以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同一部分には同一符号を付し、図面で同一の符号が付いたものは、説明を省略する場合もある。また、実施の形態1で説明した内容は、実施の形態2での説明を省略する場合もある。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施の形態1におけるコンテンツ記録再生システムの概略構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1におけるコンテンツ記録再生システム100は、コンテンツを公衆に送信する放送局サイト101と、放送局サイト101から送信されるコンテンツを受信する家庭サイト102と、放送局サイト101と家庭サイト102とを接続し、放送局サイト101と家庭サイト102間における情報の交換を可能にするための通信回線103と、から構成されている。
放送局サイト101は、コンテンツを生成し、そのコンテンツを公衆に送信するための放送局31と、放送局31が公衆に送信するコンテンツについての後述の編集情報をあらかじめ格納する編集情報格納部32と、を有している。
ここで、放送局31が行なうコンテンツの送信とは、テレビ放送やラジオ放送等、公衆に同一のコンテンツを同時に受信させる目的で行なう無線による送信、CATV放送や有線音楽等、公衆に同一のコンテンツを同時に受信させる目的で行なう有線による送信、あるいは、インターネットのホームページ等を用いて、公衆からの求めに応じてコンテンツを自動的に行なう送信のことである。以下、本発明の実施の形態では、放送局31がテレビ放送を送信するテレビ放送局である場合を例に実施の形態として説明する。
また、放送局31は、自身が公衆に送信するコンテンツであるテレビ放送の各々についての編集情報を、通信回線103を用いて、利用者サイト102に送信する。放送局31は、テレビ放送を公衆に送信するとき、送信するテレビ放送についての編集情報を編集情報格納部32から取得し、その取得した編集情報を通信回線103により公衆に送信する。
放送局31は、テレビ放送を送信するときには、そのテレビ放送についての編集情報をあらかじめ公衆に送信するのが好ましい。そうすることにより、利用者サイト102は、テレビ放送が送信される以前に、そのテレビ放送についての編集情報を受信することが可能となる。
また、放送局31は、自身が送信するテレビ放送についての編集情報を、不特定多数の公衆に同時に送信してもよいし、個々の利用者からの要求を受けて個別に送信してもよい。すなわち、後者の場合では、利用者からの要求がない限り、放送局31が放送するテレビ放送についての編集情報が放送局31から利用者に送信されない。また、利用者からの要求に応じて放送局31が編集情報を送信する際、その利用者に対して編集情報の利用許諾についての対価の支払いが請求されるようにしてもよい。
もちろん、このような放送局31による編集情報の送信は、放送局31が送信するテレビ放送のすべてについて同じやり方で行われてもよいし、放送局31が送信するテレビ放送ごとに異なるやり方で行なわれてもよい。
編集情報格納部32は、放送局31が公衆に送信するコンテンツであるテレビ放送の各々についての編集情報をあらかじめ格納する。編集情報格納部32は、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」と記す。)等の磁気ディスク装置や半導体メモリ等の公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。
ここで、この編集情報は、放送局31が送信するテレビ放送の各々についてあらかじめ放送局31が作成する情報である。
通常、放送局31が送信するテレビ放送は、そのテレビ放送の番組の本編と、その番組中に挿入されたコマーシャルやニュース等で構成されている。また、本編は、コマーシャル等の挿入によって複数に分割されており、そのコマーシャル等の挿入箇所の前における本編の一部が重複部としてコマーシャル等の挿入後に配置されている。
編集情報は、例えば、各テレビ放送の番組の開始時刻及び終了時刻、コマーシャルやニュース等の開始時刻及び終了時刻、コマーシャル等の挿入後に配置される本編の重複部の開始時刻及び終了時刻についての情報を含んでいる。なお、他のコンテンツ記録媒体へのダビングに関する情報であっても良いし、その場合編集情報と許諾情報が一体化していても良い。
利用者サイト102は、放送局31が送信するテレビ放送を受信し、そのテレビ放送を視聴する利用者の家庭等である。利用者サイト102は、コンテンツ記録装置10と、編集情報通信部21と、放送受信部22と、アンテナ23と、番組再生部24と、表示部25と、を有している。
編集情報通信部21は、通信回線103と接続されており、通信回線103を介して放送局31から送信される編集情報を受信する。そして、編集情報通信部21は、放送局31が編集情報を不特定多数の公衆に同時に送信するときには、放送局31からの送信に合わせて編集情報を受信する。
一方、編集情報通信部21は、放送局31が利用者の要求に応じて個別に編集情報を送信するときには、利用者からの編集情報の要求を、通信回線103を用いて放送局31に送信する。そして、編集情報通信部21は、自身による編集情報の要求に応じて放送局31が送信する編集情報を、通信回線103を用いて受信する。
放送受信部22は、放送局31が送信するテレビ放送を、アンテナ23を用いて受信する。なお、図2では、放送受信部22にはアンテナ23が接続されているが、放送局31から受信する放送の種類に応じて、接続されるものが異なる。例えば、放送が衛星を介して配信される場合には、放送受信部22にはパラボラアンテナ等が接続され、放送がケーブルテレビ経由で配信される場合には、放送受信部22には配信ケーブルが接続される。また、インターネット放送の場合には、放送受信部22にはインターネットが接続される。もちろん、これらの接続形態も様々で、公知のセットトップボックス、モデム、ネットワーク・インタフェース等を経由して接続され得るが、ここでは、説明を省略する。
番組再生部24は、コンテンツ記録装置10によって編集、記録された放送データの再生画像を表示部25に表示する。また、番組再生部24は、放送局31から送信されるテレビ放送の画像を表示部25に表示する。表示部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ等のモニターを用いることができる。
コンテンツ記録装置10は、放送受信部22がアンテナ23を用いて受信するテレビ放送を、編集情報通信部21が通信回線103を用いて受信する編集情報に基づく利用者の要求に応じて編集し、その編集後のデータを放送データとしてコンテンツ記録媒体に記録するものである。
図2に戻り、通信回線103としては、インターネットが代表的であるが、LAN、WAN、イントラネット等、あらゆるネットワークを用いることができる。要は、通信回線103は、放送局サイト101と家庭サイト102との間において情報のやり取りが可能となるネットワークであればよい。
以下図1を用いて、コンテンツ記録装置10の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるコンテンツ記録装置10の概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態におけるコンテンツ記録装置10は、図1に示すように、認証部11と、認証条件格納部12と、録画プログラム生成部13と、設定部14と、録画プログラム格納部15と、録画用データ生成部16と、を有している。
認証部11は、編集情報通信部21により受信される編集情報の利用許諾を表わす許諾キーが、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれているときには、編集情報の利用許諾を認証する。
ここで、この許諾キーは、具体的には、例えばテレビ放送の著作権者等である放送局31が、自身が送信する編集情報を用いてテレビ放送の編集を行なうことを、コンテンツ記録媒体104の利用者に対して許諾したことを表わすものである。そして、コンテンツ記録装置10は、コンテンツ記録媒体104の許諾キーに基づく編集情報の利用許諾が認証された場合のみ、編集情報に基づく利用者の要求に応じてテレビ放送を編集し、その編集後のデータを放送データとしてコンテンツ記録媒体104に記録することが可能となる。
すなわち、許諾キーがあらかじめ埋め込まれたコンテンツ記録媒体104の利用者は、放送局31から編集情報の利用許諾を受けたことになり、その結果、利用者はその編集情報を用いてテレビ放送の編集内容を決定すると共に、その編集後の放送データをコンテンツ記録媒体104に記録することが可能となる。なお、許諾キーを送信することを許可するのは、放送局のみならず、コンテンツ作製者等の著作権有者の合意であることが望ましいが、コンテンツの所有者のみであっても良い。
また、この許諾キーは、テレビ放送を製作し、公衆に送信する放送局31、つまり、テレビ放送等の著作物に関する著作権者等の管理の下、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれるものである。したがって、利用者が、この許諾キーが埋め込まれたコンテンツ記録媒体104に、放送局31が送信するテレビ放送を編集し、記録する行為自体は、放送局31の著作物であるテレビ放送の違法利用には該当しない。
なお、例えば、コンテンツ記録媒体104の販売価格に、編集情報の利用許諾の対価として利用者が支払うべき権利使用料を含めることにより、コンテンツ記録媒体104の利用者は、このコンテンツ記録媒体104の購入の際、編集情報の利用許諾の対価を支払うことができる。また、許諾される編集情報は、他の記録媒体へのダビングに関するものであっても良い。
認証部11は、このような許諾キーがコンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれていると、編集情報の利用許諾を認証し、その認証結果を録画プログラム生成部13に出力する。
認証条件格納部12は、認証部11がコンテンツ記録媒体104に対する認証処理を行なうときに利用する認証条件をあらかじめ格納している。そして、認証条件格納部12は、認証部11がコンテンツ記録媒体104に対する認証処理を行なうときに、自身が格納する認証条件を認証部11に出力する。
この認証条件は、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれている許諾キーが正当なものであるか否か判定するための条件である。例えば、正当な許諾キーが英数字等からなる文字列である場合には、コンテンツ記録媒体104に埋め込まれている許諾キーがこの文字列と同一であることを判定条件として用いればよい。
また、この認証条件には、コンテンツ記録媒体104の記録領域における、許諾キーの格納位置を特定するための条件も含まれる。コンテンツ記録装置10は、コンテンツ記録媒体104が装着されると、そのコンテンツ記録媒体104の記録領域のうち、この認証条件により特定された位置に対して、許諾キーの検出を試みることになる。
もちろん、認証部11は、コンテンツ記録媒体104に許諾キー自体が埋め込まれていない場合には、このコンテンツ記録媒体104を用いたテレビ放送の記録に対しては、編集情報の利用許諾を認証しない。
また、認証条件格納部12は、このような認証条件をあらかじめ格納する。認証条件格納部12は、ハードディスクドライブ(以下、「HDD」と呼ぶ。)等の磁気ディスク装置や半導体メモリ等の公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。
録画プログラム生成部13は、編集情報通信部21により受信される編集情報と、設定部14により設定される、利用者がその編集情報を用いて決定したテレビ放送の編集内容を表わす設定条件と、が入力される。そして、録画プログラム生成部13は、編集情報通信部21により受信された編集情報と、設定部14により設定された利用者の求めに従う設定条件とを用いて、放送受信部22により受信される放送局31からのテレビ放送を編集し、コンテンツ記録媒体104に記録するために利用される録画プログラムを生成する。
設定部14は、テンキー、キーボード等を持ち、利用者は、それらテンキー、キーボード等を用いて、テレビ放送の編集内容を設定部14に設定する。このとき、コンテンツ記録装置10が、編集情報通信部21により受信される編集情報を番組再生部24により表示部25に表示させ、利用者がその編集情報を視認可能となるようにすればよい。そうすることにより、利用者はその編集情報を参照しながらテレビ放送の編集を効率よく行なうことができる。
もちろん、コンテンツ記録装置10に編集情報を表示させる表示装置を独自に設けてもよく、この場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
ここで、録画プログラムについて説明する。
上述したように、放送局31が送信するテレビ放送は、そのテレビ放送の番組の本編と、その番組中に挿入されたコマーシャルやニュース等で構成されている。そして、本編は、コマーシャル等の挿入によって複数に分割されており、そのコマーシャル等の挿入箇所の前における本編の一部が重複部としてコマーシャル等の挿入後に配置されている。
利用者は、このようなテレビ放送に対し、例えば、コマーシャルやニュース等、本編の重複部を削除して、本編のみをシームレスに記録することを望む場合がある。このような場合に、利用者は、このテレビ放送についての編集情報から、コマーシャルや、ニュース、本編の重複部の開始時刻、終了時刻を参照する。そして、利用者は、これらコマーシャル、ニュース、本編の重複部について録画処理が実行されないように、このテレビ放送が送信されている期間におけるコンテンツ記録装置10による録画処理の開始、停止、再開、停止、再開、停止、…を時間の経過に沿って設定する。録画プログラムは、利用者により設定される、コンテンツ記録装置10の録画処理の開始、停止、再開、停止、再開、停止、…といったコンテンツ記録装置10の動作を規定するものである。
そして、コンテンツ記録装置10は、この録画プログラムに沿って、その録画プログラムの対象となるテレビ放送についての録画処理を実行する。そうすることにより、コンテンツ記録装置10は、テレビ放送のうち、コマーシャル、ニュース、本編の重複部が削除された、本編からなるシームレスなテレビ放送をコンテンツ記録媒体104に記録することができる。
録画プログラム生成部13は、録画プログラムを生成すると、その生成した録画プログラムを録画プログラム格納部15に出力する。
録画プログラム格納部15は、録画プログラム生成部13から出力される録画プログラムを格納する。録画プログラム格納部15は、録画プログラム生成部13から出力される録画プログラムに対応するテレビ放送が放送局31から実際に送信されるまで、その録画プログラムを一時的に格納する。そして、録画プログラム格納部15は、自身が格納する録画プログラムに対応するテレビ放送が受信されたとき、そのテレビ放送に対応する録画プログラムを録画用データ生成部16に出力する。
また、録画プログラム格納部15は、HDD等の磁気ディスク装置や半導体メモリ等の公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。なお、認証条件格納部12と録画プログラム格納部15は、それぞれ必要なデータが記憶可能であればよく、それぞれを別の記憶装置で実現してもよいし、1つの記憶装置のなかで記憶領域を分割することで実現してもよい。
録画用データ生成部16は、放送受信部22がアンテナ23を用いてテレビ放送を受信すると、そのテレビ放送についての録画プログラムを録画プログラム格納部15から取得する。そして、録画用データ生成部16は、録画プログラム格納部15から取得した録画プログラムに従って、そのテレビ放送の録画処理を実行し、そのテレビ放送の編集後のデータを録画用データとして生成する。
このようにして生成された録画用データはコンテンツ記録媒体104に記録される。
次に、コンテンツ記録装置10のハードウェア構成の一例について説明する。図3は、コンテンツ記録装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
コンテンツ記録装置10は、図3に示すように、制御装置40と、表示装置41と、入力装置42と、映像・インタフェース43と、ドライブ44と、ネットワーク・インタフェース45と、バス46と、HDD47と、を有している。
制御装置40は、コンテンツ記録装置10の動作の制御、コンテンツ記録処理をするものであり、所定の制御プログラム、コンテンツ記録処理プログラムの指示に基づき、コンテンツ記録装置10の動作を制御して、例えば、認証部11によるコンテンツ記録媒体104に対する認証処理、録画プログラム生成部13による録画プログラム生成処理、録画用データ生成部16による録画用データ生成処理、及び、録画用データ生成部16により生成された録画用データを放送データとしてコンテンツ記録媒体104に記録する処理等を行なう。
制御装置40は、各種プログラムの命令を処理するCPU401と、一時記憶のデータを格納するランダムアクセスメモリ402(以下、「RAM402」と呼ぶ)と、所定の制御プログラム、コンテンツ記録処理プログラム等が格納されているリードオンリーメモリ403(以下、「ROM403」と呼ぶ。)と、を有している。
CPU401は、ROM403に記憶されているプログラム、又は、図示しないHDDに記憶されているプログラムか、RAM402に記憶されたプログラムに従って各種の処理を実施する。また、CPU401は、RAM402に各部の処理に必要なデータを一時記憶する。
表示装置41は、公知の液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等から適宜用いることができる。表示装置41に表示された画面を通して、利用者の各種の指示が入力される。
また、表示装置41の表示画面には、放送受信部22により受信されるテレビ放送の再生画像、または、編集後の放送データの再生画像、が表示されてもよい。もちろん、図2に示すように、コンテンツ記録装置10に表示部25が接続されている場合には、これらの再生画像は、上述したように、その表示部25に表示することもできる。
入力装置42は、公知のキーボードやマウス等を用いることができる。利用者は、入力装置42を利用して表示装置41に表示されて表示画面等に、必要な指示の入力を行なうことができる。利用者によるこれらの入力によって、例えば、特定のテレビ放送についての編集情報の取得、編集後の放送データの再生、その他の指示が可能となる。
映像・インタフェース43は、放送受信部22と番組再生部24に接続されている。そして、映像・インタフェース43は、放送受信部22とコンテンツ記録装置10間の通信、及び、番組再生部24とコンテンツ記録装置10間の通信、を可能とする。
ドライブ44は、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれている許諾キーの読み出し、あるいは、編集後の放送データの記録に用いられる。もちろん、受信されたテレビ放送を編集することなくコンテンツ記録媒体104に記録する場合にも用いられる。
ネットワーク・インタフェース45は、コンテンツ記録装置10と編集情報通信部21を接続するためのインタフェースである。
バス46は、上記の各構成要素間で送受信される各種データの共通送信路である。
ここで、コンテンツ記録媒体104の具体例について説明する。図4は、コンテンツ記録媒体104の概略構成を示す断面図である。
コンテンツ記録媒体104は、図4に示すように、再生光入射面側から順に、透光層51、第1情報記録層52、中間層53、第2情報記録層54及び基板55が積層された構造となっている。
透光層51は、例えば、厚さ75μmの紫外線硬化樹脂からなる。透光層51の材料は、再生光の波長において透過率が高いものであれば良い。すなわち、透光層51は、例えばポリカーボネートフィルムと透明粘着剤とで形成されていても良い。また、透光層51の表面には、表面保護のためのハードコートが設けられていても良い。さらに、透光層51の厚さは、コンテンツ記録装置10が有する光学系に応じて変更されても良い。具体的には、透光層51は、例えば0.6mmのポリカーボネ−ト基板であっても良い。
第1情報記録層52は、ROM層であり、例えば、成膜時の窒素流量により屈折率調整された厚さ15nmの窒化アルミからなる。第1情報記録層52の厚さ及び材料は、これに限られるものではなく、例えば再生光波長における第1情報記録層52の反射率の値が0.4%より大きく2.2%以下となるものであれば良い。
すなわち、第1情報記録層52は、再生光波長において透光性を有しており、上記反射率の値は、第2情報記録層54を再生するときの第2再生光ではフォーカス引き込みが不可能になる値であり、第1情報記録層52を再生するときの第1再生光ではフォーカス引き込みが可能になる値であれば良い。
具体的には、第1情報記録層52は、上記窒化アルミの他に、例えば窒化シリコン、または、窒化アルミもしくは窒化シリコンを主成分とする誘電体からなっていても良く、多層構造であっても良い。
ここで、上記第2再生光は、第2情報記録層54等のRE層を再生するときにコンテンツ記録媒体104に照射されるものであり、例えば旧規格の光情報記録媒体に対応した駆動装置でも照射できるものである。また、上記第1再生光は、第2再生光よりも強度が高く、第1情報記録層52を再生するときにコンテンツ記録媒体104に照射されるものである。この第1再生光は、新規格の光情報記録媒体に対応した駆動装置にて照射されるものである。
中間層53は、例えば、厚さ25μmの透明紫外線硬化樹脂からなる。中間層53の材料は、これに限られたものではなく、再生光の波長において透過率が高い材料であれば良い。また、中間層53の厚さも、これに限られたものではなく、第1情報記録層52及び第2情報記録層54を分離でき、層間クロストークが問題にならない適度の厚さであれば良い。なお、層間クロストークとは、再生中の情報記録層以外の情報記録層からのノイズを指す。さらに、中間層53は、多層構造であっても良い。また、中間層53の、第1情報記録層52側の面には、第1情報記録層52に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピット(図示しない)が設けられている。
第2情報記録層54は、RE層であり、例えば7層の薄膜からなる。この7層の薄膜は、再生光入射側から、第1保護膜541(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO2)、第2保護膜542(例えば、厚さ5nmのZrO)、記録層543(例えば、厚さ10nmのGeTe−Sb2Te3)、第3保護膜544(例えば、厚さ5nmのZrO)、第4保護膜545(例えば、厚さ35nmのZnS−SiO2)、第5保護膜546(例えば、厚さ5nmのZrO)、及び反射膜547(例えば、厚さ20nmのAPC(AgPdCu))が順に積層されてなる。なお、第2情報記録層54の材料、厚さ及び層数は、これに限られるものではなく、RE層として機能するものであれば良い。
基板55は、例えば、厚さ1.1mmのポリカーボネートからなる。基板55の材料及び厚さは、これに限られるものではなく、表面にグルーブが設けられており、かつ基板として使用できる程度の所定の強度があれば良い。具体的には、基板55は、例えばポリオレフィン樹脂、金属等からなっていても良い。さらに、基板55は、多層構造であっても良い。
なお、基板55の表面には、グルーブの他に、第2情報記録層54に形状として記録される情報に応じた凹凸からなるプリピットが設けられていても良い。この場合、第2情報記録層54のプリピットが設けられた領域は、情報の読み出しのみ可能な領域となる。すなわち、第2情報記録層54は、RE領域とROM領域とを含む構成であっても良い。
上述したように、コンテンツ記録媒体104には許諾キーがあらかじめ埋め込まれている。そして、この許諾キーは、コンテンツ記録媒体104の利用者に対して編集情報の利用を許諾したことを表わすものである。したがって、コンテンツ記録媒体104が一旦市場に配布された後に、この許諾キーが不正に使用されることがないようにする必要がある。
このため、図4に示したコンテンツ記録媒体104は、自身が持つ記録領域のうち、ROM層である第1情報記録層52、あるいは、第2情報記録層54のROM領域に許諾キーがあらかじめ記録している。つまり、このコンテンツ記録媒体104では、一旦市場に出回った後、第三者が不正にこのコンテンツ記録媒体10に埋め込まれている許諾キーを不正に使用することが不可能となるように、利用者が再生のみ可能なROM層、あるいは、ROM領域に許諾キーが記録されている。
そして、コンテンツ記録装置10の認証条件格納部12に格納される認証条件では、許諾キーが埋め込まれているコンテンツ記録媒体104の記録領域の位置として、上記のROM層、あるいは、ROM領域が規定されている。
そうすることにより、仮に、第三者が不正にこの許諾キーを複製した後、編集情報の利用許諾を受けていないコンテンツ記録媒体に記録し、編集情報を不正に利用しようとしても、利用者が再生のみ可能なROM層やROM領域にその許諾キーを記録することは当然のことながら不可能である。
その結果、不正な利用者が許諾キーを複製できたとしても、編集情報を不正に使用し、放送局31からのテレビ放送を不正に編集することを確実に回避することができる。
したがって、著作権者等である放送局31は、安心して、許諾キーが埋め込まれたコンテンツ記録媒体104を市場に置くことができる。
なお、本実施の形態におけるコンテンツ記録媒体104の構成は、図4に示した構成に限られるものではない。公知のDVD−RW、DVD−RAM等その他の記録媒体のすべてを含むことを意図しており、これらの記録媒体における利用者が再生のみ可能な記録領域(例えばBCA領域等)に許諾キーがあらかじめ埋め込まれていればよい。
次に、編集情報について説明する。図5は、編集情報の内容を説明するための説明図である。
図5において、この編集情報60は、番組特定領域61と、番組素材識別領域62と、録画プログラム特定領域63と、番組時間領域64と、を有している。
番組特定領域61には、テレビ放送が放送された放送環境を特定するための番組特定情報が記載されており、例えば、番組名、放送局、放送日時、チャンネル番号及びイベント番号等が記載されている。
イベント番号は、番組を一意に決定する番号である。番組特定領域61では、この編集情報60が扱う番組が特定される。例えば、図1の放送局サイト101の編集情報格納部32では、多数のテレビ放送についての編集情報が格納されているが、この編集情報格納部32において、各テレビ放送の編集情報を検索するためのキーとなる情報が番組特定領域61に記載される情報である。
番組素材識別領域62には、番組素材を識別するための番組素材識別情報が記載されている。この番組素材識別情報により、番組素材と編集情報60とが関連付けられる。番組素材識別情報は、番組素材を作成した作成者が発行する情報で、番組素材を一意に識別することを可能とする情報である。
例えば、番組素材識別情報を発行した発行元、あるいは権利を有する機関等である放送局31が、編集情報格納部32上で多数の番組素材識別情報を管理している。例えば、放送局31が、番組素材を含む番組を放送する場合は、番組を特定する番組特定情報を放送局31の編集情報格納部32に登録する。登録された番組の番組特定情報と、番組素材の番組素材識別情報とは、編集情報格納部32上で関連付けられて管理される。
このように、番組素材を含む番組が放送される場合には、その番組の番組特定情報が、編集情報格納部32に登録されて、番組素材と関連付けられて管理される。図5に示す番組素材識別領域62には、番組素材の識別情報(XXXXXXXX)が記載されている。
録画プログラム特定領域63には、例えば、参照データと参照データ長とが記載されている。参照データは、番組特定領域61に記載された番組特定情報で特定される番組情報を録画プログラムに関連付ける際に利用する情報名である。参照データ長は、番組情報を参照する録画プログラムが参照するデータのデータ長である。これら参照データ及び参照データ長により、番組情報を参照する録画プログラムと、その番組情報に関する編集情報60とが関連付けられる。
また、録画プログラムと編集情報60との関連付けは、参照データと参照データ長とにより行なわれるので、同じ番組名が複数存在する場合でもそれらを区別することができる。
番組時間領域64には、例えば、電子番組ガイドのように番組の放送予定を時間軸上で示したものが記載される。番組時間領域64に記載された開始点、終了点、間隔を持つ項目をアクションと呼ぶ。
番組時間領域64における開始点、終了点、間隔等の時間情報は、PTS(Presentation Time Stamp)で表される。PTSとはMPEG−2規格で定められた値で、各フレームの表示タイミングを90kHzの精度で数値化したものである。
番組時間領域64の時間情報は、上述したように、開始点、終了点、間隔の各項目を有している。各行は、番組の本編またはそれ以外のコマーシャルやニュース、本編の重複部等の各放送部分に対応している。
開始点は、その放送部分が開始される時刻であり、終了点は、その放送部分が終了する時刻である。間隔は、開始点と終了点との間隔である。なお、開始点と終了点は、絶対的な時刻である必要はなく、ある時点、例えば、このテレビ放送の開始時刻を基準とする相対的な時刻であってよい。
次に、録画プログラムについて説明する。図6は、録画プログラムを説明するための説明図である。ここでは、図5に示した編集情報60を用いて作成された録画プログラムを例として説明する。
図6に示すように、この録画プログラム70は、編集情報特定領域71と、録画時間特定領域72と、を有している。
編集情報特定領域71には、図5に示した編集情報60の録画プログラム特定領域61に記載された参照データ及びその参照データ長が記載されている。上述したように、これら参照データ及びその参照データ長により、番組情報を参照する録画プログラムと、その番組情報に関する編集情報60とが関連付けられる。
録画時間特定領域72には、録画区間、時間情報(開始点、終了点)、間隔の各項目が記載されている。各行は、番組の本編の各放送部分に対応し、時間の経過に従って、上の行から下の行へと進行していく。時間情報の開始点は、その放送部分が開始される時刻であり、時間情報の終了点は、その放送部分が終了する時刻である。間隔は、開始点と終了点との間隔である。なお、開始点と終了点は、絶対的な時刻である必要はなく、ある時点、例えば、このテレビ放送の開始時刻を基準とする相対的な時刻であってよい。
このように、図6に示した録画プログラム70は、図5に示した編集情報60を用いて、対応するテレビ放送から本編を除くコマーシャル、ニュース、本編の重複部のすべてが削除されるべく、生成されている。
そして、コンテンツ記録装置10は、この録画プログラム70に沿って、対応するテレビ放送の録画処理を行なうので、コンテンツ記録媒体104に記録される放送データは、対応するテレビ放送から本編を除くコマーシャル、ニュース、本編の重複部のすべてが削除されたシームレスな放送データとなる。
次に、図6に示した録画プログラム70が与えられた場合に、テレビ放送がどのように編集されるかについて、図7を用いて説明する。なお、上記のテレビ放送は、19時05分00秒から20時00分00秒までの、編集情報60に対応するチャンネルの番組についてのテレビ放送であるとする。
図7の左側には、放送受信部22によって受信されるテレビ放送のデータをタイムテーブルに表わしたものである。そして、そのタイムテーブルの右横に付された時間は、放送がされた時間を表している。このテレビ放送は、19時05分00秒から20時00分00秒の間の放送に関する放送データであることが分かる。
図7の右側には、コンテンツ記録装置10の録画用データ生成部16によって編集された後の録画用データである。録画用データ生成部16は、図6の録画プログラムに従って、先ず、図6の録画時間特定領域72に記載された本編1の録画の開始点である19時05分00秒になると、録画用データ生成部16は、放送受信部22によって受信されるテレビ放送のデータの録画を開始する。そして、本編1の録画の終了点である19時10分10秒になると、録画用データ生成部16は、そのテレビ放送のデータの録画を停止する。
次に、削除対象であるコマーシャル(CM)1及び本編の重複部1が終了し、本編2の録画の開始点である19時13分40秒になると、録画用データ生成部16は、再び、そのテレビ放送のデータの録画を再開する。そして、本編2の録画の終了点である19時28分25秒になると、録画用データ生成部16は、そのテレビ放送のデータの録画を停止する。
次に、削除対象であるコマーシャル(CM)2、コマーシャル(CM)3及び本編の重複部2が終了し、本編3の録画の開始点である19時31分55秒になると、録画用データ生成部16は、再び、そのテレビ放送のデータの録画を再開する。そして、本編3の録画の終了点である19時40分00秒になると、録画用データ生成部16は、そのテレビ放送のデータの録画を停止する。
次に、削除対象であるニュース及び本編の重複部3が終了し、本編4の録画の開始点である19時43分30秒になると、録画用データ生成部16は、再び、そのテレビ放送のデータの録画を再開する。そして、本編4の録画の終了点である20時00分00秒になると、録画用データ生成部16は、そのテレビ放送のデータの録画を停止する。
このようにして、本編以外にコマーシャル、ニュース、本編の重複部を含むテレビ放送のデータからコマーシャル、ニュース、本編の重複部は削除され、本編のみからなるシームレスな録画用データを生成することができる。
この例では、元のテレビ放送では、55分ある番組が、コマーシャル、ニュース、本編の重複部が削除されることにより、44分20秒に短縮されていることが分かる。
このようにして生成された録画用データは、後で再生されるために、コンテンツ記録媒体104に記録される。
次に、コンテンツ記録装置10の録画処理について、図8を用いて説明する。図8は、コンテンツ記録装置10の録画処理を示すフローチャートである。
ここでは、テレビ放送は、留守録等によって、当該録画処理により編集されながら、コンテンツ記録媒体104に記録される。もちろん、テレビ放送を一旦すべて、コンテンツ記録装置10に搭載されたHDDに記録し、その後、当該録画処理によって編集されながらコンテンツ記録媒体104に記録されることも可能である。
図8において、先ず、コンテンツ記録装置10は、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれている筈の許諾キーの取得を試みる(ステップS101)。
本ステップS101では、具体的には、コンテンツ記録装置10は、認証条件格納部12にあらかじめ格納されている認証条件により位置特定されるコンテンツ記録媒体104の記録領域から、許諾キーの取得を試みる。
次に、コンテンツ記録装置10の認証部11は、コンテンツ記録媒体104から取得した許諾キーを検証し(ステップS102)、その許諾キーが正当なものであるか否かを判定する(ステップS103)。そして、その許諾キーが不当なものであれば(ステップS103NO)、コンテンツ記録装置10の録画処理は終了する。
一方、その許諾キーが正当なものであれば(ステップS103YES)、コンテンツ記録装置10は、編集情報通信部21により受信された編集情報を取得する(ステップS104)。
本ステップS104では、具体的には、コンテンツ記録装置10は、取得した編集情報を利用者が視認可能となるように、放送局31から送信されるテレビ放送の画像を表示するための図1の表示部25、あるいは、利用者の各種の指示が入力可能である図3に示した表示装置41に、表示させる。そして、利用者は、その表示部25、あるいは、表示装置41に表示された編集情報を見ながら、放送局31から送信されるテレビ放送の編集内容を決定することができる。
次に、コンテンツ記録装置10は、利用者が設定部14により設定したテレビ放送の編集内容を表わす設定条件を取得する(ステップS105)。
次に、コンテンツ記録装置10の録画プログラム生成部13は、編集情報通信部21により受信される編集情報と、設定部14により設定された設定条件と、が入力されると、放送受信部22により受信される放送局31からのテレビ放送を編集し、コンテンツ記録媒体104に記録する際に利用する録画プログラムを生成する(ステップS106)。そして、録画プログラム生成部13は、自身が生成した録画プログラムを録画プログラム格納部15に出力し、格納させる。
次に、コンテンツ記録装置10の録画用データ生成部16は、放送受信部22がアンテナ23を用いてテレビ放送を受信すると、そのテレビ放送についての録画プログラムを録画プログラム格納部15から取得する。そして、録画用データ生成部16は、録画プログラム格納部15から取得した録画プログラムに従って、そのテレビ放送の録画処理を実行し、そのテレビ放送の編集後のデータを録画用データとして生成する(ステップS108)。
最後に、コンテンツ記録装置10は、録画用データ生成部16により生成された録画用データをコンテンツ記録媒体104に記録する(ステップS109)。
以上説明したように、本発明の実施の形態1におけるコンテンツ記録装置10によれば、放送局31から送信されるテレビ放送についての編集情報を取得し、その編集情報に基づく利用者からの求めに応じて、そのテレビ放送を編集し、記録することができる。
このため、テレビ放送が利用者の求めに正確に沿う編集がなされ、その結果、利用者の好みにあったテレビ放送の編集が実現されることになる。
また、本発明の実施の形態1におけるコンテンツ記録装置10によれば、放送局31から送信される編集情報の利用許諾を、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれ、利用者による書き換えが不可能な許諾キーを用いて行なうことにより、正当な許諾キーが埋め込まれていないコンテンツ記録媒体104に対するテレビ放送のデータ記録の際における編集情報の利用を不可能にすることができる。
このため、コンテンツ記録媒体104に正当な許諾キーが埋め込まれていない場合には、テレビ放送が利用者により不正に編集されることがなくなり、その結果、テレビ放送の編集後の放送データがコンテンツ記録媒体104に不正に記録されてしまうことを回避することができる。
なお、本実施の形態においては、テレビ放送から編集情報を用いて削除するものとして、コマーシャル、ニュース、本編の重複部を例として説明したが、その他、未成年者に対し教育的な問題から削除が望ましい映像や、利用者の年齢によって視聴を規制すべき映像等の削除を行なうことも、もちろん可能である。
また、本実施の形態においては、放送局31が作成する編集情報は、放送局31が通信回線103を介して、コンテンツ記録装置10に送信しているが、例えば、この編集情報をあらかじめコンテンツ記録媒体104に記録しておいてもよいし、コンテンツ記録装置に予め記録されていても良い。この場合、この編集情報は、放送局31が送信するテレビ放送ごとに決まっていてもよいし、あるいは、複数のパターンを準備しておき、テレビ放送の内容について事前に情報を得ることにより、その複数のパターンのうちから利用すべきパターンを決定するようにしてもよい。
さらに、放送局31が作成する編集情報は、放送局31自身が保有しておく必要はなく、例えば、通信回線103に接続された、編集情報の送信専用に設けられたサーバーに格納しておいてもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上記の実施の形態1では、放送局31が送信するテレビ放送についての編集情報は、通信回線103を介して、コンテンツ記録装置10に送信されている。このため、通信回線103がインターネット等の機密保持性のない通信回線であった場合、編集情報が通信回線103上から不正に取得されてしまう恐れがあった。
そして、編集情報を不正に取得した利用者は、自身のコンテンツ記録装置を用いて放送局31から送信されるテレビ放送を編集し、記録することが可能となってしまう。
そこで、本発明の実施の形態2は、放送局31から送信される編集情報を暗号化し、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれている許諾キーを、その暗号化された編集情報を復号化するための復号化キーとして用いることにより、通信回線103上において編集情報が不正に取得された場合でも、その編集情報の不正利用を回避することができる実施の形態である。本実施の形態によれば、正当なコンテンツ記録媒体104を購入した者のみが編集情報を利用可能とするためのセキュリティー対策を、上記の実施の形態1と比較して、より向上させることができるのである。
図9は、本発明の実施の形態2におけるコンテンツ記録装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態におけるコンテンツ記録装置80は、図9に示すように、認証部81と、認証条件格納部82と、復号化部83と、録画プログラム生成部84と、設定部85と、録画プログラム格納部86と、録画用データ生成部87と、を有している。
認証部81は、編集情報通信部21により受信される編集情報の利用許諾を表わす許諾キーが、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれているときには、編集情報の利用許諾を認証する。
ここで、本実施の形態における許諾キーは、上記の実施の形態1における許諾キーとは以下の点で異なっている。
すなわち、本実施の形態における許諾キーは、放送局31によって暗号化された編集情報を復号化するために利用される復号化キーを兼ねている点である。
具体的には、放送局31は、自身が送信するテレビ放送についての編集情報を暗号化した後、通信回線103を用いて、その暗号化された編集情報を家庭サイト102等の公衆に向けて送信する。
一方、家庭サイト102のコンテンツ記録装置80では、コンテンツ記録媒体104に埋め込まれた許諾キーを取得し、この許諾キーを用いて放送局31から送信された編集情報を復号化する。
このため、正当な許諾キーがあらかじめ埋め込まれたコンテンツ記録媒体104を持つ利用者のみが編集情報を復号化し、テレビ放送を編集し、コンテンツ記録媒体104に記録することが可能となる。
認証部81は、このような許諾キーがコンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれていると、編集情報の利用許諾を認証し、その認証結果を復号化部83に出力する。
認証条件格納部82は、認証部81がコンテンツ記録媒体104に対する認証処理を行なうときに利用する認証条件をあらかじめ格納している。そして、認証条件格納部82は、認証部81がコンテンツ記録媒体104に対する認証処理を行なうときに、自身が格納する認証条件を認証部81に出力する。
本実施の形態における認証条件は、上記の実施の形態1とは異なり、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれている許諾キーが正当なものであるか否かの判定は、必ずしも必要ではない。なぜなら、仮に、コンテンツ記録媒体104から取得された許諾キーが不当なものであれば、暗号化されて送信されて来る編集情報をその許諾キーを用いて復号化することができないからである。
このため、本実施の形態における認証条件は、少なくとも、コンテンツ記録媒体104の記録領域における、許諾キーの格納位置を特定するための条件が含まれていればよい。
したがって、認証部81による認証処理の負荷を低減させると共に、認証条件格納部82の容量を小さくすることができる。
コンテンツ記録装置80は、コンテンツ記録媒体104が装着されると、そのコンテンツ記録媒体104の記録領域のうち、この認証条件により特定された位置に対して、許諾キーの検出を試みることになる。
もちろん、認証部81は、コンテンツ記録媒体104に許諾キー自体が埋め込まれていない場合には、このコンテンツ記録媒体104を用いたテレビ放送の記録に対しては、編集情報の利用許諾を認証しない。
また、認証条件格納部82は、このような認証条件をあらかじめ格納する。認証条件格納部82は、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク装置や半導体メモリ等の公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。
復号化部83は、編集情報通信部21により受信される、暗号化された編集情報と、コンテンツ記録装置80により取得された許諾キーと、が入力される。そして、復号化部83は、その許諾キーを用いて編集情報を復号化し、その復号化結果を録画プログラム生成部84に出力する。
ここで、仮に、取得された許諾キーが不当なものであれば、復号化部83は編集情報を復号化することができない。この場合、コンテンツ記録装置80は編集情報を利用することはできず、その結果、テレビ放送を編集し、その編集後の放送データをコンテンツ記録媒体104に記録することは不可能となる。
復号化部83は、編集情報の復号化に成功すると、その復号化された編集情報を録画プログラム生成部84に出力する。
録画プログラム生成部84は、復号化部83により復号化された編集情報と、設定部85により設定される、利用者がその編集情報を用いて決定したテレビ放送の編集内容を表わす設定条件と、が入力される。そして、録画プログラム生成部84は、復号化部83により復号化された編集情報と、設定部85により設定された利用者の求めに従う設定条件とを用いて、放送受信部22により受信される放送局31からのテレビ放送を編集し、コンテンツ記録媒体104に記録するために利用される録画プログラムを生成する。
設定部85は、テンキー、キーボード等を持ち、利用者は、それらテンキー、キーボード等を用いて、テレビ放送の編集内容を設定部85に設定する。このとき、コンテンツ記録装置80が、復号化部83により復号化された編集情報を番組再生部24により表示部25に表示させ、利用者がその編集情報を視認可能となるようにすればよい。そうすることにより、利用者はその編集情報を参照しながらテレビ放送の編集を効率よく行なうことができる。
もちろん、コンテンツ記録装置80に編集情報を表示させる表示装置を独自に設けてもよく、この場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
録画プログラム生成部84により生成される録画プログラムについては、上記の実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
録画プログラム生成部84は、録画プログラムを生成すると、その生成した録画プログラムを録画プログラム格納部86に出力する。
録画プログラム格納部86は、録画プログラム生成部84から出力される録画プログラムを格納する。録画プログラム格納部86は、録画プログラム生成部84から出力される録画プログラムに対応するテレビ放送が放送局31から実際に送信されるまで、その録画プログラムを一時的に格納する。そして、録画プログラム格納部86は、自身が格納する録画プログラムに対応するテレビ放送が受信されたとき、そのテレビ放送に対応する録画プログラムを録画用データ生成部87に出力する。
また、録画プログラム格納部86は、HDD等の磁気ディスク装置や半導体メモリ等の公知の記憶装置から適宜選択して用いることができる。なお、認証条件格納部82と録画プログラム格納部86は、それぞれ必要なデータが記憶可能であればよく、それぞれを別の記憶装置で実現してもよいし、1つの記憶装置のなかで記憶領域を分割することで実現してもよい。
録画用データ生成部87は、放送受信部22がアンテナ23を用いてテレビ放送を受信すると、そのテレビ放送についての録画プログラムを録画プログラム格納部86から取得する。そして、録画用データ生成部87は、録画プログラム格納部86から取得した録画プログラムに従って、そのテレビ放送の録画処理を実行し、そのテレビ放送の編集後のデータを録画用データとして生成する。
このようにして生成された録画用データはコンテンツ記録媒体104に記録される。
次に、コンテンツ記録装置80の録画処理について、図10を用いて説明する。図10は、コンテンツ記録装置80の録画処理を示すフローチャートである。
ここでは、テレビ放送は、留守録等によって、当該録画処理により編集されながら、コンテンツ記録媒体104に記録される。もちろん、テレビ放送を一旦すべて、コンテンツ記録装置80に搭載されたHDDに記録し、その後、当該録画処理によって編集されながらコンテンツ記録媒体104に記録されることも可能である。
図10において、先ず、コンテンツ記録装置80は、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれている筈の許諾キーの取得を試みる(ステップS201)。
本ステップS201では、具体的には、コンテンツ記録装置80は、認証条件格納部82にあらかじめ格納されている認証条件により位置特定されるコンテンツ記録媒体104の記録領域から、許諾キーの取得を試みる。
次に、コンテンツ記録装置80の認証部81は、コンテンツ記録媒体104から許諾キーを取得できなければ(ステップS202NO)、コンテンツ記録装置80の録画処理は終了する。
一方、コンテンツ記録媒体104から許諾キーを取得できれば(ステップS202YES)、コンテンツ記録装置80は、編集情報通信部21により受信された編集情報を取得する(ステップS203)。なお、この編集情報は、放送局31により暗号化された後、送信されたものである。
次に、コンテンツ記録装置80の復号化部83は、コンテンツ記録媒体104から取得された許諾キーが入力されると、編集情報通信部21により受信された編集情報の復号化を試みる(ステップS204)。
次に、コンテンツ記録装置80の復号化部83は、編集情報通信部21により受信された編集情報を復号化できなければ(ステップS205NO)、コンテンツ記録装置80の録画処理は終了する。
一方、コンテンツ記録装置80の復号化部83は、編集情報通信部21により受信された編集情報を復号化できれば(ステップS205YES)、その復号化した編集情報を録画プログラム生成部84に出力する。
そして、コンテンツ記録装置80は、取得した編集情報を利用者が視認可能となるように、放送局31から送信されるテレビ放送の画像を表示するための図1の表示部25、あるいは、利用者の各種の指示が入力可能である図3に示した表示装置41に、表示させる。そして、利用者は、その表示部25、あるいは、表示装置41に表示された編集情報を見ながら、放送局31から送信されるテレビ放送の編集内容を決定する。
次に、コンテンツ記録装置80は、利用者が設定部85により設定したテレビ放送の編集内容を表わす設定条件を取得する(ステップS206)。
次に、コンテンツ記録装置80の録画プログラム生成部84は、編集情報通信部21により受信される編集情報と、設定部85により設定された設定条件と、が入力されると、放送受信部22により受信される放送局31からのテレビ放送を編集し、コンテンツ記録媒体104に記録する際に利用する録画プログラムを生成する(ステップS207)。そして、録画プログラム生成部84は、自身が生成した録画プログラムを録画プログラム格納部86に出力し、格納させる。
次に、コンテンツ記録装置80の録画用データ生成部87は、放送受信部22がアンテナ23を用いてテレビ放送を受信すると、そのテレビ放送についての録画プログラムを録画プログラム格納部86から取得する。そして、録画用データ生成部87は、録画プログラム格納部86から取得した録画プログラムに従って、そのテレビ放送の録画処理を実行し、そのテレビ放送の編集後のデータを録画用データとして生成する(ステップS209)。
最後に、コンテンツ記録装置80は、録画用データ生成部87により生成された録画用データをコンテンツ記録媒体104に記録する(ステップS210)。
以上説明したように、本発明の実施の形態2におけるコンテンツ記録装置80によれば、放送局31から送信されるテレビ放送についての編集情報を取得し、その編集情報に基づく利用者からの求めに応じて、そのテレビ放送を編集し、記録することができる。
このため、テレビ放送が利用者の求めに正確に沿う編集がなされ、その結果、利用者の好みにあったテレビ放送の編集が実現されることになる。
また、本発明の実施の形態2におけるコンテンツ記録装置80によれば、放送局31から送信される編集情報の利用許諾を、コンテンツ記録媒体104にあらかじめ埋め込まれている許諾キーを用いて行なうことにより、正当な許諾キーが埋め込まれていないコンテンツ記録媒体104に対するテレビ放送のデータ記録の際における編集情報の利用を不可能にすることができる。
このため、コンテンツ記録媒体104に正当な許諾キーが埋め込まれていない場合には、テレビ放送が利用者により不正に編集されることがなくなり、その結果、テレビ放送の編集後の放送データがコンテンツ記録媒体104に不正に記録されてしまうことを回避することができる。
さらに、本発明の実施の形態2におけるコンテンツ記録装置80によれば、コンテンツ記録媒体104に埋め込まれる許諾キーを、暗号化されて送信される編集情報を復号化するための復号化キーとして用いることにより、通信回線103がインターネット等の機密保持性のない通信回線であった場合でも、編集情報が通信回線103上から不正に取得されてしまうことを回避することができる。
このため、正当なコンテンツ記録媒体104を購入した者のみが編集情報を利用可能とするためのセキュリティー対策をより向上させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、コンテンツ記録装置10、80の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、コンテンツ記録装置10、80は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、前記プログラムを格納したROM(read only memory)、前記プログラムを展開するRAM(random access memory)、前記プログラム及び各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるコンテンツ記録装置10、80の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、前記コンテンツ記録装置10、80に供給し、そのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
前記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやコンパクトディスク−ROM/MO/MD/デジタルビデオデイスク/コンパクトディスク−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、コンテンツ記録装置10、80を通信ネットワークと接続可能に構成し、前記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、前記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、本発明は、以下のようにも表現することができる。すなわち、本発明におけるコンテンツ記録媒体は、コンテンツの記録及び再生が可能な情報記録媒体であって、コンテンツを任意に編集するための編集情報を利用可能とする認証鍵が記録されている。
上記認証鍵は、情報記録媒体記録再生装置が上記編集情報の利用認証を行なう場合にのみ利用可能な位置に記録されていることが好ましい。
本発明におけるコンテンツ記録媒体は、上記編集情報が記録されている。
本発明におけるコンテンツ記録装置は、上記のコンテンツ記録媒体に外部より入力されたコンテンツを記録するコンテンツ記録装置であって、上記コンテンツ記録装置に内蔵されている情報記録媒体に上記編集情報が記録されており、上記コンテンツ記録媒体に記録されている認証鍵により上記編集情報が利用可能となる認証手段と、上記認証された編集情報に基いて録画プログラムが生成される録画プログラム生成手段を有する。
本発明におけるコンテンツ記録装置は、上記のコンテンツ記録媒体に外部より入力されたコンテンツを記録するコンテンツ記録装置であって、外部より上記編集情報を取得する編集情報取得手段と、上記コンテンツ記録媒体に記録されている認証鍵により上記編集情報が利用可能となる認証手段と、上記認証された編集情報に基づいて録画プログラムが生成される録画プログラム生成手段を有する。
本発明におけるコンテンツ記録装置は、上記のコンテンツ記録媒体に外部より入力されたコンテンツを記録するコンテンツ記録装置であって、上記コンテンツ記録媒体に記録された上記編集情報を再生する再生手段と、上記コンテンツ記録媒体に記録されている認証鍵により上記編集情報が利用可能となる認証手段と、上記認証された編集情報に基づいて録画プログラムが生成される録画プログラム生成手段を有する。