JP2010150418A - 共役高分子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子部品材料分野で使用する共役高分子は、一定の分子量範囲を有するよう高分子であることが好ましく、簡便な製造方法の提供。
【解決手段】下記(A)の芳香族モノマー及び/又は下記(B)の芳香族モノマーと、有機溶媒と、アルカリ水溶液と、パラジウム触媒とを含む混合物を加熱して重合させることにより共役高分子を製造する方法であり、該混合物の合計1g当り、毎分平均、特定式で表される熱量Y(J/g)を、該混合物に供給して加熱する工程を含むことを特徴とする共役高分子の製造方法。(A)分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、及び、分子内にホウ素含有官能基と反応し得る官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー(B)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマー等。
【選択図】なし
【解決手段】下記(A)の芳香族モノマー及び/又は下記(B)の芳香族モノマーと、有機溶媒と、アルカリ水溶液と、パラジウム触媒とを含む混合物を加熱して重合させることにより共役高分子を製造する方法であり、該混合物の合計1g当り、毎分平均、特定式で表される熱量Y(J/g)を、該混合物に供給して加熱する工程を含むことを特徴とする共役高分子の製造方法。(A)分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、及び、分子内にホウ素含有官能基と反応し得る官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー(B)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマー等。
【選択図】なし
Description
本発明は、共役高分子の製造方法に関する。
共役高分子とは、主鎖に沿って非局在化π電子系を有するものであり、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)素子の有機フィルム等に用いられている。
その製造方法としては、有機溶媒、無機塩基水溶液、パラジウム触媒及び相間移動触媒の存在下、ホウ素含有官能基を2つ有する芳香族モノマー、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基を2つ有する芳香族モノマーを反応させて高分子量の共役高分子が得られることが特許文献1に開示されている。
その製造方法としては、有機溶媒、無機塩基水溶液、パラジウム触媒及び相間移動触媒の存在下、ホウ素含有官能基を2つ有する芳香族モノマー、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基を2つ有する芳香族モノマーを反応させて高分子量の共役高分子が得られることが特許文献1に開示されている。
共役高分子を上記のような電子部品材料分野で使用する場合には、共役高分子は、例えば、一定の分子量範囲を有するような高品質な高分子であることが好ましく、このような共役高分子を得るための簡便な製造方法の開発が望まれていた。
このような状況下、鋭意検討した結果、本発明に至った。
本発明は、以下の[1]〜[5]のいずれか記載の発明等を提供するものである。
[1] 下記(A)の芳香族モノマー及び/又は下記(B)の芳香族モノマーと、有機溶媒と、アルカリ水溶液と、パラジウム触媒とを含む混合物を加熱して重合させることにより共役高分子を製造する方法であり、該混合物の合計1g当り、毎分平均、以下の式(F1)で表される熱量Y(J/g)を、該混合物に供給して加熱する工程を含むことを特徴とする共役高分子の製造方法。
Y ≧ 0.005 × X (F1)
(式(F1)中、Xは前記有機溶媒の蒸発熱(J/g)である。)
(A)分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、及び、分子内にホウ素含有官能基と反応し得る官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー
(B)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマー
[2]該有機溶媒が、芳香族炭化水素溶媒であることを特徴とする[1]記載の製造方法。
[3] 該ホウ素含有官能基が、ボロン酸基、炭素数1〜12のボロン酸エステル基、炭素数1〜12のボラン基及びトリフルオロボレート基からなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素含有官能基であることを特徴とする[1]〜[2]のいずれか記載の製造方法。
[4] 該ホウ素含有官能基と反応し得る官能基が、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニル基、4−メチルベンゼン−1−スルホナート基、又はメタンスルホニル基であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の製造方法。
本発明は、以下の[1]〜[5]のいずれか記載の発明等を提供するものである。
[1] 下記(A)の芳香族モノマー及び/又は下記(B)の芳香族モノマーと、有機溶媒と、アルカリ水溶液と、パラジウム触媒とを含む混合物を加熱して重合させることにより共役高分子を製造する方法であり、該混合物の合計1g当り、毎分平均、以下の式(F1)で表される熱量Y(J/g)を、該混合物に供給して加熱する工程を含むことを特徴とする共役高分子の製造方法。
Y ≧ 0.005 × X (F1)
(式(F1)中、Xは前記有機溶媒の蒸発熱(J/g)である。)
(A)分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、及び、分子内にホウ素含有官能基と反応し得る官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー
(B)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマー
[2]該有機溶媒が、芳香族炭化水素溶媒であることを特徴とする[1]記載の製造方法。
[3] 該ホウ素含有官能基が、ボロン酸基、炭素数1〜12のボロン酸エステル基、炭素数1〜12のボラン基及びトリフルオロボレート基からなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素含有官能基であることを特徴とする[1]〜[2]のいずれか記載の製造方法。
[4] 該ホウ素含有官能基と反応し得る官能基が、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニル基、4−メチルベンゼン−1−スルホナート基、又はメタンスルホニル基であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、一定の分子量範囲を有する高分子を簡易に製造することができる。
以下、本発明について説明する。
本発明の製造方法に用いられるモノマーは、(1)分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、(2)分子内にホウ素含有官能基と反応し得る官能基(以下、反応性官能基と記すことがある)を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、並びに、(3)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマーが用いられる。
本発明の製造方法に用いられるモノマーは、(1)分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、(2)分子内にホウ素含有官能基と反応し得る官能基(以下、反応性官能基と記すことがある)を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、並びに、(3)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマーが用いられる。
ここで、「反応し得る官能基」の「反応」とは、高分子を形成する結合が形成される反応、即ち重合の素反応を意味する。
分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーとしては、例えば、芳香族骨格に、ホウ素含有官能基を分子内に少なくとも2つ、好ましくは2つ結合した芳香族モノマー等が挙げられる。
分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーとしては、例えば、芳香族骨格に、ホウ素含有官能基を分子内に少なくとも2つ、好ましくは2つ結合した芳香族モノマー等が挙げられる。
芳香族骨格とは、芳香族性を有する環状構造であり、ホウ素含有官能基と2つ結合し得る芳香族骨格としては、例えば、下記構造が挙げられる。
(式中、ZはO、S、NR13又はCR14R15を表し、R1〜R15は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。同一分子内のR1〜R15のアルキル基は、互いに結合して環状構造を形成してもよい。無置換の結合部位はホウ素含有官能基と結合し得る部位を表す。)
芳香族骨格には、前記例示された芳香族骨格同士が、単結合、共役した二重結合又は共役した三重結合等で結合した骨格も含まれ、前記例示された芳香族骨格同士が縮合した骨格も含まれる。
(式中、ZはO、S、NR13又はCR14R15を表し、R1〜R15は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。同一分子内のR1〜R15のアルキル基は、互いに結合して環状構造を形成してもよい。無置換の結合部位はホウ素含有官能基と結合し得る部位を表す。)
芳香族骨格には、前記例示された芳香族骨格同士が、単結合、共役した二重結合又は共役した三重結合等で結合した骨格も含まれ、前記例示された芳香族骨格同士が縮合した骨格も含まれる。
ホウ素含有官能基としては、例えば、ボロン酸基、炭素数1〜12のボロン酸エステル基、炭素数1〜12のジアルキルボラン基及びトリフルオロボレート基等が挙げられる。
ボロン酸基とは、−B(OH)2で表される。ホウ素含有官能基におけるボロン酸エステル基とは、−B(OR21)(OR22)、−B(OR23O)、下記式で表される基等のボラン酸とアルコールとのエステルである。
ホウ素含有官能基におけるジアルキルボラン基とは、−BR24R25で表される。
ここで、R21、R22及びR24〜R29は、それぞれ独立に、通常、炭素数1〜6のアルキル基であり、該アルキル基は置換されていてもよい。R23は、通常、炭素数2〜12の2価の炭化水素基であり、該炭化水素基は置換されていてもよい。該炭化水素基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、オルト−又はメタ−フェニレン基等が挙げられる。
ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーに含まれるホウ素含有官能基は、同一基でも異なった基でもよい。
ボロン酸基とは、−B(OH)2で表される。ホウ素含有官能基におけるボロン酸エステル基とは、−B(OR21)(OR22)、−B(OR23O)、下記式で表される基等のボラン酸とアルコールとのエステルである。
ホウ素含有官能基におけるジアルキルボラン基とは、−BR24R25で表される。
ここで、R21、R22及びR24〜R29は、それぞれ独立に、通常、炭素数1〜6のアルキル基であり、該アルキル基は置換されていてもよい。R23は、通常、炭素数2〜12の2価の炭化水素基であり、該炭化水素基は置換されていてもよい。該炭化水素基としては、例えば、エチレン基、プロピレン基等のアルキレン基、オルト−又はメタ−フェニレン基等が挙げられる。
ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーに含まれるホウ素含有官能基は、同一基でも異なった基でもよい。
ボロン酸エステル基としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、i−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、シクロペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、エチレングリコール、ピナコール、プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール又は1,2−ジヒドロキシベンゼン等のアルコールと、対応するボロン酸とのエステル化による生成物が挙げられ、より好ましくは、エチレングリコール、ピナコール、プロパンジオール又は2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールと、対応するボロン酸とのエステル化による生成物が挙げられる。
トリフルオロボレート基とは、−BF3 −で表される基であり、通常、カリウムカチオン、ナトリウムカチオン等の対イオンを有する基である。
分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーとしては、例えば、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(2−メチル−5−オクチル−1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(2,5−ジエチル−1,4−フェニレン)ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,5−ジプロピル−1,4−フェニレン)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(2,5−ジイソプロピル−1,4−フェニレン)ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−(2,5−ジブチル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2−ブチル−5−フェニル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,3−ジシクロヘキシル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,5−ジフェニル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−(2,3,5−トリメチル−1,4−フェニレン)ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−[2,5−ビス(メトキシ)−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−[2,5−ジエトキシ−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−[2−エトキシ−5−ブトキシ−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−[2−エトキシ−3−フェノキシ−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−[2,6−ビス(ヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン]ビス(1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−[2,5−ジメトキシ−1,4−フェニレン]ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン)、2,2’−[2,5−ジブトキシ−1,4−フェニレン]ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)、2,2’−[2,5−ビス(フェノキシ)−1,4−フェニレン]ビス(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン)等が挙げられる。
ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)とは、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基を表し、具体的には、Cl、Br又はI等のハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニル基(CF3SO3−)、4−メチルベンゼン−1−スルホナート基(CH3C6H4SO3−)又はメタンスルホニル基(CH3SO3−)等のスルホン酸エステル基等が例示される。
分子内に反応性官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーとしては、例えば、芳香族骨格に、反応性官能基を分子内に少なくとも2つ、好ましくは2つ結合した芳香族モノマー等が挙げられる。芳香族骨格とはホウ素含有官能基の項で示した芳香族骨格と同じ意味を表す。
反応性官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーに含まれる反応性官能基は、同一基でも異なった基であってもよい。
分子内に反応性官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーとしては、例えば、芳香族骨格に、反応性官能基を分子内に少なくとも2つ、好ましくは2つ結合した芳香族モノマー等が挙げられる。芳香族骨格とはホウ素含有官能基の項で示した芳香族骨格と同じ意味を表す。
反応性官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーに含まれる反応性官能基は、同一基でも異なった基であってもよい。
分子内に反応性官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーとしては、例えば、2,7−ジブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2,7−ジクロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン、2−ブロモ−7−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン、1,4−ジブロモベンゼン、1,4−ジブロモトルエン、1,4−ジブロモ−2−エチルベンゼン、1,4−ジブロモ−2−エトキシベンゼン、1,4−ジブロモ−2,5−ジヘキシルベンゼン、1,4−ジブロモ−2,6−ジヘキシルベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロトルエン、1,4−ジクロロ−2−プロピルベンゼン、1,4−ジクロロ−2−エチル−3−プロピルベンゼン、1,4−ジクロロ−2−デシル−5−プロピルベンゼン、1,4−ジクロロ−2−デシル−6−プロピルベンゼン、1,4−ジクロロ−2−エトキシ−3−プロピルベンゼン、1−ブロモ−4−クロロベンゼン、1−ブロモ−4−クロロトルエン、1−ブロモ−4−クロロ−5−プロピルベンゼン、1−ブロモ−2−ブチル−4−クロロベンゼン、1−ブロモ−4−クロロ−5−メトキシベンゼン、1−ブロモ−4−クロロ−6−へキシルベンゼン、2,5−ジブロモ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモ−3−メチル−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジクロロ−3−ヘキシル−4’−フェノキシベンゾフェノン、2−ブロモ−5−クロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2−ブロモ−3−ブチル−5−クロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2−ブロモ−4−ブチル−5−クロロ−4’−フェノキシベンゾフェノン、2−ブロモ−5−クロロ−6−エチル−4’−フェノキシベンゾフェノン、2,5−ジブロモ−3−ヘキシルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ヘキシル−4−ペンチルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−オクチルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−オクチル−4−フェノキシチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ドデシルチオフェン、2,5−ジブロモ−3−ドデシル−4−エトキシチオフェン、2,5−ジクロロ−3−ヘキシルチオフェン、2,5−ジクロロ−3,4−ジヘキシルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−オクチルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−オクチル−4−プロピルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−ドデシルチオフェン、2,5−ジクロロ−3−ドデシル−4−メトキシチオフェン、2−ブロモ−3−ブチル−5−クロロチオフェン、2−ブロモ−4−ブチル−5−クロロチオフェン、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−1,4−アニリン、N,N’−ビス(4−クロロフェニル)−N,N’−ビス[4−(1,1−ジメチルエチル)−2,6−ジメチルフェニル]−1,4−アニリン、4,7−ジブロモベンゾ−2,1,3−チアジアゾール、4,7−ジブロモ−5−メチルベンゾ−2,1,3−チアジアゾール、4,7−ジブロモ−5−フェノキシベンゾ−2,1,3−チアジアゾール、4,7−ジクロロベンゾ−2,1,3−チアジアゾール、4,7−ジクロロ−5,6−ジエチルベンゾ−2,1,3−チアジアゾール、4,7−ジクロロ−5−エチル−6−メトキシベンゾ−2,1,3−チアジアゾール、4−ブロモ−7−クロロベンゾ−2,1,3−チアジアゾール、4−ブロモ−5−ブチル−7−クロロベンゾ−2,1,3−チアジアゾール、4−ブロモ−6−ブチル−7−クロロベンゾ−2,1,3−チアジアゾール等が挙げられる。
ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマー、即ち、反応性官能基及びホウ素含有官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマーとしては、例えば、芳香族骨格に反応性官能基及びホウ素含有官能基の両者が結合した芳香族モノマーであり、好ましくは、芳香族骨格に1つの反応性官能基と1つのホウ素含有官能基とが結合した芳香族モノマーである。ここで、芳香族骨格、反応性官能基及びホウ素含有官能基は前記と同じ意味を表す。
反応性官能基及びホウ素含有官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマーとしては、例えば、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−ブロモ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−ブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−ブロモ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−ブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−ブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−ブロモ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−クロロ−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−クロロ−9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(2−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−1,3,2−ジオキサボリナン
2−(2−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(2−クロロ−9,9−ジドデシル−9H−フルオレン−7−イル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−ブロモフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−ブロモフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモ−2−エチル−3−メチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−ブロモ−2,5−ジメチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−ブロモ−2−エトキシ−5−イソプロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−ブロモ−3,6−ジイソプロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−ブロモ−2−エトキシ−5−メトキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモ−2−ブチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモ−2,3−ジプロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−ブロモ−2,5−ジブチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−ブロモ−2,3,5−トリエチルフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−クロロフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−クロロフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロ−2,5−ジメチルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−クロロ−2,3−ジイソプロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(3−ブチル−4−クロロ−5−エトキシフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロ−2−メチル−3−プロピルフェニル)−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロ−2−メトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−クロロ−2−エトキシ−3−メチルフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−(4−クロロ−2−ブトキシフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−(4−クロロ−2,5−ジブトキシフェニル)−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−[4’−ブロモ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−1,3,2−ジオキサボリナン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、2−[4’−クロロ−(1,1’−ビフェニル)]−4−イル−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン等が挙げられる。
本発明の製造方法では、(1)分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、(2)分子内にホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、並びに、(3)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の両者を同一分子内に有する芳香族モノマー以外にも、(4)ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する脂肪族モノマー、(5)反応性官能基を少なくとも2つ有する脂肪族モノマー、(6)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の両者を同一分子内に有する脂肪族モノマー、(7)ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する脂環式モノマー、(8)ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を少なくとも2つ有する脂環式モノマー、(9)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の両者を同一分子内に有する脂環式モノマー、(10)ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する非芳香族性複素環モノマー、(11)ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を少なくとも2つ有する非芳香族性複素環モノマー、(12)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の両者を同一分子内に有する非芳香族性複素環モノマー、又は、それらの組み合わせ等を併用して共役高分子を製造してもよい。
好ましくは、用いられる全モノマーの90mol%以上が、芳香族モノマーであるとよい。
好ましくは、用いられる全モノマーの90mol%以上が、芳香族モノマーであるとよい。
本発明の製造方法においては、用いられるモノマーに含まれるホウ素含有官能基1モルに対して、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)0.9〜1.1モル、好ましくは0.94〜1.06となるように、(1)分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、(2)分子内にホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、並びに、(3)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の両者を同一分子内に有する芳香族モノマー等の量を調整すればよい。
ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーに由来する構造単位とホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を少なくとも2つ有する芳香族モノマーに由来する構造単位とを含み、一部又は全部が共役している高分子(A)、ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の両者を同一分子内に有する芳香族モノマーに由来する構造単位とを含み、一部又は全部が共役している高分子(B)、又は、ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーに由来する構造単位、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を少なくとも2つ有する芳香族モノマーに由来する構造単位と、ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の両者を同一分子内に有する芳香族モノマーに由来する構造単位とを含み、一部又は全部が共役している共役高分子である。
ここで、全部が共役している共役高分子とは、高分子鎖の全長に亘って共役した高分子を意味し、部分が共役している共役高分子とは、共役した部分と共役していない部分との両者を含んだ高分子を意味する。
ここで、全部が共役している共役高分子とは、高分子鎖の全長に亘って共役した高分子を意味し、部分が共役している共役高分子とは、共役した部分と共役していない部分との両者を含んだ高分子を意味する。
本発明で製造される共役高分子は、一定の分子量範囲を有するような高品質な高分子であり、例えば、分子量分布(重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn))として、好ましくは1〜5程度、より好ましくは2〜4程度であるものを挙げることができる。このような高分子のポリスチレン換算での数平均分子量は、10,000〜200,000程度であり、またその重量平均分子量は、好ましくは、100,000〜1000,000程度である。
本発明に用いられる有機溶媒は、通常、用いられる(A)及び(B)の芳香族モノマー(以下、モノマーということがある)を溶解し得る有機溶媒である。好ましくは、ハロゲン原子が置換されていてもよい芳香族炭化水素溶媒、又はエーテル系溶媒である。
芳香族炭化水素溶媒の炭素数は、通常、6〜20、好ましくは6〜12である。具体的には、ベンゼン(蒸発熱:393(J/g))、トルエン(蒸発熱:364(J/g))、o−キシレン(蒸発熱:347(J/g))、m−キシレン(蒸発熱:343(J/g))、p−キシレン(蒸発熱:340(J/g))、エチルベンゼン(蒸発熱:316(J/g))、メシチレン(蒸発熱:290(J/g))、アニソール(蒸発熱:395(J/g))、又はこれらのフッ素置換体等が例示され、好ましくはトルエンである。
エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン(蒸発熱:413(J/g))、テトラヒドロフラン(蒸発熱:485(J/g))、エチレングリコールジメチルエーテル(蒸発熱:349(J/g))、ブチルエーテル(蒸発熱:358(J/g))等が例示され、好ましくはテトラヒドロフランである。
有機溶媒は、得られる共役高分子1gに対して、通常、5〜100ml、好ましくは、10〜50ml用いられる。
芳香族炭化水素溶媒の炭素数は、通常、6〜20、好ましくは6〜12である。具体的には、ベンゼン(蒸発熱:393(J/g))、トルエン(蒸発熱:364(J/g))、o−キシレン(蒸発熱:347(J/g))、m−キシレン(蒸発熱:343(J/g))、p−キシレン(蒸発熱:340(J/g))、エチルベンゼン(蒸発熱:316(J/g))、メシチレン(蒸発熱:290(J/g))、アニソール(蒸発熱:395(J/g))、又はこれらのフッ素置換体等が例示され、好ましくはトルエンである。
エーテル系溶媒としては、1,4−ジオキサン(蒸発熱:413(J/g))、テトラヒドロフラン(蒸発熱:485(J/g))、エチレングリコールジメチルエーテル(蒸発熱:349(J/g))、ブチルエーテル(蒸発熱:358(J/g))等が例示され、好ましくはテトラヒドロフランである。
有機溶媒は、得られる共役高分子1gに対して、通常、5〜100ml、好ましくは、10〜50ml用いられる。
本発明に用いられるアルカリ水溶液は、通常、pKaが9〜13のアルカリ水溶液であり、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩の水溶液;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液;テトラメチルアンモニウムハイドライド、テトラエチルアンモニウムハイドライド等の4級アンモニウム水酸化物の水溶液等が例示される。好ましくは、アルカリ金属炭酸塩の水溶液又は4級アンモニウム水酸化物の水溶液である。
アルカリ水溶液の濃度は、通常、0.1N以上、好ましくは0.2〜2Nである。
アルカリ水溶液における塩基の使用量としては、用いられるホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の数に対して塩基が当量以上、好ましくは1〜3倍当量である。具体例で説明すると、分子内に2個のホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を有する芳香族モノマー1モル(ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の数としては2モル)用いると、無機塩基が炭酸ナトリウムである場合、分子内に2個のナトリウムイオンを有するので、ナトリウムイオン数としては2モル(炭酸ナトリウムとしては1モル)以上、好ましくはナトリウムイオン数として2〜6モル(炭酸ナトリウムとしては1〜3モル)を含む炭酸ナトリウムが用いられる。
アルカリ水溶液における塩基の使用量としては、用いられるホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の数に対して塩基が当量以上、好ましくは1〜3倍当量である。具体例で説明すると、分子内に2個のホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を有する芳香族モノマー1モル(ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の数としては2モル)用いると、無機塩基が炭酸ナトリウムである場合、分子内に2個のナトリウムイオンを有するので、ナトリウムイオン数としては2モル(炭酸ナトリウムとしては1モル)以上、好ましくはナトリウムイオン数として2〜6モル(炭酸ナトリウムとしては1〜3モル)を含む炭酸ナトリウムが用いられる。
本発明に用いられるパラジウム触媒は、パラジウム(0)錯体又はパラジウム(II)塩であり、好ましくはパラジウム(0)錯体が挙げられる。
好ましいパラジウム錯体としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加体、酢酸パラジウム(II)又は塩化パラジウム(II)、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン)ジクロロパラジウム(II)、(2,2’−ビピリジル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)クロロニトロパラジウム(II)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、トランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(N,N,N',N’−テトラメチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)パラジウム(II)、シス−ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリ−o−トルイルホスフィン)パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、臭化パラジウム(II)、パラジウム(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、ヨウ化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、塩化カリウムパラジウム(IV)、臭化カリウムパラジウム(II)、塩化カリウムパラジウム(II)、塩化ナトリウムパラジウム(II)、硝酸テトラアンミンパラジウム(II)、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム(II)テトラフルオロボレート、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(0)等が挙げられ、より好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられる。
好ましいパラジウム錯体としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)クロロホルム付加体、酢酸パラジウム(II)又は塩化パラジウム(II)、(ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン)ジクロロパラジウム(II)、(2,2’−ビピリジル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセテート)ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)クロロニトロパラジウム(II)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、ビス[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]ジクロロパラジウム(II)、トランス−ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ジクロロ(エチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(N,N,N',N’−テトラメチレンジアミン)パラジウム(II)、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)パラジウム(II)、シス−ジクロロビス(ジメチルフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリ−o−トルイルホスフィン)パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、臭化パラジウム(II)、パラジウム(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、ヨウ化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、硫酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、塩化カリウムパラジウム(IV)、臭化カリウムパラジウム(II)、塩化カリウムパラジウム(II)、塩化ナトリウムパラジウム(II)、硝酸テトラアンミンパラジウム(II)、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム(II)テトラフルオロボレート、テトラキス(メチルジフェニルホスフィン)パラジウム(0)等が挙げられ、より好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)が挙げられる。
パラジウム触媒の使用量としては、例えば、モノマー1モルに対して1×10-6モル〜0.1モル等を挙げることができる。好ましくは1×10-5モル〜1×10-2モル、より好ましくは1×10-3モル〜1×10-2モル等が挙げられる。
パラジウム錯体にホスフィンを含まない場合には、以下の配位子を添加することが好ましい。
配位子としては、アルキル基、アリール基、又は、アルキル基及びアリール基の両方を有するホスフィン化合物を挙げることができる。好適な配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−オルト−トリルホスフィン、トリ−メタ−トリルホスフィン、トリ−パラ−トリルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(パラ−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(オルト−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(メタ−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(パラ−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリ(メタ−クロロフェニル)ホスフィン、トリ(パラ−クロロフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−2−フリルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−メチル−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル等が挙げられ、より好ましくはトリフェニルホスフィンが挙げられる。
配位子の使用量としては、例えば、モノマー1モルに対して1×10-6モル〜0.1モル等を挙げることができる。より好ましくは0.01〜0.5モル程度等が挙げられる。
配位子としては、アルキル基、アリール基、又は、アルキル基及びアリール基の両方を有するホスフィン化合物を挙げることができる。好適な配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ−オルト−トリルホスフィン、トリ−メタ−トリルホスフィン、トリ−パラ−トリルホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス(パラ−フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(オルト−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(メタ−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(パラ−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−トリメトキシフェニル)ホスフィン、トリ(メタ−クロロフェニル)ホスフィン、トリ(パラ−クロロフェニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−2−フリルホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−メチル−ビフェニル、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル等が挙げられ、より好ましくはトリフェニルホスフィンが挙げられる。
配位子の使用量としては、例えば、モノマー1モルに対して1×10-6モル〜0.1モル等を挙げることができる。より好ましくは0.01〜0.5モル程度等が挙げられる。
本発明の製造方法において、相間移動触媒を用いてもよい。特に、アルカリ水溶液がアルカリ炭酸塩の水溶液であると、相間移動触媒を使用することが好ましい。
相間移動触媒としては、例えば、4級アンモニウム及びホスホニウム塩、クラウンエーテル、クリプタンド、並びにAdvanced Organic Chemistry、3版、p.320-322 (1992)に記載されているような「三相」触媒等が挙げられる。好ましい相間移動触媒としては、例えば、テトラアルキルハロゲン化アンモニウム、テトラアルキル硫酸水素アンモニウム、又はテトラアルキル水酸化アンモニウム等が挙げられる。
ここで、「アルキル」基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、tert−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基又はn−オクチル基等が挙げられる。「ハロゲン」化物としては、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物等が挙げられ、より好ましくは塩素、臭素等が挙げられる。
相間移動触媒としては、例えば、4級アンモニウム及びホスホニウム塩、クラウンエーテル、クリプタンド、並びにAdvanced Organic Chemistry、3版、p.320-322 (1992)に記載されているような「三相」触媒等が挙げられる。好ましい相間移動触媒としては、例えば、テトラアルキルハロゲン化アンモニウム、テトラアルキル硫酸水素アンモニウム、又はテトラアルキル水酸化アンモニウム等が挙げられる。
ここで、「アルキル」基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、tert−ブチル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基又はn−オクチル基等が挙げられる。「ハロゲン」化物としては、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物等が挙げられ、より好ましくは塩素、臭素等が挙げられる。
より好ましい相間移動触媒としては、例えば、テトラアルキルハロゲン化アンモニウム等が挙げられる。
テトラアルキルハロゲン化アンモニウムにおいて、好適なテトラアルキルハロゲン化アンモニウムとしては、例えば、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、フッ化テトラ−tert−ブチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラ−tert−ブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−tert−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−tert−ブチルアンモニウム、テトラ−n−ペンチルアンモニウムフルオライド、塩化テトラ−n−ペンチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ペンチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ペンチルアンモニウム、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムフルオライド、塩化テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、臭化テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムフルオライド、塩化テトラ−n−ヘプチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ヘプチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ヘプチルアンモニウム、テトラ−n−オクチルアンモニウムフルオライド、塩化テトラ−n−オクチルアンモニウム、臭化テトラ−n−オクチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−オクチルアンモニウム、を挙げることができ、より好ましくはフッ化テトラメチルアンモニウム又はフッ化テトラブチルアンモニウムを挙げることができる。
テトラアルキルハロゲン化アンモニウムにおいて、好適なテトラアルキルハロゲン化アンモニウムとしては、例えば、フッ化テトラメチルアンモニウム、フッ化テトラエチルアンモニウム、フッ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、フッ化テトラ−tert−ブチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化テトラ−tert−ブチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ブチルアンモニウム、臭化テトラ−tert−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ブチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−tert−ブチルアンモニウム、テトラ−n−ペンチルアンモニウムフルオライド、塩化テトラ−n−ペンチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ペンチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ペンチルアンモニウム、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムフルオライド、塩化テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、臭化テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ヘキシルアンモニウム、テトラ−n−ヘプチルアンモニウムフルオライド、塩化テトラ−n−ヘプチルアンモニウム、臭化テトラ−n−ヘプチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−ヘプチルアンモニウム、テトラ−n−オクチルアンモニウムフルオライド、塩化テトラ−n−オクチルアンモニウム、臭化テトラ−n−オクチルアンモニウム、ヨウ化テトラ−n−オクチルアンモニウム、を挙げることができ、より好ましくはフッ化テトラメチルアンモニウム又はフッ化テトラブチルアンモニウムを挙げることができる。
相間移動触媒の使用量としては、例えば、本発明に用いられるモノマー1モルに対して少なくとも0.01モル、好ましくは0.05モル等を挙げることができる。より好ましくは0.5 モル以下、特に好ましくは0.1 モル以下等が挙げられる。
本発明は、下記(A)の芳香族モノマー及び/又は下記(B)の芳香族モノマーと、有機溶媒と、アルカリ水溶液と、パラジウム触媒と、必要に応じて相間移動触媒とを含む混合物を加熱して重合させることにより共役高分子を製造する方法であり、該混合物の合計1g当り、毎分平均、以下の式(F1)で表される熱量Y(J/g)を、該混合物に供給して加熱する工程を含むことを特徴とする共役高分子の製造方法である。
Y ≧ 0.005 × X (F1)
(式(F1)中、Xは前記有機溶媒の蒸発熱(J/g)である。)
値Yとしては、値Xの0.006倍以上であると、本発明の効果を得る上で好ましく、値Xの0.007倍以上であると、さらに好ましい。
値Xとしては、1種類の有機溶媒を用いる場合には、その有機溶媒の蒸発熱(J/g)を採用する。2種類以上の有機溶媒の混合物を用いる場合には、混合溶液での蒸発熱(J/g)を採用する。いずれも、1気圧での値を式(F1)では用いる。
値Xは、汎用の有機溶媒については広く知られているデータを用いることができる。具体的には例えば、トルエンの場合、「化学便覧 改訂5版」(2004年、丸善)のII−259頁に掲載されている蒸発エンタルピーの値(33.5kJ/mol)からトルエンの分子量(92.14)で換算して、値X=364が算出できる。
値Xが広く知られていない有機溶媒については、断熱型熱量計等を用いて、蒸発熱を測定することができる。
また、2種類以上の有機溶媒の混合物についても、断熱型熱量計等を用いて実験的に求めることができる。さらには、「岩波講座 基礎工学8 熱力II」(1969年、岩波)の226頁に記載されてある、混合溶液の相平衡を熱力学的に解析して得られる、クラウジウス−クラペイロンの式によって求めてもよい。
値Yの上限としては特に制限はないが、突沸を避ける等、安全性を確保しやすい熱量の範囲を選ぶことが好ましい。具体的には例えば、値Yが値Xの0.020倍未満であることが好ましく、さらに0.015倍未満であることがより好ましい。
Y ≧ 0.005 × X (F1)
(式(F1)中、Xは前記有機溶媒の蒸発熱(J/g)である。)
値Yとしては、値Xの0.006倍以上であると、本発明の効果を得る上で好ましく、値Xの0.007倍以上であると、さらに好ましい。
値Xとしては、1種類の有機溶媒を用いる場合には、その有機溶媒の蒸発熱(J/g)を採用する。2種類以上の有機溶媒の混合物を用いる場合には、混合溶液での蒸発熱(J/g)を採用する。いずれも、1気圧での値を式(F1)では用いる。
値Xは、汎用の有機溶媒については広く知られているデータを用いることができる。具体的には例えば、トルエンの場合、「化学便覧 改訂5版」(2004年、丸善)のII−259頁に掲載されている蒸発エンタルピーの値(33.5kJ/mol)からトルエンの分子量(92.14)で換算して、値X=364が算出できる。
値Xが広く知られていない有機溶媒については、断熱型熱量計等を用いて、蒸発熱を測定することができる。
また、2種類以上の有機溶媒の混合物についても、断熱型熱量計等を用いて実験的に求めることができる。さらには、「岩波講座 基礎工学8 熱力II」(1969年、岩波)の226頁に記載されてある、混合溶液の相平衡を熱力学的に解析して得られる、クラウジウス−クラペイロンの式によって求めてもよい。
値Yの上限としては特に制限はないが、突沸を避ける等、安全性を確保しやすい熱量の範囲を選ぶことが好ましい。具体的には例えば、値Yが値Xの0.020倍未満であることが好ましく、さらに0.015倍未満であることがより好ましい。
上記工程は、例えば、3〜24時間程度、好ましくは、5〜15時間程度で行えばよい。
上記工程は、重合反応の初期から行ってもよいが、例えば、得られる反応生成物の粘度が0.01Pa・s〜0.1Pa・s(10cp〜100cp)に達したのちに、上記工程を行うことが好ましい。
上記工程は、重合反応の初期から行ってもよいが、例えば、得られる反応生成物の粘度が0.01Pa・s〜0.1Pa・s(10cp〜100cp)に達したのちに、上記工程を行うことが好ましい。
上記工程においては、例えば、反応容器に伝熱媒体を介して熱量を供給して加熱すればよい。伝熱媒体としては、例えば、温水、スチーム、油等が挙げられる。具体的には例えば、反応容器内に具備されたジャケットに、上記ような伝熱媒体を流通させることにより、熱量を供給して加熱する方法等を挙げることができる。また、蒸発した有機溶媒を凝縮させるための装置としては、例えば、熱交換器等の凝縮器が挙げられる。
本発明の製造方法において、必要に応じて、攪拌装置を用いてもよい。用いられる攪拌装置が有する攪拌翼としては、例えば、タービン翼、平板パドル翼、傾斜パドル翼、3枚後退翼、ブルマージン翼、螺旋軸攪拌翼、アンカー翼、プロペラ翼等の汎用の攪拌翼を挙げることができる。また、Logborn(登録商標)等の螺旋状リボン翼、ツインスター(登録商標)翼、フルゾーン(登録商標)翼、マックスブレンド(登録商標)翼、ウィングスター(登録商標)翼等の攪拌翼等も挙げられる。
本発明の具体的な製造方法を以下に例示する。
まず、ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーと、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を少なくとも2つ有する芳香族モノマーと、有機溶媒と、必要に応じて、相間移動触媒とを含む混合物を調製する。該混合物には、ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の両者を同一分子内に有する芳香族モノマーを混合させてもよい。また、モノマー、相間移動触媒は使用量を全部、混合して用いてもよいし、加熱中に徐々に又は間欠的に混合させてもよい。
次いで、パラジウム触媒を失活させないために反応容器を窒素等の不活性ガスで十分に置換したのち、還流しない程度、具体的には、有機溶媒がトルエンであれば、50〜90℃程度に加熱する。
まず、ホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマーと、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を少なくとも2つ有する芳香族モノマーと、有機溶媒と、必要に応じて、相間移動触媒とを含む混合物を調製する。該混合物には、ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)の両者を同一分子内に有する芳香族モノマーを混合させてもよい。また、モノマー、相間移動触媒は使用量を全部、混合して用いてもよいし、加熱中に徐々に又は間欠的に混合させてもよい。
次いで、パラジウム触媒を失活させないために反応容器を窒素等の不活性ガスで十分に置換したのち、還流しない程度、具体的には、有機溶媒がトルエンであれば、50〜90℃程度に加熱する。
続いて、アルカリ水溶液及びパラジウム触媒を混合して加熱する。アルカリ水溶液及びパラジウム触媒は、徐々に又は間欠的に混合させる。
次に、前記芳香族モノマーの合計1g当り、前記所定の熱量以上を供給して加熱する工程を行う。
所望の分子量に達するか、分子量の増加が見られなくなると、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)が過剰であればフェニルボロン酸(C6H5B(OH)2)等ホウ素含有官能基を1つ有する芳香族モノマーを混合させて、過剰のホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を失活させて反応を停止させる。また、ホウ素含有官能基が過剰であればブロモベンゼン等のホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を1つ有する芳香族モノマーを混合させて、過剰のホウ素含有官能基を失活させて反応を停止させる。
次に、前記芳香族モノマーの合計1g当り、前記所定の熱量以上を供給して加熱する工程を行う。
所望の分子量に達するか、分子量の増加が見られなくなると、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)が過剰であればフェニルボロン酸(C6H5B(OH)2)等ホウ素含有官能基を1つ有する芳香族モノマーを混合させて、過剰のホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を失活させて反応を停止させる。また、ホウ素含有官能基が過剰であればブロモベンゼン等のホウ素含有官能基と反応し得る官能基(即ち、反応性官能基)を1つ有する芳香族モノマーを混合させて、過剰のホウ素含有官能基を失活させて反応を停止させる。
失活させる際には、上記工程と同程度の熱量を供給しながら10〜20時間程度攪拌すればよい。
重合反応を停止させたのち、パラジウム触媒をキレート剤で除去し、ゴミとりの濾過をした後、そのままフィルム化に供してもよいし、水、メタノール等の貧溶媒を加えて、ケーキとして共役高分子を取り出してもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明が実施例により何ら限定されるものでないことは言うまでもない。実施例、比較例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、重量%及び重量部である。
本発明で分子量測定は以下のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による試験結果である。
Column :PLgel 10μm MIXED-B (Polymer Laboratories社製、φ300mm×7.5mm)
移動相 :テトラヒドロフラン(100%)
移動相流量:2.0 mL/min リファレンス側:0.5 mL/min
GPC装置:HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
Column :PLgel 10μm MIXED-B (Polymer Laboratories社製、φ300mm×7.5mm)
移動相 :テトラヒドロフラン(100%)
移動相流量:2.0 mL/min リファレンス側:0.5 mL/min
GPC装置:HLC-8220GPC(東ソー(株)製)
[実施例1]
凝縮器を具備した反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス−1,3,2−ジオキサボロラン(2,2'-(9,9-dioctyl-9H-fluorene-2,7-diyl)bis-1,3,2-dioxaborolane、以下、化合物(1)と記すことがある) 49 .3g (93 mmol)、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(4,7-dibromo-2,1,3-benzothiadiazole、以下、化合物(2)と記すことがある。)25.2g (86mmol)、4,7−ビス(5−ブロモ−4−メチル−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(4,7-Bis (5-bromo-4-methyl-2-thienyl)-2,1,3-benzothiadiazole、以下、化合物(3)と記すことがある。)8.3g (17mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド 16.8g (41mmol)、トルエン0.73 kgを混合したのち、窒素バブリングによる溶液脱気を行った。得られた混合物を90℃まで昇温したのち、これにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.072g (0.1mmol)をトルエンとともに加えて加熱し、17.5%炭酸ナトリウム水溶液199g (329mmol)を15分間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を穏やかな還流下で約4時間保温し、一旦冷却した。
上述の反応マスに、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス−1,3,2−ジオキサボロラン(2,2'-(9,9-dihexyl-9H-fluorene-2,7-diyl)bis-1,3,2-dioxaborolane、以下、化合物(4)と記すことがある。) 117.9 g (249 mmol)、2,7−ジブロモ−9、9−ジ−n−ヘキシル−9H−フルオレン(2,7-dibromo-9,9-di-n-hexyl-9H-fluorene、以下、化合物(5)と記すことがある)67.7g (137mmol)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−4−(1−メチルプロピル)アニリン(N,N-bis (4-bromophenyl)-4-(1-methylpropyl)-aniline、以下、化合物(6)と記すことがある。)45.6g (99mmol)、3,7−ジブロモ−10−(4−ブチルフェニル)フェノキサジン(3,7-dibromo-10-(4-butylphenyl)phenoxazine)、以下、化合物(7)と記すことがある。)1.6g (3.4mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド 29.7g (73mmol)、トルエン1.2 kgを加えてから、窒素雰囲気下、続いて84℃まで昇温したのち、当該混合物に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.078g (0.1mmol)をトルエンとともに加えて加熱し、還流しながら17.5%炭酸ナトリウム水溶液581g (960mmol)を1時間かけて滴下した。還流している間のオイルバスによる供給熱量は2.64J/(g・min)とした。尚、この間の反応溶液の温度(還流温度)は85℃であり、気泡が生じる激しい沸騰状態であった。塩基滴下後、得られた混合物を更に約4時間反応させた。
その後、化合物(4)0.74g(1.6mmol)を2回に分割して追加仕込みすることで、分子量の調整を行った。
この間のオイルバスによる供給熱量は2.64J/(g・min)とした。尚、この間の反応溶液は、気泡が生じる激しい沸騰状態であった。因みに、トルエンの蒸発熱は364J/gであることから、Xは364となる。式(F1)により算出される熱量Y(J/g)は1.82以上であり、この間に供給された熱量は当該数値を上回るものである。
最後の化合物(4)を加えてから6.3時間後の生成高分子のMn(数平均分子量)は109000、Mw(重量平均分子量)は519000、であった。6.8時間後の生成高分子のMn(数平均分子量)は109000、Mw(重量平均分子量)は521000であった。
続いて、ポリマー末端封止をするために、反応マスにフェニルボロン酸4.2g(34mmol)をトルエンとともに加え、得られた混合物を14時間、84℃程度に保ちながら攪拌した。
得られた反応マスを後処理、水洗分液して共役高分子を含むトルエン溶液を得た。
凝縮器を具備した反応容器に、2,2’−(9,9−ジオクチル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス−1,3,2−ジオキサボロラン(2,2'-(9,9-dioctyl-9H-fluorene-2,7-diyl)bis-1,3,2-dioxaborolane、以下、化合物(1)と記すことがある) 49 .3g (93 mmol)、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(4,7-dibromo-2,1,3-benzothiadiazole、以下、化合物(2)と記すことがある。)25.2g (86mmol)、4,7−ビス(5−ブロモ−4−メチル−2−チエニル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(4,7-Bis (5-bromo-4-methyl-2-thienyl)-2,1,3-benzothiadiazole、以下、化合物(3)と記すことがある。)8.3g (17mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド 16.8g (41mmol)、トルエン0.73 kgを混合したのち、窒素バブリングによる溶液脱気を行った。得られた混合物を90℃まで昇温したのち、これにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.072g (0.1mmol)をトルエンとともに加えて加熱し、17.5%炭酸ナトリウム水溶液199g (329mmol)を15分間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を穏やかな還流下で約4時間保温し、一旦冷却した。
上述の反応マスに、2,2’−(9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2,7−ジイル)ビス−1,3,2−ジオキサボロラン(2,2'-(9,9-dihexyl-9H-fluorene-2,7-diyl)bis-1,3,2-dioxaborolane、以下、化合物(4)と記すことがある。) 117.9 g (249 mmol)、2,7−ジブロモ−9、9−ジ−n−ヘキシル−9H−フルオレン(2,7-dibromo-9,9-di-n-hexyl-9H-fluorene、以下、化合物(5)と記すことがある)67.7g (137mmol)、N,N−ビス(4−ブロモフェニル)−4−(1−メチルプロピル)アニリン(N,N-bis (4-bromophenyl)-4-(1-methylpropyl)-aniline、以下、化合物(6)と記すことがある。)45.6g (99mmol)、3,7−ジブロモ−10−(4−ブチルフェニル)フェノキサジン(3,7-dibromo-10-(4-butylphenyl)phenoxazine)、以下、化合物(7)と記すことがある。)1.6g (3.4mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド 29.7g (73mmol)、トルエン1.2 kgを加えてから、窒素雰囲気下、続いて84℃まで昇温したのち、当該混合物に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.078g (0.1mmol)をトルエンとともに加えて加熱し、還流しながら17.5%炭酸ナトリウム水溶液581g (960mmol)を1時間かけて滴下した。還流している間のオイルバスによる供給熱量は2.64J/(g・min)とした。尚、この間の反応溶液の温度(還流温度)は85℃であり、気泡が生じる激しい沸騰状態であった。塩基滴下後、得られた混合物を更に約4時間反応させた。
その後、化合物(4)0.74g(1.6mmol)を2回に分割して追加仕込みすることで、分子量の調整を行った。
この間のオイルバスによる供給熱量は2.64J/(g・min)とした。尚、この間の反応溶液は、気泡が生じる激しい沸騰状態であった。因みに、トルエンの蒸発熱は364J/gであることから、Xは364となる。式(F1)により算出される熱量Y(J/g)は1.82以上であり、この間に供給された熱量は当該数値を上回るものである。
最後の化合物(4)を加えてから6.3時間後の生成高分子のMn(数平均分子量)は109000、Mw(重量平均分子量)は519000、であった。6.8時間後の生成高分子のMn(数平均分子量)は109000、Mw(重量平均分子量)は521000であった。
続いて、ポリマー末端封止をするために、反応マスにフェニルボロン酸4.2g(34mmol)をトルエンとともに加え、得られた混合物を14時間、84℃程度に保ちながら攪拌した。
得られた反応マスを後処理、水洗分液して共役高分子を含むトルエン溶液を得た。
[比較例1]
凝縮器を具備したガラス反応容器に、化合物(1) 57.7 g (109 mmol)、化合物(2)29.3g (100mmol)、化合物(3)9.7g (20mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド 19.6g (48mmol)、トルエン0.85 kgを混合したのち、窒素バブリングによる溶液脱気を行った。得られた混合物を、続いて90℃まで昇温したのち、これにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.084g (0.1mmol)をトルエンとともに加えて加熱し、次いで17.5%炭酸ナトリウム水溶液232g (383mmol)を15分間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を穏やかな還流下で約4時間保温してから、一旦冷却した。
上述の反応マスに、化合物(4) 137.5 g (290 mmol)、化合物(5)79.9g (162mmol)、化合物(6)53.2g (116mmol)、化合物(7)1.9g (4.0mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド 34.7g (86mmol)、トルエン1.4 kgを加えてから、もう一度脱気を行った。続いて84℃まで昇温したのち、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.091g (0.1mmol)をトルエンとともに加えて加熱し、還流しながら17.5%炭酸ナトリウム水溶液678g (1120mmol)を1時間かけて滴下した。還流している間の供給熱量は1.63J/(g・min)とした。尚、この間の反応溶液の温度(還流温度)は85℃であり、気泡が生じる激しい沸騰状態ではなかった。塩基滴下後、得られた混合物を更に約4時間反応させた。
その後、化合物(4)0.81g(1.7mmol)を2回に分割して追加仕込みすることで、分子量の調整を行った。
尚、この間のオイルバスによる供給熱量は1.63J/(g・min)とした。因みに、トルエンの蒸発熱は364J/gであることから、Xは364となる。式(F1)により算出される熱量Y(J/g)は1.82以上であり、この間に供給された熱量は当該数値を下回るものである。
最後の化合物(4)を加えてから7時間後の生成高分子のMn(数平均分子量)がは87000、Mwは483000、7.5時間後の生成高分子のMnは103000、Mwは462000であった。
実施例1よりも重合反応を長時間行っているにも関わらず、生成高分子は一定の分子量範囲を有しておらず、所望の高品質な生成高分子を得ることができなかった。
凝縮器を具備したガラス反応容器に、化合物(1) 57.7 g (109 mmol)、化合物(2)29.3g (100mmol)、化合物(3)9.7g (20mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド 19.6g (48mmol)、トルエン0.85 kgを混合したのち、窒素バブリングによる溶液脱気を行った。得られた混合物を、続いて90℃まで昇温したのち、これにジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.084g (0.1mmol)をトルエンとともに加えて加熱し、次いで17.5%炭酸ナトリウム水溶液232g (383mmol)を15分間かけて滴下した。滴下終了後、得られた混合物を穏やかな還流下で約4時間保温してから、一旦冷却した。
上述の反応マスに、化合物(4) 137.5 g (290 mmol)、化合物(5)79.9g (162mmol)、化合物(6)53.2g (116mmol)、化合物(7)1.9g (4.0mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド 34.7g (86mmol)、トルエン1.4 kgを加えてから、もう一度脱気を行った。続いて84℃まで昇温したのち、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)0.091g (0.1mmol)をトルエンとともに加えて加熱し、還流しながら17.5%炭酸ナトリウム水溶液678g (1120mmol)を1時間かけて滴下した。還流している間の供給熱量は1.63J/(g・min)とした。尚、この間の反応溶液の温度(還流温度)は85℃であり、気泡が生じる激しい沸騰状態ではなかった。塩基滴下後、得られた混合物を更に約4時間反応させた。
その後、化合物(4)0.81g(1.7mmol)を2回に分割して追加仕込みすることで、分子量の調整を行った。
尚、この間のオイルバスによる供給熱量は1.63J/(g・min)とした。因みに、トルエンの蒸発熱は364J/gであることから、Xは364となる。式(F1)により算出される熱量Y(J/g)は1.82以上であり、この間に供給された熱量は当該数値を下回るものである。
最後の化合物(4)を加えてから7時間後の生成高分子のMn(数平均分子量)がは87000、Mwは483000、7.5時間後の生成高分子のMnは103000、Mwは462000であった。
実施例1よりも重合反応を長時間行っているにも関わらず、生成高分子は一定の分子量範囲を有しておらず、所望の高品質な生成高分子を得ることができなかった。
本発明の製造方法によれば、一定の分子量範囲を有する高分子を簡便に製造することができる。
Claims (4)
- 下記(A)の芳香族モノマー及び/又は下記(B)の芳香族モノマーと、有機溶媒と、アルカリ水溶液と、パラジウム触媒とを含む混合物を加熱して重合させることにより共役高分子を製造する方法であり、該混合物の合計1g当り、毎分平均、以下の式(F1)で表される熱量Y(J/g)を、該混合物に供給して加熱する工程を含むことを特徴とする共役高分子の製造方法。
Y ≧ 0.005 × X (F1)
(式(F1)中、Xは前記有機溶媒の蒸発熱(J/g)である。)
(A)分子内にホウ素含有官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー、及び、分子内にホウ素含有官能基と反応し得る官能基を少なくとも2つ有する芳香族モノマー
(B)ホウ素含有官能基、及び、ホウ素含有官能基と反応し得る官能基の両者を同一分子内に有する芳香族モノマー - 該有機溶媒が、芳香族炭化水素溶媒であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 該ホウ素含有官能基が、ボロン酸基、炭素数1〜12のボロン酸エステル基、炭素数1〜12のジアルキルボラン基及びトリフルオロボレート基からなる群から選ばれる少なくとも1種のホウ素含有官能基であることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
- 該ホウ素含有官能基と反応し得る官能基が、ハロゲン原子、トリフルオロメタンスルホニル基、4−メチルベンゼン−1−スルホナート基、又はメタンスルホニル基であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
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JP2008331148A JP2010150418A (ja) | 2008-12-25 | 2008-12-25 | 共役高分子の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013065855A1 (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-10 | 三菱化学株式会社 | 共役高分子の製造方法、共役高分子、光電変換素子、太陽電池、及び太陽電池モジュール |
JP2015505868A (ja) * | 2012-02-06 | 2015-02-26 | エルジー・ケム・リミテッド | 重合体およびこれを含む有機太陽電池 |
-
2008
- 2008-12-25 JP JP2008331148A patent/JP2010150418A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2013065855A1 (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-10 | 三菱化学株式会社 | 共役高分子の製造方法、共役高分子、光電変換素子、太陽電池、及び太陽電池モジュール |
CN103917575A (zh) * | 2011-11-02 | 2014-07-09 | 三菱化学株式会社 | 共轭高分子的制造方法、共轭高分子、光电转换元件、太阳能电池以及太阳能电池模块 |
JPWO2013065855A1 (ja) * | 2011-11-02 | 2015-04-02 | 三菱化学株式会社 | 共役高分子の製造方法、共役高分子、光電変換素子、太陽電池、及び太陽電池モジュール |
US9166073B2 (en) | 2011-11-02 | 2015-10-20 | Mitsubishi Chemical Corporation | Method for producing conjugated polymer, conjugated polymer, photoelectric conversion element, solar cell, and solar cell module |
JP2015505868A (ja) * | 2012-02-06 | 2015-02-26 | エルジー・ケム・リミテッド | 重合体およびこれを含む有機太陽電池 |
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