JP2010167174A - 白血球除去材料 - Google Patents

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尚利 富田
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泰史 山村
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Abstract

【課題】血液中の白血球除去に伴い生じる補体の活性化及び血小板の活性化の程度が極めて低く、体外循環カラムの充填剤として使用した際に生体に対する安全性が高い白血球除去材料を提供すること。
【解決手段】本発明は、担体表面にアセチル基、エステル結合及び水酸基のいずれの官能基も有さず、血漿の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.054mL/cmとして、37℃で1時間、上記血漿と上記白血球除去材料とを接触させて上記血漿中の補体を活性化させたとき、C3a相対濃度が3000ng/mL以下であり、C5a相対濃度が60ng/mL以下である、白血球除去材料を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、白血球除去材料に関する。
全身性エリトマトーデス、関節リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病等の炎症性疾患の病因として、炎症性サイトカイン等の液性因子の関与がよく知られており、炎症疾患に関与する液性因子を低分子医薬品や抗体等の生物製剤で不活化して炎症性疾患を治療する試みがなされている。しかしながら、これらの液性因子は、単独で炎症部位に作用しているのではなく、複数の液性因子が相乗的に作用して病態を発症及び進行させるものであるため、最近では、液性因子の供給源である活性化した白血球を生体から除去することで炎症性疾患を治療しようとする試みもなされている。
活性化した白血球を生体から除去する方法としては、炎症性疾患患者の血液を体外循環カラムで循環させ、白血球を選択的に吸着除去する方法が知られ、体外循環に使用可能なカラムとしては、白血球又は顆粒球を除去するカラム(特許文献1及び2)や白血球と毒素を同時に吸着するカラム(特許文献3)が開発されている。
特開昭60−193468号公報 特開平5−168706号公報 特開平14−113097号公報
しかしながら、体外循環カラムで白血球を生体から除去する場合には、白血球の除去に伴って補体や血小板が活性化される。活性化された補体はアナフィラトキシンとして働き、平滑筋の収縮や血管透過性の亢進、ヒスタミン遊離などの生理的作用を引き起こすことで末梢血管が拡張し、急激な血圧低下によってアナフィラキシーを生じさせる。また血小板の活性化は凝集、粘着や崩壊を引き起こし、静脈血栓、動脈血栓や血管内凝固症候群を引き起こす可能性があるため、補体及び血小板の活性化が起こりにくい白血球除去材料の開発が望まれていた。
そこで本発明は、血液中の白血球除去に伴い生じる補体の活性化及び血小板の活性化の程度が極めて低く、体外循環カラムの充填剤として使用した際に生体に対する安全性が高い白血球除去材料を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明者らは、生体安全性の高い白血球除去材料を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(5)に記載した白血球除去材料及び白血球除去カラムを提供する。
(1) 担体表面にアセチル基、エステル結合及び水酸基のいずれの官能基も有さず、血漿の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.054mL/cmとして、37℃で1時間、上記血漿と上記白血球除去材料とを接触させて上記血漿中の補体を活性化させたとき、C3a相対濃度が3000ng/mL以下であり、C5a相対濃度が60ng/mL以下である、白血球除去材料。
(2) 上記C3a相対濃度は、1400ng/mL以下であり、上記C5a相対濃度は、30ng/mL以下である、(1)記載の白血球除去材料。
(3) 血液の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.11mL/cmとして、37℃で1時間、上記血液と上記白血球除去材料とを接触させて上記血液中の血小板を活性化させたとき、β−トロンボグロブリン相対濃度が1000ng/mL以下であり、血小板第4因子相対濃度が350ng/mL以下である、(1)又は(2)記載の白血球除去材料。
(4) 上記β−トロンボグロブリン相対濃度は、450ng/mL以下であり、上記血小板第4因子相対濃度は、160ng/mL以下である、(3)記載の白血球除去材料。
(5) (1)〜(4)のいずれかに記載の白血球除去材料が充填され、プライミングボリュームと上記白血球除去材料の表面積との比率が0.0004〜0.02mL/cmである、白血球除去カラム。
本発明の白血球除去材料によれば、血液中の白血球除去に伴い生じる補体の活性化及び血小板の活性化の程度を抑制することが可能となり、体外循環カラムの充填剤として使用した際に、生体安全性の高い白血球除去を実現できる。
本発明の白血球除去材料は、担体表面にアセチル基、エステル結合及び水酸基のいずれの官能基も有さず、血漿の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.054mL/cmとして、37℃で1時間、上記血漿と上記白血球除去材料とを接触させて上記血漿中の補体を活性化させたとき、C3a相対濃度が3000ng/mL以下であり、C5a相対濃度が60ng/mL以下であることを特徴とする。
「白血球除去材料」とは、血液から白血球を吸着除去可能な材料をいう。
吸着とは、白血球が白血球除去材料に付着し、容易に剥離しない状態をいう。
上記白血球除去材料の形状としては、例えば、繊維又は粒子が挙げられる。
上記繊維の形状としては、例えば、織布、不織布、綿布又は中空糸が挙げられる。
上記繊維の材質としては、例えば、ポリスチレン、ポリエーテル、ポリアミド又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン−ポリエチレン共重合体若しくはポリブチレン−ポリプロピレン共重合体などのポリオレフィンあるいは上記高分子化合物をブレンド、アロイ化したものが挙げられるが、担体表面の修飾容易性の観点からはポリスチレンが好ましく、耐熱性及び不織布の形状保持の観点からはポリプロピレン又はポリプロピレン−ポリエチレン共重合体が好ましい。さらに、繊維形状が不織布の場合には、その形状のためにポリプロピレンなどの骨格材繊維を入れることも好ましい。
上記繊維の繊維径は、白血球の貪食能発揮の観点から0.5〜20μmが好ましく、吸着性能安定化の観点から4〜20μmがより好ましく、顆粒球の選択的除去の観点から4〜10μmがさらに好ましい。
上記繊維の繊維径が10μm未満である場合、白血球除去材料の強度を確保する観点からより太径の繊維を混合してもよいが、係る太径の繊維の繊維径は、10〜50μmが好ましい。
繊維径とは、ランダムに小片サンプル10個を採取して、走査型電子顕微鏡を用いて1000〜3000倍の写真を撮影し、各写真あたり10箇所(計100箇所)の繊維の直径を測定した値の平均値をいう。
本発明の白血球除去材料を構成する担体の表面は、白血球に対して特異的結合親和性を有する認識分子で修飾されていることが好ましい。
認識分子としては、例えば、アセチル基、エステル結合及び水酸基のいずれの官能基も有さない、E−セレクチン、抗体、ペプチド、タンパク質、核酸、糖鎖、糖タンパク質又は低分子化合物などが挙げられる。
担体表面の修飾は、担体表面へ認識分子を直接又は活性基を介して剥離しない程度に結合することにより達成され、その結合状態としては、共有結合、イオン結合、ファンデルワールス結合、水素結合若しくは疎水結合又はそれらの合力による結合が挙げられるが、認識分子の剥離抑制の観点から共有結合又は疎水結合が好ましく、共有結合がより好ましい。
上記の結合を形成する反応としては、例えば、置換反応、付加反応、縮合反応、重合反応又は開環反応が挙げられる。
「C3a相対濃度」とは、捕体の活性化の程度を示すパラメータであって、バッチ評価法Aにより得られたサンプル液A中のC3a濃度から、対照液A中のC3a濃度を差し引いた値をいう。
「C3a相対濃度」は、血漿の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.054mL/cmとして、37℃で1時間、上記血漿と上記白血球除去材料とを接触させて上記血漿中の補体を活性化させた場合に、3000ng/mL以下であることが好ましく、この場合には、生体に対する安全性が大幅に改善されたということができ、体外循環カラムとして使用した場合に生じ得るアレルギー反応を顕著に抑制し、炎症性疾患の治療に安全に利用できる。また、「C3a相対濃度」は、1400ng/mL以下であることがさらに好ましく、この場合には、補体の活性化がほとんど起こっていないとみなすことができる。
「C5a相対濃度」とは、C3a相対濃度と同様に捕体の活性化の程度を示すパラメータであって、バッチ評価法Aにより得られたサンプルA液中のC5a濃度から、対照液A中のC5a濃度を差し引いた値をいう。
「C5a相対濃度」は、血漿の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.054mL/cmとして、37℃で1時間、上記血漿と上記白血球除去材料とを接触させて上記血漿中の補体を活性化させた場合に、60ng/mL以下であることが好ましく、この場合には、生体に対する安全性が大幅に改善されたということができ、体外循環カラムとして使用した場合に生じ得るアレルギー反応を顕著に抑制し、炎症性疾患の治療に安全に利用できる。また、「C5a相対濃度」は、30ng/mL以下であることがさらに好ましく、この場合には、補体の活性化がほとんど起こっていないとみなすことができる。
サンプル液A及び対照液A中のC3a濃度及びC5a濃度は、市販のキット(GE Healthcare社製;Human Complement C3a des Arg Assay Kit, 125I Detection)を用いたRIA2抗体法により測定される。
バッチ評価法Aとは、5mLのポリプロピレン製容器に、血漿の体積と白血球除去材料の表面積との比率が0.054mL/cmとなるようにヒト血漿と白血球除去材料とを入れて、37℃(ポリプロピレン製容器の外温)で1時間、ローテーターを用いてポリプロピレン製容器を回転(15rpm)させて転倒混和し、ヒト血漿と白血球除去材料とを比較的穏やかに接触させる方法である。
サンプル液Aとは、バッチ評価法Aにより得た、白血球除去材料との接触後のヒト血漿をいう。
なお、対照液Aとは、5mLのポリプロピレン製容器にヒト血漿のみを入れて37℃(ポリプロピレン製容器の外温)で1時間、ローテーターを用いてポリプロピレン製容器を回転(15rpm)させて転倒混和した後のヒト血漿をいう。
さらに本発明の白血球除去材料は、血液の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.11mL/cmとして、37℃で1時間、上記血液と上記白血球除去材料とを接触させて上記血液中の血小板を活性化させたとき、β−トロンボグロブリン(以下、β−TG)相対濃度が1000ng/mL以下であり、血小板第4因子(以下、PF4)相対濃度が350ng/mL以下であることを特徴とする。
「β−トロンボグロブリン相対濃度」とは、血小板の活性化の程度を示すパラメータであって、バッチ評価法Bにより得られたサンプル液B中のβ−TG濃度から、対照液B中のβ−TG濃度を差し引いた値をいう。
「β−トロンボグロブリン相対濃度」は、血液の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.11mL/cmとして、37℃で1時間、前記血液と前記白血球除去材料とを接触させて上記血液中の血小板を活性化させた場合に、1000ng/mL以下であることが好ましく、この場合には、生体に対する安全性が大幅に改善されたということができ、体外循環カラムとして使用した場合に生じ得るアレルギー反応を顕著に抑制し、炎症性疾患の治療に安全に利用できる。また、「β−トロンボグロブリン相対濃度」は、450ng/mL以下であることがさらに好ましく、この場合には、血小板の活性化がほとんど起こっていないとみなすことができる。
「血小板第4因子相対濃度」とは、β−TG相対濃度と同様に血小板の活性化の程度を示すパラメータであって、バッチ評価法Bにより得られたサンプルB液中のPF4濃度から、対照液B中のPF4濃度を差し引いた値をいう。
「血小板第4因子相対濃度」は、血液の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.11mL/cmとして、37℃で1時間、前記血液と前記白血球除去材料とを接触させて上記血液中の血小板を活性化させた場合に、350ng/mL以下であることが好ましく、この場合には、生体に対する安全性が大幅に改善されたということができ、体外循環カラムとして使用した場合に生じ得るアレルギー反応を顕著に抑制し、炎症性疾患の治療に安全に利用できる。また、「血小板第4因子相対濃度」は、160ng/mL以下であることがさらに好ましく、この場合には、血小板の活性化がほとんど起こっていないとみなすことができる。
サンプル液B及び対照液B中のβ−TG濃度及びPF4濃度は、通常のEIA法により測定される。
バッチ評価法Bとは、5mLのポリプロピレン製容器に、血液の体積と白血球除去材料の表面積との比率が0.11mL/cmとなるようにヒト全血と白血球除去材料とを入れて、37℃(ポリプロピレン製容器の外温)で1時間、ローテーターを用いてポリプロピレン製容器を回転(15rpm)させて転倒混和し、ヒト全血と白血球除去材料とを比較的穏やかに接触させる方法である。
サンプル液Bとは、バッチ評価法Bにより得た、白血球除去材料との接触後のヒト全血をいう。
なお、対照液Bとは、5mLのポリプロピレン製容器にヒト全血のみを入れて37℃(ポリプロピレン製容器の外温)で1時間、ローテーターを用いてポリプロピレン製容器を回転(15rpm)させて転倒混和した後のヒト全血をいう。
上記白血球除去材料が充填された本発明の白血球除去カラムの容器形状としては、血液の入口と出口を有する容器であればよいが、例えば、円柱状、三角柱状、四角柱状、六角柱状、八角柱状などの角柱状容器が挙げられ、白血球除去材料を積層状に充填できる容器、白血球除去材料を円筒状に巻いたものを充填できる容器又は血液が円筒の外周より入り内側へと流れて容器外に出る容器が好ましい。
また、本発明の白血球除去カラムは、上記の白血球除去材料が充填され、プライミングボリュームと上記白血球除去材料の表面積との比率が0.0004〜0.02mL/cmであることを特徴としている。
「プライミングボリューム」とは、上記白血球除去材料が充填されるカラムの容器内部に充填できる液体の最大容積のことをいう。
「白血球除去材料の表面積」とは、白血球除去材料となる担体の表面の面積であって、その表面を平面上へ広げてできる展開図の面積のことをいい、例えば、担体が不織布形状の繊維の場合には水銀圧入法により測定できる。また、担体がビーズの場合には球の表面積を算出することで、担体が中空糸の場合には円筒形の内表面と外表面の面積の合計を算出することで、それぞれ測定できる。
上記容器のプライミングボリュームと白血球除去材料の表面積との比率は、0.0004mL/cm以下だと過剰の白血球除去材料が補体活性及び血小板活性を生じさせる恐れがあり、0.02mL/cm以上では満足な白血球除去能が得られないため、0.0004〜0.02mL/cmであることが好ましく、0.002〜0.02mL/cmであることがより好ましく、0.005〜0.01mL/cmであることがさらに好ましい。
以下、本発明の白血球除去カラムについて、実験例により具体的に説明する。
(PP製不織布の作製)
36島の海島複合繊維であって、島が更に芯鞘複合によりなるものを次の成分を用いて、紡糸速度900m/min、延伸倍率2.5倍の製糸条件で得た。
島の芯成分;ポリプロピレン
島の鞘成分;ポリスチレン90wt%、ポリプロピレン10wt%
海成分;エチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とし、共重合成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸3wt%含む共重合ポリエステル
複合比率(重量比率);芯:鞘:海=40:35:25
この繊維85wt%と直径20μmのポリプロピレン繊維15wt%からなる不織布を作製した後、この不織布2枚の間にシート状のポリプロピレン製ネット(厚み0.5mm、単糸径0.3mm、開口部2mm角)を挟み、ニードルパンチすることによって3層構造の不織布(PP製不織布)を得た。
(PSt+PP製不織布の作製)
PP製不織布を95℃、3wt%の水酸化ナトリウム水溶液で処理し、海成分を溶解することによって、芯鞘繊維の直径が5μmで、嵩密度が0.02g/cmの不織布(PSt+PP製不織布、以下、不織布A)を作製した。
(TEPA導入PSt+PP製不織布の作製)
不織布Aに、ニトロベンゼン46wt%、硫酸46wt%、パラホルムアルデヒド1wt%、N−メチロール−α−クロルアセトアミド(以下、NMCA)7wt%を10℃以下で混合、撹拌、溶解しNMCA化反応液を調製した。このNMCA化反応液を15℃にし、不織布A1gに対し、約40mLの固液比でNMCA化反応液を加え、水浴中で反応液を15〜20℃に保ったまま2時間反応させた。その後、反応液から不織布を取り出し、NMCA反応液と同量のニトロベンゼンに浸漬し洗浄した。続いて不織布を取り出し、メタノールに浸漬し洗浄を行い、α−クロルアセトアミドメチル化ポリスチレン不織布(中間体1)を得た。また、テトラエチレンペンタミン(以下、TEPA)6.3g、n−ブチルアミン7.2gをジメチルホルムアミド(以下、DMF)500mLに溶解した液に、10gの中間体1を浸し、反応は30℃で3時間行い、DMFで洗浄した後で水洗し、真空乾燥することにより、TEPA導入PSt+PP製不織布(以下、不織布B)を得た。
(DMOA導入PSt+PP不織布の作製)
不織布A1gに対して、50mLの反応溶媒(DMSO70wt%、メタノール30wt%)に360mMとなるようジメチルオクチルアミン(以下、DMOA)を加えた。この溶液にヨウ化カリウムを60mMとなるよう加えた。ここに中間体1を投入し、温水浴で50℃に加熱しながら4時間反応させた。4時間後、反応液を抜き出し、DMOA導入PSt+PP(以下、不織布C)不織布を得た。
(DMHA導入PSt+PP不織布の作製)
不織布A1gに対して、50mLの反応溶媒(DMSO70wt%、メタノール30wt%)に360mMとなるよう、ジメチルヘキシルアミン(以下、DMHA)を加えた。この溶液にヨウ化カリウムを60mMとなるよう加えた。ここに中間体1を投入し、温水浴で50℃に加熱しながら4時間反応させた。4時間後、反応液を抜き出し、DMHA導入PSt+PP不織布(以下、不織布D)を得た。
不織布A〜Dの表面積は、水銀圧入法にて測定した。
(補体活性化実験)
(実施例1〜4)
不織布A〜Dの白血球除去材を各々直径0.8cmの円形に打ち抜き、各々5mLのポリプロピレン製容器に入れてヒト血漿2.2mLを添加した。その後、37℃に設定したインキュベーター内に設置したローテーターで1時間旋回攪拌(15rpm)してサンプル液Aを得た。陰性対照試験として、ヒト血漿のみを同様に旋回攪拌して対照液Aを得た。サンプル液A及び対照液AのC3a、C5aの濃度はRIA2抗体法で測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2010167174
(実施例5)
上下に血液の出入り口のある円筒状カラム(内径1cm)に、直径1cmの円板状に切り抜いた不織布Aを10枚積層して充填し(表面積637.5cm)、プライミングボリュームが0.255mLとなるようカラムを作製した(プライミングボリューム/表面積=0.0004mL/cm)。このカラムに、37℃(外温)で保温したヒト血漿を、流量0.255mL/minで60分間通過させた。陰性対照試験として、空のカラムに同条件でヒト血漿を通過させた。回収したC3a、C5aの濃度はRIA2抗体法で測定した。
(実施例6)
上下に血液の出入り口のある円筒状カラム(内径1cm)に、直径1cmの円板状に切り抜いた不織布Aを1枚充填し(表面積63.7cm)、プライミングボリュームが1.28mLとなるようカラムを作製した(プライミングボリューム/表面積=0.02mL/cm)。このカラムに、37℃(外温)で保温したヒト血漿を、流量0.255mL/minで60分間通過させた。陰性対照試験として、空のカラムに同条件でヒト血漿を通過させた。回収したC3a、C5aの濃度はRIA2抗体法で測定した。
(血小板活性化実験)
(実施例1〜4)
不織布A〜Dの白血球除去材を各々直径0.8cmの円形に打ち抜き、各々5mLのポリプロピレン製容器に入れてヒト全血4.4mLを添加した。その後、37℃に設定したインキュベーター内に設置したローテーターで1時間旋回攪拌(15rpm)してサンプル液Bを得た。陰性対照試験として、ヒト全血のみを同様に旋回攪拌して対照液Bを得た。サンプル液B及び対照液Bのβ−TG、PF4の濃度はEIA法で測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2010167174
(実施例5)
上下に血液の出入り口のある円筒状カラム(内径1cm)に、直径1cmの円板状に切り抜いた不織布Aを10枚積層して充填し(表面積637.5cm)、プライミングボリュームが0.255mLとなるようカラムを作製した(プライミングボリューム/表面積=0.0004mL/cm)。このカラムに、37℃(外温)で保温したヒト血液を、流量0.255mL/minで60分間通過させた。陰性対照試験として、空のカラムに同条件でヒト血漿を通過させた。回収したβ−TG、PF4の濃度はEIA法で測定した。
(実施例6)
上下に血液の出入り口のある円筒状カラム(内径1cm)に、直径1cmの円板状に切り抜いた不織布Aを1枚充填し(表面積63.7cm)、プライミングボリュームが1.28mLとなるようカラムを作製した(プライミングボリューム/表面積=0.02mL/cm)。このカラムに、37℃(外温)で保温したヒト血液を、流量0.255mL/minで60分間通過させた。陰性対照試験として、空のカラムに同条件でヒト血漿を通過させた。回収したβ−TG、PF4の濃度はEIA法で測定した。
(比較例1〜3)
(補体活性化実験)
ジアセチルセルロース製ビーズ(直径2mm)100粒を、5mLのポリプロピレン製容器に入れてヒト血漿2.2mLを添加した(比較例1)。PET製不織布(繊維径18μm、目付170g/m)の白血球除去材を、直径1.38cmの円形に打ち抜き5mLのポリプロピレン製容器に入れてヒト血漿2.2mLを添加した(比較例2)。セルロース製中空糸(旭ホロファイバー人工腎臓AM、内径180μm、膜厚15μm)を、333cm分を約1cm片に裁断したものを5mLのポリプロピレン製容器に入れてヒト血漿2.2mLを添加した(比較例3)。その後、37℃に設定したインキュベーター内に設置したローテーターで1時間旋回攪拌(15rpm)してサンプル液Aを得た。陰性対照試験として、ヒト血漿のみを同様に旋回攪拌して対照液Aを得た。サンプル液A及び対照液AのC3a、C5aの濃度はRIA2抗体法で測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2010167174
(血小板活性化実験)
(比較例1〜3)
ジアセチルセルロース製ビーズ(直径2mm)100粒を、5mLのポリプロピレン製容器に入れてヒト全血4.4mLを添加した(比較例1)。PET製不織布(繊維径18μm、目付170g/m)の白血球除去材は、直径1.38cmの円形に打ち抜き5mLのポリプロピレン製容器に入れてヒト全血4.4mLを添加した(比較例2)。セルロース製中空糸(旭ホロファイバー人工腎臓AM、内径180μm、膜厚15μm)を、333cm分を約1cm片に裁断したものを5mLのポリプロピレン製容器に入れてヒト全血4.4mLを添加した(比較例3)。その後、1時間、37℃に設定したインキュベーター内に設置したローテーターで1時間旋回攪拌(15rpm)してサンプル液Bを得た。陰性対照試験として、ヒト全血のみを同様に旋回攪拌して対照液Bを得た。サンプル液B及び対照液Bのβ−TG、PF4の濃度はEIA法で測定した。測定結果を表3に示す。
なお、ジアセチルセルロース製ビーズの表面積は、直径2mmの球の表面積(4π×0.1=12.6cm)とした。PET製不織布の表面積は、PETの比重(1.38g/cm)と使用した重量(254mg)から体積を算出し(0.0184cm)、直径18μmで均一な繊維であるとして算出した。また、セルロース製中空糸の表面積は内径180μm、外径210μmの円筒形の内表面(18.8cm)と外表面(22.0cm)の面積の合計を表面積とした。
上記実施例および比較例より、担体表面に水酸基、アセチル基およびエステル結合のいずれの官能基も有さない白血球除去材料は、C3a、C5a、β−TG、PF4の活性化を引き起こさないことは明らかである。
なお、実施例及び比較例で用いた各白血球除去材料がその担体表面に有する官能基を、表4に示す。
Figure 2010167174
本発明は、医療分野の白血球除去カラムとして用いることができる。

Claims (5)

  1. 担体表面にアセチル基、エステル結合及び水酸基のいずれの官能基も有さず、
    血漿の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.054mL/cmとして、37℃で1時間、前記血漿と前記白血球除去材料とを接触させて前記血漿中の補体を活性化させたとき、C3a相対濃度が3000ng/mL以下であり、C5a相対濃度が60ng/mL以下である、白血球除去材料。
  2. 前記C3a相対濃度は、1400ng/mL以下であり、
    前記C5a相対濃度は、30ng/mL以下である、
    請求項1記載の白血球除去材料。
  3. 血液の体積と白血球除去材料の表面積との比率を0.11mL/cmとして、37℃で1時間、前記血液と前記白血球除去材料とを接触させて前記血液中の血小板を活性化させたとき、β−トロンボグロブリン相対濃度が1000ng/mL以下であり、血小板第4因子相対濃度が350ng/mL以下である、請求項1又は2記載の白血球除去材料。
  4. 前記β−トロンボグロブリン相対濃度は、450ng/mL以下であり、
    前記血小板第4因子相対濃度は、160ng/mL以下である、
    請求項3記載の白血球除去材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の白血球除去材料が充填され、
    プライミングボリュームと前記白血球除去材料の表面積との比率が0.0004〜0.02mL/cmである、白血球除去カラム。
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