JP2010164601A - 電気光学装置およびその製造方法、ならびに電子機器 - Google Patents

電気光学装置およびその製造方法、ならびに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】画像が混在する表示範囲を小さくしても表示が明るい電気光学装置およびその製造方法、ならびに電子機器を提供すること。
【解決手段】液晶装置100は、表示面1aと、第1の画像を構成する光を表示面1a側に射出するサブ画素4Rと、第2の画像を構成する光を表示面1a側に射出するサブ画素4Lと、サブ画素4Rとサブ画素4Lとが配列された画素行7とを有する液晶パネル1と、サブ画素4Rとサブ画素4Lとの表示面1a側に配置され、開口部57を有する遮光性の光学素子51とを備え、光学素子51には、サブ画素4Rに重なる第1の遮光部56aと、サブ画素4Lに重なる第2の遮光部56bとが形成されており、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとは、表示面1aに対して異なる方向に傾斜している。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気光学装置およびその製造方法、ならびに電子機器に関する。
電気光学パネルに、開口部を有する遮光性の光学素子を重ねることで、2つ以上の異なる方向に異なる画像を指向性表示できることが知られている(例えば特許文献1)。図26は、指向性表示が可能な電気光学装置の模式断面図である。電気光学パネルとしての液晶パネル1のサブ画素4R,4Lからは、異なる画像の表示に寄与する光が射出される。以下では、サブ画素4Rにより表示される画像を第1の画像、サブ画素4Lにより表示される画像を第2の画像とも呼ぶ。
液晶パネル1に対向する位置には、開口部97を有する光学素子91が液晶パネル1の表示面1aに略平行に配置されている。光学素子91は、所謂視差バリアーである。サブ画素4Rから射出され、開口部97を通過した光は、図26中右寄りに偏在する表示角度範囲3Rにおいて視認される。同様に、サブ画素4Lから射出され、開口部97を通過した光は、図26中左寄りに偏在する表示角度範囲3Lにおいて視認される。そして、表示角度範囲3Rのうち表示角度範囲VRでは、サブ画素4Rからの光のみが視認され、表示角度範囲3Lのうち表示角度範囲VLでは、サブ画素4Lからの光のみが視認される。よって、表示角度範囲VRでは第1の画像のみが視認され、表示角度範囲VLでは第2の画像のみが視認される。また、表示角度範囲VCでは、第1の画像および第2の画像の双方が視認される。
こうした指向性表示が可能な電気光学装置によれば、例えば、表示角度範囲VR,VLに異なる人物を位置させることにより、第1の画像と第2の画像とを当該異なる人物に同時に視認させることができる。あるいは、表示角度範囲VR,VLにそれぞれ右目、左目が位置するように構成すれば、第1の画像が右目に入射し、第2の画像が左目に入射することとなるため、立体表示を行うことができる。
特許第3096613号公報
上記の構成において、第1の画像と第2の画像とが混在する表示角度範囲VCを小さくするには、開口部97の幅を小さくすればよい。光学的作用を無視すれば、開口部97の幅をサブ画素4L,4Rを区画する遮光層32の幅以下にすることで、表示角度範囲VCをゼロにできる。しかしながら、開口部97の幅を小さくすればするほど開口部97を通過する光の量が少なくなるので、表示角度範囲VCをほぼゼロにすると表示角度範囲VL,VRで視認される表示が非常に暗くなってしまうという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、表示面と、第1の画像を構成する光を前記表示面側に射出する第1の画素と、第2の画像を構成する光を前記表示面側に射出する第2の画素と、前記第1の画素と前記第2の画素とが配列された画素行と、を有する電気光学パネルと、前記第1の画素および前記第2の画素の前記表示面側に配置され、開口部を有する遮光性の光学素子と、を備え、前記光学素子には、前記第1の画素に重なる第1の遮光部と、前記第2の画素に重なる第2の遮光部と、が形成されており、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記表示面に対して異なる方向に傾斜して配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1の画像と第2の画像とを互いに異なる表示角度範囲に指向性表示することができる。ここで、第1の画素に重なる第1の遮光部と第2の画素に重なる第2の遮光部とが電気光学パネルの表示面に対して傾斜して配置されている。このため、遮光部が表示面に平行に配置されている場合に比べて、第1の遮光部および第2の遮光部の傾斜面に沿う方向に射出され遮光されずに通過する光が存在する。つまり、第1の画素または第2の画素に平面的に重なる開口部の幅が同じであっても、遮光部が表示面に平行に配置されている場合よりも開口部を通過する光の量を多くすることができる。これにより、第1の画像および第2の画像の双方が視認される表示角度範囲を小さくするために開口部の幅を小さくしても、遮光部が表示面に平行に配置されている場合よりも明るい表示を得ることができる。また、第1の遮光部および第2の遮光部が電気光学パネルの表示面に対して傾斜して配置されているので、第1の遮光部および第2の遮光部の幅だけでなく傾斜角度によっても表示角度範囲を制御できる。この結果、遮光部が表示面に平行に配置されている場合に比べて、より高品質な指向性表示を得ることができる。
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1の画素と前記第2の画素とは、前記画素行に沿って配列された3つの異なる色のサブ画素で構成されており、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記サブ画素毎に設けられていてもよい。
この構成によれば、第1の遮光部と第2の遮光部とがサブ画素毎に設けられているので、第1の画像と第2の画像とをサブ画素毎に指向性表示することができる。
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記画素行に沿って互いに対向する向きに傾斜しているとともに、前記画素行および前記画素行と交差する方向に位置する画素列のうちの少なくとも一方において交互に配置されていてもよい。
この構成によれば、第1の画像と第2の画像とを、行方向および列方向のうちの少なくとも一方向において交互に表示させることができる。
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記画素行において交互に配置されていてもよい。
この構成によれば、第1の画像と第2の画像とを行方向において交互に表示させることができる。
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記画素列において交互に配置されていてもよい。
この構成によれば、第1の画像と第2の画像とを列方向において交互に表示させることができる。
[適用例6]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記画素行および前記画素列において交互に配置されていてもよい。
この構成によれば、第1の画像と第2の画像とを、行方向および列方向において交互に表示させることができる。
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1の遮光部は前記第1の画素の領域に平面的に重なり、前記第2の遮光部は前記第2の画素の領域に平面的に重なっていてもよい。
この構成によれば、第1の画素および第2の画素から射出される光を開口部から通過させながら表示面の法線方向に向かう光をほぼ遮断できる。これにより、第1の画像および第2の画像の双方が視認される表示角度範囲をほぼゼロにすることができる。
[適用例8]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1の遮光部の前記画素行に沿った方向における幅と前記第2の遮光部の前記画素行に沿った方向における幅とは、前記画素行における中央部から離れるにしたがって小さくなっていてもよい。
この構成によれば、開口部の幅が行方向における中央部から離れるにしたがって大きくなる。このため、行方向における中央部から離れるにしたがって第1の画像および第2の画像の表示角度範囲が大きくなる。これにより、観察側における表示面からの距離がより短くても第1の画像または第2の画像を視認するのに適した視点が得られる。
[適用例9]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記第1の遮光部の前記表示面に対する傾斜角度と前記第2の遮光部の前記表示面に対する傾斜角度とは、互いに異なっていてもよい。
この構成によれば、第1の画像の表示角度範囲と第2の画像の表示角度範囲とを互いに異ならせることができる。これにより、第1の画像と第2の画像とのうちの一方の表示角度範囲を他方の表示角度範囲よりも大きくすること、または小さくすることができる。
[適用例10]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記電気光学パネルは、前記表示面側に配置された第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置された表示素子と、を備え、前記光学素子は、前記第1の基板の前記表示素子とは反対側に配置された第3の基板と前記第1の基板との間に設けられていてもよい。
この構成によれば、光学素子は、電気光学パネルの第1の基板と第3の基板との間に設けられている。このため、電気光学パネルとは独立して光学素子を形成できる。
[適用例11]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記電気光学パネルは、前記表示面側に配置された第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置された表示素子と、を備え、前記光学素子は、前記第1の基板と前記表示素子との間に設けられていてもよい。
この構成によれば、光学素子は、電気光学パネルの第1の基板と表示素子との間に設けられている。このため、光学素子を形成する下地となる基板として電気光学パネルの第1の基板を用いることができる。これにより、電気光学装置を薄くできる。
[適用例12]本適用例に係る電子機器は、上記に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、電子機器は、上記の電気光学装置を表示部として有しているので、より高品質な指向性表示が得られる。
[適用例13]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、表示面と、第1の画像を構成する光を前記表示面側に射出する第1の画素と、第2の画像を構成する光を前記表示面側に射出する第2の画素と、前記第1の画素と前記第2の画素とが配列された画素行と、を有する電気光学パネルの前記表示面側に、開口部を有する遮光性の光学素子を形成する工程を備え、前記光学素子を形成する工程では、前記第1の画素に重なる第1の遮光部と、前記第2の画素に重なる第2の遮光部と、を前記表示面に対して異なる方向に傾斜させて形成することを特徴とする。
この方法によれば、第1の画像と第2の画像とを互いに異なる表示角度範囲に指向性表示する電気光学装置を製造できる。ここで、第1の画素に重なる第1の遮光部と第2の画素に重なる第2の遮光部とを電気光学パネルの表示面に対して傾斜させて形成する。このため、第1の遮光部と第2の遮光部とを表示面に平行に配置する場合に比べて、第1の遮光部および第2の遮光部の傾斜面に沿う方向に射出され遮光されずに通過する光が存在する。つまり、第1の画素または第2の画素に平面的に重なる開口部の幅が同じであっても、遮光部が表示面に平行に配置されている場合よりも開口部を通過する光の量を多くすることができる。これにより、第1の画像および第2の画像の双方が視認される表示角度範囲を小さくするために開口部の幅を小さくしても、遮光部が表示面に平行に配置されている場合よりも明るい表示を得ることができる。また、第1の遮光部および第2の遮光部を電気光学パネルの表示面に対して傾斜させて形成するので、第1の遮光部および第2の遮光部の幅だけでなく傾斜角度によっても表示角度範囲を制御できる。この結果、遮光部を表示面に平行に配置する場合に比べて、より高品質な指向性表示が得られる電気光学装置を製造することができる。
[適用例14]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記第1の画素と前記第2の画素とは、前記画素行に沿った方向に配列された3つの異なる色のサブ画素で構成されており、前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを前記サブ画素毎に形成してもよい。
この方法によれば、第1の遮光部と第2の遮光部とをサブ画素毎に形成するので、第1の画像と第2の画像とをサブ画素毎に指向性表示する電気光学装置を製造できる。
[適用例15]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを、前記画素行に沿って互いに対向する向きに傾斜させるとともに、前記画素行および前記画素行と交差する方向に位置する画素列のうちの少なくとも一方向において交互に配置してもよい。
この方法によれば、第1の画像と第2の画像とを、行方向および列方向のうちの少なくとも一方向において交互に表示する電気光学装置を製造できる。
[適用例16]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを、前記画素行において交互に配置してもよい。
この方法によれば、第1の画像と第2の画像とを行方向において交互に表示する電気光学装置を製造できる。
[適用例17]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを、前記列方向において交互に配置してもよい。
この方法によれば、第1の画像と第2の画像とを列方向において交互に表示する電気光学装置を製造できる。
[適用例18]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを、前記画素行および前記画素列において交互に配置してもよい。
この方法によれば、第1の画像と第2の画像とを、行方向および列方向において交互に表示する電気光学装置を製造できる。
[適用例19]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部を前記第1の画素の領域に平面的に重なるように形成し、前記第2の遮光部を前記第2の画素の領域に平面的に重なるように形成してもよい。
この方法によれば、第1の画素および第2の画素から射出される光を開口部から通過させながら表示面の法線方向に向かう光をほぼ遮断できる。これにより、第1の画像および第2の画像の双方が視認される表示角度範囲をほぼゼロにすることができる。
[適用例20]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部との前記画素行に沿った方向における幅を、前記画素行における中央部から離れるにしたがって小さく形成してもよい。
この方法によれば、開口部の幅が行方向における中央部から離れるにしたがって大きくなる。このため、行方向における中央部から離れるにしたがって第1の画像および第2の画像の表示角度範囲が大きくなる。これにより、表示面からの距離がより短くても第1の画像または第2の画像を視認するのに適した視点が得られる電気光学装置を製造することができる。
[適用例21]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを、前記表示面に対する傾斜角度が互いに異なるように形成してもよい。
この方法によれば、第1の画像の表示角度範囲と第2の画像の表示角度範囲とを互いに異ならせることができる。これにより、第1の画像と第2の画像とのうちの一方の表示角度範囲が他方の表示角度範囲よりも大きい、または小さい電気光学装置を製造することができる。
[適用例22]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記光学素子を形成する工程は、前記第1の画素に対応する第1の傾斜面と前記第2の画素に対応する第2の傾斜面とを有する透光層を形成する透光層形成工程と、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面との表面に遮光層を配置する工程と、を含んでいてもよい。
この方法によれば、基板上に配置した透光層に第1の傾斜面と第2の傾斜面とを形成し、その第1の傾斜面と第2の傾斜面との表面に遮光層を配置することで、第1の遮光部と第2の遮光部とを形成できる。
[適用例23]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記透光層形成工程では、金型を用いた成型法により、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面とを形成してもよい。
この方法によれば、金型を用いた成型法により透光層に第1の傾斜面と第2の傾斜面とを形成できる。
[適用例24]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記透光層形成工程では、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法により、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面とを形成してもよい。
この方法によれば、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法により透光層に第1の傾斜面と第2の傾斜面とを形成できる。
[適用例25]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記電気光学パネルは、前記表示面側に配置された第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置された表示素子と、を備え、前記光学素子を形成する工程では、第3の基板上に前記光学素子を形成し、前記光学素子を形成する工程の後に、前記電気光学パネルの前記第1の基板側に、前記光学素子を前記第1の基板に対向させて前記第3の基板を配置してもよい。
この方法によれば、光学素子を電気光学パネルとは独立して形成できる。
[適用例26]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法であって、前記電気光学パネルは、前記表示面側に配置された第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置された表示素子と、を備え、前記光学素子を形成する工程では、前記第1の基板の前記表示素子側に前記光学素子を形成してもよい。
この方法によれば、光学素子を電気光学パネルの第1の基板と表示素子との間に形成する。このため、光学素子を形成する下地となる基板として電気光学パネルの第1の基板を用いることができる。これにより、電気光学装置を薄くできる。
以下に、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお、参照する各図面において、構成をわかりやすく示すため、各構成要素の層厚や寸法の比率、角度等は適宜異ならせてある。また、参照する各図面において、素子、配線、接続部等を一部省略してある。
(第1の実施形態)
<液晶装置>
まず、第1の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置の構成について図を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す図である。詳しくは、図1(a)は斜視図であり、図1(b)は図1(a)中のA−A’線に沿った断面図である。図2は、第1の実施形態に係る液晶装置の表示領域の拡大平面図である。詳しくは、液晶装置を観察側から見た図であり、図3(a)の液晶パネルに図3(b)のバリアー基板を重ねた状態を示した平面図でもある。図3(a)は、第1の実施形態に係る電気光学パネルとしての液晶パネルの拡大平面図である。図3(b)は、第1の実施形態に係る光学素子が設けられたバリアー基板の拡大平面図である。なお、本明細書では、液晶装置の観察側表面の法線方向から見ることを「平面視」とも呼ぶ。
本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置は、スイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスター)素子を備えたアクティブマトリックス型の液晶装置であるとともに、TN(Twisted Nematic)方式の透過型の液晶装置である。図1に示すように、液晶装置100は、電気光学パネルとしての液晶パネル1と、液晶パネル1に対向して配置されたバリアー基板50と、バックライト46と、を備えている。以下では、液晶パネル1のバリアー基板50側の方向を「観察側」とも呼び、バリアー基板50とは反対側の方向を「背面側」とも呼ぶ。バリアー基板50には、開口部57を有する遮光性の光学素子51(図2、図3(b)、および図4参照)が設けられている。バリアー基板50の観察側には偏光板45が配置され、液晶パネル1の背面側には偏光板44が配置されている。
液晶パネル1は、観察側に配置された第1の基板としての対向基板30と、対向基板30に対向配置された第2の基板としての素子基板10と、を有している。また、液晶パネル1は、観察側に表示面1aを有している。素子基板10と対向基板30とは、枠状のシール剤41を介して貼り合わされている。素子基板10、対向基板30、およびシール剤41によって囲まれた空間には、表示素子としての液晶層40が配置されている。素子基板10上には、液晶層40を駆動するためのドライバーIC42が配置されている。偏光板44の背面側には、バックライト46が配置されている。液晶装置100は、バックライト46から入射した光を変調し、表示面1aから観察側に透過させることによって、表示領域2において表示を行う。
図2および図3(a)に示すように、液晶パネル1は、マトリックス状に配置された、平面形状が矩形のサブ画素4r,4g,4bを有しており、これらはそれぞれ赤(r)、緑(g)、青(b)の表示に寄与する(以下では、対応する色を区別しない場合には単にサブ画素4とも呼ぶ)。3つの異なる色のサブ画素4r,4g,4bで、一つの画素6が構成される。画素6、すなわちサブ画素4r,4g,4bは、一つの方向にこの順に繰り返し配置されて、画素行7を構成している。サブ画素4は、画素行7に直交する方向においては、同一の色に対応するサブ画素4が一列にストライプ状に並ぶように配置されて、画素列8を構成している。隣り合うサブ画素4同士の間には、遮光性の樹脂からなる遮光層32が配置されている。つまり、遮光層32に囲まれた領域がサブ画素4の領域である。
サブ画素4から表示面1a側に射出される光は、第1の画像または第2の画像のいずれかを構成する。第1の画像を構成する光を射出するサブ画素4をサブ画素4R、第2の画像を構成する光を射出するサブ画素4をサブ画素4Lとも呼ぶ。また、第1の画像を構成する光を射出する画素6を画素6R、第2の画像を構成する光を射出する画素6を画素6Lとも呼ぶ。3つの異なる色のサブ画素4R(4r,4g,4b)で画素6Rが構成され、3つの異なる色のサブ画素4L(4r,4g,4b)で画素6Lが構成される。画素6Rは第1の画素に対応し、画素6Lは第2の画素に対応する。
B−B’線で示す画素行7に沿った方向には、サブ画素4Rが配置されている。C−C’線で示す画素行7に沿った方向には、サブ画素4Lが配置されている。D−D’線で示す画素行7以降は、同様に、サブ画素4Rが配置されている行とサブ画素4Lが配置されている行とが交互に配列されている。また、各画素列8に沿った方向には、サブ画素4Rとサブ画素4Lとが交互に配置されている。つまり、本実施形態では、画素行7に沿ってサブ画素4Rまたはサブ画素4Lのいずれかが一列に配置されており、画素列8に沿ってサブ画素4Rとサブ画素4Lとが交互に繰り返し配置されている。
サブ画素4の観察側には、図2および図3(b)に示すように、バリアー基板50に設けられた光学素子51が位置している。光学素子51は、遮光層56と開口部57とを有している。光学素子51は、所謂視差バリアーとして機能する。なお、ここでは、光学素子51の平面的な構成について説明し、光学素子51の構成の詳細については後述する。
遮光層56は、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとを有する。遮光層56のうち平面視で、第1の画素に重なる部分が第1の遮光部56aであり、第2の画素に重なる部分が第2の遮光部56bである。第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとは、サブ画素4毎に設けられている。
B−B’線で示す画素行7に沿った方向には、第1の遮光部56aが配置されている。C−C’線で示す画素行7に沿った方向には、第2の遮光部56bが配置されている。D−D’線で示す画素行7以降は、同様に、第1の遮光部56aが配置されている行と第2の遮光部56bが配置されている行とが交互に配列されている。また、各画素列8に沿った方向には、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが交互に配置されている。つまり、本実施形態では、画素行7に沿って第1の遮光部56aまたは第2の遮光部56bのいずれかが一列に配置されており、画素列8に沿って第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが交互に繰り返し配置されている。
画素行7に沿った方向における第1の遮光部56aの配置ピッチおよび第2の遮光部56bの配置ピッチは、サブ画素4の配置ピッチと同じである。画素列8に沿った方向においては、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが交互に配置されているので、第1の遮光部56aの配置ピッチおよび第2の遮光部56bの配置ピッチは、サブ画素4の配置ピッチの2倍となる。
開口部57は、平面視でサブ画素4に重なる領域を含んでいる。開口部57は、平面視で第1の遮光部56aまたは第2の遮光部56bに重なる領域も含んでいる。
次に、液晶装置100の詳細な構成について図を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る液晶装置100の構成を説明する図である。詳しくは、図2中のB−B’線に沿った方向、すなわち画素行7に沿った方向の断面図である。図4に示すように、素子基板10は、基板11を基体として構成されており、基板11上に、TFT素子20と、絶縁層22と、絶縁層24と、画素電極16と、配向膜28とを備えている。基板11は、透光性を有する材料からなり、例えばガラスからなる。基板11の材料は、石英や樹脂であってもよい。
基板11の液晶層40側には、ゲート電極20gが形成されている。ゲート電極20gは、同層に形成された走査線(図示しない)の一部である。絶縁層22は、基板11とゲート電極20gとを覆うように形成されている。絶縁層22は、例えばSiO2(酸化ケイ素)からなる。
絶縁層22上には、半導体層20aとソース電極20sとドレイン電極20dとが形成されている。半導体層20aは、平面視でゲート電極20gに重なる位置に形成されている。半導体層20aは、アモルファスシリコンやポリシリコン等の半導体からなる。ソース電極20sは、データ線(図示しない)から分岐した部分であり、その一部が半導体層20aの一部を覆うように形成されている。ドレイン電極20dは、一部が半導体層20aの一部を覆うように形成されている。ゲート電極20gと半導体層20aとソース電極20sとドレイン電極20dとで、TFT素子20が構成される。
絶縁層24は、TFT素子20および絶縁層22の上に形成されている。絶縁層24は、透光性を有する樹脂からなり、例えばポジ型の感光性アクリル樹脂からなる。
画素電極16は、絶縁層24上に形成されている。画素電極16は、透光性を有する導電材料からなり、例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる。画素電極16は、絶縁層24に設けられたコンタクトホールを介してドレイン電極20dに電気的に接続されている。
配向膜28は、素子基板10の液晶層40に接する側、すなわち絶縁層24と画素電極16とを覆うように形成されている。配向膜28は、例えばポリイミド樹脂からなる。配向膜28の表面には、所定の方向にラビング処理等の配向処理が施されている。
次に、対向基板30は、素子基板10よりも観察側に位置している。対向基板30は、基板31を基体として構成されており、基板31上に、遮光層32と、カラーフィルター層34と、オーバーコート層35と、共通電極18と、配向膜36とを備えている。基板31は、透光性を有する材料からなり、例えばガラスからなる。基板31の材料は、石英や樹脂であってもよい。
遮光層32とカラーフィルター層34とは、基板31の液晶層40側に形成されている。遮光層32は、所謂ブラックマトリックスであり、基板31上の隣り合うサブ画素4同士の間の領域に配置されている。遮光層32は、画素間領域からの光漏れを防止して表示のコントラストを向上させる役割を果たす。
カラーフィルター層34は、サブ画素4の領域に対応して配置されている。カラーフィルター層34は、例えばアクリル樹脂等からなり、サブ画素4r,4g,4bで表示するr、g、bの各色に対応する色材を含有している。ここで、カラーフィルター層34の観察側表面は、各サブ画素4において光が射出される表示面1aとなる。オーバーコート層35は、遮光層32とカラーフィルター層34とを覆うように形成されている。オーバーコート層35は、透光性を有する樹脂からなる。
共通電極18は、オーバーコート層35上に形成されている。共通電極18は、画素電極16に平面的にほぼ重なる領域に、画素電極16に対向するように配置されている。共通電極18は、透光性を有する導電材料からなり、例えばITOからなる。共通電極18は、画素電極16との間に、素子基板10および対向基板30に垂直な方向の縦電界を発生させる。
配向膜36は、対向基板30の液晶層40に接する側に、共通電極18を覆うように形成されている。配向膜36は、例えばポリイミド樹脂からなる。配向膜36の表面には、配向膜28の配向方向と略直交する方向に配向処理が施されている。
液晶層40は、素子基板10と対向基板30との間に配置されている。液晶層40において、画素電極16と共通電極18との間に電界が発生していない状態(オフ状態)では、液晶分子は配向処理面に対してほぼ水平に配向した状態となり、配向膜28と配向膜36とに施された配向処理によって略90°ツイストしている。画素電極16と共通電極18との間に電界が発生している状態(オン状態)では、液晶分子は素子基板10および対向基板30に垂直な電界の方向に沿って立ち上がる。
次に、バリアー基板50は、対向基板30よりも観察側に位置している。バリアー基板50は、基板52を基体として構成されており、基板52上に光学素子51を備えている。光学素子51は、基板52と基板31との間に位置している。光学素子51は、透光層54と、遮光層56と、開口部57とを有している。バリアー基板50は、接着層58により、対向基板30の観察側の表面に接着固定されている。
基板52は、透光性を有する材料からなり、例えばガラスからなる。基板52の材料は、石英や樹脂であってもよい。透光層54は、基板52の対向基板30に対向する側に配置されている。透光層54は、例えばUV硬化型の透光性を有する樹脂等からなる。透光層54は、基板52の屈折率に近い屈折率を有していることが好ましい。透光層54には、表示面1aに対して傾斜した、第1の傾斜面としての傾斜面54aと第2の傾斜面としての傾斜面54bとが形成されている。
傾斜面54a,54bは、各サブ画素4の領域に対応して配置されており、画素行7に沿って互いに対向する向きに傾斜している。傾斜面54a,54bの傾斜方向の一端部は、基板52側であって、平面視でサブ画素4の画素行7に沿った方向における略中央部に位置している。傾斜面54a,54bの傾斜方向の他端部は、対向基板30側であって、平面視でサブ画素4の画素行7に沿った方向において対向する端部にそれぞれが位置している。
遮光層56は、透光層54の対向基板30側の表面に形成されている。遮光層56は、例えば、カーボンブラック等を含有する樹脂や、クロム等の光吸収性が高い金属材料からなる。第1の遮光部56aは、傾斜面54a上に形成されている。第1の遮光部56aは、表示面1aに対して、画素行7に沿った方向に傾斜して配置されている。
なお、遮光層56は、平面視で遮光層32に重なる領域にも形成されていることが好ましい。遮光層56が遮光層32に平面的に重なる領域に形成されていると、光学素子51と遮光層32との間に位置する基板31を介して漏れる光を遮断できる。
開口部57は、遮光層56が形成されていない傾斜面54bに対応して配置されている。開口部57は、光学素子51において、サブ画素4から射出される光を観察側へ通過させる部分である。
接着層58は、第1の遮光部56a、および遮光層56が形成されていない傾斜面54bと基板31との間の隙間を埋めるとともに、バリアー基板50を基板31に接着固定している。接着層58は、例えばUV硬化型や熱硬化型の透光性を有する接着剤からなる。接着層58は、基板52の屈折率に近い屈折率を有していることが好ましい。なお、第1の遮光部56a、および遮光層56が形成されていない傾斜面54b等の凹部を樹脂材料等で埋めることによりバリアー基板50の表面が平坦化され、接着層58で基板31に接着固定されていてもよい。
なお、対向基板30の基板31は、素子基板10の基板11およびバリアー基板50の基板52よりも薄く加工されている。例えば、基板11,52の厚さが0.5mm〜0.7mm程度であるのに対して、基板31の厚さは50μm〜70μm程度である。基板31の厚さによって、表示面1aと光学素子51の開口部57との距離、および表示面1aから開口部57に至る光路の角度が変化する。
次に、光学素子51の構成について、図5を参照してさらに説明する。図5は、第1の実施形態に係る光学素子の構成を模式的に示す図である。詳しくは、図5(a)は図2中のB−B’線に沿った断面図であり、図5(b)は図2中のC−C’線に沿った断面図であり、図5(c)は図2中のD−D’線に沿った断面図である。
図5(a)および図5(c)に示す画素行7の奇数行においては、画素行7に沿って第1の遮光部56aが一列に配置されている。図5(b)に示す画素行7の偶数行においては、画素行7に沿って第2の遮光部56bが一列に配置されている。第2の遮光部56bは、傾斜面54b上に形成されている。また、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとは、互いに対向する向きに傾斜している。
画素列8に沿っては、画素列8の奇数列および偶数列において第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが交互に繰り返し配置されている。なお、透光層54は画素列8に沿った方向にストライプ状に形成されており、透光層54の各列はサブ画素4と同じ配置ピッチで配置されている。
また、画素行7の奇数行においては、開口部57から第1の画像を構成するサブ画素4Rからの光が射出され、画素行7の偶数行においては、開口部57から第2の画像を構成するサブ画素4Lからの光が射出される。したがって、画素行7の奇数行においては第1の画像が視認され、画素行7の偶数行においては第2の画像が視認される。つまり、指向性表示が行われる。
続いて、第1の実施形態に係る液晶装置100の表示角度範囲について、図6を参照して説明する。図6は、第1の実施形態に係る液晶装置の表示角度範囲を説明する図である。詳しくは、図6(a)は、図5(a)に対応しており、画素行7の奇数行における光学素子51を模式的に示す断面図である。図6(b)は、図5(b)に対応しており、画素行7の偶数行における光学素子51を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、光学素子51の構成を主眼に説明する便宜上、光学素子51以外の構成要素を省略している。
図6(a)に示すように、画素行7の奇数行においては、サブ画素4Rから射出され光学素子51を通過して開口部57から観察側に向かう光は、図の右方向に偏在する第1の表示角度範囲としての表示角度範囲3Rにおいて視認される。図6(b)に示すように、画素行7の偶数行においては、サブ画素4Lから射出され光学素子51を通過して開口部57から観察側に向かう光は、図の左方向に偏在する第2の表示角度範囲としての表示角度範囲3Lにおいて視認される。表示角度範囲3R,3Lは、サブ画素4R,4Lから射出された光が第1の遮光部56aまたは第2の遮光部56bによって遮られない境界3a,3b内の範囲である。
図6(a)には、図6(b)に示す表示角度範囲3Lを2点鎖線で示している。図6(a)に示すように、表示角度範囲3Rは表示角度範囲3Lと異なる範囲を含む。したがって、開口部57は、第1の画素(サブ画素4R)からの光を第1の表示角度範囲(表示角度範囲3R)に通過させ、第2の画素(サブ画素4L)からの光を第1の表示角度範囲とは異なる第2の表示角度範囲(表示角度範囲3L)に通過させる。
表示角度範囲3Rのうち表示角度範囲VRでは、サブ画素4Rからの光のみが視認され、表示角度範囲3Lのうち表示角度範囲VLでは、サブ画素4Lからの光のみが視認される。したがって、表示角度範囲VRでは第1の画像のみが視認され、表示角度範囲VLでは第2の画像のみが視認される。また、表示角度範囲3Rと表示角度範囲3Lとが重なる表示角度範囲VCでは、サブ画素4R,4Lの双方からの光が視認されるので、第1の画像と第2の画像との双方が視認される。
このように、液晶装置100は、第1の画像と第2の画像とを互いに異なる表示角度範囲に指向性表示することができる。表示角度範囲VR,VLをより大きくし表示角度範囲VCをより小さくすれば、第1の画像と第2の画像とを異なる人物に同時に視認させることができる。また、表示角度範囲VR,VLをより接近させれば、第1の画像を右眼に入射させるとともに、第2の画像を左眼に入射させることが可能となり、立体表示を行うことができる。
第1の実施形態に係る光学素子51は、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが表示面1aに対して傾斜して配置されている。このため、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが表示面1aに平行に配置されている従来の構成に比べて、第1の遮光部56aの傾斜面54aと第2の遮光部56bの傾斜面54bとに沿う方向に射出され遮光されずに通過する光が存在する。つまり、第1の画素または第2の画素に平面的に重なる開口部57の幅が同じであっても、従来の構成に比べて、開口部57の実質的な開口領域が大きくなり開口部57を通過する光の量を多くすることができる。これにより、第1の画像および第2の画像の双方が視認される表示角度範囲VCを小さくするために開口部57の幅を小さくしても、従来の構成よりも明るい表示を得ることができる。
なお、サブ画素4R,4Lから射出された光の一部は、開口部57の端部において回折して回折光となり、開口部57の外側に向かって進む。この回折光により、表示角度範囲VCが回折光の分だけ大きくなり、表示角度範囲VR,VLが小さくなる。しかしながら、光学素子51では、各画素行7に沿って第1の画像または第2の画像のいずれか一方が視認されるので、両眼が画素行7に略平行に位置するように観察するのであれば、各画素行7に沿って第1の画像と第2の画像との双方が視認される従来の構成に比べて、回折光が実際の視感度に与える影響は少なくなる。
次に、第1の実施形態に係る光学素子51における表示角度範囲VR,VL,VCを簡易的に算出してみる。図6において、サブ画素4の画素行7方向における幅W1を、例えば72.5μmとし、光学素子51の厚さHを幅W1の1/2、すなわち36.25μmとする。また、第1の遮光部56aおよび第2の遮光部56bの観察側の端部は、平面視でサブ画素4の画素行7に沿った方向における中央部に位置しているものとする。つまり、観察側から表示面1aの法線方向に投影された第1の遮光部56a(傾斜面54a)および第2の遮光部56b(傾斜面54b)の幅W2が、幅W1の1/2、すなわち36.25μmであるとする。なお、ここでは、遮光層32の幅および基板31の厚さは考慮されていない。
このような構成によれば、図6(a)において、サブ画素4Rから射出された光が第1の遮光部56aによって遮られない境界3bと表示面1aとがなす角度θ1は、第1の遮光部56a(傾斜面54a)および第2の遮光部56b(傾斜面54b)と表示面1aとがなす角度と同じであり、45°となる。また、図6(a)において、サブ画素4Rから射出された光が第1の遮光部56aによって遮られない境界3aと表示面1aとがなす角度θ2は、18.4°となる。一方、図6(b)においては、境界3bと表示面1aとがなす角度が角度θ2(18.4°)となり、境界3aと表示面1aとがなす角度が角度θ1(45°)となる。
表示角度範囲3R,3Lは、それぞれ180°−(θ1+θ2)で求められ、ともに116.6°となる。また、表示角度範囲VR,VLは、θ1−θ2で求められ、ともに26.6°となり、表示角度範囲VCは180°−2θ1で求められ、90°となる。ここで、θ1をより大きくしてθ2をより小さくすれば、表示角度範囲VR,VLは大きくなり、表示角度範囲VCは小さくなる。θ1をより大きくしてθ2をより小さくするには、幅W1に対して幅W2をより大きくすればよい。
なお、幅W2が幅W1の1/2のままで光学素子51の厚さHを小さくすると、角度θ1,θ2がともに小さくなるので、表示角度範囲3R,3Lは大きくなり、表示角度範囲VR,VLは小さくなり、表示角度範囲VCは大きくなる。
このように、第1の実施形態に係る光学素子51によれば、以下の効果が得られる。
(1)第1の画像と第2の画像とを互いに異なる表示角度範囲に指向性表示することができる。したがって、第1の画像と第2の画像とを異なる人物に同時に視認させることや、立体表示を行うことができる。
(2)第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが表示面1aに対して傾斜して配置されているので、第1の画素または第2の画素に平面的に重なる開口部57の幅が同じであっても、従来の構成に比べて開口部57を通過する光の量を多くすることができる。これにより、第1の画像および第2の画像の双方が視認される表示角度範囲VCを小さくするため開口部57の幅を小さくしても、従来の構成よりも明るい表示を得ることができる。
(3)第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが表示面1aに対して傾斜して配置されているので、第1の遮光部56aおよび第2の遮光部56bの幅だけでなく傾斜角度によっても表示角度範囲VR,VL,VCを制御できる。以上の結果、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが表示面1aに平行に配置されている従来の構成に比べて、より高品質な指向性表示を得ることができる。
<液晶装置の製造方法>
次に、第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法について図を参照して説明する。図7は、第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法を説明するフローチャートである。
図7において、工程P11および工程P12は素子基板10を製造する工程であり、工程P21および工程P22は対向基板30を製造する工程である。また、工程P41および工程P42は光学素子51を形成してバリアー基板50を製造する工程である。工程P11および工程P12と、工程P21および工程P22と、工程P41および工程P42とはそれぞれ独立に行われる。工程P31および工程P32は、素子基板10と対向基板30とを組み合わせて液晶パネル1を製造する工程である。工程P51は、液晶パネル1にバリアー基板50を貼り付ける工程である。工程P52は、バリアー基板50が貼り付けられた液晶パネル1に偏光板44,45を貼り付ける工程である。なお、これらの工程のうち詳述しない工程においては、公知の技術を適用することができる。
まず、素子基板10を製造する工程と対向基板30を製造する工程とを説明する。工程P11では、基板11上にTFT素子20、絶縁層22、絶縁層24、画素電極16等を形成する。
続いて、工程P12では、これらの素子、電極等が形成された素子基板10の表面に配向膜28を形成し、配向膜28の表面に配向処理を施す。
次に、工程P21では、基板31上に遮光層32、カラーフィルター層34、オーバーコート層35、共通電極18等を形成する。なお、基板31は、ケミカルエッチングまたはCMP(Chemical Mechanical Polishing)等により50μm〜70μm程度の厚さに加工される。続いて、工程P22では、対向基板30の表面に配向膜36を形成し、配向膜36の表面に配向処理を施す。
次に、工程P31では、素子基板10と対向基板30との貼り合わせを行う。貼り合わせは、素子基板10または対向基板30にシール剤41を塗布し、アライメントをした後、素子基板10と対向基板30とを接触させ、圧着して行われる。続いて、工程P32では、シール剤41の開口部(注入口)から素子基板10と対向基板30との間に液晶を注入し、注入口を封止する。以上により、液晶パネル1が製造される。
次に、バリアー基板50を製造する工程を説明する。図8は、第1の実施形態に係る光学素子51を備えたバリアー基板50の製造方法を説明する図である。なお、図8では、図4と同様に図2中のB−B’線に沿った方向の断面を示しているが、図4に示す断面とは上下が反転している。
工程P41では、基板52上に透光層54を形成する。この工程P41では、まず、図8(a)に示すように、基板52上に、UV硬化型の透光性を有する樹脂をスピンコート法やラミネート法等を用いて塗布し、樹脂膜53を形成する。続いて、硬化する前の樹脂膜53に傾斜面54a,54bに対応する傾斜面が設けられた金型を押し当てた状態で、基板52側から紫外領域の光を照射して樹脂膜53を硬化させる。これにより、図8(b)に示すように、傾斜面54a,54bを有する透光層54が形成される。
次に、工程P42では、透光層54の表面に遮光層56を形成する。この工程P42では、まず、図8(c)に示すように、透光層54の表面に樹脂や金属等の材料からなる遮光膜55を形成する。次に、図8(d)に示すように、フォトリソグラフィ法を用いて、透光層54の傾斜面54aまたは傾斜面54b上の遮光膜55を除去する。これにより、透光層54上に第1の遮光部56aおよび第2の遮光部56bを有する遮光層56が形成される。なお、図8(d)は図2中のB−B’線に沿った方向の断面を示しているので、傾斜面54b上の遮光膜55が除去されている。
上記の工程P41および工程P42により、基板52上に光学素子51が形成され、バリアー基板50が製造される。
次に、工程P51では、UV硬化型の透光性を有する接着剤等により、液晶パネル1の対向基板30にバリアー基板50を貼り付ける。これにより、バリアー基板50が、接着層58を介して液晶パネル1(対向基板30)の観察側の表面に接着固定される。
次に、工程P52では、素子基板10の外側に偏光板44を、バリアー基板50の外側に偏光板45を、それぞれ貼り付ける。以上により液晶装置100が完成する。
(第2の実施形態)
<液晶装置>
次に、第2の実施形態に係る液晶装置の構成について図を参照して説明する。図9(a)は第2の実施形態に係る液晶装置の表示領域の拡大平面図であり、図9(b)は、第2の実施形態に係る光学素子が設けられたバリアー基板の拡大平面図である。図10は、第2の実施形態に係る液晶装置の構成を説明する図である。詳しくは、図9(a)中のB−B’線に沿った方向、すなわち画素行7に沿った方向の断面図である。図11は、第2の実施形態に係る光学素子の構成を模式的に示す図である。詳しくは、図11(a)は図9(a)中のB−B’線に沿った断面図であり、図11(b)は図9(a)中のC−C’線に沿った断面図であり、図11(c)は図9(a)中のD−D’線に沿った断面図である。
第2の実施形態に係る液晶装置は、第1の実施形態に係る液晶装置に対して、光学素子の構成が異なっているが、その他の構成は同じである。第1の実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図10に示すように、第2の実施形態に係る液晶装置110は、液晶パネル1と、バリアー基板50aと、バックライト46(図1参照)と、を備えている。バリアー基板50aには、光学素子51aが設けられている。第2の実施形態に係る光学素子51aは、透光層54と、遮光層56と、開口部57とを有している。第2の実施形態に係る光学素子51aでは、第1の遮光部56a(傾斜面54a)および第2の遮光部56b(傾斜面54b)の配置が第1の実施形態に係る光学素子51と異なっている。
図9(a)に示すように、液晶装置110では、各画素行7に沿ってサブ画素4Rとサブ画素4Lとが交互に繰り返し配置されており、各画素列8に沿ってサブ画素4Rまたはサブ画素4Lのいずれかが一列に配置されている。また、図9(b)に示すように、光学素子51aでは、各画素行7に沿って第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが交互に繰り返し配置されており、各画素列8に沿って第1の遮光部56aまたは第2の遮光部56bのいずれかが一列に配置されている。
画素行7に沿った方向においては、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが交互に配置されているので、第1の遮光部56aの配置ピッチおよび第2の遮光部56bの配置ピッチは、サブ画素4の配置ピッチの2倍である。画素列8に沿った方向においては、第1の遮光部56aの配置ピッチおよび第2の遮光部56bの配置ピッチは、サブ画素4の配置ピッチと同じである。
図10に示すように、光学素子51aでは、一つのサブ画素4に対して、第1の遮光部56a(傾斜面54a)または第2の遮光部56b(傾斜面54b)のいずれか一方が配置されている。開口部57は、平面視で第1の遮光部56aおよび第2の遮光部56bに重ならない位置に配置されている。
また、図11(a),(b),(c)に示すように、光学素子51aでは、画素行7の奇数行および偶数行において、画素行7に沿って第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが交互に配置されている。つまり、各画素行7において、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとは、サブ画素4に対して一つ置きに配置されている。また、画素列8の奇数列および偶数列において、第1の遮光部56aまたは第2の遮光部56bが一列に配置されている。なお、透光層54は画素列8に沿った方向にストライプ状に形成されており、透光層54の各列はサブ画素4の2倍の配置ピッチで配置されている。つまり、透光層54の各列は、画素列8に対して一列置きに配置されている。
また、画素行7の奇数行および偶数行において、開口部57から第1の画像を構成するサブ画素4Rからの光と第2の画像を構成するサブ画素4Lからの光とが射出される。したがって、画素行7の各行において、第1の画像と第2の画像とが視認される。
第2の実施形態に係る液晶装置110の表示角度範囲は、第1の実施形態に係る液晶装置100の表示角度範囲と同様である。ただし、液晶装置110では、画素行7の各行で、サブ画素4R,4Lから射出され光学素子51aを通過して開口部57から観察側に向かう光が、表示角度範囲3R,3Lにおいて視認される。第2の実施形態に係る液晶装置110の構成によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
<液晶装置の製造方法>
次に、第2の実施形態に係る液晶装置の製造方法について図を参照して説明する。第2の実施形態に係る液晶装置の製造方法は、第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法と同様の工程を備えている。ただし、バリアー基板50a(光学素子51a)の構成が一部異なっている。図12は、第2の実施形態に係るバリアー基板50aの製造方法を説明する図である。
図12(a)に示すように、第1の実施形態と同様にして、基板52上に樹脂膜53を形成する。続いて、図12(b)に示すように、第1の実施形態と同様にして、傾斜面54a,54bを有する透光層54を形成する。透光層54は、一列置きに配置される。
次に、図12(c)に示すように、基板52と透光層54との表面に遮光膜55を形成する。次に、図12(d)に示すように、基板52表面の遮光膜55を除去する。これにより、透光層54上に遮光層56が形成される。なお、第1の実施形態と同様に図8(b)に示すように透光層54の各列を形成しておき、図8(c)で形成した遮光膜55を透光層54の各列の一列置きに除去するようにしてもよい。このようにして光学素子51aを形成した場合、図12(d)において、透光層54は毎列配置され、遮光層56は一列置きに配置される。つまり、遮光層56が形成された透光層54と、遮光層56が形成されない透光層54とが交互に配置されることとなる。
(第3の実施形態)
<液晶装置>
次に、第3の実施形態に係る液晶装置の構成について図を参照して説明する。図13(a)は第3の実施形態に係る液晶装置の表示領域の拡大平面図であり、図13(b)は、第3の実施形態に係る光学素子が設けられたバリアー基板の拡大平面図である。図14は、第3の実施形態に係る光学素子の構成を模式的に示す図である。詳しくは、図14(a)は図13(a)中のB−B’線に沿った断面図であり、図14(b)は図13(a)中のC−C’線に沿った断面図であり、図14(c)は図13(a)中のD−D’線に沿った断面図である。
第3の実施形態に係る液晶装置120は、上記実施形態に係る液晶装置100,110に対して、光学素子の構成が異なっているが、その他の構成は同じである。上記実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図13(a)に示すように、第3の実施形態に係る液晶装置120は、バリアー基板に光学素子51bが設けられている。第3の実施形態に係る光学素子51bは、透光層54と、遮光層56と、開口部57とを有している。第3の実施形態に係る光学素子51bでは、第1の遮光部56a(傾斜面54a)および第2の遮光部56b(傾斜面54b)の配置が上記実施形態に係る光学素子51,51aと異なっている。
図13(a)に示すように、液晶装置120では、各画素行7に沿った方向に、サブ画素4Rとサブ画素4Lとが交互に配置されている。また、各画素列8に沿った方向には、サブ画素4Rとサブ画素4Lとが交互に配置されている。つまり、画素行7および画素列8に沿って、サブ画素4Rとサブ画素4Lとが交互に繰り返し配置されている。
図13(b)に示すように、光学素子51bでは、各画素行7に沿って第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが交互に繰り返し配置されている。また、各画素列8に沿って第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが交互に繰り返し配置されている。つまり、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとは、千鳥格子状に配置されている。
第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとが画素行7および画素列8に沿って交互に繰り返し配置されているので、画素行7および画素列8に沿った方向において、第1の遮光部56aの配置ピッチおよび第2の遮光部56bの配置ピッチはともにサブ画素4の配置ピッチの2倍である。
光学素子51bでは、図14(a),(b),(c)に示すように、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとは、画素行7の奇数行と偶数行とでサブ画素4の1ピッチ分ずれて配置されている。また、第1の遮光部56aと第2の遮光部56bとは、画素列8の奇数列と偶数列とでサブ画素4の1ピッチ分ずれて配置されている。透光層54は、画素行7および画素列8に沿った方向に、サブ画素4の2倍の配置ピッチで配置されている。
なお、図13(a)中のB−B’線に沿った液晶装置120の断面は、図10に示す第2の実施形態に係る液晶装置110の断面と同様である。
第3の実施形態に係る液晶装置120の表示角度範囲は、上記実施形態に係る液晶装置100,110の表示角度範囲と同様である。また、液晶装置120では、第2の実施形態に係る液晶装置110と同様に、画素行7の各行で、サブ画素4R,4Lから射出され光学素子51bを通過して開口部57から観察側に向かう光が、表示角度範囲3R,3Lにおいて視認される。第3の実施形態に係る液晶装置120の構成によれば、上記実施形態と同様の効果が得られる。第3の実施形態に係る液晶装置120では、さらに垂直解像度が向上する効果が得られる。
第3の実施形態に係る液晶装置120の製造方法は、上記実施形態に係る液晶装置の製造方法と同様の工程を備えている。また、第3の実施形態に係るバリアー基板の製造方法は、第2の実施形態に係るバリアー基板50aの製造方法と同様である。ただし、バリアー基板(光学素子51b)の構成が一部異なっており、傾斜面54a,54bを有する透光層54が、一列置きかつ一行置きに形成される点が異なる。
(第4の実施形態)
<液晶装置>
次に、第4の実施形態に係る液晶装置の構成について図を参照して説明する。図15は、第4の実施形態に係る液晶装置の構成を説明する断面図である。図16は、第4の実施形態に係る光学素子の構成を模式的に示す図である。詳しくは、図16(a)および図16(c)は画素行の奇数行に沿った断面図であり、図16(b)は画素行の偶数行に沿った断面図である。
第4の実施形態に係る液晶装置は、上記実施形態に係る液晶装置に対して、光学素子の構成が異なっているが、その他の構成は同じである。上記実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図15に示すように、第4の実施形態に係る液晶装置130は、液晶パネル1と、バリアー基板60と、バックライト46(図1参照)と、を備えている。バリアー基板60には、基板52上に光学素子61が設けられている。なお、図示を省略するが、第4の実施形態に係る液晶装置130では、第1の実施形態に係る液晶装置100と同様に、画素行7に沿ってサブ画素4Rまたはサブ画素4Lのいずれかが一列に配置されており、画素列8に沿ってサブ画素4Rとサブ画素4Lとが交互に繰り返し配置されている。
第4の実施形態に係る光学素子61は、透光層64と、遮光層66と、開口部67とを有している。透光層64には、表示面1aに対して傾斜した傾斜面64aが形成されている。また、透光層64には、傾斜面64aが基板52に接する位置に、平面視でサブ画素4の画素列8(図16参照)に沿った一辺に重なり、表示面1aの法線方向に沿う壁部64cが形成されており、この点が上記実施形態と異なっている。
遮光層66は、平面視でサブ画素4の領域をほぼ覆っている。遮光層66の第1の遮光部66aは、傾斜面64aの表面に形成されている。第1の遮光部66aは、平面視でサブ画素4の領域に重なっている。開口部67は、平面視で第1の遮光部66aに重なっている。
図16(a)および図16(c)に示す画素行7の奇数行においては、画素行7に沿って第1の遮光部66aが一列に配置されている。図16(b)に示す画素行7の偶数行においては、画素行7に沿って遮光層66の第2の遮光部66bが一列に配置されている。第2の遮光部66bは、透光層64の傾斜面64bの表面に形成されているまた、画素列8に沿っては、画素列8の奇数列および偶数列において第1の遮光部66aと第2の遮光部66bとが交互に繰り返し配置されている。なお、透光層64の傾斜面64a,64bは、画素列8に沿って交互に繰り返し配置されている。
また、画素行7の奇数行においては、第1の画像を構成するサブ画素4Rからの光が壁部64cから開口部67を通過して射出され、画素行7の偶数行においては、第2の画像を構成するサブ画素4Lからの光が壁部64cから開口部67を通過して射出される。したがって、画素行7の奇数行においては第1の画像が視認され、画素行7の偶数行においては第2の画像が視認される。
続いて、第4の実施形態に係る液晶装置130の表示角度範囲について、図17および図18を参照して説明する。図17および図18は、第4の実施形態に係る液晶装置の表示角度範囲を説明する図である。詳しくは、図17(a)および図18(a)は、画素行7の奇数行における光学素子61を模式的に示す断面図である。図17(b)および図18(b)は、画素行7の偶数行における光学素子61を模式的に示す断面図である。なお、ここでは、光学素子61の構成を主眼に説明する便宜上、光学素子61以外の構成要素を省略している。
図17(a)に示すように、画素行7の奇数行において、サブ画素4Rから射出され光学素子61を通過して開口部67から観察側に向かう光は表示角度範囲3Rにおいて視認される。図17(b)に示すように、画素行7の偶数行においては、サブ画素4Lから射出され光学素子61を通過して開口部67から観察側に向かう光は、表示角度範囲3Lにおいて視認される。第4の実施形態に係る液晶装置130の構成によれば、上記実施形態と同様に指向性表示が得られる。
ここで、図17(a)に示す奇数行における表示角度範囲3Rの境界3b、および図17(b)に示す偶数行における表示角度範囲3Lの境界3aは壁部64cに沿った方向、すなわち表示面1aの法線方向となる。つまり、サブ画素4R,4Lから表示面1aの法線方向に射出される光は、第1の遮光部66aおよび第2の遮光部66bでほぼ遮断される。このため、表示角度範囲3Rと表示角度範囲3Lとが重なる表示角度範囲VCはほぼゼロとなる。また、サブ画素4Rからの光のみが視認される表示角度範囲VRと、サブ画素4Lからの光のみが視認される表示角度範囲VLとは、それぞれ表示角度範囲3R,3Lとほぼ等しくなる。
このように、第4の実施形態に係る光学素子61では、上記実施形態の光学素子に比べて、表示角度範囲VCはほぼゼロとなり、表示角度範囲VRと表示角度範囲VLとは大きくなる。したがって、第4の実施形態に係る光学素子61は、上記実施形態の光学素子に比べて、第1の画像と第2の画像とを異なる人物に同時に視認させる液晶装置に適している。
ところで、遮光部が表示面に平行に配置されている光学素子において、第1の画像および第2の画像の双方が視認される表示角度範囲をなくすためには、開口部の幅を対向基板の遮光層の幅以下に設定することとなる。このような構成では、開口部を通過して観察側に向かう光の量はわずかなものとなってしまう。
本実施形態の光学素子61の構成によれば、第1の遮光部66aと第2の遮光部66bとが表示面1aに対して傾斜して配置されているので、サブ画素4R,4Lから射出される光のうち第1の遮光部66aおよび第2の遮光部66bに遮られることなく開口部を通過する光の量は、遮光部が表示面に平行に配置されている光学素子に比べて格段に多くなる。したがって、本実施形態の光学素子61の構成によれば、第1の画像および第2の画像の双方が視認される表示角度範囲を限りなくゼロに近づけても、遮光部が表示面に平行に配置されている場合よりも格段に明るい表示を得ることができる。
次に、本実施形態の光学素子61における表示角度範囲VR,VLを簡易的に算出してみる。図17において、サブ画素4の画素行7方向における幅Wを、例えば72.5μmとし、光学素子61の厚さH1を幅Wの1/2、すなわち36.25μmとする。図17(a)に示す奇数行における表示角度範囲3Rの境界3b、および図17(b)に示す偶数行における表示角度範囲3Lの境界3aは、表示面1aの法線方向である。
このような構成によれば、図17(a)において、サブ画素4Rから射出された光が第1の遮光部66aによって遮られない境界3aと表示面1aとがなす角度θ3は、14°となる。図17(b)においては、境界3bと表示面1aとがなす角度が角度θ3(14°)となる。表示角度範囲3R,3Lは、それぞれ180°−(θ3+90°)で求められ、ともに76°となる。表示角度範囲VR,VLは、表示角度範囲3R,3Lと同じであり、ともに76°となる。表示角度範囲VCは、0°となる。したがって、上記実施形態の光学素子に比べて、表示角度範囲VCはゼロとなり、表示角度範囲VRと表示角度範囲VLとは大きくなる。
ここで、厚さH1を小さくして角度θ3をより小さくすれば、表示角度範囲VCが0°のままで、表示角度範囲VR,VL(表示角度範囲3R,3L)は大きくなる。例えば、図18で、幅Wを72.5μmとし、光学素子61aの厚さH2を図17における厚さH1の略1/2の18μmとする。この場合、図18(a)における境界3aと表示面1aとがなす角度θ4は、図17における角度θ3の略1/2の7.1°となる。したがって、表示角度範囲VR,VL(表示角度範囲3R,3L)は、ともに82.9°となり、図17における場合よりも大きくなる。
<液晶装置の製造方法>
次に、第4の実施形態に係る液晶装置の製造方法について図を参照して説明する。第4の実施形態に係る液晶装置の製造方法は、第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法と同様の工程を備えている。ただし、バリアー基板60(光学素子61)の構成が一部異なっている。図19は、第4の実施形態に係るバリアー基板60の製造方法を説明する図である。
図19(a)に示すように、第1の実施形態と同様にして、基板52上に樹脂膜53を形成する。続いて、図19(b)に示すように、第1の実施形態と同様にして、傾斜面64a,64bと壁部64cを有する透光層64を形成する。次に、図19(c)に示すように、透光層64の表面に遮光膜65を形成する。次に、図19(d)に示すように、壁部64c表面の遮光膜65を除去する。これにより、透光層64上に遮光層66が形成される。以上により、光学素子61を備えたバリアー基板60が製造される。
(第5の実施形態)
<液晶装置>
次に、第5の実施形態に係る液晶装置の構成について図を参照して説明する。図20は、第5の実施形態に係る液晶装置の構成を説明する断面図である。
第5の実施形態に係る液晶装置は、上記実施形態に係る液晶装置に対して、光学素子が対向基板に設けられている点が異なっているが、その他の構成は同じである。ここでは、対向基板に第4の実施形態に係る光学素子61が設けられているものとする。上記実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図20に示すように、第5の実施形態に係る液晶装置200では、対向基板30aの液晶層40側に光学素子61を備えている。したがって、液晶装置200は、バリアー基板を備えていない。
対向基板30aは、基板31上に、光学素子61と、平坦化層68と、遮光層32と、カラーフィルター層34と、オーバーコート層35と、共通電極18と、配向膜36とを備えている。第5の実施形態に係る液晶装置200では、カラーフィルター層34の表面が表示面1aである。
光学素子61は基板31上に形成されている。平坦化層68は、光学素子61とカラーフィルター層34との間に設けられている。平坦化層68は、第1の遮光部66aおよび第2の遮光部66b(図示しない)と表示面1aとの間の隙間を埋めるように形成されており、表示面1aに接する略平坦な表面を有している。平坦化層68は、例えばUV硬化型や熱硬化型の透光性を有するアクリル樹脂からなる。平坦化層68は、基板31の屈折率に近い屈折率を有していることが好ましい。
第5の実施形態に係る液晶装置200の構成によれば、第4の実施形態に係る液晶装置130と同様の効果が得られる他に、さらに以下の効果が得られる。光学素子61と表示面1aとの間に基板が介在しないので、光学素子61により表示角度範囲VR,VL,VCを容易に制御できるとともに、光学素子61と基板との界面、および表示面1aと基板との界面において、光学素子61または表示面1aと基板との屈折率の差異に起因する光の反射や散乱を排除できる。また、上記実施形態よりも基板が1枚少なくなるので、液晶装置200の総厚を薄くすることができる。
なお、液晶装置200は、光学素子61の代わりに、光学素子51,51a,51bのいずれかを備えていてもよい。光学素子51,51a,51bのいずれかを備えている場合でも、本実施形態と同様の効果が得られる。
<液晶装置の製造方法>
次に、第5の実施形態に係る液晶装置の製造方法について図を参照して説明する。図21は、第5の実施形態に係る液晶装置の製造方法を説明するフローチャートである。第5の実施形態に係る液晶装置の製造方法は、第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法に対して、対向基板30aを製造する工程が光学素子61を形成する工程P41および工程P42を含む点、およびバリアー基板を製造する工程を備えていない点が異なる。
図21において、工程P41、工程P42、工程P21、および工程P22は対向基板30aを製造する工程である。また、工程P52は、液晶パネル1に偏光板44,45を貼り付ける工程である。
工程P41では、基板31上に透光層64を形成する。また、工程P42では、透光層64上に遮光層66を形成する。これにより、基板31上に光学素子61が形成される。そして、光学素子61上に平坦化層68を形成する。次に、工程P21では、平坦化層68上に、遮光層32、カラーフィルター層34、オーバーコート層35、共通電極18等を形成する。これにより、対向基板30aが製造される。
次に、工程P31で素子基板10と対向基板30aとを貼り合わせ、工程P32で素子基板10と対向基板30aとの間に液晶を注入し、工程P52で偏光板44,45を貼り付ける。以上により、液晶装置200が製造される。
本実施形態に係る液晶装置の製造方法によれば、光学素子61と表示面1aとの間に基板を配置する場合に基板を薄くするために必要となるケミカルエッチング等の加工が不要になるので、このような加工に起因して基板の厚さや表面の平坦度にばらつきが生じるリスクを排除できる。また、基板31上に形成された光学素子61の上に遮光層32とカラーフィルター層34とを形成するので、遮光層32およびカラーフィルター層34と光学素子61とのアライメントが容易になる。
(第6の実施形態)
<液晶装置の製造方法>
次に、第6の実施形態に係る液晶装置の製造方法について図を参照して説明する。第6の実施形態に係る液晶装置の製造方法は、第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法に対して、工程P41における透光層54の形成方法が異なる以外は同じである。図22は、第6の実施形態に係る透光層54の形成方法を説明する図である。
工程P41では、図22に示すように、マスク80を用いたフォトリソグラフィ法により透光層54を形成する。ここで用いるマスク80は、所謂ハーフトーンマスクであり、遮光部81と部分光透過部82とを備えている。遮光部81は遮光性の材料からなる。部分光透過部82は、光を減衰して透過させる材料からなり、中央部から端部に向かって光の透過率が低くなる構成を有している。
工程P41では、まず、図22(a)に示すように、基板52上に樹脂膜53を形成する。そして、樹脂膜53が硬化した後、樹脂膜53上にフォトレジスト膜83を形成する。続いて、マスク80を通して、フォトレジスト膜83に所定光量の露光光を照射する。部分光透過部82では、中央部が最も露光光透過率が高く、中央部から端部に向かって露光光透過率が低くなるので、図22(b)に示すように、フォトレジスト膜83の部分光透過部82に重なる部分にV字状に傾斜面83a,83bが形成される。遮光部81に重なる部分は露光されない。
続いて、フォトレジスト膜83を介して樹脂膜53をパターニングする。これにより、図22(c)に示すように、傾斜面83a,83bを有するフォトレジスト膜83の形状が反映され、傾斜面54a,54bを有する透光層54が形成される。
なお、第6の実施形態に係る液晶装置の製造方法は、第4の実施形態に係る光学素子61の透光層64を形成する工程にも適用できる。
(電子機器)
上述した液晶装置100,110,120,130,200は、例えば、図23に示すような電子機器としてのカーナビゲーションシステム用の表示装置500に搭載して用いることができる。この表示装置500は、表示部510に組み込まれた液晶装置100,110,120,130,200によって、2つの画像を異なる表示角度範囲に指向性表示することができる。例えば、運転席側に地図の画像を表示するとともに、助手席側に映画の画像を表示することができる。その際、画像が混在する表示範囲を小さくしても明るい表示を行うことができる。
なお、液晶装置100,110,120,130,200は、上記表示装置500の他、モバイルコンピューター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器等の各種電子機器に用いることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。変形例としては、例えば以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記実施形態の液晶装置100,110,120,130,200では、第1の遮光部および第2の遮光部の画素行に沿った方向における幅は同一であったが、この形態に限定されない。第1の遮光部および第2の遮光部の画素行に沿った方向における幅が、画素行における中央部から離れるにしたがって小さくなる構成を有していてもよい。
図24は、変形例1に係る光学素子の構成を模式的に示す断面図であり、図16(a)に対応している。図24おいて、1点鎖線M−M’は、液晶パネル1の表示領域2において、画素行7方向における表示面1aの中央部を示している。
図24に示すように、変形例1に係る光学素子71は、画素行7に沿って配列されたサブ画素4Ra,4Rb,4Rc,4Rd・・・に対応して、透光層74の傾斜面74a上に形成された第1の遮光部76a,76b,76c,76d・・・を有している。光学素子71では、第1の遮光部76a,76b,76c,76d・・・の画素行7方向における幅が、画素行7方向における中央部(1点鎖線M−M’)から離れるにしたがって小さくなる構成を有している。
より具体的には、第1の遮光部76b,76c,76d・・・では、傾斜面74aの観察側の一部に遮光膜が配置されておらず、1点鎖線M−M’側に位置する第1の遮光部76aの幅よりも図中右隣に位置する第1の遮光部76bの幅の方が小さく、第1の遮光部76bの右隣に位置する第1の遮光部76cの幅の方がさらに小さく、第1の遮光部76cの右隣に位置する第1の遮光部76dの幅の方がさらに小さくなっている。
図示を省略するが、光学素子71の1点鎖線M−M’を間に挟んで左側には、1点鎖線M−M’の右側とは対称に第1の遮光部76b,76c,76d・・・が順に配置されている。また、第1の遮光部76b,76c,76d・・・は、画素行7方向において略同一ピッチで配置されており、その配置ピッチはサブ画素4Ra,4Rb,4Rc,4Rd・・・の配置ピッチよりも僅かに小さい。
変形例1に係る光学素子71では、第1の遮光部76a,76b,76c,76d・・・の幅が中央部(1点鎖線M−M’)から離れるにしたがって小さくなるので、サブ画素4Ra,4Rb,4Rc,4Rd・・・から射出される光の表示角度範囲は中央部(1点鎖線M−M’)から離れるにしたがって大きくなる。このため、サブ画素4Ra,4Rb,4Rc,4Rd・・・から射出される光によって構成される第1の画像を適視できる視点VPの表示面1aからの距離をより短くできる。
なお、光学素子71は、第1の遮光部76a,76b,76c,76d・・・とは対向する向きに傾斜する第2の遮光部を有しており、第2の遮光部についても第1の遮光部76b,76c,76d・・・と同様に、画素行7に沿った方向における幅が、画素行7方向における中央部(1点鎖線M−M’)から離れるにしたがって小さくなる構成を有している。
変形例1に係る光学素子71の構成によれば、例えば、カーナビゲーションシステム用の表示装置500において、運転席側および助手席側において画像を適視できる視点を表示面からより近い位置に設定できる。
(変形例2)
上記実施形態の液晶装置100,110,120,130,200では、第1の遮光部の表示面に対する傾斜角度と、第2の遮光部の表示面に対する傾斜角度とが同じであったが、この形態に限定されない。第1の遮光部の表示面に対する傾斜角度と、第2の遮光部の表示面に対する傾斜角度とが互いに異なる構成を有していてもよい。
図25は、変形例2に係る光学素子の構成を模式的に示す断面図である。図25(a)に示すように、変形例2に係る光学素子72は、画素行7の奇数行においては図18(a)に示す光学素子61aの構成を有している。また、図25(b)に示すように、変形例2に係る光学素子は、画素行7の偶数行においては図17(b)に示す光学素子61の構成を有している。
このため、画素行7の偶数行における表示角度範囲3L(VL)は、画素行7の奇数行における表示角度範囲3R(VR)よりも小さい。したがって、第2の画像が視認される角度範囲は、第1の画像が視認される角度範囲よりも小さい。
変形例2に係る光学素子の構成によれば、例えば、カーナビゲーションシステム用の表示装置500において、助手席側に表示する映画の画像が視認される角度範囲を、運転席側に表示する地図の画像が視認される角度範囲よりも小さくすることができる。
(変形例3)
上記の実施形態では、液晶装置はTN方式の透過型の液晶装置であったが、この形態に限定されない。液晶装置は、TN方式と同様に素子基板と対向基板との間に生じる縦電界により液晶分子の配向制御を行う、VA(Vertical Alignment)方式やECB(Electrically Controlled Birefringence)方式等の液晶装置であってもよい。また、液晶装置は、横電界により液晶分子の配向制御を行う、FFS(Fringe-Field Switching)方式やIPS(In-Plane Switching)方式の液晶装置であってもよい。さらに、液晶装置は、透過表示領域と反射表示領域とを有する半透過反射型の液晶装置であってもよい。これらの液晶装置であっても、上記実施形態の液晶装置の構成、および液晶装置の製造方法を適用することができる。
(変形例4)
上記の実施形態では、電気光学装置は液晶装置であったが、この形態に限定されない。電気光学装置は、有機エレクトロルミネセンス素子(有機EL素子)を備えた有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL装置)やプラズマ表示素子を備えたプラズマディスプレイ装置等であってもよい。これらの電気光学装置であっても、上記実施形態の電気光学装置の構成、および電気光学装置の製造方法を適用することができる。
第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す図。 第1の実施形態に係る液晶装置の表示領域の拡大平面図。 (a)は第1の実施形態に係る液晶パネルの拡大平面図、(b)は第1の実施形態に係る光学素子が設けられたバリアー基板の拡大平面図。 第1の実施形態に係る液晶装置の構成を説明する図。 第1の実施形態に係る光学素子の構成を模式的に示す図。 第1の実施形態に係る液晶装置の表示角度範囲を説明する図。 第1の実施形態に係る液晶装置の製造方法を説明するフローチャート。 第1の実施形態に係る光学素子を備えたバリアー基板の製造方法を説明する図。 (a)は第2の実施形態に係る液晶装置の表示領域の拡大平面図、(b)は第2の実施形態に係る光学素子が設けられたバリアー基板の拡大平面図。 第2の実施形態に係る液晶装置の構成を説明する図。 第2の実施形態に係る光学素子の構成を模式的に示す図。 第2の実施形態に係るバリアー基板の製造方法を説明する図。 (a)は第3の実施形態に係る液晶装置の表示領域の拡大平面図、(b)は第3の実施形態に係る光学素子が設けられたバリアー基板の拡大平面図。 第3の実施形態に係る光学素子の構成を模式的に示す図。 第4の実施形態に係る液晶装置の構成を説明する断面図。 第4の実施形態に係る光学素子の構成を模式的に示す図。 第4の実施形態に係る液晶装置の表示角度範囲を説明する図。 第4の実施形態に係る液晶装置の表示角度範囲を説明する図。 第4の実施形態に係るバリアー基板の製造方法を説明する図。 第5の実施形態に係る液晶装置の構成を説明する断面図。 第5の実施形態に係る液晶装置の製造方法を説明するフローチャート。 第6の実施形態に係る透光層の形成方法を説明する図。 電子機器としての表示装置を示す図。 変形例1に係る光学素子の構成を模式的に示す断面図。 変形例2に係る光学素子の構成を模式的に示す断面図。 指向性表示が可能な電気光学装置の模式断面図。
1…液晶パネル、1a…表示面、2…表示領域、3L,3R,VL,VR…表示角度範囲、4…サブ画素、6…画素、6L…第2の画素、6R…第1の画素、7…画素行、8…画素列、10…素子基板、11…基板、16…画素電極、18…共通電極、20…TFT素子、20a…半導体層、20d…ドレイン電極、20g…ゲート電極、20s…ソース電極、22…絶縁層、24…絶縁層、28…配向膜、30,30a…対向基板、31…基板、32…遮光層、34…カラーフィルター層、35…オーバーコート層、36…配向膜、40…液晶層、44,45…偏光板、46…バックライト、50,50a…バリアー基板、51,51a,51b…光学素子、52…基板、54…透光層、54a,54b…傾斜面、56…遮光層、56a…第1の遮光部、56b…第2の遮光部、57…開口部、58…接着層、60…バリアー基板、61,61a…光学素子、64…透光層、64a,64b…傾斜面、64c…壁部、66…遮光層、66a…第1の遮光部、66b…第2の遮光部、67…開口部、68…平坦化層、71,72…光学素子、74…透光層、74a…傾斜面、76a…第1の遮光部、76b…第1の遮光部、76c…第1の遮光部、76d…第1の遮光部、80…マスク、81…遮光部、82…部分光透過部、83…フォトレジスト膜、100,110,120,130,200…液晶装置、500…表示装置、510…表示部。

Claims (26)

  1. 表示面と、第1の画像を構成する光を前記表示面側に射出する第1の画素と、第2の画像を構成する光を前記表示面側に射出する第2の画素と、前記第1の画素と前記第2の画素とが配列された画素行と、を有する電気光学パネルと、
    前記第1の画素および前記第2の画素の前記表示面側に配置され、開口部を有する遮光性の光学素子と、を備え、
    前記光学素子には、前記第1の画素に重なる第1の遮光部と、前記第2の画素に重なる第2の遮光部と、が形成されており、
    前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記表示面に対して異なる方向に傾斜していることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の画素と前記第2の画素とは、前記画素行に沿って配列された3つの異なる色のサブ画素で構成されており、
    前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記サブ画素毎に設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1または2に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記画素行に沿って互いに対向する向きに傾斜しているとともに、前記画素行および前記画素行と交差する方向に位置する画素列のうちの少なくとも一方において交互に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項3に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記画素行において交互に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項3に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記画素列において交互に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項3に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とは、前記画素行および前記画素列において交互に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の遮光部は前記第1の画素の領域に平面的に重なり、前記第2の遮光部は前記第2の画素の領域に平面的に重なっていることを特徴とする電気光学装置。
  8. 請求項1から6のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の遮光部の前記画素行に沿った方向における幅と前記第2の遮光部の前記画素行に沿った方向における幅とは、前記画素行における中央部から離れるにしたがって小さくなっていることを特徴とする電気光学装置。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記第1の遮光部の前記表示面に対する傾斜角度と前記第2の遮光部の前記表示面に対する傾斜角度とは、互いに異なることを特徴とする電気光学装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記電気光学パネルは、前記表示面側に配置された第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置された表示素子と、を備え、
    前記光学素子は、前記第1の基板の前記表示素子とは反対側に配置された第3の基板と前記第1の基板との間に設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項1から9のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記電気光学パネルは、前記表示面側に配置された第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置された表示素子と、を備え、
    前記光学素子は、前記第1の基板と前記表示素子との間に設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。
  13. 表示面と、第1の画像を構成する光を前記表示面側に射出する第1の画素と、第2の画像を構成する光を前記表示面側に射出する第2の画素と、前記第1の画素と前記第2の画素とが配列された画素行と、を有する電気光学パネルの前記表示面側に、開口部を有する遮光性の光学素子を形成する工程を備え、
    前記光学素子を形成する工程では、前記第1の画素に重なる第1の遮光部と、前記第2の画素に重なる第2の遮光部と、を前記表示面に対して異なる方向に傾斜させて形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  14. 請求項13に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記第1の画素と前記第2の画素とは、前記画素行に沿って配列された3つの異なる色のサブ画素で構成されており、
    前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを前記サブ画素毎に形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  15. 請求項13または14に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを、前記画素行に沿って互いに対向する向きに傾斜させるとともに、前記画素行および前記画素行と交差する方向に位置する画素列のうちの少なくとも一方において交互に配置することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  16. 請求項15に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを、前記画素行において交互に配置することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  17. 請求項15に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを、前記画素列において交互に配置することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  18. 請求項15に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記第1の遮光部と前記第2の遮光部とを、前記画素行および前記画素列において交互に配置することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  19. 請求項13から18のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部を前記第1の画素の領域に平面的に重なるように形成し、前記第2の遮光部を前記第2の画素の領域に平面的に重なるように形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  20. 請求項13から18のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部との前記画素行に沿った方向における幅を、前記画素行における中央部から離れるにしたがって小さく形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  21. 請求項13から20のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記光学素子を形成する工程では、前記第1の遮光部と前記第2の遮光部との前記表示面に対する傾斜角度を、互いに異ならせて形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  22. 請求項13から21のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記光学素子を形成する工程は、
    前記第1の画素に対応する第1の傾斜面と前記第2の画素に対応する第2の傾斜面とを有する透光層を形成する透光層形成工程と、
    前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面との表面に遮光層を配置する工程と、を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  23. 請求項22に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記透光層形成工程では、金型を用いた成型法により、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面とを形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  24. 請求項22に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記透光層形成工程では、ハーフトーンマスクを用いたフォトリソグラフィ法により、前記第1の傾斜面と前記第2の傾斜面とを形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  25. 請求項13から24のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記電気光学パネルは、前記表示面側に配置された第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置された表示素子と、を備え、
    前記光学素子を形成する工程では、第3の基板上に前記光学素子を形成し、
    前記光学素子を形成する工程の後に、前記電気光学パネルの前記第1の基板側に、前記光学素子を前記第1の基板に対向させて前記第3の基板を配置することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  26. 請求項13から24のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法であって、
    前記電気光学パネルは、前記表示面側に配置された第1の基板と、前記第1の基板に対向配置された第2の基板と、前記第1の基板および前記第2の基板の間に配置された表示素子と、を備え、
    前記光学素子を形成する工程では、前記第1の基板の前記表示素子側に前記光学素子を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
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