JP2010161450A - 赤外線照射式撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低照度下の被写体を良好なホワイトバランスを施した撮像する赤外線照射式撮像装置を提供する。
【解決手段】赤外線混合撮像条件で撮像を行う場合に、可視光撮像条件によって撮像した可視光撮像信号に対してホワイトバランス処理を施してホワイトバランス撮像信号を生成する。また、赤外線混合撮像信号を可視光演算撮像信号と赤外線演算撮像信号とに分離し、ホワイトバランス撮像信号を色毎にxy平面積分したときの各色の積分値の比である色毎積分比とホワイトバランス撮像信号の黒レベルのxy座標とに基づいて、可視光演算撮像信号の色バランスを整合して、色整合撮像信号を生成し、色整合撮像信号に赤外線演算撮像信号を合成してカラー画像信号を生成する。
【選択図】図1
【解決手段】赤外線混合撮像条件で撮像を行う場合に、可視光撮像条件によって撮像した可視光撮像信号に対してホワイトバランス処理を施してホワイトバランス撮像信号を生成する。また、赤外線混合撮像信号を可視光演算撮像信号と赤外線演算撮像信号とに分離し、ホワイトバランス撮像信号を色毎にxy平面積分したときの各色の積分値の比である色毎積分比とホワイトバランス撮像信号の黒レベルのxy座標とに基づいて、可視光演算撮像信号の色バランスを整合して、色整合撮像信号を生成し、色整合撮像信号に赤外線演算撮像信号を合成してカラー画像信号を生成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、赤外線を照射することで低照度下の被写体の撮像を可能にする赤外線照射式撮像装置に関する。
CCDやMOS型センサ等の撮像素子(イメージセンサ)の分光感度特性は、人間の目と異なり、可視光成分だけでなく赤外線成分に対しても感度を有しているため、デジタルスチルカメラ、ムービーカメラ、医療用カメラ等の撮像装置では、この撮像素子の前面に赤外線カットフィルタを配置して可視光のみを受光するようにしている。
このような撮像装置では、赤外線カットフィルタを外して赤外線成分も受光するようにすれば、撮像素子に入射する光量が増大し、低照度下においても被写体を明るく撮像することが可能となる。しかしながら、赤外線の波長は人間の目で感知できない波長領域にあって、赤外線には本来の色情報がないので、赤外線成分を含んだ撮像画像はホワイトバランスが著しく劣化してしまう。そのために、通常の赤外線照射式撮像装置では、赤外線成分を含んだ撮像信号は輝度信号として扱われて、モノクロ画像が生成される。
近年、このような撮像装置を用いて、モノクロ画像ではなく実際の見た目に近いカラー画像を生成できるようにすることが市場から要求されている。
特許文献1には、赤外線カットフィルタが外部位置に配置されている場合には(ナイトショット撮影時には)、赤外成分を考慮した黒体カーブデータLBが読み出されて黒体カーブ制御が行われる。或いは、映像信号R,G,Bの比が1になるようにグレーワールド制御が行われる。これにより、撮影状況に応じて、最適なホワイトバランス制御が行われるとの記載がある。
特開2005−130317公報
しかしながら、特許文献1に記載の撮像装置および方法は、赤外線を照射しない可視光撮像条件下に於いて、彩度、色相の不明である暗い被写体を含めてホワイトバランス制御を行う。したがって、赤外線照射時に明るく非照射時に暗いような被写体を含む赤外線ライトアップ撮像では、ホワイトバランスが上手く取れないという技術的課題があった。
本発明は、これらの技術的課題に鑑みてなされたものであって、赤外線を照射することで低照度下の被写体の撮像を可能にする赤外線照射式撮像装置において、赤外線照射時に明るく非照射時に暗いような被写体を含む赤外線ライトアップ撮像であっても、良好なホワイトバランスが得られるようにすることを目的とする。
赤外線照射式撮像装置において、被写体に赤外線を照射する赤外線照射部と、被写体を結像して光学像を生成する光学系と、可視光を透過し赤外線を遮断するフィルタ特性を有し、光学系の光路上の位置である遮断位置と光路上から外れた位置である退避位置とを移動可能に構成される赤外線カットフィルタと、光学像を光電変換して撮像信号を生成する撮像部と、赤外線カットフィルタを遮断位置に配置し、かつ、赤外線照射部から被写体に赤外線を照射しない可視光撮像条件で撮像させることで可視光撮像信号を生成させ、また、赤外線カットフィルタを退避位置に配置し、かつ、赤外線照射部から被写体に赤外線を照射する赤外線混合撮像条件で撮像させることで赤外線混合撮像信号を生成させる撮像条件制御部と、可視光撮像信号に対してホワイトバランス処理を施してホワイトバランス撮像信号を生成するホワイトバランス処理部と、赤外線混合撮像信号を、可視光撮像信号と赤外線混合撮像信号との比率、及び/または、差分に基づいて、可視光成分である可視光演算撮像信号と赤外線成分である赤外線演算撮像信号に分離する分離部と、ホワイトバランス撮像信号に基づき可視光演算撮像信号の色バランスを整合させ、色整合撮像信号を生成する色バランス整合部と、色整合撮像信号と赤外線演算撮像信号とを合成して画像処理を施し、カラー画像信号を生成する画像処理部と、を備え、色バランス整合部は、ホワイトバランス撮像信号を色毎に積分したときの各色の積分値の比である色毎積分比を算出し、ホワイトバランス撮像信号の中から所定の信号レベル以下である低レベル座標群を抽出し、色毎積分比に基づいて可視光演算撮像信号の色バランスを整合させる際に、低レベル座標群を除外して整合させる。
本発明によれば、低照度下の被写体に対して赤外線を照射して撮像する場合に於いて、赤外線照射時に明るく非照射時に暗いような被写体を含む赤外線ライトアップ撮像であっても、良好なホワイトバランスが得られる効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態による装置の構成を示すブロック図である。
図1に於いて、この装置は、赤外線発光ダイオード(赤外線照射部)1と、レンズ(光学系)2と、赤外線カットフィルタ3と、イメージセンサ(撮像部)4と、撮像条件制御部5と、ホワイトバランス処理部6と、分離部7と、色バランス整合部8と、画像処理部9と、より構成されている。
赤外線発光ダイオード1は、被写体10に赤外線を照射するものである。レンズ2は、被写体10を結像して光学像を生成するものである。赤外線カットフィルタ3は、可視光を透過し赤外線を遮断するフィルタ特性を有し、レンズ2の光路上の位置である遮断位置と光路上から外れた位置である退避位置とを移動可能に構成されるものである。イメージセンサ4は、光学像を光電変換して撮像信号を生成するものである。
撮像条件制御部5は、赤外線カットフィルタ3を遮断位置に配置し、かつ、赤外線発光ダイオード1から被写体10に赤外線を照射しない可視光撮像条件でイメージセンサ4により被写体10を撮像することで可視光撮像信号RGBxyを生成し、また、赤外線カットフィルタ3を退避位置に配置し、かつ、赤外線発光ダイオード1から被写体10に赤外線を照射する赤外線混合撮像条件でイメージセンサ4により被写体10を撮像することで、可視光成分と赤外線成分の両方を含む赤外線混合撮像信号RGBIxyを生成するものである。
ホワイトバランス処理部6は、可視光撮像信号RGBxyに対してホワイトバランス処理を施してホワイトバランス撮像信号wRGBxyを生成するものである。
分離部7は、この赤外線混合撮像信号RGBIxyを、可視光撮像信号RGBxyと赤外線混合撮像信号RGBIxyとの比率、及び/または、差分に基づいて、可視光成分である可視光演算撮像信号[RGBxy]と赤外線成分である赤外線演算撮像信号[Ixy]に分離するものである。
この演算分離の具体的な例について説明する。
先ず、可視光撮像信号RGBxyについて、
RGBxy=(R,G,B)xy
とRGB各色毎に分解してからRGB各色毎に積分すれば、
(ΣR,ΣG,ΣB)
=(∬(Rxy)dxdy,∬(Gxy)dxdy,∬(Bxy)dxdy)
である。
RGBxy=(R,G,B)xy
とRGB各色毎に分解してからRGB各色毎に積分すれば、
(ΣR,ΣG,ΣB)
=(∬(Rxy)dxdy,∬(Gxy)dxdy,∬(Bxy)dxdy)
である。
また、赤外線混合撮像信号RGBIxyについて、
Ixy=(rI,gI,bI)xy
であるので、
RGBIxy
=((R+rI),(G+gI),(B+bI))xy
とRGB各色毎に分解してからRGB各色毎に積分すれば、
(Σ(R+rI),Σ(G+gI),Σ(B+bI))
=(∬((R+rI)xy)dxdy,∬((G+gI)xy)dxdy,∬((B+bI)xy)dxdy)
である。
Ixy=(rI,gI,bI)xy
であるので、
RGBIxy
=((R+rI),(G+gI),(B+bI))xy
とRGB各色毎に分解してからRGB各色毎に積分すれば、
(Σ(R+rI),Σ(G+gI),Σ(B+bI))
=(∬((R+rI)xy)dxdy,∬((G+gI)xy)dxdy,∬((B+bI)xy)dxdy)
である。
ここで、赤外線混合撮像信号RGBIxyのR色、(R+rI)xyについて、可視光演算撮像信号[Rxy]と、赤外線演算撮像信号[rIxy]とに比率で分離する方法を示せば、
[Rxy]=(R+rI)xy*ΣR/Σ(R+rI)
[rIxy]=(R+rI)xy−[Rxy]
である。
[Rxy]=(R+rI)xy*ΣR/Σ(R+rI)
[rIxy]=(R+rI)xy−[Rxy]
である。
G色、及び、B色についてもR色と同様にして、
[Gxy]=(G+gI)xy*ΣG/Σ(G+gI)
[gIxy]=(G+gI)xy−[Gxy]
[Bxy]=(B+bI)xy*ΣB/Σ(B+bI)
[bIxy]=(B+bI)xy−[Bxy]
である。
[Gxy]=(G+gI)xy*ΣG/Σ(G+gI)
[gIxy]=(G+gI)xy−[Gxy]
[Bxy]=(B+bI)xy*ΣB/Σ(B+bI)
[bIxy]=(B+bI)xy−[Bxy]
である。
このようにして、
RGBIxy
=[RGBxy]+[(rI,gI,bI)xy]
=[RGBxy]+[Ixy]
というように比率による演算分離が為される。
RGBIxy
=[RGBxy]+[(rI,gI,bI)xy]
=[RGBxy]+[Ixy]
というように比率による演算分離が為される。
或いは、赤外線混合撮像信号RGBIxyのR色、(R+rI)xyについて、可視光演算撮像信号[Rxy]と、赤外線演算撮像信号[rIxy]とに差分で分離する方法を示せば、
[Rxy]=(R+rI)xy−rIxy
[rIxy]=(R+rI)xy−[Rxy]
である。ここで、rIxy信号は、可視光撮像信号RGBxy、及び、赤外線混合撮像信号RGBIxyの差分に基づいて抽出されるxy信号である。
[Rxy]=(R+rI)xy−rIxy
[rIxy]=(R+rI)xy−[Rxy]
である。ここで、rIxy信号は、可視光撮像信号RGBxy、及び、赤外線混合撮像信号RGBIxyの差分に基づいて抽出されるxy信号である。
G色、及び、B色についても同様にして、
[Gxy]=(G+gI)xy−gIxy
[gIxy]=(G+gI)xy−[Gxy]
[Bxy]=(B+bI)xy−bIxy
[bIxy]=(B+rI)xy−[Bxy]
である。
[Gxy]=(G+gI)xy−gIxy
[gIxy]=(G+gI)xy−[Gxy]
[Bxy]=(B+bI)xy−bIxy
[bIxy]=(B+rI)xy−[Bxy]
である。
このようにして、差分による演算分離であっても、
RGBIxy
=[RGBxy]+[(rI,gI,bI)xy]
=[RGBxy]+[Ixy]
と演算することが可能である。
RGBIxy
=[RGBxy]+[(rI,gI,bI)xy]
=[RGBxy]+[Ixy]
と演算することが可能である。
色バランス整合部8は、ホワイトバランス撮像信号wRGBxyに基づき可視光演算撮像信号[RGBxy]の色バランス(ΣwR:ΣwG:ΣwB)を整合させ、色整合撮像
信号c[RGBxy]を生成するものである。
信号c[RGBxy]を生成するものである。
この色バランス整合部8は、可視光演算撮像信号[RGBxy]を構成する各色の信号[Rxy]、[Gxy]、[Bxy]をxy平面積分した値Σ[R]、Σ[G]、Σ[B
]を、それぞれ次式により算出する。
Σ[R]=∬[Rxy]dxdy
Σ[G]=∬[Gxy]dxdy
Σ[B]=∬[Bxy]dxdy
]を、それぞれ次式により算出する。
Σ[R]=∬[Rxy]dxdy
Σ[G]=∬[Gxy]dxdy
Σ[B]=∬[Bxy]dxdy
同様に、ホワイトバランス撮像信号wRGBxyを構成する各色の信号wRxy、wGxy、wBxyをxy平面積分した値ΣwR、ΣwG、ΣwBを、それぞれ次式により算
出し、ホワイトバランス撮像信号wRGBxyの各色の信号の積分値の比(ΣwR:Σw
G:ΣwB、以下、色毎積分比という。)を算出する。
ΣwR=∬(wRxy)dxdy
ΣwG=∬(wGxy)dxdy
ΣwB=∬(wBxy)dxdy
出し、ホワイトバランス撮像信号wRGBxyの各色の信号の積分値の比(ΣwR:Σw
G:ΣwB、以下、色毎積分比という。)を算出する。
ΣwR=∬(wRxy)dxdy
ΣwG=∬(wGxy)dxdy
ΣwB=∬(wBxy)dxdy
そして、色バランス整合部8は、次の関係式、
Kr×Σ[R]:Kg×Σ[G]:Kb×Σ[B]=ΣwR:ΣwG:ΣwB
を満たす色バランス係数Kr、Kg、Kbを算出する。
Kr×Σ[R]:Kg×Σ[G]:Kb×Σ[B]=ΣwR:ΣwG:ΣwB
を満たす色バランス係数Kr、Kg、Kbを算出する。
色バランス整合部8は、算出した色バランス係数Kr、Kg、Kbに基づき、色バランス整合後の可視光演算撮像信号c[RGBxy]を構成する各色の信号c[Rxy]、c[Gxy]、c[Bxy]を、それぞれ次式により算出する。
c[Rxy]=Kr×[Rxy]
c[Gxy]=Kg×[Gxy]
c[Bxy]=Kb×[Bxy]
c[Rxy]=Kr×[Rxy]
c[Gxy]=Kg×[Gxy]
c[Bxy]=Kb×[Bxy]
すなわち、色バランス整合部8は、ホワイトバランス撮像信号wRGBxyの色毎積分比(ΣwR:ΣwG:ΣwB)に基づき、可視光演算撮像信号[RGBxy]の色バラン
スを整合させ、色整合撮像信号c[RGBxy]を生成して画像処理部9に出力する。
スを整合させ、色整合撮像信号c[RGBxy]を生成して画像処理部9に出力する。
このようにして、可視光演算撮像信号[RGBxy]の色バランス整合によって、色整合撮像信号c[RGBxy]は、ホワイトバランス撮像信号wRGBxyによるホワイトバランスが反映され、カラー画像信号に良好なホワイトバランスが得られるのである。
尚、可視光撮像条件下で低輝度レベルや、黒レベルに相当する被写体(被写体10の一部分)について、この被写体が赤外線照射によって部分的にライトアップされた場合の色バランスの整合については後述する。
画像処理部9は、色整合撮像信号c[RGBxy]に赤外線演算撮像信号[Ixy]を合成して画像処理を施し、カラー画像信号を生成するものである。
図2は、低照度下の白色被写体を可視光撮像条件にて撮像した場合のRGB各色毎の撮像信号レベル(R,G,B)の一例を示すグラフである。
図3は、低照度下の白色被写体を赤外線混合撮像条件にて撮像した場合のRGB各色毎の撮像信号レベル(R,G,B)の一例を示すグラフである。
図2、及び、図3に於いて、斜線で示されている部分は可視光成分にて光電変換された撮像信号のレベルが示されており、また、図3に於いて、白枠で示されている部分は、赤外線成分にて光電変換された撮像信号のレベルが示されている。
また、図3は、赤外線を照射して撮像することで、撮像信号のG信号レベルが最低被写体照度時のG信号レベルに至るまで改善されていることが示されている。図3に於いては、低照度下の被写体10が明るく撮像されることが示されている。
図4は、図3で示された撮像信号レベル(R,G,B)が可視光演算撮像信号レベル(R,G,B)と、赤外線演算撮像信号レベルIRと、に分離された一例を示すグラフである。
図4は、RGB毎に可視光成分について演算分離する分離部7によって、撮像信号RGBIxyが可視光演算撮像信号[RGBxy]と、赤外線演算撮像信号[Ixy]と、に分離され、そのxy平面信号の中の1画素についての一例である。
図5は、図4で示された可視光演算撮像信号レベル(R,G,B)に色バランス整合が施された一例を示すグラフである。
図5に於いて、可視光演算撮像信号レベル(R,G,B)は色バランスが整合されて、RGB各色の信号レベルが略揃った様子が示されている。これは、可視光演算撮像信号[RGBxy]は、可視光色毎比率ΣwR:ΣwG:ΣwBに基づいて色バランスが整合さ
れて、色整合撮像信号c[RGBxy]が生成されることが示されているのである。
れて、色整合撮像信号c[RGBxy]が生成されることが示されているのである。
図6(a)は、可視光撮像条件下にて被写体10に黒レベルが含まれている様子の一例を示している。図6(b)は、この黒レベルの被写体部分が赤外線照射によってライトアップされる様子の一例を示している。
しかしながら、可視光撮像条件下で黒レベルに相当する被写体部分が赤外線照射によって部分的にライトアップされた場合には、前述したような可視光色毎比率ΣwR:ΣwG
:ΣwBに基づく色バランス整合がうまくいかないことがある。何故ならば、黒レベルの
被写体には元々色情報がないので、赤外線照射によってライトアップされて明るくなったとしても、赤外線には色がないため、この黒レベルの被写体に関する色情報は発生しないからである。
:ΣwBに基づく色バランス整合がうまくいかないことがある。何故ならば、黒レベルの
被写体には元々色情報がないので、赤外線照射によってライトアップされて明るくなったとしても、赤外線には色がないため、この黒レベルの被写体に関する色情報は発生しないからである。
図7は、黒レベル被写体に赤外線照射された場合に於ける、分離部7によって誤分離される様子の一例を示すグラフである。図7で示されるように、この白枠で示された赤外線成分には可視光成分が含まれていないにも係らず、赤外線混合撮像信号RGBIxyと可視光撮像信号RGBxyとの比率、及び/または、差分によって、可視光演算撮像信号[RGBxy]と赤外線演算撮像信号[RGBIxy]とに誤分離されてしまう懸念がある。
図8は、図7で示された誤分離ラインに基づいて、可視光演算撮像信号レベル(R,G,B)と、赤外線演算撮像信号レベルIRと、に分離された一例を示すグラフである。
図8に示されるように、可視光演算撮像信号レベル(R,G,B)のRレベル、及び、Gレベルに誤分離による信号レベルがあって、可視光撮像条件下で黒レベルである被写体(本来の色が不明である被写体部分)に対して、R色、及び、G色が付いてしまっているのである。
ここで、本来ならば、この黒レベルに相当する被写体部分の可視光演算撮像信号レベル(R,G,B)は、赤外線に色がない理由から不明であるはずなのである。したがって、例えば、
(R,G,B)=(0,0,0)
といったように無彩色処理されるのが一つの解である。
(R,G,B)=(0,0,0)
といったように無彩色処理されるのが一つの解である。
そこで、色バランス整合部8では、ホワイトバランス撮像信号wRGBxyに対して黒レベルのxy座標群を取得しておき、この黒レベルxy座標群に対しては無彩色処理を施した方が良い。被写体の色が異なる色相、彩度で再現されるよりは、無彩色であった方が色再現性の劣化が目立たないからである。
また、黒レベルxy座標群を除外して得られる、非黒レベルxy座標群に対して色毎積分比による色バランスの整合が為されるべきである。したがって、図6で示された黒レベルの被写体のxy座標群に対しては、色バランス整合の適応除外領域として、
(R,G,B)=(0,0,0)
とし、黒レベルのxy座標群以外の領域に対して色バランスの整合を取るようにするのである。
(R,G,B)=(0,0,0)
とし、黒レベルのxy座標群以外の領域に対して色バランスの整合を取るようにするのである。
図9は、黒レベルxy座標群の可視光演算撮像信号レベル(R,G,B)と、赤外線演算撮像信号レベルIRと、が示された一例である。このように、可視光撮像条件下で黒レベルであったxy座標群に対しては、赤外線混合撮像条件によって黒レベル被写体が部分的に明るくライトアップされても無彩色処理が施される。
可視光撮像条件時に黒レベルであった被写体部分は、本来の色が不明であるので無彩色処理が施されても、この黒レベル被写体に関しては良好な色再現性が得られるわけではない。しかしながら、このような黒レベル被写体を除外して色バランスを整合することで、黒レベル被写体以外の被写体に関しては、良好なホワイトバランスが得られ、良好な色再現性が得られるのである。
また、仮に、画像処理部9による無彩色処理が施されなかったとしても、黒レベル被写体を除外して色バランスを整合することで、色バランス整合の性能向上に効果を有する。その理由は、色バランスを整合する際に黒レベルxy座標群による色の誤情報が除外されるからである。
尚、前述してきた黒レベルxy座標群は、低輝度信号レベル座標群と置き換えても良いし、可視光撮像条件に於ける無彩色信号レベル座標群、低彩色信号レベル座標群としても良い。また、いずれの除外座標群が選択された場合であっても、カラー画像信号の中では除外座標群は無彩色に処理されてしまうデメリットがある反面、色バランスの整合の精度が向上するメリットがあって、どの除外座標群を選択するかは目標とする画作りによるものである。
前述してきたように、本発明の実施形態によれば、低照度下の被写体10に対して赤外線を照射して撮像する場合に於いて、赤外線照射時に明るく非照射時に暗いような被写体部分を含む赤外線ライトアップ撮像であっても、良好なホワイトバランスが得られる赤外線照射式撮像装置を提供することができる。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、黒レベルはノイズの振幅を加算した信号レベルとしても良いし、低輝度信号レベルは低輝度側のPre−KNEEの折れ点の信号レベルであっても良いし、低彩色信号レベル座標群の無彩色処理については、仮に、画像処理部9に低彩色を無彩色に変換する処理が既に備わっているのであるならば、前述した除外座標群の無彩色処理を省略することもできる。
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
1 赤外線発光ダイオード(赤外線照射部)
2 レンズ(光学系)
3 赤外線カットフィルタ
4 イメージセンサ(撮像部)
5 撮像条件制御部
6 ホワイトバランス処理部
7 分離部
8 色バランス整合部
9 画像処理部
10 被写体
2 レンズ(光学系)
3 赤外線カットフィルタ
4 イメージセンサ(撮像部)
5 撮像条件制御部
6 ホワイトバランス処理部
7 分離部
8 色バランス整合部
9 画像処理部
10 被写体
Claims (6)
- 被写体に赤外線を照射する赤外線照射部と、
前記被写体を結像して光学像を生成する光学系と、
可視光を透過し赤外線を遮断するフィルタ特性を有し、前記光学系の光路上の位置である遮断位置と前記光路上から外れた位置である退避位置とを移動可能に構成される赤外線カットフィルタと、
前記光学像を色毎に光電変換して撮像信号を生成する撮像部と、
前記赤外線カットフィルタを前記遮断位置に配置し、かつ、前記赤外線照射部から前記被写体に赤外線を照射しない可視光撮像条件で撮像させることで可視光撮像信号を生成させ、また、前記赤外線カットフィルタを前記退避位置に配置し、かつ、前記赤外線照射部から前記被写体に赤外線を照射する赤外線混合撮像条件で撮像させることで赤外線混合撮像信号を生成させる撮像条件制御部と、
前記可視光撮像信号に対してホワイトバランス処理を施してホワイトバランス撮像信号を生成するホワイトバランス処理部と、
前記赤外線混合撮像信号を、前記可視光撮像信号と前記赤外線混合撮像信号との比率、及び/または、差分に基づいて、可視光成分である可視光演算撮像信号と赤外線成分である赤外線演算撮像信号に演算分離する分離部と、
前記ホワイトバランス撮像信号に基づき前記可視光演算撮像信号の色バランスを整合させ、色整合撮像信号を生成する色バランス整合部と、
前記色整合撮像信号と前記赤外線演算撮像信号とを合成して画像処理を施し、カラー画像信号を生成する画像処理部と、
を備え、
前記色バランス整合部は、
前記ホワイトバランス撮像信号を前記色毎に積分したときの各色の積分値の比である色毎積分比を算出し、
前記ホワイトバランス撮像信号の中から所定の信号レベル以下である低レベル座標群を抽出し、
前記色毎積分比に基づいて前記可視光演算撮像信号の色バランスを整合させる際に、前記低レベル座標群を除外して整合させる
ことを特徴とする赤外線照射式撮像装置。 - 前記画像処理部は、前記低レベル座標群に位置するカラー画像信号に対して無彩色処理を施す
ことを特徴とする請求項1に記載の赤外線照射式撮像装置。 - 前記低レベル座標群は、前記ホワイトバランス撮像信号の黒レベルに相当する座標群である
ことを特徴とする請求項2に記載の赤外線照射式撮像装置。 - 前記低レベル座標群は、前記ホワイトバランス撮像信号の低輝度信号レベルに相当する座標群である
ことを特徴とする請求項2に記載の赤外線照射式撮像装置。 - 前記低レベル座標群は、前記ホワイトバランス撮像信号の無彩色信号レベルに相当する座標群である
ことを特徴とする請求項2に記載の赤外線照射式撮像装置。 - 前記低レベル座標群は、前記ホワイトバランス撮像信号の低彩色信号レベルに相当する座標群である
ことを特徴とする請求項2に記載の赤外線照射式撮像装置。
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
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Publications (1)
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-
2009
- 2009-01-06 JP JP2009000668A patent/JP2010161450A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN114161713A (zh) * | 2021-10-26 | 2022-03-11 | 深圳市纵维立方科技有限公司 | 打印头及检测方法、存储介质和三维打印机 |
CN114161713B (zh) * | 2021-10-26 | 2024-06-04 | 深圳市纵维立方科技有限公司 | 打印头及检测方法、存储介质和三维打印机 |
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