JP2010144285A - 断片織物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】断片織物は、断片を緯糸要素として織成されており、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられたクッション部(2)を備えており、クッション部(2)は、藺草(20,20a)が所要の本数毎に主体部(1)の裏面側で多数の経糸(11)を連続してとばしており、かつこれらの藺草(20,20a)が所要の本数毎に経糸(11a,11c)に交叉する位置を経糸(11)の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込まれて、主体部(1)と一体に形成されている。
【選択図】図3
Description
これを解消するために、本願発明者はクッション性を有する敷物を提案している(特許文献1参照)。
すなわち、前記敷物は、(1)筵を織成する、(2)筵を適宜長さに裁断する、(3)藺草の茎を集めたクッション材を作製する、(4)表裏面側の筵の間にクッション材を挟み、縁辺部の三層を縁部材と共に縫い合わせる、の一連の工程を経て製造されている。
このように、製造に要する工程数が多いために、工程の管理がしやすいとはいえず、製造効率が悪くなってコスト高につながる課題があった。
本発明の目的は、緯糸要素としての藺草等の断片そのものをクッション材として使用した断片織物において、その製造工程を簡略化することができる断片織物及びその製造方法を提供することである。
本発明は、
緯糸要素として断片を使用した織物であって、
断片で織成されている主体部と、
該主体部の一方の面側に設けられており、主体部と一緒に織成された断片で構成されているクッション部を有し、
前記クッション部の断片は、主体部よりも少ない箇所で経糸と交叉し、主体部よりもかさ高性が付与されている、
断片織物である。
緯糸要素として断片を使用した織物であって、
断片で織成されている主体部と、
該主体部の一方の面側に設けられており、主体部よりもかさ高なクッション部を有し、
前記クッション部は断片で構成されており、該断片は少なくとも両側端部分が主体部と一緒に織成されている、
断片織物である。
クッション部の断片は、両側端部分で主体部と一緒に織成されているほかに、両側端部分の間の少なくとも一箇所で主体部と一緒に織成されている、
前記断片織物である。
断片を緯糸要素として、主体部と、主体部の裏面側に設けられ主体部と一緒に織成されたクッション部を有する二重織りにされており、
クッション部は、主体部より嵩高になるようにしてある、
断片織物である。
断片を緯糸要素として、主体部と、主体部の裏面側に設けられ主体部と一緒に織成されたクッション部を有する二重織りにされており、
クッション部は、断片が所要の本数毎に主体部の裏面側で多数の経糸を連続してとばしており、かつこれらの断片が所要の本数毎に経糸に交叉する位置を経糸の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込まれて、主体部と一体に主体部より嵩高になるように形成されている、
断片織物である。
断片を緯糸要素として、主体部と、主体部の裏面側に設けられたクッション部を有する二重織りにする断片織物の製造方法であって、
二重織りにする際に、クッション部を構成する断片を経糸に交叉させてクッション部が主体部と一緒になるように、かつクッション部が主体部より嵩高になるように織成する、
断片織物の製造方法である。
断片を緯糸要素として、主体部と、主体部の裏面側に設けられたクッション部を有する二重織りにする断片織物の製造方法であって、
二重織りにする際に、所要の経糸に交叉させた断片を所要の本数毎に裏面側で多数の経糸を連続してとばして次の経糸に交叉させ、
これらの断片を所要の本数毎に経糸に交叉させる位置を経糸の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込み、
前記裏面側で経糸を連続してとばした断片以外の断片を経糸の張り方向に締めて主体部を形成し、裏面側で経糸を連続してとばした断片で主体部の裏面側に、主体部より嵩高なクッション部を形成する、
断片織物の製造方法である。
本発明にいう「交叉」とは、互い違いに組み合わせる意味を含み、交叉要素が交わる方向も直角に限定されるものではなく、鋭角または鈍角を形成していてもよい。
本発明にいう「二重織り」とは、二枚の織物(上地と下地ともいう)を同時に織成する意味を含むものであり、専用の断片織機を使用して行われる。二重織りには、二枚の織物で袋状に形成する袋織りも含まれる。また、織物としての二重織りとは、二枚の織物を一部で綴り合わせた織物をいう。
さらに、これが床敷物の場合の構造としては、主体部が畳表様であるもの、主体部が各種模様を織り込んだ花茣蓙様のもの、前記それぞれにおいてフェルト(不織布)等の裏地を張ってクッション部を覆ったもの、二枚の断片織物のクッション部を合わせて縁を閉じたもの、あるいは一枚の断片織物をクッション部を合わせるようにして折り曲げて縁を閉じたもの等であるが、これらに限定はされない。
本発明に係る断片織物の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
これにより、断片織物を使用するのに伴い、人が歩いたり座ったりすることにより断片織物にかかる荷重が偏っても、クッション部(2)の断片(20,20a)にずれや偏りが生じにくくなる。
図1は発明に係る断片織物の一実施の形態を示す中間部分を一部省略した斜視図、
図2は図1に示す断片織物の裏面の要部拡大図である。
また、断片織物Aの両側部(藺草10、20の両端側)は、各藺草10、20が折り返されて閉じ部3により閉じられている(図2参照)。断片織物Aの各縁辺部(経糸11の張り方向の両端部二箇所または全縁辺部の四箇所)に縁布を縫着することもできる。
特に後者の設定によって、クッション部2を構成する藺草20の密度を変えることができ、これによりクッション部2のクッション性を調節することができる。
断片織物Aは、前記のように藺草である藺草10、20を織り込んで、主体部1とクッション部2を一体に形成したものである。また、クッション部2を構成している多数の藺草20は、経糸11に交叉させることで、それぞれ藺草20の長さ方向において中間部分も複数箇所で主体部1と一緒に織成されている。
主体部1が畳表様の断片織物Aは、断片である藺草10、20を緯糸要素として経糸11と共に織成することにより形成され、幅方向の両端部の一部は目積織り(後述する経糸11と藺草10、10aによる織りと同様)となっている。なお、図1、図2で表している藺草10、20及び経糸11は、以下の工程の説明では、分かりやすいように要所においては藺草10a、藺草20a、20b、20c及び経糸11a、11b、11c、11d、11eの符号を使用して説明する。
これにより、製造に要する工程数が少ない分だけ工程の管理がしやすくなり、従来のように効率が悪くなることによりコスト高になることを防止できる。
この製造工程により製造される断片織物(符号省略)は、幅方向における両端側の一部が目積織り(例えば普通目織り、諸目織り等、他の織り方でもよい)にされており、目積織り部6、6aより内側に位置する経糸11fよりさらに内側の各経糸11には、クッション部2aを構成する藺草20d、20eを全く交叉させない構造である。製造工程は次のとおりである。
1、1a 主体部
10、10a、10b、10c、10d 藺草
11、11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g 経糸
2、2a クッション部
20、20a、20b、20c、20d、20e 藺草
21、22 交叉部
3 閉じ部
R 敷物
4 閉じ部
5 縁
6、6a 目積織り部
Claims (7)
- 緯糸要素として断片を使用した織物であって、
断片(10,10a)で織成されている主体部(1)と、
該主体部(1)の一方の面側に設けられており、主体部(1)と一緒に織成された断片(20,20a)で構成されているクッション部(2)を有し、
前記クッション部(2)の断片(20,20a)は、主体部(1)よりも少ない箇所で経糸(11a,11b,11c)と交叉し、主体部(1)よりもかさ高性が付与されている、
断片織物。 - 緯糸要素として断片を使用した織物であって、
断片(10c,10d)で織成されている主体部(1a)と、
該主体部(1a)の一方の面側に設けられており、主体部(1a)よりもかさ高なクッション部(2a)を有し、
前記クッション部(2a)は断片(20d,20e)で構成されており、該断片(20d,20e)は少なくとも両側端部分が主体部(1a)と一緒に織成されている、
断片織物。 - クッション部(2a)の断片(20d,20e)は、両側端部分で主体部(1a)と一緒に織成されているほかに、両側端部分の間の少なくとも一箇所で主体部(1a)と一緒に織成されている、
請求項2記載の断片織物。 - 断片(10,10a,20,20a)を緯糸要素として、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられ主体部(1)と一緒に織成されたクッション部(2)を有する二重織りにされており、
クッション部(2)は、主体部(1)より嵩高になるようにしてある、
断片織物。 - 断片(10,10a,20,20a)を緯糸要素として、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられ主体部(1)と一緒に織成されたクッション部(2)を有する二重織りにされており、
クッション部(2)は、断片(20,20a)が所要の本数毎に主体部(1)の裏面側で多数の経糸(11)を連続してとばしており、かつこれらの断片(20,20a)が所要の本数毎に経糸(11)に交叉する位置を経糸(11)の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込まれて、主体部(1)と一体に主体部(1)より嵩高になるように形成されている、
断片織物。 - 断片(10,10a,20,20a)を緯糸要素として、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられたクッション部(2)を有する二重織りにする断片織物の製造方法であって、
二重織りにする際に、クッション部(2)を構成する断片(20,20a)を経糸(11a,11b,11c)に交叉させてクッション部(2)が主体部(1)と一緒になるように、かつクッション部(2)が主体部(1)より嵩高になるように織成する、
断片織物の製造方法。 - 断片(10,10a,20,20a)を緯糸要素として、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられたクッション部(2)を有する二重織りにする断片織物の製造方法であって、
二重織りにする際に、所要の経糸(11a)に交叉させた断片(20)を所要の本数毎に裏面側で多数の経糸(11)を連続してとばして次の経糸(11b)に交叉させ、
これらの断片を所要の本数毎に経糸に交叉する位置を経糸の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込み、
前記裏面側で経糸(11)を連続してとばした断片(20,20a)以外の断片(10,10a)を経糸(11)の張り方向に締めて主体部(1)を形成し、裏面側で経糸(11)を連続してとばした断片(20,20a)で主体部(1)の裏面側に、主体部(1)より嵩高なクッション部(2)を形成する、
断片織物の製造方法。
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JP2008322828A JP2010144285A (ja) | 2008-12-18 | 2008-12-18 | 断片織物及びその製造方法 |
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JP2008322828A Pending JP2010144285A (ja) | 2008-12-18 | 2008-12-18 | 断片織物及びその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017072765A (ja) * | 2015-10-08 | 2017-04-13 | 株式会社リコー | 定着装置、画像形成装置、及び摺動部材 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58124479U (ja) * | 1982-02-15 | 1983-08-24 | 西日本東芝計装株式会社 | ござ |
JPH0566082U (ja) * | 1992-02-20 | 1993-08-31 | 株式会社イケヒコ・コーポレーション | 花 莚 |
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2008
- 2008-12-18 JP JP2008322828A patent/JP2010144285A/ja active Pending
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