JP2010160417A - 感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造法 - Google Patents

感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】 テント強度に優れ、また、十分な光感度、解像度、密着性、及び剥離特性を有する感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造法を提供する。
【解決手段】 (A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤、を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(B)成分が、(B1)下記一般式(I)で表される化合物と、(B2)分子内に2つのエチレン性不飽和基、並びに、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を有する化合物と、を含有する感光性樹脂組成物。
【化1】
Figure 2010160417

(一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造法に関する。
従来、プリント配線板の製造分野において、エッチング及びめっき等に用いられるレジスト材料としては、感光性樹脂組成物や、支持体上に予め感光性樹脂組成物層を形成し保護フィルムを貼り合わせた感光性エレメントが広く用いられている。
プリント配線板は、一般的に化学又は物理研磨を行った銅箔付基板上に感光性エレメントをラミネートして、パターン露光した後、未露光部分を現像液で除去してレジストパターンを形成し、エッチングまたはめっき処理を施して回路パターンを形成させた後、硬化レジストを基板上から剥離除去する方法によって製造されている。
プリント配線板を製造するための感光性樹脂組成物又は感光性エレメントには、感度、解像性及び密着性等の感光特性の他、現像時間や剥離時間の短縮といった作業効率の向上が求められる。
また、プリント配線板には、内層及び外層回路間との電気接続のため貫通穴(スルーホール)が形成されているものがある。この場合、上記現像、エッチング又はめっき工程において処理液の侵食から貫通穴を保護するレジストとして、感光性樹脂組成物の硬化膜を使用するテンティング法と呼ばれる方法が用いられる。感光性樹脂組成物の硬化膜強度及び柔軟性が不十分であると、前述の工程においてレジストの破れ(テント破れ)が発生し、エッチング液やめっき液のしみ込みによる断線、短絡等の不具合が発生する。
このような不具合を減少させるため、膜強度(テント強度)及び柔軟性に優れる感光性樹脂組成物が求められている。このような感光性樹脂組成物としては、光重合性モノマーとしてベンゼン環を有する単官能モノマー及び二官能モノマーを併用することにより、硬化膜の柔軟性、剥離性及び耐めっき性を向上させた感光性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、光重合可能なエチレングリコール鎖及びプロピレングリコール鎖を有する不飽和化合物と、プロピレングリコール鎖及びウレタン結合を有する不飽和化合物とを用いることで、膜強度及び柔軟性を向上させた感光性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3267703号公報 特許第3252081号公報
しかしながら、特許文献1に記載の感光性樹脂組成物を用いた場合、剥離性は向上するものの硬化膜の膜強度及び柔軟性が十分ではなく、現像工程におけるテント破れが発生するという問題があった。
また、特許文献2に記載の感光性樹脂組成物を用いた場合、膜強度及び柔軟性は向上するものの、解像性が不十分であり、さらには剥離時間が長くなり作業効率が低下するという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、テント強度に優れ、また、十分な光感度、解像度、密着性、及び剥離特性を有する感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法及びプリント配線板の製造法を提供する。
本発明は、[1](A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び(C)光重合開始剤、を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(B)成分が、(B1)下記一般式(I)で表される化合物と、(B2)分子内に2つのエチレン性不飽和基、並びに、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を有する化合物と、を含有する感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 2010160417
(一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
また、本発明は、[2]前記(B2)成分が、下記一般式(II)又は下記一般式(III)で表される化合物を含む上記[1]に記載の感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 2010160417
(一般式(II)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Xは−(CO)−で表される基、−(CO)−で表される基、−(CO)−(CO)−で表される基、−(CO)−(CO)−(CO)−で表される基、又は−(CO)−(CO)−(CO)−で表される基を示す。ここで、分子内に含まれるオキシエチレン基の繰り返し総数;a、c、f及びh+kはそれぞれ独立に1〜30の整数であり、オキシプロピレン基の繰り返し総数;b、d、e+g及びjはそれぞれ独立に1〜30の整数である。)
Figure 2010160417
(一般式(III)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、X及びXはそれぞれ独立に前記Xと同義であり、Yは炭素数1〜20の2価の基を示す。)
また、本発明は、[3]前記Yが下記一般式(IV)で表される2価の基である上記[2]記載の感光性樹脂組成物を提供する。
Figure 2010160417
(一般式(IV)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。)
また、本発明は、[4]前記(A)バインダーポリマーが、少なくとも(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重合成分として含む上記[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、[5]前記(A)バインダーポリマーの重量平均分子量が、5000〜150000である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、[6]前記(C)光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む上記[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を提供する。
また、本発明は、[7]支持体と、該支持体上に形成された上記[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメントを提供する。
また、本発明は、[8]上記[7]記載の感光性エレメントを、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層する積層工程と、前記感光性樹脂組成物層に活性光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させる露光工程と、前記露光部以外の未露光部を現像により除去する現像工程と、を備えるレジストパターンの形成方法を提供する。
また、本発明は、[9]上記[8]記載のレジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチングまたはめっきするプリント配線板の製造法を提供する。
本発明によれば、テント強度に優れ、また、十分な光感度、解像度、密着性、及び剥離特性を有する感光性樹脂組成物、並びにこれを用いた感光性エレメント、レジストパターンの形成方法又はプリント配線板の製造法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明における(メタ)アクリル酸とはアクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとはアクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味し、(メタ)アクリロイル基とはアクリロイル基及びそれに対応するメタクリロイル基を意味する。
本発明の感光性樹脂組成物は、(A)バインダーポリマー、(B)分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物であって、(B1)上記一般式(I)で表される化合物と、(B2)分子内に2つのエチレン性不飽和基、並びに、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を有する化合物とを含有する光重合性化合物、(C)光重合開始剤、を含有する。以下、(A)〜(C)成分につき、詳細に説明する。
本発明の(A)バインダーポリマーは、例えば、重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記重合性単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エトキシスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチレン等の重合可能なスチレン誘導体、アクリルアミド、アクリロニトリル、ビニル−n−ブチルエーテル等のビニルアルコールのエステル類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、α−ブロモ(メタ)アクリル酸、α−クロル(メタ)アクリル酸、β−フリル(メタ)アクリル酸、β−スチリル(メタ)アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノイソプロピル等のマレイン酸モノエステル、フマール酸、ケイ皮酸、α−シアノケイ皮酸、イタコン酸、クロトン酸、プロピオール酸等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、一般式(V)で表される化合物、これらの化合物のアルキル基に水酸基、エポキシ基、ハロゲン基等が置換した化合物などが挙げられる。
Figure 2010160417
上記一般式(V)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜12のアルキル基を示す。Rで示される炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基及びこれらの構造異性体が挙げられる。
上記一般式(V)で表される単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の(A)バインダーポリマーは、アルカリ現像性の見地から、カルボキシル基を含有させることが好ましく、例えば、カルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体をラジカル重合させることにより製造することができる。上記カルボキシル基を有する重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸が好ましい。その他の重合性単量体としては、上記一般式(V)で表される(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。
また、前記(A)バインダーポリマーは、密着性及び剥離特性の見地からスチレン又はスチレン誘導体を重合性単量体として含有することが好ましい。
上記スチレン又はスチレン誘導体を共重合成分として含む場合、密着性及び剥離特性を共に良好にする観点から、その含有割合は、(A)成分及び(B)成分の固形分総量に対して2〜40質量%含むことが好ましく、5〜35質量%含むことがより好ましく、10〜30質量%含むことが特に好ましい。この含有量が2質量%未満では密着性が劣る傾向があり、40質量%を超えると剥離片が大きくなり、剥離時間が長くなる傾向がある。
(A)バインダーポリマーの酸価は、アルカリ現像性及び解像度の観点から、50〜300mgKOH/gであることが好ましく、70〜250mgKOH/gであることがより好ましく、100〜200mgKOH/gであることがさらに好ましい。
(A)バインダーポリマーの重量平均分子量は、フィルム形成性、アルカリ現像性及びテント強度のバランスの見地から、5000〜150000であることが好ましく、10000〜120000であることがより好ましく、30000〜100000であることがさらに好ましい。
これらのバインダーポリマーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することもできる。2種類以上を組み合わせて使用する場合のバインダーポリマーとしては、例えば、異なる共重合成分からなる2種類以上のバインダーポリマー、異なる重量平均分子量の2種類以上のバインダーポリマー、異なる分散度の2種類以上のバインダーポリマーなどが挙げられる。また、特開平11−327137号公報記載のマルチモード分子量分布を有するポリマーを使用するもできる。
(A)成分の固形分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましく、45〜75質量部であることがより好ましく、50〜70質量部であることがさらに好ましい。この含有量が40質量部未満では光硬化物が脆くなる傾向があり、80質量部を超えると光感度が不充分となる傾向がある。
本発明で用いる(B)分子内に少なくとも1つ以上の重合可能なエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物は、(B1)下記一般式(I)で表される化合物と、(B2)分子内に2つのエチレン性不飽和基、並びに、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を有する化合物とを含有する。
Figure 2010160417
上記一般式(I)中、Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、光感度及びテント強度の観点から、メチル基であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、イソボルニル(メタ)アクリレートが挙げられる。市販品としては、NKエステルA−IB、NKエステルIB(新中村化学工業株式会社製、商品名)等が商業的に入手可能である。
(B1)成分の含有量は、(B)成分の総量に対して、密着性、テント強度及び剥離特性をバランスよく向上させる観点から、1〜70質量%とすることが好ましく、3〜50質量%とすることがより好ましく、5〜40質量%とすることがさらに好ましく、7〜30質量%とすることが特に好ましい。
また、前記(B2)成分は、下記一般式(II)又は下記一般式(III)で表される化合物を含むことが好ましい。
Figure 2010160417
Figure 2010160417
上記一般式(II)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、光感度及びテント強度の観点から、いずれもメチル基であることが好ましい。Xは−(CO)−で表される基、−(CO)−で表される基、−(CO)−(CO)−で表される基、−(CO)−(CO)−(CO)−で表される基、又は−(CO)−(CO)−(CO)−で表される基を示す。ここで、−(CO)−(CO)−で表される基とは、オキシエチレン基c個とオキシプロピレン基d個とが、この順に配列したブロック共重合体を意味し、−(CO)−(CO)−(CO)−で表される基とは、オキシエチレン基f個とオキシプロピレン基g個とオキシプロピレン基g個とがこの順に配列したブロック共重合体を意味し、−(CO)−(CO)−(CO)−で表される基とは、オキシエチレン基h個とオキシプロピレン基j個とオキシエチレン基k個とがこの順に配列したブロック共重合体を意味する。なお、オキシプロピレン単位におけるプロピレン基は、n−プロピレンであってもイソプロピレン基であってもよいが、イソプロピレン基が好ましい。
上記一般式(II)中、分子内に含まれるオキシエチレン基の繰り返し総数;a、c、f及びh+kはそれぞれ独立に1〜30の整数であり、テント強度を向上させ、レジスト形状を良好にする観点から、1〜20の整数であることが好ましく、2〜14の整数であることがより好ましく、4〜10の整数であることがさらに好ましい。また、分子内に含まれるオキシプロピレン基の繰り返し総数;b、d、e+g及びjはそれぞれ独立に1〜30の整数であり、解像度を向上させ、現像スラッジを低減する観点から、5〜20の整数であることが好ましく、8〜16の整数であることがより好ましく、10〜14の整数であることがさらに好ましい。
一般式(II)で表される化合物としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン・ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
一般式(II)で表される化合物は市販品を用いてもよく、市販品としては、R、Rがメチル基、Xが−(CO)−である4G、R、Rが水素原子、Xが−(CO)−であるAPG400(以上、新中村化学工業株式会社製、商品名)、R、Rがメチル基、Xが−(CO)−(CO)−(CO)−であるFA−024M、R、Rがメチル基、Xが−(CO)−(CO)12−(CO)であるFA−023M(以上、日立化成工業株式会社製、商品名)等が挙げられる。
上記一般式(III)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、光感度及びテント強度の観点から、いずれもメチル基であることが好ましい。X及びXは、前記Xと同義である。
上記一般式(III)において、Yは炭素数1〜20の2価の有機基を示す。炭素数1〜20の有機基としては、解像性を向上させる観点から、ベンゼン環を1〜3個有するものが好ましく、ベンゼン環を2個有するものがより好ましい。ベンゼン環を2個有する2価の基としては、下記一般式(IV)で表されるものが特に好ましい。
Figure 2010160417
上記一般式(IV)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、解像度の観点から、いずれもメチル基であることが好ましい。
一般式(III)で表される化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン、及び2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。解像度をさらに向上させる観点から、中でも2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンがより好ましい。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカエトキシ)フェニル)プロパン等が挙げられ、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−500(新中村化学工業株式会社製、製品名)又はFA−321M(日立化成工業株式会社製、商品名)として商業的に入手可能であり、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパンは、BPE−1300(新中村化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘプタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシノナプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシウンデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシドデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシトリデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサデカプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
上記2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシ)フェニル)プロパンとしては、例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシジエトキシオクタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシテトラエトキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロキシヘキサエトキシヘキサプロポキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
(B2)成分の含有量は、(B)成分の総量に対して、解像度、密着性、テント強度及び剥離特性をバランスよく向上させる観点から、5〜95質量%とすることが好ましく、10〜90質量%とすることがより好ましく、15〜85質量%とすることがさらに好ましく、20〜80質量%とすることが特に好ましい。
(B)成分は、本発明の効果を損ねない程度に、(B1)及び(B2)成分以外の光重合性化合物を含有させてもよい。このような成分としては、例えば、多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物、グリシジル基含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を反応させで得られる化合物、分子内にウレタン結合を有する(メタ)アクリレート化合物等のウレタンモノマー、ノニルフェノキシポリエチレンオキシアクリレート、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−(メタ)アクリロイルオキシエチル−o−フタレート、β−ヒドロキシアルキル−β′−(メタ)アクリロイルオキシアルキル−o−フタレート等のフタル酸系化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を反応させて得られる化合物としては、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びこれらのエチレングリコール又はプロピレングリコールの付加物等を用いることができる。
(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、20〜60質量部であることが好ましく、25〜55質量部であることがより好ましく、30〜50質量部であることがさらに好ましい。この配合量が20質量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、60質量部を超えると光硬化物が脆くなる傾向がある。
前記(C)光重合開始剤を有する感光性樹脂組成物において、ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−1等の芳香族ケトン、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナンタラキノン、2−メチル1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等のキノン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、クマリン系化合物などが挙げられる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
なお、2つの2,4,5−トリアリールイミダゾールのアリール基の置換基は同一で対象な化合物を与えてもよいし、相違して非対称な化合物を与えてもよい。また、ジエチルチオキサントンとジメチルアミノ安息香酸の組み合わせのように、チオキサントン系化合物と3級アミン化合物とを組み合わせてもよい。
(C)成分は、密着性及び感度の見地から、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含むことが好ましい。
前記(C)光重合開始剤の配合量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して、0.01〜20質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。この配合量が0.01質量部未満では光感度が不充分となる傾向があり、20質量部を超えると露光の際に組成物の表面での吸収が増大して内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
前記感光性樹脂組成物には、必要に応じて、分子内に少なくとも1つのカチオン重合可能な環状エーテル基を有する光重合性化合物、カチオン重合開始剤、マラカイトグリーン等の染料、トリブロモメチルフェニルスルホン、ロイコクリスタルバイオレット等の光発色剤、熱発色防止剤、p−トルエンスルホンアミド等の可塑剤、顔料、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤などを(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して各々0.01〜20質量部程度含有することができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
前記感光性樹脂組成物は、必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解して固形分30〜60質量%程度の溶液として塗布することができる。
前記感光性樹脂組成物は、特に制限はないが、銅、銅系合金、鉄、鉄系合金等の金属面上に、液状レジストとして塗布して乾燥後、必要に応じて保護フィルムを被覆して用いるか、感光性エレメントの形態で用いられることが好ましい。
また、感光性樹脂組成物層の厚みは、用途により異なるが、乾燥後の厚みで1〜100μm程度であることが好ましく、10〜50μmであることがより好ましい。液状レジストに保護フィルムを被覆して用いる場合は、保護フィルムとして、ポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体フィルムなどが挙げられる。
上記感光性エレメントは、例えば、支持体として、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等の重合体フィルム上に感光性樹脂組成物を塗布、乾燥することにより得ることができる。上記塗布は、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の公知の方法で行うことができる。また、乾燥は、70〜150℃、5〜30分間程度で行うことができる。
これらの重合体フィルムの厚みは、1〜100μmとすることが好ましい。これらの重合体フィルムの一つは感光性樹脂組成物層の支持体として、他の一つは感光性樹脂組成物の保護フィルムとして感光性樹脂組成物層の両面に積層してもよい。保護フィルムとしては、感光性樹脂組成物層及び支持体の接着力よりも、感光性樹脂組成物層及び保護フィルムの接着力の方が小さいものが好ましく、また、低フィッシュアイのフィルムが好ましい。
また、前記感光性エレメントは、感光性樹脂組成物層、支持体及び保護フィルムの他に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層等の中間層や保護層を有していてもよい。
前記感光性エレメントは、例えば、そのまま又は感光性樹脂組成物層の他の面に保護フィルムをさらに積層して円筒状の巻芯に巻きとって貯蔵される。なお、この際支持体が外側になるように巻き取られることが好ましい。上記ロール状の感光性エレメントロールの端面には、端面保護の見地から端面セパレータを設置することが好ましく、耐エッジフュージョンの見地から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、梱包方法として、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
上記巻芯としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチックなどが挙げられる。
上記感光性エレメントを用いてレジストパターンを形成するに際しては、前記の保護フィルムが存在している場合には、保護フィルムを除去後、感光性樹脂組成物層を70〜130℃程度に加熱しながら回路形成用基板に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着することにより積層する方法などが挙げられ、減圧下で積層することも可能である。積層される表面は、通常金属面であるが、特に制限はない。
このようにして積層が完了した感光性樹脂組成物層は、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線が画像状に照射される。上記活性光線の光源としては、公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。
次いで、露光後、感光性樹脂組成物層上に支持体が存在している場合には、支持体を除去した後、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウエット現像、ドライ現像等で未露光部を除去して現像し、レジストパターンを製造することができる。
上記アルカリ性水溶液としては、例えば、0.1〜5質量%炭酸ナトリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%炭酸カリウムの希薄溶液、0.1〜5質量%水酸化ナトリウムの希薄溶液等が挙げられる。上記アルカリ性水溶液のpHは9〜11の範囲とすることが好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調節される。また、アルカリ性水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
現像後の処理として、必要に応じて60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことによりレジストパターンをさらに硬化して用いてもよい。
現像後に行われる金属面のエッチングには、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液等を用いることができる。
本発明の感光性エレメントを用いてプリント配線板を製造する場合、現像されたレジストパターンをマスクとして、回路形成用基板の表面を、エッチング、めっき等の公知方法で処理する。上記めっき法としては、例えば、銅めっき、はんだめっき、ニッケルめっき、金めっきなどがある。次いで、レジストパターンは、例えば、現像に用いたアルカリ性水溶液よりさらに強アルカリ性の水溶液ではく離することができる。上記強アルカリ性の水溶液としては、例えば、1〜10質量%水酸化ナトリウム水溶液、1〜10質量%水酸化カリウム水溶液、またはアミンはく離液等が用いられる。上記はく離液は単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用される。上記はく離方式としては、例えば、浸漬方式、スプレー方式等が挙げられる。また、レジストパターンが形成されたプリント配線板は、多層プリント配線板でもよく、小径スルーホールを有していてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1〜3及び比較例1〜5)
(感光性樹脂組成物溶液の調製)
表1及び表2に示す材料を配合し、感光性樹脂組成物溶液を得た。
Figure 2010160417
(単位:g)
Figure 2010160417
(単位:g)
なお、表2において使用した材料を下記に示す。
NKエステルIB:イソボルニルメタクリレート(新中村化学工業株式会社製、商品名)
FA−321M:2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン
FA−024M:一般式(II)中、R、Rがメチル基、Xが−(CO)−(CO)−(CO)−である化合物(日立化成工業株式会社製、商品名)
APG400:一般式(II)中、R、Rが水素原子、Xが−(CO)−である(新中村化学工業株式会社製、商品名)
M−113:下記式(VI)で示される化合物(東亜合成化学株式会社製、商品名)
Figure 2010160417
FA−MECH:γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート(日立化成工業株式会社製、商品名)
SR−454:EO(エチレンオキシド)変性トリメチロールプロパントリアクリレート(エチレングリコール3モル付加物)(新中村化学工業株式会社製、商品名)
(感光性エレメントの作製)
次に、得られた感光性樹脂組成物の溶液を、16μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製商品名HTR−02−16)上に均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥した後、ポリエチレン製保護フィルム(タマポリ株式会社製、商品名「NF−13」)で保護し感光性エレメントを得た。感光性樹脂組成物層の乾燥後の膜厚は30μmであった。
(レジストパターンの形成)
銅箔(厚み35μm)を両面に積層したガラスエポキシ材である銅張積層板(日立化成工業株式会社製商品名MCL−E−67)の銅表面を#600相当のブラシを持つ研磨機(三啓株式会社製)を用いて研磨し、水洗後、空気流で乾燥し、得られた銅張積層板を80℃に加温し、その銅表面上に保護フィルムを剥がしながら前記感光性樹脂組成物層を120℃のヒートロールを用い1.5m/分の速度でラミネートした。
次に、高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製商品名HMW−201GX)を用いて、ネガとしてストーファー21段ステップタブレットを試験片の上に置いて露光した。
次に、ポリエチレンテレフタレートフィルムをはく離し、30℃で1質量%炭酸ナトリウム水溶液を最少現像時間の2倍の時間でスプレーし、未露光部分を除去した後、銅張積層板上に形成された光硬化膜のステップタブレットの段数を測定することにより、感光性樹脂組成物の光感度を評価した。最少現像時間は未露光部のレジストが現像処理によって完全に除去された時間を測定した。
<光感度>
ストーファーの21段ステップタブレットにおいて、現像後(現像時間=最少現像時間×2)の残存ステップ段数が7.0となる露光エネルギー量(mJ/cm)を示す。この露光エネルギー量が少ないほど光感度が高いことを示す。
<剥離時間>
上記評価用積層体を45cm×60cm四方の大きさに切断し、現像後の残存ステップ段数が7.0(ST=7/21)となるエネルギー量によりベタ露光した後、上記現像液により現像を行った。このようにして得られた試験片を、50℃の3質量%水酸化ナトリウム水溶液中に、撹拌子で撹拌しながら浸漬し、試験片のレジスト表面を目視により観察した。剥離時間の値はレジストの剥離が始まる時間(秒)を表し、ストップウォッチを用いて測定した。剥離時間は短いほど、剥離特性が良好であることを示す。
<密着性の評価>
上記評価用積層体上にネガとしてライン幅/スペース幅が6/400〜47/200(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを密着させ、現像後の残存ステップ段数がST=7/21となるエネルギー量によりパターン露光し、上記現像液により現像した後、光学顕微鏡を用いて観察し、密着性の評価を行った。密着性の値は、現像処理によって剥離せずに残ったライン幅(μm)のうち最も小さい値で表され、この数値が小さいほど、密着性が高いことを示す。
<解像性の評価>
上記評価用積層体上にネガとしてライン幅/スペース幅が、400/6〜400/47(単位:μm)の配線パターンを有するフォトツールを密着させ、現像後の残存ステップ段数がST=7/21となるエネルギー量によりパターン露光し、上記現像液により現像した後、光学顕微鏡を用いて観察し、解像性の評価を行った。解像性の値は、現像処理によって未露光部を完全に除去できたスペース幅(μm)のうち最も小さい値で表され、この数値が小さい程、解像性が高いことを示す。
<テント強度(テンティング性)>
1.6mm厚の銅張積層板に直径4mm、5mm及び6mmの穴を有する基材に感光性樹脂組成物の積層体を両面にラミネートし、所定の露光量により露光を行い、所定の現像時間で現像を行った(現像時間=最少現像時間×6)。現像後、穴合計72個の穴破れ数を測定し、テント破れ率(下記数式(1))として評価した。
Figure 2010160417
以上の測定・評価結果をまとめて表3に示した。
Figure 2010160417
表3から明らかなように、本発明の感光性樹脂組成物を用いた実施例1〜3は、テント強度に優れ、且つ剥離時間が十分に短く、さらに良好な光感度、解像度及び密着性を示した。

Claims (9)

  1. (A)バインダーポリマー、
    (B)分子内に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物、及び
    (C)光重合開始剤、
    を含有する感光性樹脂組成物であって、前記(B)成分が、
    (B1)下記一般式(I)で表される化合物と、
    (B2)分子内に2つのエチレン性不飽和基、並びに、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を有する化合物と、
    を含有する感光性樹脂組成物。
    Figure 2010160417
    (一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を示す。)
  2. 前記(B2)成分が、下記一般式(II)又は下記一般式(III)で表される化合物を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2010160417
    (一般式(II)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Xは−(CO)−で表される基、−(CO)−で表される基、−(CO)−(CO)−で表される基、−(CO)−(CO)−(CO)−で表される基、又は−(CO)−(CO)−(CO)−で表される基を示す。ここで、分子内に含まれるオキシエチレン基の繰り返し総数;a、c、f及びh+kはそれぞれ独立に1〜30の整数であり、オキシプロピレン基の繰り返し総数;b、d、e+g及びjはそれぞれ独立に1〜30の整数である。)
    Figure 2010160417
    (一般式(III)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、X及びXはそれぞれ独立に前記Xと同義であり、Yは炭素数1〜20の2価の基を示す。)
  3. 前記Yが下記一般式(IV)で表される2価の基である、請求項2記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2010160417
    (一般式(IV)中、R及びRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。)
  4. 前記(A)バインダーポリマーが、少なくとも(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重合成分として含む、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(A)バインダーポリマーの重量平均分子量が、5000〜150000である請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(C)光重合開始剤が、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体を含む請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
  7. 支持体と、該支持体上に形成された請求項1〜6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる感光性樹脂組成物層と、を備える感光性エレメント。
  8. 請求項7記載の感光性エレメントを、回路形成用基板上に感光性樹脂組成物層が密着するようにして積層する積層工程と、
    前記感光性樹脂組成物層に活性光線を画像状に照射し、露光部を光硬化させる露光工程と、
    前記露光部以外の未露光部を現像により除去する現像工程と、
    を備えるレジストパターンの形成方法。
  9. 請求項8記載のレジストパターンの形成方法により、レジストパターンの形成された回路形成用基板をエッチングまたはめっきするプリント配線板の製造法。
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