JP2010150564A - 粘着剤組成物、およびそれを用いてなる粘着シート類 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを主成分とする(メタ)アクリル系ポリマー、およびアルカリ金属塩を含む粘着剤組成物において、前記(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が1.0以下であることを特徴とする粘着剤組成物。
【選択図】なし
Description
作製したポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)により測定した。
カラム:
サンプルカラム;東ソー社製、TSKguardcolumn SuperHZ−H(1 本)+TSKgel Super HZM−H(2本)
リファレンスカラム;東ソー社製、TSKgel Super H−RC(1本)
流量:0.6ml/min
注入量:10μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
注入試料濃度:0.2重量%
検出器:示差屈折計
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出した。
ガラス転移温度Tg(℃)は、各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度Tgn(℃)として下記の文献値を用い、下記の式により求めた。
(式中、Tg(℃)は共重合体のガラス転移温度、Wn(−)は各モノマーの重量分率、Tgn(℃)は各モノマーによるホモポリマーのガラス転移温度、nは各モノマーの種類を表す。)
2−エチルヘキシルアクリレート:−70℃
2−ヒドロキシエチルアクリレート:−15℃
ブチルアクリレート:−55℃
アクリル酸:106℃
酸価は、自動滴定装置(平沼産業社製、COM−550)を用いて測定を行い、下記式より求めた。
A;酸価
Y;サンプル溶液の滴定量(ml)
X;混合溶媒50gのみの溶液の滴定量(ml)
f;滴定溶液のファクター
M;ポリマーサンプルの重量(g)
なお、測定条件は下記の通りである。
電極:ガラス電極;GE−101、比較電極;RE−201
測定モード:石油製品中和価試験1
保護フィルムを幅70mm、長さ130mmのサイズにカットし、セパレーターを剥離した後、あらかじめ除電しておいた厚み1mm、幅70mm、長さ100mmのアクリル板に貼り合わせた偏光板(日東電工社製、SEG1425EWVAGS2B、サイズ:幅70mm、長さ100mm)表面に片方の端部が30mmはみ出すようにハンドローラーにて圧着した。23℃×50%RHの環境下に一日放置した後、下記に示すように所定の位置にサンプルをセットした。30mmはみ出した片方の端部を自動巻取り機に固定し、剥離角度150°、剥離速度3m/minとなるように剥離した。このときに発生する偏光板表面の電位を、所定の位置に固定してある電位測定機(春日電機社製、KSD−0103)にて測定した。測定は、23℃×50%RHの環境下で行った。
偏光板(日東電工社製、SEG1425EWVAGS2B)に粘着シートを0.25MPaの圧力でラミネートしたサンプルを幅30mm、長さ30mmのサイズにカットし、偏光板側に貼り合せられているセパレーターを剥離した後、厚み1.3mm、幅65mm、長さ165mmのスライドグラス(松浪硝子工業社製、水縁磨)にハンドローラーにて圧着し評価サンプルとした。評価サンプルを23℃の環境下に一日放置した後、50℃×5atmの環境で40分間オートクレープ処理を行った。その後80℃の環境で2時間放置した後、偏光板から粘着シートが浮いているかどうかを目視にて確認した。
浮きの発生が認められた場合:×
厚み90μmのトリアセチルセルロースフィルム(富士写真フィルム社製、フジタック)を幅70mm、長さ100mmにカットし、60℃の水酸化ナトリウム水溶液(10重量%)に1分間浸漬した後、蒸留水にて洗浄し被着体を作製した。上記被着体を23℃×50%RHの環境下で1日放置した後、幅25mm、長さ100mmのサイズにカットした粘着シートを0.25MPaの圧力でラミネートし、評価サンプルを作製した。ラミネート後30分間放置した後、万能引張試験機にて剥離速度10m/分剥離角度180°で剥離したときの粘着力を測定した。測定は23℃×50%RHの環境下で行った。
〔アクリル系ポリマー(A)〕
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート200重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、酢酸エチル312重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(A)溶液(40重量%)を調製した。前記アクリル系ポリマー(A)の重量平均分子量は50万、ガラス転移温度(Tg)は−68℃、酸価は0.0であった。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコにブチルアクリレート200重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、酢酸エチル625重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(B)溶液(25重量%)を調整した。前記アクリル系ポリマー(B)の重量平均分子量は54万、ガラス転移温度(Tg)は−54℃、酸価は0.0であった。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート200重量部、重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184)0.1重量部、ベンジルメチルケタール(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)0.1重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、高圧水銀灯(東芝ライテック社製、SHL−100UVQ−2)による紫外線照射を約3分間重合反応を行い、重合率10%の部分重合物(シロップ状)であるアクリル系ポリマー(C)溶液を調整した。前記アクリル系ポリマー(C)の重量平均分子量は220万、ガラス転移温度(Tg)は−70℃、酸価は0.0であった。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート200重量部、アクリル酸8重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、酢酸エチル312重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(D)溶液(40重量%)を調整した。前記アクリル系ポリマー(D)の重量平均分子量は54万、ガラス転移温度(Tg)は−66℃、酸価は29.5であった。
攪拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに2−エチルヘキシルアクリレート200重量部、アクリル酸0.4重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート3.6重量部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、酢酸エチル312重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って約6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー(E)溶液(40重量%)を調整した。前記アクリル系ポリマー(E)の重量平均分子量は56万、ガラス転移温度(Tg)は−66℃、酸価は1.3であった。
〔帯電防止剤溶液(a)〕
攪拌羽根、温度計、冷却器を備えた四つ口フラスコに過塩素酸リチウム5重量部、酢酸エチル45重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を25℃付近に保って約2時間混合撹拌を行い、帯電防止剤溶液(a)(10重量%)を調製した。
攪拌羽根、温度計、冷却器を備えた四つ口フラスコにヨウ化リチウム5重量部、酢酸エチル45重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を25℃付近に保って約2時間混合撹拌を行い、帯電防止剤溶液(b)(10重量%)を調製した。
攪拌羽根、温度計、冷却器を備えた四つ口フラスコに過塩素酸リチウム0.2重量部、ポリプロピレングリコール(ジオール型、数平均分子量2000)9.8重量部、酢酸エチル10重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を80℃付近に保って約2時間混合撹拌を行い、帯電防止剤溶液(c)(50重量%)を調製した。
攪拌羽根、温度計、冷却器を備えた四つ口フラスコにヨウ化リチウム0.1重量部、ポリプロピレングリコール(ジオール型、数平均分子量2000)9.9重量部、酢酸エチル10重量部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を80℃付近に保って約2時間混合撹拌を行い、帯電防止剤溶液(d)(50重量%)を調製した。
帯電防止剤(ソルベックス社製、マイクロソルバーRMd−142、主成分:酸化スズおよびポリエステル樹脂)10重量部を、水30重量部とメタノール70重量部からなる混合溶媒で希釈することにより帯電防止剤溶液を調整した。得られた前記帯電防止剤溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ38μm)上にマイヤーバーを用いて塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して帯電防止層(厚さ0.2μm)を形成し、帯電防止処理ポリエチレンテレフタレートフィルムを作製した。
〔粘着剤溶液の調整〕
上記アクリル系ポリマー(A)溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に上記帯電防止剤溶液(a)2重量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)1.1重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1重量%酢酸エチル溶液)0.6重量部を加えて25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液(1)を調製した。
上記アクリル系粘着剤溶液(1)を、上述のように作製した帯電防止処理ポリエチレンテレフタレートフィルムの帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、110℃で3分間加熱して、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)のシリコーン処理面を貼合せ、粘着シートを作製した。
〔粘着剤溶液の調整〕
上記帯電防止剤溶液(a)2重量部に代えて、上記帯電防止剤溶液(b)1重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(2)を調製した。
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(2)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
〔粘着シートの作製〕
上記帯電防止処理ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、帯電防止処理を施していないポリエチレンテレフタラートフィルム(厚さ38μm)を用いた以外は、実施例2と同様の方法により粘着シートを作製した。
〔粘着剤溶液の調整〕
上記アクリル系ポリマー(B)溶液(25重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に上記帯電防止剤溶液(b)1重量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)1.1重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1重量%酢酸エチル溶液)0.6重量部を加えて25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液(3)を調製した。
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(3)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
〔粘着剤溶液の調整〕
上記アクリル系ポリマー(C)溶液100重量部に、ヨウ化リチウムを0.5重量部を加えて25℃付近に保って約2時間混合撹拌を行った後、多官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート1.5重量部、重合開始剤としてベンジルメチルケタール(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)0.1重量部を加えて25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液(4)を調製した。
上記アクリル系粘着剤溶液(4)を、上述のように作製した帯電防止処理ポリエチレンテレフタレートフィルムの帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、厚さ20μmの粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)のシリコーン処理面を貼合せた。このフィルムシートを、高圧水銀灯(ウシオ電機社製、UVL−4000−N)にて紫外線照射(照度37mW/cm2、光量660mJ/cm2)を行うことにより粘着シートを作製した。
〔粘着剤溶液の調整〕
上記アクリル系ポリマー(A)溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に上記帯電防止剤溶液(b)0.6重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHX)0.4重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1重量%酢酸エチル溶液)0.4重量部を加えて25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液(5)を調製した。
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(5)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
〔粘着剤溶液の調整〕
上記アクリル系ポリマー(D)溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に上記帯電防止剤溶液(b)1重量部、架橋剤として1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(三菱瓦斯化学社製、TETRAD−C)0.8重量部、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.3重量部を加えて25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液(6)を調製した。
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、前記アクリル系粘着剤溶液(6)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
〔粘着剤溶液の調整〕
上記アクリル系ポリマー(E)溶液(25重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に上記帯電防止剤溶液(b)1重量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)1.1重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1重量%酢酸エチル溶液)0.6重量部を加えて25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液(7)を調製した。
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(7)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
〔粘着剤溶液の調整〕
上記アクリル系ポリマー(A)溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液100重量部に上記帯電防止剤溶液(c)4重量部、架橋剤としてトリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物(日本ポリウレタン工業社製、コロネートL)0.53重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1重量%酢酸エチル溶液)0.4重量部を加えて25℃付近に保って約1分間混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液(8)を調製した。
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(8)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
〔粘着剤溶液の調整〕
上記帯電防止剤溶液(c)4重量部に代えて、上記帯電防止剤溶液(d)4重量部を用いた以外は、実施例1と同様の方法によりアクリル系粘着剤溶液(9)を調製した。
上記アクリル系粘着剤溶液(1)に代えて、上記アクリル系粘着剤溶液(9)を用いた以外は、実施例1と同様の方法により粘着シートを作製した。
Claims (8)
- 炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを主成分とする(メタ)アクリル系ポリマー、およびアルカリ金属塩を含む粘着剤組成物において、前記(メタ)アクリル系ポリマーの酸価が1.0以下であり、
ポリエーテルポリオールを含まないことを特徴とする粘着剤組成物。 - 前記アルカリ金属塩がリチウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系ポリマーが、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーをさらに構成成分として含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
- 前記(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量が、10万以上500万以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層を支持体上の片面または両面に形成してなることを特徴とする粘着シート類。
- けん化処理されたトリアセチルセルロースフィルムに対する23℃×50%HRでの180°ピール粘着力が0.1 〜6N/25mmであることを特徴とする請求項6に記載の粘着シート類。
- 前記支持体として帯電防止処理されてなるプラスチック基材を用いることを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の粘着シート類。
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