JP2010143027A - 記録装置、及び、その記録装置における検出方法 - Google Patents

記録装置、及び、その記録装置における検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクの残量の有無を正確に検出することができるインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】インクタンクの底面に取付けられた一対の電極により電圧を検出し(S501)、複数回測定された電圧の平均値を取得し(S502)、その平均値の変化率を算出する算出し(S503)、変化率を基準値と比較し、変化率が基準値未満である場合、第1の電圧閾値を決定し(S506)、変化率が基準値以上である場合、第2の電圧閾値を決定し(S505)、平均値と第1又は第2の電圧閾値とを比較するし(S507)、平均値が第1又は第2の電圧閾値以上である場合、インクがないと判定し(S508)、平均値が第1又は第2の電圧閾値未満である場合、インクがあると判定する(S509)。
【選択図】図5

Description

本発明は、記録ヘッドに供給するインクを貯留する記録装置、及び、その記録装置においてインク残量を検出する検出方法に関する。
一般家庭やオフィスで使用されているインクジェットプリンタは、静寂性や、高速性、高画質なカラー出力が手軽にできることから、その需要が高まっている。一般に、インクジェットプリンタは、液体のインクを記録ヘッドから記録媒体へ吐出させることで印字出力する。インクを消費した場合も、インクを補充すれば継続して使用できる。
インクの補充方法としては、密閉されたインクタンクに所定量のインクが充填されたインクタンクを用いて、不足したインクを収容器ごと交換してしまう方法が一般的である。また、記録装置に装着されたインクタンクは、所定の箇所で記録装置内のインク流路と接続されるようになっている。こうすることにより、収容器交換時にインクが収容器から漏れて、作業者の手や衣服等を汚すことがなくなり、一般ユーザでも容易に交換作業を行うことができる。
ところで、インクジェットプリンタでは、インクタンク中のインクが不足しているのに使用を継続していくと、様々な障害が発生する。例えば、消費したインク量と略同量の外気がインクタンク内に導入されるように構成されている場合、充填された量以上のインクを消費すると、プリンタ記録装置内のインク流路へ外気が入ってしまう。このように流路内に外気が入ると、吐出動作が不安定となり、記録ヘッドからのインクたれや、画像のカスレ等が発生してしまう。
また、インクを袋状の収容部に収容し、インクの消費とともに袋が収縮するように構成されている場合がある。しかしながら、そのような場合にも、充填された量以上のインクを消費しようとしても、袋が収縮しきっているためインクを導出できず、記録装置の流路内の内圧が所定範囲以下に低下して、画像のカスレ等の画像不良が発生してしまう。
このような問題を回避するため、一般にインクジェットプリンタでは、インクタンク内のインク残量を検知する構成を備えている。
特許文献1には、2つの電極間の導通状態の差によりインク残量を検出するインクジェット記録装置が記載されている。このインクジェット記録装置のインク残量検知機構の概略図を図14に示す。特許文献1によると、一方の電極としての、インクが貯留されたインクタンク4内からインクを抽出する中空状の供給ピン14と、他方の電極としての、外気をインクタンク内に導入する中空状の大気連通ピン15とから構成されている。供給ピン14と大気連通ピン15とからなる一対の電極は略平行にインクタンク4底部に配設されている。供給ピン14と大気連通ピン15には、定電流電源としての定電流回路24が接続されている。
供給ピン14からインクが抽出されると、インクタンク4内の圧力が低下し、その抽出されたインク量相当分の外気が大気連通ピン15からインクタンク4内に導入される。供給ピン14からのインクの抽出が進み、インク液面が大気連通ピン15を囲む環状壁部材25の上端よりも下がると、供給ピン14と大気連通ピン15との間のインクを介しての電気的導通が切れ、インク・エンプティの状態を検出することができる。電極間の導通の有無の判定は、定電流回路24が電極間に一定値の電流を印加するのに必要な電圧値を検出し、所定の閾値以上であれば導通無し(インク・エンプティの状態)と判定する。前述の検出動作を、所定の時間やインク消費、印刷枚数ごとに行い、記録装置が記録動作中であってもインク・エンプティの状態を正確に検出することができる。
また、環状壁部材25の高さを調節すれば、電気的導通が遮断された時のインクタンク4内が、所定のインク残量になったことを正確に検知することができる。この時点で、インクタンク4内のインク量が少ないこと(インク・ニア・エンド)をユーザに告知すれば、ユーザは、インクタンク4内のインク切れが発生する前に、交換用のインクタンクを準備することができる。また、記録装置は、検知後はインクタンク4内残量分のインクを消費した後、インク・エンプティの状態状態に移行して動作を停止すれば、インクタンク4内のインクをほぼ使い切ることができ、かつ、記録装置流路への外気導入を防ぐことができる。
しかしながら、特許文献1に挙げたインクジェット記録装置では、正確にインク・エンプティの状態を検出できない場合があった。インクの消費に伴い、大気連通ピン15から外気が導入されるとき、大気連通ピン15はインク中にあるために、外気は気泡となる。この様子を図16に模式的に示す。
供給ピン14からのインクの抽出が進み、インク液面26が大気連通ピン15を囲む環状壁部材25の上端よりも下がると、供給ピン14と大気連通ピン15との間のインクを介しての電気的導通が切れる。しかしながら、環状壁部材25の中を上昇してくる気泡27が環状壁部材25の上端開口から溢れ、供給ピン14と大気連通ピン15との間を電気的に導通させてしまい、「インク有り」の状態を検出してしまう。従って、正確なインク残量が検出できず、記録ヘッドに外気を引き込んで、印字不良の原因となる場合が発生してしまう。
このような問題を解決するため、特許文献2には、外気がインクを通して供給されるのに伴い発生する気泡を消滅させる構成を備えたインクジェット記録装置が記載されている。これにより、発生した気泡を速やかに解消して、正確なインク残量を検出できるようにしている。
特開2002−234180号公報 特開2005−35088号公報
しかしながら、気泡以外にも正確な検知を阻害する要因がある。特許文献1、2では、ともに、環状壁部材表面が撥水性を有することにより、インク液面が、環状壁部材25より低下した場合に、環状壁部材表面のインクが分断されることで、電気的遮断状態になる。ところが、この環状壁部材は、少なくともインクタンクが記録装置に装着されたのち、インクタンク内部のインクがなくなるまで、インクに浸漬されている。
インクに浸漬された状態で長期間放置された場合、インクに含まれる溶剤や、色材、もしくは微量な不純物等の効果により、環状壁部材25の撥水性が低下する場合がある。図15は、環状壁部材25の撥水性が低下したときに、インク液面が環状壁部材25の上端より下になった場合の模式図である。
環状壁部材の撥水性が低下すると、インク液面が環状壁部材25より下になっても、環状壁部材25に表面にインク13の膜ができ、その膜を通して供給ピン14と大気連通ピン15との間を電気的に動通させてしまい「インク有り」の状態を検出してしまう。従って、正確な検出ができず、記録ヘッドに外気を引き込んで、印字不良の原因となる場合が有る。
このような現象が発生した場合、特許文献1、2に記載のインクジェット記録装置では、正確なインク・エンプティの状態が検出できないので、記録ヘッドに外気を引き込んでしまい、印字不良が発生するのを防ぐことができなかった。
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、インクの残量の有無を正確に検出することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るインクジェット装置は、記録ヘッドに供給するインクを貯留するインクタンクを備えたインクジェット記録装置であって、前記インクタンクが前記記録装置に取付けられた時に前記インクタンクの底面となる面に取付けられ、電圧を検出するように構成された一対の電極と、前記一対の電極のうち、少なくとも1つの電極の周囲を囲むように前記一対の電極が取付けられた面より予め定められた高さの壁面を持ち、該壁面により前記インクの貯留量が減少した際に前記少なくとも1つの電極を囲む前記壁面内のインクと、前記壁面外のインクとを分離するように構成された撥水性を有する部材と、前記電圧を複数回測定し、前記複数回測定された電圧の平均値を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記電圧の平均値の変化率を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記変化率を予め定められた基準値と比較する第1の比較手段と、前記第1の比較手段によって比較された結果、前記変化率が前記基準値未満である場合に、第1の電圧閾値を決定し、一方、前記変化率が前記基準値以上である場合に、第2の電圧閾値を決定する決定手段と、前記取得手段により取得された前記電圧の平均値と、前記決定手段により決定された第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値とを比較する第2の比較手段と、前記第2の比較手段によって比較された結果、前記電圧の平均値が前記第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値以上である場合に、前記インクが前記インクタンクにないと判定し、一方、前記電圧の平均値が前記第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値未満である場合に、前記インクが前記インクタンクにあると判定する判定手段とを備える。
また、本発明に係る検出方法は、記録ヘッドに供給するインクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクが前記記録装置に取付けられた時に前記インクタンクの底面となる面に取付けられ、電圧を検出するように構成された一対の電極と、前記一対の電極のうち、少なくとも1つの電極の周囲を囲むように前記一対の電極が取付けられた面より予め定められた高さの壁面を持ち、該壁面により前記インクの貯留量が減少した際に前記少なくとも1つの電極を囲む前記壁面内のインクと、前記壁面外のインクとを分離するように構成された撥水性を有する部材とを備えたインクジェット記録装置において実行されるインク残量の有無を検出する検出方法であって、前記電圧を複数回測定し、前記複数回測定された電圧の平均値を取得する取得工程と、前記取得工程において取得された前記電圧の平均値の変化率を算出する算出工程と、前記算出工程において算出された前記変化率を予め定められた基準値と比較する第1の比較工程と、前記第1の比較工程において比較された結果、前記変化率が前記基準値未満である場合に、第1の電圧閾値を決定し、一方、前記変化率が前記基準値以上である場合に、第2の電圧閾値を決定する決定工程と、前記取得工程において取得された前記電圧の平均値と、前記決定工程において決定された第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値とを比較する第2の比較工程と、前記第2の比較工程において比較された結果、前記電圧の平均値が前記第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値以上である場合に、前記インクが前記インクタンクにないと判定し、一方、前記電圧の平均値が前記第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値未満である場合に、前記インクが前記インクタンクにあると判定する判定工程とを備える。
本発明によれば、インクの残量有無を正確に検出することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本実施例におけるインクジェット記録装置を模式的に示した図である。図1に示すインクジェット記録装置100では、記録ヘッド1の往復移動(主走査)と、一般記録紙、特殊紙、フィルム等の記録用シートSの所定ピッチごとの搬送(副走査)とが繰り返される。また、インクジェット記録装置100は、これらの動きと同期して、記録ヘッド1から選択的にインクを吐出させ、記録用シートSに付着させることで、文字や記号、画像等を形成するシリアル型の記録装置である。
図1において、記録ヘッド1は、2本のガイドレールに摺動自在に支持され、不図示のモータ等の駆動手段の構成によりガイドレールに沿って往復移動されるキャリッジ2に着脱可能に搭載されている。記録用シートSは、搬送ローラ3により、記録ヘッド1のインク吐出面に対面し、かつ、インク吐出面との距離を一定に維持するように、キャリッジ2の移動方向と直行する方向に搬送される。記録ヘッド1は、それぞれ異なる色のインクを吐出するための複数のノズル列を有する。
記録ヘッド1から吐出されるインクの色に対応して、複数の独立したインクを貯留するインクタンク4が、インク供給ユニット5に着脱可能に装着される。インク供給ユニット5と記録ヘッド1とは、それぞれインクの色に対応した複数のインク供給チューブ6によって接続される。インクタンク4をインク供給ユニット5に装着することで、インクタンク4内に収納された各色のインクを記録ヘッド1の各ノズル列に独立して供給することが可能となる。記録ヘッド1の往復移動範囲内で、かつ、記録用シートSの通過範囲外の領域である非記録領域には、回復ユニット7が、記録ヘッド1のインク吐出面と対面するように配置されている。
図19は、図1に示す記録装置の制御部分の構成を示す図である。CPU30は、ROM31に予め格納されているプログラムや、外部のホスト装置(不図示)からの制御コマンド等に従って、バス37を介して記録装置全体の制御を実行する。ROM31には、CPU30が動作するためのプログラムや記録ヘッド36の制御に必要な各種テーブル等が格納されている。
RAM32は、例えば、CPU30のワーキングメモリとして機能する。エンコーダセンサ33は、キャリッジの位置等を検出する光学的センサである。記憶部34は、例えば、大容量のDRAMで構成され、記録ヘッド36の各ノズルの記録データや画像形成用の画像マスクデータと、ノズル毎に固有の不吐情報が反映された不吐マスクデータとで構成されるマスクデータが格納されている。記録制御部35は、記録ヘッド36によって記録するタイミング制御等を行う。
次に、このインクジェット記録装置100のインク供給系の詳細な構成について図2を参照して説明する。図2は、図1に示すインクジェット記録装置のインク供給経路を説明するための図である。説明を簡単にするため、1色分の経路についてのみ示している。記録ヘッド1へは、インク供給チューブ6の先端に設けられた液体コネクタが気密接続されるコネクタ挿入口8からインクを一時的に収容する液室9にインクが供給される。
ノズル10は、断面幅が20μm程度の筒状の構造を持ち、ノズル10内のインクに吐出エネルギーを与えることでインクをノズル10から吐出させ、インクの吐出後、ノズル10の毛管力によりノズル10内にインクが満たされる。以上のサイクルを繰り返し、微細で高速な画像形成が行われる。ノズル10内のインクに吐出エネルギーを与えるために、記録ヘッド1は、ノズルごとにエネルギー発生の構成を有している。本実施例では、エネルギー発生の構成として、ノズル10内のインクを加熱する発熱抵抗素子を用いている。記録ヘッド1の駆動を制御するヘッド制御部(不図示)からの指令により発熱抵抗素子が選択的に駆動され、所望のノズル内のインクを膜沸騰させ、これにより生じる気泡の圧力を利用してノズル10からインクを吐出させている。
次に、インク供給ユニット5およびインクタンク4について説明する。インクタンク4は、インク供給ユニット5に対して着脱可能な構成とされている。その底部に、ゴム栓で密封されたインク供給口11と、ゴム栓で密封された大気導入口12とを有する。インクタンク4は、単体では気密な容器であり、インク13はインクタンク4内にそのまま収容される。
一方、インク供給ユニット5は、インクタンク4からインク13を取り出すための供給ピン14と、インクタンク4内へ大気を導入させるための大気連通ピン15とを有する。供給ピン14および大気連通ピン15はともに導電性の中空針であり、インクタンク4のインク供給口11および大気導入口12の位置に対応させて針先を上方に向けて配置されている。また、インクタンク4がインク供給ユニット5に装着されることで、供給ピン14および大気連通ピン15がそれぞれゴム栓を貫通し、インクタンク4の内部に侵入する構成となっている。
即ち、供給ピン14側の流路と、大気連通ピン15側の流路とは、インクタンク4がインク供給ユニット5に装着されることで1本の流路として連通し、非装着で、分断される構成となっている。供給ピン14は、液路16、遮断弁17、および液路18という経路を経て、インク供給チューブ6と接続される。大気連通ピン15は、液路19、バッファ室20、大気連通口21を経て大気と連通する。
以上の構成により、記録ヘッド1内のインクが消費されると、その負圧により、インク13が随時、インクタンク4からインク供給ユニット5およびインク供給チューブ6を介して記録ヘッド1へ供給される。その際、インクタンク4から供給されたインクと同量の外気が、大気連通口21からバッファ室20、大気連通ピン15を経て、インクタンク4内に導入される。
図3は、本発明に適用するインク残量検知の構成を示す図である。図3において、供給ピン14と大気連通ピン15は、それぞれ導電性の金属材料によって形成されており、それらには導電線22、23の一端部が接続されている。また、これら導電線22、23の他端部には定電流回路(定電流源)24が接続されている。定電流回路24は、電極としてのピン14、15の間に、3.3Vを最大電圧値として、10μAの直流電流を流すように構成されている。即ち、インクタンクがインクタンク供給ユニットに取付けられた時に、インクタンクの底面となる面に上記のピン14と15が取付けられ、電圧を検出する一対の電極として機能するように構成されている。
従って、インクタンク4内にインクが存在しないとき、あるいはインクタンク4が装着されていないときには、両方のピン14、15の間には、最大電圧値である3.3Vが印加される。また、インクタンク内に存在するインクによってピン14、15が電気的に接続されているときには、インクの抵抗値に応じて両方のピン14、15の間の検出電圧が変化する。インクがある場合のインクの抵抗値をRiオーム、そのときの検出電圧をEボルトとすると、両者の間には、次式(1)のようなオームの法則の関係が成り立つ。
E=Ri×10μA ・・・(1)
したがって、インクの抵抗値Riと検出電圧Eは、比例関係にあり、抵抗値の代わりに検出電圧を用いることができる。本例のインク残量検知方法は、この検出電圧の変化に基づいて、インクタンク4内におけるインクの残量を検出する。
図4は、このインク残量検出の検出原理を説明するための図である。本例においては、図3及び図4に示すように、一対の電極の内少なくとも1つの電極の周囲を囲むように環状の壁面を有する環状壁部材25が構成されている。環状壁部材25は、電極が取付けられた面より予め定められた高さの壁面を持ち、その壁面によってインクの貯留量が減少した際に、少なくとも1つの電極を囲む壁面内のインクと、壁面外のインクとを分離するように構成された撥水性を有する部材である。
図4中のレベルL1、L2、L3のように、インクタンク4内のインクの液面はインクの消費量に応じて徐々に低下する。レベルL1のように、大気連通ピン15を囲む環状壁部材25の上端よりもインクの液面が高いときは、その環状壁部材25を越えて存在するタンク内のインクを介して、電極として機能する大気連通ピン15と供給ピン14との間が電気的に接続される。
また、レベルL2のように、環状壁部材25の上端とインクの液面ほぼ一致したときは、環状壁部材25の表面の撥水性により、環状壁部材25の上端でインクが分断され、その内側のインクと外側のインクとが物理的に分断される。そのため、供給ピン14、大気連通ピン15の間も電気的に遮断されることとなる。さらに、インクの消費が進んでインクタンク4内のインクの液面がレベルL3のようになっても、供給ピン14、大気連通ピン15の間も電気的に遮断されて状態を維持する。
図5は、本発明のインク残量検知方法の手順を示すフローチャートである。本発明のインク残量検知方法では、予期しないノイズの影響を防ぐため、最新の検出電圧から複数回測定する。例えば、本実施例においては、最新の検出電圧から20回前の検出電圧までの20回分の検出電圧vを取得し、それらの平均値Vを求める(ステップS501、S502)。
次に、一定量のインクを消費する間の検出電圧の変化率を求める。インクジェット記録装置100は、インクの消費量を計測するインク消費量計測の構成(図5に示す消費量計測手段)を有している。本例の場合、記録ヘッド1からインクを吐出するための吐出パルスの総数を計測することで、インク消費量を計測している。次に、検出電圧の変化率を計算するため、本例の場合約0.5g消費する間の検出電圧を抽出する。
ある時点の検出電圧の平均値V1と約0.5g消費後の検出電圧の平均値V2から、以下の式(2)により、変化率αを算出する(ステップS503)。
α=(V2−V1)/0.5 ・・・(2)
検出電圧の平均値V1、V2と変化率αの関係を図17に示す。図17に示すように、変化率αは、検出電圧V1を検出した時点からインクを0.5g消費する間の、検出電圧の平均値の傾きを表している。図4に示したように、インク液面が環状壁部材25の上端より十分高いレベルL1である間は、電気的導通状態が保たれるため、インク消費量に対して、電極間の抵抗値は、ほぼ一定の低い状態を保つ。従って、検出電圧の平均値は低い状態で、変化のほとんどない状態が続く(図17におけるAの部分)。
また、インクが消費され、インク液面が環状壁部材25の上端付近であるレベルL2になると、環状壁部材25の上端でインクが分断され、電極間の抵抗値が上がる。しかしながら、L2付近では、インクの分断、再接触が繰り返される。インク液面と環状壁部材25の上端からの距離が増加するに従い、分断される確率が高くなるため、検出電圧の平均値は、インク消費とともに増加し始める(図17におけるBの部分)。
さらにインクが消費され、インク液面が環状壁部材25の上端より十分低いレベルL3になると、インクは、環状壁部材25で常に分断されるようになる。従って、電極間の抵抗値は、ほぼ一定の高い状態を保つため、検出電圧の平均値は高い状態で、変化のほとんどない状態が続く(図17におけるCの部分)。以上説明したように、インク液面がレベルL1、及び、レベルL3にあるときは、検出電圧の平均値の変化はほとんどなく、レベルL2付近にあるときのみ、変化が現れることになる。
次に、式(2)で得られたαの値に応じた閾値Vthを決定する。本例の場合、閾値決定は、αの範囲に応じてVthの値を定めたテーブルを参照することで決定される。本例の場合のテーブルを図18に示す。本例においては、変化率αが予め定められた基準値0.2と比較され、αが基準値以上(即ち、0.2以上)である場合に、図18に示すテーブルに従って、閾値Vthを2.0Vと決定する。また、αが基準値未満(即ち、0.2未満)である場合には、閾値Vthを1.2Vと決定する(ステップS504、S505、S506)。以上のように、本例においては、変化率αを基準値と比較(本例における第1の比較)し、その比較結果に従って、第1の電圧閾値と第2の電圧閾値を決定している。
次にステップS507において、上記決定された閾値Vthと、最新の検出電圧の平均値Vとを比較し(本例における第2の比較)、VがVth以上(第1又は第2の電圧閾値以上)であれば、インク無と判定し、本処理を終了する(ステップS508)。一方、VがVth未満(第1又は第2の電圧閾値未満)であれば、インク有りと判定し、本処理を終了する(ステップS509)。
以上のようなインクの残量有無の検出動作を実際の検出電圧の変化を示しながら説明する。図6は環状壁部材25の撥水性が高い場合の、インク消費に伴う検出電圧の変化を表したグラフである。同様に図7は環状壁部材25の撥水性が低下した場合の、インク消費に伴う検出電圧の変化を表したグラフである。これらのグラフの場合インク消費量に対応する計測値として、インクタンク重量を横軸にとってある。本例のインクタンクの場合、インクタンク重量46g時点で、図4のレベルL2で示したような、インクタンク内のインク液面と環状壁部材25の上端がほぼ一致するようになっている。したがって、インクタンク重量46g時点で、導通遮断を検出するのが好ましい。
図6のデータを従来のインク残量検出方法に当てはめた場合、閾値は、インクの特性や、電源の変動等を考慮して、2V〜3Vの範囲内が好ましい。閾値を2.5Vととした場合、インクタンク重量46.39g(グラフ中の矢印)でインク無を検出することができる。ところが、撥水性が低下した図7の場合、同様に閾値を2.5Vととした場合、インクタンク重量38.80g(グラフ中の矢印)でインク無を検出してしまう。これは、前述した46.39gに対し、約7g少なくなっている。このように、従来のインク残量検出方法では、環状壁部材25の撥水性が低下した場合に、正確に検出することができない。
本実施例の場合、まず、最新の検出電圧から20回前の検出電圧までの20回分の検出電圧の平均値を求める。図8に、インクタンク重量変化(インク消費量と同等)に対する、検出電圧の20回平均値のグラフを示す。これにより求められたVに対して、式(2)で示した計算式を用いて求められた傾きαのグラフを図9に示す。この変化率αに基づいて表1に示したテーブルに従い、閾値Vthを決定する。本例の場合、インクタンク重量46.90g以上では、閾値は1.2Vに決定され、46.90g未満では閾値が2.0Vに決定されている。
図10は、上記のように決定された閾値により、インク無しを検出するインクタンク重量を示したグラフである。図10から、インクタンク重量45.88gでインク無を検出し、ほぼ目標値で検出できていることが分かる。
次に、環状壁部材25の撥水性が低下した場合も前述の撥水性が高い場合と同様に、インクタンク重量変化(インク消費量と同等)に対する、検出電圧の20回平均値のグラフを図11に、傾きαのグラフを図12に示す。図12によると、インクタンク重量が、40.53gから40.15gの間と、38.61gから37.40gの間で閾値が2.0Vに決定され、それ以外で、閾値が1.2Vに決定されている。
図13は、閾値決定手段により決定された閾値により、インク無しを検出するインクタンク重量を示したグラフである。図13より、撥水性が低下した場合はインクタンク重量45.90gでインク無を検出し、撥水性が高い場合と同様、ほぼ目標値で検出できることが分かる。
以上のように、本発明により、環状壁部材25の表面の撥水性に関わらず、正確にインク残量検知を行うことができるようになる。したがって、記録装置の流路内へ外気が混入することがなく、印字不良の発生を防止することができる。
本実施例においては、電極間の電気抵抗のインク消費量に対する変化率に応じて、インク残量検知のための閾値を変えている。そのため、環状壁部材がインクに浸漬された状態で長期間放置され、環状壁部材の撥水性が低下した場合でも、インクタンク内のインク残量を正確に検出することができる。また、電極として、インクタンクからインクを抽出する、もしくは、インクタンクへ外気を導入する中空の導電性針を用いるので、インクタンクに特別に電極を設けることなく、インクタンク内のインク残量を正確に検出することができる。
本発明に係る実施例におけるインクジェット記録装置の概略の構成を示す図である。 図1に示すインクジェット記録装置のインク供給経路を説明する図である。 本実施例におけるインク残量検知の構成を示す図である。 インク残量検出の原理を説明するための図である。 本実施例におけるインク残量検知の手順を示すフローチャートである。 環状壁部材の撥水性が高い場合におけるインク消費に伴う検出電圧の変化を示すグラフである。 環状壁部材の撥水性が低下した場合におけるインク消費に伴う検出電圧の変化を示すグラフである。 検出電圧の平均値Vの変化を示すグラフである。 図8に示す平均値Vの変化率αの変化を示すグラフである。 決定された閾値Vthに対応するインクタンク重量を求めるためのグラフである。 検出電圧の平均値Vの変化を示す他のグラフである。 図11に示す平均値Vの変化率αの変化を示すグラフである。 決定された閾値Vthに対応するインクタンク重量を求めるための他のグラフである。 インク残量検知機構の概略を示す図である。 環状壁部材の撥水性が低下した場合におけるインク液面が環状壁部材の上端より下になった様子を示す模式図である。 外気が気泡となる様子を示す図である。 検出電圧の平均値V1、V2と変化率αとの関係を説明する図である。 本実施例における閾値決定の際に用いられるテーブルの一例を示す図である。 図1に示すインクジェット記録装置の制御部分の構成を示す図である。
符号の説明
1 記録ヘッド
2 キャリッジ
3 搬送ローラ
4 インクタンク
5 インク供給ユニット
6 インク供給チューブ
7 回復ユニット
8 コネクタ挿入口
9 液室
10 ノズル
11 インク供給口
12 大気導入口
13 インク
14 供給ピン
15 大気連通ピン
16、18、19 液路
17 遮断弁
20 バッファ室
21 大気連通口
22、23 導電線
24 定電流回路
25 環状壁部材

Claims (3)

  1. 記録ヘッドに供給するインクを貯留するインクタンクを備えたインクジェット記録装置であって、
    前記インクタンクが前記記録装置に取付けられた時に前記インクタンクの底面となる面に取付けられ、電圧を検出するように構成された一対の電極と、
    前記一対の電極のうち、少なくとも1つの電極の周囲を囲むように前記一対の電極が取付けられた面より予め定められた高さの壁面を持ち、該壁面により前記インクの貯留量が減少した際に前記少なくとも1つの電極を囲む前記壁面内のインクと、前記壁面外のインクとを分離するように構成された撥水性を有する部材と、
    前記電圧を複数回測定し、前記複数回測定された電圧の平均値を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記電圧の平均値の変化率を算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記変化率を予め定められた基準値と比較する第1の比較手段と、
    前記第1の比較手段によって比較された結果、前記変化率が前記基準値未満である場合に、第1の電圧閾値を決定し、一方、前記変化率が前記基準値以上である場合に、第2の電圧閾値を決定する決定手段と、
    前記取得手段により取得された前記電圧の平均値と、前記決定手段により決定された第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値とを比較する第2の比較手段と、
    前記第2の比較手段によって比較された結果、前記電圧の平均値が前記第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値以上である場合に、前記インクが前記インクタンクにないと判定し、一方、前記電圧の平均値が前記第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値未満である場合に、前記インクが前記インクタンクにあると判定する判定手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記部材は、前記壁面が環状に構成された環状壁部材であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 記録ヘッドに供給するインクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクがインクジェット記録装置に取付けられた時に前記インクタンクの底面となる面に取付けられ、電圧を検出するように構成された一対の電極と、前記一対の電極のうち、少なくとも1つの電極の周囲を囲むように前記一対の電極が取付けられた面より予め定められた高さの壁面を持ち、該壁面により前記インクの貯留量が減少した際に前記少なくとも1つの電極を囲む前記壁面内のインクと、前記壁面外のインクとを分離するように構成された撥水性を有する部材とを備えたインクジェット記録装置において実行されるインク残量の有無を検出する検出方法であって、
    前記電圧を複数回測定し、前記複数回測定された電圧の平均値を取得する取得工程と、
    前記取得工程において取得された前記電圧の平均値の変化率を算出する算出工程と、
    前記算出工程において算出された前記変化率を予め定められた基準値と比較する第1の比較工程と、
    前記第1の比較工程において比較された結果、前記変化率が前記基準値未満である場合に、第1の電圧閾値を決定し、一方、前記変化率が前記基準値以上である場合に、第2の電圧閾値を決定する決定工程と、
    前記取得工程において取得された前記電圧の平均値と、前記決定工程において決定された第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値とを比較する第2の比較工程と、
    前記第2の比較工程において比較された結果、前記電圧の平均値が前記第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値以上である場合に、前記インクが前記インクタンクにないと判定し、一方、前記電圧の平均値が前記第1の電圧閾値または前記第2の電圧閾値未満である場合に、前記インクが前記インクタンクにあると判定する判定工程と
    を備えることを特徴とする検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015047698A (ja) * 2013-08-29 2015-03-16 キヤノン株式会社 記録装置及びインク残量検知方法

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