JP2010159640A - 可変動弁アッセンブリ調整方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、制御部材13,27を高バルブリフト方向へ変位させて任意のリフト位置にセットし、同リフト位置で各バルブ駆動部材22から出力されるバルブリフト高の差を所定の公差内に調整してから、制御部材を高バルブリフト方向と反対側の低バルブリフト方向へ変位させて、所定の低バルブリフト量となるリフト位置に位置決め、そのリフト位置において各バルブ駆動部材から出力されるバルブリフト高の差が、同リフト位置における規定の公差内に収まるかを確認する。これにより、複数の地点において公差内であるか否かを判定するという面倒な作業を必要とせず、気筒間のばらつきが調整される。
【選択図】図3
Description
可変動弁系の多くは、吸入空気量の調整を担うために、少なくとも吸気バルブのバルブリフト量を連続的に変化させることが行なわれる。例えば特許文献1に開示されているように、カムシャフトに形成されている吸気カムのカム変位を可変動弁機構で受け、制御シャフト(制御部材)の変位で、吸気カムからのバルブ駆動出力を連続的に低バルブリフトから高バルブリフトまで可変させてバルブ駆動部材へ伝え、吸気バルブを駆動する機構が用いられる。
ところが、可変動弁系は、その組み立て作業工数が多いため、ヘッド組立ラインには、かなりの負担となる。
しかし、可変動弁系の場合、特許文献2のようなロッカアームアッセンブリとは異なり、気筒間のバルブリフト特性が一様でないため、気筒間の燃焼ばらつきを抑える気筒間のばらつき調整が必要である。この調整は、カムシャフトが組み合った状態でないと行なえない。
そこで、本発明の目的は、カムシャフトを組んでアッセンブリされた可変動弁アッセンブリの気筒間ばらつきの調整が、容易、かつ高い調整精度で行なえる可変動弁アッセンブリ調整方法を提供することにある。
請求項3に記載の発明は、さらに、制御部材のバルブリフトの可変範囲を規定するストッパ部の調整も行なうために、ストッパ部の位置は、低バルブリフト量となるリフト位置で、各バルブ駆動部材から出力されるバルブリフト高の差が規定の公差内に収まることが確認されたら、バルブリフトの可変範囲の端で制御部材の動きを規制するように調整することとした。
請求項2の発明によれば、さらに、制御部材の変位を検出する変位検出センサも、容易に高い調整精度で調整できる。
図1は、気筒間ばらつき調整を行なう対象となる多気筒エンジンに用いられる可変動弁アッセンブリ1を、同アッセンブリ1の気筒間ばらつき調整に用いる調整治具40と共に示し、図2は、同可変動弁アセンブリ1を調整治具40に組み付けたときの状態を示し、図3はそのときの断面図(図2中のA−A線)を示している。
同可変動弁アッセンブリ1は、図1〜図3に示されるように気筒間ピッチで気筒列に沿って配置した複数のホルダ部材2に、上部を渡る支持シャフト10を組み付け、ホルダ部材2の中段片側に渡り排気ロッカシャフト12を組み付けてフレームとし、同フレームの吸気側(排気ロッカシャフト12と反対側)のホルダ部材2間に渡り、吸気ロッカシャフトを兼ねる制御シャフト13を回動可能に組み付ける。さらに、これらホルダ部材2の下部に、カムキャップ15で、カムシャフト17を回動自在に組み付ける。また気筒毎、制御シャフト13に、吸気バルブ(図示しない)を駆動する双頭式の吸気ロッカアーム22(本願のバルブ駆動部材に相当)を回動自在に組み付ける。さらに図3に示されるように、気筒毎、吸気ロッカアーム22とカムシャフト17の吸気カム17a間には、吸気カム17aのバルブ特性を可変、ここではバルブリフト量、開閉タイミング、開閉期間を、制御シャフト13の回動変位にしたがい可変する可変動弁機構19を組み付ける。可変動弁機構19は、気筒間ばらつきを調整する気筒間ばらつき調整ねじ35を有している。つまり、カムシャフト17、吸気ロッカアーム22、ばらつき調整機能付の可変動弁機構19を集約させている。なお、排気ロッカシャフト12には、排気バルブ(図示しない)を一義的に開閉させる排気ロッカアーム20(図3に図示)が組み付き、制御シャフト13の一端部には、バルブリフトを入力するための入力部、例えばウォーム式の減速機部4(ウォームホイール4aとウォームシャフト4bとで構成)が組み付いている。4cは、そのウォームホイール4aを制御シャフト13端に固定する固定ボルトを示している。さらに例えばウォームホイール4aには、制御シャフト13の最小バルブリフト位置を規定するストッパ部7が組み付いている。また制御シャフト13の他端部には、同制御シャフト13の回動変位を検出する制御シャフト変位検出センサ6(図2に図示:本願の変位検出センサに相当)が組み付く。
センタロッカアーム27は、図3に示されるように上方へ向かうアーム部27aの先端面に斜面28を有し、制御シャフト13へ向かうアーム部27bの先端部に屈曲自在なピン部材29を有し、アーム部27a,27bが交わる部分に回転自在なローラ30を有する。このうち斜面28が、揺動カム25のローラ25bと転接し、ローラ30が、吸気カム17aのカム面と転接する。ピン部材29は、制御シャフト28に形成されている通孔に進退自在に差し込まれる。この差込みにより、センタロッカアーム27は、ピン部材29の屈曲部を支点に揺動自在に支持され、制御シャフト13を回動変位すると、センタロッカアーム27全体が、吸気カム17aとの転接位置を変更しながら、吸気カム17aのカム面を進角方向や遅角方向へ変位する。この変位で揺動カム25の姿勢が変化して、ローラ22aが転動するカム面25aの領域を変化させ、吸気カム17aから出力されるバルブ駆動出力(カム変位)、例えば吸気バルブ17aのバルブリフト量や開閉タイミングや開閉期間が、連続的(低バルブリフト位相から高バルブリフト位相まで)に可変される。この可変したバルブ駆動出力が、吸気ロッカアーム22に伝わり、同吸気ロッカアーム22の各先端部に有るアジャストスクリュ部22b(バルブと当接する部分)から、吸気バルブ(図示しない)に付与される。またピン部材29が挿入された通孔には、反対の上方側から先に述べた気筒間ばらつき調整ねじ35(調整部)が進退可能に螺挿され、同調整ねじ35を進退すると、ピン部材29の突出し量が変化して、バルブリフト量の調整が行なえる(気筒毎)。
ここで、箱形治具を説明すると、同治具は、図1に示されるようにエンジンの気筒数に合わせたシリンダヘッド相当の細長形状の本体40aを有していて、当該本体40aの上部中央には、可変動弁アッセンブリ1を配置するためのアッセンブリ配置部41が形成されている。このアッセンブリ配置部41の両側には、可変動弁アッセンブリ1のホルダ部材2の両側部に有る脚部2aを載せるための受座42が複数形成されている。これら受座42には、脚部2aの端部に形成されているボルト孔2bと嵌挿可能なノックピン43が形成されている。これら受座42およびノックピン43は、各ホルダ部材2や吸気ロッカアーム22を定位置に位置決めるための部分で、これらにより、可変動弁アッセンブリ1が、シリンダヘッドに搭載したときと同じ姿勢で、調整治具40の上部に組み付けられるようにしている。またアッセンブリ配置部41のうち吸気バルブが配置される各地点には、それぞれ吸気バルブのバルブリフト量を検出するリフトセンサ45が埋め込まれている。これらリフトセンサ45は、いずれも図3に示されるように吸気バルブの如く変位する有底筒形の進退部材46を進退可能に組み込んだ構造が用いられている。すなわち、進退部材46には、上方へ突き出る方向へ付勢するばね部材47を組み付けられ、バルブリフト零で予荷重が発生する設定にしている。さらに進退部材46には、同進退部材46の変位量を検知する検知素子48が組み付けられていて、進退部材46の変位から、吸気ロッカアーム20端から出力されるバルブリフト量が検出されるようにしている。このリフトセンサ45は、他の構造でも構わない。
つぎに、この調整治具40を用いて、可変動弁アッセンブリ1の気筒間ばらつき調整の仕方を説明する。
前工程で組み上がった可変動弁アッセンブリ1(ここでは、制御シャフト変位検出センサ6は組み付いていない)は、組み上がっただけなので、気筒間のバルブリフト特性は一様でない。
このとき、図9の実線に示されるように規定公差内に収まると、可変動弁アッセンブリ1は、気筒間のばらつきが調整されたと判断される。
そのうえ、気筒間ばらつきの調整を終えた後、図6および図7に示されるようにストッパ部7の位置を調整すると、制御シャフト13の可変範囲端の規制も容易に行なえる。すなわち、ここではストッパ部7は、例えば図6および図7に示されるように最小バルブリフト位置(可変範囲端)の付近の地点から、ボルト部材7bを、ウォームホイール4aに形成した弧形に延びる長孔7a内を通してホルダ部材2へ進退可能にねじ込み、ボルト部材7bの周りに短筒形のウォームストッパ7cを遊挿した構造が用いられていて、ボルト部材7bをホルダ部材2にねじ込むと、ウォームストッパ7cが長孔7内に挿通されたまま固定され、ボルト部材7bを緩めると、ウォームストッパ7cが自在に変位できるようにしてある。当初はボルト部材7bは緩めてある。このため、同ストッパ部7では、ばらつきの調整を終えた後、図7に示されるようにウォームストッパ7cを長孔7aの低バルブリフト方向の端に押し当て、同状態のまま、ボルト部材7bをホルダ部材2にねじ込み、ウォームストッパ7cをボルト部材7bの頭部とホルダ部材2間に締結すると、制御シャフト13の可変範囲端、ここでは最小バルブリフト位置が位置決められ、同位置で制御シャフト13の動きが規制される。つまり、ストッパ部7の調整も容易に行なえる。
また、バルブ毎に可変機構19が設けられている場合に同一気筒内のバルブリフトに差があれば、気筒間ばらつき調整と同様の調整をすることとなる。
なお、本発明は一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば一実施形態では、調整治具を用いて、可変動弁アッセンブリの気筒間ばらつき調整を行なう例を挙げたが、これに限らず、シリンダヘッドに、直接、可変動弁アッセンブリを搭載して、その状態まま、気筒間ばらつき調整を行なってもよい。また一実施形態では、揺動カムを用いてバルブリフトを可変する可変動弁機構を用いたが、他の構造でバルブリフトを可変する可変動弁機構でも構わない。
6 制御シャフト変位検出センサ(変位検出センサ)
7 ストッパ部
13 制御シャフト(制御部材)
17 カムシャフト
19 可変動弁機構
22 吸気ロッカアーム(バルブ駆動部材)
27 センタロッカアーム(制御部材)
Claims (3)
- カムを備えるカムシャフトと、バルブを駆動する気筒毎のバルブ駆動部材と、バルブリフトを入力する制御部材とを有して、前記カムのカム変位を前記制御部材の変位にしたがい低バルブリフトと高バルブリフトとの間で可変し前記バルブ駆動部材に伝える可変動弁機構を組み上げてなる可変動弁アッセンブリで、同アッセンブリの気筒間ばらつきを調整する可変動弁アッセンブリ調整方法であって、
前記可変動弁アッセンブリの気筒間ばらつき調整は、前記制御部材を高バルブリフト方向へ変位させて任意のリフト位置にセットし、同リフト位置で各バルブ駆動部材から出力されるバルブリフト高の差を所定の公差内に調整してから、前記制御部材を高バルブリフト方向と反対側の低バルブリフト方向へ変位させて、所定の低バルブリフト量となるリフト位置に位置決め、そのリフト位置において各バルブ駆動部材から出力されるバルブリフト高の差が、同リフト位置における規定の公差内に収まるかを確認することにより行なう
ことを特徴とする可変動弁アッセンブリ調整方法。 - 前記可変動弁アッセンブリは、前記制御部材の変位を検出する変位検出センサを含み、
前記低バルブリフト量となるリフト位置で、各バルブ駆動部材から出力されるバルブリフト高さの差が規定の公差内に収まることが確認されたら、所期のセンサ出力となるように前記変位検出センサを調整する
ことを特徴とする請求項1に記載の可変動弁アッセンブリ調整方法。 - 前記可変動弁アッセンブリは、前記制御部材のバルブリフトの可変範囲を規定するストッパ部を含み、
前記低バルブリフト量となるリフト位置で、各バルブ駆動部材から出力されるバルブリフト高さの差が規定の公差内に収まることが確認されたら、前記可変範囲の端で前記制御部材の動きが規制されるように前記ストッパ部の位置を調整する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変動弁アッセンブリ調整方法。
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