JP2010162150A - 超音波へアセット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超音波処理時に毛髪が受ける損傷を抑制することができる超音波ヘアセット装置を提供する。
【解決手段】ヘアセット装置1は、振動部5と受け部6との間に毛髪を挟み込んで、毛髪に超音波振動を与えることで、毛髪に処理を行う。振動部5は円筒状をなすとともに、振動部5の長手方向に回転軸9を有し、回転軸9を中心に毛髪の移動方向と同じ方向に沿って回転可能となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波により毛髪に処理を施す超音波へアセット装置に関する。
一般に、毛髪をカーリングさせたりストレートにしたりする等の処理を施すには、パーマネント液等の液剤を毛髪に付着させ、ヒータにより加熱することが行われているが、毛髪を長時間ヒータにより加熱すると、毛髪が痛んでしまうという問題があった。特に、家庭などで使用される鏝等により毛髪を挟み込んで処理を行う場合、ヒータが毛髪に直接触れるため、長時間毛髪に処理を施すことにより毛髪の損傷が発生し易かった。
そこで、特許文献1には、超音波振動を行う振動部と、振動部と対向するように設けられた受け部とで毛髪を挟み込み、毛髪に超音波振動を与えることで毛髪処理を行う超音波ヘアセット装置が提案されている。この装置では、加熱ではなく超音波振動により、毛髪に処理が施される。
特開2001−37526号公報
しかしながら、上記従来の構成であると、ユーザは毛髪を振動部と受け部とで挟み込み、その状態で振動部と受け部とをスライド移動させて処理を行う。そのスライド移動に伴い、振動部及び受け部と接触する毛髪の表面に摩擦が生じてしまい、その部分が損傷してしまうという問題があった。
本発明の目的は、超音波処理時に毛髪が受ける損傷を抑制することができる超音波ヘアセット装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、超音波振動を発生させる振動子を有するとともに毛髪に超音波振動を伝える振動部と、前記振動部と対向する受け部とを備え、前記振動部と前記受け部とで毛髪を挟み込んで、前記毛髪に超音波振動を与えることで前記毛髪に処理を行う超音波へアセット装置であって、前記振動部は、円筒状をなすとともに前記振動部の長手方向に回転軸を有し、前記回転軸を中心に前記毛髪の移動方向と同じ方向に回転可能となっていることを要旨とする。
この発明によれば、受け部とともに毛髪を挟み込む振動部は円筒状であるとともに、回転軸を中心に毛髪の移動方向と同じ方向に回転可能となっているため、振動部と受け部とで毛髪を挟み込んだとき、振動部が毛髪の移動方向に沿って回転する。このため、振動部と毛髪との間に発生する摩擦を低減することができ、超音波処理時に毛髪が受ける損傷を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記受け部は、前記毛髪の移動方向と同じ方向に動くことを要旨とする。
この発明によれば、振動部とともに毛髪を挟み込む受け部が、毛髪の移動方向と同じ方向に動くため、振動部と受け部とで毛髪を挟み込んだとき、受け部が毛髪の移動方向に沿って移動する。このため、受け部と毛髪との間に発生する摩擦を低減することができ、超音波処理時に毛髪が受ける損傷をさらに抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記受け部は、前記毛髪の移動方向と同じ方向に回転可能となっていることを要旨とする。
この発明によれば、振動部と同様に、振動部とともに毛髪を挟み込む受け部は、毛髪の移動方向と同じ方向に回転可能となっているため、振動部と受け部とで毛髪を挟み込んだとき、受け部が毛髪の移動方向に沿って回転する。このため、振動部と受け部とで毛髪を挟み込んだ状態で、振動部と受け部とを移動させ易くなり、受け部と毛髪との間に発生する摩擦を低減することができ、超音波処理時に毛髪が受ける損傷を確実に抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記振動部に電力を供給する電力供給部から前記振動部へ電力を伝達させる伝達部がばね構造となっていることを要旨とする。
この発明によれば、伝達部がばね構造となっているため、伝達部を振動部に対して押し付けるようにして振動部と接触させることができる。よって、振動部が回転しても、伝達部が振動部に対して押し付けるように接触していることで、振動部と伝達部とが接触した状態を維持することができ、電力供給部から伝達部を介して振動部に電力を供給することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記振動部側、又は前記伝達部側のうち少なくともどちらか一方には、前記伝達部と前記振動部とが接続された状態を保持するための保持部が設けられていることを要旨とする。
この発明によれば、振動部が回転しても、保持部によって、伝達部と振動部とが接続された状態を保持することができ、伝達部と振動部との接続が外れてしまうことを防ぐことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記伝達部における前記振動部との接点である先端部が曲面状になっていることを要旨とする。
この発明によれば、振動部が回転しても、前記伝達部における前記振動部との接点である先端部が曲面状になっていることで、伝達部と振動部とが滑らかに接触することができ、振動部がスムーズに回転することができる。よって、振動部の回転時に、振動部が伝達部に引っ掛かってしまうことがないため、振動部と毛髪との間に引っ掛かりが発生してしまうことを防ぐことができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記振動部に電力を供給する電力供給部から前記振動部へ電力を伝達させる伝達部がコイル構造となっているとともに、前記伝達部は、前記電力供給部側に配置される第1伝達部と、前記振動部と一体配置される第2伝達部とで構成されていることを要旨とする。
この発明によれば、第1伝達部により第2伝達部に電力を誘起させることができ、電力供給部からの電力を振動部へ非接触で伝達させることができる。よって、振動部の回転によって生じる伝達部と振動部との間の摩擦を無くすことができ、振動部の劣化を防止することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記伝達部は渦巻状コイルであるとともに、前記第1伝達部は、前記第2伝達部の回転経路と対応するように配置されていることを要旨とする。
この発明によれば、振動部が回転しても、第1伝達部が第2伝達部の回転経路と対応するように配置されていることから、第1伝達部と第2伝達部との位置関係が変化しないため、両伝達部間での電磁誘導の効率を一定にすることができる。
この発明によれば、超音波処理時に毛髪が受ける損傷を抑制することができる。
(a)は第1の実施形態における超音波へアセット装置の概略構成図、(b)は振動部の斜視図。 (a)は一方の挟み部材を内側から見た平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図。 第2の実施形態における超音波へアセット装置の概略構成図。 (a)は他方の挟み部材を内側から見た平面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図。 第3の実施形態における振動部を一部拡大した縦断面図。 第4の実施形態における導線を拡大した拡大断面図。 (a)は第5の実施形態における振動部の斜視図、(b)は振動部の縦断面図。 (a)及び(b)は別の実施形態における他方の挟み部材の縦断面図。 (a)〜(d)は別の実施形態における保持部の縦断面図。 別の実施形態における導線を拡大した拡大斜視図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。
図1(a)に示すように、超音波ヘアセット装置1(以下、「ヘアセット装置1」と記載する)の一対の挟み部材2,3は、略直方体形状に形成されるとともに、長手方向(図1(a)に示す矢印Y1の方向)の基端側(図1(a)における左側)がヒンジ部4により連結されることで、先端側(図1(a)における右側)が開閉自在とされている。一方の挟み部材2(図1(a)における上側)の先端部には振動部5が設けられるとともに、他方の挟み部材3(図1(a)における下側)の振動部5と対向する部分には受け部6が固設されている。受け部6は、振動部5に向かって突出するように設けられている。挟み部材2,3が閉じられた状態で、振動部5と受け部6とは略重ね合わせられるようになっている。
ヘアセット装置1は、振動部5と受け部6との間に毛髪H(図2(b)参照)を挟み込んで、毛髪Hに超音波振動を与えることで、毛髪Hに処理を行う。本実施形態では、ヘアセット装置1は振動部5と受け部6とで挟み込んだ毛髪Hをストレートにする処理を行う。ユーザは、振動部5と受け部6とで毛髪Hを挟み込んで、毛髪Hの根元側から先端部に向けて移動させて、毛髪H全体に処理を施すことができる。
図1(b)に示すように、振動部5は円筒状をなすとともに、超音波振動を発生する振動子7と、振動子7の振動を増幅して毛髪Hに伝達するホーン部8とを備えている。また、振動部5における中心軸線上には、振動部5の長手方向(図1(b)に示す矢印Y2の方向)に回転軸9を有するとともに、振動部5は回転軸9を中心に毛髪Hの移動方向と同じ方向に回転可能となっている。振動子7は、回転軸9の外周面に固設されるとともに、振動子7の外周面にはホーン部8が固設されている。本実施形態において、振動子7及びホーン部8における長手方向の長さは同じ長さとなっているとともに、回転軸9における長手方向の長さは、振動子7及びホーン部8における長手方向の長さよりも長くなっている。
図1(a)に示すように、ホーン部8及び回転軸9は、電力(交流電圧)を供給する電力供給部10と伝達部としての導線10aを介してそれぞれ電気的に接続されている。図1(b)に示すように、導線10aは、コイルばねのようなばね構造となっているとともに、ホーン部8及び回転軸9に対して押し付けるようにして、導線10aにおけるホーン部8及び回転軸9との接点である先端部10bが、ホーン部8及び回転軸9における導線10aの先端部10bと接触する側の端面8a,9aと接触している。なお、先端部10bの材質としては、導電性が高く、摩擦係数の低い材質が好ましく、例えばアルマイトや導電性樹脂等が好適である。
電力供給部10から導線10aを介してホーン部8及び回転軸9に交流電圧が供給されると、ホーン部8及び回転軸9を介して交流電圧が振動子7に印加されるようになっている。振動子7は、電力供給部10より交流電圧が印加されると、振動子7における寸法(厚み)が変化するとともに伸縮運動を起こして、機械振動が発生するようになっている。この機械振動は、ホーン部8を通して毛髪Hに伝達されるようになっている。
また、図1(a)に示すように、振動子7には、挟み部材2に内蔵された駆動回路11を介して制御回路12が接続されるとともに、振動子7は制御回路12により駆動制御される。さらに、制御回路12は電力供給部10と電気的に接続されるとともに、電力供給部10から制御回路12へ電力が供給される。例えば、制御回路12は、駆動回路11を制御することで、振動子7に周波数30kHz〜5MHz、電力密度0.1〜5.0W/cmの条件で超音波振動を発生させる。
図2(a)に示すように、挟み部材2には凹部2aが形成されている。挟み部材2を内側から平面視した凹部2aは矩形状となっているとともに、凹部2a内には振動部5が配設されている。振動部5は、凹部2a内において、挟み部材2の長手方向に沿って配置されるとともに、回転軸9の両端部が凹部2aに設けられる図示しない軸受によって回転可能に支持されている。
図2(b)に示すように、振動部5が凹部2a内に配置された状態において、振動部5は、凹部2aから外部へ長さL1分だけ露出するようになっている。このため、振動部5及び受け部6が毛髪Hを挟み込んで移動すると、振動部5は、振動部5及び受け部6に挟まれた毛髪Hの移動方向(図2(b)に示す矢印Xの方向)と同じ方向に沿って回転する。このため、毛髪Hに対して挟み部材2,3を移動させたときの毛髪Hと振動部5との間で発生する摩擦は、振動部5が固定された部材である場合と比較して低減される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)振動部5は円筒状をなすとともに、振動部5の長手方向に回転軸9を有し、回転軸9を中心に毛髪Hの移動方向と同じ方向に回転可能となっている。よって、振動部5は、振動部5と受け部6とで毛髪Hを挟み込んだとき、振動部5が毛髪Hの移動方向と同じ方向に沿って回転する。このため、毛髪Hに対して挟み部材2,3を移動させたときの毛髪Hと振動部5との間で発生する摩擦を低減することができ、超音波処理時に毛髪Hが受ける損傷を抑制することができる。
(2)導線10aは、コイルばねとなっているとともに、ホーン部8及び回転軸9に対して押し付けるようにして、導線10aの先端部10bがホーン部8及び回転軸9と接触している。よって、振動部5が回転しても、導線10aがホーン部8及び回転軸9に対して押し付けるようにして、導線10aの先端部10bがホーン部8及び回転軸9の端面8a,9aと摺接していることで、導線10aとホーン部8及び回転軸9とが接触した状態を維持することができる。したがって、振動部5が回転しても、導線10aの先端部10bが端面8a,9aから外れてしまうことを抑制することができるとともに、電力供給部10から導線10aを介してホーン部8及び回転軸9に交流電圧を供給することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を具体化した第2の実施形態を図3及び図4にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略化する。
図3及び図4(a)に示すように、挟み部材3において、振動部5と対向する部分には凹部3aが形成されている。挟み部材3を内側から平面視した凹部3aは矩形状となっているとともに、凹部3a内には受け部としてのローラ21が配設されている。ローラ21は、凹部3a内において、挟み部材3の長手方向に沿って配置されるとともに、ローラ21における中心軸線上に設けられた回転軸22の両端部が凹部3aに設けられる図示しない軸受によって回転可能に支持されている。なお、ローラ21は、例えばウレタン樹脂で形成された発泡部材等の弾性体により形成されている。
図4(b)に示すように、ローラ21が凹部3a内に配置された状態において、ローラ21は、凹部3aから外部へ長さL2分だけ露出するようになっている。このため、振動部5及びローラ21が毛髪Hを挟み込んで移動すると、ローラ21は、振動部5及びローラ21に挟まれた毛髪Hの移動方向(図4(b)に示す矢印Xの方向)と同じ方向に沿って回転する。このため、毛髪Hに対して挟み部材2,3を移動させたときの毛髪Hとローラ21との間で発生する摩擦は、ローラ21が固定された部材である場合と比較して低減される。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)及び(2)と同様の効果に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(3)挟み部材3において、振動部5と対向する部分には凹部3aが形成されるとともに、凹部3a内にはローラ21が回転可能に配設されている。よって、ローラ21は、振動部5とローラ21とで毛髪を挟み込んだとき、振動部5と同様に毛髪Hの移動方向に沿って回転する。このため、毛髪Hに対して挟み部材2,3を移動させたときの毛髪Hと振動部5、及び毛髪Hとローラ21との間で発生する摩擦を低減することができ、超音波処理時に毛髪Hが受ける損傷をさらに抑制することができる。
(4)受け部としてローラ21を用いる構成は、振動部5とローラ21とで毛髪Hを挟み込んだとき、ローラ21が毛髪Hの移動方向に沿って回転するため、振動部5とローラ21とで毛髪Hを挟み込んだ状態で、振動部5とローラ21とを移動させ易くなり、ローラ21が固定されている構成と比較して使い勝手が良い。
(5)毛髪Hに接触するローラ21が弾性体で形成されているため、振動部5とローラ21とで毛髪Hを挟んだときに振動部5からローラ21にかかる圧力が、ローラ21により吸収されるため、毛髪Hが受ける損傷を抑制することができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明を具体化した第3の実施形態を図5にしたがって説明する。
図5に示すように、ホーン部8の端面8aには、保持部としての保持凹部31が形成されている。保持凹部31は、振動部5が回転したときに導線10aの先端部10bがホーン部8の端面8aに接する経路上に位置するように、ホーン部8の端面8aにおける周方向に全周に亘って形成されている。導線10aの先端部10bは、保持凹部31内に収容されるように配置されるとともに、保持凹部31内に接している。
また、回転軸9の端面9aには、保持部としての保持凹部32が形成されている。保持凹部32は、回転軸9の端面9aにおける中央部に凹設されている。導線10aの先端部10bは、保持凹部32内に収容されるように配置されるとともに、保持凹部32内に接している。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)及び(2)と同様の効果に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(6)ホーン部8及び回転軸9における導線10aの先端部10bと接触する側の端面8a,9aには、保持凹部31,32がそれぞれ形成されている。導線10aの先端部10bは、保持凹部31,32内に収容されるように配置されるとともに、保持凹部31,32内に接している。よって、保持凹部31,32によって、振動部5が回転しても、導線10aとホーン部8、及び導線10aと回転軸9との接続状態を保持することができ、導線10aとホーン部8、及び導線10aと回転軸9との接続が外れてしまうことを防ぐことができる。
(第4の実施形態)
以下、本発明を具体化した第4の実施形態を図6にしたがって説明する。なお、図6は、導線10aを拡大した拡大断面図であり、導線10aの大きさをホーン部8及び振動子7の大きさに対して誇張して描いている。
図6に示すように、導線10aの先端部10bは曲面状になっている。このように、導線10aの先端部10bが曲面状になっていることから、振動部5が回転しても、導線10aとホーン部8とは、ホーン部8の端面8aと導線10aの先端部10bとが滑らかに接触することで電気的に接続されている。なお、回転軸9と接続される導線10aについても同様であるため、図示及び説明を省略する。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)及び(2)と同様の効果に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(7)導線10aの先端部10bは曲面状になっている。よって、振動部5が回転しても、導線10aの先端部10bとホーン部8及び回転軸9の端面8a,9aとが滑らかに摺接することができ、振動部5がスムーズに回転することができる。よって、振動部5の回転時に、振動部5が導線10aに引っ掛かってしまうことがないため、振動部5と毛髪Hとの間に引っ掛かりが発生してしまうことを防ぐことができる。
(第5の実施形態)
以下、本発明を具体化した第5の実施形態を図7にしたがって説明する。
図7(a),(b)に示すように、電力供給部10からホーン部8及び回転軸9に交流電圧を伝達させる伝達部が渦巻状コイルとなっているとともに、伝達部は、電力供給部10側に配置される第1伝達部51と、振動部5と一体配置される第2伝達部52とで構成されている。第2伝達部52は振動部5と一体的に回転するようになっている。第1伝達部51は、第2伝達部52の回転経路と対応するように配置されている。
電力供給部10から第1伝達部51へ電力が供給されると、第1伝達部51により第2伝達部52に電力が誘起される。第2伝達部52に電力が誘起されると、ホーン部8及び回転軸9に交流電圧が供給されるとともに、ホーン部8及び回転軸9を介して交流電圧が振動子7に印加されるようになっている。振動子7は、電力供給部10より交流電圧が印加されると、振動子7における寸法(厚み)が変化するとともに伸縮運動を起こして、機械振動が発生するようになっている。この機械振動は、ホーン部8を通して毛髪Hに伝達されるようになっている。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)と同様の効果に加えて、以下に示す効果を得ることができる。
(8)電力供給部10からホーン部8及び回転軸9に交流電圧を伝達させる伝達部が渦巻状コイルとなっているとともに、伝達部は、電力供給部10側に配置される第1伝達部51と、振動部5と一体配置される第2伝達部52とで構成されている。よって、第1伝達部51により第2伝達部52に電力を誘起させることができ、電力供給部10からの電力をホーン部8及び回転軸9へ非接触で伝達させることができる。よって、第1の実施形態のように、電力供給部10からの電力を、導線10aを介してホーン部8及び回転軸9に伝達させる構成と比較して、振動部5の回転によって生じる伝達部と振動部5との間の摩擦を無くすことができ、振動部5の劣化を防止することができる。
(9)第1伝達部51は、第2伝達部52の回転経路と対応するように配置されている。よって、振動部5が回転しても、第1伝達部51と第2伝達部52との位置関係が変化しないため、両伝達部51,52間での電磁誘導の効率を一定にすることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 第2の実施形態において、凹部3a内にはローラ21を設けたが、凹部3a内に配設される回転部材の態様はローラ21に限定されない。例えば、図8(a)に示すように、凹部3a内の長手方向に配置され両端部が固定された支持部材61に、ローラ62がそれぞれ回転可能に支持されるとともに、両ローラ62にベルト63が架け渡された構成としてもよい。これによれば、毛髪Hの移動に伴い毛髪Hに沿ってベルト63が移動し、振動部5と挟み込む面積を大きくすることができるため、安定して毛髪Hを挟み込むことができるようになる。
○ また、図8(b)に示すように、凹部3a内に略直方体形状の支持部材71が設けられ、支持部材71に形成された収容部71a内に球72が回転可能に収容された構成としてもよい。これによれば、毛髪Hの移動に伴い毛髪Hに沿って球72が回転し、一定の方向に定まらない毛髪Hであっても、スムーズに誘導される。
○ さらに、第2の実施形態において、凹部3a内に複数のローラ21を離間配置してもよい。
○ 第3の実施形態において、ホーン部8及び回転軸9の端面8a,9aには、保持部として保持凹部31,32を形成したが、保持部としての形状は保持凹部31,32のような形状に限定されない。以下、説明を簡略化するために、ホーン部8の端面8aに形成される保持部の変形例についてのみ説明するが、以下の説明のように構成される保持部を回転軸9の端面9aに形成してもよい。例えば、図9(a)に示すように、ホーン部8の端面8aには、保持凹部81が形成されるとともに、保持凹部81における一方の内周面81aには、保持凹部81の内側に延在する係止凸部81cが形成されている。係止凸部81cは、保持凹部81における一方の内周面81aから他方の内周面81bに向かって延在している。係止凸部81cの先端と他方の内周面81bとの間には隙間が形成され、隙間を介して導線10aの先端部10bが保持凹部81内に収容されるように配置されている。これによれば、導線10aの先端部10bは、保持凹部81内に収容されるように配置され、振動部5が回転しても、係止凸部81cによって、導線10aの先端部10bが保持凹部81外に外れてしまうことを防止することができる。すなわち、保持凹部81及び係止凸部81cにより保持部が構成されている。
○ また、図9(b)に示すように、ホーン部8の端面8aには、端面8aに対して直交する方向に延在する保持部としての一対の係止凸部82が形成されている。一対の係止凸部82は、振動部5が回転したときに導線10aの先端部10bがホーン部8の端面8aに接する経路上に位置するように、ホーン部8の端面8aにおける周方向に全周に亘って形成されている。導線10aの先端部10bは、一対の係止凸部82内に収容されるように配置されている。
○ さらに、図9(c)に示すように、ホーン部8の端面8aには、端面8aに対して直交する方向に延在する保持部としての一対の係止凸部83が形成されている。一対の係止凸部83は、振動部5が回転したときに導線10aの先端部10bがホーン部8の端面8aに接する経路上に位置するように、ホーン部8の端面8aにおける周方向に全周に亘って形成されている。また、一対の係止凸部83における先端には、係止凸部83の延在方向と直交し、かつ互いの方向に向かうように屈曲した屈曲部83aを備えている。各屈曲部83aの先端同士の間には隙間が形成され、隙間を介して導線10aの先端部10bが一対の係止凸部83内に収容されるように配置されている。すなわち、一対の係止凸部83及び屈曲部83aにより保持部が構成されている。
○ また、図9(d)に示すように、ホーン部8の端面8aには、端面8aに対して直交する方向に延在する保持部としての一対の係止凸部84が形成されている。一対の係止凸部84は、振動部5が回転したときに導線10aの先端部10bがホーン部8の端面8aに接する経路上に位置するように、ホーン部8の端面8aにおける周方向に全周に亘って形成されている。また、一方の係止凸部84における先端には、係止凸部84の延在方向と直交し、他方の係止凸部84の方向に向かうように屈曲した屈曲部84aを備えている。屈曲部84aの先端と他方の係止凸部84における内周面との間には隙間が形成され、隙間を介して導線10aの先端部10bが一対の係止凸部84内に収容されるように配置されている。すなわち、一対の係止凸部84及び屈曲部84aにより保持部が構成されている。
○ 第4の実施形態において、導線10aの先端部10bが車輪の形状になっていてもよい。例えば、図10に示すように、導線10aの先端部10bには、導線10aと直交する方向に延びる軸90が設けられるとともに、軸90の両端には車輪91が設けられている。車輪91は、図示しない支持部によって軸90に対して回転可能に設けられている。車輪91がホーン部8の端面8a又は回転軸9の端面9aと接触した状態において、振動部5が回転しても、車輪91は端面8a,9aと摺接するように回転するようになっており、電力供給部10から導線10aを介してホーン部8及び回転軸9に交流電圧を供給することができる。
○ また、第4の実施形態において、導線10aの先端部10bが球体状になっていてもよい。
○ 第1の実施形態において、凹部2a内に振動部5を複数配置してもよい。
○ 第1の実施形態において、受け部6が挟み部材3内に埋め込まれるとともに、受け部6における振動部5と対向する面のみを、挟み部材3の表面と同一平面上に露出するようにしてもよい。
○ 第1の実施形態において、伝達部としての導線10aはコイルばねであったが、コイル構造を有した構成であれば、コイルばねではなく、例えば板ばねやリングばね等の別の形状のばねを適用してもよい。伝達部の材料としては、導電性の高い材質が好ましく、例えば銅合金等が好適である。
○ 第1の実施形態において、導線10a自身をばね構造にせずに、導線10aの周辺にばね構造を設けるとともに、ばね構造と導線10aとを一部接続させ、導線10aをばね構造を介してホーン部8及び回転軸9に対して押し付けるようにしてもよい。
○ 第1の実施形態において、振動子7における長手方向の長さが、ホーン部8における長手方向の長さよりも短くなっていてもよい。
○ 第2の実施形態において、ローラ21は弾性体で形成されているものとしたが、ローラ21を、例えば金属等の弾性体以外の材質で形成してもよい。
○ 第2の実施形態において、ローラ21は、ウレタン樹脂の発泡材料により形成されているものとしたが、ローラ21を例えばゴムやプラスチック等の他の弾性体で形成してもよい。
○ 第2の実施形態において、毛髪Hの移動方向と同じ方向に回転可能なローラ21を設けたが、ローラ21に代えて、例えば、毛髪Hと接触した状態で毛髪Hの移動方向と同じ方向に移動可能な弾性部材を設けてもよい。
○ 第3の実施形態において、導線10aの先端部10bに保持凹部31,32と嵌合可能な保持凸部を形成し、保持凹部31,32と保持凸部とが嵌合することによって、導線10aとホーン部8、及び導線10aと回転軸9との接続状態を保持するようにしてもよい。
○ 第5の実施形態において、第1伝達部51は、第2伝達部52の回転経路と対応するように配置されていなくてもよく、第1伝達部51により第2伝達部52に電力を誘起させることが可能であれば、第1伝達部51がどのように配置されていてもよい。
○ 第5の実施形態において、両伝達部51,52は、渦巻状コイル以外の形状のコイルで構成されていてもよい。
○ 第5の実施形態において、両伝達部51,52をそれぞれ複数設けてもよい。
1…超音波へアセット装置、5…振動部、6…受け部、7…振動子、9…回転軸、10…電力供給部、10a…伝達部としての導線、10b…先端部、21…受け部としてのローラ、31,32,81…保持部としての保持凹部、51…第1伝達部、52…第2伝達部、63…受け部としてのベルト、72…受け部としての球、81c,82〜84…保持部としての係止凸部、83a,84a…保持部としての屈曲部、H…毛髪。

Claims (8)

  1. 超音波振動を発生させる振動子を有するとともに毛髪に超音波振動を伝える振動部と、前記振動部と対向する受け部とを備え、前記振動部と前記受け部とで毛髪を挟み込んで、前記毛髪に超音波振動を与えることで前記毛髪に処理を行う超音波へアセット装置であって、
    前記振動部は、円筒状をなすとともに前記振動部の長手方向に回転軸を有し、前記回転軸を中心に前記毛髪の移動方向と同じ方向に回転可能となっていることを特徴とする超音波へアセット装置。
  2. 前記受け部は、前記毛髪の移動方向と同じ方向に動くことを特徴とする請求項1に記載の超音波へアセット装置。
  3. 前記受け部は、前記毛髪の移動方向と同じ方向に回転可能となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の超音波へアセット装置。
  4. 前記振動部に電力を供給する電力供給部から前記振動部へ電力を伝達させる伝達部がばね構造となっていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の超音波へアセット装置。
  5. 前記振動部側、又は前記伝達部側のうち少なくともどちらか一方には、前記伝達部と前記振動部とが接続された状態を保持するための保持部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の超音波へアセット装置。
  6. 前記伝達部における前記振動部との接点である先端部が曲面状になっていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の超音波へアセット装置。
  7. 前記振動部に電力を供給する電力供給部から前記振動部へ電力を伝達させる伝達部がコイル構造となっているとともに、前記伝達部は、前記電力供給部側に配置される第1伝達部と、前記振動部と一体配置される第2伝達部とで構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の超音波へアセット装置。
  8. 前記伝達部は渦巻状コイルであるとともに、前記第1伝達部は、前記第2伝達部の回転経路と対応するように配置されていることを特徴とする請求項7に記載の超音波へアセット装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013014006A1 (de) * 2011-07-28 2013-01-31 BSH Bosch und Siemens Hausgeräte GmbH Glätteinrichtung
CN103315505B (zh) * 2012-03-22 2017-08-11 Seb公司 理发设备
EP3328235B1 (en) 2015-07-29 2020-11-25 Koninklijke Philips N.V. Ultrasonic hair styling

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