JP2010149231A - 切削工具及び切削工具の研磨方法 - Google Patents

切削工具及び切削工具の研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】チップの再研磨を容易に且つ短時間に行うことが可能であり、刃先寿命をより向上させることができるとともに再研磨の作業時間をより効率化することができる切削工具、及び切削工具の研磨方法を提供する。
【解決手段】カッターボディ10の先端部の外周面には、カッター回転軸CZに直交する方向に複数の支軸30が設けられている。チップCBは、各支軸に取り付けられ、カッター回転軸方向に突出しており、支軸回りに揺動可能であり、支軸の周囲の規制部12(20A、20C)にて揺動範囲が規制されている。チップCBは、カッターボディを正転方向に回転させた場合、揺動範囲の一端である第1規制位置に保持されてワークWを切削可能であり、カッターボディを逆転方向に回転させた場合、揺動範囲の他端である第2規制位置に保持されて刃先C1の逃げ面MN1をカッター回転軸に直交する直交面と一致させることが可能な構造を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、いわゆるフライス型の切削工具、及び当該切削工具の研磨方法に関する。
従来より、切削工具として、平面の高能率除去加工には、いわゆるフライス工具が一般的に用いられている。
切削工具には、高速度鋼の材質で本体と刃先が一体の工具(図4(A)、(B)参照)や、後述する特許文献に開示されているように刃先が交換可能な構成で、刃先の材質として超硬合金やサーメットを用いたスローアウェイチップ(以降、スローアウェイチップをチップと記載する)が取り付けられている工具がある。なお、刃先は図4(C)に示すように、粗切削や仕上げ切削等、目的とする切削に合致するすくい角θS及び逃げ角θNとなるように、すくい面MS及び逃げ面MNの傾斜角が設定されている。
これらの工具において、刃先が磨耗したり欠けたりした場合は、刃先が一体型の切削工具(以降、刃先一体型切削工具と記載する)では該当する刃先が再研磨され、チップが用いられている切削工具(以降、刃先交換型切削工具と記載する)では該当するチップが交換されている。
また、交換時間の短縮や自動化を目的として工具自動交換装置を用いた場合、加工装置の価格が大幅に上昇してしまう。
そこで、特許文献1に記載された従来技術は、刃先交換型切削工具において、チップを切削工具から取り外すことなく再研磨できるものであって、作業者がチップと工具本体との間にスペーサを挟んでそれぞれのチップの逃げ角がゼロとなるように変更して(同時にすくい角も変更される)、それぞれのチップの逃げ面が同一平面上となるようにして、更に切削工具を切削時とは逆方向に回転させることで逃げ面を再研磨できる、刃先交換型切削工具が開示されている。
また、特許文献2に記載された従来技術では、チップを突出方向に進退させる機構を備え、チップの再研削代または再研削回数を増やすことにより、チップを有効利用して、チップの寿命をより向上させることができる、スローアウェイ式切削工具が開示されている。
特開2000−254813号公報 特開2005−81458号公報
特許文献1に記載された従来技術は、刃先交換型切削工具において、チップを切削工具から取り外すことなく再研磨することで、チップの寿命を延ばすことができる。しかし、チップのそれぞれを取り外す必要はないが、それぞれのチップの逃げ角を変更するために、作業者がそれぞれのチップと工具本体との間にスペーサを挿入しなければならないので、非常に手間と時間がかかる。
また、特許文献2に記載された従来技術では、チップを研削して突出量が少なくなった場合に、チップのそれぞれに隣接して設けられてチップの突出量を決める拘束部材を、1個ずつ交換または位置変更(ネジの締め付け)する必要があるので、チップの寿命をより向上させることができるが、非常に手間がかかる。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、複数のチップを用いた刃先交換型の切削工具において、チップの再研磨を容易に且つ短時間に行うことが可能であり、刃先寿命をより向上させることができるとともに再研磨の作業時間をより効率化することができる切削工具、及び切削工具の研磨方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの切削工具である。
請求項1に記載の切削工具は、カッター回転軸回りに回転可能なカッターボディと、前記カッターボディにおける前記カッター回転軸方向の先端部に設けられた刃である複数のチップと、を備えた切削工具である。
前記カッターボディの先端部には、複数の前記チップのそれぞれに対応させた複数の支軸が設けられており、前記チップのそれぞれは、それぞれの前記支軸に取り付けられて取り付けられた支軸回りに揺動自在であるとともに、前記カッターボディよりも前記チップの一部が突出しており、前記支軸回りに揺動自在に支持したチップの揺動範囲は、前記支軸の周囲に設けられた規制部材にて、前記揺動範囲の一方の端である第1規制位置から、前記揺動範囲の他方の端である第2規制位置までに規制されている。
更に、前記チップを前記第1規制位置に保持可能な状態と、前記チップを前記第2規制位置に保持可能な状態と、を切替え可能な切替え手段を備え、前記切替え手段を第1の設定状態に設定し、切削対象のワークを前記チップに当接させると、全ての前記チップが前記第1規制位置に自動的に保持されて前記チップにて前記ワークを切削可能となり、前記切替え手段を第2の設定状態に設定し、前記チップを研磨可能な研磨面を前記チップに当接させると、全ての前記チップが前記第2規制位置に自動的に保持されて前記研磨面にて前記チップを研磨可能となる。
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりの切削工具である。
請求項2に記載の切削工具は、カッター回転軸回りに回転可能なカッターボディと、前記カッターボディにおける前記カッター回転軸方向の先端部に設けられた刃である複数のチップと、を備えた切削工具である。
前記カッターボディの先端部には、複数の前記チップのそれぞれに対応させた複数の支軸が、前記カッターボディの外周面に、前記カッター回転軸に直交する方向に設けられており、前記チップのそれぞれは、それぞれの前記支軸に取り付けられて前記カッターボディよりも前記チップの一部が前記カッター回転軸方向に突出しており、取り付けられた支軸回りに揺動可能であるとともに、それぞれの前記支軸の周囲における前記カッターボディに設けられたそれぞれの規制部にて揺動範囲が規制されている。
そして前記チップのそれぞれは、前記カッターボディを一方の方向である正転方向に回転させた場合は、前記揺動範囲の一方の端である第1規制位置に保持された状態で前記カッターボディよりも突出する位置に設けられた刃先で切削対象のワークを切削可能であり、前記カッターボディを前記一方の方向と反対の方向である逆転方向に回転させた場合は、前記揺動範囲の他方の端である第2規制位置に保持された状態で、それぞれの前記刃先の逃げ面を前記カッター回転軸に直交する直交面と一致させることが可能な構造を有する。
また、本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりの切削工具の研磨方法である。
請求項3に記載の切削工具の研磨方法は、請求項1または2に記載の切削工具を用いて前記チップのそれぞれを研磨する切削工具の研磨方法であって、前記カッターボディを、切削対象のワークを切削する場合の回転方向である正転方向とは反対の逆転方向に回転させ、前記カッター回転軸に直交する研磨面を前記カッター回転軸方向から前記チップに押し付けて、前記カッター回転軸に直交する直交面と一致させた前記逃げ面のそれぞれを同時に研磨する、切削工具の研磨方法である。
また、本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりの切削工具である。
請求項4に記載の切削工具は、請求項1または2に記載の切削工具であって、前記規制部のそれぞれには、前記チップのそれぞれを前記第1規制位置に保持する弾性力を有する弾性部材が設けられており、前記弾性力が付与されている方向は、前記チップが前記第1規制位置に向かって揺動する方向である。
また、本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりの切削工具である。
請求項5に記載の切削工具は、請求項4に記載の切削工具であって、前記弾性力の大きさは、前記カッターボディを、切削対象のワークを切削する場合の回転方向である正転方向とは反対の逆転方向に回転させて前記カッター回転軸に直交する研磨面を、前記カッター回転軸方向から前記逃げ面に押し付けて研磨する際に、前記研磨面を押し付ける力と、前記研磨による研磨抵抗の力と、によって前記チップが前記第2規制位置に向かって揺動する方向に付与される力よりも小さな力に設定されている。
また、本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの切削工具である。
請求項6に記載の切削工具は、請求項1または2に記載の切削工具であって、前記規制部のそれぞれには、前記チップのそれぞれを前記第1規制位置に保持するエアを噴出するエア噴出口が設けられており、前記エアが噴出される方向は、前記チップが前記第1規制位置を向かって揺動する方向である。
請求項1に記載の切削工具を用いれば、切替え手段を第1の設定状態にしてワークをチップに当接させると、全てのチップを自動的に第1規制位置とすることができる。また、切替え手段を第2の設定状態にして研磨面をチップに当接させると、全てのチップを自動的に第2規制位置とすることができる。
このように、チップの再研磨を容易に且つ短時間に行うことが可能であり、刃先寿命をより向上させることができるとともに再研磨の作業時間をより効率化することができる。
請求項2に記載の切削工具を用いれば、フライス型の刃先交換型切削工具において、ワークを切削する場合は切削工具を正転方向に回転させればよく、チップを研磨する場合は切削工具を逆転方向に回転させて、それぞれのチップの逃げ面を直交面と一致させることができる。それぞれのチップの逃げ面を同一平面上にすることができれば、研磨は容易である。
このように、チップを研磨するために、作業者がチップを1個ずつ調整等する必要がなく、再研磨の作業時間をより効率化することができる。
また、請求項3に記載の切削工具の研磨方法によれば、同一平面上に配置したそれぞれのチップの逃げ面を、まとめて同時に研磨することができる。
これにより、刃先寿命をより向上させることができるとともに再研磨の作業時間をより効率化することができる。
また、請求項4に記載の切削工具によれば、例えば図4(B)のAA部に示すように、チップが一旦ワークから離間した後、再度ワークに切り込むような場合であっても、ワークから離間した際のチップが揺動範囲内でふらつくことを回避し、第1規制位置に保持することができるので、チップがワークから離間した後、再度ワークに切り込む際、適切なすくい角で切り込むことができる。
また、請求項5に記載の切削工具では、弾性力が大きすぎるとチップを第2規制位置に揺動させることが困難となるため、弾性力の大きさを適切に設定している。
これにより、切削工具を逆転方向に回転させてチップを研磨する際にチップを第2規制位置へと揺動させることが容易となる。
また、請求項6に記載の切削工具によれば、エアの圧力によってチップを第1規制位置に保持することができる。
このため、例えば図4(B)のAA部に示すように、チップが一旦ワークから離間した後、再度ワークに切り込むような場合であっても、ワークから離間した際のチップが揺動範囲内でふらつくことを回避し、第1規制位置に保持することができるので、チップがワークから離間した後、再度ワークに切り込む際、適切なすくい角で切り込むことができる。なお、逆転方向に回転させてチップを研磨する場合はエアの噴出を停止すればよい。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の切削工具1の一実施の形態における側面図の例を示している。なお、本実施の形態にて説明する切削工具1は、全てフライス型の刃先交換型切削工具である。
なお、図4(A)〜(C)に従来の刃先が一体型の切削工具100(この場合、ワークWの平面を切削するフライス工具)の例を示す。図4(A)はワークWの平面を切削している切削工具100の側面図の例を示しており、図4(A)のA方向から見た図が図4(B)である。また図4(C)は、図4(A)における刃先BRの拡大図である。切削工具100はカッター回転軸CZ回りに回転しながらX軸方向に移動してワークWの平面を切削加工する。なお、一体型の切削工具100では、磨耗した刃先を研磨する場合、それぞれの刃先のすくい面MSまたは逃げ面MNを1つずつ研磨しており、非常に手間がかかっている。
●[チップの形状が略四角形の切削工具1の例(図1)]
図1を用いて、チップCBが略四角形の場合のフライス型の切削工具1について説明する。図1(A)は切削工具1を正転方向に回転させて複数のチップCBの刃先C1にてワークWを切削する様子を示しており、図1(B)は切削工具1を逆転方向に回転させて複数のチップCBの逃げ面MN1を同一平面上に設定し、砥石Tの研磨面にて同時に研磨する様子を示している。
切削工具1は、カッター回転軸CZ回りに回転可能な略円柱状(または略円筒状)のカッターボディ10と、カッターボディ10におけるカッター回転軸CZ方向の先端部に設けられて支軸30回りに揺動可能な複数のチップCBと、チップCBの周囲に設けられてチップCBの揺動範囲を規制する規制部12とで構成されている。
カッターボディ10におけるカッター回転軸CZ方向の先端部には、複数のチップCBのそれぞれに対応させた複数の支軸30が設けられている。図1〜図3に示すフライス型の切削工具1では、支軸30のそれぞれは、カッターボディ10の外周面に、カッター回転軸CZに直交する方向に設けられている。
チップCBのそれぞれは、それぞれの支軸30に取り付けられており、図1〜図3に示すフライス型の切削工具1では、各チップCBはカッターボディ10よりもカッター回転軸CZ方向に一部が突出しており、取り付けられた支軸30回りに揺動自在である。また、チップCBには、すくい面MS1と逃げ面MN1にて、刃先C1が形成されている。
カッターボディ10における各支軸30の周囲には、支軸30に取り付けられたチップCBの揺動範囲を規制する規制部12が設けられている。
ここで、図1(A)に示すようにA方向から見て右回りを正転方向の回転とし、図1(B)に示すようにA方向から見て左回りを逆転方向の回転とする。
図1(A)に示すように、切削工具1を正転方向に回転させてチップCBをワークWに当接させると、チップCBの外周面の一部が規制部12に形成された第1規制面20A、20Bにて支持され、チップCBは第1規制位置に保持される。なお、第1規制位置は、図1(A)に示すチップCBの位置であり、チップCBの揺動範囲の一方の端となる位置である。そして図1(A)の例では、チップCBは、約±0度のすくい角を有する刃先C1にて切削加工する切削工具1となる(刃先C1がカッター回転軸CZ方向に最も突出する)。
また、チップCBは、ピンPを介して付与される弾性力にて、揺動範囲の一方の端となる第1規制位置に押し付けられている。
規制部12には穴部PHが形成されており、穴部PHにはピンP及び弾性部材PSが収容されている。そして弾性部材PSの付勢力(弾性力)の方向は、図1(A)に示すように、チップCBが第1規制位置に向かって揺動する方向である。
穴部PH、ピンP、弾性部材PSは省略することも可能であるが、図1(A)、(B)に示すように、これらを有する場合、ピンPによって付与される弾性力にて、チップCBを第1規制位置に保持するので、例えば図4(B)のAA部に示すように、チップが一旦ワークから離間した後、再度ワークに切り込むような場合、ワークから離間した際のチップが揺動範囲内でふらつくことを回避し、チップCBを第1規制位置に保持することができるので、再度ワークに切り込む際、適切なすくい角で切り込むことができる。
なお、穴部PH、ピンP、弾性部材PSを省略した場合、カッターボディ10の回転速度の加速中(速度が増加中)であれば、チップCBを第1規制位置に保持することができ、カッターボディ10の回転速度の減速中(速度が減衰中)であれば、チップCBを第2規制位置に保持することができる。
ピンPにてチップCBを第1規制位置に保持する構成を有する場合、チップCBがワークWや砥石Tから離間している状態では、切削工具1を逆転方向に回転させてもチップCBを第2規制位置まで揺動させることはできない。ただし、逆転方向に回転させることで、チップCBの外周面の一部が規制部12に形成された第2規制面20Cにて支持されてチップCBを第2規制位置に保持することが可能な状態へとすることができる。
ここで、更に、逆転方向に回転させた切削工具1に、カッター回転軸CZに直交する面(研磨面)を有する砥石Tをカッター回転軸CZ方向から押し付けると、図1(B)に示すように、チップCBは第2規制位置に揺動して保持される。チップCBを第2規制位置に保持すると、各チップCBの逃げ角がゼロとなるようにチップCBの形状が設定されており、逃げ面MN1を、カッター回転軸CZに直交する直交面と一致させることが可能となる(各チップCBの逃げ面MN1を、全て研磨面と一致させることが可能となる)。
なお、ピンPを介してチップCBに付与される弾性力の大きさは、研磨面をチップCBに押し付ける力と、研磨面上を逆転方向に回転させてチップCBを研磨する研磨抵抗の力と、によってチップCBが支軸30回りに第2規制位置に向かって揺動する方向に付与される力(ピンPを穴部PHに押し込む方向の力)よりも小さな力に設定されている。なお、第2規制位置は、図1(B)に示すチップCBの位置であり、チップCBの揺動範囲の他方の端となる位置である。
このように、作業者がチップCBを1個ずつ調整する必要がなく、切削工具1の回転方向を変更する(切替え手段に相当)だけで、チップCBの角度を、ワークを切削するための角度と、チップCBを研磨するための角度と、に容易に変更することができる切削工具1を実現することができる。
切削工具1を正転方向に回転させてワークWをチップに当接させると、全てのチップCBが第1規制位置に自動的に保持されてワークWを切削可能となる。
切削工具1を逆転方向に回転させて研磨面をチップに当接させると、全てのチップCBが第2規制位置に自動的に保持されて全てのチップを同時に研磨可能となる。
また研磨の際、チップCBを1個ずつ研磨するのでなく、全部のチップCBをまとめて同時に研磨することができるので、研磨時間も大幅に短縮することができる。
●[チップの形状が略四角形の場合における、チップCBの他の形状と規制部12の他の形状の例(図2)]
次に、図2(A)、(B)を用いて、チップの形状が略四角形の場合における、チップCBの他の形状と規制部12の他の形状の例について説明する。
図2(A)は、ピンPを支軸30に対してワークWと反対の側に設けた場合の正転時と逆転時の状態の例を示しており、図2(B)は、ピンPを支軸30に対してワークWと同じ側に設けた場合の正転時と逆転時の状態の例を示している。どちらも正転時のチップCBの位置が第1規制位置であり、逆転時のチップCBの位置が第2規制位置であり、この第1規制位置と第2規制位置の間でチップCBは揺動する。
図2(A)の左図、及び図2(B)の左図に示すように、正転時では、チップCBが第1規制位置に向かって揺動する方向と同じ方向に、弾性部材PSの弾性力がピンPを介してチップCBに付与される。
チップCBの外周面の一部は、第1規制面20A、20Bに支持され、チップCBは第1規制位置に保持される。図2(A)、(B)に示すチップCBでは、刃先C1を形成するすくい面MS1をチップの中心方向に向けて傾斜させているので、第1規制位置に保持されたチップCBが約−10度程度に傾斜しているにもかかわらず、刃先C1のすくい角を約+10度程度とすることができる。
また、図2(A)の右図、及び図2(B)の右図に示すように、逆転時に砥石T(カッター回転軸CZに直交する研磨面を有している)をカッター回転軸CZ方向から押し付けると(図1(B)参照)、チップCBの外周面の一部が第2規制面20C、20Dに支持され、チップCBは第2規制位置に保持される。
チップCBは、第2規制位置に保持された場合に逃げ角がゼロとなる形状に形成されており、第2規制位置に保持されたチップCBの逃げ面MN1は、すべてカッター回転軸CZに直交する直交面(この場合、砥石Tの研磨面)と一致する。
すでに説明したように、弾性部材PSの弾性力を適切な大きさに設定することで、逆転方向に回転しているチップCBに研磨面を押し付けて、チップCBを容易に第2規制位置に向かって揺動させることができる。
●[チップの形状が略三角形の切削工具1の例(図3)]
次に図3(A)及び(B)を用いて、フライス型の切削工具1において、チップCBの形状が略三角形である切削工具1の例を説明する。
図1(A)及び(B)に対して、図3(A)及び(B)では、チップCBの形状が略四角形から略三角形に変更されており、規制部12の形状も異なる。
また、図3(A)に示すように、切削工具1を正転方向に回転させてワークWをチップCBに当接させると、チップCBの外周面の一部が規制部12に形成された第1規制面20Aに支持されて第1規制位置に保持され、約+10度のすくい角を有する刃先C1にて切削加工する切削工具1となる。
また、図3(B)に示すように、切削工具1を逆転方向に回転させて砥石Tをカッター回転軸CZ方向から押し付けると、チップCBの外周面の一部が規制部12に形成された第2規制面20Cに支持されて第2規制位置に保持され、ゼロ度の逃げ角を有し、砥石TにてチップCBの全部の逃げ面MN1を同時に研磨可能な状態となる。
このように、チップCBの形状は、種々の形状とすることができる。
以上、本実施の形態にて説明した切削工具1を用いれば、チップCBを1個ずつ交換や調整等を行うことなく、切削工具1の回転方向を変更するだけで、チップCBのすくい角がワークWを切削する適切な角度に設定された切削工具1として使用すること(正転時)と、チップCBの逃げ角が研磨に適切なゼロ度に設定された切削工具1として使用すること(逆転時)を、容易に切替えることができる。また、研磨の際は、逆転方向に回転している切削工具1に砥石Tを押し付けるだけで、全てのチップCBの逃げ面を同時に研磨することができる。
これにより、チップCBの再研磨を容易に且つ短時間に機上で(工作機械から取り外すことなく)行うことが可能であり、刃先寿命をより向上させることができるとともに再研磨の作業時間をより効率化することができる。
また、チップCBをカッターボディ10に取り付けた後、及び切削工具1を工作機械に取り付けた後に研磨することができるので、チップCBの刃先C1の位置精度をより向上させることができる。
また、穴部PH、ピンP、弾性部材PSの代わりに、エアを噴出するエア噴出口を設けるようにしてもよい。この場合、正転時には、弾性力の代わりにエアの圧力でチップCBを第1規制位置に保持することができる(弾性力を付与する方向と、エアの圧力を付与する方向とを同じにする)。また、エアを用いる場合、逆転時には、エアの供給を停止すれば、より容易にチップCBを第2規制位置に向かって揺動させることができる。
なお、以上の説明では、カッターボディ10を正転方向に回転させた場合はチップCBを第1規制位置に保持してワークWを切削し、カッターボディ10を逆転方向に回転させて研磨面を押し付けた場合はチップCBを第2規制位置に保持してチップCBの逃げ面MN1を研磨する例を説明した。
次に図5を用いて、カッターボディ10の回転方向を変更することなくチップCBを第1規制位置、または第2規制位置に選択的に保持する別の構造について説明する。
図5(A)及び(B)に示すように、カッターボディ10の外周を覆うとともに、カッターボディ10に対してカッターボディ10の周方向、及びカッター回転軸CZ方向に相対移動可能なソケット20を使用する。ソケット20は、相対移動先で、カッターボディ10に対する位置を固定することが可能である。
ソケット20には、チップCB毎に、第1規制面20A、20B(規制部に相当)が形成されており、カッターボディ10に対する第1規制面20A、20Bの位置を相対的に移動させることで、カッターボディ10の回転方向を変更することなく、チップCBを第1規制位置、または第2規制位置に選択的に保持することが可能となる。
カッターボディ10に対するソケット20の位置が図5(A)の例に示す位置である場合、カッターボディ10を正転方向に回転させてワークWを押し付けた場合、チップCBは図5(A)に示す第1規制位置に保持されてワークWを切削することが可能である。この場合、チップCBは第1規制面20Aに支持されて第1規制位置に保持されている。
またカッターボディ10に対するソケット20の位置が図5(B)の例に示す位置である場合、カッターボディ10を正転方向に回転させて研磨面MKを押し付けた場合、チップCBのすくい面MSを、カッター回転軸CZに直交する研磨面と一致させることができる。この場合、チップCBは第1規制面20Bに支持されて第2規制位置に保持されている。
本発明の切削工具1は、本実施の形態で説明した外観、構成、形状、手順等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。
また、穴部PH、ピンP、弾性部材PSは省略してもよい。
チップの形状が略四角形の切削工具1の例を説明する図である。 チップの形状が略四角形の場合における、チップCBの他の形状と規制部12の他の形状の例を説明する図である。 チップの形状が略三角形の切削工具1の例を説明する図である。 従来の、フライス型の切削工具100(刃先一体型切削工具)の例を説明する図である。 カッターボディ10の回転方向を変更することなく、ソケット20(切替え手段に相当)を備えてチップCBを第1規制位置、または第2規制位置に選択的に保持する別の構造について説明する図である。
符号の説明
1 切削工具
10 カッターボディ
12 規制部
20 ソケット
20A、20B 第1規制面
20C、20D 第2規制面
30 支軸
C1 刃先
CB チップ
CZ カッター回転軸
MK 研磨面
MN、MN1 逃げ面
MS、MS1 すくい面
θN 逃げ角
θS すくい角
P ピン
PH 穴部
PS 弾性部材
W ワーク
T 砥石

Claims (6)

  1. カッター回転軸回りに回転可能なカッターボディと、
    前記カッターボディにおける前記カッター回転軸方向の先端部に設けられた刃である複数のチップと、を備えた切削工具において、
    前記カッターボディの先端部には、複数の前記チップのそれぞれに対応させた複数の支軸が設けられており、
    前記チップのそれぞれは、それぞれの前記支軸に取り付けられて取り付けられた支軸回りに揺動自在であるとともに、前記カッターボディよりも前記チップの一部が突出しており、
    前記支軸回りに揺動自在に支持したチップの揺動範囲は、前記支軸の周囲に設けられた規制部にて、前記揺動範囲の一方の端である第1規制位置から、前記揺動範囲の他方の端である第2規制位置までに規制されており、
    更に、前記チップを前記第1規制位置に保持可能な状態と、前記チップを前記第2規制位置に保持可能な状態と、を切替え可能な切替え手段を備え、
    前記切替え手段を第1の設定状態に設定し、切削対象のワークを前記チップに当接させると、全ての前記チップが前記第1規制位置に自動的に保持されて前記チップにて前記ワークを切削可能となり、
    前記切替え手段を第2の設定状態に設定し、前記チップを研磨可能な研磨面を前記チップに当接させると、全ての前記チップが前記第2規制位置に自動的に保持されて前記研磨面にて前記チップを研磨可能となる、
    切削工具。
  2. カッター回転軸回りに回転可能なカッターボディと、
    前記カッターボディにおける前記カッター回転軸方向の先端部に設けられた刃である複数のチップと、を備えた切削工具において、
    前記カッターボディの先端部には、複数の前記チップのそれぞれに対応させた複数の支軸が、前記カッターボディの外周面に、前記カッター回転軸に直交する方向に設けられており、
    前記チップのそれぞれは、
    それぞれの前記支軸に取り付けられて前記カッターボディよりも前記チップの一部が前記カッター回転軸方向に突出しており、
    取り付けられた支軸回りに揺動可能であるとともに、それぞれの前記支軸の周囲における前記カッターボディに設けられたそれぞれの規制部にて揺動範囲が規制されており、
    前記カッターボディを一方の方向である正転方向に回転させた場合は、前記揺動範囲の一方の端である第1規制位置に保持された状態で前記カッターボディよりも突出する位置に設けられた刃先で切削対象のワークを切削可能であり、
    前記カッターボディを前記一方の方向と反対の方向である逆転方向に回転させた場合は、前記揺動範囲の他方の端である第2規制位置に保持された状態で、それぞれの前記刃先の逃げ面を前記カッター回転軸に直交する直交面と一致させることが可能な構造を有する、
    切削工具。
  3. 請求項1または2に記載の切削工具を用いて前記チップのそれぞれを研磨する切削工具の研磨方法であって、
    前記カッターボディを、切削対象のワークを切削する場合の回転方向である正転方向とは反対の逆転方向に回転させ、前記カッター回転軸に直交する研磨面を前記カッター回転軸方向から前記チップに押し付けて、前記カッター回転軸に直交する直交面と一致させた前記逃げ面のそれぞれを同時に研磨する、
    切削工具の研磨方法。
  4. 請求項1または2に記載の切削工具であって、
    前記規制部のそれぞれには、前記チップのそれぞれを前記第1規制位置に保持する弾性力を有する弾性部材が設けられており、
    前記弾性力が付与されている方向は、前記チップが前記第1規制位置に向かって揺動する方向である、
    切削工具。
  5. 請求項4に記載の切削工具であって、
    前記弾性力の大きさは、前記カッターボディを、切削対象のワークを切削する場合の回転方向である正転方向とは反対の逆転方向に回転させて前記カッター回転軸に直交する研磨面を、前記カッター回転軸方向から前記逃げ面に押し付けて研磨する際に、前記研磨面を押し付ける力と、前記研磨による研磨抵抗の力と、によって前記チップが前記第2規制位置に向かって揺動する方向に付与される力よりも小さな力に設定されている、
    切削工具。
  6. 請求項1または2に記載の切削工具であって、
    前記規制部のそれぞれには、前記チップのそれぞれを前記第1規制位置に保持するエアを噴出するエア噴出口が設けられており、
    前記エアが噴出される方向は、前記チップが前記第1規制位置に向かって揺動する方向である、
    切削工具。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108436612A (zh) * 2018-03-28 2018-08-24 郭毅 周向定位组件及磨刀机
WO2023032761A1 (ja) * 2021-09-01 2023-03-09 京セラ株式会社 切削工具及び切削加工物の製造方法
WO2023063127A1 (ja) * 2021-10-13 2023-04-20 京セラ株式会社 切削工具及び切削加工物の製造方法

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