JP2010162751A - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セル形態を制御しやすい発泡成形品の製造方法を提供することを目的としている。
【解決手段】発泡性樹脂組成物を射出機によってキャビティ内に射出充填したのち、金型の移動型をコアバックして金型内で発泡させる発泡成形品の製造方法において、射出成形機の樹脂計量完了から射出開始までの計量された発泡性樹脂組成物のシリンダー内での滞留時間を調整することによって、得られる発泡成形品の発泡セルの大きさを制御することを特徴としている。
【選択図】 なし
【解決手段】発泡性樹脂組成物を射出機によってキャビティ内に射出充填したのち、金型の移動型をコアバックして金型内で発泡させる発泡成形品の製造方法において、射出成形機の樹脂計量完了から射出開始までの計量された発泡性樹脂組成物のシリンダー内での滞留時間を調整することによって、得られる発泡成形品の発泡セルの大きさを制御することを特徴としている。
【選択図】 なし
Description
本発明は、発泡成形品の製造方法に関する。
自動車のドアトリムなどの内装材としてポリプロピレン系樹脂組成物を用いた発泡成形品が使用されている(特許文献1参照)。
ところで、図4に示すように、上記のような発泡成形品Bは、化学発泡剤を含むポリプロピレン系樹脂組成物2を型閉め状態の金型A内に充填したのち、肉厚方向の中央部に未冷却部(発泡可能部分)21を残した状態まで冷却し、移動型A2をコアバックして未冷却部(発泡可能部分)21を発泡させたのち、冷却固化することによって得られる。図4中、A1は固定型である。
ところで、図4に示すように、上記のような発泡成形品Bは、化学発泡剤を含むポリプロピレン系樹脂組成物2を型閉め状態の金型A内に充填したのち、肉厚方向の中央部に未冷却部(発泡可能部分)21を残した状態まで冷却し、移動型A2をコアバックして未冷却部(発泡可能部分)21を発泡させたのち、冷却固化することによって得られる。図4中、A1は固定型である。
このような発泡成形品の機械的物性は、発明者らの研究により、成形品中の発泡セルのセル形態が大きく関与することがわかってきた。
すなわち、発泡品の重要な物性である衝撃強度と曲げ強度とは、発泡セルのセル径によりトレードオフの関係があり、セル径を制御することによって、曲げ強度と衝撃強度について要望の物性値を得ることが可能である。
すなわち、発泡品の重要な物性である衝撃強度と曲げ強度とは、発泡セルのセル径によりトレードオフの関係があり、セル径を制御することによって、曲げ強度と衝撃強度について要望の物性値を得ることが可能である。
因みに、ポリプロピレン系樹脂組成物を用いた発泡成形品の場合で説明すると、以下のとおりである。
低温での衝撃強度が高い発泡成形品は、例えば、セル径が0.1mm〜0.45mmの発泡セルで構成するとともに、表面近傍はセル径が小さく、肉厚の中心部ではセル径が大きくなる概ね傾斜構造のセル形態とすることによって得られる。
低温での衝撃強度が低い発泡成形品は、例えば、セル径が0.03mm〜0.2mmの微細な発泡セルで構成されたセル形態とすることによって得られる。
曲げ強度が高い発泡成形品は、セル径が小さい、例えば、0.03mm〜0.2mmの発泡セルがランダムに配置されたセル形態とすることによって得られる。
曲げ強度が低い発泡成形品は、例えば、セル径が0.45mm〜0.7mmの発泡セルで構成されたセル形態とすることによって得られる。
低温での衝撃強度が高い発泡成形品は、例えば、セル径が0.1mm〜0.45mmの発泡セルで構成するとともに、表面近傍はセル径が小さく、肉厚の中心部ではセル径が大きくなる概ね傾斜構造のセル形態とすることによって得られる。
低温での衝撃強度が低い発泡成形品は、例えば、セル径が0.03mm〜0.2mmの微細な発泡セルで構成されたセル形態とすることによって得られる。
曲げ強度が高い発泡成形品は、セル径が小さい、例えば、0.03mm〜0.2mmの発泡セルがランダムに配置されたセル形態とすることによって得られる。
曲げ強度が低い発泡成形品は、例えば、セル径が0.45mm〜0.7mmの発泡セルで構成されたセル形態とすることによって得られる。
従来、発泡セルの形態を制御するには、コアバックのタイミングを調整する方法、コアバックの速度を調整する方法などで行われている。例えば、小さいセル径の発泡成形品を得るためは、金型を高温化したり、金型に樹脂を注入した後、早いタイミングで金型を開いたりすることで調整できる。しかし、この場合、バリが発生したり、発泡層のセル中にボイドが発生したりするおそれがあるなど、コアバックのタイミング及びコアバックの速度を制御するだけでは、所望形態の発泡セルを得ることは非常に難しい。
特開平11−179752号公報
本発明は、上記事情に鑑みて、セル形態を制御しやすい発泡成形品の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる発泡成形品の製造方法は、発泡性樹脂組成物を射出機によってキャビティ内に射出充填したのち、金型の移動型をコアバックして金型内で発泡させる発泡成形品の製造方法において、射出成形機の樹脂計量完了から射出開始までの計量された発泡性樹脂組成物のシリンダー内での滞留時間を調整することによって、得られる発泡成形品の発泡セルの大きさを制御することを特徴としている。
本発明の発泡成形品の製造方法において、発泡性樹脂組成物としては、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂と化学発泡剤とを含む樹脂組成物が好適である。
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレンが挙げられ、ポリプロピレンが好適である。
ポリプロピレンとしては、特に限定されず、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が挙げられるが、特にランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンが好適である。
ポリオレフィン樹脂としては、特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレンが挙げられ、ポリプロピレンが好適である。
ポリプロピレンとしては、特に限定されず、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等が挙げられるが、特にランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンが好適である。
また、発泡性ポリオレフィン樹脂組成物中には、特に限定されないが、ポリエチレンワックスを配合させることが好ましい。すなわち、ポリエチレンワックスが存在することで溶融状態のポリオレフィン樹脂中に粘度の極端に低いポリエチレンワックスが存在することになり溶融樹脂中の分散したガス成分が時間の経過で、低粘度のポリエチレン部を介して寄り集まり、大きいサイズのガスの塊(ガス量が大きい溶融したガス)になる。
上記ポリエチレンワックスとしては、特に限定されないが、粘度平均分子量が2900〜4900のものが好ましい。
すなわち、粘度平均分子量が2900未満では、発泡成形品の表面硬度が低下して耐擦傷性に劣るものになりやすく、全体に柔らかくなって剛性が低下し、4900を越えると、成形品が硬くなり、耐衝撃性が低下するおそれがある。
ポリエチレンワックスの配合量としては、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して1〜4重量部とすることが好ましい。すなわち、ポリエチレンワックスの配合量がポリオレフィン樹脂100重量部に対して1重量部未満であれば、添加の効果が小さく、4重量部を越えると、必要以上に大きな発泡セルが形成されたり、破泡によって連結された大きな空洞ができたりして、強度的に問題が生じるおそれがある。
すなわち、粘度平均分子量が2900未満では、発泡成形品の表面硬度が低下して耐擦傷性に劣るものになりやすく、全体に柔らかくなって剛性が低下し、4900を越えると、成形品が硬くなり、耐衝撃性が低下するおそれがある。
ポリエチレンワックスの配合量としては、特に限定されないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して1〜4重量部とすることが好ましい。すなわち、ポリエチレンワックスの配合量がポリオレフィン樹脂100重量部に対して1重量部未満であれば、添加の効果が小さく、4重量部を越えると、必要以上に大きな発泡セルが形成されたり、破泡によって連結された大きな空洞ができたりして、強度的に問題が生じるおそれがある。
化学発泡剤としては、特に限定されないが、例えば、炭酸水素ナトリウム、アゾジカルボンアミド等の化学発泡剤が挙げられる。
発泡剤の配合量としては、理論発泡倍率が成形品の目標発泡倍率の1.05〜2倍となる量が好ましい。
たとえば、成形品の目標発泡倍率が2倍の場合、理論発泡倍率が2.1〜4倍となる量を配合するとよい。
発泡剤の配合量としては、理論発泡倍率が成形品の目標発泡倍率の1.05〜2倍となる量が好ましい。
たとえば、成形品の目標発泡倍率が2倍の場合、理論発泡倍率が2.1〜4倍となる量を配合するとよい。
さらに、上記発泡性樹脂組成物中にはポリエチレンワックスおよび発泡剤以外に、本発明の目的を阻害しない範囲で、公知の各種充填材、顔料、帯電防止剤等を添加してもよい。
上記滞留時間は、発泡性樹脂組成物の種類、得ようとするセル形態に応じて適宜決定されるが、5秒〜30秒の間で調整することが好ましい。
すなわち、シリンダー内に滞留する溶融状態の発泡性樹脂組成物は、溶融樹脂と化学発泡剤の分解により生じたガス成分とが共存状態になっていて、ガス成分が滞留時間の経過に伴い、隣接するガス成分と合体して大きな塊となっていく。
しかし、滞留時間が5秒未満では、溶融樹脂の分子鎖の影響で簡単にガス成分同士の合体が起こりにくく、必要とするセル形態の発泡成形品が得られないおそれがある。
一方、滞留時間が5秒以上となると、ガス成分同士の合体が連鎖的に起こり滞留時間に応じてガス成分同士が合体したガス塊の大きさをコントロールできて、所望のセル形態の発泡成形品を得られるようになるが、滞留時間が30秒を越えると、ガス成分同士の合体によって大きなガスの塊となりすぎて、発泡成形には不適な樹脂とガスの共存状態となってしまうおそれがある。
すなわち、シリンダー内に滞留する溶融状態の発泡性樹脂組成物は、溶融樹脂と化学発泡剤の分解により生じたガス成分とが共存状態になっていて、ガス成分が滞留時間の経過に伴い、隣接するガス成分と合体して大きな塊となっていく。
しかし、滞留時間が5秒未満では、溶融樹脂の分子鎖の影響で簡単にガス成分同士の合体が起こりにくく、必要とするセル形態の発泡成形品が得られないおそれがある。
一方、滞留時間が5秒以上となると、ガス成分同士の合体が連鎖的に起こり滞留時間に応じてガス成分同士が合体したガス塊の大きさをコントロールできて、所望のセル形態の発泡成形品を得られるようになるが、滞留時間が30秒を越えると、ガス成分同士の合体によって大きなガスの塊となりすぎて、発泡成形には不適な樹脂とガスの共存状態となってしまうおそれがある。
また、特に限定されないが、低温での衝撃強度が高く、曲げ強度に優れた発泡成形品を得ようとする場合、セル直径0.1mm〜0.45mmの発泡セルが切断面のセル100個中に90個以上存在するように制御することが好ましい。
本発明の製造方法で得られる発泡成形品は、特に限定されないが、その発泡倍率を、1.5〜3倍(より好ましくは1.8〜3倍)とすることが好ましい。
すなわち、発泡倍率が1.5倍未満であると、軽量化の効果が少なく、3倍を越えると、低温衝撃強度の低下、スキン層の表面平滑性の低下、外観不具合等が発生するおそれがある。
なお、本発明において、発泡倍率は、キャビティ厚さに対するコアバック後の成形品の総厚さを意味する。
すなわち、発泡倍率が1.5倍未満であると、軽量化の効果が少なく、3倍を越えると、低温衝撃強度の低下、スキン層の表面平滑性の低下、外観不具合等が発生するおそれがある。
なお、本発明において、発泡倍率は、キャビティ厚さに対するコアバック後の成形品の総厚さを意味する。
本発明の製造方法に用いる射出成形機は、コアバック機構の精度が高い、すなわち、コアバック時の停止位置の再現性(安定性)とコアバック速度の再現性(安定性)が高い機械が好ましい。具体的には、コアバック作動を電動モーターで行う電動式射出成形機が好ましい。
スクリューは、特に限定するタイプは無いが、ミキシング機能が高いスクリューは、スクリューでの練りが強く、溶融樹脂中のガス成分を樹脂中から離脱する可能性があり、好ましくない。
スクリューは、特に限定するタイプは無いが、ミキシング機能が高いスクリューは、スクリューでの練りが強く、溶融樹脂中のガス成分を樹脂中から離脱する可能性があり、好ましくない。
本発明にかかる発泡成形品の製造方法は、射出成形機の樹脂計量完了から射出開始までの計量された発泡性樹脂組成物のシリンダー内での滞留時間を調整することによって、得られる発泡成形品の発泡セルの大きさを制御するようにしたので、コアバックのタイミング及びコアバックの速度を制御するのに比べて容易に所望形態の発泡セルを得ることができるようになる。
詳しく説明すると、射出発泡成形プロセスにおいて、発泡性樹脂組成物は、シリンダー内では溶融樹脂とガス成分とが共存状態にあり、初期状態では細かい径で存在するガス成分が、滞留時間の経過とともに、シリンダー内で隣接するガス成分と次々に合体し、大きな塊になっていく。
すなわち、滞留時間が短いと、発泡品は微細な発泡セルを多く含む発泡体となり、滞留時間を長くすると、大きな発泡セルを多く含む発泡体となる。
詳しく説明すると、射出発泡成形プロセスにおいて、発泡性樹脂組成物は、シリンダー内では溶融樹脂とガス成分とが共存状態にあり、初期状態では細かい径で存在するガス成分が、滞留時間の経過とともに、シリンダー内で隣接するガス成分と次々に合体し、大きな塊になっていく。
すなわち、滞留時間が短いと、発泡品は微細な発泡セルを多く含む発泡体となり、滞留時間を長くすると、大きな発泡セルを多く含む発泡体となる。
以下に、本発明について具体的な実施例を挙げて詳しく説明する。
(実施例1)
ポリプロピレン(プライムポリマー社製商品名J830HV)100重量部に対し、炭酸水素ナトリウムを含有する発泡剤(永和化成工業社製商品名EE25C、)を3.5重量部、ポリエチレンワックス(三井化学社製商品名エクセレックス40800T)を2重量部添加した樹脂組成物を射出成形機(宇部興産機械社製商品名MDSV MD1400)を用いて以下の条件で図1に示す発泡成形品としての自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
シリンダー内での発泡性樹脂組成物の滞留時間:20秒
樹脂射出充填時のキャビティ厚さ:1.5mm
コアバック時の型開き幅:1.5mm
コアバック開始までの型開き待ち時間:0.5秒
コアバックの要する時間:0.1秒(速度に換算すると15mm/秒)
成形品厚さ:3mm(発泡倍率2倍)
金型温度:40℃
射出樹脂温度:200℃
上記実施例1で得られた自動車用バックドアトリム1を切断し、断面をみたところ図2に示すとおりであった。
ポリプロピレン(プライムポリマー社製商品名J830HV)100重量部に対し、炭酸水素ナトリウムを含有する発泡剤(永和化成工業社製商品名EE25C、)を3.5重量部、ポリエチレンワックス(三井化学社製商品名エクセレックス40800T)を2重量部添加した樹脂組成物を射出成形機(宇部興産機械社製商品名MDSV MD1400)を用いて以下の条件で図1に示す発泡成形品としての自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
シリンダー内での発泡性樹脂組成物の滞留時間:20秒
樹脂射出充填時のキャビティ厚さ:1.5mm
コアバック時の型開き幅:1.5mm
コアバック開始までの型開き待ち時間:0.5秒
コアバックの要する時間:0.1秒(速度に換算すると15mm/秒)
成形品厚さ:3mm(発泡倍率2倍)
金型温度:40℃
射出樹脂温度:200℃
上記実施例1で得られた自動車用バックドアトリム1を切断し、断面をみたところ図2に示すとおりであった。
(実施例2)
滞留時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
滞留時間を30秒とした以外は、実施例1と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
(実施例3)
滞留時間を0秒とした以外は、実施例1と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
上記実施例3で得られた自動車用バックドアトリム1を切断し、断面をみたところ図3に示すとおりであった。
滞留時間を0秒とした以外は、実施例1と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
上記実施例3で得られた自動車用バックドアトリム1を切断し、断面をみたところ図3に示すとおりであった。
(実施例4)
滞留時間を45秒とした以外は、実施例1と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
滞留時間を45秒とした以外は、実施例1と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
(実施例5)
滞留時間を5秒とした以外は、実施例1と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
滞留時間を5秒とした以外は、実施例1と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
上記実施例1〜5で得られた自動車用バックドアトリム1の曲げ強度、低温衝撃強度、セル形態を調べ、その結果を表1に示した。
なお、曲げ強度は、発泡成形品から、長さ80mm、幅10mm(厚さは成形品の厚さ)を切り出し、JIS K 7203の方法に準拠し測定した。
低温衝撃強度は、発泡成形品を受けジグに取り付け、−30℃の恒温室にて測定した。まず、500gの鉄球を高さ10cmから落下させ、割れが発生しなければ、高さを5cmずつ上げて、割れが発生する高さを見つけ出した。落錘高さは、割れが発生する高さから5cm低い値として求めた。(割れが発生しない高さ)
セル形態は、発泡成形品を5cm間隔で切断し、デジタルマイクロスコープ等の寸法測定機能を用いて各切断面をデジタルマイクロスコープで観測し、寸法測定機能を用いて切断面に露出する発泡セルのセル径をデジタルマイクロスコープ等の寸法測定機能により測定した。なお、セル径は、発泡セル断面の開口縁の3点を通る円の直径をセル径とした。
なお、曲げ強度は、発泡成形品から、長さ80mm、幅10mm(厚さは成形品の厚さ)を切り出し、JIS K 7203の方法に準拠し測定した。
低温衝撃強度は、発泡成形品を受けジグに取り付け、−30℃の恒温室にて測定した。まず、500gの鉄球を高さ10cmから落下させ、割れが発生しなければ、高さを5cmずつ上げて、割れが発生する高さを見つけ出した。落錘高さは、割れが発生する高さから5cm低い値として求めた。(割れが発生しない高さ)
セル形態は、発泡成形品を5cm間隔で切断し、デジタルマイクロスコープ等の寸法測定機能を用いて各切断面をデジタルマイクロスコープで観測し、寸法測定機能を用いて切断面に露出する発泡セルのセル径をデジタルマイクロスコープ等の寸法測定機能により測定した。なお、セル径は、発泡セル断面の開口縁の3点を通る円の直径をセル径とした。
(実施例6)
ポリプロピレン(プライムポリマー社製商品名J830HV)100重量部に対し、炭酸水素ナトリウムを含有する発泡剤(永和化成工業社製商品名EE25C、)を4重量部、ポリエチレンワックス(三井化学社製商品名ハイワックス320P)を2重量部添加した樹脂組成物を射出成形機(宇部興産機械社製商品名MDSV MD1400)を用いて以下の条件で図1に示す発泡成形品としての自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
シリンダー内での発泡性樹脂組成物の滞留時間:20秒
樹脂射出充填時のキャビティ厚さ:1.4mm
コアバック時の型開き幅:1.6mm
コアバック開始までの型開き待ち時間:0.5秒
成形品厚さ:3mm(発泡倍率2.2倍)
金型温度:40℃
射出樹脂温度:200℃
ポリプロピレン(プライムポリマー社製商品名J830HV)100重量部に対し、炭酸水素ナトリウムを含有する発泡剤(永和化成工業社製商品名EE25C、)を4重量部、ポリエチレンワックス(三井化学社製商品名ハイワックス320P)を2重量部添加した樹脂組成物を射出成形機(宇部興産機械社製商品名MDSV MD1400)を用いて以下の条件で図1に示す発泡成形品としての自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
シリンダー内での発泡性樹脂組成物の滞留時間:20秒
樹脂射出充填時のキャビティ厚さ:1.4mm
コアバック時の型開き幅:1.6mm
コアバック開始までの型開き待ち時間:0.5秒
成形品厚さ:3mm(発泡倍率2.2倍)
金型温度:40℃
射出樹脂温度:200℃
(実施例7)
滞留時間を30秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
滞留時間を30秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
(実施例8)
滞留時間を0秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
滞留時間を0秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
(実施例9)
滞留時間を45秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
滞留時間を45秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
(実施例10)
滞留時間を5秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
滞留時間を5秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
(実施例11)
発泡剤の配合量を5重量部とするとともに、滞留時間を45秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
発泡剤の配合量を5重量部とするとともに、滞留時間を45秒とした以外は、実施例6と同様にして自動車用バックドアトリム1を射出発泡成形した。
上記実施例6〜11で得られた自動車用バックドアトリム1の曲げ強度、低温衝撃強度、セル形態を実施例1〜5と同様にして調べ、その結果を表2に示した。
上記表1、2から、滞留時間を調整することによってセル形態を変えて曲げ強度や低温衝撃強度を調整できることがよくわかる。
また、平均セル径分布が0.1mm〜0.45mmで、セル径0.1mm〜0.45mmセルが100個中90個以上あれば曲げ強度、低温衝撃強度に優れた発泡成形品を得られることがわかる。
また、平均セル径分布が0.1mm〜0.45mmで、セル径0.1mm〜0.45mmセルが100個中90個以上あれば曲げ強度、低温衝撃強度に優れた発泡成形品を得られることがわかる。
本発明の発泡成形品の製造方法によって得られる発泡成形品は、特に限定されないが、例えば、車輌の内装部品、輸送用容器、家庭用品等に使用できる。
1 自動車用バックドアトリム(発泡成形品)
Claims (3)
- 発泡性樹脂組成物を射出機によってキャビティ内に射出充填したのち、金型の移動型をコアバックして金型内で発泡させる発泡成形品の製造方法において、
射出成形機の樹脂計量完了から射出開始までの計量された発泡性樹脂組成物のシリンダー内での滞留時間を調整することによって、得られる発泡成形品の発泡セルの大きさを制御することを特徴とする発泡成形品の製造方法。 - 滞留時間を5秒〜30秒の間で調整する請求項1に記載の発泡成形品の製造方法。
- セル直径0.1mm〜0.45mmの発泡セルが切断面のセル100個中に90個以上存在するように制御する請求項1または請求項2に記載の発泡成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009006448A JP2010162751A (ja) | 2009-01-15 | 2009-01-15 | 発泡成形品の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111548552A (zh) * | 2019-02-08 | 2020-08-18 | 松下知识产权经营株式会社 | 发泡成形体 |
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2009
- 2009-01-15 JP JP2009006448A patent/JP2010162751A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111548552A (zh) * | 2019-02-08 | 2020-08-18 | 松下知识产权经营株式会社 | 发泡成形体 |
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