JP2010142855A - バルジング検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易かつ安定してバルジングを検知することができるバルジング検知装置を提供すること。
【解決手段】鋳片の短辺の厚さ方向略中央部に向かって高周波の第1電波信号を送信する第1送信アンテナと、第1電波信号が短辺の厚さ方向略中央部によって反射して発生した第1反射電波信号を受信する第1受信アンテナと、短辺の厚さ方向略端部に向かって高周波の第2電波信号を送信する第2送信アンテナと、第2電波信号が短辺の厚さ方向略端部によって反射して発生した第2反射電波信号を受信する第2受信アンテナと、第1電波信号と第1反射電波信号を用いて測定した短辺の厚さ方向略中央部までの第1距離の変動と、第2電波信号と第2反射電波信号を用いて測定した短辺の厚さ方向略端部までの第2距離の変動とをもとに、鋳片の短辺のバルジングを検知するバルジング検知手段と、を備え、第2電波信号の電場の偏波方向が、鋳片の角部と略平行である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、連続鋳造において引き抜かれている鋳片におけるバルジングの発生およびその量を検知するためのバルジング検知装置に関するものである。
連続鋳造中に鋳片の凝固層が破れて未凝固の溶鋼が漏れ出すブレークアウトは、発生すると大きな損害となる。特にこのブレークアウトが、鋳型から出た後の工程で発生すると、ロール等の周辺機器に重大な損害をもたらす。
この様な鋳型外で発生するブレークアウトは、鋳片の凝固層の厚みの不足から発生するが、ブレークアウト直前には、バルジング量が大きくなることが知られている。バルジングとは、鋳片内部の未凝固溶鋼の圧力により、外部からの支えのないロール間の位置において、凝固層が外側に膨らむ現象である。この現象は、溶鋼流動により凝固層に熱供給が行われて凝固層が再溶解し、これによって凝固層が薄くなるために起こると考えられている。そして、凝固層が薄くなる確率は、鋳片の長辺側よりも短辺側において高く、それゆえバルジングも鋳片の短辺側において特に顕著に発生する。そこで、従来より、鋳片短辺のバルジングの発生およびその量を検知して、ブレークアウトを未然に防ぐ技術が開示されている。
従来のバルジング検知技術としては、光学式、超音波式、接触式等がある。たとえば光学式としては、特許文献1のようにバルジング部分を挟むように投光器、受光器を設けてその投影からバルジング量を計測する方法や、特許文献2のようにレーザ距離計を使用して計測する方法がある。また、超音波式としては、特許文献3のように水柱方式の超音波距離計を使用して計測する方法がある。また、接触式としては、特許文献4のように接触子によって計測する方法がある。
特開昭58−176510号公報 特開2007−319929号公報 特開昭60−6260号公報 特開2006−130549号公報
ところが、バルジングが発生する位置は鋳型直下の冷却帯付近であるため、一般的に水蒸気や水流、スケールや粉塵が多く、また1000℃以上の高温であるという厳しい環境である。したがって、たとえば光学式を用いる際には、機器に含まれる電気回路、特に半導体を用いた回路等には厳しい環境であり、長期に検知を行なうことは困難であり、検知も不安定となる。一方、超音波式を用いる場合には、超音波の伝搬媒質として水柱を鋳片の表面まで形成するが、水柱中のノイズを減らすために鋳片までの距離を短くしなくてはならない。また、鋳造中に鋳片の幅替えを行なう際には、鋳片の短辺の位置も変化するため、その追従も高精度に行う必要があり、エンジニアリング的に困難である。また、上記のような高温であるため、蒸発の影響を避けるために相当量の水を使用しなければならない。また、接触式においては、接触子の耐久性が問題になるとともに、接触により凝固層が刺激され、場合によってはブレークアウトを助長することにもなりかねないという問題がある。また、上記の従来技術はどれも、万が一ブレークアウトが発生した際には、センサ等の主要部品が破損する可能性があり、その損害は大きいという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易かつ安定して、より正確にバルジングを検知することができるバルジング検知装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るバルジング検知装置は、連続鋳造において引き抜かれている鋳片の短辺に面して配置され、前記鋳片の短辺の厚さ方向略中央部に向かって高周波の第1電波信号を送信する第1送信アンテナと、前記第1送信アンテナの近傍に配置され、前記第1送信アンテナが送信した前記第1電波信号が前記短辺の厚さ方向略中央部によって反射して発生した第1反射電波信号を受信する第1受信アンテナと、前記鋳片の短辺に面して配置され、前記鋳片の短辺の厚さ方向略端部に向かって高周波の第2電波信号を送信する第2送信アンテナと、前記第2送信アンテナの近傍に配置され、前記第2送信アンテナが送信した第2電波信号が前記短辺の厚さ方向略端部によって反射して発生した第2反射電波信号を受信する第2受信アンテナと、前記第1および第2送信アンテナならびに前記第1および第2受信アンテナに接続し、前記第1送信アンテナに前記第1電波信号を供給し、前記第2送信アンテナに前記第2電波信号を供給するとともに、前記第1受信アンテナが受信した前記第1反射電波信号および前記第2受信アンテナが受信した前記第2反射電波信号を受け付け、前記第1電波信号と前記第1反射電波信号を用いて測定した前記短辺の厚さ方向略中央部までの第1距離の変動と、前記第2電波信号と前記第2反射電波信号を用いて測定した前記短辺の厚さ方向略端部までの第2距離の変動とをもとに、前記鋳片の短辺に発生するバルジングを検知するバルジング検知手段と、を備え、前記第2電波信号の電場の偏波方向が、前記鋳片の角部と略平行であることを特徴とする。
なお、高周波の電波とは、周波数がおおよそ3GHz〜3THzの範囲の電磁波を意味するものとする。
また、本発明に係るバルジング検知装置は、上記の発明において、前記第1電波信号の電場の偏波方向が、前記第2電波信号の電場の偏波方向とは異なることを特徴とする。
また、本発明に係るバルジング検知装置は、上記の発明において、前記第1電波信号の電場の偏波方向が、前記第2電波信号の電場の偏波方向と略垂直であることを特徴とする。
また、本発明に係るバルジング検知装置は、上記の発明において、前記第1電波信号または前記第2電波信号は、マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波のいずれか一つであることを特徴とする。
本発明によれば、簡易な装置構成により、熱、水、粉塵の影響が少なく、鋳片から遠く離れた距離から非接触でバルジングを検知でき、さらに、短辺の厚さ方向略端部からの反射電波信号の強度を高くすることができるため、より正確に端部までの距離を測定できるので、簡易かつ安定して、より正確にバルジングを検知することができるという効果を奏する。
以下に、図面を参照して本発明に係るバルジング検知装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施1の形態に係るバルジング検知装置10の概略構成、およびこのバルジング検知装置10を適用すべき鋳片Sと連続鋳造機100とを模式的に示した図である。なお、この鋳片Sは連続鋳造工程において、連続鋳造機100のガイドロール102に支持されながら鋳型101から矢印Arの方向へ引き抜かれている。また、鋳型101の直下には冷却帯Aがあり、この冷却帯Aにおいて鋳片Sの凝固層の成長が制御される。また、符号Wは、連続鋳造機100の外壁である。
本発明者は、悪環境下において、安定してバルジングを検知するために電波を用いた距離計を利用することに着眼し、さらに、鋳片の短辺の中央部と端部との差からバルジングを検出するにあたり精度を向上するための本発明に至ったのである。
このバルジング検知装置10は、周波数が30GHz〜300Gzのミリ波を用いたものであり、図1に示すように、距離計ヘッド11、12、21、22と、バルジング検知手段としてのミリ波距離計13と、ミリ波用の導波管14a、14b、15a、15bとを備えている。
距離計ヘッド11、12、21、22は、冷却帯Aの下方に配置されている。また、距離計ヘッド11、21は、鋳片Sの一方の短辺に面して配置され、距離計ヘッド12、22は、鋳片Sの他方の短辺に面して配置されている。また、ミリ波距離計13は、連続鋳造機100の外部に設置されている。また、導波管14a、14bは、距離計ヘッド11、21とミリ波距離計13とを接続するためのものであり、導波管15a、15bは、距離計ヘッド12、22とミリ波距離計13とを接続するためのものである。
図2は、距離計ヘッド11、21の詳細構成、配置、およびその動作を説明する説明図である。なお、図2において、符号Dは鋳片Sの引き抜き方向を示しており、鋳片Sは、紙面の表側から裏側に向かって引き抜かれている。図2に示すように、この距離計ヘッド11は、断面が矩形のホーンアンテナを用いた送信アンテナ11aと、送信アンテナ11aの近傍に配置された受信アンテナ11bを有しており、鋳片Sの短辺Saに面して、短辺Saから所定の距離だけ離隔した状態で配置されている。また、導波管14aは送信アンテナ11aに接続し、導波管14bは受信アンテナ11bに接続している。なお、短辺Saの長さはたとえば200〜300mm程度である。
一方、距離計ヘッド21も、断面が矩形のホーンアンテナを用いた送信アンテナ21a、受信アンテナ21bを有しており、鋳片Sの短辺Saに面して、距離計ヘッド11と同じ距離だけ短辺Saから離隔した状態で配置されている。また、導波管14a、導波管14bの途中にはそれぞれ切替スイッチ27a、27bが設けられており、導波管24aは送信アンテナ21aと切替スイッチ27aとに接続し、導波管24bは受信アンテナ21bと切替スイッチ27bとに接続している。なお、切替スイッチ27a、27bは、このように連続鋳造機100の内部に設けてもよいし、連続鋳造機100の外部やミリ波距離計13の内部に設けてもよい。
一方、距離計ヘッド12、22も、それぞれ距離計ヘッド11、21と同様に、断面が矩形のホーンアンテナを用いた送信アンテナ、受信アンテナを有しており、鋳片Sにおける短辺Saの反対側の短辺に面して、この短辺から所定の距離だけ離隔した状態で配置されている。また、導波管15a、15bは、距離計ヘッド12の送信アンテナ、受信アンテナにそれぞれ接続している。また、導波管15a、導波管15bの途中にはそれぞれ切替スイッチが設けられている。距離計ヘッド21の送信アンテナは、所定の導波管を介して、導波管15aに設けた切替スイッチに接続しており、距離計ヘッド21の受信アンテナは、別の所定の導波管を介して、導波管15bに設けた切替スイッチに接続している。
なお、距離計ヘッド11、21、12、22とそれぞれが面している短辺との間の離隔距離は、たとえば約200mmであるが、連続鋳造機100内の他の機器と干渉しないようにすれば特に限定されない。
つぎに、図2を用いてバルジング検知装置10の動作を説明する。まず、ミリ波距離計13は、導波管14aを通して送信アンテナ11aに所定の信号パターンを有するミリ波信号W1を供給する。一方、ミリ波距離計13は、導波管14aを通して、ミリ波信号W1と同一または異なる所定の信号パターンを有するミリ波信号W2も供給する。ここで、切替スイッチ27aは所定の切替タイミングにより適宜に切り替わり、ミリ波信号W2は送信アンテナ21aに供給される。このミリ波信号W1、W2としては、たとえば単一パルス状のものを用いるが、連続波のものでも適用可能である。つぎに、送信アンテナ11aは、鋳片Sの短辺Saの厚さ方向の略中央部Cに向かってミリ波信号W1を送信する。その一方で、送信アンテナ21aは、鋳片Sの短辺Saの厚さ方向の略端部Eに向かってミリ波信号W2を送信する。なお、ミリ波信号W1、W2の短辺Sa上でのスポットサイズはたとえば20mm〜30mmとする。
すると、ミリ波信号W1が中央部Cによって反射して反射ミリ波信号RW1が発生する。受信アンテナ11bは、この反射ミリ波信号RW1を受信する。その一方で、受信アンテナ21bが、ミリ波信号W2が端部Eによって反射して発生した反射ミリ波信号RW2を受信する。導波管14bは、受信アンテナ11bが受信した反射ミリ波信号RW1をミリ波距離計13へと導波する。その一方で、導波管24bは、切替スイッチ27b、導波管14bを介して、受信アンテナ21bが受信した反射ミリ波信号RW2をミリ波距離計13へと導波する。ミリ波距離計13は、反射ミリ波信号RW1、RW2を受け付ける。
そして、ミリ波距離計13は、送信アンテナ11aの送信時刻と、受信アンテナ11bの受信時刻との時間差にもとづき、距離計ヘッド11と鋳片Sの短辺Saの中央部Cとの距離を測定する。また、一方で、ミリ波距離計13は、送信アンテナ21aの送信時刻と、受信アンテナ21bの受信時刻との時間差にもとづき、距離計ヘッド21と鋳片Sの短辺Saの端部Eとの距離を測定する。たとえば、上記時間差とミリ波信号W1の速度との積を2で除算して上記距離とする。
つぎに、鋳片Sの短辺Saにバルジングが発生した場合について説明する。バルジングは、鋳片Sの短辺Saの中央部C(短辺厚み方向中心とした50〜100mm程度の範囲)を中心として現われる。したがって、距離計ヘッド11と鋳片Sの短辺Saの中央部Cとの距離は、バルジングが無い場合よりも短くなるように変動する。一方、バルジングが発生しても、それによっては端部Eの位置はほとんど変動しない。したがって、ミリ波距離計13は、距離計ヘッド21と端部Eとの測定距離を基準距離として、距離計ヘッド11と中央部Cとの測定距離と、基準距離との差分の変動から、短辺Saにおけるバルジングの発生とその量を検知することができる。なお、バルジング量は、バルジングがない場合の短辺Saを基準としたバルジングの高さで定義する。
同様に、ミリ波距離計13は、導波管15a、15bを介して距離計ヘッド12、22との間で所定のミリ波信号の供給と反射ミリ波信号の受け付けとを行い、距離計ヘッド12、22と、鋳片Sの短辺Saとは反対側の短辺の中央部および端部との距離をそれぞれ測定し、この測定した距離の差分の変動をもとに、この反対側の短辺におけるバルジングの発生とその量を検知することができる。
以下、このバルジング検知装置10について、測定距離の例を示してより具体的に説明する。図3は、単一パルス状のミリ波信号を用い、距離計ヘッド11と鋳片Sの短辺Saとの距離を約203mmとした場合の測定距離の一例を模式的に示した図である。図3において、横軸は測定した距離、縦軸は反射ミリ波信号の強度を示している。なお、ここで、横軸の距離は、ミリ波信号W1の送信時刻と反射ミリ波信号RW1の受信時刻との時間差にミリ波信号W1の速度を積算し、これを2で除算して算出している。図3に示すように、反射ミリ波信号RW1の強度の最大値は、距離計ヘッド11と鋳片Sの短辺Saとの距離に対応し、線L1が示す約203mmの位置に現われている。したがって、ミリ波距離計13は、この強度の最大値の位置をもとに、距離の変動を測定することができる。
一方、図4、5は、鋳片Sにバルジング量がそれぞれ1mm、10mmのバルジングB1、B2が発生した状態における各距離計ヘッド11、21により測定した距離を示した図である。なお、図4、5において、線L2、L3が距離計ヘッド21による測定距離を示し、線L4、L5が距離計ヘッド11による測定距離を示している。また、線L6〜L9は、反射ミリ波信号の強度が最大値となる位置を示し、各距離計ヘッド11、21と鋳片Sの短辺Saとの距離を示している。図4においては、距離計ヘッド11と短辺Saとの距離が202mmであり、距離計ヘッド21と短辺Saとの距離が203mmであり、その差分は1mmである。一方、図5においては、距離計ヘッド11と短辺Saとの距離が193mmであり、距離計ヘッド21と短辺Saとの距離が203mmであり、その差分は10mmである。すなわち、図4、5において、バルジング量は、各距離計ヘッド11、21と短辺Saとの距離の差分となって現われている。
このように、このバルジング検知装置10は、距離計ヘッド11と中央部Cとの距離と、距離計ヘッド21と端部Eとの距離との差分によりバルジングを検知する。したがって、鋳片Sが蛇行するなどして、短辺Saの位置が変動したとしても、正確にバルジングを検知できる。
また、このバルジング検知装置10においては、送信アンテナ11a、21aでミリ波信号W1、W2を送信し、鋳片Sの短辺Saの中央部Cからの反射ミリ波信号RW1を受信アンテナ11bで受信し、端部Eからの反射ミリ波信号RW2を受信アンテナ21bで受信し、このミリ波信号W1、W2と反射ミリ波信号RW1、RW2とを用いてバルジングBを検知するので、熱、水、粉塵の影響が少なく、非接触で鋳片Sの遠方からバルジングBの検知を行うことができる。また、送信または受信アンテナ11a、11b、21a、21b、あるいは導波管14a、14b、24a、24bは、簡易な構成で実現できる。また、これらの送信または受信アンテナ11a、11b、21a、21b、あるいは導波管14a、14b、24a、24bは、金属製のものを用いることができるので、耐熱性を確保することができ、安定した検知を実現する。さらに、これらをたとえばステンレス製のものとすれば、さらに耐腐食性を確保することができ、さらに安定した検知を実現できる。また、導波管14a、14bを用いることによってミリ波信号W1、W2を鋳片Sの輻射熱を受けない位置まで導波することができるので、ノイズの少ない安定した検知が可能となる。
また、ミリ波距離計13を連続鋳造機100の外部に設置しているので、鋳片Sの近くには送信または受信アンテナ11a、11b、21a、21b、あるいは導波管14a、14b、24a、24bなど金属製のパーツのみが設置されることとなる。その結果、このバルジング検知装置10は、仮にブレークアウトが発生した場合でも、簡易な構成のアンテナと導波管との交換で再使用でき、メンテナンス性に優れている。
さらに、このバルジング検知装置10においては、ミリ波信号W2は、その電場の偏波方向が、鋳片Sの角部と略平行(0度〜10度程度の範囲)になるように調整されている。その結果、短辺Saの端部Eからの反射ミリ波信号RW2の強度を高くすることができる。以下、具体的に説明する。
図6は、ミリ波信号W2が鋳片Sの短辺Saの端部Eにおいて反射され、反射ミリ波信号RW2が発生する様子を示した図である。図6において、矢印Arは鋳片Sの引き抜き方向を示し、偏波方向P1はミリ波信号W2の電場の偏波方向を示している。図6に示すように、ミリ波信号W2は、電場の偏波方向P1が鋳片Sの角部Coと略平行になっている。電波の性質として、角部Coのように鋭角な部分があると、角部に略平行な偏波方向の電場を有する電波が効率よく反射される。その理由は、電波の反射の際に、角部により電場の方向が変えられることがないため、電波の電場によって鋳片に発生する電流場の抵抗が小さく、そのために電流が集中しやすくなり、したがって電波の反射効率が高くなるためであると考えられる。
一方、図7は、鋳片Sの短辺Saの端部Eに、角部Coと略直角の偏波方向の電場を有するミリ波信号W3を入射させた場合を示した図である。この場合、端部Eの反射によって反射ミリ波信号RW3が発生するが、偏波方向P2が鋳片Sの角部Coと略直角になっているため、角部Coでの電場の方向が変えられることによる電流場に対する抵抗があるために、電流が集まりにくくなり、反射効率が低下することになる。
図8は、ミリ波信号の電場の偏波方向と、このミリ波信号を鋳片の短辺の端部に入射した場合の反射ミリ波信号の強度との関係を示した図である。なお、偏波方向は、鋳片の角部に対する角度で表しており、角度が0度とは偏波方向が角部と平行(鋳片引き抜き方向と平行)であることを意味し、90度とは角部と垂直であることを意味する。図8の「×」に示すように、反射ミリ波信号の強度は、角度が0度の場合に最大、90度の場合に最小である。また角度0度から90度までは、破線で示すような傾向で強度が変化しているものと考えられる。これらを考慮すると、0度〜10度にすると、より強い強度で反射波が得られ、測定が安定する。10度であれば、最大強度の0度に対して90%程度の強度であり、信号レベルが確保できる上、設置も容易であるからである。また、より強度が確保できる点においては、0度から5度、さらに好ましくは、0度から2度の範囲に収めるのがよい。
このように、このバルジング検知装置10においては、短辺Saの端部Eからの反射ミリ波信号RW2の強度を高くすることができるので、受信アンテナ21bによってより確実に受信できる。その結果、より正確に端部Eまでの距離を測定できるため、より正確なバルジングの検知が可能となる。
一方、ミリ波信号W1の電場の偏波方向については特に限定されないが、ミリ波信号W2の偏波方向とは異なる偏波方向とすれば、お互いの混信または干渉が抑制され、測定距離の誤差が低減されるので好ましく、ミリ波信号W2の偏波方向と略垂直の偏波方向とすることが特に好ましい。例えば、ミリ波信号W2の偏波方向に対して90度±10度の範囲内にするのが良く、より好ましくは90度±5度、さらに好ましくは90度±2度の範囲内とするのが良い。
また、このバルジング検知装置10においては、図2に示すように、送信アンテナ21aと受信アンテナ21bとが、鋳片Sの角部に垂直な方向に並んでいる。すなわち、送信アンテナ21aと受信アンテナ21bとは、ミリ波信号W2の電場の偏波方向に垂直な方向に並んでいる。その結果、ミリ波信号W2は、その電場の偏波方向が短辺Saの表面に平行になるように短辺Saに入射し、平行に反射されることとなるため、反射ミリ波信号RW2の強度が最も高くなるので好ましい。
なお、このバルジング検知装置10において、エアポンプ等を用いて構成したエア吹き込み機構によって導波管14a、14b、15a、15bにエアを吹き込むように構成すれば、導波管14a、14b、15a、15b自体の冷却と、各導波管内部への水蒸気、粉塵の侵入防止が実現されるので、長期にわたってさらに安定したバルジングの検知が可能となる。
また、冷却帯Aより大量の水が落下し、水の流れがミリ波信号W1、W2の進行方向に対して垂直な膜状になった場合などは、ミリ波信号W1、W2が水の膜で遮断され、または反射してしまうおそれがある。したがって、このバルジング検知装置10において、エアポンプ等を用いて構成したエア吹き付け機構によって距離計ヘッド11、12、21、22の送受信アンテナの周辺にエアを吹き付けて、水の膜が形成されないようにすれば、さらに安定したバルジングの検知が可能となる。
さらに、この実施の形態1に係るバルジング検知装置10においては、ミリ波距離計13を連続鋳造機100の外部に設置しているが、連続鋳造機100の内部の鋳片Sから離隔した位置に設置してもよい。
また、ミリ波信号W1、W2としては、単一パルス状のものに限られず、周期的信号や擬似ランダム信号で変調したもの等を用いることができる。特に、擬似ランダム信号で変調したミリ波信号を用いれば、信号処理により距離分解能を向上させることができる。
また、このバルジング検知装置10では、距離計ヘッド11と距離計ヘッド21とを同じ距離だけ短辺Saから離隔した状態で配置しているが、異なる距離としてもよい。
また、このバルジング検知装置10は、粉塵や水などによって距離の測定結果にノイズが生じた場合でも、より正確にバルジングを検知できるものとなる。これを以下に説明する。
図9は、バルジング検知装置10の各距離計ヘッド11、21による測定距離の経時変化を示した図である。なお、ここでは、距離計ヘッド11と距離計ヘッド21とを、短辺Saから異なる距離だけ離隔した状態で配置している。また、図9において、時間区間T1では距離計ヘッド11、21の周囲に水が少ない状態であり、時間区間T2では冷却帯Aから大量の水が落下してきた状態である。また、線L10、L11はそれぞれ距離計ヘッド11、21により測定した距離を示している。図9に示すように、線L10、L11に示したいずれの測定距離も、時間区間T1では安定しているものの、時間区間T2においては水の影響によりノイズが発生している。しかしながら、距離計ヘッド11、21の周囲環境はほとんど同じであるため、その測定距離に発生するノイズもほとんど同じ形状の経時変動を有している。したがって、このバルジング検知装置10においては、バルジングの検知のために距離計ヘッド11、21による測定距離の差分をとる際に、各測定距離に発生しているノイズが相殺される。したがって、このバルジング検知装置10は、水の影響を受けず、より正確にバルジングを検知できる。また、粉塵によりノイズが発生する場合も同様である。
また、実施の形態1に係るバルジング検知装置10によりバルジングが検知された場合や、バルジング量が所定の閾値、たとえば30mmを超えた場合には、ミリ波距離計13がアラームを発生するようにしてもよい。作業者は、このアラームを感知して、鋳造速度を遅くしたり、溶鋼流動の制御パターンを変えて鋳型101の下方の溶融流動を抑制したりすることによって、その後のバルジングの発生を防止することができる。
なお、上記実施の形態1では、ミリ波を用いたが、周波数が300GHz〜3THzのテラヘルツ波や、3GHz〜30GHzのマイクロ波を用いてもよい。用いる電波の種類は、たとえば所望の距離分解能や許容設置スペースを基準として最適なものを選択する。なお、距離分解能は、周波数が高いほど良くなり、すなわちマイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波の順番で良くなり、導波管などのパーツ寸法は、周波数が高いほど小さくなり、すなわちマイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波の順番で小さくなる。また、上記実施の形態1では、各送信または受信アンテナとして断面が矩形のホーンアンテナを用いたが、断面が円形のホーンアンテナやパラボラアンテナを用いてもよい。
また、上記実施の形態1では、切替スイッチ27a、27bを用い、各距離計ヘッド11、21に対してひとつのミリ波距離計13を用いてバルジングを検知しているが、各距離計ヘッド11、21に対して別個のミリ波距離計を備えるようにしてもよい。
また、上記実施の形態1では、鋳片Sの短辺Saの一方の端部Eの距離を測定しているが、さらにもう一方の端部の距離を測定してもよい。このように、鋳片Sの短辺Saの両端部の距離を測定し、一方の端部の距離を適宜選択して基準の距離としたり、両方の端部を結んだ直線の中点近辺を基準の距離としたりすれば、より正確なバルジングの検知を行うことができる。
実施1の形態に係るバルジング検知装置の概略構成、およびこのバルジング検知装置を適用すべき鋳片と連続鋳造機とを模式的に示した図である。 距離計ヘッドの詳細構成、配置、およびその動作を説明する説明図である。 単一パルス状のミリ波信号を用い、距離計ヘッドと鋳片の短辺との距離を約203mmとした場合の測定距離の一例を模式的に示した図である。 鋳片にバルジング量が1mmのバルジングが発生した状態における各距離計ヘッドによる測定距離を示した図である。 鋳片にバルジング量が10mmのバルジングが発生した状態における各距離計ヘッドによる測定距離を示した図である。 ミリ波信号が鋳片の短辺の端部において反射され、反射ミリ波信号が発生する様子を示した図である。 鋳片の短辺の端部に、角部と略直角の偏波方向の電場を有するミリ波信号を入射させた場合を示した図である。 ミリ波信号の電場の偏波方向と、このミリ波信号を鋳片の短辺の端部に入射した場合の反射ミリ波信号の強度との関係を示した図である。 バルジング検知装置の各距離計ヘッドによる測定距離の経時変化を示した図である。
符号の説明
10 バルジング検知装置
11、12、21、22 距離計ヘッド
11a、21a 送信アンテナ
11b、21b 受信アンテナ
13 ミリ波距離計
14a、14b、15a、15b、24a、24b 導波管
27a、27b 切替スイッチ
100 連続鋳造機
101 鋳型
102 ガイドロール
A 冷却帯
Ar 矢印
B1、B2 バルジング
C 中央部
Co 角部
D 引き抜き方向
E 端部
L1〜L11 線
P1、P2 偏波方向
RW1〜RW3 反射ミリ波信号
S 鋳片
Sa 短辺
T1、T2 時間区間
W 外壁
W1〜W3 ミリ波信号

Claims (4)

  1. 連続鋳造において引き抜かれている鋳片の短辺に面して配置され、前記鋳片の短辺の厚さ方向略中央部に向かって高周波の第1電波信号を送信する第1送信アンテナと、
    前記第1送信アンテナの近傍に配置され、前記第1送信アンテナが送信した前記第1電波信号が前記短辺の厚さ方向略中央部によって反射して発生した第1反射電波信号を受信する第1受信アンテナと、
    前記鋳片の短辺に面して配置され、前記鋳片の短辺の厚さ方向略端部に向かって高周波の第2電波信号を送信する第2送信アンテナと、
    前記第2送信アンテナの近傍に配置され、前記第2送信アンテナが送信した第2電波信号が前記短辺の厚さ方向略端部によって反射して発生した第2反射電波信号を受信する第2受信アンテナと、
    前記第1および第2送信アンテナならびに前記第1および第2受信アンテナに接続し、前記第1送信アンテナに前記第1電波信号を供給し、前記第2送信アンテナに前記第2電波信号を供給するとともに、前記第1受信アンテナが受信した前記第1反射電波信号および前記第2受信アンテナが受信した前記第2反射電波信号を受け付け、前記第1電波信号と前記第1反射電波信号を用いて測定した前記短辺の厚さ方向略中央部までの第1距離の変動と、前記第2電波信号と前記第2反射電波信号を用いて測定した前記短辺の厚さ方向略端部までの第2距離の変動とをもとに、前記鋳片の短辺に発生するバルジングを検知するバルジング検知手段と、
    を備え、前記第2電波信号の電場の偏波方向が、前記鋳片の角部と略平行であることを特徴とするバルジング検知装置。
  2. 前記第1電波信号の電場の偏波方向が、前記第2電波信号の電場の偏波方向とは異なることを特徴とする請求項1に記載のバルジング検知装置。
  3. 前記第1電波信号の電場の偏波方向が、前記第2電波信号の電場の偏波方向と略垂直であることを特徴とする請求項2に記載のバルジング検知装置。
  4. 前記第1電波信号または前記第2電波信号は、マイクロ波、ミリ波、テラヘルツ波のいずれか一つであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のバルジング検知装置。
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