JP2010148633A - ステントレス人工僧帽弁及び人工弁葉 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステントを用いることなく実際に近い弁挙動をさせる。
【解決手段】 人工僧帽弁10は、周方向に沿って二分される前尖側領域44及び後尖側領域45とからなるリング12と、リング12の周縁に沿って連なる人工弁葉11とを備えている。人工弁葉11は、前尖側領域44に連なる左右対称の前尖形成部材14と、後尖側領域45に連なる左右対称の後尖形成部材15からなる。前尖形成部材14は、リング12に接合される上縁17と、上縁17に連なって二股部分20を形成する下縁22とを備えている。上縁17は、左右両端側から内向き上方に傾斜する左右一対の傾斜縁24と、各傾斜縁24の間に位置するともに、前尖側領域44の基準領域48に沿った湾曲形状の湾曲縁25とからなる。後尖形成部材15は、リング12に接合される上縁31と、上縁31に連なって二股部分35を形成する下縁37とを備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ステントレス人工僧帽弁及び人工弁葉に係り、更に詳しくは、心臓弁膜症等による弁置換術の際に心臓に植え込まれ、実際の僧帽弁に近い弁挙動をさせることのできるステントレス人工弁及び人工弁葉に関する。
人間の心臓弁のうち僧帽弁は、肺からの血液が流れ込む左心房と、当該左心房に流入した血液を全身に送り出す左心室との間に存在する一方向弁であって、前尖及び後尖と呼ばれる二つの弁葉からなり、三つの弁葉からなる大動脈弁等の他の心臓弁と構造が異なる。この僧帽弁は、前記前尖及び後尖が弁輪と呼ばれる環状部分内に位置するとともに、糸状の腱索を介して左心室の壁部に繋がっている。ここで、心臓の収縮期には、左心室内が陽圧状態になり前尖及び後尖が密着して弁閉塞状態となる一方で、心臓の拡張期には、左心室内が負圧状態になり前尖及び後尖が相互に離れるように引っ張られて弁開放状態となる。
ところで、病変によって僧帽弁に障害が生じ、左心室から左心房に血液が逆流する僧帽弁閉塞不全症を発症した場合には、その治療法の一つとして、病変した僧帽弁を切除して人工弁に置換する人工弁置換術がある。
このような人工弁として、ブタ等の生体組織を使って形成された生体弁と呼ばれるものが知られており、この生体弁として、二葉の人工弁が特許文献1に開示されている。当該文献では、ステントと呼ばれる枠を有するステント人工弁と、ステントを有しないステントレス人工弁との2種類の人工弁が提案されている。前者のステント人工弁は、線材からなり人工弁の外形を形成するステントと、当該ステントに結合される第1及び第2の弁葉とにより構成される。ここで、第1及び第2の弁葉は、平面状に展開したときにマント状となる形状に設けられており、ブタの大動脈弁から切除される生体組織によって形成される。一方、後者のステントレス人工弁は、生体組織から形成された管状本体の内面に前記第1及び第2の弁葉を縫合してなる。
特表2007−517595号公報
しかしながら、前記ステント人工弁にあっては、経時的に劣化変性するため、人工弁の交換を比較的短い周期で行わなければならず、生涯の交換回数が多くなる若年患者に採用しにくいという問題がある。すなわち、第1及び第2の弁葉が複雑にステントに結合していることから、これらの結合部分に弁の開閉運動に伴う力学的ストレスがかかることになり、これが経年的な機能低下を招来する。特に、僧帽弁部位は、大動脈弁部位等に比べると閉鎖時にかかる力学的ストレスが大きく、前述の劣化変性が早く進行することになる。また、僧帽弁は、腱索を介して乳頭筋に繋がっているが、僧帽弁を前記人工弁に置換する際には、左心室の壁の一部となる乳頭筋の一部分が切除され、その後は、置換される人工弁が心臓の弁輪の周囲のみに縫合される。このため、弁置換術後は、乳頭筋の一部が切除されたままになり、左心室の壁部の強度が術前よりも低下し、このことが左心機能の低下をもたらす虞がある。更に、前記ステント人工弁を製造する際には、線材によって複雑に立体化されたステントの表面に、シート状の第1及び第2の弁葉を結合しなければならないため、人工弁の製造工程が煩雑になるばかりか、所望の弁開閉運動が可能になるように、第1及び第2の弁葉の結合作業時に、細かい位置調整が必要になり、人工弁を簡単に製造できないという問題もある。
一方、特許文献1の前記ステントレス人工弁にあっては、外形が直管状になっているため、心臓内への植え込みが難しく、高レベルの手技が医師に要求され、特に、心臓の小さい幼児患者への使用は難しい。また、前記ステントレス人工弁にあっても、前記ステント人工弁の場合と同様、弁置換術後に左心機能の低下をもたらす虞がある。更に、前記ステントレス人工弁を製造する際には、所望の弁開閉運動が可能になるように細かい位置調整をしながら、直管の内周面に第1及び第2の弁葉を結合しなければならないため、当該結合作業が前記ステント人工弁より難しくなり、人工弁の製造工程が一層煩雑になるという問題がある。
本発明は、このような課題に着目して案出されたものであり、その目的は、ステントを用いることなく実際に近い弁挙動をさせることができるとともに、弁置換後の心臓の機能低下の抑制が期待できるステントレス人工僧帽弁及び人工弁葉を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、心臓への植え込みを比較的簡単に行うことができ、且つ、構成がシンプルで製造が簡単なステントレス人工僧帽弁を提供することにある。
(1)前記目的を達成するため、本発明は、リングと、当該リングの周縁に沿って連なる人工弁葉とを備えたステントレス人工僧帽弁において、
前記リングは、周方向に沿って二分される前尖側領域及び後尖側領域により構成され、
前記人工弁葉は、前記前尖側領域に連なる左右対称の前尖形成部材と、前記後尖側領域に連なる左右対称の後尖形成部材とを含み、
前記前尖形成部材は、前記リングに接合される上縁と、当該上縁に連なるとともに、下方に開放する二股部分を形成する下縁とを備え、
前記上縁は、左右両端側から内向き上方に傾斜する左右一対の傾斜縁と、当該各傾斜縁の間に位置するともに、前記前尖側領域の一部分の湾曲形状に沿った形状をなす湾曲縁とにより構成され、
前記後尖形成部材は、前記リングに接合される上縁と、当該上縁に連なるとともに、下側が開放する二股部分を形成する下縁とを備える、という構成を採っている。
(2)また、本発明は、心臓内に植え付けられて人工弁として機能する人工弁葉であって、
それぞれ左右対称となる前尖形成部材及び後尖形成部材により構成され、
前記前尖形成部材は、前記心臓の弁輪に縫合される上縁と、当該上縁に連なるとともに、下方に開放する二股部分を形成する下縁とを備え、
前記上縁は、左右両端側から内向き上方に傾斜する左右一対の傾斜縁と、当該各傾斜縁の間に位置する湾曲形状の湾曲縁とにより構成され、
前記後尖形成部材は、前記弁輪に縫合される上縁と、当該上縁に連なるとともに、下側が開放する二股部分を形成する下縁とを備える、という構成を採っている。
なお、本特許請求の範囲及び本明細書において、人工弁葉について用いる「上」、「下」、「左」、「右」は、特に明示しない限り、図2の状態における「上」、「下」、「左」、「右」とする。
本発明によれば、ステントを用いずに形成されるため、ステントの存在に起因する力学的ストレスがなく、ステント人工弁に比べ、人工弁の経時的な劣化変性を抑制することができる。また、後述する本発明者らの実験によれば、実際の心臓と同様の拍動下に置いたときに、人間の僧帽弁に極めて近い弁挙動や血行動態を示すことが実証された。更に、前尖形成部材及び後尖形成部材の各二股部分を心臓の乳頭筋に縫合することによって、当該二股部分が弁置換前に存在していた腱索のように機能して、一部切除された乳頭筋が補強され、病変僧帽弁の切除による左心機能の低下を抑制することが期待できる。
また、本発明のステントレス人工僧帽弁によれば、心臓の弁輪にリングを縫合し、二股部分を乳頭筋に縫合するだけで心臓に植え込めるため、当該植え込みを極めて簡単に行うことができ、心臓の小さい幼児等にも採用し易い。更に、前記ステントレス人工僧帽弁は、構成がシンプルであり、当該人工弁の製造時に、リングの周縁に沿って人工弁葉を結合するだけで良いため、従前の人工弁における細かい調整や複雑な結合等が不要となり、製造が簡単になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係るステントレス人工僧帽弁の概略斜視図が示され、図2には、前記ステントレス人工僧帽弁の概略展開図が示されている。これらの図において、ステントレス人工僧帽弁10は、人体の僧帽弁とほぼ同等の弁挙動を行うことのできる人工僧帽弁であり、二つの弁葉からなる二尖弁の構造となっている。このステントレス人工僧帽弁10は、僧帽弁の前尖及び後尖に相当する弁葉を形成するシート状の人工弁葉11と、人工弁葉11を支持するリング12とを備えて構成されている。
前記人工弁葉11は、グルタールアルデヒドで固定処理されたウシの心膜によって形成されており、それぞれ左右対称となる前尖形成部材14及び後尖形成部材15とからなる。この人工弁葉11は、他の動物等から採取された生体材料、或いは、生体適合性を有するラテックス等の人工材料によっても形成することもできる。
前記前尖形成部材14は、図2に示されるように、その上端部分を構成する上縁17と、上縁17の最下端に位置する境界部18に連なるとともに、下側が開放する二股部分20を形成する下縁22とからなる。
前記上縁17は、下縁22の左右両端の境界部18,18から内向き上方に傾斜する左右一対の傾斜縁24,24と、各傾斜縁24,24に連なるとともに、当該傾斜縁24,24の間となる左右方向のほぼ中央付近に位置する湾曲縁25とからなる。ここで、前記傾斜縁24,24は、境界部18,18と湾曲縁25との間でほぼ直線状に延びている。前記湾曲縁25は、リング12における後述の前尖側領域44の一部分となる基準領域48とほぼ同一の曲率を有する湾曲形状となっている。
前記下縁22は、左右両側の各境界部18,18から内向き下方にそれぞれ延びる半放物線状の側端縁27,27と、各側端縁27,27からそれぞれ内向き水平状に延びる水平縁28,28と、各水平縁28,28の内端から上方に向かって延びる放物線状の中央縁29とからなる。
なお、上縁17における境界部18からの最大高さL1は、下縁22における同最大高さL2よりも短く設定されている。
また、中央縁29の上下方向の凹み距離L3は、前記最大高さL2よりも短く設定されている。
前記後尖形成部材15は、前尖形成部材14よりも全体的に小さいサイズに設けられており、ほぼ水平状に延びる上縁31と、上縁31の左右両端の境界部33,33に連なるとともに、下側が開放する二股部分35を形成する下縁37とからなる。
前記下縁37は、各境界部33,33から、それぞれ下方に向かって次第に外側に広がるように直線状に延びるスカート状の側端縁39,39と、各側端縁39,39からそれぞれ内向きにほぼ水平状に延びる水平縁40,40と、各水平縁40,40の内端から上方に向かって延びる放物線状の中央縁42とからなる。
なお、側端縁39,39の高さL4は、中央縁42の上下方向の凹み距離L5よりも長く設定されている。
前記リング12は、平面視でほぼ楕円形状をなし、弾性変形可能になっている。このリング12は、周方向に沿って二分される前尖側領域44及び後尖側領域45により構成されている。
前記前尖側領域44は、その内周縁部分に前尖形成部材14の上縁17が接合されるようになっており、湾曲縁25が接合される基準領域48と、当該基準領域48の左右両側に位置して、各傾斜縁24,24が接合される残り領域49,49とに二分される。前記基準領域48は、特に限定されるものではないが、リング12の全体の周長の約1/3程度の周長に設けられている。また、各残り領域49,49は、各傾斜縁24,24の長さよりも短い周長に設けられており、残り領域49,49に傾斜縁24,24が接合したときに、その近傍の前尖形成部材14の面上に、ある程度の弛みや皺が生じるようになっている。
前記後尖側領域45は、前記基準領域48に対向する位置に設けられ、後尖形成部材15の上縁31が接合されるようになっている。この後尖側領域45は、基準領域48の周長よりも短く、且つ、後尖形成部材15がほぼ弛みなく接合可能となる周長に設けられている。
なお、前記リング12としては、人工弁輪として従前から用いられている各種リングを採用することができる等、要するに、生体適合性を有する材料で形成されるリングである限り何でも良い。
次に、前記ステントレス人工弁10の組み立て手順について説明する。
先ず、図3に示されるように、前尖形成部材14がリング12に接合される。ここでは、リング12の基準領域48(図2参照)の内周縁に、当該基準領域48とほぼ同一の曲率の湾曲縁25が糸で縫合され、その後、残り領域49,49の内周縁に傾斜縁24,24が糸で縫合される。そして、リング12の後尖側領域45の内周縁に、後尖形成部材15の上縁31が糸で縫合される。この状態では、前尖形成部材14及び後尖形成部材15が周方向にほぼ隙間無くリング12に接合され、残り領域49,49の近傍の前尖形成部材14の面上に弛みによる皺が生じた状態となる。
この組み立て状態では、前尖形成部材14及び後尖形成部材15がリング12の内周縁から下方に吊り下げられた状態となっており、リング12の内側が血液の流路51となる。
以上のようなステントレス人工僧帽弁10は、リング12の外周縁部分が図示しない心臓の弁輪に縫合されるとともに、前尖形成部材14及び後尖形成部材15の各二股部分20,35が図示しない左心室の乳頭筋に縫合されることで、心臓内に植え込まれる。
このように植え込まれたステントレス人工僧帽弁10は、以下のように挙動する。
心臓の収縮期には、前記左心室内の陽圧及び前記乳頭筋の上昇によって、リング12に吊り下げられた状態の前尖形成部材14及び後尖形成部材15の各面がリング12の方向に持ち上げられ、当該各面によって流路51が閉塞される(図4(A)参照)。一方、心臓の拡張期には、前記左心室内の陰圧及び前記乳頭筋の下降によって、各二股部分20,35が下方に引っ張られ、リング12の内側に流路51が形成される(同図(B)参照)。
次に、本発明者らが開発した僧帽弁シミュレータ(図示省略)を使い、以上の弁挙動と流路51内の血行動態を実証するための実験を行った。
前記僧帽弁シミュレータは、人体の心臓内の僧帽弁部位の挙動と血流状態を模擬することのできる公知の装置であり(加瀬川 均、「Edge to Edge法の実験的検討」、心臓、日本心臓財団、2007年8月15日、第39巻、第8号別冊、p710−p713)、ここでは、装置構成についての詳細な説明を省略する。
本実験においては、ステントレス人工僧帽弁10を人体内への植え付けと同様に前記僧帽弁シミュレータ内にセットし、当該僧帽弁シミュレータを駆動した。そして、デジタルビデオカメラによって、ステントレス人工僧帽弁10の挙動を撮影するとともに、ステントレス人工僧帽弁10の前後の流量等を測定した。このときの前記僧帽弁シミュレータの駆動条件としては、所定の心臓状態に相当する条件、すなわち、拍動数70BPM、心収縮率35%、左心室陽圧200mmHg、左心室陰圧50mmHgに設定した。
また、本実験で用いたステントレス人工弁10のサイズは、次の通りにした。すなわち、前記L1=20mm、前記L2=40mm、前記L3=25mm、前記L4=35mm、前記L5=20mmとした。また、前尖形成部材14の左右方向の幅を75mmとし、傾斜縁24,24の上下方向の高さをそれぞれ16mmとし、水平縁28,28の左右方向の幅をそれぞれ7mmとし、中央縁29の左右方向の幅を34mmとした。更に、後尖形成部材15の上縁31の左右方向の幅を20mmとし、水平縁40,40の左右方向の幅をそれぞれ7mmとし、中央縁29の左右方向の幅を20mmとした。
以上の実験の結果、図4に示した弁挙動が得られた。つまり、収縮期では、同図中(A)に示されるように、前尖形成部材14及び後尖形成部材15の各面が持ち上げられて、相互にぴったり接合し、流路51が閉塞された状態となった。この接合状態は、実際の僧帽弁の前尖と後尖の接合による閉塞に極めて近いものとなり、実際の僧帽弁に見られる交連部に近いヒンジ部分53が形成された。一方、拡張期では、同図中(B)に示されるように、有効弁口面積が十分となる流路51が形成されるとともに、このとき、流路内の流れに対する抵抗が少なく、実用的な流れ状態が得られたことも実証された。
従って、このような実施形態によれば、実際の僧帽弁に近い弁挙動を実現することができる。
また、心臓の弁輪にリング12を縫合し、左心室の乳頭筋に二股部分20,35を縫合することで、ステントレス人工僧帽弁10を比較的簡単に心臓に植え付けすることができ、特に、心臓の小さい幼児への適用に有用となる。
更に、ステントレス人工僧帽弁10は、その二股部分20,35が乳頭筋に縫合された状態で植え付けられるため、ステントレス人工弁10への置換後に、二股部分20,35によって左心室の壁部分が補強され、術後の左心室の機能低下の抑制が期待できる。
また、ステントレス人工僧帽弁10は、リング12の内周縁に人工弁葉11を縫合するだけで形成できるため、細かい調整等を行うことなく簡単に製造可能になる。
更に、人工弁葉11に脱細胞化された心膜を用いれば、当該人工弁葉11の経時的な石灰化の抑制を図ることができ、ステントレス人工僧帽弁10の耐久性を一層向上させることができる。
なお、前記実施形態では、人工弁葉11を予めリング12に取り付けられた状態で心臓への植え込みを行っているが、本発明は、リング12を用いず、手術時に、前尖形成部材14及び後尖形成部材15を心臓の弁輪に直接縫合してもよい。
また、前記ステントレス人工僧帽弁10は、支障がない限り、僧帽弁置換術のみならず、他の弁置換術用として適用することも可能である。
その他、本発明における各部材の形状及び構造は図示例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
本実施形態に係るステントレス人工僧帽弁の概略斜視図。 前記ステントレス人工僧帽弁の概略展開図。 前記ステントレス人工僧帽弁の組み立て手順を説明するための一部分解正面図。 (A)は、収縮期の前記ステントレス人工僧帽弁の弁挙動を描写した概略平面図であり、(B)は、同様に拡張期における弁挙動を描写した概略平面図である。
符号の説明
10 ステントレス人工僧帽弁
11 人工弁葉
12 リング
14 前尖形成部材
15 後尖形成部材
17 上縁
20 二股部分
22 下縁
24 傾斜縁
25 湾曲縁
31 上縁
35 二股部分
37 下縁
44 前尖側領域
45 後尖側領域
48 基準領域

Claims (2)

  1. リングと、当該リングの周縁に沿って連なる人工弁葉とを備えたステントレス人工僧帽弁において、
    前記リングは、周方向に沿って二分される前尖側領域及び後尖側領域により構成され、
    前記人工弁葉は、前記前尖側領域に連なる左右対称の前尖形成部材と、前記後尖側領域に連なる左右対称の後尖形成部材とを含み、
    前記前尖形成部材は、前記リングに接合される上縁と、当該上縁に連なるとともに、下方に開放する二股部分を形成する下縁とを備え、
    前記上縁は、左右両端側から内向き上方に傾斜する左右一対の傾斜縁と、当該各傾斜縁の間に位置するともに、前記前尖側領域の一部分の湾曲形状に沿った形状をなす湾曲縁とにより構成され、
    前記後尖形成部材は、前記リングに接合される上縁と、当該上縁に連なるとともに、下側が開放する二股部分を形成する下縁とを備えたことを特徴とするステントレス人工僧帽弁。
  2. 心臓内に植え付けられて人工弁として機能する人工弁葉であって、
    それぞれ左右対称となる前尖形成部材及び後尖形成部材により構成され、
    前記前尖形成部材は、前記心臓の弁輪に縫合される上縁と、当該上縁に連なるとともに、下方に開放する二股部分を形成する下縁とを備え、
    前記上縁は、左右両端側から内向き上方に傾斜する左右一対の傾斜縁と、当該各傾斜縁の間に位置する湾曲形状の湾曲縁とにより構成され、
    前記後尖形成部材は、前記弁輪に縫合される上縁と、当該上縁に連なるとともに、下側が開放する二股部分を形成する下縁とを備えたことを特徴とする人工弁葉。
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