JP2010150588A - 表面処理鋼板 - Google Patents

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武士 松田
Rie Umebayashi
里江 梅林
Nobue Fujibayashi
亘江 藤林
Satoshi Ando
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Koichi Morohoshi
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Takashi Nakano
多佳士 中野
Takashi Okubo
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Abstract

【課題】建材や家電分野の用途、主として屋外環境において無塗装で用いられるAl−Zn系合金めっき鋼板に好適で且つ皮膜中にクロムを含まない表面処理鋼板を提供する。
【解決手段】Al−Zn系合金めっき皮膜表面に、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有液状物と、ニッケル化合物と、アルミニウム化合物と、弗素含有化合物と、シラン化合物を含有する表面処理組成物を塗布し乾燥させることにより形成された第1表面処理層を有し、該第1表面処理層上に、アクリル酸及び/又はメタクリル酸と、炭素数1〜6のアルキル鎖を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルと、前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸及び前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルと共重合可能なビニルモノマーとから得られる共重合樹脂を含有する表面処理組成物を塗布し乾燥させることにより形成した第2表面処理層を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、建材や家電分野の用途において主として屋外環境において無塗装で用いられるAl−Zn系合金めっき鋼板を用いた表面処理鋼板であって、例えば、5%Al−Zn系合金めっき鋼板や55%Al−Zn系合金めっき鋼板に代表されるAl−Zn系合金めっき鋼板に好適で且つ皮膜中にクロムを含まないクロメートフリー表面処理鋼板に関するものである。
家電、建材、自動車用鋼板には、従来から亜鉛系めっき鋼板の表面に耐食性を向上させる目的で、クロム酸、重クロム酸又はその塩類を主要成分とした処理液によるクロメート処理が施された鋼板が幅広く用いられてきた。クロメート皮膜は主として難溶性のクロム水酸化物により耐食性や密着性等を発現し、皮膜形成方法としては電解処理を伴わない塗布法や電解処理法等が採られる。
従来、このような用途に対しては、有機樹脂と6価クロムを含むクロム化合物を含有する表面処理層をめっき表面に形成することにより対応してきた(例えば、特許文献1〜3)。クロメート処理は公害規制物質である6価クロムを使用しているが、この6価クロムは処理工程においてクローズドシステムで処理されること、さらに塗布法ではその上層に形成する有機皮膜によるシーリング作用、電解法ではカソード電解による6価クロムの3価クロムへの還元反応により、クロメート皮膜中からのクロム溶出もほぼゼロにできることから、実質的には6価クロムによって人体や環境が汚染されることはない。しかしながら、近年の地球環境問題に対する高まりと共に、従来の作業環境や排水処理を重視した法規制だけではなく、環境負荷や環境調和を重視した法規制も整備されつつある。また、製造者を環境貢献度で評価する時代背景もあり、6価クロムの使用を削減しようとする動きが高まりつつある。
特公平1−53353号公報 特公平4−2672号公報 特開平6−146001号公報
このような背景の下で、6価クロムを用いない亜鉛系めっき鋼板の耐食性向上技術としてクロメートフリー技術が数多く提案されている。例えば、特許文献4〜7では特定の水系有機樹脂とリン酸系化合物と4価のバナジウムを主成分とした化成皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板が提案されている。また、特許文献8ではチタン化合物とフッ素含有化合物と水系有機樹脂を主成分とした化成皮膜を有するZn系めっき鋼板が提案されている。
特開2005−290436号公報 特開2005−290534号公報 特開2007−320269号公報 特開2007−321224号公報 特許3305703号公報
所謂55%Al−Zn系合金めっき鋼板に代表される高Al−Zn系合金めっき鋼板は、めっき外観が美麗で且つ耐食性にも優れていることから、建材用途として屋根材や外壁材等の屋外環境において無塗装のままで用いられることが多く、長期に亘って良好な外観品質を保持する性能(腐食、変色、剥離などが生じない性能)、いわゆる耐候性に優れていることが求められる。
しかしながら、特許文献4〜7で提案された化成皮膜を有する鋼板は、化成皮膜の主成分であるリン酸系化合物と4価バナジウムの存在により塩水噴霧試験等では優れた耐食性が得られるものの、屋外環境下では粉塵等の有機物が付着しやすく、有機物により4価バナジウムが還元されて3価バナジウムになり、著しい耐食性低下を招く。
また、特許文献8で提案された化成皮膜を有する鋼板も同様に、塩水噴霧試験等では優れた耐食性が得られるものの、屋外環境下では皮膜中のチタン化合物が光触媒として作用し、皮膜中の有機樹脂を酸化して劣化させ、その結果、皮膜欠陥部を生じて著しい耐食性劣化を招く。
したがって本発明の目的は、上記従来技術に見られる諸問題を解決し、表面処理組成物や皮膜中に6価クロムを含まず、実環境においても優れた耐候性が発揮できるクロメートフリーの表面処理鋼板を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の要旨構成は以下のとおりである。
[1] Alを5〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、
加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有液状物(A)と、ニッケル化合物(B)と、アルミニウム化合物(C)と、弗素含有化合物(D)と、シラン化合物(E)を含有する表面処理組成物であって、前記チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して、前記ニッケル化合物(B)を0.05〜5質量部、前記アルミニウム化合物(C)を5〜80質量部、前記弗素含有化合物(D)を10〜400質量部、及び前記シラン化合物(E)を100〜1000質量部含有する表面処理組成物(X)を塗布し乾燥させることにより形成された第1表面処理層を有し、該第1表面処理層上に、
アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)と、前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)及び前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)と共重合可能なビニルモノマー(iii)とから得られる共重合樹脂を含有する表面処理組成物であって、前記共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)を0.5〜10質量部、並びに前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)を20〜95質量部含有する表面処理組成物(Y)を塗布し乾燥させることにより形成された第2表面処理層を有し、
前記第1表面処理層の付着量が、チタン付着量として金属チタン換算で1〜100mg/mであり、
前記第2表面処理層の付着量が、0.5〜5g/mであることを特徴とする表面処理鋼板。
[2] Alを5〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、
加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有液状物(A)と、ニッケル化合物(B)と、アルミニウム化合物(C)と、弗素含有化合物(D)と、シラン化合物(E)を含有する表面処理組成物であって、前記チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して、前記ニッケル化合物(B)を0.05〜5質量部、前記アルミニウム化合物(C)を5〜80質量部、前記弗素含有化合物(D)を10〜400質量部、及び前記シラン化合物(E)を100〜1000質量部含有する表面処理組成物(X)を塗布し乾燥させることにより形成された第1表面処理層を有し、該第1表面処理層上に、
アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)と、水酸基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(iv)と、該ビニルモノマー(iv)とは異なるビニルモノマーであり且つ前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)、前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)及び前記ビニルモノマー(iv)と共重合可能なビニルモノマー(iii)から得られる共重合樹脂を含有する表面処理組成物であって、前記共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)を0.5〜10質量部、前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)を20〜95質量部、前記ビニルモノマー(iv)を0.1〜10質量部含有する表面処理組成物(Y)を塗布し乾燥させることにより形成された第2表面処理層を有し、
前記第1表面処理層の付着量が、チタン付着量として金属チタン換算で1〜100mg/mであり、
前記第2表面処理層の付着量が、0.5〜5g/mであることを特徴とする表面処理鋼板。
[3] 前記シラン化合物(E)がエポキシ基及び/又はアミノ基を有するシラン化合物(E1)であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の表面処理鋼板。
[4] 前記シラン化合物(E)が双官能型シラン化合物(E2)であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の表面処理鋼板。
[5] 弗素含有化合物(D)が、ジルコン弗化アンモニウム及びジルコン弗化水素酸の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
[6] 表面処理組成物(X)が、さらに、有機リン酸化合物(F)をチタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して10〜300質量部含有することを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
[7] 表面処理組成物(X)が、さらに、バナジン酸化合物(G)をチタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して10〜400質量部含有することを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
[8] 表面処理組成物(X)が、さらに、炭酸ジルコニウム化合物(H)をチタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して10〜400質量部含有することを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
本発明によるAl−Zn系合金めっき鋼板を用いたクロメートフリーの表面処理鋼板は、その表面に第1表面処理層として特定のチタン化合物やシラン化合物などを含む無機皮膜を有し、更にその上面に第2表面処理層として特定の有機樹脂を有することで、(1)第1表面処理層のチタン化合物および第2表面処理層の有機樹脂のバリア性による耐食性の向上、(2)第1表面処理層のシラン化合物の高反応性によるめっき皮膜や第2表面処理層の有機樹脂との化学結合による密着性の向上、及び(3)上記シラン化合物によるチタン化合物(酸化チタン)の触媒活性抑制 などの効果を発揮し、屋外環境下において無塗装のままで用いた場合であっても長期に亘って良好な外観品質を保持し、優れた耐候性を有する表面処理鋼板が得られる。
本発明の表面処理鋼板は、Alを5〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板のめっき皮膜表面に、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有液状物(A)に対して、ニッケル化合物(B)と、アルミニウム化合物(C)と、弗素含有化合物(D)とシラン化合物(E)を含有する表面処理組成物(X)を塗布し乾燥した後、特定の樹脂成分からなる有機樹脂を含有する表面処理組成物(Y)を塗布し乾燥させることにより形成された所定の皮膜付着量の表面処理皮膜を有するものである。この表面処理皮膜は6価クロム(但し、不可避不純物としての6価クロムを除く)を含有しない。
以下、本発明を構成毎に説明する。
[Al−Zn系合金めっき鋼板]
本発明の表面処理鋼板のベースとなるAl−Zn系合金めっき鋼板は、めっき皮膜中にAlが5〜75質量%含まれるAl−Zn系合金めっき鋼板であり、所謂5%Al−Zn系合金めっき鋼板や55%Al−Zn系合金めっき鋼板が代表的なものとして知られている。また、Al−Zn系合金めっき鋼板は、Al−Zn系合金めっき皮膜中に、少量の異種金属成分や不純物として、コバルト、モリブデン、ニッケル、チタン、マンガン、鉄、マグネシウム、鉛、ビスマス、アンチモン、スズ、銅、カドミウム、ヒ素等の1種以上を含有したもの、及び/又はシリカ、アルミナ、チタニア等の無機物の1種以上を分散させたものであってもよい。
なお、Al−Zn系合金めっき皮膜の片面当たりの付着量は20〜200g/mであることが好ましい。この付着量範囲とすると、特に建材用途としての耐食性を確保することができる。
[第1表面処理層]
本発明では、Al−Zn系合金めっき鋼板表面に第1表面処理層を有する。
第1表面処理層は、特定のチタン含有液状物(A)と、ニッケル化合物(B)と、アルミニウム化合物(C)と、弗素含有化合物(D)と、シラン化合物(E)を含有し、必要に応じて、有機リン酸化合物(F)、バナジウム酸化合物(G)、炭酸ジルコニウム化合物(H)の1種以上を含有する表面処理組成物(X)を塗布し乾燥することによって形成する。
このような第1表面処理層を形成することによって優れた耐候性が得られる理由は必ずしも明確ではないが、以下のメカニズムによるものと考えられる。すなわち、第1表面処理層において、特定のチタン含有液状物に弗素含有化合物とシラン化合物を組み合わせて複合添加した混合液が鋼板表面で乾燥する過程で(1)弗素イオンがめっき表面の酸化皮膜を溶解して活性化し、めっき皮膜表面に酸化チタンの緻密な無機高分子層が形成されることにより、めっき皮膜を不働態化して高度なバリア性が発揮され、且つ、(2)酸化チタン層の表面をシラン化合物が被覆して酸化チタンの光触媒活性を抑制する効果を発揮することが想定される。また、第1表面処理層の上面に形成した特定の有機樹脂層が第1表面処理層中のシラン化合物と結合して優れた密着性を発揮し、加工時のかじり(皮膜損傷)を抑制することが想定される。
[表面処理組成物(X)の組成]
チタン含有液状物(A)は、加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物と過酸化水素水とを混合して得られるチタンを含む液状物である。
前記加水分解性チタン化合物は、チタンに直接結合する加水分解性基を有するチタン化合物であって、水、水蒸気などの水分と反応することにより水酸化チタンを生成するものである。また、加水分解性チタン化合物は、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であるものでもよいし、チタンに結合する基の一部が加水分解性基であるものでもよい。前記加水分解性基としては、上記したように水分と反応することにより水酸化チタンを生成させるものであれば特に制限はないが、例えば、低級アルコキシル基やチタンと塩を形成する基(例えば、塩素などのハロゲン原子、水素原子、硫酸イオンなど)などが挙げられる。加水分解性基として低級アルコキシル基を含有する加水分解性チタン化合物としては、特に、一般式Ti(OR)(式中、Rは同一若しくは異なる炭素数1〜5のアルキル基を示す)で示されるテトラアルコキシチタンが好ましい。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。加水分解性基として、チタンと塩を形成する基を有する加水分解性チタン化合物としては、塩化チタン、硫酸チタンなどが代表的なものとして挙げられる。
また、加水分解性チタン化合物の低縮合物は、上記した加水分解性チタン化合物どうしの低縮合物である。この低縮合物は、チタンに結合する基の全てが加水分解性基であるものでもよいし、チタンに結合する基の一部が加水分解性であるものでもよい。
加水分解性基がチタンと塩を形成する基である加水分解性チタン化合物(例えば、塩化チタン、硫酸チタンなど)については、その加水分解性チタン化合物の水溶液とアンモニアや苛性ソーダなどのアルカリ溶液との反応により得られるオルトチタン酸(水酸化チタンゲル)も低縮合物として使用できる。
加水分解性チタン化合物の低縮合物及び水酸化チタンの低縮合物としては、縮合度が2〜30の化合物が使用可能であり、特に縮合度が2〜10の化合物を使用することが好ましい。縮合度が30を超えると過酸化水素と混合した場合、白色沈殿を生じ、安定なチタン含有水性液は得られない。
以上挙げた加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物は、1種又は2種以上を使用できるが、そのなかでも、上述した一般式で示される加水分解性チタン化合物であるテトラアルコキシチタンが特に好ましい。
チタン含有液状物(A)としては、上記したチタン化合物と過酸化水素水とを反応させることにより得られるチタンを含む液状物であれば、従来公知のものを特に制限なしに使用することができる。具体的には、下記のものを挙げることができる。
(i)含水酸化チタンのゲル又はゾルに過酸化水素水を添加して得られるチタニルイオン過酸化水素錯体又はチタン酸(ペルオキソチタン水和物)水溶液(特開昭63−35419号公報、特開平1−224220号公報参照)。
(ii)塩化チタンや硫酸チタンの水溶液と塩基性溶液から製造した水酸化チタンゲルに過酸化水素水を作用させ、合成することで得られるチタニア膜形成用液体(特開平9−71418号公報、特開平10−67516号公報参照)。
(iii)塩化チタンや硫酸チタンの無機チタン化合物水溶液に過酸化水素を加えてぺルオキソチタン水和物を生成させた後に、塩基性物質を添加して得られた溶液を放置又は加熱することによってペルオキソチタン水和物重合体の沈殿物を生成させ、次いで、少なくともチタン含有原料溶液に由来する水以外の溶解成分を除去した後に過酸化水素を作用させて得られるチタン酸化物形成用溶液(特開2000−247638号公報、特開2000−247639号公報参照)。
上記(ii)のチタニア膜形成用液体を得る場合、チタンと塩を形成する基を有する塩化チタンや硫酸チタンの水溶液とアンモニアや苛性ソーダなどのアルカリ溶液とを反応させることによりオルトチタン酸と呼ばれる水酸化チタンゲルを沈殿させる。次いで、水を用いたデカンテーションによって水酸化チタンゲルを分離し、良く水洗し、さらに過酸化水素水を加え、余分な過酸化水素を分解除去することにより、黄色透明粘性液状物を得ることができる。
沈殿した上記オルトチタン酸は、OHどうしの重合や水素結合によって高分子化したゲル状態にあり、そのままではチタンを含む水性液としては使用できない。このゲルに過酸化水素水を添加するとOHの一部が過酸化状態になり、ペルオキソチタン酸イオンとして溶解或いは高分子鎖が低分子に分断された一種のゾル状態になり、余分な過酸化水素は水と酸素になって分解し、無機膜形成用のチタンを含む液状物として使用できるようになる。
このゾルはチタン原子以外に酸素原子と水素原子しか含まないので、乾燥や焼成によって酸化チタンに変化する場合、水と酸素しか発生しないため、ゾルゲル法や硫酸塩などの熱分解に必要な炭素成分やハロゲン成分の除去が必要でなく、低温でも比較的密度の高い酸化チタン膜を形成することができる。
本発明で使用するチタン含有液状物(A)において、過酸化水素水中にチタン化合物を添加して製造されたものを使用することが好ましい。チタン化合物としては、上記した一般式で表される加水分解して水酸基になる基を含有する加水分解性チタン化合物やその低縮合物を使用することが好ましい。
チタン化合物として加水分解性チタン化合物及び/又はその低縮合物(以下、単に「加水分解性チタン化合物a」という)を用いるチタン含有液状物(A)は、加水分解性チタン化合物aを過酸化水素水と反応温度1〜70℃で10分間〜20時間程度反応させることにより得ることができる。
この加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有液状物(A)は、加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水とを反応させることにより、加水分解性チタン化合物aが水で加水分解されて水酸基含有チタン化合物を生成し、次いで、この水酸基含有チタン化合物に過酸化水素が配位するものと考えられ、この加水分解反応及び過酸化水素による配位が同時近くに起こることにより得られたものであり、室温域での安定性が極めて高く、長期の保存に耐えるキレート液を生成する。従来の製法で用いられる水酸化チタンゲルは、Ti−O−Ti結合により部分的に三次元化しており、このゲルと過酸化水素水を反応させたチタン含有液状物(A)とは組成及び安定性が本質的に異なる。
また、加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有液状物(A)を80℃以上で加熱処理又はオートクレーブ処理すると、結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。前記加熱処理又はオートクレーブ処理が80℃未満では、酸化チタンの結晶化が十分に進まない。このようにして製造された酸化チタン分散液は、酸化チタン超微粒子の粒子径が10nm以下であり、好ましくは1〜6nm程度である。酸化チタン超微粒子の粒子径が10nmより大きくなると造膜性が低下する。具体的には、塗布後乾燥し皮膜とした場合、膜厚1μm以上でワレを生じる傾向があるので好ましくない。この酸化チタン分散液の外観は半透明状のものである。このような酸化チタン分散液も、チタン含有液状物(A)として使用することができる。
加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有液状物(A)を含む表面処理組成物(X)を、めっき鋼板表面に塗布・乾燥(例えば、低温で加熱乾燥)することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン含有皮膜(表面処理皮膜)を形成することができる。
また、上記したような80℃以上の加熱処理又はオートクレーブ処理を経て得られた酸化チタン分散液をチタン含有液状物(A)として用いた場合、表面処理組成物(X)を塗布するだけで結晶性の酸化チタン含有皮膜が形成できるため、加熱処理できない材料のコーティング材として有用である。
また、チタン含有液状物(A)としては、酸化チタンゾルの存在下で、加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水とを反応させて得られるチタン含有液状物(A1)を使用することもできる。
前記酸化チタンゾルは、無定型チタニア微粒子又は/及びアナターゼ型チタニア微粒子が水(必要に応じて、例えばアルコール系、アルコールエーテル系などの水性有機溶剤を添加してもよい)に分散したゾルである。この酸化チタンゾルとしては、従来公知のものを使用することができ、例えば、(i)硫酸チタンや硫酸チタニルなどの含チタン溶液を加水分解して得られる酸化チタン凝集物、(ii)チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物を加水分解して得られる酸化チタン凝集物、(iii)四塩化チタンなどのハロゲン化チタン溶液を加水分解又は中和して得られる酸化チタン凝集物、などの酸化チタン凝集物を水に分散した無定型チタニアゾル、或いは前記酸化チタン凝集物を焼成してアナターゼ型チタン微粒子とし、このものを水に分散したゾルを使用することができる。
前記無定形チタニアの焼成では、少なくともアナターゼの結晶化温度以上の温度、例えば、400℃〜500℃以上の温度で焼成すれば、無定形チタニアをアナターゼ型チタニアに変換させることができる。この酸化チタンの水性ゾルとしては、例えば、TKS−201(商品名,テイカ社製,アナターゼ型結晶形,平均粒子径6nm)、TA−15(商品名,日産化学社製,アナターゼ型結晶形)、STS−11(商品名,石原産業社製,アナターゼ型結晶形)などが挙げられる。
チタン含有液状物(A1)において、上記酸化チタンゾルxとチタン過酸化水素反応物y(加水分解性チタン化合物aと過酸化水素水との反応生成物)との質量比率x/yは、1/99〜99/1、好ましくは約10/90〜90/10の範囲が適当である。質量比率x/yが1/99未満では、安定性、光反応性などの点において酸化チタンゾルを添加した効果が十分に得られず、一方、99/1を超えると造膜性が劣るので好ましくない。
チタン含有液状物(A1)は、酸化チタンゾルの存在下で加水分解性チタン化合物aを過酸化水素水と反応温度1〜70℃で10分間〜20時間程度反応させることにより得ることができる。
チタン含有液状物(A1)の生成形態やその特性は、さきに述べた加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有液状物(A)と同様であるが、特に、酸化チタンゾルを使用することにより、合成時に一部縮合反応が起きて増粘するのが抑えられる。その理由は、縮合反応物が酸化チタンゾルの表面に吸着され、溶液状態での高分子化が抑えられるためであると考えられる。
また、チタン含有液状物(A1)を80℃以上で加熱処理又はオートクレーブ処理すると、結晶化した酸化チタンの超微粒子を含む酸化チタン分散液が得られる。この酸化チタン分散液を得るための温度条件、結晶化した酸化チタン超微粒子の粒子径、分散液の外観なども、さきに述べた加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有液状物(A)と同様である。このような酸化チタン分散液も、チタン含有液状物(A1)として使用することができる。
さきに述べた加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有液状物(A)と同様、チタン含有液状物(A1)を含む表面処理組成物(X)を、めっき鋼板表面に塗布・乾燥(例えば、低温で加熱乾燥)することにより、それ自体で付着性に優れた緻密な酸化チタン含有皮膜(表面処理皮膜)を形成することができる。
表面処理組成物(X)を塗布した後の鋼板の加熱温度としては、例えば200℃以下、特に150℃以下が好ましく、このような温度で加熱乾燥することにより、水酸基を若干含む酸化チタン含有皮膜が形成できる。
以上述べたように、チタン含有液状物(A)の中でも、加水分解性チタン化合物aを用いたチタン含有液状物(A)やチタン含有液状物(A1)は、耐食性などに優れた性能を有する上、表面処理層形成前の原料として長時間貯蔵しても変質が少なく貯蔵安定性に優れるため、本発明ではこれらを使用することが特に好ましい。
加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物に対する過酸化水素水の配合割合は、チタン化合物10質量部に対して過酸化水素換算で0.1〜100質量部であり、望ましくは1〜20質量部である。過酸化水素水の配合割合が過酸化水素換算で0.1質量部以上とするとキレート形成が十分となり白濁沈殿が生じることがない。一方、100質量部以下とすると未反応の過酸化水素が残存し難く、貯蔵中に危険な活性酸素を放出することがないので好ましい。
過酸化水素水の過酸化水素濃度は特に限定されないが、3〜30質量%程度であることが、取り扱いやすさ、塗装作業性に関係する生成液の固形分の点で好ましい。
チタン含有液状物(A)には、必要に応じて、他のゾルや顔料を添加分散させることもできる。例えば、添加物としては、市販の酸化チタンゾルや酸化チタン粉末、マイカ、タルク、シリカ、バリタ、クレーなどが挙げられ、これらの1種以上を添加することができる。
表面処理組成物(X)中でのチタン含有液状物(A)の含有量は、固形分で1〜100g/L、好ましくは5〜50g/Lとすることが、処理液の安定性などの点から好ましい。
前記ニッケル化合物(B)は耐黒変性を向上させて耐候性を確保するために配合されるものであり、ニッケル化合物(B)としては、例えば、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル、硫酸ニッケルなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、酢酸ニッケルが耐黒変性向上の点から好適である。
ニッケル化合物(B)の配合量は、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜2質量部とする。チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対するニッケル化合物(B)の配合量が0.05質量部未満では、耐黒変性の改善が十分でなく、一方、5質量部を超えると耐食性が劣化する。
アルミニウム化合物(C)は耐食性向上のために配合されるものであり、アルミニウム化合物(C)としては、例えば、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウムアセチルアセトナート、アルミン酸塩などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、硝酸アルミニウムが水溶性で、耐食性向上の点から好適である。
アルミニウム化合物(C)の配合量は、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して5〜80質量部、好ましくは10〜30質量部とする。チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対するアルミニウム化合物(C)の配合量が5質量部未満では、耐食性の改善が十分でなく、一方、80質量部を超えると耐黒変性が劣化する。
本発明では、特に耐黒変性と耐食性の両立の点から、ニッケル化合物(B)とアルミニウム化合物(C)の配合比B/Cを固形分の質量比で1/1〜1/100、好ましくは1/5〜1/50とすることが望ましい。
弗素含有化合物(D)は貯蔵安定性、耐食性、密着性などを向上させるために配合されるものであり、弗素含有化合物(D)としては、例えば、ジルコン弗化アンモニウム、ジルコン弗化カリウム、ジルコン弗化水素酸、チタン弗化アンモニウム、弗化水素酸、弗化水素酸アンモニウムなどが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、ジルコン弗化アンモニウム、ジルコン弗化水素酸の中から選ばれる少なくとも1種を用いることが、耐食性の点から好ましい。
弗素含有化合物(D)の配合量は、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して10〜400質量部、好ましくは50〜200質量部とする。チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対する弗素含有化合物(D)の配合量が10質量部未満では、貯蔵安定性、耐食性、密着性などの改善が十分でなく、一方、400質量部を超えると耐黒変性が劣化する。
シラン化合物(E)は加水分解してシラノール(Si−OH)基を生じるアルコキシシラン(Si(OR)、Rはメチル基、エチル基)を有する有機アルキル化合物である。シラン化合物は水に溶解し、そのアルコキシシランは加水分解してシラノール(Si−OH)基となる。シラン化合物(E)を含む表面処理組成物(X)をAl−Zn系合金めっき鋼板表面に塗布し加熱すると、シラノール基がめっき金属表面のOH基と水素結合して密着性を発現するとともに、皮膜中のチタン化合物(酸化チタン)表面のOH基と水素結合して、光触媒活性を抑制する。また、上記シラノール基は、第2表面処理層の有機樹脂とも結合して優れた密着性を発揮する。
シラン化合物(E)の配合量は、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して100〜1000質量部、好ましくは200〜800質量部とする。チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対するシラン化合物(E)の配合量が100質量部未満では、密着性の改善が十分でなく、一方、1000質量部を超えると貯蔵安定性が劣化する。
シラン化合物(E)は、エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(E1)であることが好ましい。エポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(E1)のうち、エポキシ基を有するシラン化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメチルジエトキシシラン等が挙げられ、また、アミノ基を有するシラン化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。上記の如きシラン化合物をチタン含有液状物(A)と共存させることにより、耐候性が飛躍的に高められる。
また、上記作用を効果的に発揮させるには、シラン化合物(E)として双官能型シラン化合物(E2)を選択することが有効である。アルコキシシランの存在により密着性および光触媒活性抑制効果が発現することは先述のとおりであるが、双官能型シラン化合物は1分子当たりに含まれるアルコキシシランの数は単官能型シラン化合物に比べ2倍であるため、極めて効果的に上記作用を発揮するのである。
双官能型シラン化合物(E2)としては、bis-1,2-[triethoxysilyl]ethane(以下、「BTSE」という)、bis-1,2-[triethoxysilylpropyl]amine(以下、「BTSPA」という)、bis-1,2-[triethoxysilylpropyl]tetrasulfide(以下、「BTSPS」という)等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。但し、これらの双官能型シラン化合物の中でも、処理液安定性の観点からは特にBTSEが好ましい。
また、双官能型シラン化合物(E2)の配合量は、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して100〜500質量部、好ましくは200〜400質量部とする。チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対する双官能型シラン化合物(E2)の配合量が100質量部未満では、密着性の改善が十分でなく、一方、500質量部を超えると貯蔵安定性が劣化する。
第1表面処理層の付着量は、金属チタン換算で1〜100mg/mとする。チタンの付着量が1mg/m未満では耐食性向上効果が認められず、一方、100mg/mを超えて付着させても耐食性向上効果が飽和し、加工性が低下する傾向が認められる。また、以上の観点からチタンの金属チタン換算での付着量のより好ましい範囲は5〜40mg/mである。
[第2表面処理層]
本発明では、第1表面処理層上に、更に第2表面処理層を有する。
第2表面処理層は、特定の有機樹脂から得られる共重合樹脂を含有する表面処理組成物(Y)を塗布し乾燥することにより形成する。
第2表面処理層を形成する理由は、加工性を付与して加工時の皮膜損傷を抑制し、第1表面処理層と共に優れた耐候性を発揮させる点にある。
屋外環境で使用される建材ではロールフォーミングやプレス加工におけるロール、金型とのかじりや摺動傷を基点として腐食が進行することが多い。また、本表面処理鋼板は屋外で使用されることが多いため、優れた耐候性を必要とされる。このような観点から、脂肪族ポリエステル又は脂肪族ポリカーボネートを主骨格とするウレタン系樹脂或いはアクリル系樹脂が有望である。特にウレタン系樹脂は、アクリル系樹脂よりも優れた耐食性等の特性を有しているが、高価な樹脂であるため汎用的に用いるには支障がある。したがって、本発明ではアクリル系樹脂の耐食性等の特性をウレタン系樹脂同等のレベルまで高め、そのようなアクリル系樹脂を用いることとする。そこで、アクリル系樹脂の特性を高めることを目的としてモノマー組成の検討を行った結果、アクリル酸又は/及びメタクリル酸(i)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(ii)と、前記成分(i)および(ii)と共重合可能なビニルモノマー(iii)とから得られる、すなわち、これら成分を共重合して得られる共重合アクリル系樹脂を用いることにより、ウレタン系樹脂同等以上の優れた特性が得られることを見出した。
[表面処理組成物(Y)の組成]
アクリル酸又は/及びメタクリル酸(i)の配合量は、共重合樹脂の固形分100質量部に対する固形分の割合で0.5〜10質量部、好ましくは1〜4質量部とする。アクリル酸又は/及びメタクリル酸の固形分の割合が0.5質量部未満ではエマルジョンの安定性及び金属表面との密着性が低下し、一方、10質量部を超えると、得られる皮膜の親水性が強くなり耐食性が低下する。
炭素数1〜6のアルキル鎖を持つアクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(ii)としては、メチルメタクリレート及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−プロピル及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−ブチル及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル及びその異性体、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル及びその異性体等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。この(メタ)アクリル酸エステル(ii)は皮膜の加工性向上に寄与する。アルキル鎖が7以上の(メタ)アクリル酸エステルから得られる有機樹脂を含む皮膜は、加工性が劣るために加工時の金型との摺動により皮膜が剥離しやすい。したがって、(メタ)アクリル酸エステルは炭素数1〜6、好ましくは3〜5のアルキル鎖を持つものを用いる必要がある。
前記アクリル酸エステル又は/及びメタクリル酸エステル(ii)の配合量は、共重合樹脂の固形分100質量部に対する固形分の割合で20〜95質量部とする。(メタ)アクリル酸エステルの固形分の割合が20質量部未満或いは95質量部を超えると加工性が劣る。
前記成分(i)および(ii)と共重合可能なビニルモノマー(iii)としては、例えば、水酸基を有する2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、エポキシ基を有するグリシジルメタクリレート、アミノ基を有するアクリルアミド、ニトリル基を有するアクリルニトリル、或いは高疎水性を示すスチレン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。水酸基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を有するビニルモノマーを重合させることにより、皮膜の密着性が向上し、これに伴い耐食性および加工性が向上する。また、第1表面処理層に含有されるシラン化合物(E)がエポキシ基又は/及びアミノ基を有するシラン化合物(E1)である場合には、耐食性に関して相乗的な効果が得られる。この理由としては、第2表面処理層の上記ビニルモノマー(iii)においてはビニル基が樹脂として重合して官能基が末端になるのに対し、第1表面処理層の上記シラン化合物(E2)においても官能基が第2表面処理層の有機樹脂と重合して末端がシラノール基となり、末端官能基どうしの相互作用により耐食性が向上することが考えられる。その一方で、これらの官能基は親水性が高いため、鋼板表面にペフと称す断熱材を貼り合わせた場合、その密着性を低下させる傾向がある。その場合、樹脂の親水性を調整する目的で疎水性のスチレンを重合させることにより密着性を向上させることが可能となる。本発明においては、これらビニルモノマーの組成を制限するものではないが、通常、水酸基、エポキシ基を有するビニルモノマーでは0〜20質量部、アミノ基を有するビニルモノマーでは0〜30質量部、スチレンは0〜50質量部程度の重合が可能である。
また、第2表面処理層の成分としては、上記(i) 〜(iii)から得られる共重合樹脂を含有することに代えて、アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)と、水酸基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(iv)と、該ビニルモノマー(iv)とは異なるビニルモノマーであり且つ前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)、前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)及び前記ビニルモノマー(iv)と共重合可能なビニルモノマー(iii)から得られる共重合樹脂を含有することも可能である。
すなわち、(i)および(ii)に加えて、皮膜の密着性・耐食性効果を有する水酸基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(iv)を含有させて、更に(i)、(ii)および(iv)と共重合可能であり且つ(iv)以外のビニルモノマー(iii)、例えば樹脂の親水性を調整する疎水性のスチレン等、適宜のビニルモノマーを含有させることにより上記と同様の効果が得られる。また、皮膜の造膜性、高温における皮膜の耐軟化性を調整する目的で適宜な種類のビニルモノマーを用いることも可能であり、例えば、皮膜のTg(ガラス転移温度)又はMFT(最低造膜温度)を調整する目的で2−エチルヘキシルアクリレート等のモノマーを用い得る。
なお、上記ビニルモノマー(iv)を配合させる場合には、共重合樹脂の固形分100質量部に対する固形分の割合で0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部とする。
第2表面処理層の付着量は0.5〜5g/mとする。この有機樹脂の付着量が、0.5g/m未満では耐食性、加工性が著しく低下し、一方、5g/mを超えるとロールフォーミングやプレス加工の際のロールや金型に皮膜が付着しやすくなる。また、以上の観点から有機樹脂の付着量のより好ましい範囲は1.0〜3g/mである。
本発明で用いる表面処理組成物(X)は、以上述べたようなチタン含有液状物(A)と成分(B)〜(E)を必須とするものであるが、さらに必要に応じて、有機リン酸化合物(F)、バナジン酸化合物(G)、炭酸ジルコニウム化合物(H)のうちの1種以上を含有することができる。
前記有機リン酸化合物(F)としては、例えば、1−ヒドロキシメタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシプロパン−1、1−ジホスホン酸などのヒドロキシル基含有有機亜リン酸;2−ヒドロキシホスホノ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などのカルボキシル基含有有機亜リン酸、及びこれらの塩などが好適なものとして挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
有機リン酸化合物(F)は、チタン含有液状物(A)の貯蔵安定性を向上させる効果を有し、なかでも、1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸はその効果が特に大きいことから、これらを使用するのが特に好ましい。有機リン酸化合物(F)の配合量は、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して10〜300質量部、特に20〜200質量部とすることが耐食性などの点から好ましい。有機リン酸化合物(F)の配合量が、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して300質量部を超えると、耐食性が劣るため好ましくない。
前記バナジン酸化合物(G)としては、例えば、メタバナジン酸リチウム、メタバナジン酸カリウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、無水バナジン酸などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、メタバナジン酸アンモニウムが耐食性などの点から好ましい。バナジン酸化合物(G)の配合量は、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して、10〜400質量部とすることが耐食性などの点から好ましい。バナジン酸化合物(G)の配合量が、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して400質量部を超えると、耐食性が劣るため好ましくない。
前記炭酸ジルコニウム化合物(H)としては、炭酸ジルコニウムのナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムなどの塩が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、炭酸ジルコニウムアンモニウムが耐食性などの点から好ましい。
炭酸ジルコニウム化合物(H)の配合量は、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して、10〜400質量部とすることが、耐食性などの点から好ましい。炭酸ジルコニウム化合物(H)の配合量が、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して400質量部を超えると、耐食性が劣るため好ましくない。
表面処理組成物(X)には、さらに必要に応じて、例えば、樹脂微粒子、無機リン酸化合物などのエッチング剤、本発明が規定する成分以外の重金属化合物、増粘剤、界面活性剤、防錆剤、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、染料などを含有することができる。
なお、上記成分の好ましい含有量は、チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して10〜400質量部である。
表面処理組成物(Y)には、さらに必要に応じて、例えば、本発明が規定する成分以外の重金属化合物、増粘剤、界面活性剤、潤滑性付与剤(ポリエチレンワックス、フッソ系ワックス、カルナバワックスなど)、防錆剤、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、染料などを含有することができる。
なお、上記成分の好ましい含有量は、共重合樹脂の固形分100質量部に対して1〜400質量部である。
また、表面処理組成物(X)及び(Y)は共に、必要に応じて、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール系溶剤、プロピレングリコール系溶剤などの親水性溶剤で希釈して使用することができる。
なお、上記溶剤を使用した場合の好ましい希釈率は1〜100倍である。
[製造方法]
本発明の表面処理Al−Zn系合金めっき鋼板を製造するには、Al−Zn系合金めっき鋼板の表面に、さきに述べたような特定のチタン含有液状物(A)と、ニッケル化合物(B)と、アルミニウム化合物(C)と、弗素含有化合物(D)とシラン化合物(E)を含有し(好ましくは主成分とする)、さらに必要に応じて、有機リン酸化合物(F)、バナジウム酸化合物(G)、炭酸ジルコニウム化合物(H)の1種以上を含有する表面処理組成物(X)を塗布し乾燥後、特定の樹脂成分からなる有機樹脂を含有する表面処理組成物(Y)を塗布し乾燥させる。
また、チタン含有液状物(A)、表面処理組成物(X)、(Y)には、さらに必要に応じて、さきに挙げたような他の添加成分を含有させてもよい。
表面処理組成物(処理液)の塗布手段は、例えば、スプレー塗布後、ロール絞りにより行う方法やロールコーターを用いた方法など任意であり、また、塗布後の乾燥方式についても、例えば、熱風方式、誘導加熱方式、電気炉方式など任意である。
塗布した表面処理組成物(処理液)(X)及び(Y)を乾燥するときの鋼板温度は何れも60〜200℃程度とすることが好ましい。この温度が60℃未満では、皮膜形成が不十分となり耐食性などが劣った皮膜となる。一方、200℃を超える温度で乾燥させても、温度に見合う耐食性の向上効果は得られず、却って耐食性が低下してしまう場合がある。これは、熱により皮膜にクラックが生じるためであると考えられる。特に150℃以下とすることが好ましい。
(実施例1)
表面処理組成物に用いたチタン含有液状物(A)と成分(B)〜(I)を以下に示す。
[チタン含有液状物(A)]
(製造例1) チタン含有液状物A1
四塩化チタン60質量%溶液5ccを蒸留水で500ccとした溶液にアンモニア水(1:9=アンモニア:水の質量比)を滴下し、水酸化チタンの低縮合物を沈殿させた。蒸留水で洗浄後、過酸化水素水30質量%溶液を10cc加えてかき混ぜ、チタンを含む黄色半透明の粘性のあるチタン含有液状物A1を得た。
(製造例2) チタン含有液状物A2
テトラiso−プロポキシチタン10質量部とiso−プロパノール10質量部の混合物を30質量%過酸化水素水10質量部と脱イオン水100質量部の混合物中に20℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後25℃で2時間熟成し、黄色透明の少し粘性のあるチタン含有液状物A2を得た。
(製造例3) チタン含有液状物A3
製造例2で使用したテトラiso−プロポキシチタンの代わりにテトラn−ブトキシチタンを使用した以外は製造例2と同様の製造条件で、チタン含有液状物A3を得た。
(製造例4) チタン含有液状物A4
製造例2で使用したテトラiso−プロポキシチタンの代わりにテトラiso−プロポキシチタンの3量体(テトラiso−プロポキシチタンの低縮合物)を使用した以外は製造例2と同様の製造条件で、チタン含有液状物A4を得た。
(製造例5) チタン含有液状物A5
製造例2に対して過酸化水素水を3倍量用い、50℃で1時間かけて滴下し、さらに60℃で3時間熟成した以外は製造例2と同様の製造条件で、チタン含有液状物A5を得た。
(製造例6) チタン含有液状物A6
製造例3で製造したチタン含有液状物A3を、さらに95℃で6時間加熱処理することにより、白黄色の半透明なチタン含有液状物A6を得た。
(製造例7) チタン含有液状物A7
テトラiso−プロポキシチタン10質量部とiso−プロパノール10質量部の混合物を、「TKS−203」(商品名,テイカ社製,酸化チタンゾル)5質量部(固形分)、30%過酸化水素水10質量部及び脱イオン水100質量部の混合物中に10℃で1時間かけて撹拌しながら滴下した。その後10℃で24時間熟成し、黄色透明の少し粘性のあるチタン含有液状物A7を得た。
(製造例8) チタン含有液状物A8
硫酸チタン(IV)水溶液(5質量%)を、本発明の要件を満足しないチタン含有液状物A8とした。
[ニッケル化合物(B)]
B1:酢酸ニッケル
B2:硝酸ニッケル
B3:硫酸ニッケル
[アルミニウム化合物(C)]
C1:硝酸アルミニウム
C2:酢酸アルミニウム
C3:アルミニウムアセチルアセトナート
[弗素含有化合物(D)]
D1:ジルコン弗化アンモニウム
D2:ジルコン弗化水素酸
D3:ジルコン弗化ナトリウム
D4:ジルコン弗化カリウム
[シラン化合物(E)]
E1:BTSE
E2:BTSPA
E3:BTSPS
E4:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
E5:3−アミノプロピルトリメトキシシラン
E6:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
E7:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
[有機リン酸化合物(F)]
F1:1−ヒドロキシメタン−1,1−ジホスホン酸
F2:1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸
[バナジン酸化合物(G)]
G1:メタバナジン酸アンモニウム
G2:メタバナジン酸ナトリウム
[炭酸ジルコニウム化合物(H)]
H1:炭酸ジルコニウムアンモニウム
H2:炭酸ジルコニウムナトリウム
[その他の成分(I)]
I1:オルトリン酸

[共重合樹脂]
(適合樹脂a):本発明条件を満足する(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
(メタ)アクリル酸 (i) :アクリル酸(3質量部)
(メタ)アクリル酸エステル (ii) :メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(55質量部)
ビニルモノマー (iii) :2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(42質量部)
(適合樹脂b):本発明条件を満足する(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
適合樹脂aに下記の防錆顔料(15質量部)を添加したもの。
防錆顔料:親水性ヒュームドシリカアエロジル(登録商標)200
(比較樹脂c):本発明条件を満足しない(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
(メタ)アクリル酸 (i) :アクリル酸(0.4質量部)
(メタ)アクリル酸エステル (ii) :メチルメタクリレート、
ブチルアクリレート(59.6質量部)
ビニルモノマー (iii) :2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(40質量部)
(比較樹脂d):本発明条件を満足しない(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
(メタ)アクリル酸 (i) :アクリル酸(20質量部)
(メタ)アクリル酸エステル (ii) :メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(40質量部)
ビニルモノマー (iii) :2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(40質量部)
(比較樹脂e):本発明条件を満足しない(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
(メタ)アクリル酸 (i) :アクリル酸(5質量部)
(メタ)アクリル酸エステル (ii) :メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(10質量部)
ビニルモノマー (iii) :2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(85質量部)

また、表面処理鋼板のベース鋼板としては、表1に示すめっき鋼板を用いた。
Figure 2010150588
上記したチタン含有液状物(A)と成分(B)〜(H)を適宜配合した表面処理組成物(X)をめっき鋼板表面に塗布し、5秒後に最高到達板温が120℃になるように乾燥した後、上記共重合樹脂を含有した表面処理組成物(Y)を塗布し、5秒後に最高到達板温120℃になるように乾燥して供試材とした。各供試材に適用した表面処理組成物の組成及びその塗装条件を表2に示す。各供試材について、後述の試験方法により評価した。評価結果を表6に示す。
Figure 2010150588
Figure 2010150588
Figure 2010150588
(実施例2)
実施例1で使用したシラン化合物(E1〜E7)のうちシラン化合物(E4〜E7)を使用した以外は実施例1と同様の条件で供試材を得た。
各供試材に適用した表面処理組成物の組成及びその塗装条件を表3に示す。各供試材について、後述の試験方法により評価した。評価結果を表7に示す。
Figure 2010150588
Figure 2010150588
Figure 2010150588
(実施例3)
実施例1で使用した共重合樹脂(a〜e)の代わりに下記の共重合樹脂(f〜k)を使用した以外は実施例1と同様の条件で供試材を得た。
[共重合樹脂]
(適合樹脂f):本発明条件を満足する(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
(メタ)アクリル酸 (i) :アクリル酸(5質量部)
(メタ)アクリル酸エステル (ii) :メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(57質量部)
ビニルモノマー (iii) :スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(35質量部)
ビニルモノマー (iv) :2―ヒドロキシエチルメタクリレート
(3質量部)
(適合樹脂g):本発明条件を満足する(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
適合樹脂fに下記の防錆顔料(15質量部)を添加したもの。
防錆顔料:親水性ヒュームドシリカアエロジル(登録商標)200
(比較樹脂h):本発明条件を満足しない(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
(メタ)アクリル酸 (i) :アクリル酸(5質量部)
(メタ)アクリル酸エステル (ii) :メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(40質量部)
ビニルモノマー (iii) :スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(35質量部)
ビニルモノマー (iv) :2―ヒドロキシエチルメタクリレート
(20質量部)
(比較樹脂i):本発明条件を満足しない(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
(メタ)アクリル酸 (i) :アクリル酸(0.4質量部)
(メタ)アクリル酸エステル (ii) :メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(62.6質量部)
ビニルモノマー (iii) :スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(35質量部)
ビニルモノマー (iv) :2―ヒドロキシエチルメタクリレート
(2質量部)
(比較樹脂j):本発明条件を満足しない(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
(メタ)アクリル酸 (i) :アクリル酸(20質量部)
(メタ)アクリル酸エステル (ii) :メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(43質量部)
ビニルモノマー (iii) :スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(30質量部)
ビニルモノマー (iv) :2―ヒドロキシエチルメタクリレート
(2質量部)
(比較樹脂k):本発明条件を満足しない(共重合樹脂の固形分100質量部対比)
(メタ)アクリル酸 (i) :アクリル酸(5質量部)
(メタ)アクリル酸エステル (ii) :メチルメタクリレート、ブチルアクリレート(10質量部)
ビニルモノマー (iii) :スチレン、2−エチルヘキシルアクリレート(83質量部)
ビニルモノマー (iv) :2―ヒドロキシエチルメタクリレート
(2質量部)

各供試材に適用した表面処理組成物の組成及びその塗装条件を表4に示す。各供試材について、後述の試験方法により評価した。評価結果を表8に示す。
Figure 2010150588
Figure 2010150588
Figure 2010150588
(実施例4)
実施例1で使用したシラン化合物(E1〜E7)のうちシラン化合物(E4〜E7)を、また、実施例1で使用した共重合樹脂(a〜e)の代わりに前記共重合樹脂(f〜k)を使用した以外は実施例1と同様の条件で供試材を得た。
各供試材に適用した表面処理組成物の組成及びその塗装条件を表5に示す。各供試材について、後述の試験方法により評価した。評価結果を表9に示す。
Figure 2010150588
Figure 2010150588
Figure 2010150588
なお、表2〜5において、*1〜*12は以下の内容を示す。
*1 表1に記載のめっき鋼板No.1〜3
*2 明細書本文に記載のチタン含有液状物A1〜A8
*3 明細書本文に記載のニッケル化合物B1〜B3
*4 明細書本文に記載のアルミニウム化合物C1〜C3
*5 明細書本文に記載の弗素含有化合物D1〜D4
*6 明細書本文に記載のシラン化合物E1〜E7
*7 明細書本文に記載の有機リン酸化合物F1,F2
*8 明細書本文に記載のバナジン酸化合物G1,G2
*9 明細書本文に記載の炭酸ジルコニウム化合物H1,H2
*10 明細書本文に記載の共重合樹脂a〜k
*11 表面処理組成物(水性処理液)1リットル中の固形分質量(g)
*12 チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対する質量部
(耐候性の試験方法)
表面処理鋼板供試材の各サンプル(厚さ0.5mm)について、サンシャインウエザーメーター試験を1000時間行い、以下の性能を評価した。評価した結果を表6〜9に示す。
(1)耐食性
端部と裏面をシールした供試材(サイズ150mm×70mm)をJIS Z 2371−2000の中性塩水噴霧試験法に準拠した塩水噴霧試験に供し、1000時間後の外観変化(白錆、黒錆)の発生状況を下記基準にて評価した。
◎ :発生面積率5%未満。
○ :発生面積率5%以上、10%未満。
△ :発生面積率10%以上、50%未満。
× :発生面積率50%以上。
(2)耐黒変性
同一供試材(サイズ:150mm×150mm)の表面処理面を合わせてスタック状態とし、50℃、相対湿度98%以上の環境下で28日間放置した後の表面処理面の外観を目視評価した。その評価基準は以下のとおりである。
◎ :黒変部なし。
○ :斜めから見て確認できる程度のうすい黒変部あり(表面積の10%未満)。
△ :斜めから見て確認できる程度のうすい黒変部あり(表面積の10%以上)、あるいは明らかな黒変部あり(表面積の10%未満)。
× :明らかな黒変部あり(表面積の10%以上)。
(3)密着性
断熱材であるペフに接着剤を薄く塗布し、各供試材(サイズ:60mm×300mm)と室温で圧着した状態で40℃温水に30分浸漬を行った後、手でペフを剥離し、サンプル表面に残存するペフの面積率に基づき下記基準にて評価した。
◎ :残存面積率100%。
○ :残存面積率80%以上。
△ :残存面積率40%以上、80%未満。
× :残存面積率40%以上未満
(貯蔵安定性の試験方法)
表面処理組成物(X)を1ヶ月間40℃で保管した後の外観を観察し、下記基準で評価した。
◎ :変化なし。
○ :変色のみ(塗布可能)。
△ :ゲル化(塗布不可能)。
× :固化(塗布不可能)。
(加工性の試験方法)
各供試材(サイズ:長さ300mm、幅30mm、厚さ0.5mm)について、ドロービード試験機を用い、先端5mmR、高さ6mm、幅30mmのビードを2942N(300kgf)の荷重でサンプル表面に押し付けて引き抜き試験を行い、目視により下記基準にて評価した。
◎ :異常なし。
○ :サンプル表面が一部黒化。
△ :サンプル表面が著しく黒化するか、若しくはサンプル表面は良好であるがビードに著しい付着物あり。
× :明らかに皮膜が剥離。
(総合評価)
◎ :◎又は○のみ、且つ、◎が3つ以上。
○ :◎又は○のみ、且つ、◎が2つ以下。
△ :△が1以上。他は◎又は○のみ。
× :×が1以上。
Figure 2010150588
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表6〜9に示すとおり、本発明の要件を満足する供試材(発明例)については、耐食性、耐黒変性、密着性、貯蔵安定性、加工性の全ての評価項目において、総合評価が◎又は○となり、良好な結果が得られた。
一方、表6〜表9の「No.8」は、表面処理組成物(X)に配合させるチタン含有液状物(A)が本発明の要件を満足しないため、耐食性、耐黒変性、密着性、貯蔵安定性、加工性の全評価項目において良好な結果が得られなかった。
表6〜9の「No.9」は、表面処理組成物(X)に配合されるニッケル化合物(B)の含有量が本発明の範囲に満たないため、耐黒変性が劣っていた。一方、表6〜9の「No.14」は、上記ニッケル化合物(B)の含有量が本発明の範囲を超えるため、十分な耐食性が得られなかった。
表6〜9の「No.18」は、表面処理組成物(X)に配合されるアルミニウム化合物(C)の含有量が本発明の範囲に満たないため、耐食性が劣っていた。一方、6〜9の「No.23」は、上記アルミニウム化合物(C)の含有量が本発明の範囲を超えるため、耐黒変性が不十分であった。
表6〜9の「No.27」は、表面処理組成物(X)に配合される弗素含有化合物(D)の含有量が本発明の範囲に満たないため、耐食性、密着性、貯蔵安定性に関して十分な改善が観られなかった。一方、表6〜9の「No.32」は、上記弗素含有化合物(D)の含有量が本発明の範囲を超えるため、耐黒変性が劣っていた。
表6〜9の「No.37」は表面処理組成物(X)がシラン化合物(E)を全く含有しないため、耐食性、耐黒変性、密着性、貯蔵安定性、加工性の全評価項目において良好な結果が得られなかった。又、表6〜9の「No. 38」は表面処理組成物(X)に配合されるシラン化合物(E)の含有量が本発明の範囲に満たない上、第1表面処理層の付着量が本発明の範囲を超えるため、耐食性の改善が不十分であり且つ加工性も劣っていた。一方、表6〜9の「No.43」は、上記シラン化合物(E)の含有量が本発明の範囲を超えるため、貯蔵安定性が劣化した。
表6の「No. 67」、表7の「No.64」、表8の「No.68」並びに、表9の「No.65」は、表面処理組成物(Y)に配合されるアクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)の含有量が本発明の範囲に満たないため、密着性、貯蔵安定性および加工性が劣っていた。一方、表6の「No.68」、表7の「No.65」、表8の「No.69」並びに、表9の「No.66」は、上記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)の含有量が本発明の範囲を超えるため、十分な耐食性が得られなかった。
表6の「No.69」、表7の「No.66」、表8の「No.70」並びに、表9の「No.67」は、表面処理組成物(Y)に配合される炭素数1〜6のアルキル鎖を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)の含有量が本発明の範囲に満たないため、加工性に劣る結果となった。
表8の「No. 67」および表9の「No. 64」は、上記ビニルモノマー(iv)の含有量が本発明の範囲を超えるため、何れも密着性および耐食性が不十分であった。
表6の「No.72」、表7の「No.69」、表8の「No.73」、並びに、表9の「No.70」は、第1表面処理層の付着量が本発明の範囲に満たないため、耐食性、耐黒変性、密着性、貯蔵安定性、加工性の全特性において劣っていた。一方、表6の「No.38,77」、表7の「No.38,74」、表8の「No.38,78」並びに、表9の「No.38,75」は、第1表面処理層の付着量が本発明の範囲を超えるため、加工性が劣化した。
表6の「No.39,78」、表7の「No. 39,75」、表8の「No. 39,79」、並びに、表9の「No. 39,76」は、第2表面処理層の付着量が本発明の範囲に満たないため、耐食性および加工性が著しく悪い結果となった。一方、表6の「No41,83」、表7の「No41,80」、表8の「No41,84」、並びに、表9の「No41,81」は、第2表面処理層の付着量が本発明の範囲を超えるため、加工の際のロールに皮膜が付着する傾向が観られた。
なお、表6の「No.71」、表7の「No.68」、表8の「No.72」、並びに、表9の「No. 69」は、表面処理鋼板のベース鋼板が本発明の対象外であるため、本発明の鋼板に比べて総合性能が劣っていた。
屋外環境下において無塗装のままで用いた場合であっても長期に亘って良好な外観品質を保持し、優れた耐候性を有する表面処理鋼板が得られる。

Claims (8)

  1. Alを5〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、
    加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有液状物(A)と、ニッケル化合物(B)と、アルミニウム化合物(C)と、弗素含有化合物(D)と、シラン化合物(E)を含有する表面処理組成物であって、前記チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して、前記ニッケル化合物(B)を0.05〜5質量部、前記アルミニウム化合物(C)を5〜80質量部、前記弗素含有化合物(D)を10〜400質量部、及び前記シラン化合物(E)を100〜1000質量部含有する表面処理組成物(X)を塗布し乾燥させることにより形成された第1表面処理層を有し、該第1表面処理層上に、
    アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)と、前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)及び前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)と共重合可能なビニルモノマー(iii)とから得られる共重合樹脂を含有する表面処理組成物であって、前記共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)を0.5〜10質量部、並びに前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)を20〜95質量部含有する表面処理組成物(Y)を塗布し乾燥させることにより形成された第2表面処理層を有し、
    前記第1表面処理層の付着量が、チタン付着量として金属チタン換算で1〜100mg/mであり、
    前記第2表面処理層の付着量が、0.5〜5g/mであることを特徴とする表面処理鋼板。
  2. Alを5〜75質量%含有するAl−Zn系合金めっき皮膜を有するAl−Zn系合金めっき鋼板の前記めっき皮膜表面に、
    加水分解性チタン化合物、加水分解性チタン化合物の低縮合物、水酸化チタン、水酸化チタンの低縮合物の中から選ばれる少なくとも1種のチタン化合物を過酸化水素水と混合して得られるチタン含有液状物(A)と、ニッケル化合物(B)と、アルミニウム化合物(C)と、弗素含有化合物(D)と、シラン化合物(E)を含有する表面処理組成物であって、前記チタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して、前記ニッケル化合物(B)を0.05〜5質量部、前記アルミニウム化合物(C)を5〜80質量部、前記弗素含有化合物(D)を10〜400質量部、及び前記シラン化合物(E)を100〜1000質量部含有する表面処理組成物(X)を塗布し乾燥させることにより形成された第1表面処理層を有し、該第1表面処理層上に、
    アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)と、炭素数1〜6のアルキル鎖を有するアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)と、水酸基、エポキシ基、アミノ基、ニトリル基の中から選ばれる少なくとも1種の官能基を有するビニルモノマー(iv)と、該ビニルモノマー(iv)とは異なるビニルモノマーであり且つ前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)、前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)及び前記ビニルモノマー(iv)と共重合可能なビニルモノマー(iii)から得られる共重合樹脂を含有する表面処理組成物であって、前記共重合樹脂の固形分100質量部に対して、前記アクリル酸及び/又はメタクリル酸(i)を0.5〜10質量部、前記アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(ii)を20〜95質量部、前記ビニルモノマー(iv)を0.1〜10質量部含有する表面処理組成物(Y)を塗布し乾燥させることにより形成された第2表面処理層を有し、
    前記第1表面処理層の付着量が、チタン付着量として金属チタン換算で1〜100mg/mであり、
    前記第2表面処理層の付着量が、0.5〜5g/mであることを特徴とする表面処理鋼板。
  3. 前記シラン化合物(E)がエポキシ基及び/又はアミノ基を有するシラン化合物(E1)であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理鋼板。
  4. 前記シラン化合物(E)が双官能型シラン化合物(E2)であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面処理鋼板。
  5. 弗素含有化合物(D)が、ジルコン弗化アンモニウム及びジルコン弗化水素酸の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
  6. 表面処理組成物(X)が、さらに、有機リン酸化合物(F)をチタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して10〜300質量部含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
  7. 表面処理組成物(X)が、さらに、バナジン酸化合物(G)をチタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して10〜400質量部含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
  8. 表面処理組成物(X)が、さらに、炭酸ジルコニウム化合物(H)をチタン含有液状物(A)の固形分100質量部に対して10〜400質量部含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の表面処理鋼板。
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