JP2010150710A - ポリケトン繊維コード - Google Patents

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健治 浜松
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Abstract

【課題】耐熱強力保持性に優れ、特に耐熱耐久接着性及び耐熱ゴム用接着性に優れたにポリケトン繊維コードを提供すること。
【解決手段】本発明に係るポリケトン繊維コードは、繰り返し単位の95モル%以上が、下記式(1):
Figure 2010150710

で表される1−オキソトリメチレンで構成されるポリケトン繊維から構成されるポリケトン繊維コードであって、該ポリケトン繊維中にパラジウム元素が0〜50ppm、リン元素が10〜3000ppm、亜鉛元素が0〜50ppm含まれ、かつ、該ポリケトン繊維の表面に、置換フェノールとレゾルシンとホルマリンの縮合物を含有する接着剤が付着していることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明はポリケトン繊維コードに、より詳しくは耐熱強力保持性に優れ、特に耐熱耐久接着性及び耐熱ゴム用接着性に優れたにポリケトン繊維コードに関する。
ポリケトン繊維コードは、タイヤやVベルト、Vリブドベルト、タイミングベルト等のベルト類、自動車用各種ホースの補強材として使用しうる、高強度・高タフネスで且つ寸法安定性に優れる繊維材料として注目されている。例えば、以下の特許文献1には、ポリケトン繊維コードは優れた機械特性、油脂やゴムとの良好な接着性を有することが開示されている。しかしながら、近年の自動車用資材においては、エネルギー効率を高める為、エンジンルーム内の高温化が進んでおり、ベルト類やホース類に使用するゴムには耐熱性の優れたエチレンプロピレン系(EPDM)やクロロプレン系(CR)、クロルスルホン化ポリエチレン(CSM)、水素添加アクリルニトリル(HNBR)等のゴムが使用されており、高温雰囲気中で長時間運転してもゴムとの接着力が衰えない繊維コードが要求されている。しかしながら、これらの耐熱性に優れたゴムはいずれも反応性に乏しいため、ポリケトン繊維コードとゴムとの間の接着力は十分でない。
また、タイヤにおいては、例えばランフラットタイヤの場合、タイヤがパンクしてもそのまま長時間運転されるとき、タイヤ内部温度が150℃以上になることも想定されているため、やはり高温で長時間運転した場合での接着力が衰えない繊維コードが要求されている。しかしながら、これまでのレゾルシン、ホルマリンの縮合物とゴムラテックス組み合わせによる接着剤処理では、高温経時後の接着力が十分でない。
特開2002−339275号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐熱強力保持性に優れ、特に耐熱耐久接着性及び耐熱ゴム用接着性に優れたにポリケトン繊維コードを提供することである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は下記の通りである。
[1]繰り返し単位の95モル%以上が、下記式(1):
Figure 2010150710
で表される1−オキソトリメチレンで構成されるポリケトン繊維を用いてなるポリケトン繊維コードであって、該ポリケトン繊維中にパラジウム元素が0〜50ppm、リン元素が10〜3000ppm、亜鉛元素が0〜50ppm含まれ、かつ、該ポリケトン繊維の表面に、置換フェノールとレゾルシンとホルマリンの縮合物を含有する接着剤が付着していることを特徴とするポリケトン繊維コード。
[2]前記置換フェノールの置換基の内少なくとも1個がハロゲン元素である、前記[1]に記載のポリケトン繊維コード。
本発明は、前記解決手段により、耐熱強力保持性に優れ、特に耐熱耐久接着性及び耐熱ゴム用接着性に優れたにポリケトン繊維コードを提供しうる。
本発明について以下に具体的に説明する。
本発明に係るポリケトン繊維コードを構成するポリケトン繊維は、繰り返し単位の95モル%以上好ましくは98モル%以上特に99.6モル%以上が、上記式(1)で表される1−オキソトリメチレンで構成される。換言すれば、本発明に係るポリケトン繊維は、上記式(1)以外の繰り返し単位、例えば、下記式(化2):
Figure 2010150710
{式中、Rは、エチレン以外の炭素数1〜30の有機基であり、例えば、プロピレン、ブチレン、1−フェニルエチレン等であり、Rの水素原子の一部又は全部が、ハロゲン基、エステル基、アミド基、水酸基又はエーテル基で置換されていてもよく、Rは2種以上であってもよく、例えば、プロピレンと1−フェニルエチレンが混在していてもよい。}で表される繰り返し単位を含んでもよい。
ポリケトンの固有粘度[η]は、1dl/g以上、好ましくは2dl/g以上、より好ましくは4dl/g以上であり、そして、20dl/g以下、好ましくは15dl/g以下、より好ましくは10dl/g以下である。
固有粘度[η]は以下の定義式:
Figure 2010150710
{式中、t及びTは、それぞれ、ヘキサフルオロイソプロパノール(セントラル硝子(株)社製)の25℃での粘度管の流過時間及び該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり、そしてCは、ヘキサフルオロイソプロパノール100ml中のポリケトンの質量(g)で示す希釈溶液濃度である。}を用いて求められる値である。
本発明に係るポリケトン繊維コードを構成するポリケトン繊維には、パラジウム元素が0〜50ppm、リン元素が10〜3000ppm、亜鉛元素が0〜50ppm含まれ、その他必要に応じて、酸化防止剤、ラジカル抑制剤、他のポリマー、艶消し剤、紫外線吸収剤、難燃剤、金属石鹸等の添加剤が含まれうる。
ポリケトン繊維の引張強度は10cN/dtex以上、好ましくは15cN/dtex以上、そして30cN/dtex以下であり、引張伸度は3%以上、好ましくは3.5%以上、より好ましくは4%以上、そして15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、特に好ましくは6%以下であり、そして引張弾性率は100cN/dtex以上、好ましくは200cN/dtex以上、より好ましくは300cN/dtex以上、そして1000cN/dtex以下である。
ポリケトン繊維の形態は、長さ方向に均一なものや太細のあるものでよく、繊維の断面形状としては、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブ−メラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型や不定形が挙げられる。
本発明に係るポリケトン繊維コードは、それを構成するポリケトン繊維中にパラジウム元素が0〜20ppm、リン元素が10〜3000ppm、亜鉛元素が0〜50ppm含まれ、かつ、ポリケトン繊維が、置換フェノールとレゾルシンとホルマリンの縮合物を含む接着剤により表面処理されている(以下、PRFL処理ともいう。)ことを特徴とする。RFL処理されたポリケトン繊維のコードを用いることにより耐熱耐久接着性及び耐熱ゴム用接着性が、未処理のものに比較して大きく向上する。
また、ポリケトン繊維中のパラジウム元素は、ポリケトンの重合触媒として使用されたものであり、繊維の状態でパラジウム元素が残存量は50ppm以下であることが必要であり、好ましくは20ppm以下であり、さらに好ましくは10ppm以下である。50ppmを越える場合、接着処理加工時の高温処理によって強度低下をきたす。
ポリケトン繊維中の亜鉛元素は、50ppm以下であることが必要であり、より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下である。50ppmを超える場合、接着処理加工時の高温処理によって強度低下をきたす。
ポリケトン繊維中のリン元素の濃度は、10〜3000ppmであることが必要であり、より好ましくは、100〜1000ppmであり、さらに好ましくは200〜800ppmである。10ppm以下である場合、接着処理加工時の高温処理によって強力低下をきたす。
本発明に係るポリケトン繊維は、単糸繊度0.5〜3dtex、総繊度500〜10000/dtex、好ましくは700〜5000dtexであることが、撚糸加工性、タイヤなどのゴム製品の剛性の点で好ましい。
本発明に係るポリケトン繊維の製造法については特に制約はないが、高強度・高弾性率で耐熱性に優れ、かつ撚糸、RFL処理段階における工程通過性のよさ、耐摩耗性に優れること、0.5〜3dtexの単糸繊度の繊維を多本数一度に紡糸できるという点でハロゲン化亜鉛を含む溶剤を用いた湿式紡糸法が好ましい。
以下、ハロゲン化亜鉛水溶液を溶剤とした湿式紡糸法を例にして、ポリケトン繊維の製造法について説明する。溶剤に用いるハロゲン化亜鉛化合物としては、溶解性、溶媒のコスト、水溶液の安定性の点で塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛が好ましい。また、必要に応じて、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、臭化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物を60重量%以下で含んでいてもよい。このポリケトンドープを紡糸口金より吐出し、必要に応じてはエアーギャップ部を経て凝固浴を通して糸状物とする。凝固浴の組成は、メタノール、アセトン等の有機溶剤、水、有機物水溶液、無機物水溶液等いずれでもよいが、水を含んだ溶液が好ましい。このようにして得た糸状物を必要に応じて、金属塩を洗浄し、乾燥、延伸を行う。延伸は、通常融点以下の温度で行われ延伸倍率はトータルで10倍以上、特に15倍以上の熱延伸を行うことが好ましく、延伸温度を徐々に高くしていく多段延伸法が好適に用いられる。また、重合、紡糸の任意段階でRFL処理段階での耐熱性向上、ロールや撚糸リングへの摩擦低下、RFL剤の酸化劣化抑制の点で、リン酸、リン酸エステル、ホスホン酸、ホスホン酸エステルを付着させることが好ましく、その結果、ポリケトン繊維中のリン元素の濃度を10〜3000ppmにする必要がある。
本明細書中、「置換フェノールとレゾルシンとホルマリンの縮合物による表面処理(RFL処理)」とは、レゾルシンとホルマリンとラテックスを含む混合液(RFL)に、置換フェノールとレゾルシンとホルマリンの縮合物を含む溶液(HRF)を混合して得られた接着剤(RFL樹脂)で処理することをいい、置換フェノールとレゾルシンとホルマリンの縮合物を含む接着剤(RFL樹脂)のポリケトン繊維コードへの付着量は、該繊維コードに対して1〜20質量%、好ましくは3〜15質量%である。
好ましいホルマリン(F)対レゾルシン(R)のモル比(F/R)は0.5〜2.2、より好ましくは0.9〜1.5であり、全ラテックスの固形分質量(L)に対するレゾルシン及びホルマリン総質量(RF)の割合(RF/L)は3〜25質量%、より好ましくは3〜15質量%であり、そして水酸化ナトリウム対レゾルシン(R)のモル比(NaOH/R)は、0.3以下であることが好ましい。
本発明において、ポリケトンの好溶剤である置換フェノールを用いることが重要である。本発明における置換フェノールとは、フェノールのベンゼン環にある1〜5個の水素の一部又は全部が、水素以外の有機基等で置換されているものをいい、有機基等は二種以上であってもよい。ここで、有機基等とは、炭素数1〜30のアルキル基、ハロゲン基、エステル基、アミド基、エーテル基などをいう。例えば、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロムフェノール、p−ブロムフェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、3,4−ジクロロフェノール、p−タート・ブチルフェノール、2,5−ジメチルフェノールのように置換基に塩素、臭素が含まれることが、より好ましい。
ラテックスの種類は、ポリケトン繊維コードと複合するゴム組成物に対応したラテックスが好ましく、例えば、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共重合体、クロロプレンゴム(CR)、クロルスルホン化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロルスルホン化ポリエチレン(ACSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(HNBR)、エピクロルヒドリン、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム、オレフィン−ビニルエステル共重合体、エチレン―プロピレン―ジエン系ゴム(EPDM)等のラテックスが挙げられる。
レゾルシンとホルマリンとラテックスを含む混合液(RFL)対置換フェノールとレゾルシンとホルマリンの縮合物溶液(PRF)の混合質量割合(RFL/PRF)は、1/0.1〜1/0.9の範囲が好ましく、1/0.2〜1/0.5の範囲がより好ましい。
置換フェノールとレゾルシンとホルマリンの縮合物を含む接着剤(PRFL樹脂)によるRFL処理の方法としては、ポリケトン繊維の長繊維を必要に応じて撚糸した状態でディップ、熱処理して得られる。撚数は、使用される用途に応じて適宜選定すればよい。
尚、本発明でおいては、ゴム組成物に複合する繊維は、ポリケトン繊維100%が好ましいが、希望に応じて70%以下(複合する繊維全量に対しての割合)、より好ましくは50%以下、特に30%以下の範囲内でポリケトン繊維以外の繊維を用いてもよく、ポリエステル繊維やポリアミド繊維、アクリル繊維、ガラス繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ポリイミド繊維、アラミド繊維(パラ系、メタ系)、ポリビニルアルコール繊維、ポリ(p−フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、超高分子量ポリオレフィン繊維等公知の繊維を混用してもよい。
ゴム組成物としては、例えば、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、アルキル化クロルスルホン化ポリエチレンゴム(ACSM)、アクリルゴム、ウレタンゴム、水素添加アクリロニトリルゴム(HNBR)、エチレン―α―オレフィンエラストマーを主体とする組成物、例えば、エチレン―プロピレン―ジエン系ゴム(EPDM)、エチレン―プロピレンコポリマー(EPM)、エチレン―ブテンコポリマー(EBM)、エチレン―オクテンコポリマー(EOM)、これらのハロゲン置換物(特に塩素置換物)、これらの2種以上の混合物等が挙げられる。エチレン―α―オレフィンエラストマーを主体とする組成物は、水素添加アクリロニトリルゴム(HNBR)を含んでもよく、必要に応じて、カーボンブラック、シリカ等の増強剤、炭酸カルシウム、タルク等の充填剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着色剤等を含有してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
測定方法及び評価方法は以下の通りである。
1.引張り強力測定方法
JISL1017に準じて測定した。
2.接着力測定方法
(1)初期接着力
下記各種ゴム配合方法にて、ゴム混練機を用いて混練し、6.0mm厚の未加硫ゴムシートを得た。得られた未加硫ゴムシートを1cm幅×30cm長にカットしたものを、溝付加硫板に埋め込み、評価用ポリケトン繊維コードを配した後、さらに6.0mm厚の未加硫ゴムシート重ねて、150℃、34MPaで30分間プレス加硫後、室温まで冷却し、さらに測定に不必要な部分を取り除いて、にて接着測定長1cmのT−pull測定サンプルを得た。得られたサンプルを、JIS−L1017(2002)Tテスト(A法)に示す方法で接着力を測定した。測定速度は300mm/分。
(2)耐熱接着力
加硫時間を3.5時間とした以外は、初期接着力サンプルの測定方法と同一の方法で接着力を測定した。
3.接着剤(RFL樹脂)の付着量測定方法
1670dtex/1250fのポリケトン繊維(旭化成せんい(株)社製:サイバロン(登録商標)引張り強度18cN/dtex、引張り伸度6%、引張り弾性率360cN/dtex)を撚糸して、1670dtex/2(下撚Z39T/10cm、上撚S39T/10cm)とし、これを撚糸生コードとする。
この撚糸生コードを、コンピュートリーター処理機(リッツラー社製)を用いて、水dipした後、絞液後、乾燥(160℃で126秒)、熱セット(230℃で84秒)をした熱処理コードを(A)とする。
水dipに代えて、各実施例、比較例に用いられる接着液処方を用いた以外は、上記と同様に熱処理し、得られた熱処理コードを(B)とする。
下記式:
RFL樹脂付着量(%)={(B)−(A)}/(A)×100
を用いてRFL樹脂付着量を求めた。
4.ゴムの配合方法
<配合1>
NR 80重量部
SBR 20質量部
酸化亜鉛 5質量部
硫黄 1質量部
カーボンブラック 20質量部
軟化剤 5質量部
老化防止剤 4質量部
加硫促進剤 2質量部
<配合2>
EPDM 100質量部
酸化亜鉛 5質量部
カーボンブラック 80質量部
プロセスオイル
(パラフィン系) 50質量部
ステアリン酸 5質量部
加硫剤 4質量部
加硫促進剤 3質量部
<配合3>
CR 100質量部
酸化亜鉛 5質量部
カーボンブラック 80質量部
軟化剤 5質量部
加硫剤 4質量部
加硫促進剤 3質量部
<配合4>
HNBR 100質量部
酸化亜鉛 5質量部
カーボンブラック 80質量部
軟化剤 5質量部
加硫剤 4質量部
加硫促進剤 3質量部
5.接着液処方
<A1処方>
レゾルシン(有効成分100wt%) 21部
苛性ソーダ(有効成分10wt%) 11部
ホルマリン(有効成分37wt%) 18部
水 411部
上記混合液を25℃の雰囲気中で2時間攪拌した。
この溶液に、ラテックスとして、スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体(40wt%)312部を加え、25℃の雰囲気中で24時間攪拌する。さらに、置換フェノール(クロロフェノール)とレゾルシンとホルマリンの縮合物溶液(PRF20wt%)230部を加えて接着液とした。
<A2処方>
A1処方に水を加えて濃度を17%に調整した。
<A3処方>
A1処方に水を加えて濃度を10%に調整した。
<A4処方>
置換フェノール(クロロフェノール)とレゾルシンとホルマリンの縮合物溶液(20wt%)の添加量を383部とした以外はA1処方と同じ配合で調合した。
<A5処方>
置換フェノール(クロロフェノール)とレゾルシンとホルマリンの縮合物溶液(20wt%)の添加量を192部とした以外はA1処方と同じ配合で調合した。
<A6処方>
置換フェノール(クロロフェノール)とレゾルシンとホルマリンの縮合物溶液(20wt%)の添加量をゼロとした以外はA1処方と同じ配合で調合した。
<B処方>
レゾルシン(有効成分100wt%) 15部
苛性ソーダ(有効成分10wt%) 4部
ホルマリン(有効成分37wt%) 23部
水 296部
上記混合液を25℃の雰囲気中で5時間攪拌した。
この溶液にラテックスとして、
スチレン・ブタジエン・ビニルピリジン三元共重合体(40wt%) 350部
アンモニア水(有効成分25%) 17部
水 295部
を加え、25℃の雰囲気中で24時間攪拌した。
6.繊維中の元素測定方法
ガスクロマトグラフ質量分析計(熱分解GC−MS)、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、赤外吸収スペクトル(IR)で繊維中のパラジウム元素、リン元素、亜鉛元素の濃度を測定した。
[実施例1]
エチレンと一酸化炭素を、パラジウム触媒を用いて重合した、[η]が5.5dl/gのポリ(1−オキソトリメチレン)を7.5質量%となるように、塩化亜鉛/塩化カルシウム(22/40質量%)の水溶液に溶解し水中に吐出させ十分水洗した後、250℃で乾燥させ、さらに18倍延伸を行い、1670dtex/1250fのポリケトン繊維を得た。尚、延伸前に水分散させたトリオクチルリン酸エステルを付与した。得られた繊維の物性は、引張り強力294N、引張り伸度6%、引張り弾性率360cN/dtex、パラジウム元素5ppm、亜鉛元素10ppm、リン元素450ppmであった。このポリケトン繊維を撚糸して、1670dtex/2(下撚Z39T/10cm、上撚S39T/10cm)とし、これを撚糸生コードとした。この時の撚糸生コード強力は350Nであった。
この撚糸生コードを、コンピュートリーター処理機(リッツラー社製)を用いて、A1処方接着液でdipした後、絞液後、乾燥(160℃で126秒)、熱セット(230℃で84秒)をした熱処理コードとした。このときのRFL樹脂の付着量は12.2%であった。また、強力は351Nであり、強力劣化は見られなかった。
この熱処理コードをゴム配合割合1のゴムを使用して接着力を測定した結果、初期接着力、熱経時接着力とも優れたものであった。
結果を以下の表1に示す。
Figure 2010150710
[実施例2]
接着液をA2処方に変えた以外は実施例1と同様の加工をした。このときのPRFL樹脂の付着量は11.2%であった。また、強力は352Nであり、強力劣化は見られなかった。
この熱処理コードをゴム配合割合1のゴムを使用して接着力を測定した結果、実施例1と同様、初期接着力、熱経時接着力とも優れたものであった。表1に接着力を示す。
[実施例3]
接着液をA3処方に変えた以外は実施例1と同様の加工をした。このときのPRFL樹脂の付着量は6.2%であった。また、強力は351Nであり、強力劣化は見られなかった。
この熱処理コードをゴム配合割合1のゴムを使用して接着力を測定した結果、実施例1、2より、初期接着力、熱経時接着力は低くなったものの満足できる値であった。表1に、接着力を示す。
[実施例4]
接着液をA4処方に変えた以外は実施例1と同様の加工をした。このときのPRFL樹脂の付着量は11.0%であった。また、強力は349Nであり、強力劣化は見られなかった。この熱処理コードをゴム配合割合1のゴムを使用して接着力を測定した結果、実施例1と同様、初期接着力、熱経時接着力とも優れたものであった。表1に接着力を示す。
[実施例5]
接着液をA5処方に変えた以外は実施例1と同様の加工をした。このときのPRFL樹脂の付着量は10.5%であった。また、強力は350Nであり、強力劣化は見られなかった。この熱処理コードをゴム配合割合1のゴムを使用して接着力を測定した結果、実施例1と同様、初期接着力、熱経時接着力とも優れたものであった。表1に接着力を示す。
[比較例1]
接着液を一般的にナイロン系コードの接着剤として使用されるB処方に変えた以外は実施例1と同様の加工をした。このときのRFL樹脂の付着量は9.7%であった。また、強力は348Nであり、強力劣化は見られなかった。この熱処理コードをゴム配合割合1のゴムを使用して接着力を測定した結果、初期接着力、熱経時接着力とも十分な接着力は得られなかった。表1に接着力を示す。
[比較例2]
接着液をA6処方に変えた以外は実施例1と同様の加工をした。このときのRFL樹脂の付着量は10.1%であった。また、強力は354Nであり、強力劣化は見られなかった。この熱処理コードをゴム配合割合1のゴムを使用して接着力を測定した結果、初期接着力、熱経時接着力とも大幅に低い接着力は得であった。表1に接着力を示す。
[比較例3]
1670dtex/1250fのポリケトン繊維中のパラジウム元素含量を32ppmと大幅に増量した原糸を使用した以外は実施例2と同様の方法で撚糸、熱処理加工を実施した。この時のポリケトン繊維原糸中の亜鉛元素含量13ppm、リン元素含量430ppmであった。この時の撚糸生コード強力は339Nであったが、熱処理コードの強力(接着加工後強力)は280Nと実施例2のサンプルと比較して、大幅に低かった。
[比較例4]
1670dtex/1250fのポリケトン繊維中の亜鉛元素含量を60ppmと大幅に増量した原糸を使用した以外は実施例2と同様の方法で撚糸、熱処理加工を実施した。この時のポリケトン繊維原糸中のパラジウム元素含量4pmm、リン元素含量410ppmであった。この時の撚糸生コード強力は324Nであったが、熱処理コードの強力は253Nと実施例2のサンプルと比較して、大幅に低かった。
[比較例5]
1670dtex/1250fのポリケトン繊維中のリン元素含量を0ppmとした原糸を使用した以外は実施例2と同様の方法で撚糸、熱処理加工を実施した。この時のポリケトン繊維原糸中のパラジウム元素含量6ppm、亜鉛元素含量8ppmであった。この時の撚糸生コード強力は337Nであったが、熱処理コードの強力は298Nと実施例2のサンプルと比較して、大幅に低かった。
[実施例6]
接着力評価用ゴムをゴム配合割合2とした以外は、実施例2と同様の接着力評価を行った。その結果、ゴム配合割合1よりは低めの接着力ではあったが、当該ゴムでの接着力としては十分な接着力であった。以下の表2に接着力を示す。
Figure 2010150710
[実施例7]
接着力評価用ゴムをゴム配合割合3とした以外は、実施例2と同様の接着力評価を行った。その結果、ゴム配合割合1よりは低めの接着力ではあったが、当該ゴムでの接着力としては十分な接着力であった。表2に接着力を示す。
[実施例8]
接着力評価用ゴムをゴム配合割合4とした以外は、実施例2と同様の接着力評価を行った。その結果、ゴム配合割合1よりは低めの接着力ではあったが、当該ゴムでの接着力としては十分な接着力であった。表2に接着力を示す。
[比較例6]
接着液を一般的にナイロン系コードの接着剤として使用されるB処方に変えた以外は実施例6と同様の接着力評価を行った。その結果、初期接着力、熱経時接着力とも実施例6よりも大幅に低い接着力ではあった。表2に接着力を示す。
[比較例7]
接着液を一般的にナイロン系コードの接着剤として使用されるB処方に変えた以外は実施例7と同様の接着力評価を行った。その結果、初期接着力、熱経時接着力とも実施例7よりも大幅に低い接着力ではあった。表2に接着力を示す。
[比較例8]
接着液を一般的にナイロン系コードの接着剤として使用されるB処方に変えた以外は実施例8と同様の接着力評価を行った。その結果、初期接着力、熱経時接着力とも実施例8よりも大幅に低い接着力ではあった。表2に接着力を示す。
本発明に係るポリケトン繊維コードは、耐熱強力保持性に優れ、特に耐熱耐久接着性が要求される自動車用のタイヤやコンベアベルト、伝導用ベルト(Vベルト、平ベルト、歯付ベルト等)、自動車用各種ホース(ブレーキホース、ウオーターホース、エアーホース、インタークーラーホース等)に優れたゴム補強用ポリケトン繊維コードとして好適である。

Claims (2)

  1. 繰り返し単位の95モル%以上が、下記式(1):
    Figure 2010150710
    で表される1−オキソトリメチレンで構成されるポリケトン繊維を用いてなるポリケトン繊維コードであって、該ポリケトン繊維中にパラジウム元素が0〜50ppm、リン元素が10〜3000ppm、亜鉛元素が0〜50ppm含まれ、かつ、該ポリケトン繊維の表面に、置換フェノールとレゾルシンとホルマリンの縮合物を含有する接着剤が付着していることを特徴とするポリケトン繊維コード。
  2. 前記置換フェノールの置換基の内少なくとも1個がハロゲン元素である、請求項1に記載のポリケトン繊維コード。
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