JP2010161694A - 画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス製など透明性を有する原稿台越しに読み取られた原稿の画像から、原稿台に付着した汚れや原稿台と原稿との間に入り込んだ浮遊ゴミの像を除去もしくは希薄化できる画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】原稿が載置されていないときに前もって原稿台の背景画像を読み取り、読み取った背景画像の中から汚れやゴミの像を検出して記憶部に登録しておき、被読取原稿を読み取ったときに、読み取った原稿画像の中に含まれる連結パターンであって前記ゴミの像に近似したものを、位置や角度の変動も含めて探索し、近似した連結パターンが検出されたときに、その連結パターンを除去もしくは希薄化するようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、原稿の画像を読み取る画像読取装置、及び同装置で読み取った画像を媒体に形成する画像形成装置に関し、特に、読み取った画像データに含まれる異物の像を除去する技術に関する。
イメージスキャナ装置やデジタル式複写機等では、透明な原稿台(例えばプラテンガラス)上に原稿面を下向きにしてに載置された原稿の画像を、原稿台の下から読み取る原稿固定型(「フラットベッド型」とも呼ばれる)の画像読取方式が数多く採用されている(例えば、特許文献1)。
特開平9−34029号公報
しかしながら、原稿固定型の画像読取方式は、原稿台に汚れが付着していたり、原稿台と原稿との間に消しゴムのカスや毛くずのような浮遊ゴミが入っていたりすると、読み取られた画像に汚れや浮遊ゴミの像が入り込んでしまうという問題を有している。
本発明は、前記の問題を解決するためになされたものであり、読み取られた原稿の画像から、原稿台に付着した汚れや原稿台と原稿との間に入り込んだ浮遊ゴミの像を除去もしくは希薄化できる画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の画像読取装置は、原稿が載置されていないときに前もって原稿台の背景画像を読み取り、読み取った背景画像の中から汚れやゴミの像であるゴミパターンを検出して記憶部に登録しておき、被読取原稿を読み取ったときに、読み取った原稿画像の中に含まれる連結パターンであって前記ゴミパターンに近似したものを、位置や角度の変動も含めて探索し、近似した連結パターンが検出されたときに、その連結パターンを構成する各画素を周辺画素に近似した画素にそれぞれ置換することによって、元の原稿画像からゴミの像を除去するようにした。
また、本発明の他の画像読取装置は、前記ゴミパターンの形状に近似した連結パターンを周辺画素に近似した画素に置換するのではなく、探索された連結パターンに対して所定のフィルタリング処理を施すことによって、探索された連結パターンの像を希薄化するようにした。
また、本発明の画像形成装置は、前記本発明の画像読取装置を備えるものとした。
本発明によれば、読み取られた原稿の画像から、原稿台に付着した汚れや原稿台と原稿との間に入り込んだ浮遊ゴミの像を除去もしくは希薄化できる画像読取装置及び画像形成装置を提供することができる。
画像読取装置の機器構成の一例を示す概念図である。 第1実施形態に係る画像読取装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 浮遊ゴミの形状の例である。 ゴミパターン登録処理のフローチャートである。 生成されるゴミパターンデータの例である。 基準点及び特徴点群の設定例である。 ゴミパターン検出及び除去処理のフローチャートである。 ゴミパターンを回転させた例である。 回転したゴミパターンと検出された連結パターンを重ね合わせた例である。 回転したゴミパターンと検出された連結パターンの差分の像である。 第2実施形態に係る画像読取装置の機能構成を示す機能ブロック図である。 平均値フィルタ処理の説明図である。 メディアンフィルタ処理の説明図である。 第3実施形態に係る画像形成装置である複写装置の例を示す外観図である。
以下、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の実施形態につき、図面を参照しながら詳細に説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像読取装置100の機器構成例を示す概念図である。
画像読取装置100は、本体11と、本体11の上部に開閉可能に取り付けられ外部からの光を遮断するとともに被読取原稿を固定する原稿カバー12とから構成されている。
本体11は、原稿台であるプラテンガラス13と、原稿検出センサ14と、読取ヘッド15と、画像読取センサ16とを備えて構成される。プラテンガラス13は、被読取原稿が載置される透明性を有するガラスやアクリルなどの平板であり、被読取原稿は、原稿面を下に向けて載置される。原稿検出センサ14は、プラテンガラス13上に被読取原稿が載置されているか否かを検出するセンサである。
読取ヘッド15は、プラテンガラス13の下部をプラテンガラス13の長手方向に移動しながら被読取原稿を走査するための光を照射し、その反射光を画像読取センサ16に導入する。画像読取センサ16は、この反射光の強さを画素の濃さを示す階調値に変換した画素データ列を出力するラインセンサである。
原稿カバー12の下部には、それが閉じられたときにプラテンガラス13の全面を覆うように白色もしくは淡色の背面シート17が取り付けられる。この背面シート17は、プラテンガラス13に付着した汚れやゴミを検出するときの背景として読み取られる。
図2は、画像読取装置100の機能構成例を示す機能ブロック図である。画像読取装置100は、前記の原稿検出センサ14、画像読取センサ16に加えて、制御部21、記憶部22、及び外部出力I/F(Interface)23を備えて構成され、外部の画像形成装置200と接続されている。
制御部21は、所定のプログラムにしたがって画像読取装置100の動作に必要な各種制御を実行するものであり、不図示のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、画像形成部24、ゴミパターン登録部25、ゴミパターン探索部26、及びゴミパターン除去部27の各機能を備える。
記憶部22には、読み込まれた画像データ、後記するゴミパターンデータ、ゴミパターン識別情報など、各種データが格納される。
外部出力I/F23は、読み取られた原稿画像データを外部の装置に送信するためのインタフェースであり、例えば、画像形成装置200は、外部出力I/F23から送信される原稿画像データを受信して、その原稿の画像を印刷媒体に印刷する。
画像形成部24は、画像読取センサ16から順次出力される多階調の画素データ列を集積して所定の画像データ形式に変換し、読み取られた画像のデータを記憶部22に格納する機能をもつ。
ゴミパターン登録部25は、被読取原稿の読み取りに先立って背面シート画像を読み取るプリスキャンを実行し、読み取られた画像(以下、プリスキャン画像)の中から、汚れやゴミの像であるゴミパターンを検出し、検出したゴミパターンの形状を識別するためのデータであるゴミパターン識別情報を生成して、検出したゴミパターンとともに記憶部22に登録する機能をもつ。
ゴミパターン探索部26は、読み取られた被読取原稿の画像の中から、前記ゴミパターン識別情報と一致するパターンを、パターンの位置と角度の変動をも含めて探索する機能をもつ。
ゴミパターン除去部27は、ゴミパターン探索部26によって前記ゴミパターン識別情報と一致するパターンが検出されたときに、そのパターンの像を元の原稿画像から除去する機能をもつ。
以下、本実施形態に係る画像読取装置100の動作を、プリスキャン画像中に図3に示すような形状のゴミの像が含まれていた場合を例にとって説明する。
図4は、制御部21及びその構成要素である画像形成部24、ゴミパターン登録部25によって実行されるゴミパターン登録処理の流れを示すフローチャートである。
画像読取装置100の電源が投入され、装置の初期化が行われた後に図4に示すゴミパターン登録処理が起動され、制御部21は、原稿検出センサ14の出力をチェックすることにより、プラテンガラス13上に被読取原稿があるか否かを判定する(ステップS101)。
被読取原稿があった場合(ステップS101でYes)、処理を終了する。
被読取原稿がなかった場合(ステップS101でNo)、制御部21は、画像読取センサ16に対して画像の読取開始を指示し、画像形成部24は、画像読取センサ16から順次出力される画素データ列を集積してプリスキャン画像データD1として記憶部22に格納する(ステップS102)。このとき、プリスキャン画像データD1は、汚れやゴミの像の部分は階調値が「黒」又は「グレー」を示す値となり、それ以外は階調値がほぼ「白」を示す値となる。
次に、ゴミパターン登録部25は、記憶部22に格納された多階調のプリスキャン画像データD1を読み出し、各画素の階調値が所定の閾値を超える場合には「黒」を示す「1」に変換し、そうでなければ「白」を示す「0」に変換することによって、2値化画像データD2を生成し、記憶部22に追加して格納する(ステップS103)。これにより、図3に示したような形状のゴミの像があれば、そのゴミの像に該当する部分の画素値が「1」となった2値化画像データが生成される。
次に、ゴミパターン登録部25は、2値化画像データD2の中から、画素値「1」が連結している部分(連結パターン)を、例えば、公知のラベリング処理方法等を用いて、すべて分離する(ステップS104)。このとき、画素値「1」の画素の、縦、横、斜めのいずれかに画素値が「1」である隣接画素があれば、それらは連結されているものとする。
次に、ゴミパターン登録部25は、微細なゴミの像やノイズを除外するために、分離した連結パターンの中から、ある所定値以上のサイズもしくは画素数を有する連結パターンのみを抽出して、その連結パターンに外接する矩形領域からなるゴミパターンデータPi(i=1,2,・・・)を生成し、記憶部22に追加して格納する(ステップS105)。
これにより、図3に示したような形状のゴミの像であれば、図5に示すように横がm画素、縦がn画素のゴミパターンデータが生成される。
次に、ゴミパターン登録部25は、記憶部22に格納されたゴミパターンデータPiがあるか否かを判定し(ステップS106)、ゴミパターンデータPiがなかった場合(ステップS106でNo)、処理を終了する。
ゴミパターンデータPiがあった場合(ステップS106でYes)、ゴミパターン登録部25は、各々のゴミパターンデータPiについて、ゴミパターン識別情報diの生成及び登録処理を実行し(ステップS107〜S109)、すべてのゴミパターン識別情報diの登録が完了したら(ステップS110でYes)、処理を終了する。
ゴミパターンデータPiに対応するゴミパターン識別情報diの生成及び登録処理においては、公知の一般化ハフ変換によるパターンマッチングの技術を適用するために、ゴミパターン登録部25は、まず、ゴミパターンデータPiの特徴点の選択に用いる基準点Bを設定し(ステップS107)、次にゴミパターンの外郭線上に複数の特徴点群Cj(j=0,1,2,・・・)を逐次選択し(ステップS108)、最後に、基準点Bの座標とすべての特徴点Cjの属性データ群からなるゴミパターン識別情報diを生成して、記憶部22に追加して格納(登録)する(ステップS109)。
前記ステップS107における基準点Bの設定方法は任意であるが、例えば、ゴミパターンデータPiの重心を基準点とすることができる。ゴミパターンデータPiの矩形領域の左下隅を原点としたとき、ゴミパターンデータPiの重心の座標(Wx,Wy)は、画素値「1」の画素の座標を(x,y)で表すと、画素値「1」の全画素についてxとyの平均値をそれぞれ計算することによって求めることができる。これにより、図5に示したようなゴミパターンデータであれば、図6の記号Bで示した重心の位置を基準点とすればよい。
また、ステップS108における特徴点群Cjの選択方法も任意であるが、例えば、最初の特徴点としては、図6の記号C0で示すように、基準点Bから最も近い外郭線上の点を選択することができる。あるいは、外郭線上で曲率半径が最も小さい点を選択してもよい。
また、2番目以降の特徴点の選択方法も、一定の規則にしたがってゴミパターンデータPiの形状を識別可能な特徴点の集合が選択できるものであればよく、例えば、図6の記号C1、C2、・・・に示すように、1つ前の特徴点から時計周りに外郭線上に等間隔(直線距離、外郭線に沿った距離のいずれでもよい)で特徴点を設定することができる。あるいは、外郭線の法線の角度が所定値以上変化した点を反時計回りで逐次選択する方法などで特徴点を設定してもよい。
また、ステップS109において生成される各特徴点Cjの属性データは、その特徴点Cjの基準点Bからの距離Rjと、基準点Bと特徴点Cjを結んだ直線から、特徴点Cjの法線がなす角度θjの組を用いるのが一般的であるが、これ以外のものであってもよい。
以上説明したゴミパターン登録処理により、プリスキャン画像データD1に含まれている一定サイズ以上のすべてのゴミパターンに対応するゴミパターン識別情報の登録が行われる。
なお、前記ゴミパターン登録処理では、装置の電源投入時にプリスキャンを実行してゴミパターン識別情報を登録するものとして説明したが、プリスキャンの実行及びゴミパターン識別情報の登録は、これに限らず、前もって設定された所定の時刻に行ってもよいし、所定の時間間隔で行ってもよい。もしくは、装置が待機状態にあるときに適宜実行してもよい。
続いて、読取画像からのゴミパターンの検出と除去の動作について説明する。
図7は、制御部21及びその構成要素であるゴミパターン探索部26、ゴミパターン除去部27によって実行されるゴミパターン検出及び除去処理の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは説明を簡単にするために、予め記憶部22に登録されているゴミパターン識別情報が1つの場合について説明するが、複数のゴミパターン識別情報が登録されている場合についても同様の処理を繰り返すことによって容易に実現可能である。
被読取原稿の読み取りが完了して原稿画像データD3が記憶部22に格納される都度、図7のゴミパターン検出及び除去処理が起動され、制御部21は、記憶部22にゴミパターン識別情報diが登録済みか否かを判定する(ステップS201)。そして、ゴミパターン識別情報diが登録済みでなければ(ステップS201でNo)、処理を終了する。
また、ゴミパターン識別情報diが登録済みであれば(ステップS201でYes)、制御部21は、そのゴミパターン識別情報diについて、ステップS202以下の処理を実行することにより、原稿画像からのゴミパターンの検出と除去を行う。
まずは、原稿画像からのゴミパターンの検出処理について説明する。
始めに、ゴミパターン探索部26は、前記したプリスキャン画像データD1から2値化画像データD2を生成したのと同一の方法によって、記憶部22に格納された多階調の原稿画像データD3から2値化画像データD4を生成し、記憶部22に追加して格納する(ステップS202)。
次に、ゴミパターン探索部26は、ゴミパターンデータPiが格納されている矩形(図5参照)の対角線の長さを一辺とする正方形の領域を、2値化画像D4の左上隅からコピーした、部分2値化画像データEを生成し記憶部22に追加して格納する(ステップS203)。
次に、ゴミパターン探索部26は、ステップS204以下の処理を実行することによって、部分2値化画像データEの中からゴミパターン識別情報diと一致する連結パターンの探索を行う。このように、2値化画像データD4から正方形の領域をコピーしてパターンマッチングを行うのは、一般化ハフ変換によるパターンマッチング手法が、回転したゴミパターンをもマッチングできる手法であるためである。すなわち、一般化ハフ変換によるパターンマッチング手法によれば、ゴミパターン探索部26は、図5に示したゴミパターンデータに対して、図8に例示したような任意の角度に回転したゴミパターンをマッチングすることができる。
部分2値化画像データEの中からゴミパターン識別情報diと一致する連結パターンを探索するために、ゴミパターン探索部26は、まず、部分2値化画像データEの中から前記したゴミパターン登録処理と同様に、公知のラベリング手法等を用いて連結パターンを分離し(ステップS204)、その中から所定値以上のサイズもしくは画素数を有するものを抽出して連結パターンデータQk(k=1、2、・・・)を生成し、記憶部22に追加して格納する(ステップS205)。
次に、ゴミパターン探索部26は、記憶部22に格納された連結パターンデータQkがあるか否かを判定し(ステップS206)、連結パターンデータQkがなければ(ステップS206でNo)、ステップS211に分岐して、まだ2値化画像データD4の全領域について完了していなければ(ステップS211でNo)、さらにステップS203に戻って次の正方形領域をコピーし、同様の探索処理を繰り返す。
一方、連結パターンデータQkがあれば(ステップS206でYes)、ゴミパターン探索部26は、ステップS207〜S209の処理を実行することによって、ゴミパターンデータPiと連結パターンデータQkの形状との近似性を判定する。なお、以下では、便宜的に、「近似していると判定できる」ことを「一致する」と言う。
すなわち、ゴミパターン探索部26は、まず、前記したゴミパターン登録処理において行ったのと同一の方法で、連結パターンデータQkの重心である基準点を設定し(ステップS207)、次に複数の特徴点群を選択し(ステップS208)、選択した各特徴点から見た基準点の位置を投票空間に写像し、その写像結果に対して一般化ハフ変換によるパターンマッチングの手法を適用することによって、ゴミパターンデータPiと連結パターンデータQkの形状が一致するか否かを判定するとともに、ゴミパターンデータPiと連結パターンデータQkとの回転角度の差分を求める(ステップS209)。
その結果、連結パターンデータQkがゴミパターンデータPiと一致すると判定しなければ(ステップS210でNo)、ステップS211に分岐して、2値化画像データD4のすべての領域の探索が完了するまで同様の探索処理を繰り返し、すべての領域の探索が終了したら(ステップS211でYes)、処理を終了する。
一方、ステップS210において連結パターンデータQkがゴミパターンデータPiと一致すると判定した場合には(ステップS210でYes)、ゴミパターン探索部26は、ステップS212に分岐してゴミパターン除去部27に制御を移す。
以下、原稿画像からのゴミパターンの除去処理について説明する。
ゴミパターンの除去処理において、ゴミパターン除去部27は、まず、前記ステップS209において求められたゴミパターンデータPiと連結パターンデータQkとの回転角度の差分を用いて、ゴミパターンデータPi内の連結パターンを連結パターンデータQk内の連結パターンと同一の角度となるように回転させる(ステップS212)。例えば、図5のゴミパターンと同一形状で左に90°(右に270°)回転された連結パターンが原稿画像の部分2値化画像データ内に検出された場合には、元のゴミパターンデータを同じく左に90°(右に270°)回転させる。
次に、ゴミパターン除去部27は、回転後のゴミパターンデータと連結パターンデータQkとの間で基準点同士を重ね合わせて排他的論理和データを生成する(ステップS213)。図9は、図5のゴミパターンと同一形状で左に90°(右に270°)回転された連結パターンが原稿画像の部分2値化画像データ内に検出され、元のゴミパターンデータを同じく左に90°(右に270°)回転させて基準点同士を重ね合わせた例を示しており、実線が検出された連結パターン、破線が元のゴミパターンの回転後のパターンを表している。そして、図10(a)、(b)は、それぞれ図9(a)、(b)に示した2つのパターンの排他的論理和を取った結果であり、両者の差分が黒く塗りつぶされている。
次に、ゴミパターン除去部27は、図10に例示した差分の像の太さが一定の範囲内に収まっているか否かをチェックすることによって、検出された連結パターンが除去可能か否かを判定する(ステップS214)。差分の像の太さによって連結パターンが除去可能か否かを判定するのは、図10(b)の例のように差分が大きいときには2つのパターンが不一致であるか、ゴミの像以外の有効画素が連結パターンに含まれている可能性が高いからである。
そして、ゴミパターン除去部27は、検出された連結パターンが除去可能でないと判定した場合には(ステップ214でNo)、ステップS211へ分岐して、ゴミパターン探索部26に制御を戻し、次の領域の探索を行う。
一方、検出された連結パターンが図10(a)の例のように差分が少なく除去可能と判定したときには(ステップ214でYes)、ゴミパターン除去部27は、ステップ215において、検出された連結パターンに該当する元の原稿画像データD3内の画素の画素値を、周辺領域の画素に基づいて計算される画素値に置換する補正を行うことにより、該当する連結パターンの像を削除する。
前記補正の方法としては、連結パターンに隣接する領域の画素の階調値を用いる方法、連結パターンの周辺画素の平均階調値を用いる方法、連結パターンの周辺画素の中間階調値を用いる方法、及び連結パターンの周辺画素の階調値に基づいて線形補間する方法のいずれでもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る画像読取装置によれば、プリスキャン時と同じ位置と角度で現れる汚れの像に加えて、出現する位置や角度が変動する浮遊ゴミの像をも読取画像から除去できるので、読取画像の品質を向上させることができる。
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態に係る画像読取装置100aの機器構成は、図1に示した第1実施形態と同様であるため図面並びに説明を省略する。以下、第1実施形態との違いを中心に説明する。
図11は、第2実施形態に係る画像読取装置100aの機能構成例を示す機能ブロック図である。図11に示すように、画像読取装置100aは、図2に示した第1実施形態の画像読取装置100のゴミパターン除去部27を、ゴミパターン希薄化部28に変更したものである。その他の構成要素については、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ゴミパターン希薄化部28は、図7に示した前記した第1実施形態のゴミパターン検出及び除去処理のステップS212〜S215において実行されるゴミパターンの除去処理に代わって、ゴミパターンの希薄化処理を実行するものであり、図7のその他の処理及び図4に示したゴミパターン登録処理は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ゴミパターン希薄化部28は、図7のステップS210において、登録されたゴミパターンデータPiと一致する連結パターンデータQkが検出されたときに起動され、元の原稿画像データD3の中の連結パターンデータQkに該当する画素に対して所定のフィルタリング処理を施すことによって、検出されたゴミの像を希薄化する。
図12は、フィルタリング処理の1例である平均値フィルタ処理の原理を示した図である。平均値フィルタ処理では、注目画素P5の画素データ値を、そのすべての隣接画素を含むP1〜P9の9画素の画素データの平均値に置換する。すなわち、図12に示すように画素に1/9ずつの重みを掛けて足し合わせることによって、注目画素の置換後の画素データ値P5nが求められる。この平均値フィルタ処理によれば、ゴミの像の輪郭部分を希薄化することができる。
図13は、フィルタリング処理の他の例であるメディアンフィルタ処理の原理を示した図である。メディアンフィルタ処理は、注目画素P5の画素データ値を、そのすべての隣接画素を含むP1〜P9の9画素の画素データの中間値に置換する処理である。すなわち、図13の(b)に示すように各画素をデータ値の順に並べて番号を付したときの、5番目の画素のデータ値(この例ではP3)を、注目画素の置換後の画素データ値P5nとする。このメディアンフィルタ処理によれば、平均値フィルタに比べて有効画素の情報の損失が小さく、かつ、ゴミの像をやや縮小することができる。
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態として、本発明の画像読取装置を備えた画像形成装置の例を説明する。
図14は、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置である複写装置300の例を示す外観図である。
複写装置300は、上部に読取部301を備え、下部に画像印刷部302を備える。読取部301は、前記した第1実施形態もしくは第2実施形態装置の画像読取装置100もしくは100aと同等の構成及び機能を有しており、読み取られた原稿画像の中から浮遊ゴミを含むゴミや汚れの像を除去もしくは希薄化した画像データを生成し、画像印刷部302に引き渡す。画像印刷部302は、読取部301から引き渡された画像データをコピー用紙等の媒体に印刷する。なお、画像印刷部302は、インクジェット方式であっても電子写真方式であってもよい。
本実施形態の複写装置によれば、読取部の原稿台に汚れやゴミが付着したり、原稿台と原稿との間に浮遊ゴミが入り込んでいた場合にも、それらの像を除去もしくは希薄化して複写物を生成することができる。
本発明は、原稿を読み取る画像読取部を有するスキャナ装置、複写機、ファクシミリ、複合機等に適用可能である。また、本発明の実施形態においては、多階調画像(モノクロ画像)を読み取る例について説明したが、カラー画像についても画像データを一旦モノクロ化した後に同様の処理を行うことにより、容易に実施可能である。
11 本体
12 原稿カバー
13 プラテンガラス(原稿台)
14 原稿検出センサ
15 読取ヘッド
16 画像読取センサ
17 背面シート
21 制御部
22 記憶部
23 外部出力I/F
24 画像形成部
25 ゴミパターン登録部
26 ゴミパターン探索部
27 ゴミパターン除去部
28 ゴミパターン希薄化部
100,100a 画像読取装置
200 画像形成装置
300 複写装置
301 読取部
302 画像印刷部

Claims (7)

  1. 原稿台上に載置された原稿の画像を前記原稿台の下から読み取って前記原稿の画像データを生成する画像読取装置において、
    原稿が載置されていないときに、前記原稿台の背景画像を読み取り、その画像に含まれるゴミパターンを検出して記憶部に登録するゴミパターン登録部と、
    前記原稿を読み取った原稿画像に含まれる連結パターンであって前記ゴミパターンに近似したものを、位置及び角度の変動も含めて探索するゴミパターン探索部と、
    前記ゴミパターン探索部によって探索された前記連結パターンを構成する各画素を、前記連結パターンの周辺画素に近似した画素にそれぞれ置換するゴミパターン除去部と
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記ゴミパターン登録部は、前記ゴミパターンの形状を識別するためのゴミパターン識別情報を生成して前記記憶部に登録し、
    前記ゴミパターン探索部は、前記原稿画像に含まれる前記連結パターンであって前記ゴミパターン識別情報に一致するものを、一般化ハフ変換によるパターンマッチングによって探索する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記ゴミパターン除去部は、前記ゴミパターン探索部によって探索された前記連結パターンにゴミの像以外の他の有効画素が含まれていないと判定した場合に、前記画素の置換を行う
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 原稿台上に載置された原稿の画像を前記原稿台の下から読み取って前記原稿の画像データを生成する画像読取装置において、
    原稿が載置されていないときに、前記原稿台の背景画像を読み取り、その画像に含まれるゴミパターンを検出して記憶部に登録するゴミパターン登録部と、
    前記原稿を読み取った原稿画像に含まれる連結パターンであって前記ゴミパターンに近似したものを、位置及び角度の変動も含めて探索するゴミパターン探索部と、
    前記ゴミパターン探索部によって探索された前記連結パターンを構成する各画素に対して所定のフィルタリング処理を行うゴミパターン希薄化部と
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  5. 前記ゴミパターン登録部は、前記ゴミパターンの形状を識別するためのゴミパターン識別情報を生成して前記記憶部に登録し、
    前記ゴミパターン探索部は、前記原稿画像に含まれる前記連結パターンであって前記ゴミパターン識別情報に一致するものを、一般化ハフ変換によるパターンマッチングによって探索する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
  6. 前記所定のフィルタリング処理は、平均値フィルタ処理又はメディアンフィルタ処理である
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の画像読取装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の画像読取装置を備えた画像形成装置。
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