JP2010164783A - 音出力装置、音出力装置の制御方法、音出力装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

音出力装置、音出力装置の制御方法、音出力装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】どのような接触位置であっても、接触位置に応じた音を出力する音出力装置等を実現する。
【解決手段】本発明の電子楽器100は、面状部材と、接触物が面状部材に接触している接触部分の像を撮像するスキャン処理部12と、スキャン処理部12によって撮像された接触部分の像の面状部材における位置を特定する接触位置特定部1423と、接触位置特定部1423が特定した位置に応じて出力する音を決定する出力音決定部191と、出力音決定部191が決定した音を出力する音出力処理部19と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、接触物が接触している位置と接触している圧力(接触圧)に応じた音を出力する音出力装置、音出力装置の制御方法、音出力装置制御プログラムおよび該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
従来から、楽器の1つとしてギターが存在している。ギターは、その弾く姿がかっこよく魅力的ということもあり、老若男女を問わず、ぜひ弾きたいと思っている人が多い楽器である。
しかしながら、ギターを上手に弾くのは、そう容易ではない。その理由の1つに、いわゆる「コード」を押さえるのが難しいという点を挙げることができる。ここで、「コード」とは、所望の和音のことをいう。そして、「コード」を押さえるというのは、所望の和音となるとように、一方の手(一般的には左手)でギターのネック部の複数の弦を押さえることをいう。
この「コード」には、よく用いられるものだけでも何十という種類がある。そして、それぞれのコードに応じて、押さえる弦の数や、位置が異なっている。ギターを弾くためには、この何十という「コード」を覚えて、その通りに弦を押さえる必要がある。そして、弦を押さえるためには、弦を押さえる手の人差し指、中指、薬指、小指の微妙な動きを必要とする。
よって、上手にコードを押さえられるようになるためには、相当の習熟が必要であり、コードを上手に押さえられないために、ギターを弾くことを断念している人も少なくない。
そこで、このコードを押さえるという行為を容易にできるように、ギターのネック部分に、弦ではなく、ボタンを配置したギターが存在する。これは、コード通りに弦を押さえるのではなく、コードに対応するボタンを押下するという容易な動作で、ギターによる演奏を可能とするものである。
また、特許文献1には、バイオリン等の擦弦楽器において、ネック部に、タッチパッドコントローラを配置し、タッチパッドコントローラにおける押圧位置および押圧力を検出して音階を決定し、ワイヤ(弦)の回転量、回転速度およびワイヤに加わる圧力に応じて発音を制御することで、細かい発音制御を行うことができる技術が記載されている。
さらに、特許文献2には、エレクトリックギターの位置に応じて、楽音信号を加工する楽音信号加工装置が記載されている。
特開2000−322064号公報(2000年11月24日公開) 特開2006−18158号公報(2006年1月19日公開)
しかしながら、上記従来の構成では、コードを押さえる代わりにボタンを押すのみなので、ギターの醍醐味の1つである、押さえている弦を微妙に変化させる奏法、例えば、チョーキング、ビブラート、スライド奏法、クロマティック・ラン奏法等を実現することができない。
すなわち、チョーキング、ビブラート、スライド奏法、クロマティック・ラン奏法等は、押さえている弦を、上下に押し上げたり、揺らしたり、滑らせたりすることにより演奏するものなので、ボタンを押すという行為では実現することはできない。
よって、上記従来の構成では、ギターを単に演奏するということはできるが、上述したような、より幅広い演奏表現を実現することができない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、どのような接触位置であっても、接触位置に応じた音を出力する音出力装置等を実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る音出力装置は、面状部材と、接触物が該面状部材に接触している接触部分の像を撮像する撮像制御手段と、上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像の上記面状部材における位置を特定する接触位置特定手段と、上記接触位置特定手段が特定した上記位置に応じて出力する音を決定する出力音決定手段と、上記出力音決定手段が決定した音を出力する出力音制御手段と、を備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る音出力装置の制御方法は、面状部材を備えた音出力装置の制御方法であって、接触物が該面状部材に接触している接触部分の像を撮像する撮像制御ステップと、上記撮像制御ステップで撮像された上記接触部分の像の上記面状部材における位置を特定する接触位置特定ステップと、上記接触位置特定ステップで特定した上記位置に応じて出力する音を決定する出力音決定ステップと、上記出力音決定ステップで決定した音を出力する出力音制御ステップと、を含むことを特徴としている。
上記の構成または方法によれば、備えられている面状部材に接触している接触部分の像が撮像される。そして、撮像された上記接触部分の像の上記面状部材における位置が特定される。そして、特定された上記位置に応じて出力する音が決定され、出力される。
これにより、面状部材のどのような位置に接触物が接触しても、接触した位置に応じた音を出力することができる。
例えば、ギターにおいて、ネック部に弦ではなく、上記面状部材を設け、撥弦部の弦を弾いたときの音を出力する場合を考える。上記面状部材に指が接触した状態で、撥弦部の弦が弾かれると、面状部材における指の接触位置に対応した音を出力することができる。そして、指の接触位置が面状部材のどのような位置であっても、指の接触位置に応じた音を出力することができるので、指の接触位置が、本来、弦が存在している位置から少しだけずれた場合でも、その位置のずれに対応した音を出力することができる。
よって、従来の機器では困難であった、弦の位置を微妙に変化させることに対応する演奏方法にも対応した音を出力することができる。具体的には、いわゆるビブラートのように弦を揺らすことにより鳴らす音を振動させる演奏方法にも対応した音を出力することができる。
したがって、幅広い演奏方法に対応した音を出力することができる。
なお、「面状部材」は、面状の部材であれば良く、その形状や材料は問わない。例えば、「面状部材」は、平面状の部材に限られず、曲面状の部材であってもよい。さらに、「面状部材」は、閉じられた2次元図形であってもよいし、閉じられた3次元図形の側面であってもよい。2次元図形の例としては、三角形、四角形などの凸多角形や凹多角形が例示できる。また、円や楕円などであってもよい。
3次元図形の例としては、六面体、八面体などの凸多面体や、凹多面体を挙げることができる。また、円錐、円柱、球などであってもよい。
また、面状部材は、光透過率の高い素材で構成されていることが好ましい。さらに、面状部材は、例えば、液晶パネルのように比較的剛性の高い材料で構成されていてもよいし、有機EL(Light Emitting)パネルのように比較的柔軟性のある材料で構成されていてもよい。
本発明に係る音出力装置では、上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像から上記接触物の接触状態を推定する接触状態推定手段を備え、上記出力音決定手段は、上記接触位置特定手段が特定した上記位置と、上記接触状態推定手段が推定した上記接触状態とから出力する音を決定するものであってもよい。
上記の構成によれば、接触状態推定手段は、上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像から上記接触物の接触状態を推定し、上記出力音決定手段は、上記接触位置特定手段が特定した上記位置と、上記接触状態推定手段が推定した上記接触状態とから出力する音を決定する。
これにより、接触物の接触位置に加え、接触状態も考慮して出力する音を決定することができる。
例えば、接触物の面状部材に対する接触状態が、より強く面状部材に接触しているのか、または軽く触れている程度であるのか等により、出力する音を決定することができるので、接触の程度に応じてより幅広く、出力する音を決定することができる。
本発明に係る音出力装置では、上記接触状態推定手段は、上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像における色の分布状態によって上記接触物の接触状態を推定するものであってもよい。
上記の構成によれば、上記接触状態推定手段は、上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像における色の分布状態によって上記接触物の接触状態を推定する。
そして、予め、接触物が面状部材に強く接触したときと、弱く接触したときの色の分布が分かっていれば、接触部分の像における色の分布状態によって、接触物が面状部材に強く接触しているのか、弱く接触しているのかを認識することができる。
これにより、接触物が面状部材に接している圧力である接触圧に応じた音を出力することができる。
ここで、接触物の面状部材に対する接触状態から接触圧の大小が推定できることの原理を説明する。
ここでは、接触物が人間の指の場合を例に挙げて説明する。例えば、黄色人種である日本人の場合、手のひらもしくは指先の腹には、黄色の成分が含まれている。また、手のひらもしくは指先の腹に静脈が毛細血管として存在している関係上、手のひらもしくは指先の腹には、部分的に青色の成分が含まれている。また、手のひらもしくは指先の腹に動脈が毛細血管として存在している関係から全体として手のひらもしくは指先の腹の色は、赤っぽくなっている。したがって、手のひらもしくは指先の腹には、赤色の成分も含まれている。
そして、指先の腹が面状部材の表面にすれすれで(弱く)接触している場合には、全体として指先の腹の色は赤っぽくなるので、指先の腹は相対的に赤色の成分が多く含まれる。
一方、指先の腹をペットボトルなどの表面に接触させて、その裏側から観察してみれば容易にわかるが、指先の腹が面状部材の表面にしっかりと(強く)接触している場合には、指先の腹は、血の気が引いて白くなる。よって、指先の腹が面状部材の表面にしっかりと接触している場合には、指先の腹は相対的に白色の成分が比較的多く含まれる。
すなわち、指先の腹の白っぽさの度合いがより大きくなるほど、もしくは、指先の腹の白っぽい部分の面積がより大きくなるほど、面状部材の表面に指先がより強く接触していることになる。
よって、このような指先の腹の接触状態による少なくとも赤色または白色の分布状態の変化を利用すれば、面状部材上で、その指先の腹が強く接触しているのか、それとも弱く接触しているかなどの推定や、指先の接触圧(圧力)の大きさなどの推定が可能となる。
なお、ここでは、接触物として人間の指を用いて説明したが、これに限られるものではない。接触物は、接触圧が変化すると色が変化するものであればよい。
本発明に係る音出力装置では、上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像における互いに色相の異なる少なくとも第1色および第2色の分布状態を特定する色成分特定手段を備え、上記接触状態推定手段は、上記色成分特定手段によって特定された上記第1色および上記第2色の分布状態から上記接触物の接触状態を推定するものであってもよい。
ここで、「色相」とは、色感の3要素の1つであり、その色と同じ色感を起こすスペクトル単色光の波長で表すことができる。
なお、「第1色及び第2色」の例としては、等色の原理を満たす3色のうちの2色などが例示できるが、必ずしもこのような2色に限定されない。すなわち、第1色及び第2色は、互いに色相の異なる2色であれば良い。
また、「等色の原理」とは、色彩学の学術用語であり、すべての色は3つの色で表現できるという原理のことである。「等色の原理」を満たす3つの色とは、色の3原色や、光の3原色、または、12色相環上で、環にそって4つおきに選択した3つの色(2次色など)などである。
より具体的には、例えば、R(red、赤)、G(green、緑)およびB(blue、青)や、M(マゼンダ)、C(シアン)およびY(イエロー)などを挙げることができる。
上記の構成によれば、色特定手段が、上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像における等色の原理を満たす3色のうち少なくとも第1色および第2色の分布状態を特定し、上記接触状態推定手段は、上記色成分特定手段によって特定された上記第1色および上記第2色の分布状態から上記接触物の接触状態を推定する。
これにより、接触部分の像における色の分布状態が、より正確に特定できるので、接触物の面状部材に対する接触状態を、より正確に判断することができる。
よって、より正確な接触状態に応じて出力する音を決定することができる。
本発明に係る音出力装置では、上記面状部材に、ギターの弦の画像を表示させる表示制御手段を備え、上記出力音決定手段は、上記表示制御手段が表示させた弦の位置と上記接触位置特定手段が特定した上記位置とから、出力する音を決定するものであることが好ましい。
上記の構成によれば、表示制御手段は、面上部材に、ギターの弦の画像を表示させる。そして、出力音決定手段は、表示された弦の位置と、接触位置特定手段が特定した上記位置とから、出力する音を決定する。
これにより、面状部材に表示された弦の位置と、面状部材において接触物が接触している位置とを考慮して出力する音を決定することができる。
例えば、ギターにおいて、ネック部に弦ではなく上記面状部材が備えられているものを考える。面状部材にギターの弦の画像が表示され、ユーザが表示されている弦を指で押さえて、ギターを演奏する場合、表示している弦とユーザが押さえている位置とを考慮して出力する音を決定できるので、通常のギターと同様に、ユーザが押さえている弦の位置に対応した音を出力することができる。
本発明に係る音出力装置では、上記表示制御手段は、上記接触位置特定手段が特定した位置が、上記面状部材に表示させている弦と重なった位置にある場合、上記特定した位置と重なった位置に存在する弦の表示を、他の弦の表示とは異ならせるものであってもよい。
上記の構成によれば、表示制御手段は、接触位置特定手段が特定した位置が、面状部材に表示させている弦と重なった位置にある場合、上記特定した位置と重なった位置に存在する弦の表示を、他の弦の表示とは異ならせる。
これにより、接触物が接触している弦は、他の弦と異なった表示となるので、ユーザは、接触している弦を容易に認識することができる。
本発明に係る音出力装置では、上記表示制御手段は、上記接触状態推定手段が推定した接触状態が同じまま、上記接触位置特定手段が特定した位置が、上記面状部材に表示させている弦と重なった位置から位置が変化すると、表示させている弦の位置を該変化に合わせて移動させるものであってもよい。
上記の構成によれば、表示制御手段は、接触状態推定手段が推定した接触状態が同じまま、接触位置特定手段が特定した位置から位置が変化すると、表示させている弦の位置を該変化に合わせて移動させる。
これにより、接触物の接触位置と弦の表示位置とが重なった状態で、接触物をそのまま移動すると、表示されている弦の位置も接触物の移動に合わせて移動する。
よって、ユーザは、あたかも接触物によって弦が移動しているかのように認識することができる。
例えば、接触物がユーザの指だった場合、指で弦を押さえ、そのまま指の位置を移動させると、表示されている弦の位置が移動するので、ユーザは、あたかも自分の指で弦を動かしているような感覚を得ることができる。
本発明に係る音出力装置では、弦を有する撥弦部を備え、上記出力音制御手段は、上記撥弦部の弦が弾かれると、音を出力するものであってもよい。
上記の構成によれば、弦を有する撥弦部が備えられ、出力音制御手段は、上記撥弦部の弦が弾かれると、音を出力する。
これにより、撥弦部の弦が弾かれると音を出力するので、ユーザは、ギターを弾いている感覚で音出力装置を操作することができる。
なお、上記音出力装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記音出力装置をコンピュータにて実現させる音出力装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
以上のように、本発明に係る音出力装置は、面状部材と、接触物が該面状部材に接触している接触部分の像を撮像する撮像制御手段と、上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像の上記面状部材における位置を特定する接触位置特定手段と、上記接触位置特定手段が特定した上記位置に応じて出力する音を決定する出力音決定手段と、上記出力音決定手段が決定した音を出力する出力音制御手段と、を備えている構成である。
また、本発明に係る音出力装置の制御方法は、面状部材を備えた音出力装置の制御方法であって、接触物が該面状部材に接触している接触部分の像を撮像する撮像制御ステップと、上記撮像制御ステップで撮像された上記接触部分の像の上記面状部材における位置を特定する接触位置特定ステップと、上記接触位置特定ステップで特定した上記位置に応じて出力する音を決定する出力音決定ステップと、上記出力音決定ステップで決定した音を出力する出力音制御ステップと、を含む方法である。
これにより、面状部材のどのような位置に接触物が接触しても、接触した位置に応じた音を出力することができる。
本発明の実施の形態を示すものであり、電子楽器の主制御部の要部構成および記憶部に記憶されているデータを示すブロック図である。 上記実施の形態に係るセンサ内蔵液晶パネルの断面を模式的に示す図である。 図3(a)は、上記実施形態に係る電子楽器が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図3(b)は、上記実施形態に係る電子楽器が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。 上記実施の形態に係る電子楽器の要部構成を示すブロック図である。 上記実施の形態に係る電子楽器で用いられるコマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。 図5に示したコマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。 図7(a)は、上記実施形態に係る電子楽器にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データである。図7(b)は、上記実施形態に係る電子楽器にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、スキャンした結果として得られる画像データである。 上記実施の形態に係る電子楽器が備えるセンサ内蔵液晶パネルの構成および周辺回路の構成を示すブロック図である。 上記施の形態に係る電子楽器の外観を示す説明図である。 図10(a)は、センサ内蔵液晶パネルにおいて、接触領域に指先が弱く接触しているときのR画素およびG画素の分布状態を示す図であり、図10(b)は、接触領域に指先が強く接触しているときのR画素およびG画素の分布状態を示す図である。 上記実施の形態に係るセンサ内蔵液晶パネルに表示される例を示す図である。 上記実施の形態において、ユーザの指が接触している例を示す図である。 上記実施の形態において、センサ内蔵液晶パネルに対する指の接触状態と、音出力処理部が出力させる音との関係を示す図である。 音の高さと波長との関係を示す図である。 上記実施の形態において、ビブラートを行うときの指の接触状態と音の波形との関係を示す図である。 上記実施の形態において、指とセンサ内蔵液晶パネルとの接触面積と接触状態との関係、および実際の光センサ液晶を用いて指を検出した画像例を示す図である。 上記実施の形態に係る電子楽器における、音を出力する処理の流れを示すフローチャートである。 上記実施の形態に係る電子楽器における、接触位置特定・接触圧判定処理の流れを示すフローチャートである。
本発明の一実施の形態について図1から図18に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(電子楽器の概要)
まず、図9を用いて、本発明の一実施の形態に係る電子楽器(音出力装置)100の概要について説明する。図9は、本実施の形態に係る電子楽器100の外観を示す説明図である。
図9に示すように、電子楽器100は、ギターと同様の外観を有しており、通常のギターのネック部に該当する部分に弦ではなく、表示/光センサ部300を備えているものである。また、通常のギターにおいて、指やピック等で弦を弾く部分には、通常のギターと同様の6本の弦912を含む撥弦部911が備えられている。
また、電子楽器100に対するユーザによる操作入力等を受け付けるための操作部903が備えられている。
そして、通常のギターであれば、音程やコード等に応じて、ネック部の弦を押さえて、撥弦部分(通常、指やピック等で弦を弾く部分)の弦を弾いて音を鳴らす。
これに対して、電子楽器100では、表示/光センサ部300に擬似弦を表示する。そして、撥弦部911の弦912が弾かれたときに、表示/光センサ部300に接触しているユーザの指や手(接触物)の位置である接触位置が特定される。また、該接触位置で接触物が表示/光センサ部300に接する圧力である接触圧の強弱が判断される。そして、通常のギターにおいて、上記接触位置および上記接触圧で弦が押さえられた状態で弦が弾かれた場合に鳴る音をシミュレートした音が出力される。
また、電子楽器100は、音を出力中に、上記接触位置および上記接触圧が変化すると、通常のギターで同様の変化があった場合に鳴る音をシミュレートした音が出力される。これにより、ネック部分にボタンを用いた従来の機器では困難であった、通常のギターにおいてネック部の弦を押さえる状態を微妙に変化させることにより鳴らせていた音をシミュレートした音を出力することができる。
また、電子楽器100は、表示/光センサ部300に擬似弦を表示するとともに、ユーザからの指示に応じて、所望のコード(和音)の押弦位置を表示するようになっていてもよい。ここで、コードの押弦位置とは、所望のコード(和音)を出力するために各弦において押さえるべき位置のことである。これにより、ユーザは、所望のコードの押弦位置を容易に認識することが可能となり、ギターの演奏補助機能を提供することができる。
次に、以下で、上記電子楽器100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301について説明する。
(センサ内蔵液晶パネルの概要)
上記電子楽器100の表示/光センサ部300が備えるセンサ内蔵液晶パネル(面状部材)301は、データの表示に加え、対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、センサ内蔵液晶パネル301の表面の近傍に位置する対象物、および、上記表面に接触している対象物の少なくともいずれか一方を検出することである。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
図2を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図2は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
なお、光センサ回路32に含まれる光センサ6は、カラーフィルタ53r、53gおよび53bのそれぞれの近傍(それぞれの画素電極56の近傍)に設けられているが、この構成に限定されるものではない。指先の接触状態を推定する観点からは、光センサ6は、少なくとも、赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍と、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍とに設ければよい。
次に、図3を参照しながら、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301上をタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
図3は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、光センサ6を含む光センサ回路32は、指などの対象物(接触物)64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
上述のように、光センサ6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
(電子楽器の要部構成)
次に、図4を参照しながら、上記電子楽器100の要部構成について説明する。図4は、電子楽器100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、電子楽器100は、1または複数の表示/光センサ部300、回路制御部600、データ処理部700、主制御部800、記憶部901、一次記憶部902、操作部903、外部通信部907、音声出力部908、音声入力部909、音出力部910、および撥弦部911を備えている。ここでは、電子楽器100は、単一の表示/光センサ部300を備えているものとして説明するが、複数備えていてもよい。
表示/光センサ部300は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部300は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
液晶パネル駆動回路304は、回路制御部600の表示制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
光センサ駆動回路305は、回路制御部600のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
バックライト駆動回路308は、回路制御部600のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
次に、回路制御部600について説明する。回路制御部600は、表示/光センサ部300の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。回路制御部600は、表示制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
表示制御部601は、データ処理部700の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
なお、表示制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
センサ制御部602は、データ処理部700のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
なお、電子楽器100が、複数の表示/光センサ部300を備える場合、表示制御部601は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示するかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304を制御する。また、センサ制御部602は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305を制御するとともに、当該指示に応じた表示/光センサ部300の信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。
複数の表示/光センサ部300を備えている場合の例としては、例えば、ネック部のフレット毎に表示/光センサ部300を備えている場合を挙げることができる。この場合、それぞれの表示/光センサ部300は、ネック部におけるそれぞれの位置に対応した表示を行う。また、対象物のスキャンは全ての表示/光センサ部300において行う。
次に、データ処理部700について説明する。データ処理部700は、主制御部800から受信する「コマンド」に基づいて、回路制御部600に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、コマンドの詳細については後述する。
データ処理部700は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。そして、データ処理部700が、主制御部800からコマンドを受信すると、該受信したコマンドに含まれる各フィールド(後述する)の値に応じて、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703の少なくとも一方が動作する。
表示データ処理部701は、主制御部800から表示データを受信するとともに、データ処理部700が受信したコマンドに従って、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。なお、コマンドに応じた、表示データ処理部701の動作については、後述する。
センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、主制御部800に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
次に、主制御部800は、アプリケーションプログラムを実行するものである。主制御部800は、記憶部901に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部902に読み出して実行する。
主制御部800で実行されるアプリケーションプログラムは、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行わせるために、データ処理部700に対して、コマンドおよび表示データを送信する。また、コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部700から受信する。
なお、回路制御部600、データ処理部700、および主制御部800は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部700は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
次に、記憶部901は、図示のように、主制御部800が実行するプログラムおよびデータを格納するものである。なお、主制御部800が実行するプログラムは、アプリケーション固有のプログラムと、各アプリケーションが共用可能な汎用プログラムとに分離されていてもよい。
次に、操作部903は、電子楽器100のユーザの入力操作を受けつけるものである。操作部903は、例えば、スイッチ、ボタンなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部903は、電子楽器100のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号を主制御部800へ送信する。
音出力部910は、電子楽器100で生成したギター音等の音を出力するためのスピーカである。
撥弦部911は、6本の弦912を備え、通常のギターにおいて弦を弾く部分に相当するものである。なお、本実施の形態では、ギターを想定しているので、撥弦部911に備えられた弦912の数は6本としたが、これに限られるものではない。適宜、想定する楽器等に応じて決定すればよい。
その他、電子楽器100は、無線/有線通信によって外部装置と通信を行うための外部通信部907、操作ガイド等の音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部908、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部909などを適宜備えていてもよい。
(コマンドの詳細)
次に、図5および図6を参照しながら、主制御部800からデータ処理部700に送信されるコマンドの詳細について説明する。図5は、コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図6は、コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
図5に示すように、コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、「スキャンパネル」、「表示パネル」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図6に示す値が指定可能である。
「ヘッダ」フィールドは、フレームの開始を示すフィールドである。「ヘッダ」フィールドであることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、データを主制御部800へ送信すべきタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
ここで、“センス”は、最新のデータを直ちに送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、主制御部800に送信する。
また、“イベント”は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、主制御部800に送信する。
また、“オール”は、所定周期でデータを送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、主制御部800に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行う周期と一致する。
本実施の形態では、「データ取得タイミング」フィールドの値は“01”(イベント)に設定されている。
なぜなら、センサ内蔵液晶パネル301に対して指等の接触があったときにスキャンした画像データがデータ処理部700に送信されれば、指の接触があったことを認識できるからである。
これにより、所定の周期でスキャンされたデータに変化があったとき、データ処理部700のセンサデータ処理部703はスキャンの結果である画像データを取得する。
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるコマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを主制御部800に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データを主制御部800に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記代表座標とは、例えば、上記部分画像データの中心の座標、上記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるコマンドを受信すると、上記代表座標の全体画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された、それぞれの部分画像データの、全体画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標を示す座標データのそれぞれを主制御部800に送信する(多点検出)。
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
本実施の形態では、「データ種別」フィールドの値は“010”(部分画像)に設定されている。なぜなら、部分画像のデータがあれば、指が接触している領域を認識することができるからである。
これにより、主制御部800は、データ処理部700から部分画像データを取得する。なお、「データ種別」フィールドの値を「“100”または“110”」に設定して、全体画像を取得するものであってもよい。
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行うことを指定するものである。
本実施の形態では、「スキャン方式」フィールドの値は“00”(反射)に設定されている。なぜなら、バックライトを点灯して、指に光を照射し、その反射光を検出するためである。これにより、表示/光センサ部300は、バックライトを点灯した状態でスキャンを行う。
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、主制御部800に送信する。
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、主制御部800に送信する。
本実施の形態では、「スキャン画像階調」フィールドの値は“01”(多値)に設定されている。なぜなら、色成分特定部141が指の接触部分の像における少なくともRおよびGの分布状態を特定する必要があるからである。
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「スキャン解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度で主制御部800に送信する。
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度で主制御部800に送信する。
本実施の形態では、「スキャン解像度」フィールドの値は“0”(高)に設定されている。なぜなら、指の接触部分の像における色の分布状態が細かく認識できる方が、より正確に接触状態を認識することができるためである。
次に、「スキャンパネル」フィールドは、電子楽器100が複数の表示/光センサ部300を備えているときに、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかを指定するフィールドである。「スキャンパネル」フィールドには、例えば、“001”(第1の表示/光センサ部300)、“010”(第2の表示/光センサ部300)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、“第1の表示/光センサ部300”と“第2の表示/光センサ部300”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャンパネル」フィールドの値が“第1の表示/光センサ部300”であるコマンドを受信すると、第1の表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305およびバックライト駆動回路308を制御するように、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
次に、「表示パネル」フィールドは、電子楽器100が複数の表示/光センサ部300を備えているときに、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示させるかを指定するフィールドである。「表示パネル」フィールドには、例えば、“001”(第1の表示/光センサ部300)、“010”(第2の表示/光センサ部300)という値が指定可能である。なお、これらの値を加算することによって、複数の表示/光センサ部300を同時に指定可能である。例えば、“第1の表示/光センサ部300”と“第2の表示/光センサ部300”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
ここで、表示データ処理部701は、例えば、「表示パネル」フィールドの値が“第1の表示/光センサ部300”であるコマンドを受信すると、第1の表示/光センサ部300に表示データを表示させるために、第1の表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304およびバックライト駆動回路308を制御するように、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与える。
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
なお、主制御部800にて実行されるアプリケーションは、コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
また、ユーザが指などでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、指などは動きがあるため、さらに、当該コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。
また、コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指などでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
(全体画像データ/部分画像データ/座標データ)
次に、図7を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図7(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図7(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
図7(b)に示す画像データでは、図7(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図7(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
(センサ内蔵液晶パネルの構成)
次に、図8を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図8は、表示/光センサ部300の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード36のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード36に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード36に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード36のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
走査信号線駆動回路3041は、表示制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
データ信号線駆動回路3042は、表示制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
(主制御部の構成および記憶部に記憶されているデータ)
次に、図1を参照しながら、電子楽器100の主制御部800の構成および記憶部901に記憶されているデータについて説明する。図1は、本実施の形態に係る電子楽器100の主制御部800の要部構成および記憶部901に記憶されているデータを示すブロック図である。
なお、ここでは、説明を分かりやすくするために、主制御部800と表示/光センサ部300との間に位置するデータ処理部700および回路制御部600の動作については説明を省略する。ただし、正確には、データの表示および対象物のスキャンを行うにあたり、主制御部800の各部が、データ処理部700にコマンドを送信し、データ処理部700がコマンドに基づいて回路制御部600を制御し、回路制御部600が表示/光センサ部300に対して信号を送信する。また、主制御部800は、データ処理部700に対して送信したコマンドに対する応答として、データ処理部700から、全体画像データ、部分画像データ、および座標データを取得する。
図1に示すように、記憶部901は、スキャン属性情報記憶部22、画像データ記憶部23、解析データ等記憶部24、出力音データ記憶部25、および表示画像記憶部26を含んでいる。
スキャン属性情報記憶部22は、スキャン実行部131が、データ処理部700に送信する各種コマンドの各フィールド値などを記憶している。また、スキャン属性情報記憶部22は、表示/光センサ部300に対してスキャンを実行させたり、データ処理部700に対して主制御部800へ、全体画像、部分画像および代表位置などのスキャンデータを送信させたり、スキャンデータ保持部134もしくは画像データ記憶部23にスキャンデータを記憶させる等の制御を行うために必要な各種データ(スキャン属性情報)を記憶しているものである。
画像データ記憶部23は、スキャンデータを一時的に、もしくは常時記憶しているものである。
解析データ等記憶部24は、各種解析データや、データの解析に必要なデータなどを記憶しているものである。より詳細には、解析データ等記憶部24は、接触領域特定結果記憶部241、色成分特定結果記憶部242、および接触状態推定結果記憶部243の3つの記憶領域を含んでいる。
そして、接触領域特定結果記憶部241は、下記に説明する接触位置特定部1423が特定した接触領域特定結果を記憶するものである。
色成分特定結果記憶部242は、下記に説明する色成分特定部141が特定する色成分特定結果を記憶するものである。
接触状態推定結果記憶部243は、下記に説明する接触状態推定部142が推定した接触状態推定結果を記憶するものである。
出力音データ記憶部25は、電子楽器100の音出力部910から出力する音を記憶しているものである。出力音データ記憶部25に記憶されている音としては、通常のギターの音の他、電子楽器100で出力が可能な所定の楽器の音、例えば、ベース、三味線、バンジョー、またはピアノ等の音が記憶されていてもよい。なお、電子楽器100は、後述するように、出力音データ記憶部25に記憶されている音だけでなく、自装置で生成した音を出力するものであってもよい。
表示画像記憶部26は、表示/光センサ部300で表示させる画像を記憶しているものである。表示させる画像としては、擬似弦、押さえる位置を示すマーク、およびフレット等が挙げられる。
また、表示画像記憶部26は、コード毎に押さえる表示するコード表示画像を記憶している。
また、表示画像記憶部26は、曲におけるコードと、該曲において、そのコードを用いる時点とを記憶していてもよい。
次に、主制御部800について説明する。図1に示すように、主制御部800は、スキャン処理部(撮像制御手段)12、接触状態推定処理部14、画像表示処理部(表示制御手段)18、および音出力処理部(出力音制御手段)19を含む構成である。
また、スキャン処理部12は、スキャン実行部(撮像制御手段)131、スキャンデータ保持部134、およびスキャン属性情報設定部135を含む構成である。さらに、スキャン実行部131は、スキャン実行指示部(撮像制御手段)132およびスキャンデータ格納部(撮像制御手段)133を含む構成である。
また、接触状態推定処理部14は、色成分特定部(色成分特定手段)141、接触状態推定部(接触状態推定手段)142、接触状態推定結果格納部143、および色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145を含む構成である。さらに、接触状態推定部142は、色成分分布状態解析部1421、接触状態決定部1422、および接触位置特定部1423を含む構成である。
また、音出力処理部19は、出力音決定部(出力音決定手段)191、出力音モード決定部192、弾弦判断部193、および接触領域変化判断部194を含む構成である。
まず、図1に示すスキャン処理部12は、図4に示すセンサデータ処理部703に対してスキャンの実行を指示するものである。また、スキャン処理部12は、スキャンの実行により、画像データバッファ704に蓄積されていくスキャンデータを主制御部800に送信させるとともに、主制御部800が受信したスキャンデータを、スキャンデータ保持部134、または画像データ記憶部23に記憶させる。
スキャン実行部131のスキャン実行指示部132は、データ処理部700に対してスキャンの実行を指示して、回路制御部600の光センサ駆動回路305を駆動させ、表示/光センサ部300の光センサ回路32を動作させて、センサ内蔵液晶パネル301に接触する接触物(通常は指や手)の接触部分の像を、各光センサ6を用いてスキャンさせる制御を行うものである。
また、スキャン実行部131のスキャンデータ格納部133は、画像データバッファ704に蓄積されていくスキャンデータを主制御部800に送信させ、該スキャンデータをスキャンデータ保持部134、または画像データ記憶部23に記憶させる制御を行うものである。
スキャンデータ保持部134は、主制御部800が受信したスキャンデータ、領域APにおける座標データ(Xa,Ya)、および、領域PPにおける座標データ(Xp,Yp)などの領域PPの領域APにおける配置に関するデータや領域PPの大きさおよび形状等に関するデータ等を一時記憶するものである。
なお、「領域PP」は、センサ内蔵液晶パネル301上の接触物の接触による接触面の領域自体であってもよいし、接触面の外部近傍を含む任意の広さの領域であってもよい。ただし、電子楽器100の処理速度を高めると共にメモリを節約する観点からは、できるだけ狭い領域であることが好ましい。ここで、「接触面」とは、接触物の接触部分によって覆われるセンサ内蔵液晶パネル301上の領域のことである。
スキャン属性情報設定部135は、スキャン属性情報記憶部22に記録されている各種コマンドデータを読み出して、電子楽器100のスキャン属性の設定を行うものである。
接触状態推定処理部14は、画像データ記憶部23に記憶されたスキャンデータから接触物の接触部分の像における互いに色相の異なる少なくとも第1色および第2色の分布状態を特定するものである。そして、接触状態推定処理部14は、特定した第1色および第2色の分布状態から接触物の接触状態を推定する。また、接触状態推定処理部14は、接触物の接触状態を推定した結果(接触状態推定結果)を色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145、および解析データ等記憶部24の色成分特定結果記憶部242に記憶させるなどの制御を行う。
色成分特定部141は、画像データ記憶部23に記憶されたスキャンデータから接触物の接触部分の像における互いに色相の異なる少なくとも第1色および第2色の分布状態を特定するものである。
また、色成分特定部141は、特定した第1色および第2色の分布状態に関するデータ(色成分特定結果)を色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145、および色成分特定結果記憶部242に記憶させる。
接触状態推定部142は、色成分特定部141によって特定された第1色および第2色の分布状態から接触物の接触状態を推定するものである。
ここで、「色相」とは、色感の3要素の1つであり、その色と同じ色感を起こすスペクトル単色光の波長で表すことができる。
なお、「第1色及び第2色」の例としては、等色の原理を満たす3色のうちの2色などが例示できるが、必ずしもこのような2色に限定されない。すなわち、第1色及び第2色は、互いに色相の異なる2色であれば良い。
また、「等色の原理」とは、色彩学の学術用語であり、すべての色は3つの色で表現できるという原理のことである。「等色の原理」を満たす3つの色とは、色の3原色や、光の3原色、または、12色相環上で、環にそって4つおきに選択した3つの色(2次色など)などである。
より具体的には、例えば、R(red、赤)、G(green、緑)およびB(blue、青)や、M(マゼンダ)、C(シアン)およびY(イエロー)などを挙げることができる。
また、「分布状態」は、アナログ画像のように、第1色もしくは第2色が連続的に分布した状態であってもよいし、デジタル画像のように第1色もしくは第2色が画素毎に、非連続に分布した状態であってもよい。なお、本実施形態では、特に断らない限り、スキャンデータ中の全体画像データや部分画像データは、デジタル画像であるものとする。
ところで、例えば、黄色人種である日本人の場合、手のひらもしくは指先の腹には、黄色の成分が含まれている。また、手のひらもしくは指先の腹に静脈が毛細血管として存在している関係上、手のひらもしくは指先の腹には、部分的に青色の成分が含まれている。また、手のひらもしくは指先の腹に動脈が毛細血管として存在している関係から全体として手のひらもしくは指先の腹の色は、赤っぽくなっている。したがって、手のひらもしくは指先の腹には、赤色の成分も含まれている。
そして、指先の腹がセンサ内蔵液晶パネル301にすれすれで(弱く)接触している場合には、全体として指先の腹の色は赤っぽくなっているので、指先の腹は相対的に赤色の成分が多く含まれている。
一方、指先の腹をペットボトルなどの表面に接触させて、その裏側から観察してみれば容易にわかるが、指先の腹がセンサ内蔵液晶パネル301にしっかりと(強く)接触している場合には、血の気が引いて白くなる。よって、指先の腹がセンサ内蔵液晶パネル301にしっかりと接触している場合には、指先の腹は相対的に白色の成分が比較的多く含まれている。
すなわち、指先の腹の白っぽさの度合いがより大きくなるほど、もしくは、指先の腹の白っぽい部分の面積がより大きくなるほど、センサ内蔵液晶パネル301に指先がより強く接触していることになる。
よって、このような指先の腹の接触状態による少なくとも赤色および白色の分布状態の変化を利用すれば、センサ内蔵液晶パネル301上で、その指先の腹が強く接触しているのか、それとも弱く接触しているかなどの推定や、指先の接触圧(圧力)の大きさなどの推定が可能となる。
なお、ここでは、接触物として人間の指を用いて説明したが、これに限られるものではない。接触物は、接触圧が変化すると色が変化するものであればよい。
接触物として指先を対象とする場合には、第1色は、Rであり、第2色は、GおよびBうちのいずれか1色であることが好ましい。
以上によれば、第1色はRであるので、例えば、指先の腹が弱く接触しているときの、指先の腹の像に含まれるRの成分の分布状態を特定することができる。
また、第2色は、GおよびBのうちのいずれか1色であり、白色は、R、GおよびBの混色した色なので、例えば、GおよびBのうちのいずれか1色の分布状態を特定することで、指先の腹が強く接触しているときの、指先の腹の像に含まれる白色の成分の分布状態を間接的に特定することができる。
また、指先に何らかの器具を装着し、該器具でセンサ内蔵液晶パネル301に接触するような場合、接触部分の画像は、指先の腹の場合のような赤色および白色とは色相の異なるものとなる。よって、赤色および白色とは色相の異なる任意の色の分布状態の変化を利用するものであってもよい。
以上のような観点に基づき、電子楽器100における接触状態推定部142は、色成分特定部141によって特定された第1色および第2色の分布状態から指先の接触状態を推定する。
なお、以下では、特に断らない限り、接触物として指先を、第1色としてRを、第2色としてGを選択したものとして説明する。
そして、上述した原理により、あらかじめ指先の接触部分の像に含まれるRおよびGの分布状態と、指先の接触状態(例えば、指先の接触圧の大きさや接触の強弱など)との関係を調べておけば、指先の接触部分の像に含まれるRおよびGの分布状態に基づいて、センサ内蔵液晶パネル301上に接触した指先の接触状態を推定することが可能となる。
ここで、接触状態推定部142による指先の接触状態の推定方法の具体例について説明する。
本実施形態の電子楽器100では、接触状態推定部142は、RおよびGの分布状態から、RおよびGの成分比R/Gを算出(特定)し、成分比R/Gにあらかじめ対応付けられた指先の接触圧を特定する。これにより、成分比R/Gから、指先の接触圧を特定することができる。
なお、「成分比R/G」の例としては、画素毎のRの輝度値の合計値と、画素毎のGの輝度値の合計値との比、Rの輝度値の全画素の平均値と、Gの輝度値の全画素の平均値との比などが例示できる。
また、次のような方法によっても、接触状態を推定することができる。図10を用いて説明する。図10(a)は、センサ内蔵液晶パネル301において、接触領域に指先が弱く接触しているときのR画素およびG画素の分布状態を示す図であり、図10(b)は、接触領域に指先が強く接触しているときのR画素およびG画素の分布状態を示す図である。
なお、ここでは、領域PPおよび指先の接触位置が特定された後の動作について説明する。これ以前の動作については、上述したとおりである。
色成分特定部141は、領域PPに含まれる画素回路31毎に、Rの輝度値(明度値)とGの輝度値(明度値)との差が所定の閾値以上である画素回路31(小領域)をR画素(第1領域)とし、Rの輝度値(明度値)とGの輝度値(明度値)との差が、前記所定の閾値未満である画素回路31をG画素(第2領域)として、R画素の画素数(第1領域の数)のG画素の画素数(第2領域の数)に対する画素数比R/G(領域数比)を特定し、その結果(色成分特定結果)を色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145および色成分特定結果記憶部242に記憶させる。
なお、上記のように、Rの割合とGの割合とのどちらが高いかの判定基準は、RおよびGの輝度値の大小を用いればよい。
また、本実施形態では、領域PPを複数の領域に分割した小領域が、単位画素30を1つだけ含む領域である場合について説明するが、小領域は、複数の単位画素30を含む任意の大きさの領域であってもよい。しかしながら、指先の接触状態を推定する精度の観点からは、領域PP内の小領域の数はできるだけ多くとることが好ましい。
例えば、小領域が、単位画素30を1つだけ含む領域の場合、その単位画素30のRの輝度値(明度値)とGの輝度値(明度値)との差が所定の閾値以上である単位画素30を第1領域とし、Rの輝度値(明度値)とGの輝度値(明度値)との差が、前記所定の閾値未満である単位画素30を第2領域とすればよい。
一方、小領域が、複数の単位画素を含んでいる場合、Rの輝度値(明度値)とGの輝度値(明度値)との差が所定の閾値以上である単位画素30の数が多い小領域を第1領域とし、Rの輝度値(明度値)とGの輝度値(明度値)との差が、前記所定の閾値未満である単位画素30の数が多い小領域を第2領域とすればよい。
次に、接触状態推定部142は、色成分特定部141によって色成分特定結果が記憶されたことをトリガとして、色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145または色成分特定結果記憶部242から、画素数比R/Gを読み出し、画素数比R/Gと、解析データ等記憶部24に予め記憶されている指先の接触圧との関係を示す情報(画素数比/接触圧テーブル情報)を参照して、算出した画素数比R/Gに対応づけられた指先の接触の強弱(接触圧)を特定する。
なお、指先の接触圧の強弱は、接触圧を「強」と判定する接触圧の範囲および接触圧を「弱」と判定する接触圧の範囲を予め定めておき、接触圧が、これらの範囲のいずれに属するかによって判定してもよいし、接触圧自体による判定ではなく、画素数比R/Gの値が予め定められた閾値を超えているか否かによって判定してもよい。
なお、成分比R/Gまたは画素数比R/Gと閾値との比較にヒステリシスを設けてもよい。
例えば、成分比R/Gまたは画素数比R/Gが0.3未満になると、接触圧が「弱」から「強」に変化したと判断し、成分比R/Gまたは画素数比R/Gが、0.5以上になると接触圧が「強」から「弱」に戻ったと判断する場合などが例示できる。
なお、ここでの「ヒステリシス」とは、行きと戻りとで閾値を変えることによって、強/弱の状態にある程度の安定性を持たせるためのものである。
また、画素数比R/Gの値の変化量に閾値を定め、画素数比R/Gの値の変化量がこの閾値より大きいか否かによって接触の強弱を判定してもよい。
これにより、指先の接触圧を特定するための処理データを領域PP内の情報に限定することができる。また、画素回路31毎のRおよびGのそれぞれの輝度値などといった大きなメモリ容量を要する処理データを、
R画素およびG画素のそれぞれの画素数といった単純で、大きなメモリ容量を要しない処理データに置き換えているので、大幅に処理速度を高めると共にメモリを節約することが可能となる。
またR画素およびG画素の分布状態は、二次元的なデータなので、これを利用することで、例えば、領域PP内の接触圧の分布状態などに対応付けることも可能となる。
次に、図10(a)および図10(b)に基づき、画素数比R/Gと、その閾値の算出方法の具体例について説明する。
図10(a)の分布図と比較して、図10(b)の分布図では、G画素の数が多くなっていることがわかる。これは、指先の接触が弱い状態から強い状態に変わると、赤色に比べて白色の成分が多くなることを示している。
次に、画素数比R/Gの所定の閾値の算出例について説明する。まず、図10(a)の分布図では、R画素の画素数(Rの数)=115、G画素の画素数(Gの数)=54となっているので、R/G(a)=115/54=2.12と算出される。
一方、図10(b)の分布図では、R画素の画素数(Rの数)=75、G画素の画素数(Gの数)=94となっているので、R/G(b)=75/94=0.79と算出される。
そこで、画素数比R/Gは、R/G(a)およびR/G(b)の平均値を求めて1.45と設定している。
以上によれば、画素数比R/Gが、閾値1.45を超えれば、指先の接触は弱いと推定し、画素数比R/Gが、閾値1.45を超えなければ、指先の接触は強いと判定することができる。
なお、ここでは、説明を省略するが、接触状態推定部142は、上述した成分比R/Gが、予め定められた閾値を超えているか否かを特定してもよい。
これにより、例えば、指先の接触の強弱は、成分比R/Gもしくは画素数比R/Gの大小と密接に関係しているので、成分比R/Gもしくは画素数比R/Gに所定の閾値を設定し、成分比R/Gもしくは画素数比R/Gが、設定された閾値を超えているか否かによって指先がセンサ内蔵液晶パネル301に強く接触しているか、それとも弱く接触しているのかを区別して特定することができる。
よって、例えば、指先の接触状態が強いときをクリック操作に結び付け、指先の接触状態が弱いときをポインタによる操作に結び付けることで、指先の接触状態により、操作種別の使い分けが可能となる。
なお、「予め定められた閾値を超えているか否か」は、1つの成分比R/Gまたは画素数比R/Gから特定する。すなわち、ここでは、RおよびGの分布状態の時間的変化は無く、上記分布状態が静的である場合を想定している。
また、「閾値」の設定方法については、上述したように、指先の腹の接触が強いときの成分比R/Gまたは画素数比R/Gと、指先の腹の接触が弱いときの成分比R/Gまたは画素数比R/Gとを求めて、これらの成分比R/Gまたは画素数比R/Gの平均値などを閾値として設定する場合などが例示できる。
また、上述した成分比R/Gまたは画素数比R/Gの値は、人種による肌の色の違いや日焼けなどによる個人差の影響があるので、電子楽器100は、ユーザが試験的に指先に強弱をつけてセンサ内蔵液晶パネル301に接触させたときのスキャンデータからR/Gの値を校正できるようにしておくことが好ましい。
例えば、日本人を例にとれば、電子楽器100の出荷の際には、平均的な日本人によるスキャンデータからR/Gの値と指先の接触の強弱との関係を調べたデータを記憶させておき、ユーザ使用時にユーザが必要に応じて試験的に指先を、強弱を加えてセンサ内蔵液晶パネル301に接触させたときのスキャンデータから求めたR/Gの値と、上述した出荷時のR/Gの値とを比較して、上記所定の閾値の値を校正する方法などが例示できる。
次に、接触状態推定部142は、さらに色成分分布状態解析部1421、接触状態決定部1422、および接触位置特定部(接触位置特定手段)1423を含む構成である。
色成分分布状態解析部1421は、色成分特定部141によって色成分特定結果記憶部242に記憶された、領域PPにおけるR画素およびG画素の分布状態を読み出し、領域PPにおける各R画素の重心位置、または領域PPにおける各G画素の重心位置を算出するものである。
また、接触状態決定部1422は、上述した「成分比R/G」および「成分比/接触圧テーブル情報」、もしくは「画素数比R/G」および「画素数比/接触圧テーブル情報」を参照して、算出した成分比R/Gまたは画素数比R/Gに対応づけられた指先の接触の強弱(接触圧)を決定するものである。
また、接触位置特定部1423は、領域PPにおける各R画素の重心位置または各G画素の重心位置から指先の接触位置として推定するものである。
各R画素および各G画素の分布状態は、指先の接触部分の形状が円形の場合、ほぼ同心円状に分布する傾向を示す。例えば、図10(a)および図10(b)に示すように指先の腹のようなほぼ円形の接触面内のRおよびGの分布のように、ドーナツ状か、円形状、もしくは、接触領域の外周に沿ってまわりを取り囲むような囲い形の領域のいずれかの分布傾向を示す。
よって、領域PPにおける上記各R画素の重心位置または上記各G画素の重心位置のいずれかを用いれば、接触圧のもっとも大きな位置、すなわち、指先の接触圧の分布状態に応じたより正確な指先の接触位置の推定が可能となる。
例えば、領域PPの重心位置から上記各R画素の重心位置までの距離をX、領域PPの重心位置から上記各G画素の重心位置までの距離をYとすると、『Y:X≒R画素の画素数:G画素の画素数』の関係が成立する。なお、領域PPの重心位置、上記各R画素の重心位置および上記各G画素の重心位置は、同一直線上に存在する。
そこで、例えば、指先の接触状態が弱い場合は、Rがほぼ円形状の分布状態となるので、各R画素の重心位置が、ほぼ指先の接触位置を与えることになる。
しかしながら、上述のように、『Y:X≒R画素の画素数:G画素の画素数』の関係が成り立つので、結局、各G画素の重心位置から逆に各R画素の重心位置、すなわち、指先の接触位置を推定することも可能である。
以上によれば、指先の接触圧のもっとも大きな位置、すなわち、より正確な指先の接触位置を推定することが可能となる。
また、接触位置特定部1423は、さらに、成分比R/Gが、予め定められた閾値を挟んで変化したか否かを特定したり、画素数比R/Gが、予め定められた閾値を挟んで変化したか否かを特定したりするものである。
これにより、例えば、指先の接触の強弱の変化は、成分比R/Gもしくは画素数比R/Gの大小の変化と密接に関係しているので、成分比R/Gもしくは画素数比R/Gに所定の閾値を設定し、成分比R/Gもしくは画素数比R/Gが、設定された閾値を挟んで変化したか否かによってセンサ内蔵液晶パネル301に接触した指先の強弱に変化があったか否かを特定することができる。
また、例えば、指先の接触の強弱と、成分比R/Gまたは画素数比R/Gとの関係を予め調べておくことによって、指先の接触の強弱の変化(接触圧の大きさの変化)があったか否かを判定することができる。
ここで、「予め定められた閾値を挟んで変化したか否か」は、時間を隔てて特定された少なくとも2つのRおよびGの分布状態(成分比R/Gまたは領域数比R/G)から特定する。すなわち、ここでは、上記分布状態の時間的変化が存在し、上記分布状態が動的である場合を想定している。
また、閾値を挟んだ変化には、成分比R/Gまたは領域数比R/Gが上下のいずれに変化する場合も含まれる。
これにより、指先の接触状態(接触圧)の時間的変化に応じた操作種別の使い分けが可能となる。すなわち、指先の接触状態(接触圧)の時間的変化を電子楽器100に認識させることが可能となる。
また、「閾値を挟んだ変化」は、1回だけ閾値を挟んで変化する場合のみでなく、2回以上閾値を挟んで変化する場合も含めてもよい。
また、「閾値」の設定方法については、指先の接触が強いときの成分比R/Gまたは画素数比R/Gと、指先の接触が弱いときの成分比R/Gまたは画素数比R/Gとを求めて、これらの成分比R/Gまたは画素数比R/Gの平均値などを閾値として設定する方法などが例示できる。
また、接触位置特定部1423は、成分比R/Gもしくは画素数比R/Gの変化量を特定するものである。
なお、「成分比R/Gもしくは画素数比R/Gの変化量」は、時間を隔てて特定された2つの成分比R/Gまたは画素数比R/G間の変化から特定する。すなわち、ここでは、成分比R/Gまたは画素数比R/Gの時間的変化が存在し、成分比R/Gまたは画素数比が動的である場合を想定している。
例えば、指先の接触圧の変化量と、成分比R/Gまたは画素数比R/Gの変化量との間には、ほぼ線形的な関係がある。
そこで、成分比R/Gまたは画素数比R/Gの変化量を他の何らかの変化量(例えば、音量や音程)に反映させることが可能となる。
また、接触状態決定部1422は、さらに成分比R/G、もしくは画素数比R/Gが、予め定められた閾値を超えているときの指先の接触位置を第1接触位置とし、成分比R/Gもしくは画素数比R/Gが、予め定められた閾値を超えていないときの指先の接触位置を第2接触位置として特定する。
なお、成分比R/Gを指先の接触状態の推定に利用する場合、指先の接触位置は、領域PPの中心もしくは代表座標を採用すればよい。
これにより、上記閾値を超えているときの第1接触位置と、上記閾値を超えていないときの第2接触位置とを区別して特定することができる。
したがって、例えば、指先を弱く接触させたときの移動を、指を弦に触れている状態で移動させたことに結び付けたり、指先を強く接触させたときの移動を指で弦を押さえている状態で移動させたことに結び付けたりして、これらの動作を区別して処理することが可能となる。
以上によれば、指先の接触位置をより正確に特定したり、表示している弦に対する指や手の動作を種類の幅をより広げたりすることができる。
次に、接触状態推定結果格納部143は、接触状態推定部142が、指先の接触圧の特定(推定)結果(接触状態推定結果)に関するデータを色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145、もしくは接触状態推定結果記憶部243に記憶させるものである。
色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145は、接触状態推定部142が特定(推定)した接触状態推定結果を一時的に記憶するものである。
以上の構成を備える電子楽器100によれば、センサ内蔵液晶パネル301上に接触した指先の接触状態を推定することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、互いに色相の異なる少なくとも2色を用いて接触状態を推定することについて記載したが、本実施の形態はこれに限られるものではない。
上述した、接触物が指先の例の場合、例えばRのみの分布状態からでも指先の接触状態を推定することは可能である。なぜなら、上述したように、Rの分布状態は、指先が軽く接触している場合と強く接触している場合とで異なる。すなわち、Rの分布状態は、指先の接触圧の強弱によって、異なるからである。また、これはRに限るものではなく、他の色であっても同様のことが言える。
よって、1色の分布状態から接触物の接触状態を推定するものであってもよい。
また、等色の原理を満たさない2色であっても、同様のことが言えるので、等色の原理を満たさない2色を用いて接触状態を推定するものであってもよい。
また、画像表示処理部18は、センサ内蔵液晶パネル301上に、実際のギターのような擬似弦やフレットを表示させたり、ユーザが指を押さえるべき位置を表示させたり、指が接触している位置を表示したり、押さえられている擬似弦を他の擬似弦とは異なる色で表示させたりするものである。
さらに、画像表示処理部18は、センサ内蔵液晶パネル301に接触している指の動きに合わせて、表示している弦の表示位置を移動させる。具体的には、画像表示処理部18は、接触状態推定部14が特定した接触位置、および接触状態を取得する。そして、接触状態が強いまま接触位置が移動すると、該接触位置の移動に合わせて表示している弦の位置を移動させる。
これにより、指の位置が、弦が表示されている位置に接触したまま移動すると、該移動に合わせて、表示している弦の位置が移動される。
例えば、ユーザが、指を弦の位置に接触させたまま、素早く上下に動かすと、表示されている弦もそれに合わせて素早く上下に振動する。
また、画像表示処理部18は、操作部903を介して受け付けたユーザの指示により、ユーザが指示したコードの押圧位置を示す画像を表示画像記憶部26から取得して表示する。
これにより、ユーザは、自分が指示したコードについて、どの弦をどの位置で押さえればよいのかを容易に認識することができる。
さらに、画像表示処理部18は、操作部903を介して受け付けたユーザの指示により、曲における、その時点でのコードの押圧位置を示す画像を表示画像記憶部26から取得して表示する。
これにより、ユーザは、曲において、どの時点でどのコードを弾いたらよいのかを容易に認識することができる。
次に、センサ内蔵液晶パネル301に表示される例について図11(a)〜図11(g)を用いて説明する。図11(a)は、センサ内蔵液晶パネル301に、6弦の擬似弦とフレットとを表示させた状態を示す図である。なお、ここでは、表示されている弦を上から第1弦、第2弦、…、第6弦とする。また、表示されているフレットを左から第1フレット、第2フレット、…、第4フレットとする。また、図中の黒丸は押弦位置(接触位置)を示す。
図11(b)は、6弦の擬似弦とフレットとを表示させた状態で、押弦された弦のみが擬似弦よりも太く、さらに押弦位置(接触位置)によって、発色(発光)する色を異ならせて、表示した状態を示す。
図11(b)の例では、第1弦と第6弦とが、第2フレットと第3フレットとの間で押弦され、第5弦が、第1フレットと第2フレットとの間で押弦された場合を示している。
図11(c)は、図11(b)に加えて、開放されている弦(押弦されていない)も押弦されている弦とは異なる色で発色させて表示した状態を示す。
図11(d)は、押弦の押圧力(接触圧)に応じて発色する色を異ならせて表示した状態を示す。図11(d)の例では、第1弦と第6弦とが第2フレットと第3フレットとの間で押弦され、第5弦が第1フレットと第2フレットとの間で押弦され、それぞれの押圧力が同じである場合を示している。
図11(e)は、図11(d)に加えて、開放されている弦(押弦されていない)も押弦されている弦とは異なる色で発色させて表示した状態を示す。
図11(f)は、押弦された弦を振動させている状態を示す図である。図11(f)の例では、第1弦、第5弦、および第6弦が振動している状態を示す。
図11(g)は、図11(f)に加えて、開放されている弦(押弦されていない)も振動させている表示を行った状態を示す。
音出力処理部19は、電子楽器100から音を出力するための処理を行うものである。より詳細には、上述したように、音出力処理部19は、出力音決定部191、出力音モード決定部192、弾弦判断部193、および接触領域変化判断部194を含む構成である。
弾弦判断部193は、撥弦部911の弦が弾かれると、弦が弾かれたと判断し、弦が弾かれたということと弾かれた弦を示す情報とを出力音決定部191へ送信する。
出力音モード決定部192は、操作部903で受け付けた出力音モードを、出力音決定部191へ通知する。出力音モードとは、電子楽器100においてどのような楽器の音を出力するかを示すものである。具体的な例としては、ギターの他に、ベース、三味線、ピアノ等が挙げられる。例えば、出力音モードがギターであれば、電子楽器100はギターの音を出力し、出力音モードがベースであれば、電子楽器100がベースの音を出力する。
なお、ベースや三味線等の、ギターと弦の本数が異なる楽器の場合は、撥弦部911に備えられている6本の弦のうちのいずれかの弦を用いる構成とすればよい。また、ピアノのように、直接弦を弾く楽器ではない場合は、撥弦部911を使用しない構成とすればよい。
接触領域変化判断部194は、接触領域特定結果記憶部241に記憶されている接触領域特定結果の時系列における位置の変化を判断し、判断した結果を示す情報を出力音決定部191へ送信する。
出力音決定部191は、弾弦判断部193から取得した、弾かれた弦を示す情報と、出力音モード決定部192から取得した出力音モードと、接触領域変化判断部194から取得した接触領域の位置の変化と、接触位置特定部1423が特定した接触領域(接触位置)と、出力音データ記憶部25記憶されている出力音データとから出力音を決定する。そして、決定した出力音を音出力部910から出力する。
なお、出力音決定部191は、出力音データ記憶部25に記憶されている出力音データではなく、発振回路(図示せず)で作成した作成した音を電子回路(図示せず)で加工することにより、音色、音程、音量を変化させた音を出力する音として決定してもよい。
次に、出力する音について、より具体的に、図12を用いて説明する。図12は、本実施の形態において、ユーザの指が接触している例を示す図である。
図12(a)に示す例の場合、ユーザの指は、第1フレットと第2フレットとの間の第2、3、4弦を押さえる形、すなわち、コード「A」を押さえる形となっている。この状態で、撥弦部911の弦が弾かれると、出力音決定部191は、コード「A」に対応する音を出力する音として決定する。
また、図12(b)に示す例の場合、ユーザの指は、端と第1フレットとの間の第2弦と、第1フレットと第2フレットとの間の第4弦と、第2フレットと第3フレットとの間の第5弦を押さえる形、すなわち、コード「C」を押さえる形となっている。この状態で、撥弦部911の弦が弾かれると、出力音決定部191は、コード「C」に対応する音を出力する音として決定する。
さらに、図12(c)は、弦を押さえている状態を示す図であり、図12(d)は、図12(c)で、弦を押さえている指が、弦と垂直方向に、少しだけずれた状態を示す図である。図12(c)に示す状態で、撥弦部911の弦が弾かれると、出力音決定部191は、指が弦を押さえている位置と対応した音を出力する音として決定する。そして、該音が出力中に、ユーザの指が、図12(d)に示すように、弦の方向に対して垂直方向に、少しだけずれると、出力音決定部191は、出力中の音から少しだけ音程の高い音を出力する音として決定する。
すなわち、通常のギターであれば、図12(d)に示す状態は、いわゆる「チョーキング」と呼ばれる弾き方であり、弦を本来存在する位置から少しだけ弦と垂直方向にずらすことで、音程を上げるものである。
本実施の形態では、通常のギターと同様に、通常のギターにおけるチョーキングに対応する、ユーザの指の動きがあれば、通常のギターにおけるチョーキングと同様に出力している音の音程を上げるものである。また、ユーザの指の位置が元の位置に戻れば、出力する音の音程も元の音程に戻す。
次に、センサ内蔵液晶パネル301に対する指の接触状態と、音出力処理部19が出力させる音との関係について、図13を用いて説明する。
図13に示すように、センサ内蔵液晶パネル301に対して、ユーザの指が軽く触れている状態で、撥弦部911の弦が弾かれると、音出力処理部19は、通常のギターにおいて、弦に軽く触れた状態で弦を弾いたときの音(いわゆるハーモニクス音)を出力する。
また、センサ内蔵液晶パネル301に対して、ユーザの指が強く押さえられている状態で、撥弦部911の弦が弾かれると、音出力処理部19は、通常のギターにおいて、弦が押さえられた状態で弦を弾いたときの音を出力する。
また、撥弦部911の弦が弾かれた後、センサ内蔵液晶パネル301に対して、ユーザの指が強く押さえられたまま、接触位置が弦に対して垂直方向に移動すると、音出力処理部19は、出力している音の音程を、接触位置の移動距離に応じて上げる(いわゆる、チョーキング)。
また、撥弦部911の弦が弾かれた後、センサ内蔵液晶パネル301に対して、ユーザの指が強く押さえられたまま、接触位置が弦方向に移動すると、音出力処理部19は、出力している音の音程を、接触位置の移動距離に応じて変える。
次に、出力する音の音程の変化について、図14を用いて説明する。図14は、音の高さと波長との関係を示す図である。図14(a)は、低い音のときの時刻と振幅との関係を示す図であり、図14(b)は、高い音のときの時刻と振幅との関係を示す図である。
図14(a)および(b)を比較すると分かるように、音が低いときは波長の間隔が長く、音が高いときには波長の間隔が短い。よって、波長の間隔を変更することで音の高さを変えることができる。また、振幅は音の大きさに相当する。
次に、接触状態の変化によって、音程および音量を変化させる場合について図15を用いて説明する。図15は、指の接触状態と音の波形と音量との関係を示す図である。
図15に示すように、状態Aは、センサ内蔵液晶パネル301に対する指の接触状態が触れている程度の状態を示す。このときの音の波形は、波長の間隔が長めである。また、振幅は小さい。
状態Bは、センサ内蔵液晶パネル301に対して指が、接触はしているが押圧が弱い状態を示す。このときの音の波形は、波長の間隔が状態Aと比較して短めである。また、振幅は状態Aと比較してやや大きい。
状態Cは、センサ内蔵液晶パネル301に対して指が、押圧が高い状態で接触している状態を示す。このときの音の波形は、波長の間隔が短い。また、振幅は大きい。
そして、センサ内蔵液晶パネル301に対する指の押圧力を強くしたり弱くしたりすると、それに応じて出力する音の波形も、波長の間隔が短めになったり長めになったりする。これにより、指のセンサ内蔵液晶パネル301に対する押圧力の変化に合わせて、音程を変化させることができる。また、押圧力を素早く変えることにより、揺れている音(ビブラート)を出力することができる。
また、センサ内蔵液晶パネル301に対する指の押圧力を強くしたり弱くしたりすると、それに応じて出力する音の波形も、振幅の大きさが小さくなったり、大きくなったりする。これにより、指のセンサ内蔵液晶パネル301に対する押圧力の変化に合わせて、音量を変化させることができる。
なお、音程の変化と音量の変化とは、必ず一緒に変化しなくてはならないものではなく、どちらか一方が変化するものであってもよい。
押圧力の変化により、音程を変化させる楽器としては、例えば琴を挙げることができる。また、押圧力の変化により、音量を変化させる楽器としては、例えばピアノを挙げることができる。
なお、本実施の形態では、センサ内蔵液晶パネル301に対する指の接触圧の変化を、検出した色によって判断しているが、これに限られるものではない。例えば、接触面積によって判断することも可能である。
図16を用いて説明する。図16は、指とセンサ内蔵液晶パネル301との接触面積と接触状態との関係、および実際の光センサ液晶を用いて指を検出した画像例を示す図である。
図16に示すように、センサ内蔵液晶パネル301に対して、指の先が接触した状態では、接触面積は小さく、指の腹が接触した状態では、接触面積は中くらいの大きさで、指全体が接触した状態では、接触面積も大きくなる。これにより、接触面積から接触圧を判断することができる。
(電子楽器の動作)
次に、図17を参照しながら、電子楽器100において、音を出力する処理の流れについて説明する。
同図に示すように、電子楽器100は、電源がオンにされると(S1701)、電子楽器100は、操作部903を介して、出力音モードを受け付け、出力音モードを設定する(S1702)。
そして、ユーザが演奏を開始すると、弾弦判断部193は、撥弦部911の弦が弾かれたか否かを判断する(S1703)。弾弦判断部193が、撥弦部911の弦が弾かれたと判断すると(S1703でYES)、接触状態推定部14は、センサ内蔵液晶パネル301に対する接触位置および接触圧を判定する処理を行う(S1704)。そして、音出力処理部19は、弾かれた弦、接触位置、接触圧に応じた音を決定し、所定の時間、出力する(S1705)。
そして、接触状態推定部14は、音が出力中も、センサ内蔵液晶パネル301に対する接触位置および接触圧を判定する処理を行う(S1706)。
音を出力中に、接触位置、接触圧が変化すると(S1707でYES)、音出力処理部19は、変化した接触位置、接触圧に応じた音を決定し、出力する(S1708)。
そして、弾弦判断部193が、次にまた、撥弦部911の弦が弾かれたと判断すると(S1709でYES)、S1704へ戻る。
一方、撥弦部911の弦が弾かれないまま(S1709でNO)、出力音が終了し(S1710でYES)、電源がオフとなると(S1711でYES)、処理は終了する。
また、出力音が終了しない間は(S1710でNO)、S1706へ戻り、S1706以降の処理を繰り返す。また、電源がオフとならない間は(S1711でNO)、出力音モードが変更された場合は(S1712でYES)、S1702へ戻り、S1702以降の処理を繰り返す。一方、出力音モードが変更されない場合は(S1712でNO)、S1703へ戻り、S1703以降の処理を繰り返す。
以上で、電子楽器100において、音を出力する処理の流れは終了する。
次に、接触位置特定・接触圧判定処理の流れについて、図18を用いて説明する。
まず、電子楽器100では、スキャン実行部131から送られる「接触状態推定コマンド」により、センサ制御部602が、光センサ駆動回路305を介して光センサ6によりスキャンを行って、そのスキャンデータをデータ処理部700の画像データバッファ704に蓄積(保持)する動作を所定のタイミングTC2で繰り返している(S1801)。なお、この時点では、「データ取得タイミング」のフィールド値は、既に“01”(イベント)に設定されているものとする。
次に、ユーザが、指をセンサ内蔵液晶パネル301に接触させると(S1802)、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域が抽出されか否かを判断する(S1803)。センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域が抽出された場合には(S1803でYES)、センサデータ処理部703は、該抽出した領域の画像データ(部分画像データおよび代表座標)を主制御部800に送信する。
一方、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域が抽出されなかった場合は(S1803でNO)、S1801に戻る。
そして、スキャンデータ格納部133は、センサデータ処理部703から主制御部800に送られたスキャンデータを画像データ記憶部23に記憶(保持)させる。
次に、色成分特定部141は、領域PPにおける画素毎のRの輝度値およびGの輝度値(RおよびGの分布状態)を算出(特定)する(S1805)。
そして、色成分特定部141は、領域PPに含まれる画素回路31毎に、Rの輝度値とGの輝度値との差が所定の閾値T以上である画素回路31をR画素とし、Rの輝度値とGの輝度値との差が所定の閾値T未満である画素をG画素として、R画素およびG画素の分布状態を特定すると共に、画素数比R/Gを算出(特定)する(S1806)。
そして、色成分特定部141は、R画素およびG画素のそれぞれの画素数と共に、その結果(色成分特定結果)を色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145および色成分特定結果記憶部242に記憶させる。
次に、接触状態推定部142は、色成分特定部141が色成分特定結果を記憶させたことをトリガとして、色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145または色成分特定結果記憶部242からG画素の画素数を読み出し、G画素の画素数=0か否かを判断する(S1807)。そして、G画素の画素数=0の場合(S1807でYES)、接触状態推定部142は、指は接触していないと判断する(S1811)。
一方、G画素の画素数≠0の場合には(S1807でNO)、接触状態推定部142が、色成分特定結果/接触状態推定結果保持部145または色成分特定結果記憶部242から画素数比R/Gを読み出し、画素数比R/Gが、解析データ等記憶部24に予め記憶されている(不図示)所定の閾値を参照する。そして、接触状態推定部142は、画素数比R/Gが、所定の閾値を超えているか否かを判断する(S1808)。画素数比R/Gが、所定の閾値を超えている場合(S1808でYES)、接触状態推定部142は、指の接触状態が「弱い」と判定する(S1810)。一方、画素数比R/Gが、所定の閾値を超えていない場合(S1808でNO)、接触状態推定部142は、指の接触状態が「強い」と判定する(S1809)。
以上で、接触位置特定・接触圧判定処理の流れが終了する。
なお、本実施の形態では、通常のギターと同様の外観を有し、ギターと同様の演奏方法を行う場合について説明したが、これに限られるものではない。接触位置と接触圧によって鳴らす音程を変える楽器(例えば、ピアノや鼓等)であれば、どのような楽器であっても本発明を適用することは可能である。
また、本実施の形態では、ネック部には、センサ内蔵液晶パネル301を備え、弦は備えていないものとしたが、これに限られるものではない。ネック部にも、通常のギターと同様に弦を備えた構成であってもよい。これにより、ユーザは、実際の弦の感触を得ながら、コードを押さえることができる。
この場合、センサ内蔵液晶パネル301に対する指の接触面は、指だけでなく、弦を含んだ状態となる。
本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、電子楽器100の各ブロック、特に回路制御部600、データ処理部700、および主制御部800は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPU(central processing unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、電子楽器100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電子楽器100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電子楽器100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU(microprocessor unit))が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM(compact disc read-only memory)/MO(magneto-optical)/MD(Mini Disc)/DVD(digital versatile disk)/CD−R(CD Recordable)等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM(erasable programmable read-only memory)/EEPROM(electrically erasable and programmable read-only memory)/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、電子楽器100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN(local area network)、ISDN(integrated services digital network)、VAN(value-added network)、CATV(community antenna television)通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE(institute of electrical and electronic engineers)1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(asynchronous digital subscriber loop)回線等の有線でも、IrDA(infrared data association)やリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
接触した指の位置および接触圧によって、出力する音の音程を変えることができるので、接触した指の位置および接触圧によって鳴らす音程を変える楽器の練習機に適用できる。例えば、ギターの弦を押さえるという複雑な指の動きを、面を押さえるという単純な動きで対応できるのギターの練習機として好適である。
12 スキャン処理部(撮像制御手段)
14 接触状態推定処理部
18 画像表示処理部(表示制御手段)
19 音出力処理部(出力音制御手段)
64 対象物(接触物)
100 電子楽器(音出力装置)
131 スキャン実行部(撮像制御手段)
132 スキャン実行指示部(撮像制御手段)
133 スキャンデータ格納部(撮像制御手段)
134 スキャンデータ保持部
135 スキャン属性情報設定部
141 色成分特定部(色成分特定手段)
142 接触状態推定部(接触状態推定手段)
143 接触状態推定結果格納部
145 色成分特定結果/接触状態推定結果保持部
191 出力音決定部(出力音決定手段)
301 センサ内蔵液晶パネル(面状部材)
911 撥弦部
912 弦
1421 色成分分布状態解析部
1422 接触状態決定部
1423 接触位置特定部(接触位置特定手段)

Claims (11)

  1. 面状部材と、
    接触物が該面状部材に接触している接触部分の像を撮像する撮像制御手段と、
    上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像の上記面状部材における位置を特定する接触位置特定手段と、
    上記接触位置特定手段が特定した上記位置に応じて出力する音を決定する出力音決定手段と、
    上記出力音決定手段が決定した音を出力する出力音制御手段と、を備えていることを特徴とする音出力装置。
  2. 上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像から上記接触物の接触状態を推定する接触状態推定手段を備え、
    上記出力音決定手段は、上記接触位置特定手段が特定した上記位置と、上記接触状態推定手段が推定した上記接触状態とから出力する音を決定することを特徴とする請求項1に記載の音出力装置。
  3. 上記接触状態推定手段は、上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像における色の分布状態によって上記接触物の接触状態を推定することを特徴とする請求項2に記載の音出力装置。
  4. 上記撮像制御手段によって撮像された上記接触部分の像における互いに色相の異なる少なくとも第1色および第2色の分布状態を特定する色成分特定手段を備え、
    上記接触状態推定手段は、上記色成分特定手段によって特定された上記第1色および上記第2色の分布状態から上記接触物の接触状態を推定することを特徴とする請求項3に記載の音出力装置。
  5. 上記面状部材に、ギターの弦の画像を表示させる表示制御手段を備え、
    上記出力音決定手段は、上記表示制御手段が表示させた弦の位置と上記接触位置特定手段が特定した上記位置とから、出力する音を決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の音出力装置。
  6. 上記表示制御手段は、上記接触位置特定手段が特定した位置が、上記面状部材に表示させている弦と重なった位置にある場合、上記特定した位置と重なった位置に存在する弦の表示を、他の弦の表示とは異ならせることを特徴とする請求項5に記載の音出力装置。
  7. 上記表示制御手段は、上記接触状態推定手段が推定した接触状態が同じまま、上記接触位置特定手段が特定した位置が、上記面状部材に表示させている弦と重なった位置から変化すると、表示させている弦の位置を該変化に合わせて移動させることを特徴とする請求項5または6に記載の音出力装置。
  8. 弦を有する撥弦部を備え、
    上記出力音制御手段は、上記撥弦部の弦が弾かれると、音を出力することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の音出力装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の音出力装置を動作させる音出力装置制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための音出力装置制御プログラム。
  10. 請求項9に記載の音出力装置制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  11. 面状部材を備えた音出力装置の制御方法であって、
    接触物が該面状部材に接触している接触部分の像を撮像する撮像制御ステップと、
    上記撮像制御ステップで撮像された上記接触部分の像の上記面状部材における位置を特定する接触位置特定ステップと、
    上記接触位置特定ステップで特定した上記位置に応じて出力する音を決定する出力音決定ステップと、
    上記出力音決定ステップで決定した音を出力する出力音制御ステップと、を含むことを特徴とする音出力装置の制御方法。
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