JP2010164465A - 自動滴定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】試料液を含む測定液の滴定が行われる滴定容器と、滴定容器に測定液を導入するサンプリング機構と、滴定容器に滴定液を供給するビュレットと、前記滴定液の供給量に対応して得られる滴定指標値を検出する検出器を備え、
サンプリング機構で滴定容器に導入された測定液のpHを検出すると共に、該検出したpHが設定範囲内の場合にビュレットを動作させ、設定範囲外の場合はビュレットを動作させない。
【選択図】図2
Description
自動滴定装置では、滴定容器への試料液の導入も自動化されている。装置内の配管のつまりや漏れがあったり、試料液の計量機構の故障があったりすると、試料液が滴定容器内に導入できない、又は充分に導入できない等のサンプリング不良が生じる。その場合、滴定を行っても、試料液の測定対象成分濃度を求めることはできない。
従来、試料液等が滴定容器に導入されたことを確認するため、滴定容器にレベル検出センサー等を設け、滴定容器に導入された液量を確認することが行われている。また、試料供給槽にフロートセンサ等を設け、充分な試料液が滴定装置内に導入されていることを確認することも行われている。
一方、サンプリング不良があれば、その発生箇所にかかわらず、滴定容器内の液量は変動し得る。ところが、希釈液の液量に対して試料液の液量は少量であり、希釈液のみの液量と正常にサンプリングされた場合の液量の差は僅かである。そのため、レベル検出センサー等による滴定容器内の液量の確認によって、サンプリング不良を判別することは困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、サンプリング異常を的確に検出し、サンプリング異常に起因する滴定液の無駄や滴定値異常の原因究明に要する時間の無駄を生じない自動滴定装置を提供することを課題とする。
[1]試料液を含む測定液の滴定が行われる滴定容器と、滴定容器に測定液を導入するサンプリング機構と、滴定容器に滴定液を供給するビュレットと、前記滴定液の供給量に対応して得られる滴定指標値を検出する検出器を備え、サンプリング機構で滴定容器に導入された測定液のpHを検出すると共に、該検出したpHが設定範囲内の場合にビュレットを動作させ、設定範囲外の場合はビュレットを動作させないことを特徴とする自動滴定装置。
[2]前記検出器がpH電極であり、該pH電極によって、導入された測定液のpHを検出する[1]に記載の自動滴定装置。
[3]前記検出したpHが設定範囲外の場合、エラー出力をする[1]または[2]に記載の自動滴定装置。
本発明の一実施形態に係る自動滴定装置について説明する。図1に示すように、本実施形態の自動滴定装置は、試料液Sを含む測定液Fが収容され、滴定液による滴定が行われる滴定容器1と、滴定容器1に試料液S中の測定対象物質と反応する滴定液Rを供給するビュレット2と、滴定液Rの供給量(以下「滴定量」という。)に対応して得られるpHを検出するpH電極3と、pH電極3から得られるpH値が入力される演算制御装置4と、滴定容器1に試料液Sを導入するサンプリング機構と、滴定容器1にpH標準液BU1を導入する第1pH標準液導入機構と、滴定容器1にpH標準液BU2を導入する第2pH標準液導入機構と、滴定容器1に洗浄水Wを導入する洗浄水導入機構と、滴定容器から排液をする排液機構と、測定液F等を攪拌するための攪拌装置70から、基本的に構成されている。
pH電極3は、検知部が測定液F内に挿入されるように配置されている。
演算制御装置4は、自動滴定装置全体の動作を制御するようになっている。また、pH電極3から得られるpHに基づき終点を求め、該終点における滴定量から、試料液S中の測定対象物質の濃度を演算するようになっている。また、pH電極3が検出する電位とpHとの関係を記憶するようになっている。
試料液計量ユニット10は、三方弁11、三方弁12、及びこれらの弁の共通ポート(白と黒の三角で示したポート)間に設けられた試料液計量管13とで構成されている。
三方弁11の常閉ポート(黒の三角で示したポート)には配管L1が接続され、三方弁11の常開ポート(白の三角で示したポート)には配管L2が接続され、三方弁12の常閉ポート(黒の三角で示したポート)には配管L3が接続され、三方弁12の常開ポート(白の三角で示したポート)には配管L4が接続されている。
試料液Sは、滴定液Rと反応する成分を、含む又は含む可能性があるものである。
第2pH標準液導入機構は、pH標準液BU2が収容される標準液タンクT2と、標準液タンクT2から滴定容器1に導かれる配管L6と、配管L6に設けられた送液ポンプP4とから構成されている。
洗浄水導入機構は、洗浄水入口50から洗浄水Wを導く配管L7と、配管L7に設けられた二方弁51とから構成されている。
配管L1、L5、L6、L7は、何れも測定液Fに触れないよう、測定液Fの液面より上の空間に先端が配置されるように、滴定容器1に挿入されている。
攪拌装置70は、滴定容器1内に測定液F、標準液、洗浄液等が充填されている間、常時駆動するようになっている。
本実施形態の自動滴定装置は、演算制御装置4に記憶させた所定のタイミングで、又は演算制御装置4に、キー入力等により校正命令を入力したときに、pH校正工程を行う。また、演算制御装置4に記憶させた所定のタイミングで、又は演算制御装置4に、キー入力等により測定命令を入力したときに、試料液測定工程を行う。
pH校正工程は、以下のpH標準液BU1による校正、pH標準液BU2による校正を含む。
pH標準液BU1による校正、pH標準液BU2による校正を行うことにより、演算制御装置4は、pH電極3から得られる検出電位をpHに換算して認識できるようになる。pH標準液BU1による校正、pH標準液BU2による校正は、必要に応じて複数回繰り返してもよい。
洗浄ステップは、送液ポンプP5を動作させて配管L8よりpH標準液BU1を排出してから、二方弁51を開放して配管L7より洗浄水Wを供給する。そして、攪拌装置70を動作させることにより供給された洗浄水Wで滴定容器1内を洗浄し、その後、送液ポンプP5を動作させて配管L8より洗浄水Wを排出することにより行う。洗浄ステップは、必要に応じて複数回繰り返してもよい。
洗浄ステップは、送液ポンプP5を動作させて配管L8よりpH標準液BU2を排出してから、二方弁51を開放して配管L7より洗浄水Wを供給する。そして、攪拌装置70を動作させることにより供給された洗浄水Wで滴定容器1内を洗浄し、その後、送液ポンプP5を動作させて配管L8より洗浄水Wを排出することにより行う。洗浄ステップは、必要に応じて複数回繰り返してもよい。
本実施形態の自動滴定装置によって行われる試料液測定工程では、演算制御装置4の制御の下、図2に示すステップA1〜A7を行う。
ステップA1では、サンプリングを行う。まず、試料液計量ユニット10における三方弁11の常開ポート及び三方弁12の常開ポートを開いた状態で送液ポンプP2を動作させ、試料液Sを配管L2から試料液計量管13を経由して配管L4へと流す。
次いで、三方弁11の常閉ポート及び三方弁12の常閉ポートを開いた状態に切り替えて送液ポンプP1を動作させ、予め希釈水計量管31で計量した希釈水Dを配管L3から試料液計量管13を経由して配管L1へと流す。これにより、試料液計量管13内に充填されていた一定量の試料液Sが、一定量の希釈水Dと共に測定液Fとして滴定容器1に供給される。
続いて、ステップA3としてステップA2で得られたpHが設定範囲内に入っているかす否かを判別し、設定範囲内であった場合はステップA4に、設定範囲外であった場合はステップA8に進む。
例えば、試料Sが酸性試料の場合に、希釈水DのpHである中性付近のpHが検出されれば、試料Sが全く滴定容器1に導入されずに希釈水Dのみが導入されたことが分かる。また、酸性域のpHではあるものの、予想されるpHより高い場合は、規定量の試料Sが滴定容器1に導入されなかったことが分かる。試料Sの酸性成分含有量の変動量が小さいことが想定される場合、設定範囲は、例えばpH2〜3と規定できる。試料Sの酸性成分含有量の変動量が大きいことが想定される場合、設定範囲は、例えばpH1〜4と規定できる。
ビュレット2の動作は、演算制御装置4により適宜制御する。例えば、滴定初期は連続して滴定液Rを注入し、終点近傍のpHに到達した後は、間欠的に微少量ずつ注入するように制御する。
そして、演算制御装置4により、検出したpHから終点を求める。終点の求め方に限定はなく、公知の方法が採用できる。例えばpHの微分値が極大値を得られたときを終点とする方法、pHが一定の値に達したときを終点とする方法が採用できる。
終点が求められたら滴定を終了する。また、滴定量が通常想定される量を著しく超過しても終点が求められない場合も滴定を終了する。
ステップA5の後、ステップA6としてステップA5で求めた濃度出力を行う。濃度出力に併せて、必要に応じて、滴定量、温度、時間、その他の情報を含め、出力してもよい。出力形式に限定はなく、コントロールセンター等に配置したコンピュータ等への伝送出力、プリンターへの出力、表示画面への出力や、これらの組み合わせが挙げられる。
洗浄ステップは、送液ポンプP5を動作させて配管L8より測定液Fを排出してから、二方弁51を開放して配管L7より洗浄水Wを供給する。そして、攪拌装置70を動作させることにより供給された洗浄水Wで滴定容器1内を洗浄し、その後、送液ポンプP5を動作させて配管L8より洗浄水Wを排出することにより行う。洗浄ステップは、必要に応じて複数回繰り返してもよい。
ステップA7の後、試料液測定工程を終了する。
エラー出力の後、試料液測定工程を終了する。
この場合、滴定を行わずに終了するため、滴定液Rを無駄に消費することがない。また、滴定容器1内には、エラー出力があった際の測定液がそのまま残されるため、エラー状況の確認も容易である。
本実施形態では、pH校正工程を有することとしたが、pH校正は必須ではない。例えば、pHの微分値で終点を求めるようにすれば、pHの絶対値が正確である必要がないからである。ただし、上記ステップA3の判別を正確に行う観点から、pH校正を行うことが好ましいのは勿論である。
また、本実施形態では、滴定指標値を検出する検出器をpH電極としたが、滴定指標値の種類に応じて、他の検出器を選択してもよい。例えば、滴定指標値が酸化還元電位(電流)の場合は酸化還元電極を、滴定指標値が光透過率の場合は光センサーを、滴定指標値が電気伝導率の場合には電気伝導率センサーを、滴定指標値が温度の場合には温度センサーを、各々選択できる。
滴定指標値を検出する検出器がpH電極以外の場合、別途、測定液のpHを検出するpH電極を備えることが好ましい。別途pH電極を備えない場合は、発色指示薬を用いる等、他の手段で測定液のpHを検出する必要がある。
前添加機構を備える態様においては、サンプリング機構で滴定容器に導入された測定液のpHが設定範囲内の場合、前添加機構を動作させた後に、ビュレットを動作させる。一方、設定範囲外の場合は、ビュレットを動作させないだけでなく、前添加機構も動作させない。
Claims (3)
- 試料液を含む測定液の滴定が行われる滴定容器と、滴定容器に測定液を導入するサンプリング機構と、滴定容器に滴定液を供給するビュレットと、前記滴定液の供給量に対応して得られる滴定指標値を検出する検出器を備え、
サンプリング機構で滴定容器に導入された測定液のpHを検出すると共に、該検出したpHが設定範囲内の場合にビュレットを動作させ、設定範囲外の場合はビュレットを動作させないことを特徴とする自動滴定装置。 - 前記検出器がpH電極であり、該pH電極によって、導入された測定液のpHを検出する請求項1に記載の自動滴定装置。
- 前記検出したpHが設定範囲外の場合、エラー出力をする請求項1または2に記載の自動滴定装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021065190A1 (ja) * | 2019-10-04 | 2021-04-08 | 三菱重工業株式会社 | 監視システムおよび監視方法 |
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-
2009
- 2009-01-16 JP JP2009007683A patent/JP2010164465A/ja active Pending
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