JP2010161133A - 有機光電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

有機光電変換素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フレキシブルな基板を用いた有機光電変換素子において、エネルギー変換効率に優れ、折り曲げに対する耐性といった機械強度とを両立したフレキシブルな有機光電変換素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第一の電極12と第二の電極13との間に光電変換層15と、正孔輸送層14または電子輸送層16とを含む有機光電変換素子において、光電変換層がp型半導体材料とn型半導体材料とを含み、かつ、正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が1%以上、15%以下である金属酸化物層を含み構成されることを特徴とする有機光電変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は有機光電変換素子の製造方法に関する。特にエネルギー変換効率と素子寿命に優れ、更には折り曲げに対する耐久性が向上したフレキシブル型有機光電変換素子の製造方法に関する。
有機太陽電池は塗布法で形成できることから大量生産に適した太陽電池として注目され、多くの研究機関で盛んに研究がなされている。有機太陽電池は有機ドナー材料と有機アクセプター材料を混合した、所謂、バルクヘテロジャンクション構造によって、課題だった電荷分離効率を向上させている(例えば、特許文献1)。結果としてエネルギー変換効率は5%台まで向上し、一気に実用レベルにまで発展してきた分野と言える。
上述したバルクヘテロジャンクション型の有機太陽電池は、光吸収によって形成した励起子を失活する前に効率よく電荷分離できることが特徴だが、発生したフリーキャリア(電荷)は、有機ドナー材料または有機アクセプター材料がそれぞれ相分離した形で存在するパーコレーション構造中を拡散によって移動するため、両極性のフリーキャリア同士が電極上で再結合してしまい、エネルギー変換効率の低下を起こしやすいといった課題があった。
それに対し、特許文献2において、発電層と電極間に励起子ブロック層を設けることで電極上でのキャリア再結合を抑制する技術が紹介されており、高効率化に向けて重要な知見と言える。しかしながら、バルクヘテロジャンクション型の発電層と励起子ブロック層とを積層すると、界面近傍に電気的な障壁が形成されてしまうことがあった。更に、特許文献3においては、電極とバルクヘテロジャンクション型の光活性層との間に非対称的な導電性を備えた中間層を配置することで、選択的に一方のフリーキャリアを輸送し、電極上での再結合を抑制する技術が紹介されている。しかしながら、特許文献3で実施される金属酸化物層は電荷輸送能としては優れるものの、フレキシブル基板を用いた連続製膜プロセスにおいては、金属酸化物層の折り曲げによるクラックが課題となり実用上の課題となっていた。
米国特許第5331183号明細書 米国特許第7026041号明細書 国際公開第2004/112162号パンフレット
本発明は上述したような課題を解決するために考案したものであり、その目的は、フレキシブルな基板を用いた有機光電変換素子において、従来課題であったエネルギー変換効率に優れ、折り曲げに対する耐性といった機械強度とを両立したフレキシブルな有機光電変換素子およびその製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.第一の電極と第二の電極との間に光電変換層と、正孔輸送層または電子輸送層とを含む有機光電変換素子において、光電変換層がp型半導体材料とn型半導体材料とを含み、かつ、正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が1%以上、15%以下である金属酸化物層を含み構成されることを特徴とする有機光電変換素子。
2.前記正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が、4%以上、10%以下である金属酸化物層を含み構成されることを特徴とする前記1記載の有機光電変換素子。
3.前記正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が、連続的な濃度勾配を有する構造である金属酸化物層を含み構成されることを特徴とする前記1または2に記載の有機光電変換素子。
4.前記正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が1%以上、15%以下である金属酸化物からなる層と、該元素比率が1%未満である金属酸化物からなる層との積層構造であることを特徴とする前記1に記載の有機光電変換素子。
5.第一の電極と第二の電極との間に光電変換層と、正孔輸送層または電子輸送層とを含む有機光電変換素子の製造方法において、光電変換層がp型半導体材料とn型半導体材料とを含み、且つ、正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が1%以上、15%以下である金属酸化物層からなり、該金属酸化物層が少なくとも有機金属化合物と、還元性ガスと、希ガスあるいは窒素からなる放電ガスの存在下、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、プラズマCVD法により形成されることを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
本発明の実施によって、フレキシブルな基板を用いた有機光電変換素子において、従来課題であったエネルギー変換効率と、折り曲げに対する耐性といった機械強度とを両立したフレキシブルな有機光電変換素子およびその製造方法を提供することができる。
本発明の有機光電変換素子を示す断面図である。 本発明に好ましく用いることができるプラズマ放電処理装置の一例である。 本発明に好ましく用いることができるプラズマ放電処理装置の電極構成を例示した図である。 本発明に好ましく用いることができるプラズマ放電処理装置の電極構成を例示した図である。
以下、本発明について詳述する。
本発明の有機光電変換素子は、図1で示される構成により、光が入射することで起電流が発生する有機エレクトロニクス素子である。
図1は本発明の有機光電変換素子を模式的に表した例であり、11はフレキシブルな第一の基板、11′はフレキシブルな第二の基板、12は第一の電極、13は第二の電極(対電極)、14は正孔輸送層(HTL)、15は光電変換層(BHJ)、16は電子輸送層(ETL)をそれぞれ示す。
本発明は電荷輸送部、即ち正孔輸送層または電子輸送層に関し、電荷輸送部が金属酸化物からなり、且つ、金属酸化物の金属元素に対する炭素元素の元素比率が1%以上、15%以下である金属酸化物からなることを特徴とする。本発明者らは鋭意検討の中で、金属酸化物層が炭素元素を含むことで、金属酸化物層自体の柔軟性が向上し、結果として課題であった折り曲げによるクラック発生が抑制されることを見出し本発明に至った。
金属酸化物の金属元素に対する炭素元素の元素比率は1%以上であれば、本発明の効果を得ることができ、更に4%以上であれば、折り曲げによるクラック発生が効果的に抑制できより好ましい。また15%以下であれば、電荷輸送部としての本来の機能である電荷輸送能に優れ、エネルギー変換効率とクラック抑制が両立でき好ましい。更に好ましくは4%以上10%以下である。
上記の炭素元素の元素比率を求めるには、X線光電子分光分析法を用いることが好ましい。測定手順の一例を挙げれば、X線アノードにはMgを用い、出力600W(加速電圧15kV、エミッション電流40mA)で測定する。エネルギー分解能は、清浄なAg3d5/2ピークの半値幅で規定したとき、1.5〜1.7eVとなるように設定する。測定を行う前に、汚染による影響を除くために、薄膜の膜厚の10〜20%の厚さに相当する表面層をエッチング除去することも可能である。表面層の除去には、希ガスイオンが利用できるイオン銃を用いることが好ましく、イオン種としては、He、Ne、Ar、Xe、及びKrなどが各々利用できる。
先ず、結合エネルギー0eVから1100eVの範囲を、データ取り込み間隔1.0eVで測定し、いかなる元素が検出されるかを求める。
次に、検出された、エッチングイオン種を除く全ての元素について、データの取り込み間隔を0.2eVとして、その最大強度を与える光電子ピークについてナロースキャンを行い、各元素のスペクトルを測定した。得られたスペクトルは、測定装置、或いは、コンピュータの違いによる含有率算出結果の違いを生じせしめなくするために、VAMAS−SCA−JAPAN製のCOMMON DATA PROCESSING SYSTEM(Ver.2.3以降が好ましい)上に転送した後、同ソフトで処理を行い、全元素の定量を行う。定量処理を行う前に、各元素についてCount Scaleのキャリブレーションを行い、5ポイントのスムージング処理を行う。定量処理では、バックグラウンドを除去したピークエリア強度(cps*eV)を用いた。バックグラウンド処理には、Shirleyによる方法を用いる。Shirley法については、D.A.Shirley,Phys.Rev.,B5,4709(1972)を参考にすることができる。
この定量操作により炭素含有率の値を原子数濃度(atomic concentration:at%)として求める。
本発明で用いることができる金属酸化物としては、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuから選ばれる少なくとも1種類、好ましくはモリブデン、ニッケル、珪素、ジルコニウム、チタン、タングステン、タンタル、アルミニウム、銅、亜鉛、インジウム、クロム、バナジウム、ニオブ、ガリウム及び錫のうち少なくとも1種類の元素を有する。更に好ましくは珪素、チタン、錫、亜鉛、及びインジウムのうち少なくとも1種類の元素を有することが好ましい。
正孔輸送層(HTL)としてはp型の半導体材料であれば如何なる金属酸化物でも用いることができ、例えば、酸化モリブデン、酸化ニッケル、酸化タングステン、酸化銅等の金属酸化物等を用いることができる。
電子輸送層(ETL)としてはn型の半導体材料であれば如何なる金属酸化物でも用いることができ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等の金属酸化物を用いることができる。
正孔輸送層および電子輸送層は、正孔と電子のうちどちらかの電荷を主に流す層であり、正孔と電子の移動度の差や、エネルギー準位の差による障壁によって、逆の電荷をブロックする層であることが好ましい。
さらに、本発明の電荷輸送部は、電荷を輸送する機能と、逆の電荷をブロックする機能を両立するために、2種以上の材料を混合した層でも良く、2層以上の積層構造とした電荷輸送部としても好ましい態様である。
更に本発明で好ましく適用できる形態として、炭素元素を少なくとも含む金属酸化物からなる層と、炭素元素を含まない金属酸化物との積層構造であることも好ましく、交互積層構造であることがさらに好ましい。また、金属酸化物の金属元素に対する炭素元素の元素比率が、連続的な濃度勾配を有する構造であってもよい。この場合、濃度勾配の構成としては、光電変換層側において炭素元素比率が最も高く、対極に向かって徐々に炭素元素比率が低くなっていく構成がより好ましい。
本発明の電荷輸送部の製膜方法としては、炭素元素を含む金属酸化物層であれば如何なる方法でもよく、例えば塗布法や蒸着法、スパッタ法、スプレー熱分解法、減圧プラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法などを用いる事ができる。フレキシブルな基板を用いた高い生産性を得るためには、連続プロセスに適した方法がより好ましく、中でも塗布法、スプレー熱分解法、大気圧プラズマCVD法が好ましく、連続生産性と膜質の観点から大気圧プラズマCVD法が最も好ましい。
大気圧プラズマCVD法を用いて金属酸化物層を形成する場合、層中の炭素元素比率を制御する方法としては、後述する放電(キャリア)ガスの種類、原料となる反応性ガスの濃度および流速、第1電極と第2電極に印加する周波数や電力を調整することで制御することができる。
〔プラズマ放電処理〕
以下、大気圧プラズマ法について説明する。
本発明で好ましく用いることができる大気圧プラズマCVD(以下、大気圧プラズマ法ともいう)法は、従来の真空プロセスによる薄膜形成法に対し、大気圧または大気圧近傍の圧力下で製膜することができるため、中間のチャンバーを介さずに連続的な製膜を可能とし、高い生産性を得ることができる。
大気圧プラズマ法は、大気圧または大気圧近傍の気圧下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材表面上に反応性ガスを導入して金属酸化物等の薄膜を形成する方法であり、例えば、特開平11−133205号、特開2000−185362号、特開平11−61406号、特開2000−147209号、同2000−121804号等などで紹介されている。これら公報に開示される大気圧プラズマ法は、対向する電極間に、パルス化され、周波数が0.5〜100kHzであり、かつ、電界の強さが1〜100V/cmで、放電プラズマを発生させるというものである。
本発明において、プラズマ放電処理は、大気圧もしくはその近傍の圧力下で行われるが、大気圧もしくはその近傍の圧力とは20kPa〜110kPa程度であり、本発明に記載の良好な効果を得るためには、93kPa〜104kPaが好ましい。
本発明の薄膜形成方法において、対向電極間(放電空間)に供給するガスは、少なくとも、電界により励起する放電ガスと、そのエネルギーを受け取ってプラズマ状態或いは励起状態になり薄膜を形成する薄膜形成性ガスを含んでいる。
本発明において、薄膜積層体の形成に好適な大気圧プラズマ放電処理として、特願2001−175475号等に開示されている方法を用いても構わない。該公報における大気圧プラズマ放電による薄膜形成方法の具体的な実施例では、ヘリウム或いはアルゴンのような希ガスを放電ガスとして使用し、100kHzを超え、150MHz程度迄の、好ましくは数100kHz〜100MHz程度の高周波電界をかけた薄膜形成が行われていた。このような高周波電界をかけることにより、膜が緻密で均一な薄膜が得られ、しかも薄膜形成の生産性が優れているというメリットがある。本発明においても該公報に記載の方法で良質な薄膜を得ることが可能である。供給する電力は用いる放電ガス種により大きく異なるが、特に電極間に供給する電力の下限値は、好ましくは0.01W/cm以上、上限値として、好ましくは20W/cm以下、さらに好ましくは10W/cm以下とすると良質の膜を得ることができる。なお、電極における電圧の印加面積(/cm)は、放電が起こる範囲の面積のことをさす。
プラズマを発生させるためには、キャリアガスとして、不活性ガスの雰囲気下で放電させる必要があるが、ここで不活性ガスとは、周期表の第18属元素、所謂希ガスと呼ばれる、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等や、更には窒素ガス雰囲気下で行うことが好ましく、アルゴンまたはヘリウムが特に好ましく用いられる。ただし、製造コストの削減といった観点からは窒素ガスを用いることが最も好ましい。
さらに放電ガスを希ガス以外の空気、酸素、窒素、二酸化炭素、水素等とした場合でもプラズマ放電処理を行うことが可能である。上記ガスを用いると、薄膜形成性に優れ形成した薄膜が緻密かつ均一となる上に、ガスコストが大幅に下がるメリットがあり有効である。
本発明に使用する薄膜形成性ガスとしては、例えば、有機金属化合物、ハロゲン金属化合物、金属水素化合物等を挙げることができる。
本発明に有用な有機金属化合物は下記の一般式(I)で示すものが好ましい。
一般式(I) R MR
式中、Mは金属、Rはアルキル基、Rはアルコキシ基、Rはβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基であり、金属Mの価数をmとした場合、x+y+z=mであり、x=0〜m、またはx=0〜m−1であり、y=0〜m、z=0〜mで、いずれも0または正の整数である。Rのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等を挙げることができる。Rのアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、3,3,3−トリフルオロプロポキシ基等を挙げることができる。またアルキル基の水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。Rのβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基としては、β−ジケトン錯体基として、例えば、2,4−ペンタンジオン(アセチルアセトン或いはアセトアセトンともいう)、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−2,4−ペンタンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸エステル錯体基として、例えば、アセト酢酸メチルエステル、アセト酢酸エチルエステル、アセト酢酸プロピルエステル、トリメチルアセト酢酸エチル、トリフルオロアセト酢酸メチル等を挙げることができ、β−ケトカルボン酸として、例えば、アセト酢酸、トリメチルアセト酢酸等を挙げることができ、またケトオキシとして、例えば、アセトオキシ基(またはアセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリロキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等を挙げることができる。これらの基の炭素原子数は、上記例示有機金属化合物を含んで、18以下が好ましい。また例示にもあるように直鎖または分岐のもの、また水素原子をフッ素原子に置換したものでもよい。
本発明において取り扱いの問題から、爆発の危険性の少ない有機金属化合物が好ましく、分子内に少なくとも一つ以上の酸素を有する有機金属化合物が好ましい。このようなものとしてRのアルコキシ基を少なくとも一つ含有する有機金属化合物、またRのβ−ジケトン錯体基、β−ケトカルボン酸エステル錯体基、β−ケトカルボン酸錯体基及びケトオキシ基(ケトオキシ錯体基)から選ばれる基を少なくとも一つ有する金属化合物が好ましい。
尚、具体的な有機金属化合物については後述する。
本発明において、放電空間に供給するガスには、放電ガス、薄膜形成性ガスの他に、薄膜形成の反応を促進する添加ガス、仕上がり後の組成を決定するための窒素源、酸素源となる組成調整用ガスを混合してもよい。添加ガスとしては、酸素、オゾン、過酸化水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水素、アンモニア等を挙げることができ、組成調整用ガスとしては窒素、窒素酸化物、アンモニア、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、エタン、プロパンなどを用いることができるが、添加ガスとしては酸素、一酸素化炭素及び水素、組成調整用ガスとしては窒素、二酸化炭素が好ましく、これらから選択される成分を混合させるのが好ましい。その含有量は添加ガスについては混合ガスに対して0.01〜5体積%含有させることにより、反応促進され、良質な薄膜を形成することができ、組成調整用ガスは製造条件に応じ、適宜添加することができる。
上記形成された金属酸化物層の膜厚は、0.1〜500nmの範囲が好ましく、1〜100nmが更に好ましく、5〜50nmが電荷の寿命と移動距離の観点で好ましい。さらには、透明電極から入射し、光電変換層で吸収し切れなかった光が、対極の金属電極で反射し、再度、効果的に光電変換層で吸収されるように、光学的な観点から膜厚を決定することも本発明において好ましい態様である。
本発明における放電条件は、対向する第1電極と第2電極との放電空間に、高周波電圧を印加し、該高周波電圧が、第一の周波数ω1の電圧成分と、前記第一の周波数ω1より高い第二の周波数ω2の電圧成分とを重ね合わせた成分を少なくとも有することが好ましい。
高周波とは、少なくとも0.5kHzの周波数を有するものをいう。前記高周波電圧が、第一の周波数ω1の電圧成分と、前記第一の周波数ω1より高い第二の周波数ω2の電圧成分とを重ね合わせた成分となり、その波形は周波数ω1のサイン波上に、それより高い周波数ω2のサイン波が重畳されたω1のサイン波がギザギザしたような波形となる。
本発明において、放電開始電圧とは、実際の薄膜形成方法に使用される放電空間(電極の構成など)及び反応条件(ガス条件など)において放電を起こすことのできる最低電圧のことを指す。放電開始電圧は、放電空間に供給されるガス種や電極の誘電体種などによって多少変動するが、放電ガス単独の放電開始電圧と略同一と考えてよい。
上記で述べたような高周波電圧を対向電極間(放電空間)に印加することによって、薄膜形成可能な放電を起こし、高品位な薄膜形成に必要な高密度プラズマを発生することができる。ここで重要なのは、このような高周波電圧が対向する電極それぞれに印加され、すなわち、同じ放電空間に両方から印加されることが好ましい。
上記でサイン波の重畳について説明したが、これに限られるものではなく、両方パルス波であっても、一方がサイン波でもう一方がパルス波であっても構わない。また、更に第3の電圧成分を有していてもよい。
上記本発明の高周波電圧を、対向電極間(同一放電空間)に印加する具体的な方法としては、対向電極を構成する第1電極に周波数ω1であって電圧V1である第1の高周波電圧を印加する第1電源を接続し、第2電極に周波数ω2であって電圧V2である第2の高周波電圧を印加する第2電源を接続した大気圧プラズマ放電処理装置である。
上記の大気圧プラズマ放電処理装置には、前記対向電極間に、放電ガスと薄膜形成用ガスとを供給するガス供給手段を備える。更に、電極の温度を制御する電極温度制御手段を有することが好ましい。
また、電極、第1電源またはそれらの間のいずれかには第1フィルタを、また電極、第2電源またはそれらの間のいずれかには第2フィルタを接続することが好ましく、第1フィルタは該第1電源からの周波数の電流を通過しにくくし、該第2電源からの周波数の電流を通過し易くし、また、第2フィルタはその逆で、該第2電源からの周波数の電流を通過しにくくし、該第1電源からの周波数の電流を通過し易くするというそれぞれのフィルタには機能が備わっているものを使用する。ここで、通過しにくいとは、好ましくは、電流の20%以下、より好ましくは10%以下しか通さないことをいう。逆に通過し易いとは、好ましくは電流の80%以上、より好ましくは90%以上を通すことをいう。
さらに、本発明の大気圧プラズマ放電処理装置の第1電源は、第2電源より大きな高周波電圧を印加できる能力を有していることが好ましい。
また、本発明における別の放電条件としては、対向する第1電極と第2電極との間に、高周波電圧を印加し、該高周波電圧が、第1の高周波電圧V1及び第2の高周波電圧V2を重畳したものであって、放電開始電圧をIVとしたとき、
V1≧IV>V2
または V1>IV≧V2
を満たす。更に好ましくは、
V1>IV>V2
を満たすことである。
高周波及び放電開始電圧の定義、また、上記本発明の高周波電圧を、対向電極間(同一放電空間)に印加する具体的な方法としては、上述したものと同様である。
ここで、本発明でいう高周波電圧(印加電圧)と放電開始電圧は、下記の方法で測定されたものをいう。
(高周波電圧V1及びV2(単位:kV/mm)の測定方法)
各電極部の高周波プローブ(P6015A)を設置し、該高周波プローブをオシロスコープ(Tektronix社製、TDS3012B)に接続し、電圧を測定する。
(放電開始電圧IV(単位:kV/mm)の測定方法)
電極間に放電ガスを供給し、該電極間の電圧を増大させていき、放電が始まる電圧を放電開始電圧IVと定義する。測定器は上記高周波電圧測定と同じである。
高い電圧をかけるような放電条件をとることにより、例え窒素ガスのように放電開始電圧が高い放電ガスでも、放電ガスを開始し、高密度で安定なプラズマ状態を維持でき、高性能な薄膜形成を行うことができるのである。
上記の測定により放電ガスを窒素ガスとした場合、その放電開始電圧IVは3.7kV/mm程度であり、従って、上記の関係において、第1の高周波電圧を、V1≧3.7kV/mmとして印加することによって窒素ガスを励起し、プラズマ状態にすることができる。
ここで、第1電源の周波数としては、200kHz以下の周波数が好ましく用いることができる。またこの電界波形としては、サイン波でもパルスでもよい。下限は1kHz程度が望ましい。
一方、第2電源の周波数としては、800kHz以上の周波数が好ましく用いられる。この第2電源の周波数が高い程、プラズマ密度が高くなり、緻密で良質な薄膜が得られる。上限は200MHz程度が望ましい。
このような2つの電源から高周波電圧を印加することは、第1の周波数ω1側によって高い放電開始電圧を有する放電ガスの放電を開始するのに必要であり、また第2の周波数ω2側はプラズマ密度を高くして緻密で良質な薄膜を形成するのに必要である。
本発明において、前記第1フィルタは、前記第1電源からの周波数の電流を通過しにくくし、かつ前記第2電源からの周波数の電流を通過し易くするようになっており、また前記第2フィルタは、該第2電源からの周波数の電流を通過しにくく、かつ該第1電源からの周波数の電流を通過し易くするようになっている。本発明において、かかる性質のあるフィルタであれば制限なく使用できる。
例えば、第1フィルタとしては、第2電源の周波数に応じて数10〜数万pFのコンデンサー、もしくは数μH程度のコイルを用いることができる。第2フィルタとしては、第1電源の周波数に応じて10μH以上のコイルを用い、これらのコイルまたはコンデンサーを介してアース接地することでフィルタとして使用できる。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、上述のように、対向電極の間で放電させ、該対向電極間に導入した少なくとも放電ガスと薄膜形成性ガスをプラズマ状態とし、該対向電極間に静置或いは移送される基材を該プラズマ状態のガスに晒すことによって、該基材の上に薄膜を形成させるものである。また他の方式として、大気圧プラズマ放電処理装置は、上記同様の対向電極間で放電させ、該対向電極間に導入したガスを励起しまたはプラズマ状態とし、該対向電極外にジェット状に励起またはプラズマ状態のガスを吹き出し、該対向電極の近傍にある基材(静置していても移送されていてもよい)を晒すことによって該基材の上に薄膜を形成させるジェット方式であっても本発明で好ましく用いることができる。
ジェット方式の該大気圧プラズマ放電処理装置を複数基接して直列に並べて同時に同じプラズマ状態のガスを放電させることができるので、何回も処理され高速で処理することもできる。また各装置が異なったプラズマ状態のガスをジェット噴射すれば、異なった層の積層薄膜を形成することもできる。
図2は本発明において特に有用な、対向電極間で基材を処理する方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
本発明の大気圧プラズマ放電処理装置は、少なくとも、プラズマ放電処理装置30、2つの電源を有する電圧印加手段40、ガス供給手段50、電極温度調節手段60を有している装置である。
図2は、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との対向電極間(放電空間)32で、基材Fをプラズマ放電処理して薄膜を形成するものである。
ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との間の放電空間(対向電極間)32に、ロール回転電極(第1電極)35には第1電源41から周波数ω1であって高周波電圧V1を、また角筒型固定電極群(第2電極)36には第2電源42から周波数ω2であって高周波電圧V2をかけるようになっている。
ロール回転電極(第1電極)35と第1電源41との間には、第1電源41からの電流がロール回転電極(第1電極)35に向かって流れるように第1フィルタ43が設置されており、該第1フィルタは第1電源41からの電流を通過しにくくし、第2電源42からの電流を通過し易くするように設計されている。また、角筒型固定電極群(第2電極)36と第2電源42との間には、第2電源からの電流が第2電極に向かって流れるように第2フィルタ44が設置されており、第2フィルタ44は、第2電源42からの電流を通過しにくくし、第1電源41からの電流を通過し易くするように設計されている。
尚、本発明においては、ロール回転電極35を第2電極、また角筒型固定電極群36を第1電極としてもよい。いずれにしろ第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。更に、第1電源は第2電源より大きな高周波電圧(V1>V2)を印加できる能力を有していればよい。また、周波数はω1<ω2となる能力を有していればよい。
ガス供給手段50のガス供給装置51で発生させたガスGは、流量を制御して給気口52よりプラズマ放電処理容器31内に導入する。放電空間32及びプラズマ放電処理容器31内をガスGで満たす。
基材Fを、図示されていない元巻きから巻きほぐして搬送されて来るか、または前工程から搬送されて来て、ガイドロール64を経てニップロール65で基材に同伴されて来る空気等を遮断し、ロール回転電極35に接触したまま巻き回しながら角筒型固定電極群36との間に移送し、ロール回転電極(第1電極)35と角筒型固定電極群(第2電極)36との両方から電圧をかけ、対向電極間(放電空間)32で放電プラズマを発生させる。基材Fはロール回転電極35に接触したまま巻き回されながらプラズマ状態のガスにより薄膜を形成する。基材Fは、ニップロール66、ガイドロール67を経て、図示してない巻き取り機で巻き取るか、次工程に移送する。
放電処理済みの処理排ガスG′は排気口53より排出する。薄膜形成中、ロール回転電極(第1電極)35及び角筒型固定電極群(第2電極)36を加熱または冷却するために、電極温度調節手段60で温度を調節した媒体を、送液ポンプPで配管61を経て両電極に送り、電極内側から温度を調節する。尚、65及び66はプラズマ放電処理容器31と外界とを仕切る仕切板である。
図3は、図2に示したロール回転電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
図3において、ロール電極35aは導電性の金属質母材35Aとその上に誘電体35Bが被覆されたものである。内部は中空のジャケットになっていて温度調節が行われるようになっている。
図4は、角筒型電極の導電性の金属質母材とその上に被覆されている誘電体の構造の一例を示す斜視図である。
図4において、角筒型電極36aは、導電性の金属質母材36Aに対し、図3同様の誘電体36Bの被覆を有しており、該電極の構造は金属質のパイプになっていて、それがジャケットとなり、放電中の温度調節が行えるようになっている。
尚、角筒型固定電極の数は、上記ロール電極の円周より大きな円周上に沿って複数本設置されており、該電極の放電面積はロール回転電極35に対向している全角筒型固定電極面の面積の和で表される。
図4に示した角筒型電極36aは、円筒型電極でもよいが、角筒型電極は円筒型電極に比べて、放電範囲(放電面積)を広げる効果があるので、本発明に好ましく用いられる。
図3及び4において、ロール電極35a及び角筒型電極36aは、それぞれ導電性の金属質母材35A及び36Aの上に誘電体35B及び36Bとしてのセラミックスを溶射後、無機化合物の封孔材料を用いて封孔処理したものである。セラミックス誘電体は片肉で1mm程度被覆があればよい。溶射に用いるセラミックス材としては、アルミナ・窒化珪素等が好ましく用いられるが、この中でもアルミナが加工し易いので、特に好ましく用いられる。また、誘電体層が、ガラスライニングにより無機材料を設けたライニング処理誘電体であってもよい。
導電性の金属質母材35A及び36Aとしては、チタン金属またはチタン合金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属等や、鉄とセラミックスとの複合材料またはアルミニウムとセラミックスとの複合材料を挙げることができるが、後述の理由からはチタン金属またはチタン合金が特に好ましい。
2個の電極間の距離(電極間隙)は、導電性の金属質母材に設けた誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定されるが、電極の一方に誘電体を設けた場合の誘電体表面と導電性の金属質母材表面の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設けた場合の誘電体表面同士の距離としては、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1〜20mmが好ましく、特に好ましくは0.5〜2mmである。
本発明に有用な導電性の金属質母材及び誘電体についての詳細については後述する。
プラズマ放電処理容器31はパイレックス(登録商標)ガラス製の処理容器等が好ましく用いられるが、電極との絶縁がとれれば金属製を用いることも可能である。例えば、アルミニウムまたは、ステンレススティールのフレームの内面にポリイミド樹脂等を貼りつけてもよく、該金属フレームにセラミックス溶射を行い、絶縁をとってもよい。
大気圧プラズマ放電処理装置に設置する第1電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数
A1 神鋼電機 3kHz
A2 神鋼電機 5kHz
A3 春日電機 15kHz
A4 神鋼電機 50kHz
A5 ハイデン研究所 100kHz*
A6 パール工業 200kHz
等の市販のものを挙げることができ、いずれも使用することができる。尚、*印はハイデン研究所インパルス高周波電源(連続モードで100kHz)である。
また、第2電源(高周波電源)としては、
印加電源記号 メーカー 周波数
B1 パール工業 800kHz
B2 パール工業 2MHz
B3 パール工業 13.56MHz
B4 パール工業 27MHz
B5 パール工業 150MHz
等の市販のものを挙げることができ、いずれも好ましく使用できる。
本発明においては、このような電圧を印加して、均一なグロー放電状態を保つことができる電極をプラズマ放電処理装置に採用する必要がある。
本発明において、対向する電極間に印加する電力は、第2電極に1W/cm以上の電力(出力密度)を供給し、放電ガスを励起してプラズマを発生させ、エネルギーを薄膜形成性ガスに与え薄膜を形成させる。供給する電力の上限値としては、好ましくは50W/cm以下、より好ましくは20W/cm以下である。下限値は、好ましくは1.2W/cm以上である。尚、放電面積(cm)は、電極において放電が起こる範囲の面積のことをさす。
ここで電源の印加法に関しては、連続モードと呼ばれる連続サイン波状の連続発振モードと、パルスモードと呼ばれるON/OFFを断続的に行う断続発振モードのどちらを採用してもよいが、少なくとも第2電極側は連続サイン波の方がより緻密で良質な膜が得られるので好ましい。
このような大気圧プラズマによる薄膜形成法に使用する電極は、構造的にも、性能的にも過酷な条件に耐えられるものでなければならない。このような電極としては、金属質母材上に誘電体を被覆したものであることが好ましい。
本発明に使用する誘電体被覆電極においては、様々な金属質母材と誘電体との間に特性が合うものが好ましく、その一つの特性として、金属質母材と誘電体との線熱膨張係数の差が10×10−6/℃以下となる組み合わせのものである。好ましくは8×10−6/℃以下、更に好ましくは5×10−6/℃以下、更に好ましくは2×10−6/℃以下である。尚、線熱膨張係数とは、周知の材料特有の物性値である。
線熱膨張係数の差が、この範囲にある導電性の金属質母材と誘電体との組み合わせとしては、
(1)金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がセラミックス溶射被膜
(2)金属質母材が純チタンまたはチタン合金で、誘電体がガラスライニング
(3)金属質母材がステンレススティールで、誘電体がセラミックス溶射被膜
(4)金属質母材がステンレススティールで、誘電体がガラスライニング
(5)金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がセラミックス溶射被膜
(6)金属質母材がセラミックス及び鉄の複合材料で、誘電体がガラスライニング
(7)金属質母材がセラミックス及びアルミニウムの複合材料で、誘電体がセラミックス溶射皮膜
(8)金属質母材がセラミックス及びアルミニウムの複合材料で、誘電体がガラスライニング
等がある。線熱膨張係数の差という観点では、上記(1)または(2)及び(5)〜(8)が好ましく、特に(1)が好ましい。
本発明において、金属質母材は、上記の特性からはチタンまたはチタン合金が特に有用である。金属質母材をチタンまたはチタン合金とすることにより、誘電体を上記とすることにより、使用中の電極の劣化、特にひび割れ、剥がれ、脱落等がなく、過酷な条件での長時間の使用に耐えることができる。
本発明に有用な電極の金属質母材は、チタンを70質量%以上含有するチタン合金またはチタン金属である。本発明において、チタン合金またはチタン金属中のチタンの含有量は、70質量%以上であれば、問題なく使用できるが、好ましくは80質量%以上のチタンを含有しているものが好ましい。本発明に有用なチタン合金またはチタン金属は、工業用純チタン、耐食性チタン、高力チタン等として一般に使用されているものを用いることができる。工業用純チタンとしては、TIA、TIB、TIC、TID等を挙げることができ、いずれも鉄原子、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子等を極僅か含有しているもので、チタンの含有量としては、99質量%以上を有している。耐食性チタン合金としては、T15PBを好ましく用いることができ、上記含有原子の他に鉛を含有しており、チタン含有量としては、98質量%以上である。また、チタン合金としては、鉛を除く上記の原子の他に、アルミニウムを含有し、その他バナジウムや錫を含有しているT64、T325、T525、TA3等を好ましく用いることができ、これらのチタン含有量としては、85質量%以上を含有しているものである。これらのチタン合金またはチタン金属はステンレススティール、例えばAISI316に比べて、熱膨張係数が1/2程度小さく、金属質母材としてチタン合金またはチタン金属の上に施された後述の誘電体との組み合わせがよく、高温、長時間での使用に耐えることができる。
一方、誘電体の求められる特性としては、具体的には、比誘電率が6〜45の無機化合物であることが好ましく、また、このような誘電体としては、アルミナ、窒化珪素等のセラミックス、或いは、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス等のガラスライニング材等がある。この中では、後述のセラミックスを溶射したものやガラスライニングにより設けたものが好ましい。特にアルミナを溶射して設けた誘電体が好ましい。
または、上述のような大電力に耐える仕様の一つとして、誘電体の空隙率が10体積%以下、好ましくは8体積%以下であることで、好ましくは0体積%を越えて5体積%以下である。尚、誘電体の空隙率は、BET吸着法や水銀ポロシメーターにより測定することができる。後述の実施例においては、島津製作所製の水銀ポロシメーターにより金属質母材に被覆された誘電体の破片を用い、空隙率を測定する。誘電体が、低い空隙率を有することにより、高耐久性が達成される。このような空隙を有しつつも空隙率が低い誘電体としては、後述の大気プラズマ溶射法等による高密度、高密着のセラミックス溶射被膜等を挙げることができる。更に空隙率を下げるためには、封孔処理を行うことが好ましい。
上記、大気プラズマ溶射法は、セラミックス等の微粉末、ワイヤ等をプラズマ熱源中に投入し、溶融または半溶融状態の微粒子として被覆対象の金属質母材に吹き付け、皮膜を形成させる技術である。プラズマ熱源とは、分子ガスを高温にし、原子に解離させ、更にエネルギーを与えて電子を放出させた高温のプラズマガスである。このプラズマガスの噴射速度は大きく、従来のアーク溶射やフレーム溶射に比べて、溶射材料が高速で金属質母材に衝突するため、密着強度が高く、高密度な被膜を得ることができる。詳しくは、特開2000−301655号に記載の高温被曝部材に熱遮蔽皮膜を形成する溶射方法を参照することができる。この方法により、上記のような被覆する誘電体(セラミックス溶射膜)の空隙率にすることができる。
また、大電力に耐える別の好ましい仕様としては、誘電体の厚みが0.5〜2mmであることである。この膜厚変動は、5%以下であることが望ましく、好ましくは3%以下、更に好ましくは1%以下である。
誘電体の空隙率をより低減させるためには、上記のようにセラミックス等の溶射膜に、更に、無機化合物で封孔処理を行うことが好ましい。前記無機化合物としては、金属酸化物が好ましく、この中では特に酸化珪素(SiO)を主成分として含有するものが好ましい。
封孔処理の無機化合物は、ゾルゲル反応により硬化して形成したものであることが好ましい。封孔処理の無機化合物が金属酸化物を主成分とするものである場合には、金属アルコキシド等を封孔液として前記セラミックス溶射膜上に塗布し、ゾルゲル反応により硬化する。無機化合物がシリカを主成分とするものの場合には、アルコキシシランを封孔液として用いることが好ましい。
ここでゾルゲル反応の促進には、エネルギー処理を用いることが好ましい。エネルギー処理としては、熱硬化(好ましくは200℃以下)や、紫外線照射などがある。更に封孔処理の仕方として、封孔液を希釈し、コーティングと硬化を逐次で数回繰り返すと、よりいっそう無機質化が向上し、劣化の無い緻密な電極ができる。
本発明に係る誘電体被覆電極の金属アルコキシド等を封孔液として、セラミックス溶射膜にコーティングした後、ゾルゲル反応で硬化する封孔処理を行う場合、硬化した後の金属酸化物の含有量は60モル%以上であることが好ましい。封孔液の金属アルコキシドとしてアルコキシシランを用いた場合には、硬化後のSiO(xは2以下)含有量が60モル%以上であることが好ましい。硬化後のSiO含有量は、XPSにより誘電体層の断層を分析することにより測定する。
本発明の薄膜形成方法に係る電極においては、電極の少なくとも基材と接する側のJIS B 0601で規定される表面粗さの最大高さ(Rmax)が10μm以下になるように調整することが、本発明に記載の効果を得る観点から好ましいが、更に好ましくは、表面粗さの最大値が8μm以下であり、特に好ましくは、7μm以下に調整することである。このように誘電体被覆電極の誘電体表面を研磨仕上げする等の方法により、誘電体の厚み及び電極間のギャップを一定に保つことができ、放電状態を安定化できること、更に熱収縮差や残留応力による歪やひび割れをなくし、かつ、高精度で、耐久性を大きく向上させることができる。誘電体表面の研磨仕上げは、少なくとも基材と接する側の誘電体において行われることが好ましい。更にJIS B 0601で規定される中心線平均表面粗さ(Ra)は0.5μm以下が好ましく、更に好ましくは0.1μm以下である。
本発明に使用する誘電体被覆電極において、大電力に耐える他の好ましい仕様としては、耐熱温度が100℃以上であることである。更に好ましくは120℃以上、特に好ましくは150℃以上である。また上限は500℃である。尚、耐熱温度とは、絶縁破壊が発生せず、正常に放電できる状態において耐えられる最も高い温度のことを指す。このような耐熱温度は、上記のセラミックス溶射や、泡混入量の異なる層状のガラスライニングで設けた誘電体を適用したり、下記金属質母材と誘電体の線熱膨張係数の差の範囲内の材料を適宜選択する手段を適宜組み合わせたりすることによって達成可能である。
以下、本発明に係る有機光電変換素子に関し、より詳しく説明する。
〔基板〕
図1において、基板11は、順次積層された第一の電極12、正孔輸送層14、光電変換層15、電子輸送層16、第二の電極13、および第二の基板11′を保持する部材である。尚、第二の基板11′のない光電変換素子10もある。本実施形態では、基板11側から光電変換される光が入射する場合、基板11はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。同様に、基板11′側から光電変換される光が入射する場合、基板11′はこの光電変換される光を透過させることが可能な、即ちこの光電変換すべき光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。
基板は、例えば、ガラス基板や樹脂基板等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。また、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を転写する反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
〔第一の電極〕
本発明の第一の電極は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することができる。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380〜800nmの光を透過する電極である。材料としては、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、導電性高分子を用いることができる。
〔光電変換層〕
本発明の実施において、上述の光電変換層15は光エネルギーを電気エネルギーに変換する層であって、少なくともp型半導体材料とn型半導体材料とを混合した、所謂バルクヘテロジャンクション構造であることが好ましい。
p型半導体材料は相対的に電子供与体(ドナー)として機能し、n型半導体材料は、相対的に電子受容体(アクセプター)として機能する。ここで、電子供与体及び電子受容体は、“光を吸収した際に、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)を形成する電子供与体及び電子受容体”であり、電極のように単に電子を供与あるいは受容するものではなく、光反応によって、電子を供与あるいは受容するものである。
電子受容体と電子供与体とが混合されたバルクヘテロジャンクション層の形成方法としては、蒸着法、塗布法(キャスト法、スピンコート法を含む)等を例示することができるが、本発明においては特に塗布法によって形成されることが特徴である。塗布法で形成する場合、バルクヘテロジャンクション構造を形成して光電変換効率を向上させるために、塗布後の工程において所定の温度でアニール処理され、微視的に一部結晶化させることが好ましい。
図1において、第一の基板11を介して第一の電極12から入射された光は、光電変換層15のバルクヘテロジャンクション層における電子受容体あるいは電子供与体で吸収され、電子供与体から電子受容体に電子が移動し、正孔と電子のペア(電荷分離状態)が形成される。発生した電荷は、内部電界、例えば、第一の電極12と第二の電極13の仕事関数が異なる場合では、第一の電極12と第二の電極13との電位差によって、電子は、電子受容体間を通り、また正孔は電子供与体間を通り、それぞれ異なる電極へ運ばれ、光起電流が検出される。例えば、第一の電極12の仕事関数が第二の電極13の仕事関数よりも大きい場合では、電子は第一の電極12へ、正孔は第二の電極13へ輸送される。なお、仕事関数の大小が逆転すれば、電子と正孔はこれとは逆方向に輸送され易くなる。また、第一の電極12と第二の電極13との間に電位をかけることにより、電子と正孔の輸送方向を制御することもできる。
〔n型半導体材料〕
n型半導体材料の例としては、フラーレン、オクタアザポルフィリン、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、ナフタレンテトラカルボン酸無水物、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化物を骨格として含む、高分子化合物が挙げられる。
〔p型半導体材料〕
本発明に用いられるp型半導体材料としては、種々の縮合多環芳香族化合物や共役系化合物が挙げられる。
縮合多環芳香族化合物としては、例えば、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、クリセン、ピセン、フルミネン、ピレン、ペロピレン、ペリレン、テリレン、クオテリレン、コロネン、オバレン、サーカムアントラセン、ビスアンテン、ゼスレン、ヘプタゼスレン、ピランスレン、ビオランテン、イソビオランテン、サーコビフェニル、アントラジチオフェン等の化合物、及びこれらの誘導体や前駆体が挙げられる。
共役系化合物としては、例えば、ポリチオフェン及びそのオリゴマー、ポリピロール及びそのオリゴマー、ポリアニリン、ポリフェニレン及びそのオリゴマー、ポリフェニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリチエニレンビニレン及びそのオリゴマー、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、テトラチアフルバレン化合物、キノン化合物、テトラシアノキノジメタン等のシアノ化合物、フラーレン及びこれらの誘導体あるいは混合物を挙げることができる。
また、特にポリチオフェン及びそのオリゴマーの内、チオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、等のオリゴマーを好適に用いることができる。
その他、高分子p型半導体の例としては、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリパラフェニレンスルフィド、ポリチオフェン、ポリフェニレンビニレン、ポリカルバゾール、ポリイソチアナフテン、ポリヘプタジイン、ポリキノリン、ポリアニリンなどが挙げられ、更には特開2006−36755号公報などの置換−無置換交互共重合ポリチオフェン、特開2007−51289号公報、特開2005−76030号公報、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p4112、J.Amer.Chem.Soc.,2007,p7246などの縮環チオフェン構造を有するポリマー、WO2008/000664、Adv.Mater.,2007,p4160、Macromolecules,2007,Vol.40,p1981などのチオフェン共重合体などを挙げることができる。
更にポルフィリンや銅フタロシアニン、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、等の有機分子錯体、C60、C70、C76、C78、C84等のフラーレン類、SWNT等のカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類等の色素等、更にポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系ポリマーや特開2000−260999号公報に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
〔第二の電極〕
第二の電極は導電材単独層であっても良いが、導電性を有する材料に加えて、これらを保持する樹脂を併用しても良い。第二の電極の導電材としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子の取り出し性能及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。第二の電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。
第二の電極の導電材として金属材料を用いれば第二の電極側に来た光は反射されて第一の電極側に反射され、この光が再利用可能となり、光電変換層で再度吸収され、より光電変換効率が向上し好ましい。
また、第二の電極13は、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、炭素からなるナノ粒子、ナノワイヤ、ナノ構造体であってもよく、ナノワイヤの分散物であれば、透明で導電性の高い第二の電極を塗布法により形成でき好ましい。
〔その他の素子構成〕
エネルギー変換効率の向上や、素子寿命の向上を目的に、各種中間層を素子内に有する構成としてもよい。中間層の例としては、正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔注入層、電子注入層、励起子ブロック層、UV吸収層、光反射層、波長変換層などを挙げることができる。
更に太陽光利用率(光電変換効率)の向上を目的として、図1に示す有機光電変換素子10におけるサンドイッチ構造に替わって、一対の櫛歯状電極上にそれぞれ正孔輸送層14、電子輸送層16を形成し、その上に光電変換部15を配置するといった、バックコンタクト型の有機光電変換素子が構成されてもよい。
また、光電変換素子を積層した、タンデム型の構成としてもよい。タンデム型構成の場合、基板11上に、順次、透明な第一の電極、第1正孔輸送層、第1光電変換層、第1電子輸送層を積層し、更にその上に、再結合層を積層し、第2正孔輸送層、第2光電変換層、第2電子輸送層を逐次積層し、次いで第二の電極13を積層することで、タンデム型の構成とすることができる。
ここで、第2光電変換層は、第1光電変換層の吸収スペクトルと同じスペクトルを吸収する層でもよいし、異なるスペクトルを吸収する層でもよいが、好ましくは異なるスペクトルを吸収する層である。
また、再結合層の材料としては、透明性と導電性を併せ持つ特性を有した層であることが好ましく、ITO、AZO、FTO、酸化チタン等の透明金属酸化物、Ag、Al、Au等の非常に薄い金属層、金属または金属酸化物等のナノワイヤ層、カーボンナノチューブ等を含む層、PEDOT:PSS、ポリアニリン等の導電性高分子材料等が好ましい。
〔封止〕
作製した有機光電変換素子10が環境中の酸素、水分等で劣化しないために、公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、アルミまたはガラスでできたキャップを接着剤によって接着することによって封止する手法、アルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機光電変換素子上10を接着剤で貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)を直接堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることができる。更に本発明においては、エネルギー変換効率と素子寿命向上の観点から、素子全体を二枚のバリア付き基板で封止した構成でもよく、好ましくは、水分ゲッター等を同封した構成であることが本発明においてより好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔有機光電変換素子SC−101の作製〕
バリア層付きPENフィルム基板上に、インジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(シート抵抗13Ω/□)を、通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングとを用いて10×100mm角の受光部と取り出し電極部をパターニングし第1の電極を形成した。パターン形成した第1の電極を、界面活性剤と超純水による超音波洗浄、超純水による超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行った。
この透明基板上に、導電性高分子であるBaytron P4083(スタルクヴィテック社製)を膜厚が50nmになるように塗布した後、140℃で10分間乾燥させ、10×100mm角にパターニングした正孔輸送層を製膜した。
これ以降は、基板を窒素チャンバー中に持ち込み、窒素雰囲気下で作製した。
まず、窒素雰囲気下で上記基板を140℃で10分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンにP3HT(プレクトロニクス社製:レジオレギュラーポリ−3−ヘキシルチオフェン)(Mn=52000、高分子p型半導体材料)とPCBM(フロンティアカーボン:6,6−フェニル−C61−ブチリックアシッドメチルエステル)(Mw=911、低分子n型半導体材料)を3.0質量%になるように1:1で混合した液を調製し、フィルタでろ過しながら膜厚が150nmになるように塗布を行い、室温で放置して乾燥させた。続けて、140℃で15分間加熱処理を行い、光電変換層を製膜した。
次に、脱水エタノールにTi−イソプロポキシドを0.05mol/Lになるように溶解した液を調製し、膜厚が20nmになるように塗布を行い、室温に放置して乾燥させた。続けて、取り出し電極部を拭き取りパターニングし、水蒸気量を調節した窒素チャンバーに搬送し放置して電子輸送層を製膜した。
次に、上記一連の機能層を製膜した基板を真空蒸着装置チャンバー内に移動し、10−4Pa以下にまでに真空蒸着装置内を減圧した後、15mm幅のシャドウマスクを通して(受光部は10mm幅)、蒸着速度0.01nm/秒でフッ化リチウムを0.6nm積層し、更に続けて、蒸着速度0.2nm/秒でAlメタルを80nm積層することで電極層を形成した。得られた有機光電変換素子SC−101を窒素チャンバーに移動し、バリア付きPENフィルムとUV硬化樹脂を用いて封止を行って、受光部が10×100mmサイズの有機光電変換素子SC−101を作製した。
〔有機光電変換素子SC−102の作製〕
前記SC−101の作製において、電子輸送層をTiOをターゲットにRFスパッタ製膜法で10nm堆積させ形成した以外はSC−101と同様にしてSC−102を作製した。
〔有機光電変換素子SC−103の作製〕
前記SC−101の作製と同様に光電変換層まで積層し、続けて電子輸送層を以下条件の大気圧プラズマ法を用いて形成させた以外は、SC−101の作製と同様にしてSC−103を得た。
図2に記載のようなプラズマ放電処理装置を用い、電極には平行平板型のものを用い、この電極間に光電変換層まで積層した試料をPET支持体フィルムに貼り付けて搬送した。放電ガス、薄膜形成用ガスを導入して薄膜形成を行った。
尚、電極は、以下の物を用いた。2mm厚のステンレス板に高密度、高密着性のアルミナ溶射膜を被覆し、その後、テトラメトキシシランを酢酸エチルで希釈した溶液を塗布乾燥後、紫外線照射により硬化させ封孔処理を行った。このようにして被覆した誘電体表面を研磨し、平滑にして、JIS B 0601に規定の最大表面粗さ(Rmax)が5μmとなるように加工した。このように電極を作製し、アース(接地)した。
一方、印加電極としては、中空の角型の純チタンパイプに対し、上記同様の誘電体を同条件にて被覆したものを複数作製し、対向する電極群とした。
上記で作製した電極を電極間隙を1mmとして設置し、前述の高周波電圧と放電開始電圧との関係に適した第1電源及び第2電源を選択した。第1電源電力としてはハイデン研究所PHF−6k(100kHz)を、第2電源電力としてはパール工業CF−5000−13M(13.56MHz)をそれぞれ用いた。尚、いずれもフィルタは各電極からの電流が逆流しないようなものを設置した。
《プラズマ処理条件1》
放電ガス:アルゴン99.4体積%
薄膜形成性ガス:テトライソプロポキシチタン0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:水素0.5体積%
第1電源電力:1.0W/cm
第2電源電力:3.0W/cm
電極部温度調節:80℃
積層膜厚:10nm
〔有機光電変換素子SC−104の作製〕
前記SC−103の作製において、プラズマ処理条件を下記の通り変更した以外はSC−103の作製と同様にしてSC−104を得た。
《プラズマ処理条件2》
放電電源として日本電子(株)製高周波電源JRF−10000(13.56MHz)のみを選択し、電源電力を1.5W/cmとした以外はプラズマ処理条件1と同様。
〔有機光電変換素子SC−105の作製〕
前記SC−104の作製において、プラズマ処理条件を下記の通り変更した以外はSC−104の作製と同様にしてSC−105を得た。
《プラズマ処理条件3》
電源電力を0.05W/cmとした以外はプラズマ処理条件2と同様。
〔有機光電変換素子SC−106の作製〕
前記SC−101の作製において、プラズマ処理条件を下記の通り変更した以外はSC−101と同様にしてSC−106を得た。
《プラズマ処理条件4》
放電ガス:窒素99.4体積%
薄膜形成性ガス:テトライソプロポキシチタン0.1体積%
(リンテック社製気化器にてアルゴンガスに混合して気化)
添加ガス:水素0.5体積%
とした以外はプラズマ処理条件1と同様。
〔有機光電変換素子SC−107の作製〕
前記SC−106の作製において電源電力を下記条件に変更した以外はSC−106の作製と同様にしてSC−107を得た。
《プラズマ処理条件5》
第1電源電力:0.5W/cm
第2電源電力:0.8W/cm
とした以外はプラズマ処理条件4と同様。
〔有機光電変換素子SC−108の作製〕
前記SC−104の作製において、プラズマ処理条件を変化させながら、膜厚方向に炭素元素の元素比率に濃度勾配が得られるよう下記プラズマ処理条件6の様に電子輸送層を形成した以外はSC−104の作製と同様にしてSC−108を得た。
《プラズマ処理条件6》
電源電力を初期0.05W/cmから線形に上げていき、8nm堆積したところで2.0W/cmになるように設定した。更に、電源電力を2.0W/cmに保ったまま、トータルの膜厚が10nmになるまで製膜させた。
電源電力の調整以外はプラズマ処理条件2と同様。
〔有機光電変換素子SC−109の作製〕
前記SC−101の作製において、異なるプラズマ処理条件で交互積層し、炭素元素の元素比率が異なる層を複数積層させる下記プラズマ処理条件7の様に電子輸送層を形成した以外は、前期SC−101と同様にしてSC−109を得た。
《プラズマ処理条件7》
前記のプラズマ処理条件3と同様に1nm堆積させた後、前記のプラズマ処理条件1と同様に1nm堆積。プラズマ処理条件3とプラズマ処理条件1とを繰り返し、トータルの膜厚が10nmになるまで積層させた。
《エネルギー変換特性評価》
上記方法で作製した有機光電変換素子について、ソーラーシミュレーターを用いたAM1.5Gフィルタ、100mW/cmの強度の光を照射し、マスクを受光部に重ね、I−V特性を評価し、特性値として、短絡電流密度Jsc(mA/cm)及び開放電圧Voc(V)、フィルファクターffから式1を用いてエネルギー変換効率η(%)を得て、SC−101のエネルギー変換効率を100としたとき相対値を表1に示した。
(式1) Jsc(mA/cm)×Voc(V)×ff=η(%)
《機械強度評価》
上記方法で作製した有機光電変換素子について、1インチφのプラスチック製の円柱棒を用意し、表裏を1セットとして、50セット巻きつけた前後のエネルギー変換効率η(前述の方法にて求めた)の保持率を式2に従って求め、表1に示した。
(式2)保持率(%)=巻きつけ後のη/巻きつけ前のη×100
Figure 2010161133
表1から明らかなように、本発明の有機光電変換素子では電子輸送層に炭素元素の元素比率が1%以上、15%以下に形成させることにより、従来の構成に比べ、エネルギー変換効率とフレキシブルな有機光電変換素子での機械的耐久性が大きく向上していることがわかる。
上述した実施においては、電子輸送層のみについて例示したが、これは金属酸化物を用いる正孔輸送層においても同様な効果が期待できる結果である。
10 有機光電変換素子
11、11′ 基板
12 第一の電極(透明電極)
13 第二の電極(対電極)
14 正孔輸送層(HTL)
15 光電変換層(BHJ)
16 電子輸送層(ETL)
30 プラズマ放電処理装置
31 プラズマ放電処理容器
32 放電空間
36 角筒型電極
40 電界印加手段
41 第1電源
42 第2電源
43 第1フィルタ
44 第2フィルタ
50 ガス供給手段
51 ガス発生装置
52 給気口
53 排気口
60 電極温度調節手段
64 ガイドロール
65 ニップロール
68、69 仕切板
F 基材
G′ 処理排気口
35a ロール電極
35A 金属質母材
35B 誘電体
36a 角筒型電極
36A 金属質母材
36B 誘電体

Claims (5)

  1. 第一の電極と第二の電極との間に光電変換層と、正孔輸送層または電子輸送層とを含む有機光電変換素子において、光電変換層がp型半導体材料とn型半導体材料とを含み、かつ、正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が1%以上、15%以下である金属酸化物層を含み構成されることを特徴とする有機光電変換素子。
  2. 前記正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が、4%以上、10%以下である金属酸化物層を含み構成されることを特徴とする請求項1記載の有機光電変換素子。
  3. 前記正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が、連続的な濃度勾配を有する構造である金属酸化物層を含み構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の有機光電変換素子。
  4. 前記正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が1%以上、15%以下である金属酸化物からなる層と、該元素比率が1%未満である金属酸化物からなる層との積層構造であることを特徴とする請求項1に記載の有機光電変換素子。
  5. 第一の電極と第二の電極との間に光電変換層と、正孔輸送層または電子輸送層とを含む有機光電変換素子の製造方法において、光電変換層がp型半導体材料とn型半導体材料とを含み、且つ、正孔輸送層または電子輸送層が、金属元素に対する炭素元素の元素比率が1%以上、15%以下である金属酸化物層からなり、該金属酸化物層が少なくとも有機金属化合物と、還元性ガスと、希ガスあるいは窒素からなる放電ガスの存在下、大気圧または大気圧近傍の圧力下において、プラズマCVD法により形成されることを特徴とする有機光電変換素子の製造方法。
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