JP2010153057A - 電界放出型電子源装置 - Google Patents

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智久 三上
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Abstract

【課題】組み立て後のデバイス動作時で生じる発熱によるメッシュ電極と電子放出源との位置ズレを防止できる電界放出型電子源装置を提供する。
【解決手段】エミッタから放出された電子とメッシュ電極の貫通孔との位置ズレ量を計算する軌道補正量計算手段を用いてエミッタ(5)から放出された電子を制御する電界放出型電子源装置において、電子を放出する複数のエミッタを単位とするエミッタアレイを有する電子放出部と、前記電子放出部に対向するように配置して前記単位に対応した貫通孔を備える貫通孔領域を有するメッシュ電極と、前記位置ズレ量に応じて電界または磁界を発生することにより前記放出された電子の軌道を補正する軌道補正手段を前記電子放出部上に配置した電界放出型電子源装置。
【選択図】図1

Description

本発明は電界放出型電子源を用いた電界放出型電子源装置に関する。
夜間のような照度が極めて低い環境下でも撮影することを目的として、一般に真空管を用いた超高感度撮像デバイスが実用化されている。撮像デバイスの分野では、現在、さらなる小型化・軽量化が求められており、半導体微細加工技術を応用して、マイクロチップに電子放出源を作りこむことにより、従来よりも優れたデバイスの実現が試みられている。一方で、高解像度化も必要とされており、さらなるデバイスの加工精度の向上も求められる。
図9に、一般的な電子放出部6を備えた電界放出型電子源装置の構成例を示す。上面基板2、下面基板3、側面外周器28から成り、これら各部材の接続部は低温ガラスフリット23aや、インジウム23b等を用いてスペーサー部材24により固着固定され、内部が真空に保持された真空装置を備えている。
そして上面基板2の内面には、撮像膜4が形成されている。この撮像膜4は、上面基板2の表面に形成された外部からの入射光を透過する透光性の陽極導電膜21と、その表面に形成された外部入射光に応じて信号電荷を生成する光電変換膜22(例えばアモルファスセレン)とから成る。
また下面基板3の内面には、複数のエミッタ(電子放出電極)5と、各エミッタ(電子放出電極)5周辺に形成された絶縁層20及びエミッタ(電子放出電極)5から電子を取り出す為の電圧を印加するゲート電極29等からなるエミッタ(電子放出電極)5が複数集積化した電界放出電子源アレイ部とが集積一体化されたカソード基板30が設置されている。
上面基板2と対向する下面基板3上の電子放出部6の間に、シールドグリッド電極26を設ける。そのシールドグリッド電極26は上面基板2、下面基板3間のスペーサー部材24の段部27に係止されている。そして、スペーサー部材24の内部に電極リード線25を設けて、シールドグリッド電極26を外部に電気的に接続し、ゲート電極より高い電圧を印加することにより、各エミッタ5から放出された電子ビームの広がりを抑制している。また、信号読み出しを終えた余剰電子を取除かれるので、ノイズ信号が除去されて画像の品質が良化する(例えば、特許文献1参照。)。
図10は、金属メッシュ電極33をパネルに組み込んだFED(フィールドエミッションディスプレイ)装置の説明図である。基体上に、複数のエミッタ(電子放出電極)5を有し、前記複数のエミッタ(電子放出電極)5の群の周辺において前記基体上にスペーサー31を有し、前記スペーサー上に金属膜32を有し、前記複数のエミッタ(電子放出電極5にそれぞれ対応した電子通過孔を有する金属メッシュからなるゲート電極33が前記スペーサー31上に配され、金属メッシュ電極33と金属膜32とが超音波接合されてなる電子放出源に係るものである(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2によると、金属メッシュ電極33と金属膜32とを超音波接合する方法には、次の3つの利点がある。(1)簡易なプロセスで、極めて短時間に接合でき、強い機械的強度を持つ。(2)樹脂などの有機物を接着剤に用いず、金属同士の直接接合なので、パネル特性に悪影響を与えるようなガスの発生がない。(3)超音波接合の際に、金属の表面で摩擦によるクリーニング効果が発生する。この効果により、金属表面に付着した酸化物や吸着ガスなどが除去できるので、これらの物質から発生するガスによる不良をなくすことができる。
以上説明した電界放出型電子源装置では、シールドグリッド電極26や金属メッシュ電極33を側面外周器28やスペーサー31に固定する。従って、組み立て時に、金属メッシュ電極33とエミッタ5との位置合わせを高い精度で行っている。
特開2000−48743号公報 特開2003−249167号公報
しかしながら前記従来の構成では、シールドグリッド電極や金属メッシュ電極の熱膨張係数が極めて高い。そのため、組み立て後のデバイス動作で生じる熱のため、これら電極と電子放出源との位置ズレが生じ、電界放出型電子源装置の解像度が著しく劣化するという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、組み立て後のデバイス動作時で生じる発熱によるメッシュ電極と電子放出源との位置ズレを防止できる電界放出型電子源装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の電界放出型電子源装置は、エミッタから放出された電子とメッシュ電極の貫通孔との位置ズレ量を計算する軌道補正量計算手段を用いてエミッタから放出された電子を制御する電界放出型電子源装置において、電子を放出する複数のエミッタを単位とするエミッタアレイを有する電子放出部と、前記電子放出部に対向するように配置して前記単位に対応した貫通孔を備える貫通孔領域を有するメッシュ電極と、前記位置ズレ量に応じて電界または磁界を発生することにより前記放出された電子の軌道を補正する軌道補正手段を前記電子放出部上に配置したことを特徴とするものである。
本発明の電界放出型電子源装置によれば、デバイス動作時にメッシュ電極が熱膨張してもメッシュ電極の貫通孔と電子放出源から放出された電子軌道との位置ズレが生じない。そのため、デバイス製造時にメッシュ電極と電子放出源との間に高い位置合わせ精度を必要としない。
以下に、本発明の電界放出型電子源装置の実施の形態を、図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電界放出型電子源装置の断面図である。この電界放出型電子源装置1は、互いに対向する上面基板2及び下面基板3とからなり、上面基板2の下面基板3に対向する側の面には、光電変換膜を含む撮像膜4が形成されている。下面基板3には、電子を放出する複数のエミッタ(電子放出電極)5を幾何学的に配列したエミッタアレイからなる電子放出部6が形成されている。電子放出部6の上面基板2側には、エミッタ5の外縁部に軌道補正装置10が形成されている。上面基板2と下面基板3との間には、このエミッタアレイと同一形状で配列された貫通孔11からなる導電性材料で形成されたメッシュ電極7がこのエミッタアレイに対向して配置されている。メッシュ電極7は、スペーサー15と接続されている。
このメッシュ電極7の下面基板3側の面には、第1の検知電極の組(8a、8b)と第2の検知電極の組(9a、9b)とが設けられている。これら検知電極の配置については、図2にて詳しく説明する。これら第1(8a、8b)と第2の検知電極の組(9a、9b)は、エミッタ(電子放出電極)5より放出された電子がメッシュ電極7に衝突した際に、その電子の数を信号として検知する目的で設けられている。
これらの検知電極にて検知された検知信号は、電界放出型電子源装置1の外部に設けられた軌道補正量計算部12に送られる。軌道補正量計算部12では、この検知信号を利用してエミッタ5と貫通孔11との中心位置のズレ量を検出し、位置ズレ量を無くするために、電子放出電極5より放出された電子の軌道の補正信号を軌道補正装置10に送る(詳細は、後述する)。この軌道補正量計算部12と軌道補正装置10とにより、エミッタ5より放出された電子の軌道とメッシュ電極7貫通孔11の中心は、常に一致するように制御される。
図2(a)に、本発明のメッシュ電極7をエミッタ5側から見た平面図を示す。図中のXYは方向を示す。メッシュ電極7には、複数の貫通孔11があり、それぞれの貫通孔11がエミッタの1単位分の電子放出部に対応するように構成されている。この貫通孔11は、エミッタ5からの電子を引出すと同時に、電子ビームの広がりを抑えて(広がり部分をカット)電子ビームを絞る役割を持つ。メッシュ電極7のエミッタ5側表面には、貫通孔11からなる貫通孔領域の周囲に、矩形のX方向検知電極(9a、9b)と、矩形のY方向検知電極の(8a、8b)とが形成されている。図示はしていないが、それぞれの検知電極は、貫通孔11に接するように形成されている。同じ方向の検知電極(例えば8aと8b)同士では、その縁とその最も近接する貫通孔11との距離は、互いほぼ同じ距離になるように作製することが肝要である。
なお、メッシュ電極7の基材にシリコンを用いれば、検知電極を直接基材上に形成できるので、貫通孔11と検知電極との距離、面積、膜厚を精度良く作製できる利点がある。この検知電極の材質には、電子にとって抵抗の低い物性を持つ材料であれば良く、例えば、高ドープシリコン、Au、Al、Cr、Ti、Cuが挙げられる。以下、このように作製された検知電極の構造を説明する。
図2(b)は、シリコン(Si)で作製されたメッシュ電極7の検知電極8aの1実施例を示す断面図である。検知電極8aは2層からなり、メッシュ電極7の貫通孔11の近傍のSi層上に絶縁膜42aを設けて、この絶縁膜42a上に導電膜42bを設ける。絶縁膜42aの役割は、導電膜42bをメッシュ電極7から絶縁するためである。エミッタ5から放出された電子のうち、メッシュ電極7でトリミングされた電子は、導電膜42bに吸収され、金属線43から軌道補正量計算部12へ送られる。その他の検知電極8b、9a、9bも同様に作製できる。
また、検知電極部は、図2(c)に示す構造でもよい。メッシュ電極7のSi層に、Siへのドープ量を下げた高抵抗層44aを作製し、さらにその表面にSiの低抵抗層44bを設けている。トリミングされた電子は、この低抵抗層44bに到達すると、金属線43を通って、軌道補正量計算部12へ送られる。以上、説明した構造にすると、半導体プロセスを用いてメッシュ電極を作製する際に、同時に検知電極を作製することが出来る利点がある。
解像度を向上させるためには、電子放出部6に対するメッシュ電極7の位置決め、すなわちエミッタ5と貫通孔11との中心を精度良く合わせなければならない。具体的には、1μm以下の精度での位置決めが必要となる。従来の構成では、組み立て時の位置決め精度のみであり、その後の経時変化による位置ズレは補正出来なかった。本発明の電界放出型電子源装置は、検知電極(8a、8b)、(9a、9b)と補正装置10を内部に有しているので、簡単な補正回路を外付けすることで、電子の軌道を修正することにより経時変化による位置ズレを補正することが出来る。その詳細を、図3を用いて説明する。
図3は、前記電界放出部6に対する前記メッシュ電極7の位置ずれ検出の原理を、示したものである。図中の矢印は、メッシュ電極7のXY方向を示す。本実施例では、X方向の位置ズレを例に取り、その補正方法を説明する。図3(a)上図は、X方向に位置ズレした時のメッシュ電極の平面図である。図中のA点とB点は、X方向の最外部にある貫通孔のY方向の中心線と、Y方向の貫通孔領域の中心とを通る線との交差点を示す。図3(a)下図は、A点とB点とを通るX方向の直線で示した部分の断面図である。
電界放出部6の各エミッタ5より放出される電子ビームは円錐状に広がり、その広がり角は、どのエミッタもほぼ等しい。従って、メッシュ電極7に到達した電子ビームの面積は円状になり、その面積はほぼ等しい。また、各エミッタ間のピッチと各貫通孔間のピッチは等しくなるように作製されている。そのため、もしメッシュ電極7がX方向のA側にズレが生じていると、X方向の検知電極(9a、9b)に到達する電子ビームは、図3(a)下図に示すようになる。すなわち、A側の検知電極9aに到達する電子ビームの量Lx1は、B側の検知電極9bに到達する電子ビーム量Lx2に比べて小さくなる。
一方、メッシュ電極7のX方向のズレが生じない状態を、図3(b)上図に示す。このときには、図3(b)下図に示すように、A側の検知電極9aに到達する電子ビームの量Lx1は、B側の検知電極9bに到達する電子ビーム量Lx2と等しい。これは、X方向の全てのエミッタと貫通孔との中心が一致しているためである。従って、A側の検知電極9aとB側の検知電極9bとの出力信号の差分値を利用すれば、X方向へのズレ量と補正位置が判定できる。Y方向の位置ズレも同様な方法で行うことができる。この場合は、Y方向の検知電極(8a、8b)の差分値を利用すれば良い。
図4に、電子放出源5から放出される電子の軌道を補正する軌道補正装置10の実施例を示す。これは、電子放出部6をメッシュ電極7側より見た図である。電子放出部6には、電子を放出する複数のエミッタ(電子放出電極)5を幾何学的に配列してエミッタアレイ72が形成されている。図中の矢印は、電子放出部6のXY方向を示す。
X方向の電子軌道を補正するための軌道補正装置10は、互いに相対する50a、50bで示す電界放出部から構成されている。同様に、Y方向の電子軌道を補正するための軌道補正装置10は、51a、51bで示す電界放出部から構成されている。これらの電子放出部は、図示するようにエミッタアレイ72の周囲に、配置されている。
この電界放出部50aと50bとの間に電圧を印加することにより電界55が発生し、X方向の電子軌道を補正することができる。印加する電圧の極性を変えれば、電界55の方向が、図と反対方向になるので、自由にX方向の電子軌道を補正することができる。印加する電圧は、エミッタから放出される電子の軌道を所望の変化を与えることのできる電圧を、電子放出部6の構成に合わせて選択すれば良い。同様に、Y方向の電子軌道を補正するためには、図中の電界発生部51aと51bとを用いて、X方向の電子軌道補正と同様に行えば良い。
図5に、X方向の位置ズレを例に取り、本発明の軌道補正装置10による電子の軌道の補正方法を説明する。
図5(a)は、補正前の電子放出源5とメッシュ電極7の平面図である。図中のA点とB点は、図3で説明したA点とB点と同じ位置にある貫通孔、すなわちメッシュ電極7上の最外縁部にある貫通孔を示す。図5(a)の上図は、AおよびB点のメッシュ電極7の平面図であり、貫通孔11とこの貫通孔付近に放出された電子線の散布範囲54の関係を示す。のエミッタ5からの断面図である。図5(a)の下図は、AおよびB点のメッシュ電極7の断面図であり、エミッタ5から放出された電子線とメッシュ電極7との関係を示す。同様に、図5(b)の上図と下図も、それぞれA点とB点の平面図、及び断面図を示す。
本実施例では、X方向の位置ずれ補正手段を説明する。図5(a)は、エミッタ5の中心が貫通孔11の中心よりX方向の右側(紙面から見て)に位置ズレしている状態を示す。電子放出源5より放出された電子53は円錐状に広がるので、メッシュ電極上での電子の広がりは、図5(a)の上図の点線54のようになる。また、A点の検知電極9aとB点での検知電極9bが検出するエミッタ5からの電子ビームの量を、それぞれLx1及びLx2とする。この場合は、メッシュ貫通孔11の中心よりも、エミッタ5の中心位置が電極9b側にずれているので、Lx1<Lx2となる。
この状態で、X方向の電界発生部50aと50bとの間に、50a側の電位が高くなるような電界を加えると、エミッタ5から放出される電子53の軌道は、図5(b)の太線で示すように電界発生部50a側に変化する。この電界の大きさを適切に調整してLx1=Lx2すれば、エミッタ5から放出される電子53の軌道をエミッタ5の直上にある貫通孔11の中心を通すことが出来る。図5(b)は、電子の広がり54の中心とメッシュ電極11の貫通孔7位置の中心が一致した状態、すなわち、Lx1=Lx2になるように電界発生部50aと50bとの間に電界を加えた状態を示す。同様な方法で、Y方向に位置ズレした状態での電子53の軌道を補正することができる。本方法により、メッシュ電極7上の貫通孔11とエミッタ5のそれぞれの中心が一致していなくても、エミッタ5から放出される電子53が正しく貫通孔11の中心を通過するように補正できる。
次に、軌道補正量計算部12が行う、エミッタから放出される電子の軌道補正量の算出方法を説明する。図6に、軌道補正量計算部12のブロック図を示す。本実施例では、一例として、X方向の位置ズレを補正した後、Y方向の位置ズレを補正する手順を示す。
まず、X方向の位置ズレ補正を説明する。X方向の補正量計算部13aは、X方向検出部45a及び移動方向決定部46a及び移動量計算部47aとからなる。予め、X方向検出部45aの入力にはX方向検知電極9a、9bからの出力が接続されている。移動方向決定部46aと移動量計算部47aの出力は、補正量出力部14aに送られ、これらの値に応じたX方向の補正量が補正量出力部14aからX方向の電界発生部50a50bに送られる。
X方向の軌道補正量の計算は、次のように行う。まず、移動量出力部14aを起動するための起動信号60をX方向検出タイミング生成部48に外部から入力する。X方向検出タイミング生成部48は、起動信号60が入力されている期間は、予め定めた周期の取り込みパルス61を生成しX方向検出部45aに入力する。この取り込みパルスの周期は、一回の補正指示でメッシュ電極の移動が完了する時間よりも大きくしないといけない。もし、この周期が短いと、誤動作を生じるからである。
X方向検出部45aは、この取り込みパルス61の立ち上がり又は立下りのタイミングで、X方向検知電極9a、9bからの出力信号を取り込む。これらの信号は、X方向検出部45aの内部でデジタル化され、それぞれ移動方向決定部46aと移動量計算部47aに送られる。移動方向決定部46aでは、デジタル化されたX方向検知電極9a、9bからの出力信号の大小を比較し、少ない方向に電子53を移動するように移動方向信号65aを補正量出力部14aに出力する。この移動方向信号65aは、両者の値が一致するまで出力される。同様に、移動量計算部47aでは、デジタル化されたX方向検知電極9a、9bからの出力信号の差分値を計算し、補正量信号66aを移動量出力部14aに出力する。
補正量出力部14aでは、補正量信号66aと移動方向信号65aに応じた補正電圧をX方向の電界発生部50a50bに出力する。このX方向の電界発生部50a50bに出力する補正電圧は、発生させる電界の大きさとエミッタ5から放出される電子53の軌道変化の関係を予め測定して決定すれば良い。補正量出力部14aは、補正量信号66aが予め定めた値よりも小さくなれば、X方向の補正が終了したと判断してX方向の補正を終了し、このときの補正電圧を保持する。X方向の補正が終了すれば、補正量出力部14aは、Y方向タイミング生成部49を起動する起動信号62を出力する。
起動されたY方向タイミング生成部49は、X方向検出タイミング生成部48と同様に、起動信号62が入力されている期間、予め定めた周期の取り込みパルス63を生成しY方向検出部45bに入力する。以降は、上記に説明したX方向の補正手順と同様の動作を、Y方向検出部45b、移動方向決定部46b、移動量計算部47b、補正量出力部14bが、それぞれ行う。その結果、X方向の補正と同様にY方向の電界発生部51a51bに補正電圧が出力される。
以上のように軌道補正装置10をメッシュ電極7と電子放出源5との間に備えることにより、デバイスの製造段階でのメッシュ電極7とエミッタ5との位置決め精度を高める必要がないので、低コストの製造装置を使用できる。また、デバイス動作中に、エミッタから放出される電子を利用して常に電子軌道53とメッシュ電極7との位置ずれを補正することが出来るので、画素密度が高くなっても、常に位置ズレのない、解像度のすぐれた、デバイスを実現できる。
なお、本発明は、本実施例の軌道補正量計算部12の構成に拘束されるものではなく、公知の制御技術を使用すれば良い。さらに、図6で説明した軌道補正量計算部12は、電界放出型電子源装置1の外部に設ける必要は無く、電界放出型電子源装置1の内部に設けることも出来る。下面基板3をSi基板で作製すれば、軌道補正量計算部12を下面基板上に作り込むことが出来る。また、下面基板3のみならず、電界放出型電子源装置1の内部構成部材にSi基板を用いるのであれば、軌道補正量計算部12はメッシュ電極7上でもスペーサー部15でも自由に作製することが出来る。
以上説明したように本発明によれば、前記メッシュ電極表面7に、前記エミッタ5が電子53を放出する方向と直交する第1の方向と第2の方向のそれぞれについてトリミングされた電子を検出することにより、それぞれの方向に対しての、メッシュ電極貫通孔11に対する電子軌道53の位置ずれ補正を自動的に、常時行うことが可能となり、デバイスの高解像度化を実現できる。さらに作り込み段階での高精度な位置決めを必要とせず、作り込み段階での製造ばらつきも吸収することができる。また、軌道補正量計算部12をSiチップ上に作り込むことにより、さらなる小型化、省電力化が実現できる。
図5で説明した電子53の軌道の補正には、電界を利用したが、電界のかわりに磁界を用いても良い。図7に、磁界を利用した電子53の軌道の補正方法を示す。図7(a)は、図5(a)に対応する補正前の電子放出源5とメッシュ電極7の平面図である。図中のA点とB点は、図3で説明したA点とB点と同じ位置にある貫通孔、すなわちメッシュ電極7上の最外縁部にある貫通孔を示す。この図は、エミッタ5の中心位置がY方向にずれている状態を示す。A点の検知電極8aとB点での検知電極8bが検出するエミッタ5からの電子ビームの量を、それぞれLy1及びLy2とする。この場合は、メッシュ貫通孔11の中心よりも、エミッタ5の中心位置が電極8b側にずれているので、Ly1<Ly2となる。
図7(b)は、先に説明した図5(b)に対応する。図5(b)との違いは、磁界を発生させるため、電界発生部に代えて磁界発生部を用いることにある。磁界56の方向は、紙面に垂直で且つ紙面から読者に向かう向きとする。この磁界56を加えると、ローレンツ力が生じて電子53の軌道を変化させる力が働き、図7(b)の太線で示すように向きに電子53の軌道が変化する。Ly1=Ly2となるように、磁界発生部を制御すれば、エミッタ5から放出される電子53の軌道をエミッタ5の直上にある貫通孔11の中心を通すことが出来る。図7(b)は、電子の広がり54の中心とメッシュ電極11の貫通孔7位置の中心が一致した状態、すなわち、Lx1=Lx2になるように電界発生部50aと50bとの間に電界を加えた状態を示す
また、電界と磁界とを双方組み合わせる方法でも、電子53の軌道を変化させてエミッタ5の直上にある貫通孔11の中心を通すことが出来る。この方法を、図8で説明する。図8(a)は、電子軌道補正原理である。電界55を電子53に作用させることにより、電子53に電界のクーロン力70が働き、電子53の軌道はX方向に修正される。同時に電界と同じ方向から磁界58を作用させると電子53にローレンツ力71が働き、電子53の軌道はY方向に修正される。したがって、XY平面内において、自由にメッシュ電極貫通孔11に対する電子53の位置補正を行うことができる。X方向、Y方向それぞれ逆向きに動かしたいときは、電界、磁界の極性を反転させればよく、X方向を電界で制御し、Y方向を磁界で制御してもよい。
上記の電子軌道補正原理を用いて構成したのが図8(a)に示す電界・磁界併用補正型の電界放出型電子源装置である。図では、X方向に、電子放出部6上に電界発生部51aと磁界発生部57を形成している。この構成により、X方向の電子軌道の補正を電界55で、Y方向の電子軌道の補正を磁界58で行うことが出来る。従って、一方向のみ(この場合ではX方向)に、X方向のみに電界発生部51aと磁界発生部57を形成すればよく、構成が簡単になる。さらに、電界発生器51aと磁界発生器57をエミッタアレイ6上のSi基板上に作りこめば、さらに小型化が可能となる。
本発明の利用分野は特に制限はなく、例えば電界放出型電子源を備えた撮像装置や表示装置など広範囲に利用することができる。
本発明に基づく電子放出源の概略断面図 本発明に基づくメッシュ構造と検知電極構造を示す図 本発明に基づく位置ずれ検出原理を示す図 本発明に基づく電界による軌道補正装置を示す図 本発明に基づく電界による電子の軌道補正原理を示す図 本発明に基づく軌道補正量計算部の詳細を示す図 本発明に基づく磁界による電子の軌道補正原理を示す図 本発明に基づく電界と磁界との双方による電子の軌道補正原理を示す図 第一の従来技術に係る電子放出源の概略断面図 第二の従来技術に係る電子放出源の概略断面図
符号の説明
1 電界放出型電子源装置
2 上面基板
3 下面基板
4 撮像膜
5 エミッタ(電子放出電極)
6 電子放出部
7 メッシュ電極
8a、8b 検知電極
9a、9b 検知電極
10 軌道補正装置
11 メッシュ貫通孔
12 軌道補正量計算部
13 補正量計算部
14 補正量出力部
15 スペーサー部材(絶縁物)
20 絶縁層
21 透光性陽極導電膜
22 光電変換膜
23a 低温ガラスフリット
23b インジウム
24 スペーサー部材
25 電極リード線
26 シールドグリッド電極
27 段部
28 側面外周器
29 ゲート電極
30 カソード電極
31 スペーサー
32 金属膜
33 金属メッシュ電極
42a 絶縁膜
42b 導電膜
43 金属線
45a X方向検出部
45b Y方向検出部
46a、46b 移動方向決定部
47a、47b 移動量計算部
50a、50b X方向電界発生部
51a、51b Y方向電界発生部
53 電子
54 電子線の散布範囲
55 電界
56 磁界
57 磁界発生部
58 磁界
60、62 起動信号
61、63 取り込みパルス
65a、65b 移動方向信号
66a、66b 補正量信号
70 電界のクーロン力
71 ローレンツ力
72 エミッタアレイ

Claims (10)

  1. エミッタから放出された電子とメッシュ電極の貫通孔との位置ズレ量を計算する軌道補正量計算手段を用いてエミッタから放出された電子を制御する電界放出型電子源装置において、
    電子を放出する複数のエミッタを単位とするエミッタアレイを有する電子放出部と、
    前記電子放出部に対向するように配置して前記単位に対応した貫通孔を備える貫通孔領域を有するメッシュ電極と、
    前記位置ズレ量に応じて電界または磁界を発生することにより前記放出された電子の軌道を補正する軌道補正手段を前記電子放出部上に配置した電界放出型電子源装置。
  2. エミッタから放出された電子とメッシュ電極の貫通孔との位置ズレ量を計算する軌道補正量計算手段を用いてエミッタから放出された電子を制御する電界放出型電子源装置において、
    電子を放出する複数のエミッタを単位とするエミッタアレイを有する電子放出部と、
    前記電子放出部に対向するように配置して前記単位に対応した貫通孔を備える貫通孔領域を有するメッシュ電極と、
    前記位置ズレ量に応じて電界または磁界を発生することにより前記放出された電子の軌道を補正する第1の軌道補正手段と前記位置ズレ量に応じて磁界を発生することにより前記放出された電子の軌道を補正する第2の軌道補正手段とを組にして前記電子放出部上に配置した電界放出型電子源装置。
  3. 前記メッシュ電極の前記電子放出側の面に形成された前記貫通孔領域の再外縁の貫通孔に接するように配置された複数の検知電極を備え、前記検知電極の出力を前記軌道補正量計算手段に出力する請求項1または2に記載の電界放出型電子源装置。
  4. 前記複数の検知電極は、前記貫通孔領域を挟んで互いに対抗する位置に配置した第1の組と、前記第1の組と直交し且つ前記貫通孔領域を挟んで互いに対抗するように配置された第2の組とからなる請求項2に記載の電界放出型電子源装置。
  5. 前記複数の検知電極は、前記貫通孔領域を挟んで互いに対抗する位置に配置さした第1の組と、前記第1の組と直交し且つ前記貫通孔領域を挟んで互いに対抗するように配置された第2の組とからなり、前記軌道補正手段は、前記検知電極の第1の組に応じた第1の補正装置と、前記検知電極の第2の組に応じた第2の補正装置とを備えた請求項1に記載の電界放出型電子源装置。
  6. 前記第1の補正装置及び第2の補正装置は、前記電子軌道補正手段の指示で電界または磁界を発生するように、互いに極性又は磁性の異なる電極部が同一面に設けられた請求項5に記載の電界放出型電子源装置。
  7. 前記メッシュ電極は、導電性材料からなり、且つ前記エミッタに対応して配列された貫通孔からなる貫通孔領域を持つ請求項1又は2に記載の電界放出型電子源装置。
  8. 前記導電性材料は、シリコンである請求項6に記載の電界放出型電子源装置。
  9. 前記電子軌道補正手段は、前記検知電極にて検出した信号から前記メッシュ電極の貫通孔と前記電子放出部より放出された電子の軌道とのズレ量を計算し、前記ズレ量を前記軌道補正手段に送る請求項1に記載の電界放出型電子源装置。
  10. 前記電子軌道補正手段は、前記検知電極にて検出した信号から前記メッシュ電極の貫通孔と前記電子放出部より放出された電子の軌道とのズレ量を計算し、前記ズレ量を前記第1と第2の軌道補正手段に送る請求項2に記載の電界放出型電子源装置。
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