JP2010153783A - 吸引型プラズマエッチング装置およびプラズマエッチング方法 - Google Patents

吸引型プラズマエッチング装置およびプラズマエッチング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸引型のプラズマガン搭載型プラズマエッチング装置及びプラズマエッチング方法を提供する。
【解決手段】キャピラリー3とプラズマ発生用電極4を具備したプラズマガン2のキャピラリー先端部6が密閉容器1内に配設されてなり、前記プラズマガン2の密閉容器1外にある端部には排気装置7が連結されており、また、前記密閉容器1にはガス導入部8が設けられており、該ガス導入部8には反応性原料ガス供給ユニット9が連結されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ中で作られたプラズマ化反応性ラジカル種(プラズマ化した反応性ガス)と固体中の原子との反応により揮発性化合物を作り、それを蒸発除去することにより固体表面をエッチング加工するための装置及び方法に関する。更に詳細には、例えば、半導体分野において、絶縁膜、金属膜等を表面に被覆したシリコンウェーハの絶縁膜や金属膜の剥離、除去等を局所領域で行なうための吸引型プラズマガン搭載型マイクロプラズマエッチング装置およびプラズマエッチング方法に関するものである。
本発明で言うプラズマエッチングとは、プラズマ化した反応性ガス(ラジカル種)とエッチング対象物(以下ワークと略記する)との反応によるワーク表面の除去作用をいうものであり、例えばプラズマ化したフッ素等の反応性ガスをワーク表面に照射し、プラズマ化した反応性ガスとワークとの間の反応で生成した揮発性化合物を蒸発除去せしめることにより、照射をうけたワーク表面を精度よくエッチングにより除去して行くことを特徴とするものである。プラズマエッチングによる作用の効果は、用いる反応性ガスの種類により異なり、また時間や印加する電力を加減することによりその強弱をコントロールすることができる。そして半導体加工プロセスの手段として用いられることが多いがその他、様々な用途に応用が可能である。
プラズマエッチングを行なう方法としては、例えば特許文献1に、一対の平行平板電極(高周波印加電極および接地電極)が設置された密閉容器中に反応性原料ガスを充満しておき、前記平行平板電極の一方にワークを載置し、この平行平板電極間に高周波電力を印加すれば、電力はワークにもかかるのでプラズマは電極間で発生する。反応性原料ガスはプラズマ中で励起されプラズマ化しラジカル化する。そして、プラズマ化反応性ガスがワークと反応し揮発性化合物となり蒸発除去され、それによりワーク表面のエッチングを行なうという方法を挙げることができる。しかしながら、この方法は不必要な活性化したイオンや熱による損傷や残渣の堆積が避けられず、均質な加工は行なえずまた、局所領域のエッチングには対応できなかった。
プラズマエッチング作業を、ワーク全面にではなく、局所的に行なうためには、局所的な作業を目的としたプラズマガンを搭載したマイクロプラズマエッチング装置を用いることができる。ここで言うプラズマガンとは、ガス導通用のキャピラリーとそれを囲繞するプラズマ発生用電極よりなり、一端が反応性原料ガスの導入装置に連結している装置を言う。プラズマガンの他端(先端)は密閉容器中に配設されており、そのキャピラリー先端開口部に対向してワークが置かれている。該密閉容器を真空状態においた上で、反応性原料ガスの導入装置より反応性原料ガスを導入する。導入された反応性原料ガスはキャピラリー中を通過する間に、プラズマ発生用電極に印加された電力により励起され、プラズマ化しラジカルとなり、ガスの流れに沿ってそのままキャピラリー先端からワーク表面に噴射され、ワークと反応し揮発性化合物となり蒸発除去され、その部分がエッチングされる。
かかるプラズマガンの特徴は、前述の通り、反応性原料ガスの導通路である石英製あるいはガラス製等の細管(キャピラリー)と、その一部を囲繞するようにして設置されたプラズマ発生用電極に特徴があり、キャピラリー中を流れる反応性原料ガスが、プラズマ発生用電極により電力を印加されプラズマ化される。そのプラズマがガスの流れに沿って移動し、ワーク表面に噴射されることでワーク表面のエッチングが行なわれるのである。即ち、前述の一対の平行平板電極の一方の上にワークを載置し、電力を印加し、ワーク表面にプラズマを発生させる方法とは異なる。プラズマ発生用電極としては、直流放電電極、高周波放電電極、低周波放電電極の何れかを用いることが一般的である。
具体的には、プラズマ発生領域を有する石英製のキャピラリー内へ四フッ化炭素(以下CFと記載する)等の反応性原料ガスを導入し、例えば、RF(ラジオフリーケンシー)を含む高周波放電電極等より高周波電波を照射、キャピラリー内で加速された反応性原料ガスを励起してプラズマ化し、発生したプラズマ化した反応性ガスをプラズマガンから、ワーク表面にダウンストリーム手法で噴射しワークと反応せしめワークの微小部分のエッチングを行なう方法であり、いわゆる噴射型のプラズマガンが用いられている。前記反応性原料ガスは専用容器(ボンベ)から強制的に圧送される。この装置を用いたエッチング方法は非接触で作業が行なわれることを一つの特徴とする。そして、半導体の分野では、局所的な微小部分の剥離、除去、加工、穿鑿、穿孔等の手段として応用されている。
近年、半導体デバイスは益々多様化が進み、今まで使用されていなかった分野でも使われ始めており、その傾向は今後も拡大して行くと予測される。同時にデバイスそのものもULSI(Ultra−Large Scale Integration)に見られるように、更に高集積化、多層化デバイスが増加し、回路の線幅がますます微細化されるとともに、製造プロセスにおいても、更に複雑で高精度化、多層化が要求されて来ている。具体的には、次世代デバイスにおいては回路幅が数十nm、配線同士の間隔が35nmになるとされている。このような状況の中で、半導体デバイスや半導体集積回路製品の不良解析等を目的として、微小な局所領域での絶縁膜の剥離や除去等の作業を行なうために、上述の噴射型プラズマガン搭載型のプラズマエッチング装置が用いられていた。
しかしながら、上述のような技術の多様化、繊細化の進行という状況の中で、従来の構造の噴射型プラズマガン搭載型プラズマエッチング装置を使用すると、ワークに対して直接高温のガス噴流を当てる事となりそのため熱損傷を起こし、面粗さを悪化させたり、余計な分子(例えば炭素)がワーク表面に付着し、エッチングレートを低下させたりするなどの問題が指摘されている。更に、加工、穿鑿、穿孔等の目的で同じ部位に長時間プラズマエッチングを行なうような場合は、前述の付着、堆積する異物を除去するために、一旦作業を止めて、例えば酸素プラズマを用いた異物除去のための別のプラズマエッチング処理(プラズマクリーニング処理)を行なうことが必要である等の問題が指摘されていた。更に、不要な加熱が行なわれ、周辺が損傷し作業が不正確になったり、汚染されたりするだけでなく、キャピラリー先端とワークとの間隙でのプラズマの拡散現象の為に、ラジカルも不必要に拡散し、所期の穴径(キャピラリー先端部の穴径)より大きな穴径でエッチングされたり、面粗さが悪くなるほか、穴の形状の精緻さを欠くようになる、即ち、要求される作業の正確度に追従できないという問題点が指摘されるようになって来ている。また、直径0.6mm以下の極めて微細な穴の形成も困難であり、前述の技術の多様化、繊細化に追随できないことも指摘されていた。つまり、プラズマエッチング作業におけるエッチング領域の局所化、微細化が急務となっている。
プラズマエッチングをシリコンウェーハ等の表面を局部的にエッチングするための方法および装置として用いることに関しては、例えば特許文献2に記載されているように局部的プラズマエッチングを行なう手段と、プラズマ化した反応性ガスとワークとの反応生成物を排出する排気管と真空ポンプを備えた装置を挙げることができる。また、局部的にエッチングし平坦化を行なう方法および装置に関しては予めエッチングする部分の平坦度を測定しておき、その平坦度の二次元分布データを処理してからエッチングする方法や、それを面方向に拡大してワークをXY軸方向に走査させながら、ワーク全体の平坦化を行なう方法が、例えば特許文献3に記載されている。これらの方法はいずれもプラズマエッチングによるシリコンウェーハ等の表面の平坦化に関わる技術であり、所謂平坦度の向上、生産性の向上と不良率の減少を目的とした技術である。
そして、特許文献4には不良原因の解析等を目的として、局所プラズマ機構による多層集積化半導体デバイスの絶縁膜の局所的な剥離、穿孔、除去等を行なうマイクロマニピュレーション装置が記載されているが、高温のプラズマガスの影響による周辺部分の損傷や汚染、またプラズマの拡散による剥離、穿孔等の形状の精緻さへの悪影響の問題の解決に関しては完全なものではなかった。更に、作業を長時間継続することに伴う、付着物や堆積物の除去等の、補助的作業の煩雑さの問題も依然解決はされていない。
また、特許文献5には、プラズマエッチングにおけるプラズマを局所領域に正確に閉じ込め、反応ガスを基体の要エッチング表面のみに供給するように設計されているプラズマエッチング装置が記載されている。この装置はプラズマの拡散を防止するためのものであって、高温のラジカルの拡散や、それによる周辺の熱損傷あるいは異物の堆積などの悪影響をも防止するようなものではない。
更に、特許文献6には、プラズマ化した反応性ガスをワーク表面に供給する反応性ガス供給管(噴射型のプラズマガン)による局所プラズマエッチング装置が記載されている。ガンノズル先端から噴射された高温のプラズマガスの作業点以外の周囲への拡散を防止するために、プラズマ化した反応性ガスとワークとの反応生成物の吸引除去を目的とした鞘状の反応生成物吸引管をガンのキャピラリーの外周に設けたプラズマエッチング装置が開示されている。しかしながら、この装置も基本的には高温のプラズマガスはノズル先端から噴射されるタイプのものであるから、その影響による周辺部分の損傷や汚染等の予防については完全なものではなかった。
これら上述のガン搭載型マイクロプラズマエッチング装置に係る技術は、プラズマ発生器中でプラズマ化された反応性ガスの持つ強い除去能力を応用したものである。そして、これらの技術は、まず特殊原料ガス(例えば四フッ化炭素等)の供給が必要であって、次に反応管(キャピラリー)やプラズマ発生用電極を具備したプラズマガン、密閉容器、XYZ駆動ステージ等の付帯設備が具備されており、更に反応性ガスや発生した蒸発ガスを除去するための吸引装置も具備されている。そして、半導体デバイスウェーハや半導体集積回路製品の不良解析、あるいはシリコンベアウェーハ表面加工等を目的として、局所領域でのSiO絶縁膜や金属膜の剥離や除去あるいは穿孔、穿鑿等の作業を行なうものであるから、作業の正確さ、エッチングされた穴の形状の精緻さへの要求は特に厳しいものであり、更に他の周辺部分への影響(熱損傷、汚染等)を極力少なくする構造でなければならない。
更に、特許文献7には、従来の対向する電極間にワークを載置する方法を改良して局所エッチングを行なう方法が開示されている。即ち、細い棒状の加工電極と、この加工電極から電気的に絶縁されたチャンバーを対向する一対の電極とし、細い棒状の加工電極に近接した位置にワークを置き、加工電極とチャンバーの間に高周波電力を印加することにより、ワーク上の局所にプラズマを発生させ、エッチングを行なう方法が開示されている。チャンバーは導体より構成されている。未反応の反応性ガス(ラジカル)と、生成した揮発性分子は加工電極中に穿孔された流路より吸引除去されるため、従来法よりも効果的な加工ができる。しかしながら、この方法は、プラズマをワーク表面で発生させる方法であるから、不必要なイオンや熱によるワーク表面の損傷や汚染は避けられず、加工痕が一様でなく再現性が不良であり、更にプラズマは加工電極の形状よりも拡散し、加工痕の径が加工電極の径よりも大きくなるという問題点を有する。更に、加工電極幅の点から微細化ができない。また、この方法は比較的高圧力雰囲気内で行われるため、加工電極に印加する電力の出力を高くする必要があり、高価な反応性原料ガスの消費、ロスが多く、経済的に不利である。
即ち、上述の通り、従来の局所マイクロプラズマエッチング装置は、プラズマ化した反応性原料ガスをワーク表面に噴射して照射し、微小局所部分の剥離や除去を行なうもの、あるいは平行平板電極間にワークを載置する方法を改良したものであるから、その間におけるプラズマの拡散、高温ガスの拡散、異物の付着や汚染、反応ガスや蒸発ガスによるワークの局所以外の表面や容器内部の汚染といった問題点を有するものであり、更にその剥離や除去された部分の大きさ、特に微細な部分への対応や形状の正確さについても十分なものではなかった。
特開平5−29273号公報 特開平10−147893号公報 特開2000−174004号公報 特開2008−46324号公報 特開平5−347277号公報 特開平9−27482号公報 特開平9−63791号公報
本発明者等は、上述の問題点、即ちプラズマガンのキャピラリー中で反応性原料ガスをプラズマ化し、ガスの流れによって、プラズマを移動させ、エッチング対象物(以下ワークと記載する)表面に噴射する噴射型プラズマガンを用いるプラズマエッチング方法の持つ問題点に鑑み、鋭意検討を行なったものである。そして、真空状態にした密閉容器に反応性原料ガスの所定量を導入した上で、プラズマガン他端から反応性原料ガスを吸引しつつ、電極領域で電力を印加してプラズマを発生せしめると、発生したプラズマは反応性原料ガスの流れに支配されず、上流(高圧側)に伝播しキャピラリー先端部の方向に移動することを見出した。即ち、従来の噴射型のプラズマガンとはガスの流れを逆にしても発生したプラズマ集団の先端部はキャピラリー先端側に移動することを見出したのである。
この現象を応用し、プラズマ発生用電極位置をキャピラリー先端部近くに設定し、ワークとキャピラリー先端部を接近させれば、プラズマ集団の先端部はキャピラリー先端部に近い部分で発生し、ただちにキャピラリー先端部に近接して置かれたワークの表面に移動する。プラズマ集団の先端部はワークの表面に接触するが、不必要に拡散せず、必要部分のエッチングを効率的に行ない、また生成した揮発性物質はキャピラリー先端からの吸引力により速やかに系外に除去される。つまり、吸引型プラズマガンを使用することにより、上述の問題点を解決するに至ったものであり、その目的とするところは局所領域での正確、精緻なエッチングを行ない、絶縁膜や金属膜等の剥離や除去等の作業を効果的に行なうためのプラズマエッチング装置及び方法を提供するものである。
本発明の第一の発明は、容器内に試料台を有し、ガス導入部が設けられている密閉容器と、キャピラリーと、該キャピラリーを囲繞するプラズマ発生用電極を具備したプラズマガンとからなる吸引型プラズマエッチング装置であって、前記キャピラリーの少なくとも先端部は前記密閉容器内に配設され、試料台上に載置されるエッチング対象物に対向して設置される構造であり、前記キャピラリーの後部端部は前記密閉容器外に設置された排気装置と連結されており、ガス導入部から前記密閉容器内に導入された反応用原料ガスを前記キャピラリーの先端部から吸引するようにした構造であることを特徴とする吸引型プラズマエッチング装置である。
上述のプラズマ発生用電極は、キャピラリーの一部を囲繞する構造であってもよいし、あるいは全部を囲繞する構造であってもよい。プラズマ発生用電極が、キャピラリーの一部を囲繞する構造である場合、プラズマ発生用電極のキャピラリー先端部寄りの端部(電極の下端)が、キャピラリーの先端部より、キャピラリー内径の0.8倍またはそれ以上の長さの距離にあることが好ましい。そして、キャピラリーの形状が先端穴部を収束したいわゆる先絞り型のキャピラリーである場合、上述の内径は収束させる手前の内径をいう。そして、前記キャピラリーを囲繞する電極はRF(ラジオフリーケンシー)電極を含む高周波放電用電極であることが好ましく、更に、その形状は管形状の電極あるいはコイル状の電極であることが好ましい。ここでいうRF電極とは大略10KHzから100GHz程度の周波数の電波を放電する電極を指し、この範囲の中で3MHzから30MHzの範囲のものが一般的に高周波と呼ばれるものに分類される。一般的には13.56MHzの周波数を用いた高周波が使われることが多い。
また、上述のキャピラリーは、その先端開口部の穴径が、0.2mmまたはそれ以上であることが好ましく、ワークのサイズは、少なくともキャピラリーの先端部のサイズより大きいことが必要である。そして、ワークは例えば、XYZ軸方向への移動や、回転、傾斜が可能な試料台上に載置されることができる。
本発明では、反応性原料ガスの流れは、ワーク表面とキャピラリー先端部の形成する狭い隙間からキャピラリーの中に吸引されて行くのであり、キャピラリーを囲繞するようにして設置されたプラズマ発生用電極に電力を印加することより、反応性原料ガスは励起され、電極領域でプラズマが発生する。プラズマ発生用電極を、キャピラリーの先端部より、一定の距離を離れた位置に設けることでプラズマ発生用の放電が密閉容器と関係なく開始され、プラズマが発生し、安定して持続することが可能である。そして、条件を設定することによりプラズマ集合体の先端部はキャピラリー先端部に近接して置かれたワークの表面に移動する。このような上述の現象は、プラズマ発生用電極をキャピラリーのより先端に近い位置に置くこと、即ち、キャピラリー先端の開口部により近い位置に置いた方が起こり易い。そしてその好適な位置は、プラズマ発生用電極の先端部側が、キャピラリーの先端部より、キャピラリー内径の0.8倍またはそれ以上の長さの距離である。キャピラリーの先端の形状は先絞り型のノズル形状であってもよく、その場合は、前記の距離は、内径が細く収束する直前の内径を基準とし、その0.8倍またはそれ以上の長さである。具体的には、例えばキャピラリーの内径が2mmの場合は、キャピラリー先端の開口部から1.6mmまたはそれ以上の距離の位置に置くことである。そして、プラズマは密閉容器の方に逃げる傾向があるため、ワークを限りなくキャピラリー先端の開口部に接近させることで逃げるプラズマを失活させ、エッチング領域の周辺部への悪影響を抑制することができる。従って、キャピラリー先端の開口部とワークとのギャップは短い方が好ましく、具体的には、キャピラリー先端の開口部の穴径が1mm以下の場合、0.5mm以下、より好ましくは0.1mm以下程度である。この範囲を超えると安定したプラズマが発生できない。
本発明の第二の発明は、前記吸引型プラズマエッチング装置において、排気装置を駆動することにより密閉容器を減圧し、真空状態になった前記容器に必要量の反応性原料ガスを反応性原料ガス供給ユニットから導入し、キャピラリーの先端開口部を試料ステージ上に載置されたワークに近接させた状態で、前記プラズマガンの他端に連結した排気装置により吸引を行ないつつ前記プラズマ発生用電極に電力を印加し、反応性原料ガスを励起することによりキャピラリー内部でプラズマを発生させ、発生したプラズマ集合体の先端部をワーク表面に到達せしめ、ワーク表面のエッチングを行なうことを特徴とするプラズマエッチング方法である。発生したプラズマ集合体の先端部はそのままワーク表面に到達することが可能であるが、より円滑に到達せしめるためには、印加する電力を上げる工程、あるいは、キャピラリーの先端の開口部とワーク表面とのギャップを変更する工程を加えることが有効である。電力を上げた時点、あるいはギャップを変更した時点で、発生したプラズマ集合体の先端部はスムースにワーク表面に到達する。
実際のエッチング作業を行なう際の密閉容器およびキャピラリー内の圧力は、吸引を行なうために、密閉容器の内圧よりもキャピラリー内の圧力の方を低くすることが必要であり、具体的にはキャピラリーの先端の開口部の穴径によって異なるが、一般的には前者を10ないし500パスカル(以下Paと略記する)、後者を0.01ないし100Pa程度とすることが好ましい。なお、本発明でいうキャピラリー内の圧力とは、キャピラリーに連結する排気装置に取り付けられた真空計で測定した数値(プラズマガン排気部圧力)である。前述のような状態におくことにより、ワーク表面近辺の気体分子の吸引が効果的に行われ、安定なプラズマをワーク表面に発生させることができる。エッチング作業中も反応性原料ガスを反応性原料ガス供給ユニットから連続的に導入し、密閉容器内部の内圧を上記の範囲内に一定に保つことで安定なプラズマエッチング作業が継続できて好ましい。
本発明になる吸引型プラズマエッチング装置は、吸引型局所プラズマガンを搭載した装置であり、これにより局所領域のプラズマエッチングを容易にかつ効率的に行なうことができるようになり、かつ、エッチング面に堆積物が付着するという弊害や、エッチング面以外の面を汚染したり、高熱プラズマによる熱損傷を起こす等の弊害を回避することができるようになった。しかも従来の噴射型プラズマガン搭載型マイクロプラズマエッチング装置に比較して、より小さい穴径のエッチングも可能となり、高集積化、多層化の傾向が進む半導体デバイスや半導体集積回路製品の不良解析等の目的で、微小な局所領域での絶縁膜や有機膜の剥離や除去等の作業に極めて有効な装置である。更には、表面改質、生体工学等の目的にも応用が可能である。
以下、本発明を、図面をもって説明する。図1は本発明の吸引型プラズマガンを搭載した吸引型プラズマエッチング装置の説明図であり、図2は従来の噴射型プラズマガンを搭載した噴射型プラズマエッチング装置の説明図である。
従来の噴射型プラズマガン搭載型プラズマエッチング装置は図2に示すようにキャピラリー3と、該キャピラリーを囲繞するプラズマ発生用電極4とを具備したプラズマガン2、排気装置7を具備した密閉容器1、反応性原料ガスの供給ユニット9、ワーク11を載置する試料台12と該試料台を把持する試料ステージ13より構成される。反応性原料ガスの供給ユニット9より供給された反応性原料ガスはキャピラリー3の電極部分4で電力印加され、励起されてプラズマ化し、ガスの流れに従いワーク11表面に噴射し照射される。プラズマ化した反応性原料ガスは、キャピラリーのノズル先端の開口部6より噴射され、ワーク表面に作用し反応して揮発性化合物を生成しワークの局所部分を除去する。未反応のプラズマ化した反応性原料ガスと、生成した揮発性化合物は排気装置7を通して外部に排出される。
ワークの除去されるべき部分の大きさと形状は、キャピラリー先端の開口部6の形状により規制されるものであるが、実際にはキャピラリーの先端開口部6からワーク11表面に至る間にプラズマの拡散現象があり、所期の穴径より大きな穴径でエッチングされたり、穴の形状の精緻さを欠くという問題点を有している。そして、穿孔される穴の大きさに関しては、キャピラリーの先端開口部6の大きさに係りなく0.6ないし0.9mm程度を下限とするものであり、これより小さい径の穴の穿孔は困難である。また、より小さい径の部分のエッチングを目的として、キャピラリー先端の開口部6の穴径を細く、具体的には0.4mm程度まで細くするとプラズマがキャピラリーのノズル先端から出ないという現象も確認されている。更にまた、プラズマ化反応性ガスは高温であり、周辺に悪影響を与える可能性があり、加えるに、ワーク作業面近辺に堆積する異物の影響で長時間の作業の継続は困難である。また揮発性化合物は密閉容器に具備された排気装置を通して外部に排出される間にワーク表面や装置、密閉容器内壁に蒸着したりして装置の汚染を起こす可能性を有する。
一方、図1は本発明の吸引型プラズマガン搭載型の吸引型プラズマエッチング装置を示す説明図である。図面から明らかな通り、キャピラリー3と該キャピラリーの一部を囲繞するプラズマ発生用電極4を具備したプラズマガン2のキャピラリー先端部が密閉容器1の内部に配設され、ワーク11を載置する試料台12と該試料台を把持する試料ステージ13とが前記密閉容器1内に収納されている点においては従来の噴射型プラズマガン搭載型のプラズマエッチング装置と同じであるが、密閉容器1には直接排気装置は具備されておらず、反応性原料ガス供給ユニット9に連結したガス導入部8が具備されており、このガス導入部より反応性原料ガスが供給される構造となっている。そして、プラズマガン2のもう一方、即ち密閉容器内にはない側の端末は排気装置7に連結されている。即ち、本発明でいう吸引型プラズマエッチング装置である。
以下、図1に従って、本発明の吸引型プラズマガン搭載型の吸引型プラズマエッチング装置を用いたプラズマエッチング方法について説明する。排気装置7を用いて密閉容器1の内部を真空にした後、ガス導入部8より、たとえばCF、O等の反応性原料ガスの必要量を導入し、密閉容器内部に満たす。プラズマガン2のキャピラリー先端開口部6をワーク11表面にそのギャップが0.1〜0.5mm程度になるまで接近させた状態で、排気装置7を稼働することによる吸引を行なう。それと同時にプラズマ発生用電極4より電力を印加すると、電極領域に位置するキャピラリー内でプラズマが発生する。そして、プラズマ集合体の先端部はキャピラリー先端開口部6に近接して置かれたワークの表面に移動する。プラズマ化した反応性ガスとワークとの反応が起こり、揮発性化合物が生成し蒸発除去され、ワークのエッチング対象部分のエッチングが行なわれる。エッチング作業中は、ガス導入部8より反応性原料ガスを密閉容器の内圧が一定に保たれるように流量コントローラー10を操作して流量を調節しつつ供給する。実際の作業を行なう際の密閉容器およびキャピラリー内の圧力は、密閉容器の内圧よりもキャピラリー内の圧力の方を低くすることが吸引を行なうために必要であり、具体的にはキャピラリーの先端開口部の穴径によって異なるが、一般的には前者を10ないし500パスカル(以下Paと略記する)、後者を0.01ないし100Pa程度とすることが好ましい。ガスの流れは、密閉容器1側からプラズマガン2側に行くのであるから、高温の未反応のプラズマ化した反応性ガス、生成した揮発性化合物はガスの流れに沿ってキャピラリー3の内部に吸引され系外に除去されるので、ワーク11のエッチング対象部分以外への高温のプラズマ化した反応性ガスの拡散もなく、また、ワークのエッチング対象部分以外の部分や装置への揮発性化合物の蒸着や異物の付着は起こらない。また高温のプラズマ化した反応性ガスもワークのエッチング対象部分以外へあたることもない。即ち、従来装置に見られた高温プラズマによる熱損傷や付着物の堆積による面粗さの悪化、エッチングレートの低下、さらには密閉容器内部の汚染等の問題の発生を効果的に予防することができる。
図3は、吸引型プラズマエッチング装置のキャピラリー先端の開口部6とワーク11の表面およびプラズマ14の発生状態を示す拡大説明図である。前述の通り、キャピラリー先端開口部6とワーク11の表面とのギャップを、例えばキャピラリー先端の開口部の穴径が1mm以下の場合、0.5mm以下としており、ワーク表面近辺の反応性原料ガスはこの狭いギャップを通ってキャピラリー3の内部に吸引される。この狭いギャップの部分は周囲よりも圧力が低くなるので、プラズマ発生用電極4に電力を印加してもこの部分にはプラズマは拡散しない。プラズマ14はキャピラリー中の電極に囲繞された部分で発生し、プラズマ集合体の先端部はガスの流れに対抗してキャピラリー先端の開口部6に対向するワーク11の表面部分に移動する。プラズマ集合体の先端部のワーク表面への移動は、前述のギャップ、キャピラリー内圧と密閉容器内圧、キャピラリー内径、反応用原料ガスの種類等の条件により大きく影響を受けるので、適正ギャップはそれにより大きく左右される。プラズマ集合体の先端部のワーク表面への移動が円滑でない場合は、印加する電力を上げる工程、あるいは、キャピラリーの先端の開口部とワーク表面とのギャップを変更する工程を加えることが有効である。これにより、プラズマ集合体の先端部はワーク表面へ円滑に移動する。
プラズマ化した反応性原料ガスはそのままワークと反応するので、ワーク11の表面のエッチングされる部分は、プラズマの拡散もなく、異物の堆積もないため、その形状はシャープである。即ち、極めて正確に局所領域での穿孔、絶縁膜や金属膜の剥離、除去等エッチング作業が可能となる。発生するプラズマ14はキャピラリー先端開口部6の内径に依存して局所的なため、小さい電源でも高いエッチングレートを持つ。また、従来の噴射型装置ではキャピラリー先端開口部の穴径が0.8mm以下ではプラズマが安定して発生せず、エッチングはできなかったが、本発明の吸引型装置では0.2mmの穴径でも十分にプラズマは発生し、より微細な部分のエッチング加工にも対応できる。また、穴径が大きい場合は、装置自体の大きさを大きくすれば対応は可能である。図3に示すキャピラリーの先端部の形状は、断面積が先端に近づくに従って絞られ最先端に細孔を有するいわゆる先絞り型のノズル形状になっているが、例えば図5に示すような先絞りのない直管状のものであってもかまわない。また、必要に応じて先端の形状が変えられるように、先端のノズル部分を適宜交換可能の仕様にしておいてもよい。
図4は従来技術の噴射型プラズマエッチング装置のプラズマ発生状態を示す拡大説明図である。プラズマ14はプラズマ発生電極4の位置で発生し、ガスの流れに沿って移動しキャピラリー先端の開口部6より噴射されワーク11のエッチング対象部分に照射され、プラズマ化した反応性原料ガスはワークと反応し揮発性化合物となり密閉容器中に蒸発し排気装置を通して外部に排出される。高温のプラズマはギャップから拡散し、ワークのエッチング対象部分の外まで接触するため、エッチング部分はキャピラリー先端開口部の穴径よりも大きくなりまた、不均質になる。そして、未反応の反応性ガスおよび、反応性ガスとワークが反応して生成した揮発性物質は密閉容器内に放出され排気装置から排出されるのであるから、ワークのエッチング対象部分以外の部分や装置の内部を汚染する可能性を有する。
プラズマガンを用いたプラズマエッチング装置は、キャピラリー3を囲繞する電極4を有し、この電極に電力を印加し励起することによりキャピラリー3の内部にプラズマが発生する。この方法は、前述の平行平板電極の間にワークを置き、平行平板電極間に高周波電力を印加して電極間にプラズマを発生させる方法とは異なり、キャピラリーの外側に管形状の電極(Cカップリング)を置き、電力を印加することにより、キャピラリーの内部にプラズマを発生させるものである。方式としては、RF(ラジオフリーケンシー)電極(以下RF電極と略記する)を含む高周波放電用電極を用いて電力を印加し、高周波により励起しプラズマを発生させる方法、マイクロ波電源を用いて電力を印加しマイクロ波によりキャピラリー内で反応性原料ガスを励起してプラズマを発生させる方式、直流電極を用いて電力を印加し直流放電し、キャピラリー内で反応性原料ガスを励起してプラズマを発生させる方式等が挙げられ、特に限定を受けるものではないが、本発明ではRF電極を用いることが好ましい。
本発明に用いるキャピラリーの材質については特に限定を受けるものではなく、非金属等、誘電率の低い材料であればどのようなものでも使用可能であるが、ガラス製あるいは石英製のものが使用ガスの種類や目的に応じて適宜使用される。石英管にアルミナコーティングを行なったものが、エッチングによるダメージを軽減させる目的で用いられることもある。通常のプラズマガンにおいては、キャピラリーとそれを囲繞する電極が、例えばステンレス製の鞘部に収納されており、その鞘部は電極とは電気的に絶縁され、かつアースされており、放電が外に漏洩しないような構造を有しており、それにより安定なプラズマが継続的に発生するように配慮されている。
装置の立ち上げに要する時間を短縮するために、密閉容器に別に排気装置を具備しておくこともできる。また、同じ目的でプラズマガン側に反応性原料ガス供給ユニットに連結した反応性原料ガス導入部を具備しておいてもよい。装置の立ち上げの前にこれらの装置を稼動させれば、密閉容器を真空状態に至らせる時間、反応性原料ガスの必要量を装置内に満たす時間が短縮され、実作業開始に至る時間を大きく短縮することができる。
本発明の吸引型プラズマエッチング装置の具体的な例としてシリコン単結晶上のシリコン酸化膜(SiOの酸化膜)の局所的除去の例を挙げると、たとえば以下の如き特徴を有するものである。即ち、プラズマ発生用電極としてはRF電極を使用し、CF、CHF等のフッ素系のガスを原料ガスとして用いる。RF電極に電力を印加することにより高周波励起し、RF電極領域に位置するキャピラリー内でプラズマを発生させる。発生したプラズマ集合体の先端部はガスの流れに対抗してキャピラリー先端開口部およびワークの表面部分、即ち、シリコン酸化膜の局所部分に移動する。ラジカル化したフッ素系反応ガスは、シリコン酸化膜の原子と反応して揮発性分子を形成し、それが蒸発し、キャピラリー先端開口部から吸引除去される。効率的処理を行なうためには、キャピラリーの先端開口部の穴径は0.2mmあるいはそれ以上とし容器の内圧を10ないし500パスカル(Pa)、キャピラリー内の圧力を0.01ないし100Pa程度として行なうことが挙げられる。
また、ワークの任意の位置でのエッチング加工を行なうためにワークがXYZ三軸方向への移動が可能であるようにすることもできる。具体的には駆動が可能な試料ステージが搭載されることが好ましい。これにより、所期のエッチング位置への位置決め、ワーク表面の形状に伴なう高さの調整が可能となる。更に、試料ステージの回転や傾斜が可能な構造としてもよい。
以下実施例、比較例をもって本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載の吸引型プラズマエッチング装置を用いて、シリコン酸化膜(SiO:膜厚500nm)を被覆したシリコンウェーハの表面の酸化膜の局所除去実験およびシリコンウェーハの加工実験を行なった。実験条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF
ガス流量:100sccm(standard cm/min)
キャピラリー:直管型ガラス管
キャピラリー内径(A):2.5mmφ
キャピラリー先端から電極下端までの距離(B):12mm
キャピラリー内径をAとし、キャピラリー先端から電極下端までの距離をBとして、BとAの比(倍率)を計算した(以下の実施例でも同じ)。
B/A=4.8
キャピラリー先端開口部穴径:2.5mmφ
キャピラリー先端開口部とワーク表面のギャップ:0.05mm
密閉容器の内圧:100〜300Pa
キャピラリーの内圧(プラズマガン排気部圧力):30Pa
RF出力:27W
エッチング時間:30分
この条件でエッチングを行なった結果、エッチング径;2.58mm、エッチング深さ;0.043mm、エッチング速度;0.00143mm/min、エッチング部分の表面粗さ;1〜2nm、が得られ、汚染、堆積物の付着も認められなかった。表面状態の写真を図6に、その拡大写真を図7に示す。
比較例1
図2に示す従来型の噴射型プラズマガン搭載のプラズマエッチング装置を用い、ガスの流れを噴射型にする以外は実施例1とほぼ同様な条件でシリコンウェーハの表面のシリコン酸化膜(SiO)の除去実験およびシリコンウェーハの加工実験を行なった。
この条件でエッチングを行なった結果、エッチング径;3.11mm、エッチング深さ;0.046mm、エッチング速度;0.00153mm/min、エッチング部分で良好なエッチングが行なわれた部分の表面粗さ;1〜2nm、であり、破損箇所(陥没部)の表面粗さはμmのオーダーであった。そして汚染、堆積物の付着が認められた。表面状態の写真を図8、その拡大写真を図9に示す。
実施例1と比較例1の結果を比較してみると、特にその両者の仕上がり状態の差が顕著である。即ち、実施例1のものはエッチングされた部分の形状が均一であり、周辺の汚染、堆積物の付着も認められない。それに対し比較例1のものはエッチングされた部分が不均一で無数の小孔が認められる。これは高温プラズマの影響で、部分的にエッチングが進んだり、対象外のもの(具体的には、シリコン酸化膜の下層にあるシリコン基板)がエッチングされたりして小孔になったものと考えられる。更に周辺部の汚染、堆積物の付着も認められる。そして、エッチングによる穴径は、実施例1ではキャピラリー先端開口部の穴径とほぼ一致するが、比較例1のものはキャピラリー先端開口部の穴径より大きくなることが認められ、噴射型ではプラズマが周辺に拡散することが明らかである。
実施例2
キャピラリー先端開口部穴径を小さいものでのエッチング実験を行なうために、先絞り型ノズル形状で先端開口部穴径が0.65mmφのキャピラリーを用いて、図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載のマイクロプラズマエッチング装置により、以下の条件でシリコンウェーハの表面のシリコン酸化膜(SiO:膜厚500nm)の除去実験およびシリコンウェーハの加工実験を行なった。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF
ガス流量:180sccm
キャピラリー:先絞り型ノズル形状のガラス管
キャピラリー内径:2.5mmφ
キャピラリー先端から電極下端までの距離:15mm
B/A=6
キャピラリー先端開口部穴径:0.65mmφ
キャピラリー先端開口部とワーク表面のギャップ:0.05mm
密閉容器の内圧:150〜160Pa
キャピラリーの内圧(プラズマガン排気部圧力):40Pa
RF出力:45W
エッチング時間:10分
この条件でエッチングを行なったところ、エッチング径;0.711mm、エッチング深さ;0.25mm、エッチング速度;0.025mm/minの結果が得られ、安定したエッチングが行なえた。図10はエッチングされた穴の外観であり、図11はその周縁部の拡大図である。
比較例2
実施例1と同様な先絞り型ノズル形状で先端開口部穴径が0.65mmφのキャピラリーを用いて、図2に示す従来技術の噴射型プラズマガン搭載のマイクロプラズマエッチング装置により、以下の条件でシリコンウェーハの表面のシリコン酸化膜(SiO)の除去実験およびシリコンウェーハの加工実験を行なった。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF
ガス流量:20sccm
キャピラリー:先絞り型ノズル形状のガラス管
キャピラリー内径:2.5mmφ
キャピラリー先端から電極下端までの距離:15mm
B/A=6
キャピラリー先端開口部穴径:0.65mmφ
キャピラリー先端開口部とワーク表面のギャップ:0.05mm
真空容器の真空度:50〜60Pa
RF出力:45W
エッチング時間:10分
この条件でエッチングを行なったところ、エッチング径;0.888mm、エッチング深さ;0.06mm、エッチング速度;0.006mm/minの結果が得られたがプラズマは不安定で再現性もよくなかった。図12はエッチングされた穴の外観であり、図13はその周縁部の拡大図である。
実施例2と比較例2を比較してみると、同様の条件(特に、穴径0.65mm)であっても本発明の吸引型を用いた実施例2の方が従来法の比較例2に比較して、プラズマが安定して立ち、狭い穴径で深いエッチングができることが明らかである。一方、比較例2の噴射型の場合はプラズマの立ち方は不安定であり、エッチングされた穴の周縁部には、プラズマの拡散による熱損傷、荒れが認められた。即ち、噴射型では非常に困難な条件であっても、本発明の吸引型であれば、容易にエッチンッグが行なえて、所期の目的に合った小さく深い穴を形成することができる。
実施例3
図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載のマイクロプラズマエッチング装置で直管型の石英製のキャピラリーを用いて、500nm厚のシリコン酸化膜付きシリコンウェーハ(厚み:0.5mm)の表面のシリコン酸化膜の除去実験およびシリコンウェーハの加工実験を行なった。実験条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF
ガス流量:100sccm
キャピラリー:直管型石英管
キャピラリー:外径5.9mmφ、内径2.5mmφ、265mm長
キャピラリー先端から電極下端までの距離:15mm
B/A=6
キャピラリー先端開口部穴径:2.5mmφ
キャピラリー先端開口部とワーク表面のギャップ:0.05mm
密閉容器の内圧:100〜300Pa
キャピラリーの内圧(プラズマガン排気部圧力):30Pa
RF出力:27W
エッチング時間:30分
この条件でエッチングを行なったところ、エッチング径;2.58mm、エッチング深さ;0.050mm、エッチング速度;0.0017mm/minの結果が得られた。エッチング後の穴の外観は鏡面であった。
比較例3
図2に示す従来技術の噴射型プラズマガン搭載のマイクロプラズマエッチング装置で実施例3と同様の直管型の石英製のキャピラリーを用い、500nm厚のシリコン酸化膜付きシリコンウェーハ(厚み:0.5mm)の表面のシリコン酸化膜の除去実験およびシリコンウェーハの加工実験を行なった。実験条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF
ガス流量:100sccm
キャピラリー:直管型石英管
キャピラリー:外径5.9mmφ、内径2.5mmφ、265mm長
キャピラリー先端から電極下端までの距離:15mm
B/A=6
キャピラリー先端開口部穴径:2.5mmφ
キャピラリー先端開口部とワーク表面のギャップ:0.05mm
RF出力:27W
エッチング時間:30分
この条件でエッチングを行なったところ、エッチング径;2.95mm、エッチング深さ;0.09mm、エッチング速度;0.003mm/minの結果が得られた。エッチング後の穴の外観は鏡面でなく、加工部周辺に焼き付き紋及び粒状の析出物が多く見られた。
実施例4
図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載のマイクロプラズマエッチング装置で先絞り型ノズル形状の石英製のキャピラリーを用いて、半導体デバイス(45nmピッチデバイス)の配線間にある絶縁層(SiO)の局所除去実験を行なった。実験条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF
ガス流量:140sccm
キャピラリー:先絞り型ノズル形状の石英管
サイズ:外径5.9mmφ、内径2.5mmφ、長さ265mm
キャピラリー先端から電極下端までの距離:11mm
B/A=4.4
先端開口部穴径:0.4mmφ
キャピラリー先端開口部とワーク表面のギャップ:0.05mm
密閉容器の真空度:450Pa
RF出力:45W
エッチング時間:15秒
この条件で45nmピッチデバイスの配線の局所除去実験を行なった結果、安定したプラズマでエッチングを行なうことができた。エッチング前のワークのSEM観察写真を図14に、エッチング後のワークのSEM観察写真を図15に示す。この写真から明らかな通り、デバイスの絶縁層を除去して半導体の配線を露出することができ、しかもデバイスの配線はなんら損傷を受けたり変形していないことは明らかである。
比較例4
図2に示す従来技術の噴射型プラズマガン搭載のマイクロプラズマエッチング装置で、実施例4先絞り型ノズル形状の石英製のキャピラリーを用いて、45nmピッチデバイスの配線間にある絶縁層(SiO)の局所除去実験を行なった。実験条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF
ガス流量:140sccm
キャピラリー:先絞り型ノズル形状の石英管
サイズ:外径5.9mmφ、内径2.5mmφ、長さ265mm
キャピラリー先端から電極下端までの距離:11mm
B/A=4.4
先端開口部穴径:0.4mmφ
キャピラリー先端開口部とワーク表面のギャップ:0.05mm
RF出力:45W
この条件で実験を行なったが、プラズマは失活してしまいキャピラリー先端から噴射されず、エッチングはできなかった。
比較例5
比較例4と同じ装置と条件で、キャピラリー先端開口部穴径を0.8mmφとしたもの、即ち噴射型プラズマガン搭載のマイクロプラズマエッチング装置で45nmピッチデバイスの配線間にある絶縁層(SiO)の局所除去実験を行なった。エッチングしたワークのSEM観察写真を図16に示す。この写真から明らかな通り、配線以外の全ての絶縁膜が除去されてしまい、配線が外れて多層構造を保てなくなっていることが判る。
実施例4、比較例4及び比較例5の結果から明らかな通り、本発明の吸引型プラズマエッチング装置によれば、極めて微細かつ複雑な構造を有する多層構造の半導体デバイスの局所エッチング実験において、目標とする部分だけのエッチングが可能であり、他の部分への悪影響もないことが明らかである。しかしながら、従来技術の噴射型の装置ではこのような細い穴径ではプラズマは失活しノズルから噴射されず、エッチングは不可能であった。噴射型でプラズマが噴射可能な穴径の大きいノズルを選択するとプラズマの及ぶ範囲が広くなり、デバイスの構造自体を損傷してしまうことは明らかである。即ち、本発明の吸引型プラズマエッチング装置は、多層構造の半導体デバイスの不良解析の手段として応用が可能である。
実施例5
先端開口部穴径の更に小さいキャピラリーの可能性を確認するために、0.2mmφの先端開口部穴径を有するキャピラリーを用いる実験を行なった。図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載の吸引型プラズマエッチング装置を用い、シリコンウェーハの表面のシリコン酸化膜(SiO)の除去実験およびシリコンウェーハの加工実験を行なった。実験条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF+O(5%)
ガス流量:100sccm
キャピラリー:先絞り型のノズル形状の石英管
キャピラリー内径:2.5mmφ
キャピラリー先端から電極下端までの距離:11mm
B/A=4.4
キャピラリー先端開口部穴径:0.2mmφ
RF出力:45W
エッチング時間:30分
この条件でエッチングを行なった結果、やや輪郭不鮮明ではあるが0.21mmの径の穴のエッチングできた。図17にそのSEM観察写真を示す。
比較例6
図2に示す従来型の噴射型プラズマガン搭載のプラズマエッチング装置を用いて、実施例5と同様な条件でシリコンウェーハの表面のシリコン酸化膜(SiO)の除去実験を行なったが、プラズマがキャピラリー先端開口部の穴から出ることはなく、エッチングはできなかった。
実施例5および比較例6の結果から、先端開口部の穴径0.2mmφという極めて細いキャピラリーを使用した場合、本発明の吸引型ではプラズマはワーク表面に到達し、ワークの局所エッチングは可能であったが、従来の噴射型ではプラズマをワーク表面に立てることはできなかった。
実施例6
図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載の吸引型プラズマエッチング装置で大型のものを用い、ガラス基板上にAu膜、更にポリイミド有機膜(0.005mm)を被覆したものからポリイミド有機膜の除去実験を行なった。条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:O
キャピラリー:直管型の石英管
キャピラリー内径:36mmφ
キャピラリー先端から電極下端までの距離:31.5mm
B/A=0.87
キャピラリー先端開口部穴径:36mmφ
RF出力:175W
エッチングによるポリイミド有機膜の除去の確認を、エッチング後のAu膜に端子を接触させ、電流の導通を確認する方法で行なった所、電流が問題なく流れ、エッチングによるポリイミド有機膜の除去の確認ができた。
実施例7
図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載の吸引型プラズマエッチング装置で通常のものを用い、内径2.5mmφのキャピラリーを用いて、実施例6と同様のポリイミド有機膜の除去実験を行なった。条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:O
キャピラリー:直管型の石英管
キャピラリー内径:2.5mmφ
キャピラリー先端開口部穴径:2.5mmφ
RF出力:50W
エッチングによるポリイミド有機膜の除去の確認を、エッチング後のAu膜に端子を接触させ、電流の導通を確認する方法で行なった所、電流が問題なく流れ、エッチングによるポリイミド有機膜の除去の確認ができた。
実施例8
図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載の吸引型プラズマエッチング装置を用い、キャピラリーを外径12mmφ、内径10.5mmφの直管型の石英管のものを用いて、プラズマが立つかどうかの定性的な実験を行なった。
使用電極:RF電極
使用ガス:Ar
ガス流量:200sccm
キャピラリー:直管型の石英管
キャピラリー内径:10.5mmφ
キャピラリー先端から電極下端までの距離:49mm
B/A=4.7
キャピラリー先端開口部穴径:10.5mmφ
RF出力:30W
上述の条件で密閉容器の内圧を変化して行った所、432Paまではワークがなくても安定してプラズマが立つことが確認されたが、それ以上では不安定である。ワークがあれば、1000Paまでプラズマがワーク表面に到達することが確認された。
実施例9
図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載の吸引型プラズマエッチング装置を用い、実施例5で使用した0.2mmφの先端開口部穴径を有するキャピラリーを使用してRF出力を30Wとする以外は実施例5と同じ条件で実験を行なった所、プラズマはワーク表面まで到達しなかった。その状態でRF出力を45Wまで上げた所、プラズマはワーク表面まで到達した。
実施例10
図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載の吸引型プラズマエッチング装置を用い、実施例5で使用した0.2mmφの先端開口部穴径を有するキャピラリーを使用してキャピラリー先端開口部とワーク表面のギャップを0.1mmとして実験を行なった所、プラズマはワーク表面まで到達しなかった。その状態でギャップを0.05mmとした所、プラズマはワーク表面まで到達した。
比較例7
0.05mmφの先端開口部穴径を有するキャピラリーを用いる実験を行なった。図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載の吸引型プラズマエッチング装置を用い、シリコンウェーハの表面の絶縁膜(SiO)の除去実験を行なった。実験条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF+O (5%)
ガス流量:100sccm
キャピラリー:先絞り型のノズル形状の石英管
キャピラリー先端開口部穴径:0.05mmφ
キャピラリー内径:2.5mmφ
キャピラリー先端から電極下端までの距離:11mm
B/A=4.4
この条件で実験を行なった結果、50WまでRF出力を上げてもプラズマは立つことがなかった。
比較例8
0.1mmφの先端開口部穴径を有するキャピラリーを用いる実験を行なった。図1に示す本発明の吸引型プラズマガン搭載の吸引型プラズマエッチング装置を用い、シリコンウェーハの表面のシリコン酸化膜(SiO)の除去実験を行なった。実験条件は以下の通りである。
使用電極:RF電極
使用ガス:CF+O (5%)
ガス流量:100sccm
キャピラリー:先絞り型のノズル形状の石英管
キャピラリー先端開口部穴径:0.1mmφ
キャピラリー内径:2.5mmφ
キャピラリー先端から電極下端までの距離:11mm
B/A=4.4
この条件で実験を行なった結果、50WまでRF出力を上げてもプラズマは立つことがなかった。
以上述べた通り、本発明になる吸引型のプラズマエッチング装置を用いることにより、従来の噴射型のプラズマエッチング装置が持っていた問題点、即ち、プラズマの拡散や高温ガスの拡散による異物の付着や汚染、反応ガスや蒸発ガスによるワーク(エッチング対象物)の局所以外の表面や容器内部の汚染といった問題点を解決するとともに、より小径の孔を精度高く穿孔できるという特徴を有し、特に微細な部分への対応や形状の正確さが可能になった。よって、産業界に資すること極めて大である。
本発明の吸引型プラズマガン搭載型プラズマエッチング装置の説明図である。 従来技術の噴射型プラズマガン搭載型のプラズマエッチング装置の説明図である。 本発明の吸引型プラズマガン搭載型プラズマエッチング装置のプラズマ発生状態を示す説明図である。 従来技術の噴射型プラズマガン搭載型プラズマエッチング装置のプラズマ発生状態を示す説明図である。 直管型のキャピラリーを用いた吸引型プラズマガンの説明図である。 実施例1で行ったプラズマエッチングによるワークの表面状態を示すSEM観察写真である。 図6のSEM観察写真の拡大写真である。 比較例1で行なったプラズマエッチングによるワークの表面状態を示すSEM観察写真である。 図8のSEM観察写真の拡大写真である。 実施例2で行ったプラズマエッチングによるワークの表面状態を示すSEM観察写真である。 図10のSEM観察写真の拡大写真である。 比較例2で行ったプラズマエッチングによるワークの表面状態を示すSEM観察写真である。 図12のSEM観察写真の拡大写真である。 実施例4及び比較例5で使用した半導体デバイスのエッチング前の表面状態を示すSEM観察写真である。 実施例4で行ったプラズマエッチングによる局所除去実験後のワークの表面状態を示すSEM観察写真である。 比較例5で行ったプラズマエッチングによる局所除去実験後のワークの表面状態を示すSEM観察写真である。 実施例5で行ったプラズマエッチングによるワークの表面状態を示すSEM観察写真である。
1:密閉容器、2:プラズマガン、3:キャピラリー、
4:プラズマ発生用電極、5:プラズマ発生用電源、
6:キャピラリーの先端開口部、7:排気装置、8:ガス導入部、
9:反応性原料ガス供給ユニット、10:流量コントローラー、
11:ワーク、12:試料台、13:試料ステージ、14:プラズマ

Claims (7)

  1. 容器内に試料台を有し、ガス導入部が設けられている密閉容器と、キャピラリーと、該キャピラリーを囲繞するプラズマ発生用電極を具備したプラズマガンとからなる吸引型プラズマエッチング装置であって、前記キャピラリーの少なくとも先端部は前記密閉容器内に配設され、試料台上に載置されるエッチング対象物に対向して設置される構造であり、前記キャピラリーの後部端部は前記密閉容器外に設置された排気装置と連結されており、ガス導入部から前記密閉容器内に導入された反応用原料ガスを前記キャピラリーの先端開口部から吸引するようにした構造であることを特徴とする吸引型プラズマエッチング装置。
  2. プラズマ発生用電極のキャピラリー先端部寄りの端部が、キャピラリーの先端部より、キャピラリー内径の0.8倍またはそれ以上の長さの距離にあることを特徴とする請求項第1項に記載の吸引型プラズマエッチング装置。
  3. キャピラリーの先端開口部の穴径が、0.2mmまたはそれ以上であることを特徴とする請求項第1項または第2項のいずれかに記載の吸引型プラズマエッチング装置。
  4. プラズマ発生用電極がRF電極であることを特徴とする請求項第1項ないし第3項のいずれかに記載の吸引型プラズマエッチング装置。
  5. 請求項第1項記載の吸引型プラズマエッチング装置において、排気装置を駆動することにより密閉容器を減圧し、真空状態になった前記容器に必要量の反応性原料ガスを反応性原料ガス供給ユニットから導入し、キャピラリーの先端開口部を試料ステージ上に載置されたワークに近接させた状態で、前記プラズマガンの他端に連結した排気装置により吸引を行ないつつ前記プラズマ発生用電極に電力を印加し、反応性原料ガスを励起することによりキャピラリー内部でプラズマを発生させ、発生したプラズマ集合体の先端部をワーク表面に到達せしめ、ワーク表面のエッチングを行なうことを特徴とするプラズマエッチング方法。
  6. 請求項第1項記載の吸引型プラズマエッチング装置において、排気装置を駆動することにより密閉容器を減圧し、真空状態になった密閉容器に必要量の反応性原料ガスを反応性原料ガス供給ユニットから導入し、キャピラリーの先端開口部を試料ステージ上に載置されたワークに近接させた状態で、前記プラズマガンの他端に連結した排気装置により吸引を行ないつつ前記プラズマ発生用電極に電力を印加し、反応性原料ガスを励起することによりキャピラリー内部でプラズマを発生させ、電力を更に上げることにより、発生したプラズマ集合体の先端部をワーク表面に到達させ、ワーク表面のエッチングを行なうことを特徴とする請求項第5項に記載のプラズマエッチング方法。
  7. 請求項第1項記載の吸引型プラズマエッチング装置において、排気装置を駆動することにより密閉容器を減圧し、真空状態になった密閉容器に必要量の反応性原料ガスを反応性原料ガス供給ユニットから導入し、キャピラリーの先端開口部を試料ステージ上に載置されたワークに近接させた状態で、前記プラズマガンの他端に連結した排気装置により吸引を行ないつつ前記プラズマ発生用電極に電圧を印加し、反応性原料ガスを励起することによりキャピラリー内部でプラズマを発生させ、更にキャピラリーの先端の穴部とワーク表面とのギャップを変更することにより、発生したプラズマ集合体の先端部をワーク表面に到達させ、ワーク表面のエッチングを行なうことを特徴とする請求項第5項に記載のプラズマエッチング方法。
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