JP2010144285A - 断片織物及びその製造方法 - Google Patents

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芳範 猪口
Kazunori Matsunaga
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Abstract

【課題】藺草等の断片そのものをクッション材として使用した断片織物において、クッション材である藺草の使用に伴うずれや偏りを防止してクッション材の厚さを均一状態で維持できるようにする。
【解決手段】断片織物は、断片を緯糸要素として織成されており、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられたクッション部(2)を備えており、クッション部(2)は、藺草(20,20a)が所要の本数毎に主体部(1)の裏面側で多数の経糸(11)を連続してとばしており、かつこれらの藺草(20,20a)が所要の本数毎に経糸(11a,11c)に交叉する位置を経糸(11)の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込まれて、主体部(1)と一体に形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、断片織物及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、藺草等の断片そのものをクッション材として使用した断片織物において、製造工程を簡略化すると共に、使用に伴う断片のずれや偏りを防止できる断片織物及びその製造方法に関する。
例えば、床がフローリングである洋室に和風の雰囲気を付与する敷物として、畳表様の表面材を有する断片織物が使用されている。しかし、フローリングに断片織物である薄い茣蓙を直接敷いたのでは、畳からイメージする使用感とは裏腹に、表面が硬くクッション性に乏しいため、敷物としての使用感には難がある。
これを解消するために、本願発明者はクッション性を有する敷物を提案している(特許文献1参照)。
特許文献1記載の敷物は、表面と裏面に設けてある藺草製の筵と、各筵の間に挟んであるクッション材と、表面と裏面の筵の縁を縫い合わせている縁部材を備えており、クッション材は藺草の茎を集めて構成してある。この敷物は、藺草そのものをクッション材として使用しており、縁部材を除いてほぼ藺草だけでできているので、廃棄する際の分別にそれほど手間がかからず、処分がしやすい利点がある。
特開平2006−95086公報
しかしながら、特許文献1記載の敷物には次のような課題があった。
すなわち、前記敷物は、(1)筵を織成する、(2)筵を適宜長さに裁断する、(3)藺草の茎を集めたクッション材を作製する、(4)表裏面側の筵の間にクッション材を挟み、縁辺部の三層を縁部材と共に縫い合わせる、の一連の工程を経て製造されている。
このように、製造に要する工程数が多いために、工程の管理がしやすいとはいえず、製造効率が悪くなってコスト高につながる課題があった。
また、クッション材となる藺草は、それぞれの長さ方向において両端部以外は固定されていないので、表裏の筵の間の空間部で、ある程度動くことができる。このため、敷物を使用するのに伴い、例えば荷重が偏ったりすると藺草にずれや偏りを生じることがある。こうなると、敷物の厚さを均一状態で維持することが困難で、クッション性にムラが生じて使用感が悪くなっていた。
(本発明の目的)
本発明の目的は、緯糸要素としての藺草等の断片そのものをクッション材として使用した断片織物において、その製造工程を簡略化することができる断片織物及びその製造方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、前記目的に加えて、使用に伴うクッション材の断片のずれや偏りを防止して、クッション材の厚さの均一化の維持を図った断片織物及びその製造方法を提供することである。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
緯糸要素として断片を使用した織物であって、
断片で織成されている主体部と、
該主体部の一方の面側に設けられており、主体部と一緒に織成された断片で構成されているクッション部を有し、
前記クッション部の断片は、主体部よりも少ない箇所で経糸と交叉し、主体部よりもかさ高性が付与されている、
断片織物である。
本発明は、
緯糸要素として断片を使用した織物であって、
断片で織成されている主体部と、
該主体部の一方の面側に設けられており、主体部よりもかさ高なクッション部を有し、
前記クッション部は断片で構成されており、該断片は少なくとも両側端部分が主体部と一緒に織成されている、
断片織物である。
本発明は、
クッション部の断片は、両側端部分で主体部と一緒に織成されているほかに、両側端部分の間の少なくとも一箇所で主体部と一緒に織成されている、
前記断片織物である。
本発明は、
断片を緯糸要素として、主体部と、主体部の裏面側に設けられ主体部と一緒に織成されたクッション部を有する二重織りにされており、
クッション部は、主体部より嵩高になるようにしてある、
断片織物である。
本発明は、
断片を緯糸要素として、主体部と、主体部の裏面側に設けられ主体部と一緒に織成されたクッション部を有する二重織りにされており、
クッション部は、断片が所要の本数毎に主体部の裏面側で多数の経糸を連続してとばしており、かつこれらの断片が所要の本数毎に経糸に交叉する位置を経糸の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込まれて、主体部と一体に主体部より嵩高になるように形成されている、
断片織物である。
本発明は、
断片を緯糸要素として、主体部と、主体部の裏面側に設けられたクッション部を有する二重織りにする断片織物の製造方法であって、
二重織りにする際に、クッション部を構成する断片を経糸に交叉させてクッション部が主体部と一緒になるように、かつクッション部が主体部より嵩高になるように織成する、
断片織物の製造方法である。
本発明は、
断片を緯糸要素として、主体部と、主体部の裏面側に設けられたクッション部を有する二重織りにする断片織物の製造方法であって、
二重織りにする際に、所要の経糸に交叉させた断片を所要の本数毎に裏面側で多数の経糸を連続してとばして次の経糸に交叉させ、
これらの断片を所要の本数毎に経糸に交叉させる位置を経糸の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込み、
前記裏面側で経糸を連続してとばした断片以外の断片を経糸の張り方向に締めて主体部を形成し、裏面側で経糸を連続してとばした断片で主体部の裏面側に、主体部より嵩高なクッション部を形成する、
断片織物の製造方法である。
本発明にいう「断片」は、緯糸要素として使用されるもので、例えば天然の藺草の他、合成樹脂製の細いパイプや紙製の条体等、人工の藺草等も含まれるが、これらに限定はされない。
本発明にいう「交叉」とは、互い違いに組み合わせる意味を含み、交叉要素が交わる方向も直角に限定されるものではなく、鋭角または鈍角を形成していてもよい。
本発明にいう「二重織り」とは、二枚の織物(上地と下地ともいう)を同時に織成する意味を含むものであり、専用の断片織機を使用して行われる。二重織りには、二枚の織物で袋状に形成する袋織りも含まれる。また、織物としての二重織りとは、二枚の織物を一部で綴り合わせた織物をいう。
断片織物の形態または断片織物を使用した物品(製品)としては、例えば床敷物、クッション、座布団、ベッド用パッド、置き畳状のもの等が挙げられる。
さらに、これが床敷物の場合の構造としては、主体部が畳表様であるもの、主体部が各種模様を織り込んだ花茣蓙様のもの、前記それぞれにおいてフェルト(不織布)等の裏地を張ってクッション部を覆ったもの、二枚の断片織物のクッション部を合わせて縁を閉じたもの、あるいは一枚の断片織物をクッション部を合わせるようにして折り曲げて縁を閉じたもの等であるが、これらに限定はされない。
(作用)
本発明に係る断片織物の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
断片織物は、断片(10,10a,20,20a)を緯糸要素として、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられ主体部(1)と一緒に織成されたクッション部(2)を有する二重織りにされており、クッション部(2)は、主体部(1)より嵩高になるようにしてあるので、織成する工程だけで緯糸要素である藺草等の断片そのものをクッション材として使用した断片織物を製造することができ、従来のように多数の工程を要するものと比較して製造工程を簡略化することができる。
また、断片織物は、二重織りにする際に、クッション部(2)を構成する断片(20,20a)を経糸(11)に交叉させてクッション部(2)が主体部と一緒に織成されるようにすると共に、クッション部(2)が主体部(1)より嵩高になるように織成しているので、クッション部(2)を構成している多数の断片(20,20a)は、それぞれ断片(20,20a)の長さ方向において中間部分も複数箇所で主体部(1)と一緒に織成されている。
これにより、断片織物を使用するのに伴い、人が歩いたり座ったりすることにより断片織物にかかる荷重が偏っても、クッション部(2)の断片(20,20a)にずれや偏りが生じにくくなる。
(a)本発明は、主体部の一方の面側、例えば裏面側に、主体部と一緒に織成されたクッション部が、主体部より嵩高になるように構成してあるので、藺草等の断片そのものをクッション材として使用した断片織物を製造するにあたり、従来のように織成された断片織物にクッション部を一体にする工程が不要であり、断片織物及び断片織物を使用した敷物等の製造工程を簡略化することができる。これにより、製造に要する工程数が少ない分だけ工程の管理がしやすくなり、従来のように製造効率が悪くなることによりコスト高になることを防止できる。
(b)本発明は、断片織物を織成する際に、クッション部を構成する断片を経糸と交叉させてクッション部が主体部と一緒に織成されるようにすると共に、クッション部が主体部より嵩高になるように織成しているので、クッション部を構成している多数の断片は、それぞれその長さ方向において中間部分も複数箇所で主体部と一緒に織成されている。これにより、クッション材である断片の使用に伴うずれや偏りが防止され、断片織物のクッション性にムラが生じにくくなるので、すぐれた使用感を有する断片織物を提供できる。
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
図1は発明に係る断片織物の一実施の形態を示す中間部分を一部省略した斜視図、
図2は図1に示す断片織物の裏面の要部拡大図である。
断片織物Aは、断片である藺草10を緯糸要素として経糸11と共に、例えば二重織りで織成することにより形成されたものである。断片織物Aの表面側は、藺草10を緻密に織成して形成された畳表様(茣蓙様)の主体部1となっている。一方、断片織物Aの裏面側は、藺草20を極めて粗の状態で織成することにより、主体部1より嵩高なクッション部2となっている。なお、主体部1とクッション部2は一体に織成されている。
クッション部2を構成する藺草20は、本実施の形態では二本毎(間の一本は主体部1を順次構成する)に主体部1の裏面側に回され、裏面側で前記多数(例えば百本)の経糸11を連続してとばして(または抜いて)、経糸11の表面側へ交叉させてある。また、クッション部2を構成する藺草20において隣り合うものは、藺草20が交叉する経糸11を経糸11の並ぶ方向へ五本分ずつ順次ずらして織り込まれている。
各藺草20において経糸11と交叉する交叉部(組織点に対応する部分)21は、後述するように、この交叉部21を経糸の張り方向において両側から挟む各藺草10の圧力によって裏面側へ押しやられて各藺草10の間に隠れるため、主体部1の表面にはほとんど露出していない。
また、断片織物Aの両側部(藺草10、20の両端側)は、各藺草10、20が折り返されて閉じ部3により閉じられている(図2参照)。断片織物Aの各縁辺部(経糸11の張り方向の両端部二箇所または全縁辺部の四箇所)に縁布を縫着することもできる。
前記藺草20が主体部1の裏面側で前記多数の経糸11を連続してとばす本数は前記した百本に限定されるものではなく、適宜設定することができる。また、本実施の形態ではクッション部2を構成する藺草20を二本毎に主体部1の裏側に回すようにしているが、これに限定するものではなく、三本毎あるいはそれ以上の本数毎に行ってもよい。
特に後者の設定によって、クッション部2を構成する藺草20の密度を変えることができ、これによりクッション部2のクッション性を調節することができる。
(作用)
断片織物Aは、前記のように藺草である藺草10、20を織り込んで、主体部1とクッション部2を一体に形成したものである。また、クッション部2を構成している多数の藺草20は、経糸11に交叉させることで、それぞれ藺草20の長さ方向において中間部分も複数箇所で主体部1と一緒に織成されている。
断片織物Aは、この構造により、断片織物Aを使用するのに伴って、人が歩いたり座ったりすることによる荷重が偏っても、クッション部2の藺草20にずれや偏りが生じにくく、断片織物Aの厚さを均一状態で維持することができる。したがって、断片織物Aのクッション性にムラが生じて使用感が悪くなることを防止できる。
図3は本発明に係る断片織物の一実施の形態を製造する工程を示す説明図である。
主体部1が畳表様の断片織物Aは、断片である藺草10、20を緯糸要素として経糸11と共に織成することにより形成され、幅方向の両端部の一部は目積織り(後述する経糸11と藺草10、10aによる織りと同様)となっている。なお、図1、図2で表している藺草10、20及び経糸11は、以下の工程の説明では、分かりやすいように要所においては藺草10a、藺草20a、20b、20c及び経糸11a、11b、11c、11d、11eの符号を使用して説明する。
また、実際の織成では、例えば二重織り(または袋織り)ができる織機が採用され、各経糸11をロッドで上下に交互に分けるように動かして、各経糸11を開口させて各藺草10及び藺草20を横方向へ打ち込んで緯入れすることにより行われるが、図3では分かりやすいように各経糸11を紙面方向に直線的に配し、藺草10及び藺草20はそれらを縫うように(または通すように)表している。これについては、後述する図5においても同様である。
(1)主体部1を構成する各藺草10を各経糸11間に緯入れする。経糸11は、五本ずつ交互に分けられ、藺草10は経糸11の五本毎に表裏面側に表れる(図3(a)参照)。
(2)次に、クッション部2を構成する藺草20を各経糸11間に緯入れする。藺草20は経糸11の表面側に表れている藺草10の中央に対応する経糸11aに裏面側から交叉させて裏面側へ戻し(図3(b)参照)、さらに裏面側で経糸11を百本とばして同様に経糸11bに交叉させ(図3(bb)参照)、以下、ほぼ全幅にわたり経糸11の並び方向に同様に繰り返す。
(3)次に、主体部1を構成する藺草10aを各経糸11間に緯入れする。経糸11は、前記藺草10を緯入れする場合とは逆になるように五本ずつ交互に分けられている。藺草10aは経糸11の五本毎に表裏面側に表れるが、表れる側は前記藺草10を緯入れする場合とは逆である(図3(c)参照)。なお、各藺草10、10aがとばす経糸11の本数は、本実施の形態のように五本に限定されるものではなく適宜設定ができる。また、等本毎でなく、各藺草10、10aがとばす本数を変えることもできるし、さらには色が異なる多種の藺草10を使用し複雑な織成をして花茣蓙のように模様を織り込むこともできる。
(4)次に、クッション部2を構成する藺草20aを各経糸11間に緯入れする。藺草20aは、経糸11の表面側に表れている藺草10aの中央に対応する経糸11cに裏面側から交叉させて裏面側へ戻し(図3(d)参照)、さらに前記藺草20と同様に裏面側で経糸11を百本とばして同様に次の経糸(図示省略)に交叉させ、以下、ほぼ全幅にわたり経糸11の並び方向に同様に繰り返す。なお、藺草20aを交叉させる経糸11cの位置は、図に示すように前記藺草20を交叉させる経糸11aとは五本ずらしてあり、経糸11の表面側に表れている藺草10aの中央に対応する位置となっている。これは、後の藺草20bを交叉させる経糸11d及び藺草20cを交叉させる経糸11eも同様である。
(5)前記(1)ないし(4)の工程を繰り返し、これらの工程と合わせて、裏面側で経糸11を連続してとばした藺草20、20a、20b、20c・・・以外の藺草10、10aを適宜タイミングで経糸11の張り方向へ順次締めて表面が畳表様の主体部1を形成し、主体部1の裏面側で経糸11を連続してとばした藺草20、20a、20b、20c・・・で主体部1の裏面側にクッション部2を形成する。
なお、各藺草10、10aを経糸11の張り方向へ緯打ちすることにより、各藺草20、20a、20b、20c・・・において経糸11a、11c、11d、11e、11bに交叉された交叉部21は、この交叉部21を両側から挟む各藺草10、10aの圧力によって裏面側へ押しやられ、各藺草10、10aの間に隠れるため、主体部1の表面にはほとんど露出しない(図3(e)参照)。また、クッション部2は、主体部1と相違して藺草20、20a、20b、20c・・・が経糸11の張り方向に締められて潰れることはなく、しかも各藺草10、10aが経糸11と交叉して締まることにより、経糸11とほとんど交叉しない藺草20、20a、20b、20c・・・は裏面側においてやや緩む。これにより、クッション部2は主体部1と比べて極めて嵩高となっている。
このように、断片織物Aは、藺草である藺草10、20を織り込んで、主体部1とクッション部2を藺草20で一緒に織成して一体に形成することができるので、織成する工程だけで断片織物Aを製造することができ、従来のように多数の工程を要するものと比較して製造工程を簡略化することができる。
これにより、製造に要する工程数が少ない分だけ工程の管理がしやすくなり、従来のように効率が悪くなることによりコスト高になることを防止できる。
図4は図1に示す断片織物を使用した敷物を示し、(a)は斜視図、(b)は中間部分を一部省略したI−I拡大端面図である。
敷物Rは、前記断片織物Aを原反として使用したものである。敷物Rは、所要の長さの断片織物Aを長さ方向における中央部でクッション部2が合わさるように折り曲げ、さらに長さ方向の両端側の一部をそれぞれクッション部2側へ折り曲げて、図4(b)の右側端部に示すように四枚重ねとし、この部分を全幅にわたり縫着して閉じ部4を設け、断片織物Aの幅方向両端縁部に敷物Rの全長にわたり縁5を縫着して形成されている。
敷物Rは、主体部1が表裏両面に位置するので、表裏両面を上面側として使用できるリバーシブルタイプである。また、敷物Rは、原反である断片織物Aの前記作用、すなわち従来のように多数の工程を要するものと比較して製造工程を簡略化できる点と、人が歩いたり座ったりすることによる荷重が偏ってもクッション部2の藺草20にずれや偏りが生じにくく厚さを均一状態で維持することができる点において、ほぼ同等の作用を有している。
図5は本発明に係る断片織物の他の実施の形態を製造する工程を示す説明図である。
この製造工程により製造される断片織物(符号省略)は、幅方向における両端側の一部が目積織り(例えば普通目織り、諸目織り等、他の織り方でもよい)にされており、目積織り部6、6aより内側に位置する経糸11fよりさらに内側の各経糸11には、クッション部2aを構成する藺草20d、20eを全く交叉させない構造である。製造工程は次のとおりである。
(1)主体部1a(図5(d)参照)を構成する各藺草10cを各経糸11間に緯入れする。経糸11は、五本ずつ交互に分けられており、藺草10cは経糸11の五本毎に表裏面側に表れる(図5(a)参照)。
(2)次に、クッション部2a(図5(d)参照)を構成する藺草20dを各経糸11間に緯入れする。藺草20dは一方の目積織り部6となる部分を形成した後、その内側に位置する経糸11fの外側で表面側から裏面側へ入り、この経糸11fと、反対側の目積織り部6aの内側に位置する経糸11g及びそれらの間の経糸11を全部とばして、経糸11gの外側で裏面側から表面側へ入り目積織り部6aを形成する。
(3)次に、主体部1を構成する藺草10dを各経糸11間に緯入れする。経糸11は、前記藺草10cを緯入れする場合とは逆になるように五本ずつ交互に分けられている。藺草10dは経糸11の五本毎に表裏面側に表れるが、表れる側は前記藺草10cを緯入れする場合とは逆である(図5(c)参照)。なお、各藺草10c、10dがとばす経糸11の本数は、本実施の形態のように五本に限定されるものではなく適宜設定ができる。また、等本毎でなく、各藺草10c、10dがとばす本数を変えることもできるし、さらに色が異なる多種の緯糸要素を使用し複雑な織成をして花茣蓙のように模様を織り込むこともできる。
(4)次に、クッション部2aを構成する藺草20eを各経糸11間に緯入れする。藺草20eは、一方の目積織り部6となる部分を形成した後、その内側に位置する経糸11fの外側で裏面側から表面側へ入り、経糸11fに交叉して経糸11fの内側ですぐに裏面側へ戻され、経糸11fと経糸11gの内側に位置する経糸11を全部とばして、経糸11gの内側で裏面側から表面側へ入り、経糸11gに交叉して経糸11gの外側ですぐに裏面側へ戻され、目積織り部6aを形成する。
(5)前記(1)ないし(4)の工程を繰り返し、これらの工程と合わせて、裏面側で経糸11を連続してとばした藺草20d、20e以外の藺草10c、10dを適宜タイミングで経糸11の張り方向へ順次締めて畳表様の主体部1aを形成し、裏面側で経糸11を連続してとばした藺草20d、20eで主体部1aの裏面側にクッション部2aを形成する。
また、クッション部2aは、主体部1aと相違して藺草20d、20eが経糸11の張り方向に締められて潰れることはなく、しかも経糸11間において裏面側へ大きく緩めて通してあるので、主体部1と比べて極めて嵩高となっている。また、藺草20d、20eの交叉部22は、経糸11fと経糸11gに各藺草10cと共に交叉しているので、藺草10c、10dを締めても隣り合う藺草10c、10cの間には隠れ切れずに表面側に露出する。藺草20d、20eの色が他の藺草10c、10dと同じであれば目立つことはないが、逆に色を違えてこれを模様として利用することもできる。
このようにして製造された断片織物は、前記断片織物Aと相違して藺草20d、20eの長さ方向において中間部分(経糸11fと経糸11gの間)の各経糸11に交叉していないのでこの部分で主体部1aと一緒になっていない。これによれば、クッション部2aを構成する藺草20d、20eが中間部で動きやすい性質はあるが、製造工程を簡略化できる点については断片織物Aと同等である。
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
本発明に係る断片織物の一実施の形態を示す中間部分を一部省略した斜視図。 図1に示す断片織物の裏面の要部拡大図。 本発明に係る断片織物の一実施の形態を製造する工程を示す説明図。 図1に示す断片織物を使用した敷物を示し、(a)は斜視図、(b)は中間部分を一部省略したI−I拡大端面図。 本発明に係る断片織物の他の実施の形態を製造する工程を示す説明図。
符号の説明
A 断片織物
1、1a 主体部
10、10a、10b、10c、10d 藺草
11、11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g 経糸
2、2a クッション部
20、20a、20b、20c、20d、20e 藺草
21、22 交叉部
3 閉じ部
R 敷物
4 閉じ部
5 縁
6、6a 目積織り部

Claims (7)

  1. 緯糸要素として断片を使用した織物であって、
    断片(10,10a)で織成されている主体部(1)と、
    該主体部(1)の一方の面側に設けられており、主体部(1)と一緒に織成された断片(20,20a)で構成されているクッション部(2)を有し、
    前記クッション部(2)の断片(20,20a)は、主体部(1)よりも少ない箇所で経糸(11a,11b,11c)と交叉し、主体部(1)よりもかさ高性が付与されている、
    断片織物。
  2. 緯糸要素として断片を使用した織物であって、
    断片(10c,10d)で織成されている主体部(1a)と、
    該主体部(1a)の一方の面側に設けられており、主体部(1a)よりもかさ高なクッション部(2a)を有し、
    前記クッション部(2a)は断片(20d,20e)で構成されており、該断片(20d,20e)は少なくとも両側端部分が主体部(1a)と一緒に織成されている、
    断片織物。
  3. クッション部(2a)の断片(20d,20e)は、両側端部分で主体部(1a)と一緒に織成されているほかに、両側端部分の間の少なくとも一箇所で主体部(1a)と一緒に織成されている、
    請求項2記載の断片織物。
  4. 断片(10,10a,20,20a)を緯糸要素として、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられ主体部(1)と一緒に織成されたクッション部(2)を有する二重織りにされており、
    クッション部(2)は、主体部(1)より嵩高になるようにしてある、
    断片織物。
  5. 断片(10,10a,20,20a)を緯糸要素として、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられ主体部(1)と一緒に織成されたクッション部(2)を有する二重織りにされており、
    クッション部(2)は、断片(20,20a)が所要の本数毎に主体部(1)の裏面側で多数の経糸(11)を連続してとばしており、かつこれらの断片(20,20a)が所要の本数毎に経糸(11)に交叉する位置を経糸(11)の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込まれて、主体部(1)と一体に主体部(1)より嵩高になるように形成されている、
    断片織物。
  6. 断片(10,10a,20,20a)を緯糸要素として、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられたクッション部(2)を有する二重織りにする断片織物の製造方法であって、
    二重織りにする際に、クッション部(2)を構成する断片(20,20a)を経糸(11a,11b,11c)に交叉させてクッション部(2)が主体部(1)と一緒になるように、かつクッション部(2)が主体部(1)より嵩高になるように織成する、
    断片織物の製造方法。
  7. 断片(10,10a,20,20a)を緯糸要素として、主体部(1)と、主体部(1)の裏面側に設けられたクッション部(2)を有する二重織りにする断片織物の製造方法であって、
    二重織りにする際に、所要の経糸(11a)に交叉させた断片(20)を所要の本数毎に裏面側で多数の経糸(11)を連続してとばして次の経糸(11b)に交叉させ、
    これらの断片を所要の本数毎に経糸に交叉する位置を経糸の並ぶ方向へ所要本数ずらして織り込み、
    前記裏面側で経糸(11)を連続してとばした断片(20,20a)以外の断片(10,10a)を経糸(11)の張り方向に締めて主体部(1)を形成し、裏面側で経糸(11)を連続してとばした断片(20,20a)で主体部(1)の裏面側に、主体部(1)より嵩高なクッション部(2)を形成する、
    断片織物の製造方法。
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