JP2010166591A - カメラ撮影画像色調補正装置および携帯端末装置 - Google Patents

カメラ撮影画像色調補正装置および携帯端末装置 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的光量の小さい発光手段を用いて比較的低い消費電力および発熱で発光撮影を行うとともに、環境光の影響を考慮して適正な色調補正を行う。
【解決手段】所定の環境条件下でのホワイトバランス補正値を求めるとともに、被写体までの距離を測定する。前記所定の環境条件下で求められたホワイトバランス補正値と前記測定された距離情報とに基づいて、発光手段による所定の発光時のためのホワイトバランス補正値を推定する。前記発光手段の発光を伴う撮像を行うとき、前記推定されたホワイトバランス補正値を用いてホワイトバランス調整を行う。
【選択図】図7

Description

本発明は、カラー画像を撮影するデジタルカメラによる撮影の際にホワイトバランス調整を行うカメラ撮影画像色調補正装置およびこれを備えた携帯端末装置に関するものである。
一般に、屋内や暗所等でカメラ撮影を行う際には、カメラから被写体に対して発光するフラッシュ撮影が行われる。デジタルカメラに搭載されるキセノンフラッシュの場合、その瞬間的な光量は非常に大きくまた発光スペクトラムは太陽光のスペクトラムに近いので、暗所での撮影時でもカメラの色調パラメータは太陽光に合わせれば色的にはほぼ問題無く撮影を行うことができる。
ところが近年、カメラ内蔵型携帯電話端末で光源に採用されているような白色発光ダイオード(LED)では、種類にもよるが発光スペクトラムは青、黄成分がメインであり、このような光源で人の顔のカメラ撮影を行うと青白い顔色で撮れてしまう。LEDの発光スペクトラムにカメラパラメータを合わせればある程度の色調補正は可能であるが、LEDの光量はキセノンフラッシュに比べて非常に小さく撮影時の環境光によって色調が変わってしまうことがあった。
LEDの発光時にホワイトバランスをとり色調補正することも可能であるが、パワーLEDと呼ばれる超高輝度白色LEDを使用して撮影する場合には高電流、高発熱の問題があり、長時間の連続発光が携帯機器では困難である。この問題に対してパルス発光で対処する方法も考えられるが、パルス発光では十分にホワイトバランスを取れない場合がある。
なお、特許文献1には、被写体を照らす光源の色温度を、撮像されたカラー画像データから測定して、その光源の色が無彩色となるホワイトバランス調整値を自動検出するオートホワイトバランス機能を有するホワイトバランス調整装置において、ホワイトバランスを好みに応じて調整する方式が開示されている。
また、特許文献2には、白色LEDを用いて露光量を調整するカメラ付き携帯電話装置が開示されている。
特開2002−271810号公報 特開2003−333420号公報
カメラ内蔵型携帯電話端末を使用して暗所で写真を撮るような状況は特に屋内での撮影では良くあると思われる。例えばカラオケや居酒屋等では、場所にもよるが、室内光は数lux(ルックス)〜数十luxの比較的低照度であることが多く、カメラ撮影に十分な露光量は得られない。デジタルカメラで用いられるようなキセノンフラッシュライトを使えば、そのような暗い場所でも明るく撮ることが可能でありその発光スペクトラムも自然光のスペクトラムに近く色再現性も良い。
しかし、キセノンフラッシュの場合、回路的に大型のコンデンサが必要であり、また内部回路電圧に1000V以上の高圧が要求される部分もあり取り扱いも容易ではない。その為、カメラ付き携帯電話端末にキセノンフラッシュを搭載するのは難しく、搭載可能であってもカメラ撮影には不十分な機能しか搭載できないこともある。従って、現状のカメラ付き携帯電話端末ではキセノンフラッシュの代わりにピクチャーライトと呼ばれるLEDを使用した照明機能が搭載されることが多い。
しかし、LEDを使用したピクチャーライトでは現状では撮影に十分な光量は得ることが難しく、また色の再現性も悪い。例えばキセノンフラッシュの照度は1m離れた場所でも瞬間的ではあるが数万lux以上あるが、LEDの場合は1m離れた場所で通常数lux、パワーLEDと呼ばれるものでも10lux台であることが多い。従ってLEDをカメラ撮影の照明に使用する場合には露光時間を長くし露光量を多くせざるを得ない。この場合、カメラのシャッタスピードが低下する為、手ブレなどを起こし画像劣化の原因になり易く、また露光時間を長くしても十分な露光量が取れず暗くノイズの多い画質になる。
さらに上記のような白色LEDと呼ばれる白色に見える光を発するLEDの場合でも実際にはそのスペクトラムは青、黄色成分から成り立つことが多く、この場合自然光のスペクトラムとは大きく異なるので、この光でカメラ撮影をしても肌色等は青白くなってしまうことがあった。白色LEDの種類に拠っては、赤、青、緑色の3色のLEDを組み合わせ合成光で白色光を得るものもある。この合成光で肌色を撮影した場合には前述の青、黄色合成光の場合に比べれば発色は良く撮影することが可能であるが、3種類のLEDが必要な上に経年変化によりそれぞれのLEDの発光の割合が徐々に変化する為、それに従い色調がだんだんと変化してしまい、時間が経つにつれ色の撮影画質が悪くなることがある。例えば1000時間発光時に赤の輝度劣化が10%、青の輝度劣化が30%だと赤の劣化割合が少ない為、発光色調が徐々に赤くなってしまう。
携帯電話端末のカメラ装置では、通常、前述したようなオートホワイトバランス(AWB)と呼ばれる機能がついており、光源の色調に合わせ自動的に白い物は白く撮影できるように調整できるようになっている。従って、力メラAWBの機能が正しく働けば、上記のように色スペクトラムが通常とは異なるような場合でも撮影画像はAWBにより色調補正され、画質改善されるはずである。但し、AWBにより色調整を行うにはカメラ素子にもよるが多少時間が必要であり、瞬時に補正できるわけではない。
カメラ撮影時に常時白色LEDを点灯させておけるような状況であれば撮影前にAWBによる色調整は上述の方法で有効である。しかし近年改善が著しい超高輝度LEDの場合、輝度が大きいので暗所でのカメラ撮影時の画質改善効果は大きいが、それを携帯電話端末に搭載する場合には放熱及び消費電力の問題から輝度が大きい状態で点灯したままにするのは難しい。現行の超高輝度LEDは消費電力1W以上であり、電池電圧が3.6Vでも300mA以上の電流が必要とされ電池の消耗が大きく、また発熱も大きいので携帯電話端末のように小さな筐体では十分な放熱ができず数秒の点灯でも発光素子自体の温度が定格よりも高くなってしまう。その為、超高輝度LEDでは撮影時にパルス状に発光させるような使い方が望まれ、その場合には常時発光時のように実際のカメラ撮影以前にAWBで色調整を行い実際の撮影に備えるようなことはできなくなる。
図2にカメラ露光とLED発光タイミングの考えられる例を示す。この例では、携帯カメラを起動した時点で低い駆動電流でLEDを点灯するが、カメラ露光時にLEDを高電流駆動し明るく点灯(強発光)させている。
図3(a)に示すように、太陽光等自然光下では適切な色調に取れても、白色LEDの白熱電灯が照明に使用されている屋内で撮影を行った場合、ホワイトバランスが取れないと全体が黄もしくは赤みがかった色調になる。撮影時にAWBが適正に働けば色調は補正され元の色調に近い撮影が可能である。
図3(b)に示すように、白熱灯の点灯下では白色LEDが弱く発光していても、白熱灯の方が光は強い為全体の色調はLED光の影響は余り受けず、赤みが強調された色調となる。
これに対して、図3(c)に示すように、図2に示したような発光タイミングで力メラ撮影時にのみ白熱灯の照度以上に白色LEDの照度が強く発光すると、この瞬間青味の強い光が優勢となり、さらにAWBは白熱灯の色に合った状態であるため、カメラ撮影画像は青味がかった絵になってしまう。
本発明は上述のようにカメラ撮影時にLEDのような発光手段をパルス発光させ照明として使う場合に、色調整がうまく行くようにするものである。
前述の様に図2のタイミングでLED弱発光時にAWBを行うと問題はあるが、もしAWBの合致する収束が早ければ露光直前にもLEDを強発光してAWBを行い色調を合わせることは可能である。例えば、図4に示すように実際にカメラ露光する期間以前にLEDを強発光しその間に自動ホワイトバランスを収束しホワイトバランス補正値を設定する。このようにするためには非常に素早いホワイトバランスの収束が必要であり、図4ではカメラ露光期間の1フレーム前にAWBを実行したがAWBの収束に時間が掛かる場合には数フレームに渡りホワイトバランス調整を行う方法もある。場合によってはLEDの強発光でのパルス発光を何回か繰り返しそれにより徐々にAWBを収束させることもできるであろう。
しかし、これらの方法でもLEDを露光時間以外に強発光させる必要があるため、消費電力が増えまたその発熱が問題となる場合がある。
また、LEDの発光色調が予め分かっていれば、ホワイトバランスの最適値を、既に測定して分かっているLEDの発光色調に合わせて設定してから撮影を行うような方法も考えられる。しかし、この方法では図3で示したように環境光の影響によってもホワイトバランスの値が異なる為、撮影画像の色調が狂ってしまう。さらに、図5に示すようにLEDと被写体との距離によってもホワイトバランスの値は調整し直す必要がある。例えば白熱電球光の下でLED光を用いた場合、被写体が遠い場合(a)と近い場合(b)とで、色調が異なってしまう。そのため、カメラ撮影時にホワイトバランス補正値をLED用に固定して運用するのは無理がある。
撮影画像の色調整を行う方法としては、カメラ撮影後に自動もしくは手動で色補正を行なう方法もある。手動で色補正を行う場合には、ユーザが思ったように色補正することが難しい。自動で色補正を行うには撮影画像全体の色調から補正をしたり、また場合によってはLED発光以前にも撮影画像を自動的に保存しLED強発光後の撮影画像と比較しその色調変化を比較し補正値を計算して画像処理を行う方法も考えられるが、携帯電話端末にとってはこのような画像処理を行うのはメモリや処理時間の点で問題がある。
本発明は以上のような背景においてなされたものであり、その目的は、比較的光量の小さい発光手段を用いて比較的低い消費電力および発熱で発光撮影を行うことができるとともに、環境光の影響を考慮して適正な色調補正を行えるカメラ画像色調補正装置およびこれを用いた携帯端末装置を提供することにある。
本発明によるカメラ撮影画像色調補正装置は、カラー画像のカメラ撮影の際にホワイトバランス調整を行うカメラ撮影画像色調補正装置であって、被写体に対して弱発光および強発光を行うことができる発光手段と、それぞれ無発光時および弱発光時の第1および第2のホワイトバランス補正値を求める手段と、前記第1および第2のホワイトバランス補正値に基づいて、強発光時の第3のホワイトバランス補正値を推定する手段と、強発光による撮像を行うとき、前記第3のホワイトバランス補正値に基づいてホワイトバランス調整を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
前記第1および第2のホワイトバランス補正値により環境光および発光手段のホワイトバランスへの影響を考慮して強発光時(露光時)に適するホワイトバランス補正値を推定することができる。前記第1および第2のホワイトバランス補正値を求める際に強発光は必要なく、強発光は露光期間のみあれば足りるので、発光手段の消費電力および発熱量が低減される。
本発明による他のカメラ撮影画像色調補正装置は、カラー画像のカメラ撮影の際にホワイトバランス調整を行うカメラ撮影画像色調補正装置であって、被写体に対して発光を行うことができる発光手段と、所定の環境条件下でのホワイトバランス補正値を求める手段と、被写体までの距離を測定する測定手段と、前記所定の環境条件下で求められたホワイトバランス補正値と前記測定手段により測定された距離情報とに基づいて、前記発光手段による所定の発光時のためのホワイトバランス補正値を推定する手段と、前記発光手段の発光を伴う撮像を行うとき、前記推定されたホワイトバランス補正値を用いてホワイトバランス調整を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
この発明では、カメラと被写体との距離情報を用いることにより、露光時のホワイトバランス補正値を推定するために用いるホワイトバランス補正値の検出は1つで足りる。
前記所定の環境条件は前記発光手段の無発光時であり、前記推定手段は求められたホワイトバランス補正値を基準距離のホワイトバランス補正値に換算し、この換算後のホワイトバランス補正値、および、前記基準距離と前記測定された距離との差に基づいて目的のホワイトバランス補正値を推定する。あるいは、前記所定の環境条件は前記発光手段の前記所定の発光時の発光より弱い発光量の発光時であり、前記推定手段は求められたホワイトバランス補正値を基準距離のホワイトバランス補正値に換算し、この換算後のホワイトバランス補正値、および、前記基準距離と前記測定された距離との差に基づいて目的のホワイトバランス補正値を推定する。
前記発光手段は例えば白色LEDである。
本発明は、さらに、カラー画像を撮影するデジタルカメラと、上記いずれかのカメラ撮影画像色調補正装置とを備えた携帯端末装置を提供する。
本発明によれば、露光期間のみに発光手段の強発光を行えば足りるので、発光手段の動作に伴う消費電力および発熱量の低減を図ることができ、かつ、それによって適正なホワイトバランス調整を損なうこともない。その結果、発光手段の寿命も延ばせる。
また、被写体までの距離情報を用いる場合には、強発光時のホワイトバランス補正値を推定するために利用するホワイトバランス補正値は1つ求めれば足りる。
極力短くした強発光状態の期間内に強発光状態でのホワイトバランス補正値を求める必要がなくなるので、本発明はAWB(オートホワイトバランス)の収束が遅い装置にも適応可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されるカメラ及びLED照明付き携帯電話端末装置の要部構成を示すブロック図である。この携帯電話端末は、アンテナ11を介して基地局との無線通信を行う無線処理部12、この無線処理部12により受信されたデータおよび送信するデータの処理および端末の各部の制御等の処理を行うアプリケーション処理部13、主として通話のための音声処理を行う音声処理部14、この音声処理部14に接続されたマイク15およびスピーカ16、カメラ撮影のための撮像素子等を含むカメラモジュール19、発光手段としての白色LED18、この白色LED18を駆動制御するLEDドライバ17、アプリケーション処理部13に接続され、文字や画像等の表示データを表示する表示部20、およびユーザの入力操作を受け付ける操作部21を備えている。
白色LED18は、RGB3色の発光を行う3個のLEDを組み合わせたものや、青色LEDに黄色蛍光体を組み合わせたもの、等を利用することができる。
この例では力メラモジュール19とLED18の制御はアプリケーション処理部13で行われるが、AWB自体はカメラモジュール内部で行われる。また以下に述べるようにLED18の発光は必要であれば、カメラの露光タイミングに合わせる為にカメラモジュール19から発光タイミング信号として出力される。
本実施の形態では、LED無発光時およびLED弱発光時のカメラ撮影画像に基づいて強発光時の最適ホワイトバランス補正値を推定することにより少ない手順及び最小のLED強発光時間で、適正な色調の撮影を行う方法を創案した。基本的なアイデアは、図6に示すように、カメラ起動後、LED無発光時(環境光のみ)にその時点でのホワイトバランス補正値(WB値)を求めておき、続くLED弱発光時に再度ホワイトバランス補正値を求め、LED無発光時と弱発光時のホワイトバランス補正値の差からLED強発光時のホワイトバランス補正値を推定し、LED強発光での撮影に対してその値を用いてホワイトバランスの調整を行うものである。図6の例では、カメラ起動後の少なくとも1フレームでLED無発光時のホワイトバランス補正値を求め、カメラシャッタスイッチ(操作部21に含まれる)の押下後の少なくとも1フレームでLED弱発光時のホワイトバランス補正値を求める。このようにすることで、図4に示したように強発光時のホワイトバランス補正値を求めるためにカメラ露光期間に先だって強発光を行う必要がなくなる。その結果、強発光はカメラ露光期間に相当する最小限の時間で足りる。これにより、消費電力の低減および発熱の低減が図れる。
第1の実施の形態によれば、無発光時とLED弱発光時のホワイトバランス補正値を求めることにより、環境光およびLED光の色調の影響を考慮し、強発光時の適切なホワイトバランス補正値を推定することができる。また被写体とLEDとの距離を気にすることなく撮影を行うことができる。
具体的なホワイトバランスの補正値推定方法を次に述べる。
ホワイトバランスそのものの設定アルゴリズムは様々なものがあり、またカメラシステムによっても異なるので、ここではホワイトバランス補正値の推定方法だけを模式的に述べることにする。
カメラでの映像信号は良く知られているように、RGBの3原色により成り立つので、RGBそれぞれの入力感度又は信号増幅率を可変にできるようにしておけば、RGBそれぞれの感度を制御することで画像のホワイトバランスを変えることができる。例えば青味の強い画像信号が入力された場合、カメラのオートホワイトバランスでそれが検知されると、カメラ撮影時には青の感度を下げるかもしくは緑、赤の感度を上げるようにする。そのようにすれば画像全体の色調が青っぽいものから白いものに補正することが可能である。これがホワイトバランス調整の原理となる。
従って前述のようにLED無発光とLED弱発光時のホワイトバランス補正値を比べ、さらにLED弱発光時に比べLED強発光時にホワイトバランスの補正値が何倍になるか求めておけば、それらの値によりLED強発光時のホワイトバランス補正値を求めることができるようになる。
例えば、
LED無発光時のホワイトバランス補正値(第1のホワイトバランス補正値)が
R:0.8,G:1.0,B:1.2
LED弱発光時のホワイトバランス補正値(第2のホワイトバランス補正値)が
R:1.0,G:1.1,B:1.0
とすると、補正値の差は、
R:+0.2,G:+0.1,B:−0.2
となる。このときLED強発光時のホワイトバランス補正値がLED弱発光時のホワイトバランス補正値のほば2倍になることが分かっていれば、両補正値の差をRGBでそれぞれ2倍し、LED無発光時のホワイトバランス補正値に対して、R:+0.4,G:+0.2,B:−0.4の加算を行うことにより
LED強発光時のホワイトバランス推定補正値(第3のホワイトバランス補正値) R:1.2,G:1.2,B0.8
が得られる。この得られたホワイトバランス推定補正値を用いて、カメラ撮影を行うようにすれば良い。
カメラ撮影時には被写体の明るさも色調に影響することも考えられるので、色調の影響の推定時には明るさの影響も考慮するようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。そのハードウェア構成は第1の実施の形態と同様であり、重複した説明は省略する。
もし被写体とLEDの距離が既知で、環境光についてのホワイトバランス補正値とLEDの色調特性とが分かれば、上記のようにLED弱発光時のホワイトバランス補正値と環境光だけのホワイトバランス補正値を比べること無しに、距離と環境光下でのホワイトバランス補正値(もしくはLED弱発光時のホワイトバランス補正値)からLED強発光時のホワイトバランス補正値を推定し撮影することも考えられる。最近では携帯電話機のカメラにもオートフォーカス機能がついた力メラが用いられるようになってきている。このようなカメラではカメラと被写体の距離も求めているので、この距離の情報を使うことができる。本実施の形態では、図1の構成においてカメラモジュール19に距離センサを含むものとする。
カメラと被写体の距離が分かる場合には、距離と環境光の照度により、環境光/LED光の照度比、ホワイトバランス補正比が変わるので予めその比を求めておけば、LED発光時(上記強発光時に相当)のホワイトバランス補正値を推定することが可能である。例えば、環境光がほとんど無い場所では被写体が近くても遠くても補正値はほとんど変わらないと考えられるが、環境光が適当にある室内等では、距離が近い場合にはLED光の色調の影響が強く、距離が遠い場合には環境光の影響が強くなると一般的には考えられる。
従って、環境光がある一定の条件で距離が基準距離(ここでは1m)の時のLED無発光/発光時ホワイトバランス補正値変化がR:+0.2,G:0.0,B:−0.4としさらに、2mの距離での補正値が1mの距離での補正値の半分になるとすると、
LED無発光時のホワイトバランス補正値(1m) R:0.8,G:1.0,B:1.2
となった場合には、
LED発光時のホワイトバランス推定補正値(lm) R:1.0,G:1.0,B:0.8
LED発光時のホワイトバランス推定補正値(2m) R:0.9,G:1.0,B:1.0(補正値半分の為)
としてカメラ撮影を行うようにすれば良い。
基準距離(1m)ではない距離において求めたLED無発光時のホワイトバランス補正値は、基準距離でのLED無発光時のホワイトバランス補正値に換算することができる。環境光がある一定の条件にあることは例えばLED無発光時のカメラモジュール19の撮像素子の出力に基づいて判定することができる。
このようにすることで、LED光で撮影するとき、より正しい色調で撮影画像を得ることが可能となる。
図7は、第2の実施の形態における動作を説明するためのタイミング図である。この例では、カメラ起動後、カメラシャッタスイッチのオン後の次のフレームでLED弱発光を行い、その際のホワイトバランス補正値を設定する。カメラシャッタスイッチのオンに応じて被写体までの距離を測定する。距離の測定(測距)はカメラシャッタスイッチの半押しを契機として実行してもよい。さらに次のフレームでLED強発光を行い、カメラ露光を行う。このLED強発光時のホワイトバランス補正値は上述したように、被写体までの距離と、求められたLED弱発光時のホワイトバランス補正値とに基づいて推定したものである。
図8は、第2の実施の形態における他の動作を説明するためのタイミング図である。図7の例と異なる点は、LED弱発光時ホワイトバランス補正値の代わりにLED無発光時のホワイトバランス補正値を求めて利用する点である。そのために、カメラ起動後にLED無発光時のホワイトバランス補正値を求めて設定し、カメラシャッタスイッチのオン時に被写体までの距離を測定し、続くフレームにLED強発光を行ってカメラ露光を行う。この際のホワイトバランス補正値は上述したように、被写体までの距離と、求められたLED無発光時のホワイトバランス補正値とに基づいて推定したものである。この動作例では、LED弱発光時のホワイトバランス補正値を求める必要がなく、LEDは強発光のみを行えば足りる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、上記で言及した以外にも種々の変形、変更を行うことが可能である。例えば、上記実施の形態では、カメラ撮影に発光を伴う場合のみを説明したが、カメラ撮影に発光を伴うか否かは、従来と同様、ユーザによるモード切替に応じて、強制発光、停止、自動モード等を選択することができる。
本発明が適用されるカメラ及びLED照明付き携帯電話端末の要部構成を示すブロック図である。 カメラ露光とLED発光タイミングの考えられる例を示すタイミング図である。 光源の種類および組み合わせによる色調の差についての説明図である。 実際にカメラ露光する期間以前にLEDを強発光しその間に自動ホワイトバランスを収束しホワイトバランス補正値を設定する例を示すタイミング図である。 LEDと被写体との距離によってホワイトバランスの値を調整し直す必要があることの説明図である。 本発明の第1の実施の形態の動作を説明するためのタイミング図である。 本発明の第2の実施の形態の動作を説明するためのタイミング図である。 本発明の第2の実施の形態における他の動作を説明するためのタイミング図である。
11…アンテナ、12…無線処理部、13…アプリケーション処理部、14…音声処理部、15…マイク、16…スピーカ、17…LEDドライバ、18…白色LED、19…カメラモジュール、20…表示部、21…操作部

Claims (5)

  1. カラー画像のカメラ撮影の際にホワイトバランス調整を行うカメラ撮影画像色調補正装置であって、
    被写体に対して発光を行うことができる発光手段と、
    所定の環境条件下でのホワイトバランス補正値を求める手段と、
    被写体までの距離を測定する測定手段と、
    前記所定の環境条件下で求められたホワイトバランス補正値と前記測定手段により測定された距離情報とに基づいて、前記発光手段による所定の発光時のためのホワイトバランス補正値を推定する手段と、
    前記発光手段の発光を伴う撮像を行うとき、前記推定されたホワイトバランス補正値を用いてホワイトバランス調整を行う制御手段と
    を備えたことを特徴とするカメラ撮影画像色調補正装置。
  2. 前記所定の環境条件は前記発光手段の無発光時であり、前記推定手段は求められたホワイトバランス補正値を基準距離のホワイトバランス補正値に換算し、この換算後のホワイトバランス補正値、および、前記基準距離と前記測定された距離との差に基づいて目的のホワイトバランス補正値を推定することを特徴とする請求項記載のカメラ撮影画像色調補正装置。
  3. 前記所定の環境条件は前記発光手段の前記所定の発光時の発光より弱い発光量の発光時であり、前記推定手段は求められたホワイトバランス補正値を基準距離のホワイトバランス補正値に換算し、この換算後のホワイトバランス補正値、および、前記基準距離と前記測定された距離との差に基づいて目的のホワイトバランス補正値を推定することを特徴とする請求項記載のカメラ撮影画像色調補正装置。
  4. 前記発光手段は白色LEDである請求項1記載のカメラ撮影画像色調補正装置。
  5. カラー画像を撮影するデジタルカメラと、このデジタルカメラによる撮影の際にホワイトバランス調整を行うカメラ撮影画像色調補正装置とを備えた携帯端末装置であって、
    前記カメラ撮影画像色調補正装置は、
    被写体に対して発光を行うことができる発光手段と、
    所定の環境条件下でのホワイトバランス補正値を求める手段と、
    被写体までの距離を測定する測定手段と、
    前記所定の環境条件下で求められたホワイトバランス補正値と前記測定手段により測定された距離情報とに基づいて、前記発光手段による所定の発光時のためのホワイトバランス補正値を推定する手段と、
    前記発光手段の発光を伴う撮像を行うとき、前記推定されたホワイトバランス補正値を用いてホワイトバランス調整を行う制御手段と
    を有することを特徴とする携帯端末装置。
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