JP2010152587A - 入力装置、制御システム、ハンドヘルド装置及び校正方法 - Google Patents

入力装置、制御システム、ハンドヘルド装置及び校正方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非使用期間が長期間にわたっても基準電位のずれを抑制することができる入力装置、制御システム、ハンドヘルド装置及び校正方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る入力装置は、省電力状態である第2の電力モードが第1の所定期間継続した場合、センサ部を通常の電力モードである第1の電力モードに復帰させて所定の校正処理を実行する。これにより、入力装置の非使用時においてもセンサ部の校正が周期的かつ自動的に実行される。したがって、非使用期間が長期間にわたっても基準電位のずれを抑制することが可能となる。
【選択図】図13

Description

本発明は、例えば、GUI(Graphical User Interface)を操作するための空間操作型の制御システムに用いられる入力装置、制御システム、ハンドヘルド装置及び校正方法に関する。
PC(Personal Computer)で普及しているGUIのコントローラとして、主にマウスやタッチパッド等のポインティングデバイスが用いられている。GUIは、従来のPCのHI(Human Interface)にとどまらず、例えばテレビを画像媒体としてリビングルーム等で使用されるAV機器やゲーム機のインターフェースとして使用され始めている。このようなGUIのコントローラとして、ユーザが空間で操作することができるポインティングデバイスが多種提案されている。
これらの入力装置には、直接変位を検出せず、角速度や加速度などの時間微分された変位のディメンジョンにて慣性量を検出するジャイロセンサや加速度センサが使用されている。角速度センサ及び加速度センサは、入力装置の動きに応じた、基準電位に対する電位の変動を検出信号として出力する。入力装置は、出力された検出信号に基づいて、位置、移動量、移動速度などを含む信号を生成する。この信号は制御機器へ送信され、制御機器は、この信号に応じて、カーソルあるいはポインタを画面上で移動させるように制御する。
一方、上記慣性センサは、DC成分である基準電位にずれが生じた場合には、入力装置が停止している状態であるにもかかわらず、カーソルが等速度又は等加速度で移動してしまうという不都合がある。基準電位のずれは、圧電素子やアナログ回路素子の温度特性などに起因して発生する。
このような基準電位のずれによるカーソルの誤動作を解消するためには、定期的又は非定期的に基準電位を校正する必要がある。例えば、特許文献1には、ジャイロセンサの出力が所定の閾値以下である場合に、ジャイロセンサの基準電位を校正することが開示されている。
一方、特許文献2には、センサの出力値が所定の閾値よりも小さい場合、センサの電力消費が小さい省電力モードに遷移する自由空間ポインティングデバイスが記載されている。また、特許文献2には、ユーザによって把持されていないステーショナリ状態にある間、センサのオフセット(基準電位)を補償(校正)する際に使用するために、回転センサや加速度計からそれらの読み取り値を取得するようにしている。
米国特許第5825350号公報 特表2007−535774号公報
角速度センサの基準電位は、起動ごとに異なる値を示すことが多く、起動停止時間が長いほど基準電位の変動量も大きい。したがって、センサの省電力状態が長期間続くと、ポインタの移動操作のためにセンサが通常状態へ復帰したときに、センサの基準電位のずれが大きくなって、ユーザの意図しないポインタの移動を回避できないという不都合が生じる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、非使用期間が長期間にわたっても基準電位のずれを抑制することができる入力装置、制御システム、ハンドヘルド装置及び校正方法を提供することにある。
本発明の一形態に係る入力装置は、筐体と、センサ部と、処理手段と、モード遷移手段と、校正手段とを具備する。
上記センサ部は、第1の電力を消費する第1の電力モードと、上記第1の電力モードよりも少ない第2の電力を消費する第2の電力モードとを有する。上記センサ部は、上記筐体の動きの量を基準電位に対する電位の変動として検出する。
上記処理手段は、上記センサ部が上記第1の電力モードにあるときに、上記センサ部の出力に基づいて画面を制御するための制御コマンドを生成する処理である操作モードを実行する。
上記モード遷移手段は、上記センサ部を上記第1の電力モードから上記第2の電力モードへ遷移させる。
上記校正手段は、上記センサ部が第1の所定期間継続して上記第2の電力モードにあるときに、上記センサ部を上記第1の電力モードへ遷移させて、上記基準電位を校正する処理である校正モードを実行する。
上記入力装置は、第2の電力モードが第1の所定期間継続した場合、センサ部を第1の電力モードに復帰させて所定の校正処理を実行する。すなわち、入力装置の非使用時においてもセンサ部の校正が周期的かつ自動的に実行される。これにより、非使用期間が長期間にわたっても基準電位のずれを抑制することが可能となる。
上記センサ部は、上記筐体の空間内での動きの量を検出するものであってもよい。
これにより、操作感に優れた空間操作型の入力装置を提供することができる。
上記センサ部は、角速度センサを含んでもよい。
上記入力装置によれば、角速度センサの基準電位のずれに起因する操作感の低下を防止することができる。
上記モード遷移手段は、上記校正手段による上記校正モードの実行が完了した後、上記センサ部を上記第1の電力モードから上記第2の電力モードへ遷移させるようにしてもよい。
これにより、センサ部の電力消費が低減されるので、入力装置の省電力化を図ることができる。
上記モード遷移手段は、上記センサ部が上記第1の電力モードであり、かつ、上記センサ部の出力の大きさが所定値以下である状態が第2の所定期間継続したとき、上記センサ部を上記第1の電力モードから上記第2の電力モードへ遷移させることができる。
これにより、使用状態から静定状態への状態遷移の信頼性を高めることができる。
上記入力装置は、上記センサ部が上記第2の電力モードにあるときに、ユーザによる操作を検出する検出手段をさらに具備してもよい。上記モード遷移手段は、上記検出手段によって上記ユーザによる操作が検出されたとき、上記センサ部を上記第2の電力モードから上記第1の電力モードへ遷移させる。
これにより、静定状態から使用状態への状態遷移の信頼性を高めることができる。
上記検出手段は、加速度センサを含んでもよい。
これにより、ユーザによる筐体の操作を適正に検出することが可能となる。
上記筐体は、給電端子が接続されることで充電されることが可能な受電端子を有していてもよい。上記モード遷移手段は、上記受電端子に上記給電端子が接続されたとき、上記第1の電力モードから上記第2の電力モードへの上記センサ部の遷移を許可する。
これにより、使用状態から静定状態への状態遷移の信頼性を高めることができる。
上記筐体は、上記処理手段による上記操作モードが実行可能な第1の形態と、上記操作モードが実行されない、上記第1の形態とは異なる第2の形態とを有していてもよい。上記モード遷移手段は、上記筐体が上記第1の形態から上記第2の形態へ切り替えられたとき、上記第1の電力モードから上記第2の電力モードへの上記センサ部の遷移を許可する。
これにより、筐体の形態変化によって異なる操作モードを有する入力装置において、センサ部の基準電位を周期的に校正することが可能となる。
上記入力装置は、上記校正モードの実行中か上記操作モードの実行中かを報知する報知手段をさらに具備してもよい。
これにより、ユーザに対して現在実行されているモードを認識させることができる。
上記画面の制御には、上記画面上でのポインタの移動制御を含めることができる。この場合、上記制御コマンドは、上記画面上での上記ポインタの変位量に対応する移動コマンドとすることができる。
これにより、センサ部の基準電位のずれによるポインタの誤移動を防止することができる。
本発明の一形態に係る制御システムは、入力装置と、制御装置とを具備する。
上記入力装置は、筐体と、センサ部と、処理手段と、送信手段と、モード遷移手段と、校正手段とを有する。上記センサ部は、第1の電力を消費する第1の電力モードと、上記第1の電力モードよりも少ない第2の電力を消費する第2の電力モードとを有する。上記センサ部は、上記筐体の動きの量を基準電位に対する電位の変動として検出する。上記処理手段は、上記センサ部が上記第1の電力モードにあるときに、上記センサ部の出力に基づいて画面を制御するための制御コマンドを生成する処理である操作モードを実行する。上記送信手段は、上記処理手段により生成された制御コマンドを送信する。上記モード遷移手段は、上記センサ部を上記第1の電力モードから上記第2の電力モードへ遷移させる。上記校正手段は、上記センサ部が所定期間継続して上記第2の電力モードにあるときに、上記センサ部を上記第1の電力モードへ遷移させて、上記基準電位を校正する処理である校正モードを実行する。
上記制御装置は、受信手段と、表示制御手段とを有する。上記受信手段は、上記送信手段で送信された制御コマンドを受信する。上記表示制御手段は、上記受信手段で受信された制御コマンドに応じて上記画面の表示を制御する。
上記制御システムにおいては、入力装置の非使用時においてもセンサ部の校正が周期的かつ自動的に実行される。これにより、非使用期間が長期間にわたっても基準電位のずれを抑制することが可能となる。
本発明の一形態に係るハンドヘルド装置は、筐体と、表示部と、センサ部と、処理手段と、モード遷移手段と、校正手段とを具備する。
上記センサ部は、第1の電力を消費する第1の電力モードと、上記第1の電力モードよりも少ない第2の電力を消費する第2の電力モードとを有する。上記センサ部は、上記筐体の動きの量を基準電位に対する電位の変動として検出する。
上記処理手段は、上記センサ部が上記第1の電力モードにあるときに、上記センサ部の出力に基づいて画面を制御するための制御コマンドを生成する処理である操作モードを実行する。
上記モード遷移手段は、上記センサ部を上記第1の電力モードから上記第2の電力モードへ遷移させる。
上記校正手段は、上記センサ部が所定期間継続して上記第2の電力モードにあるときに、上記センサ部を上記第1の電力モードへ遷移させて、上記基準電位を校正する処理である校正モードを実行する。
上記ハンドヘルド装置においては、当該ハンドヘルド装置の非使用時においてもセンサ部の校正が周期的かつ自動的に実行される。これにより、非使用期間が長期間にわたっても基準電位のずれを抑制することが可能となる。
本発明の一形態に係る校正方法は、センサ部によって、筐体の動きの量を基準電位に対する電位の変動として検出することを含む。上記センサ部が、第1の電力を消費する第1の電力モードにあるときに、上記センサ部の出力に基づいて画面を制御するための制御コマンドを生成する処理である操作モードが実行される。上記センサ部が、第1の所定期間継続して、上記第1の電力よりも少ない第2の電力を消費する第2の電力モードにあるときに、上記センサ部を上記第1の電力モードへ遷移させて、上記基準電位を校正する処理である校正モードが実行される。
上記校正方法によれば、非使用字においてもセンサ部の校正が周期的かつ自動的に実行される。これにより、非使用期間が長期間にわたっても基準電位のずれを抑制することが可能となる。
以上のように、本発明によれば、非使用期間が長期間にわたっても基準電位のずれを抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
<第1の実施の形態>
[制御システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る制御システムを示す図である。制御システム100は、表示装置5、制御装置40及び入力装置1を含む。
図2は、入力装置1を示す斜視図である。入力装置1は、ユーザが持つことができる程度の大きさとされている。入力装置1は、筺体10、筺体10の上部に設けられた例えば2つのボタン11,12、回転式のホイールボタン13等を備えている。筺体10の上部の中央よりに設けられたボタン11は、例えばPCで用いられる入力デバイスとしてのマウスの左ボタンの機能を有し、ボタン11に隣接するボタン12はマウスの右ボタンの機能を有する。
例えば、ボタン11を長押して入力装置1を移動させることにより「ドラッグアンドドロップ」、ボタン11のダブルクリックによりファイルを開く操作、ホイールボタン13により画面3のスクロール操作が行われるようにしてもよい。ボタン11,12、ホイールボタン13の配置、発行されるコマンドの内容等は、適宜変更可能である。
筐体10の下端部には、充電端子51が設けられている。図11及び図12に示すように、入力装置1が充電器60の上に載置されると、充電端子51は、充電器60の給電端子部61(端子形状は図示せず)に接続されるようになっている。
図3は、入力装置1の内部の構成を模式的に示す図である。図4は、入力装置1の電気的な構成を示すブロック図である。入力装置1は、センサモジュール17(出力手段)、制御ユニット30、バッテリー14等を備えている。
センサモジュール17は、主として、筐体10の空間内での動きの量を検出する。図6は、センサモジュール17(センサ部)を示す斜視図である。
センサモジュール17は、互いに異なる角度、例えば直交する2軸(X軸及びY軸)に沿った加速度を検出する加速度センサユニット16を有する。すなわち、加速度センサユニット16は、X’軸方向の加速度を検出する加速度センサ161、及びY’軸方向の加速度を検出する加速度センサ162の2つのセンサを含む。
また、センサモジュール17は、その直交する2軸の周りの角度に関連する値を検出する角速度センサユニット15を有する。すなわち、角速度センサユニット15は、Y’軸方向を中心軸とする回転方向(ヨー方向)の角速度を検出する角速度センサ151、及びX’軸方向を中心軸とする回転方向(ピッチ方向)の角速度を検出する角速度センサ152の2つのセンサを含む。これらの加速度センサユニット16及び角速度センサユニット15はパッケージングされ、共通基板としての回路基板25の共通の面に搭載されている。
このように、複数のセンサユニット15,16が共通の回路基板25に搭載されているので、各センサユニットが別々の回路基板に搭載される場合と比較して、センサモジュール17の小型化、薄型化、軽量化を図ることができる。
ヨー方向、ピッチ方向の角速度センサ151,152としては、角速度に比例したコリオリ力を検出する振動型のジャイロセンサが用いられる。ヨー方向、ピッチ方向の加速度センサ161,162としては、ピエゾ抵抗型、圧電型、静電容量型等、どのようなタイプのセンサであってもよい。角速度センサ151または152としては、振動型ジャイロセンサに限られず、回転コマジャイロセンサ、レーザリングジャイロセンサ、あるいはガスレートジャイロセンサ等が用いられてもよい。本実施形態では、上記角速度センサ及び加速度センサとして、筐体10の動きに応じた基準電位に対する電位の変動を検出信号として出力するセンサが用いられる。同様な原理で検出信号を出力するセンサであれば、地磁気センサなどの他のセンサを用いてもよい。
図2、図3及び図6の説明では、便宜上、筐体10の長手方向をZ'方向とし、筐体10の厚さ方向をX'方向とし、筐体10の幅方向をY'方向とする。この場合、上記センサモジュール17は、回路基板25の、加速度センサユニット16及び角速度センサユニット15を搭載する面がX'−Y'平面に実質的に平行となるように、筐体10に内蔵され、上記したように、両センサユニット16,15はX’軸及びY’軸の2軸に関する物理量を検出する。
本明細書においては、入力デバイス1とともに動く座標系、つまり、入力デバイス1に固定された座標系をX’軸、Y’軸、Z’軸で表す。一方、地球上で静止した座標系、つまり慣性座標系をX軸、Y軸、Z軸で表す。また、以降の説明では、入力装置1の動きに関し、X’軸の周りの回転の方向をピッチ方向、Y’軸の周りの回転の方向をヨー方向といい、Z’軸(ロール軸)方向の周りの回転の方向をロール方向という場合もある。
制御ユニット30は、メイン基板18、メイン基板18上にマウントされたMPU19(Micro Processing Unit)(あるいはCPU)、水晶発振器20、送受信機21、メイン基板18上にプリントされたアンテナ22を含む。
MPU19は、必要な揮発性メモリ及び不揮発性メモリ(記憶部)を内蔵している。MPU19は、センサモジュール17の検出信号、操作部による操作信号等が入力され、これらの入力信号に応じて所定の制御信号を生成するため、各種の演算処理等を行う。上記メモリは、MPU19とは別体で設けられていてもよい。なお、上記不揮発性メモリは、後述する校正モードの実行時に読み出されるプログラムや各種データ、各種演算に必要なパラメータなどが記憶されているとともに、校正モードの実行により得られた校正値などが記憶可能に構成されている。
典型的には、センサモジュール17はアナログ信号を出力するものである。この場合、MPU19は、A/D(Analog/Digital)コンバータを含む。しかし、センサモジュール17がA/Dコンバータを含むユニットであってもよい。
MPU19により、または、MPU19及び水晶発振器20により、速度算出ユニットが構成される。
送受信機21(送信手段)は、MPU19で生成された制御信号(入力情報)をRF無線信号として、アンテナ22を介して制御装置40に送信する。また、送受信機21は、制御装置40から送信された各種の信号を受信することも可能となっている。
水晶発振器20は、クロックを生成し、これをMPU19に供給する。バッテリー14としては、乾電池または充電式電池等が用いられる。
制御装置40は、MPU35(あるいはCPU)、表示制御部42、RAM36、ROM37、ビデオRAM41、アンテナ39及び送受信機38などを含む。
送受信機38(受信手段)は、入力装置1から送信された制御信号を、アンテナ39を介して受信する。また、送受信機38は、入力装置1へ所定の各種の信号を送信することも可能となっている。MPU35は、その制御信号を解析し、各種の演算処理を行う。表示制御部42は、MPU35の制御に応じて、主に、表示装置5の画面3上に表示するための画面データを生成する。ビデオRAM41は、表示制御部42の作業領域となり、生成された画面データを一時的に格納する。MPU35及び表示制御部42は、表示制御手段を構成する。
制御装置40は、入力装置1に専用の機器であってもよいが、PC等であってもよい。制御装置40は、入力装置1に専用の機器に限られず、表示装置5と一体となったコンピュータであってもよいし、オーディオ/ビジュアル機器、プロジェクタ、ゲーム機器、またはカーナビゲーション機器等であってもよい。
表示装置5は、例えば液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等が挙げられるが、これらに限られない。あるいは、表示装置5は、テレビジョン放送等を受信できるディスプレイと一体となった装置でもよいし、このようなディスプレイと上記制御装置40とが一体となった装置でもよい。
図5は、表示装置5に表示される画面3の例を示す図である。画面3上には、アイコン4やポインタ2等のUIが表示されている。アイコンとは、コンピュータ上のプログラムの機能、実行コマンド、またはファイルの内容等が画面3上で画像化されたものである。なお、画面3上の水平方向をX軸方向とし、垂直方向をY軸方向とする。
図7(A)、(B)は、ユーザが入力装置1を握った様子を示す図である。このようにユーザが入力装置1を握った状態で、入力装置1を空中で移動させ、あるいは操作部23を操作することにより、それにより発生するコマンドの信号が制御装置40に出力され、制御装置40によりUIが制御される。
入力装置1のMPU19は、上記コマンドとして、典型的にはセンサモジュール17による検出信号に応じた、画面3上でのポインタ2の変位量に対応する移動コマンドを生成し(処理手段)、操作部23を介したユーザによる操作入力に応じた操作コマンドを生成する。
[制御システムの基本動作]
次に、入力装置1の動かし方及びこれによる画面3上のポインタ2の動きの典型的な例を説明する。図7はその説明図である。
図7(A)、(B)に示すように、ユーザが入力装置1を握った状態で、入力装置1のボタン11、12が配置されている側を表示装置5側に向ける。ユーザは、親指を上にし子指を下にした状態、いわば握手する状態で入力装置1を握る。この状態で、センサモジュール17の回路基板25(図6参照)は、表示装置5の画面3に対して平行に近くなり、センサモジュール17の検出軸である2軸(X’軸、Y’軸)が、画面3の水平軸(X軸)及び垂直軸(Y軸)に対応するようになる。以下、このような図7(A)、(B)に示す入力装置1の姿勢を基本姿勢という。
図7(A)に示すように、基本姿勢の状態で、ユーザが手首や腕を左右方向、つまりヨー方向に振る。このとき、X’軸方向の加速度センサ161は、X’軸方向の加速度axを検出し、ヨー方向の角速度センサ151は、Y’軸の周りの角速度ωψを検出する。これらの検出値に基づき、制御装置40は、ポインタ2がX軸方向に移動するようにそのポインタ2の表示を制御する。
一方、図7(B)に示すように、基本姿勢の状態で、ユーザが手首や腕を上下方向、つまりピッチ方向に振る。このとき、Y’軸方向の加速度センサ162は、Y’軸方向の加速度ayを検出し、ピッチ方向の角速度センサ152は、X’軸の周りの角速度ωθを検出する。これらの検出値に基づき、制御装置40は、ポインタ2がY軸方向に移動するようにそのポインタ2の表示を制御する。
本実施の形態では、入力装置1のMPU19が、内部の不揮発性メモリに格納されたプログラムに従い、センサモジュール17で検出された各検出信号に基づきヨー及びピッチ方向の速度値を算出する。入力装置1は、この速度値を制御装置40に送信する。
制御装置40は、単位時間当りのヨー方向の変位を、画面3上のX軸上でのポインタ2の変位量に変換し、単位時間当りのピッチ方向の変位を、画面3上のY軸上でのポインタ2の変位量に変換することにより、ポインタ2を移動させる。
典型的には、制御装置40のMPU35は、所定のクロック数ごとに供給されてくる速度値について、(n−1)回目に供給された速度値に、n回目に供給された速度値を加算する。これにより、当該n回目に供給された速度値が、ポインタ2の変位量に相当し、ポインタ2の画面3上の座標情報が生成される。
他の実施の形態では、入力装置1は、センサモジュール17で検出された物理量を制御装置40に送信する。この場合、制御装置40のMPU35は、ROM37に格納されたプログラムに従い、受信した入力情報に基づきヨー及びピッチ方向の速度値を算出し、この速度値に応じてポインタ2を移動させるように表示する。
次に、入力装置1及び制御システム100の動作例を説明する。図8は、その典型的な動作の例を示すフローチャートである。
入力装置1に電源が投入される。例えば、ユーザが入力装置1または制御装置40に設けられた電源スイッチ等を入れることにより、入力装置1に電源が投入される。電源が投入されると、角速度センサユニット15から2軸の角速度信号が出力される。MPU19は、この2軸の角速度信号による第1の角速度値ωψ及び第2の角速度値ωθを取得する(ステップ101)。
また、入力装置1に電源が投入されると、加速度センサユニット16から2軸の加速度信号が出力される。MPU19は、この2軸の加速度信号による第1の加速度信号ax及び第2の加速度信号ayを取得する(ステップ102)。この加速度値の信号は、電源が投入された時点での入力装置1の姿勢(以下、初期姿勢という)に対応する信号である。以下、初期姿勢は、上記基本姿勢であるとして説明する。なお、MPU19は、典型的にはステップ101及び102の処理を所定のクロック周期に同期して行う。
MPU19は、加速度値(ax、ay)及び角速度値(ωψ、ωθ)に基づいて、所定の演算により速度値を算出する(ステップ103)。第1の速度値VxはX’軸に沿う方向の速度値であり、第2の速度値VyはY’軸に沿う方向の速度値である。この点において、少なくともセンサモジュール17、または、MPU19及びセンサモジュール17は、入力装置1の移動信号である速度関連値を出力する移動信号出力手段として機能する。速度関連値として、本実施の形態では、速度値を例に挙げて説明する。
速度値(Vx、Vy)は、加速度値(ax、ay)を単純に積分することで算出されてもよいし、後述するように、加速度値(ax、ay)及び角速度値(ωψ、ωθ)に基づいて算出されてもよい。
MPU19は、求めたポインタ速度値(Vx、Vy)の情報を、送受信機21及びアンテナ22を介して制御装置40に送信する(ステップ104)。
制御装置40のMPU35は、アンテナ39及び送受信機38を介して、ポインタ速度値(Vx、Vy)の情報を受信する(ステップ105)。入力装置1は、所定のクロックごとに、つまり単位時間ごとにポインタ速度値(Vx、Vy)を送信するので、制御装置40は、これを受信し、単位時間ごとのX軸及びY軸方向の変位量を取得することができる。
MPU35は、下式(1)、(2)より、取得した単位時間当りのX軸及びY軸方向の変位量に応じた、ポインタ2の画面3上における座標値(X(t)、Y(t))を生成する(ステップ106)。この座標値の生成により、MPU35は、ポインタ2が画面3上で移動するように表示を制御する(ステップ107)。
X(t)=X(t−1)+Vx’・・・(1)
Y(t)=Y(t−1)+Vy’・・・(2)
図8では、入力装置1が主要な演算を行ってポインタ速度値(Vx、Vy)を算出していた。図9に示す実施の形態では、制御装置40が主要な演算を行う。
図9に示すように、ステップ301及び302は、ステップ101及び102と同様の処理である。入力装置1が、例えばセンサモジュール17から出力された2軸の加速度値及び2軸の角速度値である検出値の情報を制御装置40に送信する(ステップ303)。制御装置40のMPU35は、この検出値の情報を受信し(ステップ304)、ステップ103、104及び107と同様の処理を実行する(ステップ305〜307)。
なお、図8及び図9では、角速度の取得後、加速度を取得する例を説明したが、これに限られず、加速度を取得後、角速度を取得してもよいし、角速度と加速度を同時に取得してもよい。
次に、図8のステップ103、図9のステップ305における速度値(Vx、Vy)の算出方法の一例について説明する。
例えば、ユーザが入力装置1を左右方向(ヨー方向)へ振って操作する場合において、ユーザは、手首(あるいは手指)の回転、肘の回転及び腕の付け根の回転のうち少なくとも1つによって操作する。したがって、入力装置1の動きと、この手首(あるいは手指)、肘及び腕の付け根の回転とを比較すると、以下の1,2に示す関係があることが分かる。
1.入力装置1のY’軸周りの角速度値ωψは、肩の回転による角速度、肘の回転による角速度、及び、手指(あるいは手首)の回転等による角速度の合成値である。
2.入力装置1のヨー方向の速度値Vxは、肩、肘、及び手指等の角速度に、肩と入力装置1との距離、肘と入力装置1との距離、及び、手指と入力装置1との距離等をそれぞれ乗じた値の合成値である。
ここで、微小時間での入力装置1の回転運動について、入力装置1は、Y’軸に平行であり、時間ごとに位置が変化する中心軸を中心に回転していると考えることができる。この時間ごとに位置が変化する中心軸(つまり瞬間中心を通る軸)と、入力装置1との距離を、Y’軸周りの回転半径Rψ(t)とすると、入力装置1の速度値Vxと、角速度値ωψとの関係は、以下の式(3)で表される。すなわち、ヨー方向の速度値Vxは、Y’軸周りの角速度値ωψに、中心軸と入力装置1との距離Rψ(t)を乗じた値となる。
Vx=Rψ(t)・ωψ・・・(3)
式(3)に示すように、入力装置1の速度値と、角速度値との関係は、比例定数をRψ(t)とした比例関係、つまり、相関関係にある。
上記式(3)を変形して式(4)を得る。
Rψ(t)=Vx/ωψ・・・(4)
式(4)の右辺は、速度のディメンジョンである。この式(4)の右辺に表されている速度値と角速度値とがそれぞれ微分され、加速度、あるいは加速度の時間変化率のディメンジョンとされても相関関係は失われない。同様に、速度値と角速度値とがそれぞれ積分され、変位のディメンジョンとされても相関関係は失われない。
したがって、式(4)の右辺に表されている速度及び角速度をそれぞれ変位、加速度、加速度の時間変化率のディメンジョンとして、以下の式(5)、(6)、(7)が得られる。
Rψ(t)=x/ψ・・・(5)
Rψ(t)=ax/Δωψ・・・(6)
Rψ(t)=Δax/Δ(Δωψ)・・・(7)
上記(4)、(5)、(6)、(7)のうち、例えば式(6)に注目すると、加速度値axと、角速度値Δωψが既知であれば、回転半径Rψ(t)が求められることがわかる。
上述のように、第1の加速度センサ161は、ヨー方向の加速度値axを検出し、第1の角速度センサ151は、Y’軸の周りの角速度値ωψを検出する。したがって、Y’軸周りの角速度値ωψが微分され、Y’軸周りの角加速度値Δωψが算出されれば、Y’軸周りの回転半径Rψ(t)が求められる。
Y’軸周りの回転半径Rψ(t)が既知であれば、この回転半径Rψ(t)に、第1の角速度センサ151によって検出されたY’軸の周りの角速度値ωψを乗じることで、入力装置1のX’軸方向の速度値Vxが求められる(式(3)参照)。すなわち、ユーザの回転の操作量そのものがX’軸方向の線速度値に変換され、ユーザの直感に合致した速度値となる。したがって、ポインタ2の動きが入力装置1の動きに対して自然な動きとなるため、ユーザによる入力装置の操作性が向上する。
この速度値の算出方法については、ユーザが入力装置1を上下方向(ピッチ方向)へ振って操作する場合にも適用することができる。
なお、速度値(Vx、Vy)は、必ずしも上記算出方法により、算出されなくてもよい。例えば、MPU19は、例えば加速度値(ax、ay)を積分して速度値を求め、かつ、角速度値(ωψ、ωθ)をその積分演算の補助して用いる方法が採用されてもよい。あるいは、加速度値(ax、ay)が単純に積分されて速度値(Vx、Vy)が算出されても構わない。あるいは、検出された角速度値(ωψ、ωθ)をそのまま筐体の速度値(Vx、Vy)として用いてもよい。検出された角速度値(ωψ、ωθ)は時間微分することで角加速度値(Δωψ、Δωθ)を求めることができ、これを筐体の加速度値として用いることも可能である。
[センサ出力の検出]
さて、本実施形態の入力装置1においては、直接変位を検出せず、角速度、加速度などの時間微分された変位のディメンジョンにて慣性量を検出する角速度センサ(角速度センサユニット15)や加速度センサ(加速度センサユニット16)を含むセンサモジュール17が使用されている。これらの慣性センサは、筺体10の動きに応じた、基準電位に対する電位の変動を検出信号として出力する。
以下、角速度センサを例に挙げて角速度の検出方法の一例について説明する。
図10(A)に角速度センサの出力の一例を示す。角速度センサは、基準電位Vrefを基準とする電位信号Sωを出力する。時刻t0における角速度値ω(t0)は、角速度信号Sω(t0)を参照して式(8)に示す演算で求めることができる。
Sω(t0)=V(t0)−Vref・・・(8)
基準電位Vrefの設定値は、グラウンド電位でもよいし、グラウンド電位に対してオフセットしたDC(直流)電位でもよい。この基準電位Vrefは、DCオフセット(値)、DCセンター(値)などとも呼ばれることがある。いずれにしても、角速度センサの出力信号Sωには、基準電位Vrefと、入力装置(筺体)の動きに応じた基準電位Vrefに対する電位信号が含まれる。筺体の動きがゆっくりであるほど基準電位Vrefに対する電位の差(V)は小さく、筺体の動きが大きいほど、基準電位Vrefに対する電位の差(V)は大きい。したがって、基準電位Vrefが既知でないと、筺体の動きを正確に検出することはほとんど不可能である。
[センサの校正]
センサの基準電位Vrefは、センサユニットの感度特性、周辺回路や機器の電気的特性などに応じて適宜設定される。しかし、この基準電位Vrefは、センサを構成する素子特性(温度ドリフト、振動モードの変化など)や、外的ストレス、アナログ回路の回路特性(温度特性、時定数、増幅器出力のSN比など)に応じて変動し、その変動の推移も一様でない。図10(B)に、基準電位Vrefの変動の一例を示す。
基準電位Vrefが変動すると、角速度値の算出にずれが生じる。基準電位Vrefを固定値とした場合、基準電位の変動に関係なく、設定された基準値Vrefを基準に式(8)に基づいて角速度値ωを算出してしまうからである。
例えば、図10(B)の例では、時刻t1における角速度値ω(t1)は、角速度信号Sω(t1)を基に式(9)により算出され、時刻t2における角速度値ω(t2)は、角速度信号Sω(t2)を基に式(10)で算出されることになる。
Sω(t1)=V(t1)−Vref・・・(9)
Sω(t2)=V(t2)−Vref・・・(10)
しかし、基準電位Vrefは時間とともに変動しており、予め設定された値と異なる。図10(B)の例では、時刻t1における実際の角速度値ω(t1)は、式(9)により算出された値よりΔV1だけずれが生じ、時刻t2における実際の角速度値ω(t2)は、式(10)により算出された値よりΔV2だけずれが生じる。この場合、入力装置の操作感が低下することは勿論のこと、入力装置を停止させているにもかかわらずポインタが画面上で移動するという事態を招く。
そこで、入力装置の操作感を高めるためには、基準電位Vrefの変動をキャンセルするような処理を定期的又は非定期的に実施する必要がある。この処理は、一般に校正(較正)、零点補正などと呼ばれる。図10(C)に示すように、センサの校正(基準電位の校正)を逐次行うことによって、式(11)、(12)に示すように、時刻t1、t2における角速度値ω(t1)、ω(t2)の検出精度を高めることが可能となる。
Sω(t1)=V(t1)−Vref(t1)・・・(11)
Sω(t2)=V(t2)−Vref(t2)・・・(12)
上述のように、センサの校正は、基準電位の値の修正又は再設定に相当する処理であることから、センサの出力信号に筺体の動きが反映されていない状態、すなわち入力装置が静定状態あるいは静定状態に近い状態であるほど高い校正精度が得られることになる。
[入力装置の構成]
本実施形態の入力装置1は、上述のように、筺体10と、センサ部としてのセンサモジュール17と、速度算出ユニットとしてのMPU19とを備える。
ここで、センサモジュール17は、第1の電力を消費する第1の電力モードと、第1の電力よりも少ない第2の出力を消費する第2の電力モードとを有する。センサモジュール17は、筺体10の動きに応じて基準電位に対する電位の変動を検出信号として出力する角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16を含む。第1の電力モードにおいて、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16は、筐体10の動きに応じた角速度信号及び加速度信号をそれぞれ出力する。一方、第2の電力モードにおいて、加速度センサユニット16は、第1の電力モードのときと同様に上記加速度信号を出力するが、角速度センサユニット15は、上記角速度信号を出力しない。すなわち、第2の電力モードにおいて、角速度センサユニット15は、無給電状態となる。
MPU19は、第1の電力モードにおいて、上述したようにセンサモジュール17の検出信号(出力値)に基づいてポインタ2を移動させるための速度値であるポインタ速度値(Vx、Vy)を算出する。そして、MPU19は、ポインタ速度値に応じて画面3上でポインタ2を移動させる処理である操作モードを実行する機能を有する(処理手段)。
MPU19は、第1の電力モードから第2の電力モードへのセンサモジュール17の状態遷移の許否を判定し、センサモジュール17を第1の電力モードから第2の電力モードへ遷移させる機能(モード遷移手段)を有する。例えば、MPU19は、センサモジュール17の出力値に基づいて算出される角速度値及び加速度値に基づいて、入力装置1(筐体10)が静定状態にあると判定したとき、センサモジュール17を第1の電力モードから第2の電力モードへの状態遷移を許可する。あるいは、MPU19は、入力装置1が充電器の上にセットされたとき、センサモジュール17を第1の電力モードから第2の電力モードへの状態遷移を許可する。MPU19は、当該状態遷移を許可したとき、センサモジュール17を第1の電力モードから第2の電力モードへ遷移させる。
MPU19は、さらに、センサモジュール17が所定期間(第1の所定期間)継続して第2の電力モードにあるときに、センサモジュール17を第1の電力モードへ遷移させる。そして、MPU19は、角速度センサユニット15(第1の角速度センサ151、第2の角速度センサ152)の基準電位を校正する処理である校正モードを実行する(校正手段)。
[入力装置の動作例]
入力装置1(制御システム100)に電源が投入されると、センサモジュール17は第1の電力モードで動作する。そして、センサモジュール17内の角速度センサユニット15(第1の角速度センサ151、第2の角速度センサ152)は、筐体10のY’軸周りの角速度信号ωψ及びX’軸周りの角速度信号ωθをそれぞれ出力する。センサモジュール17内の加速度センサユニット16(第1の加速度センサ161、第2の加速度センサ162)は、X’軸方向の加速度信号ax及びY’軸方向の加速度信号ayをそれぞれ出力する。
入力装置1がユーザによって操作されているとき、MPU19は、センサモジュール17の出力信号に基づいて、上述したような方法でポインタ速度値(Vx、Vy)を算出し、これを制御装置40へ送信する。これにより、表示部5の画面3上でポインタ2が移動操作される。
例えば、入力装置1が机等の上に載置されることで、入力装置1は静定される。MPU19は、入力装置1の静定状態を判定すると、図13に説明する手順で、センサモジュール17を第1の電力モード(通常モード)から第2の電力モード(スリープモード)へ状態遷移させる。
以下、図13を参照して、スリープモードへの遷移過程とスリープモードへ状態遷移された入力装置1の動作の詳細を説明する。
MPU19は、センサモジュール17から加速度信号(ax、ay)及び角速度信号(ωψ、ωθ)をそれぞれ取得する(ステップ501)。取得された各種信号は、MPU19の記憶部に記憶される。そして、MPU19は、取得した加速度センサ及び角速度センサの出力値と、前回取得した加速度センサ及び角速度センサの出力値とをそれぞれ相互に比較する(ステップ502)。そして、MPU19は、それらの出力値の差が規定値を超えている場合はカウンター(第1のカウンター)をゼロにリセットしてステップ501に戻り(ステップ503)、それらの出力値の差が規定値以下である場合はステップ504に移行して上記カウンターをカウントアップする。
ステップ504において、MPU19は、上記カウンターのカウント値が第1の閾値以上であるか否かを判定する(ステップ505)。そして、MPU19は、当該カウント値が第1の閾値未満であればステップ501へ移行し、当該カウント値が第1の閾値以上であればスリープモードに移行する(ステップ506)。センサモジュール17の出力値が上記規定値以下であり、第1のカウンターのカウント値が上記第1の閾値以上であることを確認してからスリープモードへ移行することで、信頼性の高い状態遷移が実現可能となる。
スリープモードでは、MPU19は、センサモジュール17を第1の電力モードから第2の電力モードへ状態遷移させる。すなわち、MPU19は、上記カウンターのカウント値が第1の閾値に達したか否かに基づいてスリープモードへの状態遷移の許否を判定し、この条件を満たした場合、センサモジュール17をスリープモードへ状態遷移させる(モード遷移手段)。これにより、センサモジュール17は、角速度センサユニット15への電力供給が停止される。このとき、加速度センサユニット15は通常の電力モードに維持されてもよいし、筐体10に作用する所定以上の加速度を検出できる程度の電力消費モードに遷移されてもよい。
入力装置1のスリープモードでは、例えば、MPU19自体を省電力モードに状態遷移させることも可能である。例えば、スリープモードでは角速度センサユニット15の動作が停止されるため、MPU19は角速度値の算出処理が不要となる。そこで、MPU19による角速度値の算出処理に必要な機能ブロックへの電力供給を停止させることで、MPU19自体の省電力化を図ることが可能となる。
上記第1の閾値は特に限定されず、適宜の値に設定することができる。入力装置1が机等の上に載置された後、その状態が安定に継続することでスリープモードへ移行させるべきか否かを判定できるのに十分な時間であればよい。
入力装置1を通常モードからスリープモードへ状態遷移させる手順は上記の例に限られない。例えば図12に示すように、入力装置1が充電器60に載置され、入力装置1の受電端子51と充電器60の給電端子部61とが相互に電気的に接続されたことをMPU19が判定したとき、センサモジュール17をスリープモードへ状態遷移させてもよい。
入力装置1がスリープモードへ状態遷移した後、MPU19は、第2のカウンターのカウントアップを開始する(ステップ507)。第2のカウンターは、スリープモードの継続期間を計測するためのものである。第2のカウンターは、そのカウント値が第2の閾値に達するまでカウントアップされる(ステップ508)。
第2のカウンターが第2の閾値以上になったとき、MPU19は、センサモジュール17を第2の電力モード(スリープモード)から第1の電力モード(通常モード)へ状態遷移させる(ステップ509)。そして、MPU19は、センサモジュール17を校正する処理である校正モードを実行する(ステップ510)。本実施形態では、上記校正モードにおいては、角速度センサユニット15内の第1及び第2の角速度センサ151、152の基準電位を校正する。算出された基準電位の校正値は、記憶部に記憶される。
入力装置1がスリープモードへ状態遷移してから校正モードを実行するまでの期間を規定する上記第2の閾値は、適宜の値を設定することができ、例えば、数分、数十分、数時間などとすることができる。
以上のように、本実施の形態の入力装置1は、スリープモードから通常モードへ周期的かつ自動的にウェイクアップさせて角速度センサの基準電位を校正する処理を実行する。これにより、非使用期間が長期間継続することで発生する基準電位の大きなずれを効果的に抑制することが可能となる。そして、通常モードへの復帰時に高精度なポインタ移動操作が確保される。
角速度センサの基準電位の校正方法は、適宜の方法を採用することができる。例えば、ステップ509で通常モードに復帰した角速度センサの出力値を基に、当該角速度センサの基準電位を校正することができる。この場合、角速度センサの過去の出力値の平均値(移動平均値、加重平均値)を算出することができる。これらの出力値は、入力装置1の静定状態において出力されたものであるので、ユーザによる操作信号は含まれておらず、従って高精度な校正を実現することが可能となる。
また、校正モードの実行時(ステップ510)は、角速度センサだけでなく、加速度センサの校正処理を実行してもよい。特に、図12に示したように、充電器60にセットされた入力装置1のロール軸(Z’軸)方向が鉛直方向と平行となる場合、第1、第2の加速度センサ161、162はいずれもX’−Y’平面と平行になるため、これら加速度センサの基準電位を高精度に校正することが可能である。
センサモジュール17の校正が終了した後、MPU19は、入力装置を操作モードへ移行させるためのトリガの有無を判定する(ステップ511)。このトリガは、例えば、入力装置1がユーザによって使用されることで取得されるセンサモジュール17(角速度センサユニット15、加速度センサユニット16(検出手段))の出力値が所定の閾値を超えたことで発生させることができる。あるいは、入力装置1の各種操作ボタンが押圧されることで上記トリガが発生するようにしてもよい。あるいは、入力装置1の受電端子51と充電器60の給電端子部61との電気的接続が解除されたことを検知することで上記トリガが発生するようにしてもよい。
上記トリガが検出された場合、MPU19は、センサモジュール17を第1の電力モード(通常モード)に維持して、ポインタ移動操作に必要な移動コマンドを生成する処理を実行する。なお、このトリガ検出処理は、校正モードの実行後のみ実行される例に限られず、第2のカウンターのカウント値が第2の閾値に達する前に実行されてもよい。
一方、上記トリガが検出されない場合、MPU19はセンサモジュール17を再びスリープモード(第2の電力モード)へ遷移させて再び上記第2のカウンターのカウントを再開する。これにより、センサモジュール17の電力消費が低減されるので、入力装置1の省電力化を図ることができる。このとき、第2のカウンターは一旦ゼロにリセットしてもよいし、前回のカウント値からカウントアップを再開させてもよい。また、第2の規定値は前回値と同一でもよいし、前回値と異なる値に設定されてもよい。
上記トリガの有無の判定は、センサモジュール17の校正が完了したときに実行される場合に限られない。すなわち、本実施の形態では、センサモジュール17がスリープモード(第2の電力モード)に遷移している間、所定の検出周期でトリガの有無が判定される。これにより、静定状態から使用状態への状態遷移の信頼性を高めることができる。また、ユーザに与える操作感の低下を回避することができる。
さらに、入力装置1の動作モードが操作モード(通常モード)にあるかスリープモードにあるかをユーザに報知するための表示ランプ(報知手段)をさらに備えていてもよい。これにより、ユーザに入力装置の動作モードを認識させることが可能となるので、例えば校正モードの実行中における入力装置1の不用意な操作を回避できることが期待される。
上記表示ランプは、動作モードの違いによって発光色や点灯パターンを異ならせることができる。また、表示ランプに代えて又は加えて、音声やブザーなどの音響生成器によってユーザに聴覚的に動作モードを認識させることも可能である。
<第2の実施の形態>
図14〜図16は、本発明の他の実施形態に係る入力装置を示している。
図14に示す入力装置101は、筺体110と、センサ部としてのセンサモジュールと、速度算出ユニットとしてのMPUとを備える。上記センサモジュール及びMPUは、筐体110に内蔵されており、上述の第1の実施の形態と同様な構成を有している。したがって、ユーザがZ’軸方向を図示しない表示部の画面に向けて筐体110を上下左右に振る動作をすることで、画面上のポインタの移動制御、画面のスクロール制御あるいはズーム制御等が実行可能となっている。
筐体110は、電源ボタン111、決定ボタン112、音量調整ボタン113、選局ボタンなどの各種操作ボタンが配置された第1の筐体部110Aと、文字等を入力するためのキーボード121が配置された第2の筐体部110Bとを組み合わせて構成されている。筐体110は、図14(A)に示すように第2の筐体部110Bが第1の筐体部110Aによって閉塞された第1の形態と、図14(B)に示すように第2の筐体部110Bが開放された第2の形態とを有する。キーボード121は、第2の筐体部110Bに対して第1の筐体部110AをX’方向へスライドさせることで使用可能とされる。また、入力装置101は、筐体110が上記第1及び第2の何れの姿勢にあるかを検出するためのスイッチを備えている。
本実施の形態の入力装置101においては、典型的には、筐体110が図14(A)に示す第1の形態で、画面上のポインタの移動操作がなされ、筐体110が図14(B)に示す第2の形態で、画面上へ文字等の入力操作がなされる。そして、筐体110に内蔵されるセンサモジュールは、筐体110が第1の形態にあるときは通常の電力モード(第1の電力モード)で動作し、筐体110が第2の形態にあるときはスリープモード(第2の電力モード)で動作する。当該省電力モードは、例えば、上述の第1の実施の形態と同様に、角速度センサユニットへの給電が停止され、加速度センサユニットが省電力状態とされる。そして、上記MPUは、第1の実施の形態と同様に、センサモジュールが所定期間継続して第2の電力モードであるとき、当該センサモジュールを第1の電力モードへ遷移させて角速度センサの校正を実行する。
上述した構成の入力装置101においては、筐体110が第2の形態に変換されることで、センサモジュールの電力モードが通常モードからスリープモードへ状態遷移される。このセンサモジュールの状態遷移の拒否は、筐体110に内蔵されたMPUが、筐体110のスライド操作を検出するスイッチの出力に基づいて判定される。
本実施の形態による入力装置101は、スリープモードから通常モードへ周期的かつ自動的にセンサモジュールをウェイクアップさせて角速度センサの基準電位を校正する処理を実行する。これにより、非使用期間が長期間継続することで発生する基準電位の大きなずれを効果的に抑制することが可能となる。そして、通常モードへの復帰時に高精度なポインタ移動操作が確保される。
また、本実施の形態によれば、筐体110の形態変化に応じてセンサモジュールの動作モードを切り替えることで、入力装置101の省電力化を図ることが可能となる。また、キーボード121の操作中はポインタの移動操作等はされないとみなすことができるので、センサモジュールがスリープモードにあることの弊害は少ない。さらに、キーボード121の操作中において筐体110は静定状態に近いため、このような状態で角速度センサの校正が行われたとしても、校正値の信頼性に大きな影響を与えることはない。
次に、図15に示す入力装置201は、筺体210と、センサ部としてのセンサモジュールと、速度算出ユニットとしてのMPUとを備える。上記センサモジュール及びMPUは、筐体210に内蔵されており、上述の第1の実施の形態と同様な構成を有している。したがって、ユーザがZ’軸方向を図示しない表示部の画面に向けて筐体210を上下左右に振る動作をすることで、画面上のポインタの移動制御、画面のスクロール制御あるいはズーム制御等が実行可能となっている。
筐体210は、一方の面に押圧ボタン211、212、ホイールボタン213などの各種操作ボタンが配置され、他方の面に第1のキーボード221Aが配置された第1の筐体部210Aと、第2のキーボード221が配置された第2の筐体部210Bとを組み合わせて構成されている。筐体210は、図15(A)に示すように第1の筐体部210Aと第2の筐体部210Bとが対向するように折り畳まれた第1の形態と、図15(B)に示すように第1の筐体部210Aと第2の筐体部210Bとが離間するように開放された第2の形態とを有する。キーボード221は、筐体210が開放された第2の形態で使用可能とされる。また、入力装置201は、筐体210が上記第1及び第2の何れの形態にあるかを検出するためのスイッチを備えており、このスイッチは、例えば、第1の筐体部210Aと第2の筐体部210Bとを接続するヒンジ214に設けられている。
本実施の形態の入力装置201においては、典型的には、筐体210が図15(A)に示す第1の形態で、画面上のポインタの移動操作がなされ、筐体210が図15(B)に示す第2の形態で、画面上へ文字等の入力操作がなされる。そして、筐体210に内蔵されるセンサモジュールは、筐体210が第1の形態にあるときは通常の電力モード(第1の電力モード)で動作し、筐体210が第2の形態にあるときはスリープモード(第2の電力モード)で動作する。当該省電力モードは、例えば、上述の第1の実施の形態と同様に、角速度センサユニットへの給電が停止され、加速度センサユニットが省電力状態とされる。そして、上記MPUは、第1の実施の形態と同様に、センサモジュールが所定期間継続して第2の電力モードであるとき、当該センサモジュールを第1の電力モードへ遷移させて角速度センサの校正を実行する。
上述した構成の入力装置201においては、筐体210が第2の形態に変換されることで、センサモジュールの電力モードが通常モードからスリープモードへ状態遷移される。このセンサモジュールの状態遷移の拒否は、筐体210に内蔵されたMPUが、筐体210の開閉操作を検出するスイッチの出力に基づいて判定される。
本実施の形態による入力装置201は、スリープモードから通常モードへ周期的かつ自動的にセンサモジュールをウェイクアップさせて角速度センサの基準電位を校正する処理を実行する。これにより、非使用期間が長期間継続することで発生する基準電位の大きなずれを効果的に抑制することが可能となる。そして、通常モードへの復帰時に高精度なポインタ移動操作が確保される。
また、本実施の形態によれば、筐体210の形態変化に応じてセンサモジュールの動作モードを切り替えることで、入力装置201の省電力化を図ることが可能となる。また、キーボード221A、221Bの操作中はポインタの移動操作等はされないとみなすことができるので、センサモジュールがスリープモードにあることの弊害は少ない。さらに、キーボード221A、221Bの操作中において筐体210は静定状態に近いため、このような状態で角速度センサの校正が行われたとしても、校正値の信頼性に大きな影響を与えることはない。
続いて、図16示す入力装置301は、筺体310と、センサ部としてのセンサモジュールと、速度算出ユニットとしてのMPUとを備える。上記センサモジュール及びMPUは、筐体310に内蔵されており、上述の第1の実施の形態と同様な構成を有している。したがって、ユーザがZ’軸方向を図示しない表示部の画面に向けて筐体310を上下左右に振る動作をすることで、画面上のポインタの移動操作等が実行可能となっている。
筐体310は、電源ボタン311、決定ボタン312、音量調整ボタン313、選局ボタンなどの各種操作ボタンと、表示部315とを備えている。筐体310は、図16(A)に示すようにZ’軸方向が上記画面に向かう第1の姿勢(第1の形態)と、図16(B)に示すようにX’軸方向が上記画面に向かう第2の姿勢(第2の形態)とを有する。入力装置301は、筐体310の上記第1及び第2の姿勢を検出するセンサを有し、筐体310が第2の姿勢になったときに表示部315へキーボード321を表示させる。表示部315は、例えばタッチパネルで構成されており、表示部315を触れることで所定の文字入力等が可能とされる。筐体310の姿勢変化を検出するセンサとしては、センサモジュール17内の加速度センサを用いることができ、筐体310に作用する重力方向を判定することで筐体310の姿勢変化を検出することができる。
入力装置301は、例えば、表示部を備えるハンドヘルド型の電子機器あるいは情報処理装置(ハンドヘルド装置)として構成することができる。すなわち、ハンドヘルド装置は、第1の実施の形態における入力装置1と制御装置40とが一体となったような装置と考えることができる。この場合、ユーザがハンドヘルド装置の本体を動かすことで、その表示部に表示された画面上のポインタが移動制御されたり、画面がスクロール制御されたり、ズーム制御されたりする。ハンドヘルド装置として、例えば、PDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話機、携帯音楽プレイヤー、デジタルカメラ等が挙げられる。
すなわち、本実施の形態の入力装置301においては、典型的には、筐体310が図16(A)に示す第1の姿勢で、画面上のポインタの移動操作等がなされ、筐体310が図16(B)に示す第2の姿勢で、画面上へ文字等の入力操作がなされる。そして、筐体310に内蔵されるセンサモジュールは、筐体310が第1の姿勢にあるときは通常の電力モード(第1の電力モード)で動作し、筐体310が第2の姿勢にあるときはスリープモード(第2の電力モード)で動作する。当該省電力モードは、例えば、上述の第1の実施の形態と同様に、角速度センサユニットへの給電が停止され、加速度センサユニットが省電力状態とされる。そして、上記MPUは、第1の実施の形態と同様に、センサモジュールが所定期間継続して第2の電力モードであるとき、当該センサモジュールを第1の電力モードへ遷移させて角速度センサの校正を実行する。
上述した構成の入力装置301においては、筐体310が第2の姿勢に変換されることで、センサモジュールの電力モードが通常モードからスリープモードへ状態遷移される。このセンサモジュールの状態遷移の拒否は、筐体310に内蔵されたMPUが、筐体310の姿勢変化を検出するセンサの出力に基づいて判定される。
本実施の形態による入力装置301は、スリープモードから通常モードへ周期的かつ自動的にセンサモジュールをウェイクアップさせて角速度センサの基準電位を校正する処理を実行する。これにより、非使用期間が長期間継続することで発生する基準電位の大きなずれを効果的に抑制することが可能となる。そして、通常モードへの復帰時に高精度なポインタ移動操作が確保される。
また、本実施の形態によれば、筐体310の姿勢変化に応じてセンサモジュールの動作モードを切り替えることで、入力装置301の省電力化を図ることが可能となる。また、キーボード321の操作中はポインタの移動操作等はされないとみなすことができるので、センサモジュールがスリープモードにあることの弊害は少ない。さらに、キーボード321の操作中において筐体310は静定状態に近いため、このような状態で角速度センサの校正が行われたとしても、校正値の信頼性に大きな影響を与えることはない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、入力装置の動きに応じて画面上で動くポインタ2を、矢印の画像として表した。しかし、ポインタ2の画像は矢印に限られず、単純な円形、角形等でもよいし、キャラクタ画像、またはその他の画像であってもよい。
以上の実施の形態では、画面制御用の制御コマンドとして、画面上でポインタを移動させるための移動コマンドを生成する入力装置を例に挙げて説明した。しかし、これに限られず、表示された画面のズーム制御またはスクロール制御をするための制御コマンドを生成する入力装置にも、本発明は適用可能である。
上記実施形態で説明した入力装置は、無線で入力情報を制御装置に送信する形態を示したが、有線により入力情報が送信されてもよい。
センサユニット17の、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16の検出軸は、上述のX’軸及びY’軸のように必ずしも互いに直交していなくてもよい。その場合、三角関数を用いた計算によって、互いに直交する軸方向に投影されたそれぞれの加速度が得られる。また同様に、三角関数を用いた計算によって、互いに直交する軸の周りのそれぞれの角速度を得ることができる。
以上の実施の形態で説明したセンサユニット17について、角速度センサユニット15のX’及びY’の検出軸と、加速度センサユニット16のX’及びY’軸の検出軸がそれぞれ一致している形態を説明した。しかし、それら各軸は、必ずしも一致していなくてもよい。例えば、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16が基板上に搭載される場合、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16の検出軸のそれぞれが一致しないように、角速度センサユニット15及び加速度センサユニット16がその基板の主面内で所定の回転角度だけずれて搭載されていてもよい。その場合、三角関数を用いた計算によって、各軸の加速度及び角速度を得ることができる。
上記角速度センサユニット15の代わりとして、角度センサあるいは角加速度センサが用いられてもよい。角度センサとしては、地磁気センサまたはイメージセンサ等が挙げられる。例えば3軸地磁気センサが用いられる場合、角度値の変化量が検出されるので、その場合、角度値が微分演算されることで角速度値が得られる。角加速度センサは、複数の加速度センサの組み合わせにより構成され、角加速度センサにより得られる角加速度値が積分演算されることで、角速度値が得られる。
本発明の一実施の形態に係る制御システムの概略構成図である。 本発明の一実施の形態に係る入力装置を示す斜視図である。 上記入力装置の内部の構成を模式的に示す図である。 上記入力装置の電気的な構成を示すブロック図である。 上記制御システムにおける表示装置に表示される画面の例を示す図である。 上記入力装置に内蔵されるセンサモジュール(センサユニット)を示す斜視図である。 上記入力装置の動かし方及びこれによる画面上のポインタの動きの典型的な例を説明するための図である。 上記制御システムの動作を示すフローチャートである。 上記制御システムにおける制御装置が主要な演算を行う場合の制御システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における角速度の算出方法の一例とセンサの校正の必要性を説明するための図である。 上記入力装置とその充電器との関係を示す概略斜視図である。 上記入力装置とその充電器との関係を示す概略側面図である。 本発明の一実施の形態に係る入力装置の動作例を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施の形態に係る入力装置の第1及び第2の姿勢を示す平面図である。 本発明の他の実施の形態に係る入力装置の第1及び第2の姿勢を示す平面図である。 本発明の他の実施の形態に係る入力装置の第1及び第2の姿勢を示す平面図である。
符号の説明
1、101、201、301…入力装置
2…ポインタ
3…画面
4…アイコン
5…表示装置
10、110、210、310…筺体
15…角速度センサユニット
16…加速度センサユニット
17…センサモジュール
18…メイン基板
19…MPU(処理手段、判定手段、モード遷移手段、校正手段)
20…水晶発振器
21…送受信機(送信手段)
25…回路基板
30…制御ユニット
35…MPU(表示制御手段)
38…送受信機(受信手段)
40…制御装置
100…制御システム

Claims (14)

  1. 筐体と、
    第1の電力を消費する第1の電力モードと、前記第1の電力よりも少ない第2の電力を消費する第2の電力モードとを有し、前記筐体の動きの量を基準電位に対する電位の変動として検出するセンサ部と、
    前記センサ部が前記第1の電力モードにあるときに、前記センサ部の出力に基づいて画面を制御するための制御コマンドを生成する処理である操作モードを実行する処理手段と、
    前記センサ部を前記第1の電力モードから前記第2の電力モードへ遷移させるモード遷移手段と、
    前記センサ部が第1の所定期間継続して前記第2の電力モードにあるときに、前記センサ部を前記第1の電力モードへ遷移させて、前記基準電位を校正する処理である校正モードを実行する校正手段と
    を具備する入力装置。
  2. 請求項1に記載の入力装置であって、
    前記センサ部は、前記筐体の空間内での動きの量を検出する
    入力装置。
  3. 請求項1に記載の入力装置であって、
    前記センサ部は、角速度センサを含む
    入力装置。
  4. 請求項1に記載の入力装置であって、
    前記モード遷移手段は、前記校正手段による前記校正モードの実行が完了した後、前記センサ部を前記第1の電力モードから前記第2の電力モードへ遷移させる
    入力装置。
  5. 請求項1に記載の入力装置であって、
    前記モード遷移手段は、前記センサ部が前記第1の電力モードであり、かつ、前記センサ部の出力の大きさが所定値以下である状態が第2の所定期間継続したとき、前記センサ部を前記第1の電力モードから前記第2の電力モードへ遷移させる
    入力装置。
  6. 請求項1に記載の入力装置であって、
    前記センサ部が前記第2の電力モードにあるときに、ユーザによる操作を検出する検出手段をさらに具備し、
    前記モード遷移手段は、前記検出手段によって前記ユーザによる操作が検出されたとき、前記センサ部を前記第2の電力モードから前記第1の電力モードへ遷移させる
    入力装置。
  7. 請求項6に記載の入力装置であって、
    前記検出手段は、加速度センサを含む
    入力装置。
  8. 請求項1に記載の入力装置であって、
    前記筐体は、給電端子が接続されることで充電されることが可能な受電端子を有し、
    前記モード遷移手段は、前記受電端子に前記給電端子が接続されたとき、前記第1の電力モードから前記第2の電力モードへの前記センサ部の遷移を許可する
    入力装置。
  9. 請求項1に記載の入力装置であって、
    前記筐体は、前記処理手段による前記操作モードが実行可能な第1の形態と、前記操作モードが実行されない、前記第1の形態とは異なる第2の形態とを有し、
    前記モード遷移手段は、前記筐体が前記第1の形態から前記第2の形態へ切り替えられたとき、前記センサ部を前記第1の電力モードから前記第2の電力モードへ遷移させる
    入力装置。
  10. 請求項1に記載の入力装置であって、
    前記校正モードの実行中か前記操作モードの実行中かを報知する報知手段をさらに具備する
    入力装置。
  11. 請求項1に記載の入力装置であって、
    前記画面を制御することは、前記画面上でポインタを移動させることであり、
    前記制御コマンドは、前記画面上での前記ポインタの変位量に対応する移動コマンドである
    入力装置。
  12. 筐体と、
    第1の電力を消費する第1の電力モードと、前記第1の電力よりも少ない第2の電力を消費する第2の電力モードとを有し、前記筐体の動きの量を基準電位に対する電位の変動として検出するセンサ部と、
    前記センサ部が前記第1の電力モードにあるときに、前記センサ部の出力に基づいて画面を制御するための制御コマンドを生成する処理である操作モードを実行する処理手段と、
    前記処理手段により生成された制御コマンドを送信する送信手段と、
    前記センサ部を前記第1の電力モードから前記第2の電力モードへ遷移させるモード遷移手段と、
    前記センサ部が所定期間継続して前記第2の電力モードにあるときに、前記センサ部を前記第1の電力モードへ遷移させて、前記基準電位を校正する処理である校正モードを実行する校正手段とを有する入力装置と、
    前記送信手段で送信された制御コマンドを受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信された制御コマンドに応じて前記画面の表示を制御する表示制御手段とを有する制御装置と
    を具備する制御システム。
  13. 筐体と、
    表示部と、
    第1の電力を消費する第1の電力モードと、前記第1の電力よりも少ない第2の電力を消費する第2の電力モードとを有し、前記筐体の動きの量を基準電位に対する電位の変動として検出するセンサ部と、
    前記センサ部が前記第1の電力モードにあるときに、前記センサ部の出力に基づいて前記表示部に表示される画面を制御するための制御コマンドを生成する処理である操作モードを実行する処理手段と、
    前記センサ部を前記第1の電力モードから前記第2の電力モードへ遷移させるモード遷移手段と、
    前記センサ部が所定期間継続して前記第2の電力モードにあるときに、前記センサ部を前記第1の電力モードへ遷移させて、前記基準電位を校正する処理である校正モードを実行する校正手段と
    を具備するハンドヘルド装置。
  14. センサ部によって、筐体の動きの量を基準電位に対する電位の変動として検出し、
    前記センサ部が、第1の電力を消費する第1の電力モードにあるときに、前記センサ部の出力に基づいて画面を制御するための制御コマンドを生成する処理である操作モードを実行し、
    前記センサ部が、第1の所定期間継続して、前記第1の電力よりも少ない第2の電力を消費する第2の電力モードにあるときに、前記センサ部を前記第1の電力モードへ遷移させて、前記基準電位を校正する処理である校正モードを実行する
    校正方法。
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