JP2010148404A - 海藻の立体網養殖方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】海藻特に海ぶどうの昇降式の立体網養殖方法に関し、海藻を海中で、しかも広い立体面状の養殖網を有効利用して立体面方向に増殖でき、船上に引き上げて船上で楽な姿勢で収穫可能な立体網養殖方法を実現する。
【解決手段】円錐状などの立体面状に養殖網nを張って海藻を生育させ、立体網nの網目から外側に成長した海藻を、立体養殖網nの外側で収穫する方法であり、海藻が立体養殖網nの外側に成長する度に収穫できるので、生産効率が良く、また平面状の養殖網と違って、立体網nに沿って立体面状に増殖し拡がるので、単位面積当たりの生産量の増加が可能となる。海中の自然環境を有効利用して養殖するので、陸上で水槽で養殖するのに比べて、用地取得費や設備費の負担が軽減される。立体網は漁礁としても機能する。
【選択図】図1

Description

本発明は、海藻特に海ぶどう(クビレズタ)の昇降式の立体網養殖方法に関する。
一般に海ぶどうの養殖は、陸上に設置した大型の水槽中に養殖網を敷設して行われる。平面的な養殖方法であるから、生産効率は悪い。
一方、海藻の立体養殖装置として、特許文献1に記載の方法が提案されているが、四角枠状に組んだ鉄筋にロープを螺旋状に巻回して、菌糸を巻き付ける方法である。
実開昭61−115058
しかしこの方法は、鉄筋に沿って海藻が生育するので、海藻は線方向のみに広がり、面方向に広がることはないので、立体養殖方法であるにも係わらず、非能率的で生産効率が改善されているとはいえない。
また、一般の海ぶどうの養殖方法は、水槽中で養殖網を水平に拡げて、水平面方向に海ぶどうが生育し広がる方法を採っているので、生産量を増やすには、水槽を増設する必要がある。しかも屈み込んで収穫するので腰痛を来たし、健康上も問題である。
このように陸上の水槽で養殖するので、施設費や用地取得費が負担となり、海水を陸上の水槽まで導入したり排水する手間のためにランニングコストも生産コストが高くなり、高価な海ぶどうとなる。
本発明の技術的課題は、このような問題に着目し、海ぶどうなどの海藻を海中で、しかも広い立体面状に形成した立体養殖網を有効利用して立体面方向に増殖でき、収穫に際しては、船上に引き上げて船上で又は海面上まで引き上げて船上から楽な姿勢で収穫可能な立体網養殖方法を実現することにある。
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、ドーム屋根状や円錐屋根状、寄棟屋根状、方形屋根状を含む多角錐状などのような立体面状に養殖網を張って海藻を生育させ、立体網の網目から外側に成長した海藻を収穫することを特徴とする海藻の立体網養殖方法である。
このように、ドーム屋根状や円錐屋根状、多角錐状などの立体面状に養殖網を張って海藻を生育させ、立体網の目から外側に成長した海藻を、立体面状養殖網の外側で収穫する方法によると、海藻が立体面状養殖網の外側に成長する度に収穫できるので、生産効率が良く、また平面状の養殖網と違って、立体面状に張った養殖網に沿って立体面状に増殖し拡がるので、単位面積当たりの生産量の増加が可能となり、製品出荷のコストダウンが可能となる。
また、海中の自然環境を有効利用して、海中で養殖できるので、陸上で水槽を設けるのに比べて、用地取得費や設備費の負担が軽減できる。
加えて、立体網の内部には、その網目より小さな稚魚や小魚しか出入りできないので、稚魚や小魚にとっては、外敵から襲われた場合の避難場所としても好適であり、漁礁としても活用できる。しかも、魚介類の排泄物は海藻の肥料として有効利用される。
請求項2は、前記の養殖網の部分は海面上に露出し、養殖網を支持する皿状台座は海中に沈降するように吊り上げた状態で、又は皿状台座も一緒に船上に引き上げた状態で、海藻の収穫を行なうことを特徴とする請求項1に記載の海藻の立体網養殖方法である。
前者のように、前記の養殖網の部分は海面上に露出し、養殖網を支持する皿状台座は海中に沈降するように吊り上げた状態で、海藻の収穫を行なうため、海中で養殖し海藻が成長した状態で全体を海面まで吊り上げた状態で、船上から収穫することができる。その結果、収穫作業も容易である。収穫後は、そのまま海底に沈降させて、海底養殖を繰り返す。海底に沈降させた状態では、立体網もシャドーネットも全体が海中に深さ1.8〜2.2m程度まで沈むので、海藻の生育に支障は生じない。最悪の場合でも、干潮時に立体網の頂端が一時的に海面上に露出する程度である。大重量の皿状台座は海中に沈降する状態では浮力で軽くなるので、養殖網を皿状台座と一緒に海底から海面近くまで上昇させることができ、吊り上げクレーンは小型で足りる。
皿状台座も船上に引き上げ可能な小型な装置の場合は、後者のように、皿状台座も立体網と一緒に船上に引き上げた状態で、船上で立体網から海藻を収穫することもできる。
請求項3は、立体網を縦横に複数配置して、隣接する皿状台座同士又は平面方向支持手段同士を連結固定することにより、移動や転倒を防止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の海藻の立体網養殖方法である。
このように、立体網を縦横に複数配置して、隣接する皿状台座同士又は平面方向支持手段同士を連結固定するので、立体網の移動や転倒を防止することが可能となり、海底における波浪の影響を受けること無く、安定生産ができる。
請求項4は、図4のように、皿状台座から分離可能な立体網の上部を係留ロープで皿状台座に係留しておき、収穫時には立体網の上部から係留ロープを外して、立体網を船上に引き上げることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の海藻の立体網養殖方法である。
このように、皿状台座から分離可能な立体網の上部の吊り上げフックなどを係留ロープで皿状台座に係留しておくので、海底養殖時に立体網が波浪で転倒したり移動するのを効果的に防げる。また、収穫時に際しては、立体網の上部から係留ロープを外して、立体網を皿状台座から分離可能にしてから、立体網を船上に引き上げるので、大重量の皿状台座も一緒に海底から吊り上げる必要がなく、立体網の昇降操作が簡便になり、クレーンも簡易な手段で足りる。
請求項5は、ドーム屋根状や円錐屋根状、寄棟屋根状、方形屋根状を含む多角錐状などのような立体面状に養殖網を張って立体網を形成するための支持手段を底部の皿状台座に立てて支持させ、各支持手段の頂端に面方向の支持手段を設けて、シャドーネットを張れるように構成してなることを特徴とする海藻養殖用の立体網装置である。
このように、ドーム屋根状や円錐屋根状、寄棟屋根状、方形屋根状を含む多角錐状などのような立体面状に養殖網を張って立体網を形成するための支持手段を下部の皿状台座に立てて支持させる構成であり、立体面状の養殖網を伝って海藻が成長し拡がるので、従来のように平面状に海ぶどうが成長する場合と違って、より広い面で効率的に養殖でき、単位面積当たりの収穫量が増え、生産効率が向上する。
また、立体面状の養殖網の外側に海藻が成長するので、立体面状の養殖網の外側から、全周に渡って上段、中段、下段の海藻を収穫でき、収穫作業も容易である。立ったり座ったり、自然な姿勢で作業するので、従来のように屈み込んで収穫作業する場合と違って腰痛を来す恐れも少ない。
さらに、各支持手段の頂端に面方向の支持手段を設けて、シャドーネットを張れる構成にしてあるので、シャドーネットの設置面積や設置位置を工夫して、立体網で生育している海藻に対する日照を調節できる。
請求項6は、前記の皿状台座は、コンクリート製の重量物とし又は重しを載せられる構造とし、かつ成長した海藻が海底まで延びるのを阻止する周壁を設け、前記の支持手段の頂端に、昇降時の吊り下げ手段を有していることを特徴とする請求項5に記載の海藻養殖用の立体網装置である。
このように、前記の皿状台座は、コンクリート製の重量物とし又は重しを載せられる構造としてあるので、海底において波浪によって立体面状の養殖網が流されたり転倒したりするのを阻止できる。
また、成長した海藻が海底まで延びるのを阻止する周壁を設けてあるので、海藻が海底に延びて海底に活着するのを防止できる。
前記の支持手段の頂端には、昇降時の吊り下げ手段として、例えばフックやリングなどを設けてあるので、クレーンなどの昇降手段で上げ下ろしする際に便利であり、夏場でも屋根の付いた船上から簡単な作業で容易に立体網を海面上に引き上げたり、収穫後に海底に沈降させたりできる。
なお、本発明による養殖網は、合成樹脂や植物性の紐や糸を編んでなるネットのほか、合成樹脂で網状に一体成型された網状体も含まれるものとする。また、合成樹脂や竹その他の天然材で簀の子状に形成した養殖手段も含まれるものとする。
請求項1のように、円錐状などの立体面状に養殖網を張って海藻を生育させ、立体網の網目から外側に成長した海藻を外側で収穫する方法によると、海藻が網目の外側に成長する度に収穫できるので、生産効率が良く、また平面状の養殖網と違って、立体面状に張った養殖網に沿って増殖し拡がるので、単位面積当たりの生産量の増加が可能となり、製品出荷のコストダウンが可能となる。
また、海中の自然環境を有効利用して、海中で養殖できるので、陸上で水槽を設けるのに比べて、用地取得費や設備費の負担が軽減できる。
加えて、立体網の内部は、外敵からの隠れ家や避難場所としても好適で、漁礁としても活用できる。しかも、魚介類の排泄物は海藻の肥料として作用する。
請求項2のように、前記の養殖網の部分は海面上に露出し、養殖網を支持する皿状台座は海中に沈降するように吊り上げた状態で、海藻の収穫を行なうため、海中で養殖し海藻が成長した状態で全体を海面まで吊り上げた状態で、船上から容易に収穫することができる。収穫後は、そのまま海底に沈降させて、海底養殖を繰り返す。なお、大重量の皿状台座は海中に沈降する状態では浮力で軽くなるので、養殖網を皿状台座と一緒に海底から海面近くまで上昇させることができ、吊り上げクレーンは小型で足りる。
皿状台座も船上に引き上げ可能な小型装置の場合は、皿状台座も立体網と一緒に船上に引き上げた状態で、船上で立体網から海藻を収穫することもできる。
請求項3のように、立体網を縦横に複数配置して、隣接する皿状台座同士又は平面方向支持手段同士を連結固定するので、立体網の移動や転倒を防止することが可能となり、海底における波浪の影響を受けること無く、安定生産ができる。
請求項4のように、皿状台座から分離可能な立体網の上部の吊り上げフックなどを係留ロープで皿状台座側に係留しておくので、海底養殖時に立体網が波浪で転倒したり移動するのを効果的に防げる。また、収穫時には、立体網の上部から係留ロープを外して、立体網を皿状台座から分離可能にしてから、立体網だけを船上に引き上げるので、大重量の皿状台座も一緒に海底から吊り上げる必要がなく、立体網の昇降操作が簡便になり、クレーンも簡易な手段で足りる。
請求項5のように、円錐状などの立体面状に養殖網を張って立体網を形成するための支持手段を下部の皿状台座に立てて支持させる構成であり、立体面状の養殖網を伝って海藻が成長し増殖するので、従来のように平面状に海ぶどうが成長する場合と違って、より広い面で効率的に養殖でき、単位面積当たりの収穫量が増える。
また、立体面状の養殖網の外側に海藻が成長するので、立体面状の養殖網の外側から、全周に渡って上段、中段、下段の海藻を収穫でき、自然な姿勢で作業するので、従来のように屈み込んで収穫作業する場合と違って腰痛を来す恐れも少ない。
さらに、各支持手段の頂端に面方向の支持手段を設けて、シャドーネットを張れる構成にしてあるので、シャドーネットの設置面積や設置位置を工夫して、立体網で生育している海藻に対する日照を調節できる。
請求項6のように、前記の皿状台座は、コンクリート製の重量物とし又は重しを載せられる構造としてあるので、海底において波浪によって立体面状の養殖網が流されたり転倒したりするのを阻止できる。
また、成長した海藻が海底まで延びるのを阻止する周壁を設けてあるので、海藻が海底に延びて海底に活着するのを防止できる。
前記の支持手段の頂端には、昇降時の吊り下げ手段として、例えばフックやリングなどを設けてあるので、クレーンなどの昇降手段で上げ下ろしする際に便利であり、夏場でも屋根の付いた船上から簡単な作業で容易に立体網を船上や海面上に引き上げたり、収穫後に海底に沈降させたりできる。
次に本発明による海藻の立体網養殖方法が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明による立体網養殖装置の側面図であり、皿状台座1に取付け支持した複数本の支持バー2…を用いて養殖網nを立体面状に取付け支持し、立体網nを張設してある。
各支持バー2の下端を皿状台座1に取付けるには、皿状台座1をコンクリートで成型する際に予め埋め込んでおいて一体化してもよいが、図示のように、各支持バー2…の下端をU字状に折り曲げしておいて、皿状台座1の側壁に開けた貫通孔3に挿入して、引っ掛ける手法でもよい。
立体面状の養殖網nに絡まって成長する海藻に対する日照を良くするために、立体網nは円錐状や多角錐状など、上端寄りの直径を漸減するのが好ましい。また、各支持バー2をまとめて、平面方向の支持手段4の取付け足部41…とフックfの足部f1と一緒に結束手段5で結束し、互いに連結固定してある。互いに溶接して一体化してもよい。eは海底、sは海面である。
平面方向の支持手段4は、傘骨状体4を放射状に分散配置して、それぞれの中心寄りの根元部41を下向きに直角に曲げてあり、フック足部f1と各支持バー2上端と一緒に結束してある。
したがって、平面方向に傘骨のように分散して拡げた傘骨状体4…の上にシャドーネットNを被せて、取付け固定することにより、立体網nで生育している海藻に対する日照調節ができる。
例えば、日差しが強い夏場にはシャドーネットNを確実に被せて、海藻への日当たりをできるだけ抑制する。複数枚を重ねたり、網目の細かいネットを使用してもよい。日差しの弱い晩秋や春先にはシャドーネットNを取り外して、日当たりをできるだけ良くする。
その結果、12〜1月頃の冬場を除いて、長期の栽培収穫が可能となる。
各傘骨状体4…の外端は、下向きに折り曲げて、その先端までシャドーネットNを被せて、ひさし状に形成し、日除け効果を高めている。南側の傘骨状体4を長めに形成して、南側のシャドーネットNを広く張ることもできる。シャドーネットNの平面形状は、円形とは限らず、楕円形や四角形、多角形なども可能である。
なお、各支持バー2…と傘骨状体4…とを一体化し、支持バー2…の上半分を放射状に水平に折り曲げて、傘骨状体4…にしてもよい。
皿状台座1は、海底e上において波浪で容易に移動しないような、コンクリート製の重量物となるように、充分な肉厚とする。ただし、フックfを利用して、皿状台座1付きの立体網装置を海面まで吊り上げる際に、皿状台座1中の海水が抵抗とならないように、皿状台座1中の海水を容易に排水されるような貫通孔や窓孔6を複数個開けてある。
皿状台座1は、貫通孔3を開けた側壁を環状に有しているので、立体網nで成長した海藻が海底まで延びるのを阻止することができる。
なお、皿状台座1の重量が不足する場合は、その中に、石その他の重しW…を載せることによって、重量不足を解消することも可能である。天然の石を載せると、海藻の苗を石の下に押さえて、成長させるのにも好適である。
以上のように構成した立体網装置の使用に際しては、立体網nに海ぶどうその他の海藻の種子又は菌、苗を移植した状態で、フックfを用いてクレーンなどで海底e上に吊り下げて設置しておく。
小さな苗は立体網nに絡まりながら放射状に増殖して成長し、新芽は立体網nの網目から日当たりの良い外側に成長していく。したがって、収穫可能な段階まで成長したら、フックfを利用して立体網装置全体をクレーンなどで海面まで吊り上げて、立体網nを海面上に露出させた状態で、網目から突き出している新芽を船上から収穫する。浮力で軽くなるように、皿状台座1は海中に吊り下げた状態とするので、小型のクレーンでも容易に海底から吊り上げ可能である。
そのため、立体網装置の周囲を船で移動しながら、立体網nの下段、中段、上段に繁茂している海藻を、網目の外側から収穫できる。
皿状台座1も立体網nと一緒に船上に引き上げて、船上で収穫することも可能であり、収穫作業が楽になる。ただし、大重量の皿状台座1も船上まで引き上げるため、それなりのクレーン設備が必要となる。あるいは、皿状台座1と立体網nからなる装置全体を小型化する必要がある。
このように装置全体を常に一体的に取り扱う場合は、皿状台座1と各支持バー2…と傘骨状体4…などを一体成型することも考えられる。
あるいは、ゴルフボールを入れるバケツ状の籠状に各支持バー2…だけを一体成型すると共に、傘骨状体4…側も粗目の網状に一体成型しておき、互いにボルト状の複数本の連結バーで連結する構成も可能であり、量産に適している。
海ぶどうの場合は、図2のように、長さ2〜5m程度まで延びる葡萄茎(ランナー)から直立する茎が生えだして、10〜12cm程度まで成長する。この茎部が食用となる。このように延びた茎には、図示のように球状の小枝が密生している。
本発明の場合は、立体網nに葡萄茎が絡まりながら成長して、茎が次第に網目の外に成長するので、8〜12cm程度まで成長した茎だけを収穫し、短い茎の段階では再び海底に戻して海底栽培する。
従って本発明の場合、海ぶどうは1日に約1cmずつ成長するので、約7日後には再び収穫可能となり、約1週間サイクルで繰り返し収穫可能で、年に35〜40回の収穫ができる。その結果、従来の方法では年に6〜7回しか収穫できないのと比べると、その生産効率は飛躍的に伸びる。
図1の立体網装置は、直径が例えば30〜60cm程度、高さが60〜90cm程度であるが、これ以上の大型や小型も可能である。
図3は、海底における立体網装置の配置例を示す平面図であり、縦横に碁盤目状に配列して、隣接する皿状台座1同士又は平面方向支持手段4同士をロープやボルトなどで連結して、立体網装置同士を連結しておく。その結果、波浪で容易に移動したり転倒したりすることはない。なお、通路を隔てて、多数配列してもよい。
このように、多数隣接配置する場合は、シャドーネットNを正方形状とした上て、隣接するシャドーネット同士を連結すれば、全面がシャドーネットの蔭になるので、直射日光を受ける部分は全く生じない。
図4は、立体網nを皿状台座1から分離して、立体網nだけを船上に昇降可能とした実施形態の中心縦断面図であり、立体網装置が大型化した場合に有効である。
波浪で転倒したり移動するのを確実に防ぐには皿状台座1を大重量化したり、内部の重しWを積み込むのが効果的だが、逆に皿状台座1ごと船上に吊り上げることが困難になる。このような場合は、図1のように各支持バー2…を皿状台座1に連結するのでなく、皿状台座1中に端に載置するだけとなる。そして、皿状台座1の中央部に付近に設けたリング7などの係留手段とフックfとの間を太いロープ8で繋いでおくと、立体網nの転倒や移動を防止できる。
係留ロープ8の先端には連結した道糸9の先端は、常にフックfに確実に連結しておく。
立体網nで成長した海藻を収穫する際は、係留ロープ8とフックfとの連結部10を解いて、皿状台座1のリング7から開放した状態で、フックfを利用して立体網nを船上から吊り上げて、船上で収穫する。
収穫後は、元の皿状台座1の真上で立体網nを海底に降ろし、皿状台座1の中に載置してから、係留ロープ8をフックfに強固に繋ぎ止めて、波浪で立体網nが転倒したり移動するのを防ぐ。
皿状台座1の周壁に立っている複数本のガイドバー11…が上拡がりに開いているので、立体網nを海底に降ろした場合、その下端の補強リンクRがガイドバー11…に当たり、自動的に皿状台座1の周壁の内側に案内される。
なお、船が流されて皿状台座1から離れた場合は、道糸9を船上から手繰ると、船は皿状台座1の係留リング7に引き寄せられるので、立体網nを皿状台座1の真上に移動させることは容易である。
以上の実施形態において、図示例の立体網nは円錐状であるから、立体網nの全面に効果的に日照を受けて、光合成し成長できる。
なお、立体網nの形状は、円錐状に限らず、多角錐状やドーム屋根状、寄棟屋根状、方形屋根状など、各種の多角錐状が採用可能である。
以上のように、本発明によると、海底に立体網装置を沈降させておいて、海ぶどうなどの海藻を海中で、しかも面積の広い立体形状の養殖網を効果的に生かして、立体面方向に増殖できるので、大量生産の可能となる。また、海面や船上に引き上げて、船上で楽な姿勢で収穫できる。
本発明による立体網養殖装置の中心縦断面図である。 海ぶどうの成長段階を示す側面図である。 海底における立体網装置の配置例を示す平面図である。 立体網を皿状台座から分離可能な実施形態の中心縦断面図である。
符号の説明
1 皿状台座
2… 支持バー
n 立体養殖網
3 貫通孔
4 傘骨状体(平面方向の支持手段)
5 結束手段
f フック
N シャドーネット
6 排水孔
R 補強リンク
7 係留リング
8 係留ロープ
9 道糸
10 連結部
11 ガイドバー

Claims (6)

  1. ドーム屋根状や円錐屋根状、寄棟屋根状、方形屋根状を含む多角錐状などのような立体面状に養殖網を張って海藻を生育させ、立体網の網目から外側に成長した海藻を収穫することを特徴とする海藻の立体網養殖方法。
  2. 前記の養殖網の部分は海面上に露出し、養殖網を支持する皿状台座は海中に沈降するように吊り上げた状態で、又は皿状台座も一緒に船上に引き上げた状態で、海藻の収穫を行なうことを特徴とする請求項1に記載の海藻の立体網養殖方法。
  3. 立体網を縦横に複数配置して、隣接する皿状台座同士を連結固定することにより、移動や転倒を防止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の海藻の立体網養殖方法。
  4. 皿状台座から分離可能な立体網の上部を係留ロープで皿状台座に係留しておき、収穫時には立体網の上部から係留ロープを外して、立体網を船上に引き上げることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の海藻の立体網養殖方法。
  5. ドーム屋根状や円錐屋根状、寄棟屋根状、方形屋根状を含む多角錐状などのような立体面状に養殖網を張って立体網を形成するための支持手段を下部の皿状台座に立てて支持させ、各支持手段の頂端に面方向の支持手段を設けて、シャドーネットを張れるように構成してなることを特徴とする海藻養殖用の立体網装置。
  6. 前記の皿状台座は、コンクリート製の重量物とし又は重しを載せられる構造とし、かつ成長した海藻が海底まで延びるのを阻止する周壁を設け、前記の支持手段の頂端に、昇降時の吊り下げ手段を有していることを特徴とする請求項5に記載の海藻養殖用の立体網装置。
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