における計量部は、乗算に際して、パルス幅変調をおこなう時分割乗算方式(アナログ乗算)や、ΔΣ・A/D変換乗算方式(デジタル乗算)などの乗算方式を用いて電力量の積算量を計量する。時分割乗算方式(アナログ乗算)およびΔΣ・A/D変換乗算方式(デジタル乗算)、電子式電力量計100における計量部の構成については、公知の各種技術を用いて容易に実現可能であるため説明を省略する。
表示部は、表示画面を備え、当該表示画面を制御して、計量部が計量した電力量の積算値に関する情報を表示する。具体的には、表示部は、計量部が計量した電力量の積算値を示す数値を表示する。表示部は、たとえば0〜9までの数字が振られた、複数桁分のリールを用いて形成される表示画面に、数字によって示す現字形とすることができる。また、表示部は、計量された電力量の積算値を、たとえば指針によって表示する指針形であってもよい。また、表示部は、たとえば液晶ディスプレイなどを用いて表示される0〜9までの複数桁の数字によって、電力量の積算値を示すものであってもよい。
(接続端子台120の外観構造)
つぎに、接続端子台120の外観構造について説明する。図2は、接続端子台120の外観構造を示す説明図である。図2において、接続端子台120は、第1の端子1S、2S、3Sと第2の端子1L、2L、3Lとを備えている。この実施の形態においては、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3L、ともに3つずつ設けられている。
第1の端子1S、2S、3Sは、それぞれ、電源に接続される。電源は電力量計に対する電力の供給元であり、この実施の形態における第1の端子1S、2S、3Sは、発電所ないし送電線に繋がる配電線に接続されている。第2の端子1L、2L、3Lは、それぞれ、負荷に接続される。負荷は、電力量計100を通過した電力を使用する電気機器あるいは電気を使用する設備とすることができる。
第1の端子1S、2S、3Sのそれぞれには、配電線などの電力線をネジ201によって固定することができる。第2の端子1L、2L、3Lのそれぞれには、負荷側に接続された電力線をネジ201によって固定することができる。第1の端子1S、2S、3Sや第2の端子1L、2L、3Lに対する電力線の接続に際しては、ネジ201を回すため、ドライバーなどの工具を用いる。
図2において、符号202は、通信端子を示している。通信端子202は、一定の電力量に達するごとにパルス信号を送信するために設けられた端子であって、通信端子202を設けることにより電力量を遠隔地でも確認することが可能とされている。通信端子202のそれぞれには、通信線をネジ201によって固定することができる。電力量計100における通信端子202および通信端子202を用いた通信方法については、公知の各種技術を用いて容易に実現可能であるため、説明を省略する。
(電力量計100の内部結線状態)
つぎに、電力量計100の内部結線状態について説明する。図3は、電力量計100の内部結線状態を示す説明図である。図3において、電力量計100の内部においては、電力量計100の設置時において電源側とされる第1の端子1S、2S、3Sと、電力量計100の設置時において負荷側とされる第2の端子1L、2L、3Lと、の間に、計量部301が設けられている。
計量部301は、電力量計100を介して負荷側に供給された電力量を計量する。計量部301は、電力量計100が誘導型電力量計であるか電子式電力量計であるかによって計量方法が異なるが、いずれの場合も電力量計100に供給された電力における電圧値および電流値に基づいて電力量を計量することができる。
従来の電力量計の接続状態確認作業に際しては、第2の端子1Lおよび第2の端子2Lに負荷を接続していた。第2の端子1Lと第2の端子2Lとの間隔は、15mm程度とされている。従来の電力量計の接続状態確認作業に際しては、この15mm程度の間隔で隣り合う第2の端子1Lおよび第2の端子2Lに、ドライバーなどの工具を用いて電力線を固定するため、ドライバーによって短絡が生じることが危惧されていた。
短絡した場合、電力量計100が備える回路が誤動作したり、電力量計100が備える回路に設計値を超える大電流が流れたりする。このような場合、電力量計100が備える回路における半導体、抵抗器、コンデンサなどが異常発熱し、焼損することがある。短絡を回避するためには作業者の慎重な作業が不可欠であり、従来の電力量計の設置に際しては、第2の端子1Lおよび第2の端子2Lに負荷を接続する作業にかかる作業者の精神的負担が大きかった。
また、従来の電力量計の接続状態確認作業に際しては、たとえば家屋の裏側や隣接する家屋との間などのように電力量計の設置場所が狭いために、ドライバーなどの工具を電力量計の正面から差し込むことが難しく、斜めあるいは横方向からのぞき込むなどの無理な体勢で作業をおこなうことがあった。
このように無理な体勢で、電力線の端子への接続作業をおこなうことにより、ドライバーなどの工具を介して試験用の端子どうしが短絡してしまう危惧が高まるが、上記のように短絡を回避するためには作業者の慎重な作業に依存するところが大きい。このため、従来の電力量計の設置に際しては、第2の端子1Lおよび第2の端子2Lに負荷を接続する作業にかかる作業者の精神的負担が大きかった。
電力量計を介して負荷に供給される電力は、たとえば電力供給会社と電力量計が設置された施設側との電力供給契約が停止あるいは廃止になった場合に停止する。配電線においては常時電力が流れているため、電力量計を介して電源側と負荷とが電気的に接続されている状態では、電力量計に対して常時電力が供給されることとなる。
該当する施設への電力の供給を停止するためには、電源と負荷との電気的な接続を物理的に遮断する必要がある。従来は、電力供給会社と電力量計が設置された施設側との電力供給契約が停止あるいは廃止になった場合には、第1の端子1S、2S、3Sにおいて電力線を固定しているネジ201を緩めるなどして、電源と負荷との電気的な接続を物理的に遮断している。
電源と負荷との電気的な接続を物理的に遮断する際には、ドライバーなどの工具を用いて該当する端子(第1の端子1S、2S、3S)におけるネジ201を緩める。このため、従来は、短絡を回避するための接続の遮断作業にかかる作業者の精神的負担が大きかった。
この実施の形態の電力量計100は、本体部110と接続端子台120との間に、ブレーカー部(図4における符号400を参照)を備えている。ブレーカー部は、第1の端子1S、2S、3Sと計量部301、および、第2の端子1L、2L、3Lと計量部301とを、電気的に遮断可能に接続する。
(ブレーカー部の構成)
つぎに、ブレーカー部の構成について説明する。図4は、この発明の実施の形態にかかる電力量計100が備えるブレーカー部の構成を示す説明図である。図4において、ブレーカー部400は、本体部110と接続端子台120との間に設けられ、第1のブレーカー部410と、第2のブレーカー部420とを備えている。
第1のブレーカー部410は、第1の端子1S、2S、3Sと計量部301との間に設けられ、第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断可能に接続する。第1の端子1S、2S、3Sのそれぞれと計量部301との間には、それぞれ、スイッチング素子410a、410b、410cが設けられている。各スイッチング素子410a、410b、410cは、それぞれ、第1の端子1S、2S、3Sと計量部301とを電気的に接続する位置、または、第1の端子1S、2S、3Sと計量部301との電気的な接続を遮断する位置、のいずれか一方に選択的に位置付けられる。
各スイッチング素子410a、410b、410cには、第1のレバー部材411が接続されている。第1のレバー部材411は、計量部301に対して、各スイッチング素子410a、410b、410cのすべてを電気的に接続する位置と、各スイッチング素子410a、410b、410cのすべての電気的な接続を遮断する位置と、のいずれか一方に選択的に位置付けられる。
第1のブレーカー部410においては、第1のレバー部材411の1回の操作によって、第1の端子1S、2S、3Sと計量部301との電気的な接続および遮断を一括しておこなうことができる。この実施の形態においては、第1のレバー部材411によってこの発明にかかるレバー部材を実現することができる。
第1のレバー部材411は、規制部材取付部411aが設けられている。規制部材取付部411aは、第1のレバー部材411を貫通するように設けられた孔形状をなしている。規制部材取付部411aには、規制部材としての封印具413が挿入される。封印具413は、たとえば電力量計の筐体111の開閉を規制するために従来用いている既存の封印具を用いることができる。既存の封印具413については公知の技術であるため説明を省略する。
第1のブレーカー部410において、規制部材取付部411aの近傍には、孔414が設けられている。孔414には、規制部材取付部411aに挿入された封印具413が通される。孔414に代えて、リング状の部材であってもよい。規制部材取付部411aおよび孔414に封印具413を通し、封印具413の両端を封印することによって、第1のレバー部材411の動作を規制することができる。
第1のレバー部材411の動作を封印具413によって規制することにより、第1のレバー部材411の操作は、電力供給会社など、第1のレバー部材411の操作が許可された作業者に限定することができ、第1のレバー部材411が不正に操作されることを防止することができる。
第2のブレーカー部420は、第2の端子1L、2L、3Lと計量部301との間に設けられ、第2の端子1L、2L、3Lおよび計量部301を電気的に遮断可能に接続する。第2の端子1L、2L、3Lのそれぞれと計量部301との間には、それぞれ、スイッチング素子420a、420b、420cが設けられている。各スイッチング素子420a、420b、420cは、それぞれ、第2の端子1L、2L、3Lと計量部301とを電気的に接続する位置、または、第2の端子1L、2L、3Lと計量部301との電気的な接続を遮断する位置、のいずれか一方に選択的に位置付けられる。
各スイッチング素子420a、420b、420cには、第2のレバー部材412が接続されている。第2のレバー部材412は、計量部301に対して、各スイッチング素子420a、420b、420cのすべてを電気的に接続する位置と、各スイッチング素子420a、420b、420cのすべての電気的な接続を遮断する位置と、のいずれか一方に選択的に位置付けられる。
第2のブレーカー部420においては、第2のレバー部材412の1回の操作によって、第2の端子1L、2L、3Lと計量部301との電気的な接続および遮断を一括しておこなうことができる。第2のブレーカー部420においては、第2のレバー部材412を、各スイッチング素子420a、420b、420cのすべての電気的な接続を遮断する位置に位置付けることにより、第2の端子1L、2L、3Lに接続された負荷を電源から切り離す負荷遮断機能を実現することができる。
第2のレバー部材412においては、上記の規制部材取付部411aおよび孔414に相当する機構を設けてもよい。この場合、第2のレバー部材412に設けられた規制部材取付部411aおよび孔414に、封印具413を挿入し、第2のレバー部材412の動作を規制することによって、第2のレバー部材412が不用意に操作されることを防止できる。
上記の電力量計100の設置に際しては、電力の供給を受ける施設に電力量計100を取り付け、取り付けた電力量計100の各端子1S、2S、3S、1L、2L、3Lにそれぞれ該当する電力線を固定し、電源と電力量計100および電源と負荷とを電気的に接続する。そして、取り付けた電力量計の接続状態を確認する接続状態確認作業をおこなう。
接続状態確認作業は、まず、第1のブレーカー部410における第1のレバー部材411を、各スイッチング素子410a、410b、410cのすべての電気的な接続を遮断する位置に位置付ける。このとき、第2のブレーカー部420における第2のレバー部材412は、各スイッチング素子420a、420b、420cのすべてを電気的に接続する位置に位置付ける。
つぎに、検電器を用いて、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3Lが、電気を帯びているか否かを判別する、いわゆる充電状態の検電をおこなう。検電器は、検電対象となる部位(この場合は、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3L)が電気を帯びているか否かを判別する行為である検電に用いる電気計測器であって、広く知られている。
この実施の形態の電力量計100の設置に際しての接続状態確認作業は、はく検電器、ネオン式検電器、風車式検電器、電子式検電器、など公知の各種の検電器を用いることができる。近年、検電機能を備えたドライバー状の検電器や筆記具状とされた検電器も存在しており、検電に際してはこれらの検電器を用いてもよい。
はく検電器、ネオン式検電器、風車式検電器などは、原理上、検電器を動作させるための電源は不要であるため、狭い作業環境においておこなう接続状態確認作業に適している。はく検電器、ネオン式検電器、風車式検電器、電子式検電器などの各種の検電器については、公知の技術であるため説明を省略する。
検電に際しては、検電器を用いて充電状態を判断することに加えて、電圧計を用いて充電状態を判断するようにしてもよい。これにより、検電器のみを用いて充電状態を判断する場合と比較して、検電結果に対する信頼性を向上させることができる。検電器のみによって検電をおこなう場合にも、検電作業の事前に、検電器チェッカを利用するなどして検電器が正常に動作することを確認しておくことにより、検電結果に対する信頼性を確保することができる。
電力量計100が正しく接続されている状態で、第1のブレーカー部410によって第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断した場合、第1の端子1S、2S、3Sが充電状態となり、第2の端子1L、2L、3Lが非充電状態となる。このため、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3Lのそれぞれに対する検電をおこなうことによって、電力量計100の接続状態を確認することができる。
検電に際しては、第1のブレーカー部410によって第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301の電気的な接続が遮断されているので、計量部301に対して電力を供給することなく、すなわち電力量を計量させることなく電力量計100の接続状態を確認することができる。
検電作業が完了し、電力量計100が正しく接続されていることを確認した後、ブレーカー部410における第1のレバー部材411を、各スイッチング素子410a、410b、410cのすべてを電気的に接続する位置に位置付ける。これにより、電源と負荷とが電力量計100を介して電気的に接続され、負荷に対して電力を供給することができる。その後、第1のレバー部材411における規制部材取付部411aおよび孔414に封印具413を通し、第1のレバー部材411の動作を封印具413によって封印する。
以上説明したように、この実施の形態の電力量計100は、電源に接続される第1の端子1S、2S、3Sと負荷に接続される第2の端子1L、2L、3Lとの間に設けられ、電源から負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量部301と、第1の端子1S、2S、3Sと計量部301との間に設けられ、第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断可能に接続するブレーカー部400(第1のブレーカー部410)と、を備えたことを特徴としている。
この実施の形態の電力量計100によれば、電力量計100が正しく接続されている状態で、ブレーカー部400(第1のブレーカー部410)によって第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断した場合、第1の端子1S、2S、3Sが充電状態となり、第2の端子1L、2L、3Lが非充電状態となる。このため、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3Lのそれぞれに対する検電をおこなうことによって電力量計100の接続状態を確認することができるので、計量部301に対して電力を供給することなく、すなわち電力量を計量させることなく電力量計100の接続状態の正誤を確認することができる。
また、この実施の形態の電力量計100によれば、電力量計100の接続状態の確認作業に際しては、汎用的な検電器を用いて第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3Lのそれぞれに対する検電をおこなうことによって電力量計100の接続状態の正誤を確認することができるので、接続方向の確認作業の容易化を図ることができる。
また、この実施の形態の電力量計100によれば、ブレーカー部400(第1のブレーカー部410)によって第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断した状態で、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3Lに対する検電をそれぞれ個別におこなうことにより、電力量計100の接続状態の正誤を確認することができる。これにより、第1の端子1S、2S、3Sや第2の端子1L、2L、3Lの間における短絡、および、この短絡を原因とする事故の発生をなくし、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図ることができる。
このように、この実施の形態の電力量計100によれば、電力量を計量させることなく、安全かつ容易に電力量計100の接続状態の確認をおこなうことができる。これによって、電力量計100の設置に際しての電力の不正使用に対する顧客の不信感を払拭し、電力量計100の設置にかかわる業者に対する信頼性の向上を図るとともに、設置された電力量計100に対する信頼性の向上を図ることができる。
また、この実施の形態の電力量計100は、計量部301が、金属材料を用いて円板形状に形成され、円板形状の中心に設けられた回動軸を回動中心として回動可能に設けられた回転円盤部材と、回転円盤部材の一面側に設けられて、磁心が円板形状部材の回動中心に一致するように配置された電圧コイルと、回転円盤部材の他面側に設けられて、磁心が円板形状部材の回動中心に一致するように配置された電流コイルと、を備え、供給された電力量にしたがって回転する回転円盤部材の回転量に基づいて電力量の積算値を計量することを特徴としている。
このように、電力量計100が誘導型電力量計である場合は、ブレーカー部400(第1のブレーカー部410)によって第1の端子1S、2S、3Sと計量部301とを電気的に遮断した状態においては、第1の端子1S、2S、3Sが充電状態となり、第2の端子1L、2L、3Lが非充電状態となる。
このため、誘導型電力量計の電力量計100によれば、汎用的な誘導型電力量計における計量部301と第1の端子1S、2S、3Sとの間に、ブレーカー部400(第1のブレーカー部410)を設けることによって、電力量を計量させることなく電力量計の接続状態の正誤を確認することができる。これによって、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図り、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図ることができる電力量計を、既存の誘導型電力量計の構成を大きく変更することなく実現することができる。
また、この実施の形態の電力量計100は、表示画面を有し、当該表示画面を制御して計量部が計量した電力量の積算値に関する情報を表示する表示部を備え、計量部が、供給された電力における電圧レベルおよび電流レベルを、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3Lの間に構成される電子回路の電圧レベルおよび電流レベルに変換する入力変換部と、入力変換部によって変換された電圧レベルおよび電流レベルに基づいた乗算処理によって、供給された電力量に比例したパルス信号を生成する乗算処理部と、乗算処理部が生成したパルス信号のクロック周波数を当該クロック周波数よりも低い所定のクロック周波数に変換する分周回路部と、分周回路部が所定のクロック周波数に変換したパルス信号に基づく積分処理をおこなって電力量の積算値を計量することを特徴としている。
このように、電力量計100が電子式電力量計である場合は、第2の端子1L、2L、3Lに負荷を接続せずブレーカー部400(第1のブレーカー部410)によって第1の端子1S、2S、3Sと計量部301とを電気的に接続した状態において、電力量の積算値に関する情報として「無計量」であることを示す情報が表示画面に表示される。また、電力量計100が電子式電力量計である場合は、ブレーカー部400(第1のブレーカー部410)によって第1の端子1S、2S、3Sと計量部301とを電気的に遮断して計量部301に対する電力の供給を停止した場合、電力量の積算値に関する情報として「停電」であることを示す情報が表示画面に表示される。
このため、電子式電力量計の電力量計100によれば、汎用的な電子式電力量計における計量部301と第1の端子1S、2S、3Sとの間に、ブレーカー部400(第1のブレーカー部410)を設けることによって、電力量を計量させることなく電力量計の接続状態を確認することができ、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図り、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図ることができる電力量計100を、既存の電子式電力量計の構成を大きく変更することなく実現することができる。
また、電子式電力量計の電力量計100によれば、電圧変動、電流変動、周波数変動の影響を受けず、設置された電力量計の傾斜角度にかかわらず電力量を計量できる電子式電力量計の利点を維持した状態で、電力量を計量させることなく電力量計100の接続状態を確認することができ、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図り、接続方向の確認作業に際しての安全性の向上を図ることができる電力量計100を、既存の電子式電力量計の構成を大きく変更することなく実現することができる。
また、この実施の形態の電力量計100は、第1のブレーカー部410が、第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に接続する位置と、第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断する位置と、に選択的に位置付けられる第1のレバー部材411を備え、この第1のレバー部材411に、当該第1のレバー部材411の動作を規制する封印具413が取り付けられる規制部材取付部411aが設けられていることを特徴としている。
この実施の形態の電力量計100によれば、規制部材取付部411aに封印具413を取り付けて第1のレバー部材411の動作を規制することにより、電力を遮断する権限のない者が電力の供給を受ける側において、負荷に供給する電力を不正あるいは不用意に遮断することを防止することができる。
また、この実施の形態の電力量計100は、ブレーカー部400が、第1の端子1S、2S、3Sと計量部301との間に設けられ、第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断可能に接続する第1のブレーカー部410と、第2の端子1L、2L、3Lと計量部301との間に設けられ、第2の端子1L、2L、3Lおよび計量部301を電気的に遮断可能に接続する第2のブレーカー部420と、を備えたことを特徴としている。
この実施の形態の電力量計100によれば、電力を供給する側の都合や、電力の供給を受ける側の都合などに応じて第1のブレーカー部410における第1のレバー部材411および第2のブレーカー部420における第2のレバー部材412を操作し、電力の供給状態を適宜変更することができる。これによって、送電停止や接続に際しての作業の容易化を図ることができ、作業者の作業負担を軽減することができる。
また、この実施の形態の電力量計100は、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3Lがそれぞれ複数設けられており、第1のブレーカー部410および第2のブレーカー部420が、それぞれ複数の端子1S、2S、3Sおよび1L、2L、3Lと計量部301とを一括して電気的に遮断可能に接続することを特徴としている。
この実施の形態の電力量計100によれば、第1の端子1S、2S、3Sと計量部301との接続および遮断や、第2の端子1L、2L、3Lと計量部301との接続および遮断を、一括しておこなうことができるので、各端子1S、2S、3Sおよび1L、2L、3Lと計量部301との電気的な接続や遮断を端子1S、2S、3Sおよび1L、2L、3Lごとに個別におこなう場合と比較して、接続や遮断に際して作業者にかかる負担を軽減することができる。
また、この実施の形態の電力量計100によれば、たとえば電力の供給状態の変更などに際し、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3Lにおける一部の端子と計量部301との電気的な接続や遮断をし忘れることを防止し、電力の供給状態を確実に変更することができる。これによって、電力量計100に対する信頼性の向上を図ることができる。
また、この実施の形態の電力量計100は、第2のブレーカー部420が、負荷を電源から切り離す負荷遮断機能を備えたことを特徴としている。この実施の形態の電力量計100によれば、電力量計100において負荷遮断ができるので、契約上使用できる電気の最大容量(契約容量)の変更に際して、電力会社設備とされているブレーカーを電気の供給を受ける側の施設内への設置を不要とすることができ、計量部301のみの交換によって対応することができる。
また、この実施の形態の電力量計100によれば、電力量計100において負荷遮断ができるので、電力量計100に過剰な負荷がかかることによる電力量計100の故障を防止することができる。これによって、電力量計100に対する信頼性の向上を図ることができる。
また、この実施の形態の電力量計100を用いた当該電力量計100の接続状態確認方法は、ブレーカー部400(第1のブレーカー部410)によって第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断した状態における、第1の端子1S、2S、3Sおよび第2の端子1L、2L、3Lにおける充電状態(帯電状態)によって電力量計100の接続状態を示すことを特徴としている。
このような方法によって電力量計100の接続状態の正誤を確認することにより、電力の供給を受ける側において電力を消費することなく、電力量計100の接続状態を容易に確認することができる。すなわち第1の端子1S、2S、3Sおよび計量部301を電気的に遮断するとともに第2の端子1L、2L、3Lの間に負荷を接続した状態において計量部301が計量をおこなっている場合は、電力量計100の接続方向が誤っていることを容易に判断することができる。
以上のように、本発明にかかる電力量計および当該電力量計の接続状態確認方法は、接続された負荷に供給された電力量を計量する電力量計および当該電力量計の接続状態確認方法に有用であり、特に、電力量計の設置対象となる家屋が建築中の新築家屋である場合など、電力量計を設置したにもかかわらず当該電力量計を通過した電力を使用する負荷となる設備がない場所に設置される電力量計および当該電力量計の接続状態確認方法に適している。
1S、2S、3S 第1の端子
1L、2L、3L 第2の端子
100 電力量計
301 計量部
400 ブレーカー部
410 第1のブレーカー部
410a、410b、410c スイッチング素子
411 第1のレバー部材
411a 規制部材取付部
412 第2のレバー部材
413 封印具
414 孔
420 第2のブレーカー部
420a、420b、420c スイッチング素子

Claims (8)

  1. 電源に接続される第1の端子と負荷に接続される第2の端子との間に設けられ、前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量部と、
    前記第1の端子と前記計量部との間に設けられ、前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断可能に接続するブレーカー部と、
    を備えたことを特徴とする電力量計。
  2. 前記計量部は、
    金属材料を用いて円板形状に形成され、円板形状の中心に設けられた回動軸を回動中心として回動可能に設けられた回転円盤部材と、
    前記回転円盤部材の一面側に設けられて、磁心が前記回転円盤部材の回動中心に一致するように配置された電圧コイルと、
    前記回転円盤部材の他面側に設けられて、磁心が前記回転円盤部材の回動中心に一致するように配置された電流コイルと、を備え、
    供給された電力量にしたがって回転する前記回転円盤部材の回転量に基づいて電力量の積算値を計量することを特徴とする請求項1に記載の電力量計。
  3. 表示画面を有し、当該表示画面を制御して前記計量部が計量した電力量の積算値に関する情報を表示する表示部を備え、
    前記計量部は、
    供給された電力における電圧レベルおよび電流レベルを、前記第1の端子および前記第2の端子間に構成される電子回路の電圧レベルおよび電流レベルに変換する入力変換部と、
    前記入力変換部によって変換された電圧レベルおよび電流レベルに基づいた乗算処理によって、供給された電力量に比例したパルス信号を生成する乗算処理部と、
    前記乗算処理部が生成したパルス信号のクロック周波数を当該クロック周波数よりも低い所定のクロック周波数に変換する分周回路部と、を備え、
    前記分周回路部が前記所定のクロック周波数に変換したパルス信号に基づく積分処理をおこなって電力量の積算値を計量することを特徴とする請求項1に記載の電力量計。
  4. 前記ブレーカー部は、前記第1の端子および前記計量部を電気的に接続する位置と、前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断する位置と、に選択的に位置付けられるレバー部材を備え、
    前記レバー部材は、当該レバー部材の動作を規制する規制部材が取り付けられる規制部材取付部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電力量計。
  5. 前記ブレーカー部は、前記第1の端子と前記計量部との間に設けられ、前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断可能に接続する第1のブレーカー部と、前記第2の端子と前記計量部との間に設けられ、前記第2の端子および前記計量部を電気的に遮断可能に接続する第2のブレーカー部と、を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の電力量計。
  6. 前記第1の端子および前記第2の端子はそれぞれ複数設けられており、
    前記第1のブレーカー部および前記第2のブレーカー部の少なくとも一方は、前記複数の端子と前記計量部とを一括して電気的に遮断可能に接続することを特徴とする請求項5に記載の電力量計。
  7. 前記第2のブレーカー部は、前記負荷を前記電源から切り離す負荷遮断機能を備えたことを特徴とする請求項6に記載の電力量計。
  8. 電力量計の接続状態を確認する接続状態確認方法であって、
    電源に接続される第1の端子と負荷に接続される第2の端子との間に設けられ、前記電源から前記負荷に流れた電流に基づいて電力量の積算値を計量する計量部と、
    前記第1の端子と前記計量部との間に設けられ、前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断可能に接続するブレーカー部と、を備えた電力量計を用いて、
    前記ブレーカー部によって前記第1の端子および前記計量部を電気的に遮断した状態における、前記第1の端子および前記第2の端子における充電状態によって前記電力量計の接続状態を示すことを特徴とする接続状態確認方法。
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