JP2010164862A - 画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンテンツの内容を素早く理解したり、コンテンツを十分に楽しんだりすることを可能とする画像表示装置を提供する。
【解決手段】画像の中で画面に表示すべき画像位置と表示倍率とが設定された複数の表示情報を、互いに順序付けて記憶しておき、この表示情報に従って、画像位置および表示倍率を順次切り換えながら画像を画面に表示する。画像の表示を切り換える際には、画面に画像を表示したまま画像位置を移動させることによって切り換え、この時の画像位置の移動態様も予め記憶しておく。こうすれば、大きな画像を前にした閲覧者が視線を動かして、その視界に入った画像の様子をそのまま表示画面上に映し出すように表示することができるので、閲覧者は何ら負担を感じることなく、コンテンツを十分に楽しむことが可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、表示画面上で漫画等のコンテンツを閲覧するための技術に関する。
テレビなどの表示画面上に画像を表示する技術が広く普及している。また近年では、写真や動画などの画像を表示するだけでなく、例えば、漫画などを画像データとして取り込んで表示する画像表示装置が提案されており、表示画面上で漫画などのコンテンツを閲覧することが可能となっている。
このような画像表示装置では、表示画面上でコンテンツを容易に閲覧可能とするために、各種の技術が提案されている。例えば、漫画のように1ページが複数のコマから構成されるコンテンツについては、ページ毎の画像データではなく、コマ毎の画像データを記憶しておき、コマ毎の画像を表示画面上に表示する技術や(特許文献1)、ページ全体の中で表示画面上に表示するエリアを指定して切り換える技術が提案されている(特許文献2)。
特開2007−164550号公報 特開2003−108284号公報
しかし、これら提案されている技術では、以下の理由から、コンテンツの内容を素早く理解したり、あるいはコンテンツを十分に楽しんだりすることが難しいという問題があった。すなわち、提案されている技術は何れも、ページなどの大きな画像の一部を切り出して表示画面に表示することとして、表示する範囲を次々と切り換えることによって、大きな画像の全体を表現しようとしている。言ってみれば、表示画面上に表示される複数個所の断片を、画面を閲覧する人間の頭の中で繋ぎ合わせることによって全体の画像を表現しようとするものになっている。このため、閲覧する者は、複数の断片の画像から全体の画像を構成するために大きな負担を強いられることとなり、その結果、コンテンツの内容を素早く理解したり、十分に楽しんだりすることが困難となっている。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、表示画面上に表示されるコンテンツを容易に閲覧可能とすることにより、コンテンツの内容を素早く理解したり、コンテンツを十分に楽しんだりすることを可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の画像表示装置は次の構成を採用した。すなわち、
画像データを読み出して表示画面に画像を表示する際に、該画像の倍率を変化させて表示可能な画像表示装置であって、
前記画像の中で前記表示画面に表示すべき位置である画像位置と、該表示画面に表示する際の倍率である表示倍率とが設定された複数の画像表示情報を、互いに順序付けられた状態で記憶する設定記憶手段と、
前記設定記憶手段に記憶されている前記各画像表示情報に従って、前記画像位置および前記表示倍率を切り換えながら順次、前記表示画面に前記画像を表示する画像表示手段と
を備え、
前記画像表示手段は、前記画像表示情報に従って前記画像の表示を切り換えるに際し、前記表示画面に該画像を表示しながら、表示されている前記画像位置を、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置に向かって移動させることにより、該画像の表示を切り換える手段であり、
前記設定記憶手段は、前記画像表示情報に加えて、前記切り換え前の画像位置から前記切り換え後の画像位置までの移動態様についての情報を記憶する手段であることを要旨とする。
かかる本発明の画像表示装置では、画像の中で表示画面に表示すべき画像位置と表示倍率とが設定された複数の画像表示情報を、互いに順序付けられた状態で記憶しており、この画像表示情報に従って、画像位置および表示倍率を順次切り換えながら画像を表示画面に表示する。画像の表示を切り換える際には、画像を表示画面に表示したまま、画像位置を移動させることによって切り換えるようになっており、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置までの移動態様についての情報も予め記憶している。ここで、「画像の中で表示画面に表示すべき画像位置」とは、例えば、画像中で表示画面の中心に表示される位置を示す座標や、表示画面の上部右隅に表示される位置を示す座標などとすることができる。
このようにすれば、コンテンツの閲覧者は、表示画面上で順次切り換わる画像を確認するだけでなく、切り換え前の画像から切り換え後の画像に到るまでの過程上の画像についても、表示画面上で確認することができる。その結果、閲覧者は、切り換え前後の画像の関係や画像の繋がりなどを、大きな負担を伴うことなく極めて簡単に理解することができる。更に、このような態様で表示される画像は、もはや断片的な画像が切り換えて表示されているのではなく、あたかも大きな実物の画像を前にして、その画像を閲覧者が視線を動かして観察する際の、閲覧者の視界の画像をそのまま映し出したかのような態様で表示されることになる。このため閲覧者は、自らが視線を動かしているかのように表示画面の画像を確認することができるので、何ら負担を感じることなく、コンテンツの内容を迅速に理解したり、コンテンツを十分に楽しんだりすることが可能となる。
更に加えて、表示画面上に表示される画像を切り換える際には、予め記憶された移動態様に従って画像位置を移動させながら画像を切り換えることができる。このため、あたかもカメラワークのように、表示画面上で切り換え前の画像から切り換え後の画像へと移動させる過程に変化を付けることもできる。そして、移動させる過程(カメラワーク)を予め適切に設定しておくことによって、例えば、切り換え前の画像と切り換え後の画像との内容的な繋がりを強調したり、重要な内容を含んだ画像であることを明確にするといったように、表示画面上で画像を単に切り換えるだけでは表現できないような種々の内容(情報)やニュアンスなども表現することが可能となる。
加えて、本発明の画像表示装置では、複数の画像位置を順次移動していくカメラワークを設定するにあたって、画像位置や表示倍率に加えて、画像位置の移動態様を指定して記憶しておくだけでよい。そのため、カメラワークによるニュアンス等の表現を簡便に実現することが可能となる。
こうした本発明の画像表示装置では、画像位置の移動態様についての情報として、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置への移動に要する時間を記憶しておいてもよい。
このようにすれば、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置へと移動させる速度(移動速度)を速くしたり、遅くしたりすることができる。そのため、例えば、重要な内容や、複雑な内容を表示する場合には、移動に要する時間を長く(移動速度を遅く)設定しておくことによって、閲覧者はコンテンツの内容を十分に理解しながら、コンテンツを楽しむことができる。あるいは、複数の画像位置のうち、画像位置Aから画像位置Bへの移動に要する時間を長く(移動速度を遅く)設定し、画像位置Bから画像位置Cへの移動に要する時間を短く(移動速度を速く)設定しておくことによって、例えば、画像位置Bが画像位置Cよりも画像位置Aと密接に関係付けられていることを表現し、あるいは、画像位置Cの状況が突然に発生したように表現するカメラワークが可能となる。
また、こうした本発明の画像表示装置では、移動態様についての情報として、画像表示を切り換える際の表示倍率の変更態様を記憶しておいてもよい。ここで、表示倍率の変更態様としては、例えば、画像位置の移動に伴って切り換え前の表示倍率から切り換え後の表示倍率へと徐々に変更する態様や、画像位置の移動の過程で所定倍率まで一旦拡大してから縮小する態様、これとは逆に、所定倍率まで一旦縮小してから拡大する態様などを挙げることができる。また、画像位置の移動に先立って表示倍率だけを変更したり、逆に、画像位置の移動を完了した後に表示倍率を変更したりすることも可能である。
このような構成によれば、表示画面上で画像の表示を切り換える際に表示される範囲(視界)を大きくしたり、小さくしたりすることができる。そのため、例えば、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置への移動の過程で、先ず、所定倍率まで表示倍率を縮小(ズームアウト)して、切り換え前後の画像位置の両方を表示画面上に表示した後、拡大(ズームイン)することにより、画像全体の中での切り換え前後の画像位置の対応関係を明確にすることができ、その結果、コンテンツの内容の理解を容易にすることが可能となる。また、画像位置の移動態様に加えて、画像表示を切り換える過程の表示倍率の変更態様も、カメラワークの要素として取り入れることができるので、カメラワークのバリエーションを増やすことができる。例えば、画像位置Aから画像位置Bへの移動の過程で、先ず、所定倍率まで表示倍率を縮小(ズームアウト)して、画像位置Aおよび画像位置Bの両方を表示画面に表示した後、拡大(ズームイン)することによって、画像全体の中での画像位置Aと画像位置Bとの対応関係を明確にするといったようなカメラワークが可能となる。
加えて、こうした本発明の画像表示装置では、移動態様についての情報として、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置までの移動中に経由する画像位置である経由位置を記憶しておいてもよい。
このような構成によれば、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置までの移動経路は、両者を結ぶ直線上に限られず、所定の経由位置を経由する移動経路上の画像も表示画面上に表示することができる。そのため、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置まで移動させる過程で、例えば、切り換え後の画像位置と密接に関係する画像位置(例えば、既に表示した画像位置)を表示画面上に表示させることができ、これにより、コンテンツの内容の理解を、より容易にしたり、深めたりすることが可能となる。もちろん、カメラワークのバリエーションを増やすことができるので、より多彩で柔軟なカメラワークを実現することも可能となる。
尚、経由位置は、その都度異なる位置を指定することも可能であるが、画像全体の中心点のように規定の位置を決めておき、適宜、この位置を経由位置として設定することによって、簡便に移動経路に変化を加えることが可能となる。
また、こうした本発明の画像表示装置では、移動態様についての情報を、複数の画像表示情報の各々に対応付けて記憶しておいてもよい。
このようにすれば、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置までの移動態様を、複数の画像位置を順次切り換える毎に変化させることができる。そのため、表示画面上での画像の切り換えにメリハリをつけたカメラワークにより、様々な内容やニュアンスを表現することが可能となる。一例として、「移動に要する時間」を移動態様についての情報として記憶しておく場合には、複数の画像位置のうち、画像位置Aから画像位置Bへの移動に要する時間を長く(移動速度を遅く)設定し、画像位置Bから画像位置Cへの移動に要する時間を短く(移動速度を速く)設定しておくことによって、例えば、画像位置Bが画像位置Cよりも画像位置Aと密接に関係付けられていることを表現したり、あるいは、画像位置Cの状況が突然に発生したように表現したりするカメラワークが可能となる。
さらに、こうした本発明の画像表示装置では、画像表示情報、および移動態様についての情報に加えて、画像位置で画像の表示を保持する時間(保持時間)についての情報を記憶しておいてもよい。
このようにすれば、表示画面上に表示された画像の内容に応じて、保持時間を長くしたり、短くしたりすることが可能となる。例えば、表示画面上に表示された画像が、文章や細かい映像を含むものである場合には、保持時間を長く設定しておくことによって、表示画面上に表示されたコンテンツを閲覧するのに十分な時間を確保することが可能となる。
尚、画像の表示を切り換える契機としては、所定の静止時間が経過した場合(自動切り換え)、あるいは画像表示装置のユーザーが所定の操作を行った場合(手動切り換え)の何れであってもよく、自動切り換えでは、設定された保持時間が経過したときに、所定の静止時間が経過したと判断して切り換えることとしてもよい。また、手動切り換えでは、ユーザーによる所定の操作が行われても、設定された保持時間が経過するまで、切り換えずに待機するようにしてもよい。
上述した本発明の画像表示装置では、保持時間についての情報を、複数の画像表示情報の各々に対応付けて記憶しておいてもよい。
このような構成によれば、保持時間をカメラワークの要素に取り入れることができるので、より多彩なカメラワークを実現することが可能となる。例えば、複数の画像位置のうち、特に重要な内容が表示される画像位置に対しては長めの保持時間を設定し、あまり重要ではない内容が表示される画像位置に対しては短めの保持時間を設定するなど、画像を画一的な保持時間で切り換えていくだけでは表現できない重要性の差異を保持時間の違いによって表現するカメラワークが可能となる。
さらに加えて、こうした本発明の画像表示装置では、少なくとも移動態様についての情報に対しては、複数の候補を記憶しておくこととして、これら複数の候補の中から選択して、画像表示情報と対応付けることにより、移動態様についての情報を編集可能としてもよい。
このような構成によれば、複数の中から選択された候補に変更して移動態様についての情報を編集することにより、新たなカメラワークを容易に創作することができる。そして、このような複数の候補の中からの選択を、画像表示装置のユーザー(閲覧者)による所定の操作に基づいて行うようにすれば、閲覧者の好みにあった独自のカメラワークで画像を閲覧すること可能となる。
また、本発明は、画像データを読み出して表示画面上に画像を表示するためのプログラムとしての態様で把握することも可能である。すなわち、本発明のプログラムは、
画像データを読み出して、表示画面上に指定された倍率で画像を表示する方法を、コンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像の中で前記表示画面に表示すべき位置である画像位置と、該表示画面に表示する際の倍率である表示倍率とが設定された複数の画像表示情報を、互いに順序付けられた状態で記憶する設定記憶機能と、
前記設定記憶機能によって記憶された各々の前記画像表示情報に従って、前記画像位置および前記表示倍率を切り換えながら順次、前記表示画面に前記画像を表示する画像表示機能と
をコンピュータを用いて実現させるとともに、
前記画像表示機能は、前記画像表示情報に従って前記画像の表示を切り換えるに際し、前記表示画面に該画像を表示しながら、表示されている前記画像位置を、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置に向かって移動させることにより、該画像の表示を切り換える機能であり、
前記設定記憶機能は、前記画像表示情報に加えて、前記切り換え前の画像位置から前記切り換え後の画像位置までの移動態様についての情報を記憶する機能であることを要旨とする。
このようなプログラムをコンピュータに読み込んで、上記の各種の機能を実現させれば、表示画面上でコンテンツを閲覧する閲覧者が、切り換え前後の画像の関係や画像の繋がりなどを、大きな負担を伴うことなく極めて簡単に理解することができる。加えて、表示画面で行われるカメラワークによって、単に画像を切り換えるだけでは表現できないような種々の内容(情報)やニュアンスなども表現することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.画像表示装置の装置構成:
B.本実施例の画像表示装置を用いた画像表示:
C.変形例:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
C−3.第3変形例:
A.画像表示装置の装置構成 :
図1は、テレビの表示画面上に画像を表示する場合を例にとって、本実施例の画像表示装置の大まかな構成、および外部機器との接続状態を示した説明図である。図1(a)には、画像表示装置100およびテレビ10の外観が示されている。図示されている様に、画像表示装置100は、箱型形状をしており、その前面には、様々なコンテンツを記憶した対応メディアが挿入されるドライブ110の挿入口と、専用のコントローラーからの無線通信を受信する受信部112とが設けられている。
画像表示装置100は、接続ケーブル120によってテレビ10と接続されており、テレビ10が備える表示画面30には、画像表示装置100から転送される画像データに基づいて様々な画像が表示される。また、画像表示装置100は、接続回線130を介してインターネットに接続可能となっている。
図1(b)には、画像表示装置100を操作するための専用のコントローラー140の外観が示されている。図示されているように、コントローラー140は、薄い箱型形状をしており、その上面には、画像表示装置100に向けて無線通信を送信する送信部が設けられている。コントローラー140の前面には、右カーソルボタン152、左カーソルボタン154、上カーソルボタン156、下カーソルボタン158、および決定ボタン160の各種ボタンによって構成される操作部150が設けられており、ユーザーは、これら各種ボタンによって画像表示装置100を操作することが可能となっている。
図2は、画像表示装置100の内部の構成を示した説明図である。図示されている様に、画像表示装置100の内部には、各種の演算を実行するCPU102や、CPU102で実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM106、プログラムの実行に際してCPU102が一時的なデータを記憶するRAM104などが備えられており、CPU102が、ROM106に記憶された制御プログラムを実行することによって、画像表示装置100の制御を行っている。加えて、CPU102には、画像表示装置100に前面に設けられた受信部112が接続されており、コントローラー140から操作信号を受信すると、CPU102は、その信号の内容を画像表示装置100の制御に反映させる。
また、CPU102にはドライブ110が接続されており、ドライブ110に挿入されて対応メディアから記憶データを読み出すことができる。加えて、CPU102には接続回線130が接続されており、接続回線を介してインターネットからダウンロードしたデータをROM106へと転送して、外部からのデータをROM106に記憶することが可能となっている。更に、CPU102には接続ケーブル120が接続されており、ROM106やドライブ110の対応メディアに記憶された画像データを、接続ケーブルを介してテレビ10へと転送することによって、その画像を表示画面30に表示することが可能となっている。本実施例の画像表示装置100は、このような構成を用いることにより、例えば、漫画等を画像データとしてROM106上に記憶しておき、その漫画の画像を表示画面30に表示する漫画表示装置として機能する。尚、漫画等の画像データや、その画像を表示画面30に表示するための制御プログラム(アプリケーションソフト)を記憶しておく場所は、ROM106に限られるわけではない。例えば、RAM104や、ドライブ110に挿入された対応メディアに記憶しおいたり、あるいは、メモリカード等の外部記憶装置を画像表示装置100に接続可能として、このメモリカードに記憶しておくこととしてもよい。
B.本実施例の画像表示装置を用いた画像表示 :
図3は、ROM106上に記憶された漫画の画像データの1ページ分を例示した説明図である。本実施例の画像表示装置100では、漫画の1ページ分を1つの画像データとして、全てのページについて画像データを記憶しておくことにより、漫画全体を記憶するようになっている。図3に例示したページでは、1ページの中に(A)から(F)までの6つのコマが描かれている。尚、これら(A)〜(F)の表示は、複数のコマの中の何れであるかを特定するために仮想的に付されたものであり、実際の画像には表示されていない。
また、各ページには、ページの中での位置(座標)を指定するために用いられる座標軸として、横方向の位置を表すX軸と、縦方向の位置を表すY軸とが設定されており、ページの上部右隅が原点(0,0)に定められている。尚、これらの座標軸は、仮想的に設定されたものであり、実際の画像には表示されていない。また、本実施例では、ページの上部右隅を原点としているが、原点はこの位置に限られるわけではなく、例えば、ページの中心点を原点に定めてもよい。本実施例の画像表示装置100では、このようなページの中で指定された範囲(例えば、ページ内に描かれた1つのコマ)を切り換えながら、表示画面30に拡大して表示することが可能となっている。
図4は、図3に示したページの中で、表示画面30に表示する範囲を順次切り換えるための各種パラメータが設定された表示範囲切換リストを例示した説明図である。前述したように、本実施例の画像表示装置100では、ページ毎の画像データを記憶しており、このことと対応して、各ページに対応する表示範囲切換リストがROM106に記憶されている。図示されているように表示範囲切換リストには、表示する順序と対応付けて、表示対象のコマ、表示中心の座標、表示倍率が設定されている。ここで、表示対象のコマとは、ページの中に描かれた複数のコマのうち、表示画面30に表示する対象となるコマである。図3に示したページでは、(A)〜(F)の何れかのコマが表示対象となるが、複数のコマが表示対象となることもある。次いで、表示中心の座標とは、ページの中で表示画面30の中心に表示する点を表す座標であり、図3に示した座標軸(X軸,Y軸)を用いて指定されている。また、表示倍率とは、画像データに基づいて表示画面30にページの画像を表示させる倍率である。尚、本実施例では、ページ全体が表示画面30にちょうど表示される倍率は32%となっている。このように、表示中心の座標および表示倍率を指定することによって、ページの中で表示画面30に表示する範囲(表示範囲)を一義的に定めることができる。尚、表示範囲を定めるためのパラメータとしては、表示中心の座標に限られるわけではなく、例えば、ページの中で表示画面の上部右隅に表示する点の座標であってもよい。
さらに、本実施例の表示範囲切換リストには、表示画面30上に表示中の範囲から、次に表示する範囲までの移動時間、および移動に伴う倍率の切換態様が、表示順序毎に対応付けて設定されている。本実施例の画像表示装置100では、コントローラー140に設けられた右カーソルボタン152をユーザーが操作したことを契機に、このような表示範囲切換リストに従って、ページの中で表示画面30に表示する範囲(表示範囲)を切り換えることによって、単にページの内容を表示するだけでなく、様々な演出効果を付加することが可能となっている。以下では、この点について、具体例を挙げながら説明する。
図5は、図4の表示範囲切換リストに設定された最初の表示範囲から2番目の表示範囲に切り換わる様子を示した説明図である。図5の最上部には、最初の表示範囲が表示画面30に表示された状態が示されている。図4のリストに示したように、最初の表示範囲はコマ(A)を対象としており、表示中心の座標(X1,Y1)はコマ(A)の中心点の位置を表している。そして、画像の表示倍率を100%に合わせることにより、コマ(A)の全体が表示画面30一杯に表示されている。一方、図5の最下部には、コマ(B)を対象とする2番目の表示範囲が表示画面30に表示された状態が示されており、コマ(B)の中心点を表す(X2,Y2)を表示中心として、表示倍率を77%とすることにより、コマ(B)の全体が表示画面30一杯に表示されている。
そして、図4の表示範囲切換リストでは、最初の表示範囲から2番目の表示範囲への移動時間が5秒に設定されていると共に、移動に合わせて表示倍率を徐々に変更するように設定されている。従って、表示画面30では、コマ(A)の中心点(X1,Y1)とコマ(B)の中心点(X2,Y2)とを結ぶ直線に沿って、右から左へと表示中心が5秒かけてゆっくりと移動する。また、この移動に合わせて表示倍率が100%から77%へと徐々に縮小される。図5では、最初の表示範囲であるコマ(A)から、2番目の表示範囲であるコマ(B)へとゆっくり移動していく過程で、表示画面30上での表示が変化していく様子が示されている。図示した例では、登場人物が描かれたコマ(A)が表示画面30の右に消えていくと共に、白鳥の描かれたコマ(B)が左から現れて中央で停止する。このように表示範囲をゆっくりと移動させることによって、あたかも登場人物が白鳥を眺めていたかの様な印象を与えるなど、実際には画像で表現することができないような微妙なニュアンスまで表現することが可能となる。
図6は、図4の表示範囲切換リストに設定された5番目の表示範囲から6番目の表示範囲に切り換わる様子を示した説明図である。図5の場合と同様に、図6の最上部には、移動の始点である5番目の表示範囲(コマ(D)を対象)が表示画面30に表示された状態が示されており、図6の最下部には、移動の終点である6番目の表示範囲(コマ(E)を対象)が表示画面30上に表示された状態が示されている。そして、図5を用いて前述した最初の表示範囲から2番目の表示範囲への移動の場合とは対照的に、5番目の表示範囲から6番目の表示範囲への移動時間は、わずか0.5秒に設定されている(図4参照)。そのため、5番目の表示範囲であるコマ(D)から、6番目の表示範囲であるコマ(E)への移動は、互いの表示中心を結ぶ直線に沿って0.5秒で素早く行われ、移動の過程が表示画面30に表示されるのは一瞬だけである。また、この移動に合わせて画像の表示倍率が91%から71%へと素早く縮小される。このように表示範囲を素早く移動させることによって、場面が急変したような印象を与えることが可能となる。
図7は、図4の表示範囲切換リストに設定された4番目の表示範囲から5番目の表示範囲に切り換わる様子を示した説明図である。図4のリストに依れば、4番目の表示範囲から5番目の表示範囲への移動時間は3秒に設定されている。従って、コマ(C)を対象とする4番目の表示範囲(図7の最上部の状態)から、コマ(D)を対象とする5番目の表示範囲(図7の最下部の状態)へは、互いの表示中心を結ぶ直線に沿って右から左に3秒で移動する。但し、移動に伴う表示倍率の変更については、単に移動に合わせて徐々に変更するのではなく、設定倍率(42%)まで一旦縮小してから拡大するように設定されている。そのため、図7に示したように、コマ(C)からコマ(D)に向けて移動を開始すると、先ず、表示倍率83%から徐々にズームアウトしながら移動していき、中間地点で表示倍率42%まで縮小されたときには、コマ(C)およびコマ(D)が共に表示画面30に表示される。その後は逆に、徐々にズームインしながら移動していき、最終的に表示倍率91%まで拡大されて、5番目の表示範囲であるコマ(D)が表示画面30一杯に表示される。このように、移動する過程で表示倍率を一旦縮小し、表示画面30に始点のコマと終点のコマとを同時に表示することによって、2つのコマの関係を明確にすることができ、例えば、2つのコマに別々に描かれた登場人物同士が会話している場面を印象的に表現することが可能となる。尚、ここでは、表示範囲を切り換える過程で、表示倍率を設定倍率まで一旦縮小してから拡大する例(ズームアウト・ズームイン)について説明したが、本実施例の画像表示装置100では、これとは逆に、表示倍率を設定倍率まで一旦拡大してから縮小する切換態様(ズームイン・ズームアウト)を設定しておくことも可能である。
図8は、図4の表示範囲切換リストに設定された6番目の表示範囲から7番目の表示範囲に切り換わる様子を示した説明図である。図4のリストに依れば、6番目の表示範囲から7番目の表示範囲への移動に対しては、移動時間が3秒に設定されているが、移動に先立って表示倍率だけを変更し、その後、表示倍率を維持したまま移動するように設定されている。そのため、図8の最上部に示されているように、コマ(E)を対象とする6番目の表示範囲が表示画面30に表示された状態で、コントローラー140に設けられた右カーソルボタン152をユーザーが操作すると、先ず、表示中心を(X6,Y6)に維持したまま、表示倍率だけが、次の7番目の表示範囲に対応する125%まで拡大されて、表示画面30に表示される。その後、表示倍率125%を維持したまま、6番目の表示範囲および7番目の表示範囲の互いの表示中心を結ぶ直線に沿って表示範囲が移動していき、図8の最下部に示されているように、コマ(F)を対象とする7番目の表示範囲が最終的に表示画面30に表示される。このように、表示倍率だけを先に拡大することによって、例えば、切り換え前の表示範囲(コマ)の中の一部分と、切り換え後の表示範囲(コマ)とが密接に関係付けられていることなどを表現することができる。尚、ここでは、表示中心の移動に先立って表示倍率だけを変更し、その後に等倍移動するについて説明したが、本実施例の画像表示装置100では、これとは逆に、表示倍率を変えることなく表示中心を移動して、移動後に表示倍率を変更するように切換態様を設定しておくことも可能である。
ここで、図4の表示範囲切換リストに設定された3番目および4番目の表示範囲に注目すると、何れもコマ(C)を表示対象としている。また、7番目および8番目の表示範囲に注目すると、何れもコマ(F)を表示対象としている。このように、1つのコマに対して、複数の表示範囲を設定しておくことによって、本実施例の画像表示装置100では、コマに動きを付けることが可能となる。以下では、この点について、図9を用いて説明する。
図9は、1つのコマの中で表示範囲が切り換わる様子を示した説明図である。先ず、図9(a)は、図4の表示範囲切換リストの3番目の表示範囲から4番目の表示範囲に切り換わることにより、コマ(C)の中で表示範囲が切り換わる様子を示している。3番目の表示範囲に設定された表示中心(X3,Y3)は、コマ(C)に描かれた吹き出し(台詞)の中心点を表しており、表示倍率を167%に合わせると、吹き出し部分だけが表示画面30に大きく表示される。これに対して、4番目の表示範囲に設定された表示中心(X4,Y4)は、コマ(C)全体の中心点を表しており、表示倍率を83%とすることにより、コマ(C)全体(吹き出しと登場人物)が表示画面30に表示される。このように、コマの中の吹き出し部分だけを先に表示することによって、例えば、誰かから突然に話し掛けられ、その後、話し掛けた人物が現れるといったように、1つのコマの中に表現された動きを、より明確に印象付けることができる。
また、図9(b)は、図4の表示範囲切換リストの7番目の表示範囲から8番目の表示範囲に切り換わることにより、コマ(F)を対象とする表示範囲が切り換わる様子を示している。7番目の表示範囲に設定された表示中心(X7,Y7)は、コマ(F)に描かれた登場人物の右肩の位置を表しており、表示倍率を125%とすると、表示画面30にコマ(F)の登場人物は表示されるが、吹き出し部分は表示されない。一方、8番目の表示範囲に設定された表示中心(X8,Y8)は、コマ(F)の中心点を表しており、表示倍率を100%とすることにより、登場人物と吹き出しとを含むコマ(F)の全体が表示画面30に表示される。このように、コマの中の登場人物だけを先に表示し、後から吹き出しを表示することによって、その登場人物が話し始めた様子を表現することが可能となる。
以上に説明したように、本実施例の画像表示装置100では、ページ毎に予め設定された表示範囲切換リストに従って、ページの中で表示画面30に表示する範囲を順次切り換えるようになっている。そして、表示範囲を切り換える際には、表示範囲を一瞬で切り換えてページの中の各表示範囲を断片的に表示画面30に表示するのではなく、切り換え前の表示範囲から切り換え後の表示範囲までの移動過程を表示画面30に連続的に表示するようになっている。このように、ページ等の大きな画像を前にした閲覧者の視線の動き(視界の連続的な移動)と同じように、表示画面30上で表示範囲を移動させることにより、ユーザー(閲覧者)は、より自然な感覚で漫画等のコンテンツを読む(閲覧する)ことが可能となる。結果として、長時間の閲覧による疲れを軽減したり、表示範囲の切り換えの前後で繋がりが分かりやすくコンテンツの内容の理解が容易になったりするという効果を得ることができる。
また、本実施例の表示範囲切換リストには、表示範囲を指定するための表示中心の座標およびページ画像の表示倍率に加えて、切り換え前の表示範囲から切り換え後の表示範囲までの移動時間や、移動に伴う表示倍率の切換態様といった、表示範囲を切り換える過程に関するパラメータが設定されている。そのため、単にページの中の指定された表示範囲を表示画面30に表示するだけでなく、指定された複数の表示範囲を順次移動していく過程(カメラワーク)に変化を付けることで、画像を表示するだけでは表現しきれないような種々の内容やニュアンス等を表現することができる。その結果、ユーザーは、漫画等のコンテンツを従来にはない新たな態様で閲覧することができ、十分に楽しむことが可能となる。
さらに、本実施例の画像表示装置100では、ページの中で表示範囲を連続的に移動させるカメラワークを設定するにあたって、表示範囲切換リストの各種パラメータ(表示中心の座標、表示倍率、移動時間、倍率の切換態様)を編集するだけでよく、各種パラメータを予め適切に設定しておくことによって、前述したように様々な内容やニュアンスを表現する連続的なカメラワークを簡便に実現することが可能となる。
C.変形例 :
C−1.第1変形例 :
上述した実施例の画像表示装置100では、表示画面30の現在の表示範囲から次の表示範囲へは、互いの表示中心を結ぶ直線に沿って移動するようになっていた。しかし、表示範囲の移動は、直線移動に限られるわけではなく、例えば、直線移動以外にも、ページ内に設定された経由点(例えば、ページの中心点)を経由させる移動経路を設定可能としてもよい。以下では、このような構成を採用した第1変形例について説明する。
図10は、第1変形例の表示範囲切換リストに従って、図3のコマ(E)を対象とする表示範囲から、コマ(F)を対象とする表示範囲へと切り換わる様子を示した説明図である。前述した実施例の表示範囲切換リスト(図4)では、表示範囲を切り換える過程に関するパラメータとして、移動時間および表示倍率の切換態様の2つが設定されていたが、第1変形例の表示範囲切換リストでは、これらに加えて、現在の表示範囲から次の表示範囲への移動経路が設定されている。そして、コマ(E)からコマ(F)への表示範囲の移動に対しては、移動時間が3秒、表示倍率の切換態様が「32%まで一旦縮小してから拡大する」に設定されており、さらに、図3のページの中心点を経由させる移動経路が設定されている。そのため、図10に示したように、コマ(E)からコマ(F)への移動では、先ず、コマ(E)に対する表示中心(X6,Y6)とページの中心点(X0,Y0)とを結ぶ直線に沿って縮小しながら移動していき、中心点(X0,Y0)で表示倍率32%まで縮小されると、表示画面30にページ全体が表示される。その後は、中心点(X0,Y0)とコマ(F)に対する表示中心(X7,Y7)とを結ぶ直線に沿って拡大しながら移動していき、最終的にコマ(F)を対象とする表示範囲が表示画面30に表示される。このように、移動の過程でページの中心点を経由させて、ページ全体を表示画面30に表示することによって、次のコマを表示する前にページ全体の内容(例えば、登場人物など)を振り返って、次に表示するコマのページ全体の中での位置付けを明確にすることができる。尚、移動の過程で経由させる点としては、ページの中心点だけでなく、ページ内の何れかを指定可能としてもよいが、ページの中心点のように規定の点としておけば、移動経路に変化を加えたカメラワークを簡便に実現することができる。
C−2.第2変形例 :
前述した実施例および第1変形例では、表示範囲切換リストが予め設定されているものとして説明した。しかし、前述したように、表示範囲切換リストは、たいへんシンプルなデータで構成されていることから、画像表示装置100のユーザーが、表示範囲切換リストの内容を独自に編集可能としてもよい。
ユーザーが表示範囲切換リストの内容を編集するにあたっては、画像の表示を開始する前の表示画面30に表示範囲切換リストを表示して、各種パラメータ(表示中心の座標、表示倍率、移動時間、倍率の切換態様など)の表示順序毎の設定値を、コントローラー140の前面に設けられた操作部150を操作することにより変更可能としてもよい。あるいは、接続回線130を介して接続されたインターネット上から、各種パラメータの設定値が編集された表示範囲切換リストをダウンロードするようにしてもよい。尚、表示範囲を切り換える過程に関するパラメータ(移動時間、倍率の切換態様、移動経路など)の設定値については、必ずしも表示順序毎に設定しておく必要はなく、例えば、各ページに対して設定することとしてもよい。
このように、画像表示装置100のユーザーが、表示範囲切換リストの内容を編集可能としておけば、例えば、図4に例示した表示範囲切換リストでは、「移動時間」や「倍率の切換態様」の設定値を変更することにより、新たなカメラワークを創作し、ユーザーの好みに合わせて独自の態様で漫画等のコンテンツを閲覧することが可能となる。
C−3.第3変形例 :
前述した実施例では、テレビの表示画面上に画像を表示する場合を例に説明した。しかし、画像データを読み出して画像を表示可能であれば、テレビの表示画面に限られるわけではなく、例えば、携帯メディアプレイヤーや、携帯電話、あるいは携帯情報端末(PDA)などの携帯用機器の表示画面に表示する構成であってもよい。以下では、携帯用機器の表示画面に画像を表示する構成を採用した第3変形例について説明する。
図11は、いわゆる携帯メディアプレイヤーを例に、第3変形例の画像表示装置の大まかな構成を示した説明図である。図11(a)には、携帯メディアプレイヤー200の外観が示されている。図示されている様に、携帯メディアプレイヤー200は、薄い箱型形状をしており、その表面には、写真や動画などを表示するための表示画面300が備えられている。表示画面300の下方には、右カーソルボタン402、左カーソルボタン404、上カーソルボタン406、下カーソルボタン408、および決定ボタン410の各種ボタンによって構成される操作部400が設けられており、ユーザーは、これら各種ボタンによって携帯メディアプレイヤー200を操作することが可能となっている。また、携帯メディアプレイヤー200の側面には接続端子210が備えられており、この接続端子210を介して携帯メディアプレイヤー200をコンピュータ等の外部機器と接続することが可能となっている。
図11(b)には、携帯メディアプレイヤー200の内部の構成が示されている。図示されている様に、携帯メディアプレイヤー200の内部には、各種の演算を実行するCPU202や、CPU202で実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM206、プログラムの実行に際してCPU200が一時的なデータを記憶するRAM204などが備えられており、CPU202が、ROM206に記憶された制御プログラムを実行することによって、携帯メディアプレイヤー200の制御を行っている。また、CPU202には接続端子210が接続されており、接続端子210を介して外部のコンピュータ等から取り込んだデータをROM206へと転送することにより、外部からのデータをROM206に記憶しておくことが可能となっている。更に、CPU202には、表示画面300に接続されたフレームメモリ208が接続されており、ROM206に記憶された画像データをフレームメモリ208へと転送することによって、その画像を表示画面300に表示することが可能となっている。
このように、携帯メディアプレイヤー200などの携帯用機器では、表示画面300の大きさが限られていることから、漫画等の1ページを単に縮小して表示したのでは、吹き出しなどの細かい部分を読み取ることが困難である。しかし、図4のような予め設定された表示範囲切換リストに従って、ページの中の各コマに対応付けられた表示範囲を順次切り換えながら表示画面300に連続的に表示するようにすれば、細かな部分を読み取ることができるとともに、印刷物で漫画等を読む場合の視線の動きと同じようにページの中の各コマを順に追いながら、より自然な感覚で読み進めることが可能となる。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、前述した実施例では、コントローラー140に設けられた右カーソルボタン152をユーザーが操作したことを契機に、表示画面30における現在の表示範囲から次の表示範囲に切り換えるように設定されていた。しかし、表示範囲の切り換えは、ユーザーの操作で行わなければならないわけではなく、予め設定された表示保持時間が経過したことを契機に、自動で次の表示範囲に切り換えることとしてもよい。また、この場合、前述した表示範囲切換リストの各種パラメータに追加して、表示保持時間を表示順序毎に対応付けて設定しておいてもよい。このようにすれば、カメラワークの要素に各表示範囲の表示保持時間も取り入れることができるので、より多彩なカメラワークを実現することが可能となる。
また、前述した実施例では、漫画のコンテンツを表示する場合を例に説明したが、表示するコンテンツは漫画に限らず、例えば、料理のレシピ本、マニュアル等の各種説明書、写真集、図鑑、あるいはインターネット上に公開されたWebページなどを表示する場合にも好適に適用することができる。料理のレシピ本の場合には、ページ内に記載された料理の手順毎に表示しながら、カメラワークによって手順の繋がりを明確に表現することができるので、理解し易い態様で閲覧することが可能となる。
更に、インターネット上に公開されたWebページを表示する場合には、ダウンロードしたHTMLファイルからWebページ全体の1つの画像データに変換すると同時に、そのWebページの全体画像の中から表示画面30に表示する範囲(例えば、Webページの中の各フレーム)に対して、図4のような各種パラメータが設定された表示範囲切換リストを自動的に生成することとしてもよい。そして、生成した表示範囲切換リストに従って、表示範囲を順に切り換えながら表示画面30にWebページを表示するようにすれば、大きなWebページであっても、画像の上下左右へのスクロールや拡大・縮小といった煩雑なコントローラー操作を必要とせずに、Webページの隅々まで快適に閲覧する(読む)ことが可能となる。また、Webページ全体の中の表示範囲は表示範囲切換リストに予め設定されているので、一度閲覧した表示範囲をもう一度見ようとする場合に、所望の表示範囲に簡単に戻すことができる。
加えて、大きなWebページの中で表示範囲を切り換える際には、Webページの角や枠を表示した状態で表示範囲を移動させるようにしてもよい。こうすれば、Webページ全体の中でどの部分を見ているのかが明らかになるので、読み飛ばした部分がないという安心感を付与することが可能となる。さらに、Webページ全体の中でどこまで読んだかを、より分かり易くするために、次のような注記情報を表示画面に追加表示するようにしてもよい。例えば、Webページ全体を4分割にして、分割したそれぞれを表示範囲として表示範囲切換リストを設定する場合には、最初の表示範囲を表示画面に表示すると同時に「1/4クリア」という注記情報を表示する。続いて、2番目の表示範囲に切り換わった時点で「2/4クリア」と表示し、3番目の表示範囲に切り換わった時点で「3/4クリア」と表示する。そして、最後の表示範囲に切り換わった際に「オールクリア」と表示するようにすれば、ページ全体を漏れなく閲覧したことを閲覧者に知らせることができる。このため、表示画面上には大きな画像の一部しか表示することができない場合でも、閲覧者に「読み残した部分があるかもしれない」といった不安を抱かせることなく、安心して画像を閲覧させることが可能となる。
テレビの表示画面上に画像を表示する場合を例にとって、本実施例の画像表示装置の大まかな構成、および外部機器との接続状態を示した説明図である。 画像表示装置の内部の構成を示した説明図である。 ROM上に記憶された漫画の画像データの1ページ分を例示した説明図である。 ページの中で表示画面に表示する範囲を順次切り換えるための各種パラメータが設定された表示範囲切換リストを例示した説明図である。 図4の表示範囲切換リストに設定された最初の表示範囲から2番目の表示範囲に切り換わる様子を示した説明図である。 図4の表示範囲切換リストに設定された5番目の表示範囲から6番目の表示範囲に切り換わる様子を示した説明図である。 図4の表示範囲切換リストに設定された4番目の表示範囲から5番目の表示範囲に切り換わる様子を示した説明図である。 図4の表示範囲切換リストに設定された6番目の表示範囲から7番目の表示範囲に切り換わる様子を示した説明図である。 1つのコマの中で表示範囲が切り換わる様子を示した説明図である。 第1変形例の表示範囲切換リストに従って、図3のコマ(E)からコマ(F)へと切り換わる様子を示した説明図である。 携帯メディアプレイヤーを例に、第3変形例の画像表示装置の大まかな構成を示した説明図である。
10…テレビ、 30…表示画面、 100…画像表示装置、
102…CPU、 104…RAM、 106…ROM、
110…ドライブ、 130…接続回線、 140…コントローラー、
150…操作部

Claims (8)

  1. 画像データを読み出して表示画面に画像を表示する際に、該画像の倍率を変化させて表示可能な画像表示装置であって、
    前記画像の中で前記表示画面に表示すべき位置である画像位置と、該表示画面に表示する際の倍率である表示倍率とが設定された複数の画像表示情報を、互いに順序付けられた状態で記憶する設定記憶手段と、
    前記設定記憶手段に記憶されている前記各画像表示情報に従って、前記画像位置および前記表示倍率を切り換えながら順次、前記表示画面に前記画像を表示する画像表示手段と
    を備え、
    前記画像表示手段は、前記画像表示情報に従って前記画像の表示を切り換えるに際し、前記表示画面に該画像を表示しながら、表示されている前記画像位置を、切り換え前の画像位置から切り換え後の画像位置に向かって移動させることにより、該画像の表示を切り換える手段であり、
    前記設定記憶手段は、前記画像表示情報に加えて、前記切り換え前の画像位置から前記切り換え後の画像位置までの移動態様についての情報を記憶する手段である
    画像表示装置。
  2. 請求項1に記載の画像表示装置であって、
    前記設定記憶手段は、前記移動態様についての情報として、前記切り換え前の画像位置から前記切り換え後の画像位置への移動に要する時間を記憶する手段である画像表示装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像表示装置であって、
    前記設定記憶手段は、前記移動態様についての情報として、前記表示画面上で前記画像の表示を切り換える際の前記表示倍率の変更態様を記憶する手段である画像表示装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載の画像表示装置であって、
    前記設定記憶手段は、前記移動態様についての情報として、前記切り換え前の画像位置から前記切り換え後の画像位置までの移動中に経由する画像位置である経由位置を記憶する手段である画像表示装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の画像表示装置であって、
    前記設定記憶手段は、前記移動態様についての情報を、前記複数の画像表示情報の各々に対応付けて記憶する手段である画像表示装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載の画像表示装置であって、
    前記設定記憶手段は、前記画像表示情報、および前記移動態様についての情報に加えて、前記画像位置で前記画像の表示を保持する保持時間についての情報を記憶する手段である画像表示装置。
  7. 前記設定記憶手段は、前記保持時間について情報を、前記複数の画像表示情報の各々に対応付けて記憶する手段である請求項6に記載の画像表示装置。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか一項に記載の画像表示装置であって、
    少なくとも前記移動態様についての情報に対しては、複数の候補を選択可能に記憶している選択候補記憶手段と、
    前記選択候補記憶手段に記憶されている複数の前記候補の中から選択して前記画像表示情報と対応付けることにより、前記移動態様についての情報を編集する編集手段と
    を備える画像表示装置。
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