JP2010145152A - 羽根車式流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】被計測流体の温度に関わらず、被計測流体の流量を容易に計測可能な羽根車式流量計を提供すること。
【解決手段】本発明の羽根車式流量計1は、吸込口20及び吐出口21を有し、内部に流体を流通させる管状のハウジング2と、ハウジング2の内部に軸支され、ハウジング2の内部を流体が流通することにより回転する羽根車3と、を備え、羽根車3は、ハウジング2に軸支されるボス軸部5と、ボス軸部5の外周面に設けられる複数の羽根部6と、を有し、複数の羽根部6それぞれは、流体の流れを受ける正圧面6aと、正圧面6aと反対側の負圧面6bと、を有し、負圧面6bは、吐出口21側の端部に、ボス軸部5の軸線Xと略直交するように形成される翼端面65を有する。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の羽根車式流量計1は、吸込口20及び吐出口21を有し、内部に流体を流通させる管状のハウジング2と、ハウジング2の内部に軸支され、ハウジング2の内部を流体が流通することにより回転する羽根車3と、を備え、羽根車3は、ハウジング2に軸支されるボス軸部5と、ボス軸部5の外周面に設けられる複数の羽根部6と、を有し、複数の羽根部6それぞれは、流体の流れを受ける正圧面6aと、正圧面6aと反対側の負圧面6bと、を有し、負圧面6bは、吐出口21側の端部に、ボス軸部5の軸線Xと略直交するように形成される翼端面65を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、羽根車式流量計に関し、特には、被計測流体の流体圧力により羽根車を回転させ、その羽根車の回転により流量を計測する羽根車式流量計に関する。
従来より、流体の流量を測定する装置としては、複数の羽根を有する羽根車を流体の流路に設けた羽根車式流量計が知られている。羽根車式流量計は、例えば、流路内を流れる被計測流体の流体圧力によって回転させられる羽根車の回転数から被計測流体の流量を計測するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−162296号公報
ところで、例えば、被計測流体である水は、温度が上昇すると膨張するため、密度が小さくなる。一方、水は温度が下降すると収縮し、密度が大きくなる。つまり、水は、温度によって密度が変化する。
そのため、羽根車式流量計は、流通させる水の温度によって、羽根車式流量計を流れる水の計測値と実際に羽根車式流量計を介して流れる水の流量に誤差が生じるという問題があった。
そのため、羽根車式流量計は、流通させる水の温度によって、羽根車式流量計を流れる水の計測値と実際に羽根車式流量計を介して流れる水の流量に誤差が生じるという問題があった。
これに対しては、例えば、羽根車の回転により流量を算出する制御部等に、温度変化による流量の計測値の誤差を修正させるプログラム等を取り入れることにより、温度変化による流量の計測値の誤差を修正させることは可能となる。しかしながら、羽根車式流量計に別途プログラム等を取り入れるとすると、例えば、プロクラム等が組み込まれた基板等を用意し、別途収容させる必要等が生じる。そのため、羽根車式流量計の製造コストが増加すると共に、羽根車式流量計が大型化する場合がある。
本発明は、被計測流体の温度に関わらず、被計測流体の流量を容易に計測可能な羽根車式流量計を提供することを目的とする。
本発明の羽根車式流量計は、吸込口及び吐出口を有し、内部に流体を流通させる管状のハウジングと、前記ハウジングの内部に軸支され、前記ハウジングの内部を前記流体が流通することにより回転する羽根車と、を備え、前記羽根車は、前記ハウジングに軸支されるボス軸部と、前記ボス軸部の外周面に設けられる複数の羽根部と、を有し、前記複数の羽根部それぞれは、前記流体の流れを受ける正圧面と、前記正圧面と反対側の負圧面と、を有し、前記負圧面は、前記吐出口側の端部に、前記ボス軸部の軸線と略直交するように形成される翼端面を有することを特徴とする。
また、前記翼端面は、前記ボス軸部の軸線方向に対して、前記吸込口から前記吐出口に向かう方向に面するように形成されることが好ましい。
また、前記負圧面は、前記吸込口側の端部に、前記ボス軸部の前記軸線と略平行に形成される垂直面を更に備えることが好ましい。
また、前記翼端面の前記軸線を中心とした円周方向における長さは、前記羽根部の前記ボス軸部の半径方向における長さと、前記羽根部の厚さとにより決定されることが好ましい。
また、前記翼端面は、台形状に形成されることが好ましい。
本発明によれば、被計測流体の温度に関わらず、被計測流体の流量を容易に計測可能な羽根車式流量計を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
具体的には、図1から図6を参照して本発明の羽根車式流量計1における実施形態について説明する。
具体的には、図1から図6を参照して本発明の羽根車式流量計1における実施形態について説明する。
まず、図1から図3(b)を参照して、本実施形態に係る羽根車式流量計1の全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る羽根車式流量計の外観を示す外観斜視図である。図2は、本実施形態に係る羽根車式流量計の分解組立図である。図3(a)は、本実施形態に係るハウジングの内部構成を示すA−A断面図であり、図3(b)は、本実施形態に係るハウジングの内部構成を示すB−B断面図である。
図1は、本実施形態に係る羽根車式流量計の外観を示す外観斜視図である。図2は、本実施形態に係る羽根車式流量計の分解組立図である。図3(a)は、本実施形態に係るハウジングの内部構成を示すA−A断面図であり、図3(b)は、本実施形態に係るハウジングの内部構成を示すB−B断面図である。
図1から図3(b)に示すように、本実施形態に係る羽根車式流量計1は、被計測流体が流通されるハウジング2と、ハウジング2の内部に回転自在に保持される羽根車3と、羽根車3の回転を検出するセンサ部4と、を備えて構成されている。
図1に示すように、ハウジング2は、その内部に被計測流体が流通可能な管状に形成されている。ハウジング2は、ハウジング2の軸方向における一方側に設けられる吸込口20と、ハウジング2の軸方向における他方側に設けられる吐出口21と、ハウジング2の内部に設けられる流路22と、を有する。
吸込口20は、被計測流体を流入可能に形成されている。吸込口20には、その内部にネジ部(図示せず)が形成されている。ネジ部は、羽根車式流量計1に被計測流体を供給する供給管(図示せず)と接続可能に形成されている。吐出口21は、吸込口20から流入された被計測流体を吐出可能に形成されている。吐出口21には、その内部にネジ部(図示せず)が形成されている。ネジ部は、吐出口から吐出された被計測流体を流通可能な流通管(図示せず)と接続可能に形成されている。
流路22は、吸込口20と吐出口21とを連通させており、吸込口20から流入され、吐出口21に吐出される被計測流体が、吸込口20から吐出口21に向かって流通可能に形成されている。なお、流路22は、吸込口20と連通する第1流路22aと、吐出口21と連通する第2流路22bとを有する。また、第1流路22aと第2流路22bとは、互いに連通している。
図2に示すように、ハウジング2は、第1ハウジング24と、第2ハウジング25と、を有して構成されている。第1ハウジング24と第2ハウジング25とは、同一軸線X上に配置され、互いに着脱可能に連結されている。
第1ハウジング24は、第1本体部24aと、第1フランジ部24bと、を有する。第1本体部24aには、吸込口20と、第1流路22aと、センサ取付部26と、が設けられている。センサ取付部26には、図3(b)に示すように、センサ部4を構成する後述の磁気センサ40が取り付けられる。また、第1本体部24aの内部には、図3(a)に示すように、羽根車3を軸支可能な第1軸受け部27が設けられている。第1軸受け部27は、羽根車3のボス軸部5の軸線とハウジング2の軸線とが一致するように、ハウジング2の軸線X上に設けられている。第1軸受け部27には、羽根車3を軸支するラジアル軸受27aとスラスト軸受27bとが取り付けられている。
第1フランジ部24bは、第2ハウジング25の第2フランジ部25bと連結可能に形成されている。第1フランジ部24bは、Oリング7を介して、ネジ部材8により第2フランジ部25bと連結される。
第2ハウジング25は、第2本体部25aと、第2フランジ部25bと、を有する。第2本体部25aには、第2流路22bと、第2流路と連通する吐出口21と、が設けられている。また、第2本体部25aの内部には、図3(a)に示すように、羽根車3を軸支可能な第2軸受け部28が設けられている。第2軸受け部28は、羽根車3のボス軸部5の軸線とハウジング2の軸線とが一致するように、ハウジング2の軸線X上に設けられている。第2軸受け部28には、羽根車3を軸支するラジアル軸受28aとスラスト軸受28bとが取り付けられている。
第2フランジ部25bは、第1ハウジング24の第1フランジ部24bと連結可能に形成されている。第2フランジ部25bは、Oリング7を介して、ネジ部材8により第1フランジ部24bと連結される。
羽根車3は、ボス軸部5と、複数の羽根部6と、を有して構成されている。ボス軸部5は、略円柱状に形成されている。ボス軸部5は、軸方向における両端が第1ハウジング24及び第2ハウジング25に回転自在に軸支されている。
複数の羽根部6は、ボス軸部5の外周面52上に、等間隔に設けられている。複数の羽根部6は、ハウジング2の流路22を流れる被計測流体からの流体圧力を受ける正圧面6aと、正圧面6aと反対側の負圧面6bと、を有する。羽根車3は、複数の羽根部6の正圧面6aで被計測流体からの流体圧力を受けることにより、回転するように形成されている。また、複数の羽根部6は、プラスチックマグネットにより形成されており、外周縁が着磁されている。なお、羽根車3については、後に詳しく説明する。
複数の羽根部6は、ボス軸部5の外周面52上に、等間隔に設けられている。複数の羽根部6は、ハウジング2の流路22を流れる被計測流体からの流体圧力を受ける正圧面6aと、正圧面6aと反対側の負圧面6bと、を有する。羽根車3は、複数の羽根部6の正圧面6aで被計測流体からの流体圧力を受けることにより、回転するように形成されている。また、複数の羽根部6は、プラスチックマグネットにより形成されており、外周縁が着磁されている。なお、羽根車3については、後に詳しく説明する。
センサ部4は、磁気センサ40と、表示器(図示せず)と、を有して構成されている。
磁気センサ40は、羽根車3の回転を検出する。磁気センサ40は、羽根車3が回転することにより、着磁された羽根車3の複数の羽根部6の磁界の変化を検出する。言い換えると、磁気センサ40は、磁界の変化により羽根車3の回転を検出する。磁気センサ40は、第1本体部24aに形成されたセンサ取付部26からハウジングの内部に装着される。磁気センサ40は、センサホルダ41により、ハウジングの内部に装着された状態で保持される。センサホルダ41は、Oリング9を介して、第1本体部24aに形成されたセンサ取付部26に取り付けられる。センサホルダ41は、ネジ部材41aによりセンサ取付部26に取り付けられる。
磁気センサ40は、羽根車3の回転を検出する。磁気センサ40は、羽根車3が回転することにより、着磁された羽根車3の複数の羽根部6の磁界の変化を検出する。言い換えると、磁気センサ40は、磁界の変化により羽根車3の回転を検出する。磁気センサ40は、第1本体部24aに形成されたセンサ取付部26からハウジングの内部に装着される。磁気センサ40は、センサホルダ41により、ハウジングの内部に装着された状態で保持される。センサホルダ41は、Oリング9を介して、第1本体部24aに形成されたセンサ取付部26に取り付けられる。センサホルダ41は、ネジ部材41aによりセンサ取付部26に取り付けられる。
表示器は、制御部(図示せず)と、表示部(図示せず)と、収容部(図示せず)と、を有する。制御部は、磁気センサ40により検出された羽根車3の回転により、ハウジング2の流路22を流れる被計測流体の流量を算出する。表示部は、制御部により算出された被計測流体の流量を表示する。表示部は、収容部に形成される。収容部は、制御部を収容する。また、収容部は、センサホルダ41により保持された磁気センサ40の一部を収容する。収容部は、センサ取付部26に取り付け可能に形成されている。収容部は、センサホルダ41を介してセンサ取付部26に取り付けられる。
次に、本実施形態に係る羽根車3について具体的に説明する。
図4は、本実施形態に係る羽根車3の外観を示す外観斜視図である。図5は、本実施形態に係る羽根車を側面側から見た側面図である。図6は、本実施形態に係る羽根車を背面側から見た背面図である。
図4は、本実施形態に係る羽根車3の外観を示す外観斜視図である。図5は、本実施形態に係る羽根車を側面側から見た側面図である。図6は、本実施形態に係る羽根車を背面側から見た背面図である。
図4から図6に示すように、羽根車3は、ボス軸部5と、複数の羽根部6と、を有して構成されている。ボス軸部5は、シャフト部50と、ボス部51と、を有する。シャフト部50は、細長い丸棒状に形成されており、羽根車3の回転軸を構成する。シャフト部50は、図3(a)に示す第1軸受け部27のラジアル軸受27a及びスラスト軸受27bと、図3(a)に示す第2軸受け部28のラジアル軸受28a及びスラスト軸受28bと、に軸支されている。シャフト部50は、ラジアル軸受27a及びスラスト軸受27bと、ラジアル軸受28a及びスラスト軸受28bとに軸支されることにより、ハウジング2の内部で軸線Xを中心軸として回転可能になる。
ボス部51は、略円柱状に形成されている。ボス部51の軸方向における略中央部には、シャフト部50が貫通しており、ボス部51は、その中心軸上でシャフト部50を支持する。
図4に示すように、複数の羽根部6は、第1羽根60と、第2羽根61と、第3羽根62と、第4羽根63とを有して構成されている。つまり、本実施形態に係る複数の羽根部6は、4枚の羽根から構成されている。
第1羽根60、第2羽根61、第3羽根62及び第4羽根63は、図5に示すように、ボス軸部5の軸線Xに対して所定の角度を有するように傾斜した状態でボス軸部5の外周面52に設けられている。第1羽根60、第2羽根61、第3羽根62及び第4羽根63の軸線Xに対する傾斜角度としては、35から45度が例示できる。本実施形態においては、第1羽根60、第2羽根61、第3羽根62及び第4羽根63の軸線Xに対する傾斜角度は、40度になるように形成されている。なお、第1羽根60、第2羽根61、第3羽根62及び第4羽根63の軸線Xに対する傾斜角度は、軸線Xと直交する方向(以下、「半径方向」という)における各羽根の略中央部での軸線Xに対する傾斜角度をいうものとする。
また、図6に示すように、第1羽根60、第2羽根61、第3羽根62及び第4羽根63は、それぞれがボス軸部5における円周方向(以下、「円周方向」という)Rに等間隔になるように、ボス部51の外周面52に設けられている。
次に、第1羽根60、第2羽根61、第3羽根62及び第4羽根63の形状について説明する。なお、第1羽根60、第2羽根61、第3羽根62及び第4羽根63は、略同一形状に形成され、同一の構成を有する。そのため、羽根の形状については、第1羽根60を用いて説明し、第2羽根61、第3羽根62及び第4羽根63の形状についての説明は省略する。
図4及び図5に示すように、第1羽根60は、矢印F1の方向に流れる被計測流体の流れに対して、被計測流体の流体圧力を受ける第1正圧面60aと、第1正圧面60aとは反対側の面である第1負圧面60bとを有して構成されている。
第1正圧面60aは、上流側から流入される被計測流体の流体圧力を、ボス軸部5を回転させる回転力に変換しボス軸部5を回転させる。
第1負圧面60bは、被計測流体の流れ方向F1における上流側の翼端部に設けられる垂直面64と、被計測流体の流れ方向F1における下流側の翼端部に設けられる翼端面65と、垂直面64と翼端面65との間に設けられる中間面66と、を有する。
垂直面64は、図5に示すように、ボス軸部5の軸線X方向と略平行になるように形成される。言い換えると、垂直面64は、上流側における被計測流体の流れ方向F1と略平行になるように形成されている。第1羽根60は、第1負圧面60bの上流側の翼端に垂直面64を設けることにより、上流側での被計測流体の圧力損失を抑制させる。
翼端面65は、ボス軸部5の軸線X方向と略直交するように形成されている。なお、ここでいう「略直交するように形成される」とは、軸線Xと翼端面65とが直交するように形成される場合の他、例えば、軸線Xと翼端面65とのなす角度が70から90度になるように翼端面65が形成されるものを含むものとする。
翼端面65は、第1羽根60の下流側の翼端部を半径方向に切削することにより形成される。例えば、翼端面65は、図5及び図6に示すように、ボス軸部5と連結されている側と反対側の縁部における円周方向Rの長さWが、所定の長さになるように翼端部を切削することにより形成される。なお、翼端面65の円周方向Rにおける長さWは、第1羽根60の厚さtと、第1羽根60の半径方向における長さLとにより決定される。例えば、第1羽根60の厚さtが1.5mm、第1羽根60の半径方向における長さLが9mmの場合のおいては、翼端面65の円周方向Rにおける長さWが0.5から2.5mmになるように形成される。
また、翼端面65は、ボス軸部5と連結されている側の円周方向Rの長さが短く、反対側の縁部における円周方向Rの長さWが長い、略台形状に形成されている。つまり、翼端面65は、ボス軸部5側の方からボス軸部5側と反対側の端部に向かって、翼端面65の円周方向Rにおける幅が幅広になるように形成されている。言い換えると、翼端面65においては、ボス軸部5側の方からボス軸部5側と反対側の端部に向かって、ボス軸部5側の肉厚が厚くなるように形成されている。
ここで、翼端面65の面積は、中間面66の面積の3.5〜20%の大きさになるように形成されることが好ましい。言い換えると、翼端面65の面積は、中間面66の面積に対して0.035〜0.2倍になるように形成されることが好ましい。
また、翼端面65は、ボス軸部5の軸線X方向に対して、ボス軸部5の軸線X方向とのなす角度が、70〜90度になるように形成されることが好ましい。
また、翼端面65の円周方向Rの長さWは、中間面66の円周方向Rの長さの0.05〜0.25倍になるように形成されることが好ましい。
また、翼端面65は、ボス軸部5の軸線X方向に対して、ボス軸部5の軸線X方向とのなす角度が、70〜90度になるように形成されることが好ましい。
また、翼端面65の円周方向Rの長さWは、中間面66の円周方向Rの長さの0.05〜0.25倍になるように形成されることが好ましい。
以上のように構成された本実施形態に係る羽根車式流量計1によれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態によると、羽根車3には、複数の羽根部6における負圧面6bの吐出口21側の翼端部に、ボス軸部5の軸線Xと略直交するように形成される翼端面65が設けられている。そのため、羽根車式流量計1は、羽根車3の吐出口21側の翼端部において発生する被計測流体の流れの剥離を抑制させることが可能になる。これにより、羽根車式流量計1は、被計測流体の流れの抑制を防止することが可能となり、被計測流体を流れやすくさせることが可能になる。つまり、羽根車式流量計1は、例えば、被計測流体の温度が上昇し、被計測流体の密度が変化した場合においても、羽根車3の温度変化による回転特性の低下を防止させることが可能になる。
また、羽根車式流量計1は、翼端面65が羽根車3の吐出口21側の翼端部において発生する被計測流体の流れの剥離を抑制させるため、例えば、羽根車3の下流側の翼端部で温度変化等により発生する外乱(キャビテーション等)の発生を抑制させることが可能になる。
また、本実施形態によると、羽根車3には、更に、複数の羽根部6における負圧面6bの吸込口20側の翼端部に、ボス軸部5の軸線Xと略平行に形成される垂直面64が設けられたている。そのため、羽根車式流量計1は、流入される被計測流体の吸込口20における圧損を抑制させることが可能になる。つまり、羽根車式流量計1は、吸込口20側では圧損を抑制させ、吐出口21側では、流れの剥離を抑制させることが可能になる。これにより、羽根車式流量計1は、例えば、被計測流体の温度が上昇し、被計測流体の密度が変化した場合においても、羽根車3の回転特性の低下を更に防止させることが可能になる。
なお、本発明の実施形態は、上記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、羽根車3は、翼端部を有する羽根車から翼端部を切削することにより翼端面65を形成したが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、羽根車3は、翼端面65が形成された羽根車3の金型を作成し、これを用いて翼端面65を有する羽根車3を形成したものであってもよい。
また、本実施形態においては、複数の羽根部6は、4枚の羽根から構成したが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、複数の羽根部6は、2枚以上の羽根を有するものであればよい。
また、羽根車式流量計1に流通させる被計測流体としては、液体の水の他、例えば、空気、ガス、油又は蒸気等を使用することができる。つまり、本実施形態に係る羽根車式流量計1は、気体を流通させるものであってもよく、液体を流通させるものであってもよい。また、水に使用する場合においては、例えば、低温から高温の水に対して使用することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
図7及び図8と以下の記載により、実施例及び比較例について説明する。
図7及び図8と以下の記載により、実施例及び比較例について説明する。
<実施例1>
図4に示す羽根車3を以下に示す条件で作成した。この羽根車3を図1に示す羽根車式流量計1に装着した。流量1000(L/h)から7000(L/h)の水を羽根車式流量計1に流通させ、流量に対する器差(%RS)を測定した。測定した器差(%RS)を図8に示す。
図4に示す羽根車3を以下に示す条件で作成した。この羽根車3を図1に示す羽根車式流量計1に装着した。流量1000(L/h)から7000(L/h)の水を羽根車式流量計1に流通させ、流量に対する器差(%RS)を測定した。測定した器差(%RS)を図8に示す。
<条件>
1.羽根車3
(1)羽根部
1.羽根枚数:4枚
2.厚さ(t):1.5mm
3.半径方向における長さ(L):9mm
(2)翼端面
1.カット量:1.9mm
2.面積:14.9mm2
3.円周方向における長さ(W):ボス軸部側0.9mm,ボス軸部と反対側2.4mm
4.中間面の面積との面積比:16%
2.被計測流体
1.媒体:水
2.温度:20℃
1.羽根車3
(1)羽根部
1.羽根枚数:4枚
2.厚さ(t):1.5mm
3.半径方向における長さ(L):9mm
(2)翼端面
1.カット量:1.9mm
2.面積:14.9mm2
3.円周方向における長さ(W):ボス軸部側0.9mm,ボス軸部と反対側2.4mm
4.中間面の面積との面積比:16%
2.被計測流体
1.媒体:水
2.温度:20℃
<実施例2>
40℃に加熱した水を用いて、実施例1と同条件で試験した。
40℃に加熱した水を用いて、実施例1と同条件で試験した。
<実施例3>
60℃に加熱した水を用いて、実施例1と同条件で試験した。
60℃に加熱した水を用いて、実施例1と同条件で試験した。
<実施例4>
80℃に加熱した水を用いて、実施例1と同条件で試験した。
80℃に加熱した水を用いて、実施例1と同条件で試験した。
<比較例1>
羽根車3を以下に示す条件で作成した。この羽根車3を図1に示す羽根車式流量計1に装着した。流量1000(L/h)から7000(L/h)の水を羽根車式流量計1に流通させ、流量に対する器差(%RS)を測定した。測定した器差(%RS)を図7に示す。
羽根車3を以下に示す条件で作成した。この羽根車3を図1に示す羽根車式流量計1に装着した。流量1000(L/h)から7000(L/h)の水を羽根車式流量計1に流通させ、流量に対する器差(%RS)を測定した。測定した器差(%RS)を図7に示す。
<条件>
1.羽根車
(1)羽根部
1.羽根枚数:4枚
2.厚さ(t):1.5mm
3.半径方向における長さ(L):9mm
(2)翼端面:無し
2.被計測流体
1.媒体:水
2.温度:20℃
1.羽根車
(1)羽根部
1.羽根枚数:4枚
2.厚さ(t):1.5mm
3.半径方向における長さ(L):9mm
(2)翼端面:無し
2.被計測流体
1.媒体:水
2.温度:20℃
<比較例2>
40℃に加熱した水を用いて、比較例1と同条件で試験した。
40℃に加熱した水を用いて、比較例1と同条件で試験した。
<比較例3>
60℃に加熱した水を用いて、比較例1と同条件で試験した。
60℃に加熱した水を用いて、比較例1と同条件で試験した。
<比較例4>
80℃に加熱した水を用いて、比較例1と同条件で試験した。
80℃に加熱した水を用いて、比較例1と同条件で試験した。
<結果>
図7から分かるように、比較例に用いられる翼端面65を有しない羽根車を装着した羽根車式流量計は、温度の変化により、流量に対する器差がそれぞれ異なることが分かる。つまり、水温の変化により、羽根車式流量計における羽根車の回転特性が変化していることが分かる。そのため、温度が変化すると、被計測流体の正確な流量を測定できないことが分かる。
図7から分かるように、比較例に用いられる翼端面65を有しない羽根車を装着した羽根車式流量計は、温度の変化により、流量に対する器差がそれぞれ異なることが分かる。つまり、水温の変化により、羽根車式流量計における羽根車の回転特性が変化していることが分かる。そのため、温度が変化すると、被計測流体の正確な流量を測定できないことが分かる。
また、図7から分かるように、比較例に係る羽根車式流量計は、流通させる流量が多くなると、流量に対する器差が大きくなることが分かる。つまり、比較例に係る羽根車式流量計は、羽根車の回転数を上げると、器差が大きくなることが分かる。そのため、比較例に係る羽根車式流量計は、大量の被計測流体の流量を正確に測定することができないことが分かる。
一方、図8から分かるように、実施例に用いられる翼端面65を有する羽根車3を装着した羽根車式流量計1は、被計測流体の温度が高くなっても、流量に対する器差の変化が略一定となることが分かる。そのため、水温が変化した場合においても、回転特性が変わらないことが分かる。
また、図8から分かるように、実施例に係る羽根車式流量計1は、流通させる流量が多くなっても、流量に対する器差が小さいことが分かる。つまり、実施例に係る羽根車式流量計1は、流通させる流量を増加させ、羽根車3の回転数を上げても、羽根車3の回転特性が変わらないことが分かる。
また、図8から分かるように、実施例に係る羽根車式流量計1は、流通させる水の温度を100℃にした場合においても、上述の実施例と同様の結果が得られることを推定することができる。
また、図8から分かるように、実施例に係る羽根車式流量計1は、流通させる水の温度を100℃にした場合においても、上述の実施例と同様の結果が得られることを推定することができる。
これにより、実施例に係る羽根車式流量計1は、被計測流体の温度に関わらず、被計測流体の流量を容易に計測することができる。
1 羽根車式流量計
2 ハウジング
3 羽根車
4 センサ部
5 ボス軸部
6 複数の羽根部
6a 正圧面
6b 負圧面
20 吸込口
21 吐出口
22 流路
60 第1羽根
60a 第1正圧面
60b 第1負圧面
64 垂直面
65 翼端面
66 中間面
X 軸線
2 ハウジング
3 羽根車
4 センサ部
5 ボス軸部
6 複数の羽根部
6a 正圧面
6b 負圧面
20 吸込口
21 吐出口
22 流路
60 第1羽根
60a 第1正圧面
60b 第1負圧面
64 垂直面
65 翼端面
66 中間面
X 軸線
Claims (5)
- 吸込口及び吐出口を有し、内部に流体を流通させる管状のハウジングと、
前記ハウジングの内部に軸支され、前記ハウジングの内部を前記流体が流通することにより回転する羽根車と、を備え、
前記羽根車は、
前記ハウジングに軸支されるボス軸部と、
前記ボス軸部の外周面に設けられる複数の羽根部と、を有し、
前記複数の羽根部それぞれは、
前記流体の流れを受ける正圧面と、
前記正圧面と反対側の負圧面と、を有し、
前記負圧面は、前記吐出口側の端部に、前記ボス軸部の軸線と略直交するように形成される翼端面を有する羽根車式流量計。 - 前記翼端面は、前記ボス軸部の軸線方向に対して、前記吸込口から前記吐出口に向かう方向に面するように形成される請求項1に記載の羽根車式流量計。
- 前記負圧面は、前記吸込口側の端部に、前記ボス軸部の前記軸線と略平行に形成される垂直面を更に備える請求項1又は2に記載の羽根車式流量計。
- 前記翼端面の前記軸線を中心とした円周方向における長さは、前記羽根部の前記ボス軸部の半径方向における長さと、前記羽根部の厚さとにより決定される請求項1から3のいずれかに記載の羽根車式流量計。
- 前記翼端面は、台形状に形成される請求項1から4のいずれかに記載の羽根車式流量計。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008320619A JP2010145152A (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | 羽根車式流量計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008320619A JP2010145152A (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | 羽根車式流量計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010145152A true JP2010145152A (ja) | 2010-07-01 |
Family
ID=42565753
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008320619A Pending JP2010145152A (ja) | 2008-12-17 | 2008-12-17 | 羽根車式流量計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010145152A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102135205A (zh) * | 2011-01-28 | 2011-07-27 | 杨迎龙 | 流量感应电磁阀 |
WO2018090421A1 (zh) * | 2016-11-18 | 2018-05-24 | 深圳市大疆创新科技有限公司 | 农业植保机及用于该农业植保机的流量计 |
-
2008
- 2008-12-17 JP JP2008320619A patent/JP2010145152A/ja active Pending
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CN102135205A (zh) * | 2011-01-28 | 2011-07-27 | 杨迎龙 | 流量感应电磁阀 |
WO2018090421A1 (zh) * | 2016-11-18 | 2018-05-24 | 深圳市大疆创新科技有限公司 | 农业植保机及用于该农业植保机的流量计 |
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