JP2010164342A - ヘッドアップディスプレイを用いた交差点の描画方法 - Google Patents

ヘッドアップディスプレイを用いた交差点の描画方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッドアップディスプレイ43で、ウインドシールドWS上に、交差点の輪郭形状を表示する際の、記憶手段や演算手段の負荷を減らすことができる適切な描画方法を提供する
【解決手段】二本線の各線の外側の領域までの道路幅を、一方の色で描いた外接交差点形状の画像CIMと、二本線の各線の内側の領域までの道路幅を一方の色で描いた内接交差点形状の画像IIMを作成し、外接交差点形状の画像CIMと、内接交差点形状の画像IIMの差を、演算手段82で演算して、道路表示画像IMaまたはIMbを描画する。複数の道路が前記交差点に集合した状態を示す道路表示画像IMaまたはIMbは、幅のある線3a及び3bで描いた二本線で挟まれた中が、車両走行可能な道路領域を表している。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の前方のウインドシールドにターンバイターン方式で行き先を表示するヘッドアップディスプレイを用いた描画方法に関するものである。
従来、ターンバイターン方式という簡易ナビゲーション装置が周知である。この方式は、交差点等の道路の輪郭を描画し、基本的に、矢印表示を伴った右左折情報だけを使って進行方向を案内する方式である。そして近年、カーナビゲーション装置からの情報でヘッドアップディスプレイを用いて、自動車の前方のウインドシールドにターンバイターン(TBT)方式による道路の画像を表示して、行き先案内する装置が、特許文献1で知られている。
特開2007−121031号公報
この特許文献1によるターンバイターン方式による交差点形状情報表示装置は、画像情報とレイアウトを記憶手段となるROMに格納しておけば、道路の描画が実現できるとされている。しかし、交差点の輪郭形状を描画する際、より具体的で、適切な実現方法は示されていない。
そのために、実際の装置の設計製造において、記憶手段となるROM及びRAMの要求記憶容量が大きすぎるとか、演算手段となるCPUの演算速度が遅くなるとかの問題が発生していた。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、交差点の輪郭形状を描画する際の記憶手段や演算手段の負荷を減らす適切な描画方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、ナビゲーション装置(41)からの道路表示要求に基いて、記憶手段(84)に格納された画像データを、演算手段(82)で読み出して、車両のウインドシールド(WS)に、交差点に至る複数の道路を描画する方法において、
複数の道路が交差点に集合した外接交差点形状の画像(CIM)と、内接交差点形状の画像(IIM)を作成し、
外接交差点形状の画像(CIM)は、所定の幅のある線(3a及び3b)で描いた二本線の画像の、該二本線で挟まれた中が、車両走行可能な道路領域を表す場合において、二本線の各線の外側の領域までの道路幅を、一方の色で描き、二本線の各線の外側の領域を、他方の色で描いた画像からなり、
内接交差点形状の画像(IIM)は、所定の幅のある線(3a及び3b)で描いた二本線の画像の、該二本線で挟まれた中が、車両走行可能な道路領域を表す場合において、二本線の各線の内側の領域までの道路幅を、一方の色で描き、二本線の各線の内側の領域より外側を、他方の色で描いた画像からなり、
外接交差点形状の画像(CIM)と、内接交差点形状の画像(IIM)の差を、演算手段(82)で演算して描画し、複数の道路が、交差点に集合した状態を示す道路表示画像(IMaまたはIMb)を作成し、
道路表示画像(IMaまたはIMb)は、所定の幅のある線(3a及び3b)で描いた二本線で挟まれた中が、車両走行可能な道路領域を表していることを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、二本の線(3a及び3b)で、道路の幅が表示された複数の道路が、交差点に集合する道路表示画像(IMaまたはIMb)を、簡単に描画することが出来、記憶手段(84)の記憶容量が少なくても構成でき、かつ演算手段(82)の演算速度を特別に高速化する必要が無い。
請求項2の発明は、ウインドシールド(WS)に表示された道路の画像は、一方の色の部分が発光し、他方の色の部分が、透けて車両の外側の景色が運転者から目視されることを特徴としている。
この請求項2に記載の発明によれば、二本の光る線で道路の幅が表示され、道路の幅以外の部分は前方の景色が見えるから、ヘッドアップディスプレイの道路表示画像に邪魔されることなく、安全運転が可能である。
請求項3の発明は、外接交差点形状の画像(CIM)と、内接交差点形状の画像(IIM)とは、各々複数の画像を合成して、所定本数の道路を、所定の道路形状で表した合成画像からなり、
所定本数の道路が、交差点に集合した状態を示す道路表示画像(IMaまたはIMb)は、合成された後の画像である外接交差点形状の画像(CIM)から、合成された後の画像である内接交差点形状の画像(IIM)を、演算手段(82)内で減算した画像から成ることを特徴としている。
この請求項3に記載の発明によれば、複数の画像を合成することにより、任意の本数及び形状の道路を持つ外接交差点形状の画像(CIM)と、内接交差点形状の画像(IIM)とが簡単に得られる。そして、道路表示画像(IMaまたはIMb)は、合成された後の画像である外接交差点形状の画像(CIM)から、合成された後の画像である内接交差点形状の画像(IIM)を、演算手段(82)内で減算することにより、簡単に得ることができる。
請求項4の発明は、ヘッドアップディスプレイ(43)は、車載のネットワーク(44、44a、44b、44c)を介して、ナビゲーション装置(41)と、直接的または間接的に接続されており、交差点に集合する道路の数の情報を含む道路表示要求は、ナビゲーション装置(41)から、ヘッドアップディスプレイ(43)に入力され、
ヘッドアップディスプレイ(43)内で、外接交差点形状の画像(CIM)を作成する処理(S1からS8)、内接交差点形状の画像(IIM)を作成する処理(S1からS8)、及び道路表示画像(IMaまたはIMb)を作成する処理(S17〜S19)が実行されることを特徴としている。
この請求項4に記載の発明によれば、ヘッドアップディスプレイ(43)内で、外接交差点形状の画像(CIM)を作成する処理と、内接交差点形状の画像(IIM)を作成する処理と、道路表示画像(IMaまたはIMb)を作成する処理(S17〜S19)が実行されるから、ナビゲーション装置(41)の負担を軽くすることが出来、ヘッドアップディスプレイ(43)が装着されている場合と、されていない場合とで、ナビゲーション装置(41)の共通化が可能になる。
請求項5の発明は、記憶手段(84)に格納された画像データには、ウインドシールド(WS)に表示される画像データのうちの一部の画像データのみが格納されており、
格納されていないが、ウインドシールド(WS)に表示する必要のある画像データは、格納された一部の画像データを、少なくとも反転させることで合成され、外接交差点形状の画像(CIM)と内接交差点形状の画像(IIM)を作成することを特徴としている。
この請求項5に記載の発明によれば、ヘッドアップディスプレイ(43)により表示される道路の画像は、概略的なものの方が、かえって見やすいという特色を利用して、記憶手段(84)に格納された画像データは、一部の画像データのみが格納されているものとし、残りの表示する必要のある画像データは、格納された一部の画像データを少なくとも反転させることで合成して作成しているから、画像データの格納に必要な記憶手段(84)の記憶容量を削減することが出来る。
請求項6の発明は、ヘッドアップディスプレイ(43)は、ウインドシールド(WS)に、道路の画像が、交差点の形状、及び進行方向と共にターンバイターン形式で表示されるものから成り、
ナビゲーション装置(41)から、ヘッドアップディスプレイ(43)に、道路表示画像(IMa)の交差点部分に、ロータリーを表示する要求があったときは、ロータリーの円情報を付加して、道路表示画像(IMb)が描画されることを特徴としている。
この請求項6に記載の発明によれば、交差点にロータリーを有する場合においても、ナビゲーション装置(41)からの要求で、ロータリーを描画することが出来、ターンバイターン形式で、わかり易い車両走行案内を行うことが出来る。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
図1は第1実施形態におけるヘッドアップディスプレイ内の道路表示画像を説明する説明図である。 上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイ内のロータリーが描画された道路表示画像を説明する説明図である。 上記実施形態における外接交差点形状の画像を示す模式図である。 上記実施形態における内接交差点形状の画像を示す模式図である。 上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイ内での外接交差点形状の画像作成過程を説明するフローチャートである。 上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイ内での内接交差点形状の画像作成過程を説明するフローチャートである。 上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイ内でのロータリー描画過程を説明するフローチャートである。 上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイによるウインドシールドに投影された道路表示画像の一例を示す模式図である。 上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイの構成を示す概略構成図である。 上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイとナビゲーション装置とメーターの構成を示すブロック構成図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1乃至図10を用いて詳細に説明する。図1は第1実施形態におけるヘッドアップディスプレイ内の道路表示画像を説明する説明図である。図2は上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイ内のロータリーの円情報が描画された道路表示画像を説明する説明図である。図3は外接交差点形状の画像を示す模式図、図4は内接交差点形状の画像を示す模式図である。また、図9はヘッドアップディスプレイの構成を示す概略構成図である。
この第1実施形態は、図9のヘッドアップディスプレイ43内の液晶パネル91に交差点の道路表示画像IMa及びIMb(図1及び図2)を表示するものにおいて、道路表示1の輪郭を描画する際、外接交差点形状の画像CIM(図3)と内接交差点形状の画像IIM(図4)の意匠の差を用いて描画するものである。
そして、図9のヘッドアップディスプレイ43内の液晶パネル91内には、図1または図2に示したような、交差点における道路表示画像IMaまたはIMbが映し出される。この映像IMaまたはIMbは、バックライト92(図9)によってウインドスクリーンWS上に投影され、白黒が反転(ネガポジ反転)して、乗員に視認される。
図1は、全部で32本の道路表示1が中央の分岐点に集中した極端な道路表示画像IMaを示している。実際の道路においては、このような32本の道路が集中することは、通常ありえず、通常は、4本の十字路または3本の三叉路やT字路である。
図2は、32本の道路が、中央のドーナツ型のロータリーに集合した道路表示画像IMbの例である。この画像IMbも、実際の多くの道路においては、本数が間引かれたり束ねられたりして表示され、4本の十字路または3本の三叉路等になる。
つまり、このような道路表示画像IMaまたはIMbが形成されれば、この道路の本数を適宜間引くことによって、必要な任意の本数及び任意の方向の道路表示1が描けることになる。そして、図9のヘッドアップディスプレイ43内の液晶パネル91に形成された道路表示画像IMaまたはIMbにバックライト92で光を当てる。このとき、図1及び図2の黒い部分2は、光が透過されないので、ウインドスクリーンWSには何も映らず、運転者は、この何も映らない部分を介して、前方道路の景色を見ることが出来る。
一方、図1及び図2の白い部分3a及び3bは、上記バックライト92の光が透過するので、ウインドスクリーンWSで光が反射して運転者の目に入るため、この白い部分が、ウインドスクリーンWS上では発光した道路幅を表す帯として運転者に視認される。
なお、実際のヘッドアップディスプレイ43では、ナビゲーション装置41(図10)から与えられた道路情報の半数である16本くらいしか表示しない。これはヘッドアップディスプレイ43の表示デバイスの解像度が劣るために道路表示1を間引いているためである。しかし、この第1実施形態では、最大32本の道路表示1が表示可能なものとして説明する。
次に、図1及び図2に示された道路表示画像IMa及びIMbが、どのようにして描画されるかについて説明する。図3は多数のレイヤー(層)から成る画像が、図10のRAM84内の記憶領域に記憶された作業描画エリアCAである。この作業描画エリアCAの合成画像は、外接交差点形状の画像CIMを形成する。
図4は、同じく多数のレイヤー(層)から成る画像が、図10のRAM84内の記憶領域に記憶された作業描画エリアIAである。この作業描画エリアIAの合成画像は、内接交差点形状の画像IIMを形成する。
これらの外接交差点形状の画像CIM及び内接交差点形状の画像IIMは、道路の一本ごとに一つの画像レイヤーがあり、これらの画像レイヤーを合成したものである。図3及び図4の場合は、32本の道路が存在するため、最大32枚のレイヤーを合成することになる。
一本の道路が二本の幅のある線3a及び3b(図1)で表された場合、この幅のある線3a及び3bの外側の領域までを道路として、一方の色である白色で表示するのが、外接交差点形状の画像CIMである。また、一本の道路を二本の幅のある線3a及び3bで表した場合、この幅のある線3a及び3bの内側の領域までを道路として、一方の色である白色で表示するのが、内接交差点形状の画像IIMである。
道路の幅が、外接交差点形状の画像CIM及び内接交差点形状の画像IIMでは、白色で表示されていが、外接交差点形状の画像CIMのほうが、内接交差点形状の画像IIMよりも、道路幅が広く表示される。これは、道路の境界を表す幅のある二本の線の太さを含んで、外接交差点形状の画像CIMが表示しているためである。換言すれば、内接交差点形状の画像IIMは、道路幅を表すピクセル(ドットとも言う)の個数分だけ、幅が狭く描かれた画像である。
図1及び図2のように、道路の幅が二本の白色線で表示され、車両が走行する道路の内部が黒色で表示された道路表示画像IMa及びIMbは、図3の外接交差点形状の画像CIMから、図4の内接交差点形状の画像IIMを引く(差を演算する)ことにより得られる。
これにより、外接交差点形状の画像CIMの白色の道路の幅の一部が、内接交差点形状の画像IIMによって、黒色に反転し、図1及び図2のように、車両走行可能な部分が黒色で表示された道路表示画像IMa及びIMbが得られる。
図1及び図2の道路表示画像IMa及びIMbは、上述のヘッドアップディスプレイ43によって、ウインドスクリーンWS上に白黒が反転して表示される。つまり、黒色部分は、上記バックライト92の光が透過せず、白色部分は、光が透過するためウインドスクリーンWS上に光の帯として表示され、この光の帯が、道路表示1の輪郭を表示することになる。
図1及び図2の黒色の部分は、ウインドスクリーンWS上において、車両外部の景色が透けて見える部分である。図2の道路表示画像IMbは、道路表示が集合した部分にロータリーが存在する場合を示し、図1の道路表示画像IMaに、図示されないロータリー描画エリアの画像を合成することにより描画される。
ロータリー描画エリアの画像は、記憶手段であるRAM84(図10)内に格納されている。なお、図1の道路表示画像IMaでは、集合した道路表示1の中央部分に、丸い形状が図示されているが、これは、多数の道路表示が集合したために、丸い形状が図示されているのであり、ロータリーが存在するのではない。
道路表示1の本数が間引かれて、少なくなれば、この丸い形状はなくなり、三叉路や十字路等の通常の道路表示画像IMaとして、表示可能である。
図8は、上記ヘッドアップディスプレイ43によって、ウインドシールドWS上に投影された道路表示画像の一例を示す模式図である。
図10は、ヘッドアップディスプレイ43と、ナビゲーション装置41と、メーター42の構成を示すブロック構成図である。ナビゲーション装置41からは、道路情報が、ヘッドアップディスプレイ43に送信される。
この道路情報には、何本の道路表示を表示するのかを示す道路要求、及びロータリーの有無を指示するロータリー要求を含む。そして、このロータリー要求があった場合のみ、ロータリー描画エリアから画像を取り込み、図2のように、道路表示画像IMbが描画される。
なお、外接交差点形状の画像CIM、及び内接交差点形状の画像IIMは、例えば32本の道路を表示する場合に、32枚のレイヤーの画像を構成しても良いが、左右の対称性を考慮して、その半数の画像のレイヤーを用意し、他の必要なレイヤーの画像は、メモリーに格納された画像を180度反転させて、合成して作成することが出来る。このようにすれば、画像レイヤーを記憶する記憶手段の記憶容量が大幅に削減される。
以下、上述の構成を実現するヘッドアップディスプレイ43内におけるコンピュータ内の処理を示すフローチャートについて説明する。図5は、ヘッドアップディスプレイ43内での外接交差点形状の画像CIMの作成過程を説明するフローチャートである。図6は、内接交差点形状の画像IIMの作成過程を説明するフローチャートである。また、図7は、ロータリー描画過程を説明するフローチャートである。
図5において、サブルーチンがスタートするとステップSIから開始される。このステップS1は、以下に説明するステップS2からステップS6までの始点となるステップである。このステップS1では、ヘッドアップディスプレイ43にて表示すべき交差点集合道路表示の数だけ、ステップS2からステップS6までを繰り返し実行することを意味している。
そして、ステップS6は、この繰り返しの間に、ステップS1に戻ることを意味している。ステップS2は、ナビゲーション装置41(図10)から送信された道路情報のうち、道路番号N(Nは整数)について、道路表示要求が有るか否かについて判定する。そして、道路番号Nに対して、道路表示要求が有る場合は、ステップS3において、その道路が画像の左半分の領域の道路表示か、そうでないのかを判定する。左半分とは、図3の外接交差点形状の画像CIMの左半分に位置する道路である。
例えば、N=1の道路情報について、道路要求があり、その道路が、画像の左半分の領域である場合、ステップS4において、図3の作業描画エリアCAの画像を、そのまま合成する。即ち、作業描画エリアCA内のレイヤーに、そのまま記憶手段であるRAM84(図10)内に格納された外接用道路意匠を展開した後に、展開した画像を合成する。
N=1の道路情報が画像の左半分の領域でない場合、ステップS5において、記憶手段であるRAM84(図10)内に格納された外接用道路意匠を左右反転して、必要な画像レイヤーを構成した後に、この画像レイヤーを合成する。つまり、画像を反転させることによって、予めメモリーに格納されていない必要画像レイヤーを合成するのである。これによって、画像データを記憶する上記RAM84の記憶容量を削減することが出来る。
換言すれば、ヘッドアップディスプレイ43で表示される道路は、実際の道路よりも概略化されており、左右対称であることに着目して、道路が左半分の場合は、そのまま作業描画エリアCA(図3)という記憶領域に、外接用道路意匠を展開する。
一方、左半分でない場合は、左半分の画像データを反転して、必要な画像レイヤーを構成するのである。これにより、画像データとして、左半分のデータを記憶しておくだけで、右半分も含めた全領域の画像を合成することが出来、かつ、記憶容量を大幅に削減できる。
ステップS6に至って、ステップS1に戻り、次の道路番号N+1について、ステップS2からステップS6までを繰り返し実行する。そして、必要な交差点に集合する道路表示の本数だけの繰り返し処理が終了した後、ステップS7において、ロータリー要求が、ナビゲーション装置41からあったかどうかを判定する。
ロータリー要求がない場合は、そのまま次の図6のステップに進む。ロータリー要求が有る場合は、ステップS8において、作業描画エリアCA(図3)に、外接用ロータリー意匠を展開する。この外接用ロータリー意匠は、図2の中央の二つの楕円形のうち外側のみの楕円形(ドーナツ形状の外側の楕円形)の意匠である。
次に、図6において、内接交差点形状の画像IIM(図4)とロータリーの外側の楕円形を描画する各ステップについて説明する。ステップS9は、以下に説明するステップS10からステップS14までの始点となるステップである。このステップS9では、ヘッドアップディスプレイ43にて表示すべき交差点集合道路表示の数だけ、ステップS10からステップS14までを繰り返し実行することを意味している。
そして、ステップS14は、この繰り返しの間にステップS9に戻ることを意味している。ステップS10は、ナビゲーション装置41(図10)から送信された道路情報のうち、道路番号Nについて道路表示要求が有るか否かについて判定する。そして、道路番号Nに対して、道路表示要求が有る場合は、ステップS11において、その道路が、画像の左半分の領域の道路表示か、そうでないのかを判定する。左半分とは、図4の合成画像の左半分に位置する道路である。
例えば、N=1の道路情報について、道路要求があり、その道路が、画像の左半分の領域である場合、ステップS12において、図4の作業描画エリアIAの画像を、そのまま合成する。即ち、作業描画エリアIA内のレイヤーに、そのまま内接用道路意匠を展開して必要なレイヤーを構成した後、各画像レイヤーを合成する。
N=1の道路情報が、画像の左半分の領域でない場合、ステップS13において、内接用道路意匠を左右反転して、必要な画像レイヤーを構成した後に、各画像レイヤーを合成する。つまり、画像を反転させることによって、予めメモリーに格納されていない必要な画像レイヤーを作成するのである。これによって、画像データを記憶するRAM84(図10)の記憶容量を削減することが出来る。
ステップS14に至って、ステップS9に戻り、次の道路番号N+1について、ステップS10からステップS14までを繰り返し実行する。そして、必要な交差点に集合する道路表示の本数だけの繰り返し処理が終了した後、ステップS15において、ロータリー要求が、ナビゲーション装置41から有ったかどうかを判定する。ロータリー要求がない場合は、そのまま次の図7のステップに進む。
ロータリー要求が有る場合は、ステップS16において、図4の作業描画エリアIAに、外接用ロータリー意匠を展開する。この外接用ロータリー意匠は、図2の中央の二つの楕円形のうち外側のみの楕円形(ドーナツ形状の外側の楕円形)の意匠である。
次に、図7のステップS17において、図3の作業描画エリアCA内の合成された外接交差点形状の画像CIMから、図4の作業描画エリアIA内の合成された内接交差点形状の画像IIMを減算して、ロータリーの外側の楕円形が付加された交差点の道路表示画像IMa(図1の画像にロータリーの外側の楕円形が付加されたもの)を得る。
そして、次のステップS18では、ロータリー要求の有無を確認し、ロータリー要求があれば、ステップS19で、ロータリー内周側の楕円形(図2)である内周のロータリー意匠を展開してエンドとする。これにより、上記道路表示画像IMa(図1の画像にロータリーの外側の楕円形が付加されたもの)に内周のロータリー意匠を合成して、図2のロータリー付き交差点の道路表示画像IMbを得る。
図8は、このような道路の描画に加えて、進行方向を示す矢印表示37を合成して、スクリーンWS上に、ヘッドアップディスプレイ43で表示した道路案内画像である。図8において、ウインドシールドWSに表示される道路情報は、前方に6つの分岐した道路表示30、31、32,26、27、28を持つ交差点があることを示している。
その交差点の斜め右方向に右折して進行するように矢印表示37が表示されている。このような矢印表示37を用いて、次々に進行すべき方向を表示していく表示形式は、ターンバイターン表示と称される。
実際のウインドシールドWSにおいては、道路表示の幅を表す図8の白い線34及び35は、ウインドシールドWS上では光る線として表示され、道路表示の幅を表す線34及び35の間の領域29、及び道路表示の幅を表す線34と、隣の道路表示30の道路表示の幅を表す線36との間の空間38は、ウインドシールドWSを通して、前方の景色が表示される。また、進行方向を示す矢印表示37も、その輪郭が発光する線画として運転者に視認される。
このように、交差点の輪郭の描画を、外接交差点形状の画像と、内接交差点形状の画像の意匠の差で実現することで、どのような道路形状の輪郭が交差しても、記憶しておく必要のある画像データの意匠のパターンは、少なくすることが゛可能となる。
図10は、ヘッドアップディスプレイ43と、ナビゲーション装置41と、メーター42の構成を示すブロック構成図である。ナビゲーション装置41と、ヘッドアップディスプレイ43は、車両のメーター42を介して、多重通信線路44、44a、44b、及び44cを用いた車載のネットワークを介して接続されている。
なお、このメーター42は、単に、ナビゲーション装置41からの情報を、ヘッドアップディスプレイ43に素通りさせるゲートウエイとしての役割を果たすものである。そして、道路情報や矢印情報は、ナビゲーション装置41が、ヘッドアップディスプレイ43に送信する。
ナビゲーション装置41は、ナビゲーションECU50、車両の現在位置を検出する位置検出器51、及び地図データ52を記憶しているHDD(ハードディスクドライブ)装置53を備えている。ここで、ナビゲーションECU50は、ルート設定手段、及び推奨走行レーン決定手段に相当する。
また、位置検出器51は、位置検出手段に相当し、HDD装置53は、記憶手段のひとつに相当する。また、ナビゲーション装置41は、図示されないが、他にも車両の現在位置マークと、推奨ルートと、地図データ等とを重ね合わせて表示するための、LCD等の表示装置や、使用者からの操作入力を受けるための、操作スイッチ群、及び音声案内を行うためのスピーカ等が接続されている。
ナビゲーションECU50は、CPU55、ROM56、RAM57、入出力ポート58がバス59を介して接続されたマイクロプロセッサから成る。
また、車載のネットワークを構築するシリアル通信線路をなすシリアル通信バス44、及び44aと、内部のバス59とは、シリアル通信インターフェイス60を介して接続されている。また、通信データを一時的に格納するために、RAM57とは別に設けられたバッファメモリー61を備えている。ROM56は、CPU55が実行するプログラム、及びそれに必要なデータを記憶している。RAM57は、CPU55が、プログラムを実行する際に、作業領域として利用される。
HDD装置53には、地図データ52が記憶されている。また地図データ52には、道路データ、背景データ、及び属性データ等が含まれる。道路データには、相互に関係する形状情報と、位相情報とが含まれている。位相情報は、交差点(ノード)と、交差点の接続(リンク)を記述するものであって、推奨ルートの設定などに用いられる。
ここで、リンクとノードについて説明する。地図上の各道路表示は、交差、分岐及び合流する点等の、複数のノードにて分割され、それぞれのノード間は、リンクとして規定される。各リンクを接続することにより、道路情報が構成される。リンクのデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端と終端を示す点、道路名称、道路種別、道路幅員、及び車線数等から構成されている。
他方、ノードとは、地図上の各道路表示が交差、分岐、及び合流する点を表すものである。ノード毎に、固有の番号を付したノードID,ノード座標,ノード名称,ノードに接続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、分岐地点、及び合流地点等の各データが付与されている。
位置検出器51は、GPS衛星から送信されたGPS電波を、アンテナ70で受信して位置データを取得するためのGPS受信機71と、地磁気に基づいて方位を検出する地磁気センサ72と、角速度を検出して方位を算出するジャイロスコープ73と、走行距離を検出して距離データを取得する距離センサ74とを備えている。
そして、GPS受信機71、地磁気センサ72、ジャイロスコープ73、及び距離センサ74が取得したデータを相互補完することによって、車両の現在位置の検出と、正確な走行距離の計測を行う。
ナビゲーションECU50は、使用者により操作される操作スイッチ群(図示せず)から入力された目的地に関して、現在地から目的地までの推奨ルートを算出する機能を有する。このように、自動的に推奨ルートを設定する手法は、例えば、周知のダイクストラ(Dijkstra)法によるコスト計算によってなされる。
この計算は、リンク長、道路種別、及び道路幅員等を考慮した、リンク毎に付されるコスト値を用いて、最小のコストで目的地に到達する経路を計算するものである。なお、このように設定した推奨ルートにおいて、右左折のいずれかが予定されている交差点を、右左折予定交差点とする。
右左折とは、着目する交差点(ノード)への進入ルート(リンク)に対し、直進以外の脱出ルート(リンク)が選択されている場合である。直進であるか否かは、道路種別、リンク属性、路線名称、路線番号の変化、進入、及び脱出等を考慮して判断される。
次に、ヘッドアップディスプレイ43について説明する。ヘッドアップディスプレイ(HUD)43は、ウインドシールドWSに画像を表示するHUD表示器80が、ヘッドアップディスプレイECU(HUD ECU)81に接続された構造を有する。このHUD ECU81は、CPU82、ROM83、RAM84、入出力ポート(I/Oポート)89が、バス86を介して接続されたマイクロプロセッサからなる。
また、通信データを一時的に格納するために、RAM84とは別に設けられたバッファメモリー87、及びインターフェイス90を備えている。ROM83は、CPU82が実行するプログラム、及びそれに必要なデータを記憶している。RAM84は、CPU82がプログラムを実行する際に作業領域として利用される。
HUD表示器80は、HUD ECU81から表示命令を受けると、それに基づいて、車両のウインドシールドWS(図5参照)に、道路表示、及び進行方法を示す矢印表示37(図3)を表示する。HUD表示器80と、車両のウインドシールドWSとの関係を図5に基いて説明する。
HUD表示器80は、ウインドシールドWSの下側から、車両の内側へ延在するインストルメントパネル93の内部に配設されており、道路表示、及び進行方向を示す矢印表示37を映し出した液晶パネル91に対して、バックライト92で光を照射すると、液晶パネル91を透過した光が、ウインドシールドWSに入射する。それによって、運転席に着座した運転者の目に向けて、矢印94のように、光が反射することで、道路表示、及び進行方向を示す矢印表示37が、発光する光の線として運転者によって観察される。
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態のフローチャートにおいては、先にロータリー外周側の楕円形を描画して、画像同士の差を演算し、最後に、ロータリー内周側の楕円形を合成したが、画像同士の差を演算した後に、ロータリー外周側の楕円形と、ロータリー内周側の楕円形を合成しても良い。
3a及び3b…所定の幅のある線
26、27、28、29、30、31、32…交差点に集合した多数本の道路
41…ナビゲーション装置
43…ヘッドアップディスプレイ
44、44a、44b、44c…車載のネットワーク
82…演算手段となるCPU82
83、84、87…記憶手段となるROM83、RAM84、バッファ87
CIM…交差点に集合した外接交差点形状の画像
IIM…交差点に集合した内接交差点形状の画像
IMa…道路表示画像
S1からS8…外接交差点形状の画像を作成する処理
S9からS16…内接交差点形状の画像を作成する処理
S17〜S19…道路表示画像を作成する処理
WS…車両のウインドシールド

Claims (6)

  1. ナビゲーション装置(41)からの道路表示要求に基いて、記憶手段(84)に格納された画像データを、演算手段(82)で読み出して、車両のウインドシールド(WS)に、交差点に至る複数の道路を描画する方法において、
    複数の道路が前記交差点に集合した外接交差点形状の画像(CIM)と、内接交差点形状の画像(IIM)を作成し、
    前記外接交差点形状の画像(CIM)は、所定の幅のある線(3a及び3b)で描いた二本線の画像の、該二本線で挟まれた中が、車両走行可能な道路領域を表す場合において、前記二本線の各線の外側の領域までの道路幅を、一方の色で描き、前記二本線の各線の外側の領域を、他方の色で描いた画像からなり、
    前記内接交差点形状の画像(IIM)は、前記所定の幅のある線(3a及び3b)で描いた前記二本線の画像の、該二本線で挟まれた中が、車両走行可能な道路領域を表す場合において、前記二本線の各線の内側の領域までの道路幅を、一方の色で描き、前記二本線の各線の内側の領域より外側を、他方の色で描いた画像からなり、
    前記外接交差点形状の画像(CIM)と、前記内接交差点形状の画像(IIM)の差を、前記演算手段(82)で演算して描画し、前記複数の道路が、前記交差点に集合した状態を示す道路表示画像(IMaまたはIMb)を作成し、
    前記道路表示画像(IMaまたはIMb)は、所定の幅のある線(3a及び3b)で描いた二本線で挟まれた中が、車両走行可能な道路領域を表していることを特徴とするヘッドアップディスプレイを用いた交差点の描画方法。
  2. 前記ウインドシールド(WS)に表示された道路の画像は、前記一方の色の部分が発光し、前記他方の色の部分が、透けて前記車両の外側の景色が運転者から目視されることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイを用いた交差点の描画方法。
  3. 前記外接交差点形状の画像(CIM)と、前記内接交差点形状の画像(IIM)とは、各々複数の画像を合成して、所定本数の道路を、所定の道路形状で表した合成画像からなり、
    前記所定本数の道路が、前記交差点に集合した状態を示す道路表示画像(IMaまたはIMb)は、合成された後の画像である前記外接交差点形状の画像(CIM)から、合成された後の画像である前記内接交差点形状の画像(IIM)を、前記演算手段(82)内で減算した画像から成ることを特徴とする請求項1または2に記載のヘッドアップディスプレイを用いた交差点の描画方法。
  4. 前記ヘッドアップディスプレイ(43)は、車載のネットワーク(44、44a、44b、44c)を介して、前記ナビゲーション装置(41)と、直接的または間接的に接続されており、前記交差点に集合する道路の数の情報を含む前記道路表示要求は、前記ナビゲーション装置(41)から、前記ヘッドアップディスプレイ(43)に入力され、前記ヘッドアップディスプレイ(43)内で、前記外接交差点形状の画像(CIM)を作成する処理(S1からS8)と、前記内接交差点形状の画像(IIM)を作成する処理(S1からS8)と、前記道路表示画像(IMaまたはIMb)を作成する処理(S17〜S19)が実行されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のヘッドアップディスプレイを用いた交差点の描画方法。
  5. 前記記憶手段(84)に格納された前記画像データには、前記ウインドシールド(WS)に表示される画像データのうちの一部の画像データのみが格納されており、
    格納されていないが、前記ウインドシールド(WS)に表示する必要のある画像データは、前記格納された一部の画像データを、少なくとも反転させることで合成され、前記外接交差点形状の画像(CIM)と前記内接交差点形状の画像(IIM)を作成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のヘッドアップディスプレイを用いた交差点の描画方法。
  6. 前記ヘッドアップディスプレイ(43)は、前記ウインドシールド(WS)に、前記道路の画像が、前記交差点の形状、及び進行方向と共にターンバイターン形式で表示されるものから成り、
    前記ナビゲーション装置(41)から、前記ヘッドアップディスプレイ(43)に、前記道路表示画像(IMa)の前記交差点部分に、ロータリーを表示する要求があったときは、前記ロータリーの円情報を付加して、前記道路表示画像(IMb)が描画されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のヘッドアップディスプレイを用いた交差点の描画方法。
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