JP2010142745A - 膜の製造方法および多孔性膜の製造方法 - Google Patents
膜の製造方法および多孔性膜の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 第一の粒子を有する第一の分散液の液面に、該第一の粒子よりも粒子径の大きな第二の粒子の単粒子膜を形成する膜形成工程と、
前記第一の粒子とともに前記単粒子膜を基板上に堆積させる転写工程と、
を有することを特徴とする膜の製造方法。
【選択図】 なし
Description
Langmuir,14,6501(1998)
第一の粒子を有する第一の分散液の液面に、該第一の粒子よりも粒子径の大きな第二の粒子の単粒子膜を形成する膜形成工程と、
前記第一の粒子とともに前記単粒子膜を基板上に堆積させる転写工程とを有すること、
を特徴とする膜の製造方法である。
前記基板上に堆積した前記単粒子膜を除去する除去工程とを有すること、
を特徴とする多孔性膜の製造方法である。
(1)第一の粒子を有する第一の分散液の液面に、該第一の粒子よりも粒子径の大きな第二の粒子の単粒子膜を形成する膜形成工程と、
(2)前記第一の粒子とともに前記単粒子膜を基板上に堆積させる転写工程と、
を有することを特徴とする膜の製造方法である。
(1)の工程では、図1(a)に示すように、第一の粒子101を有する第一の分散液103の液面に、該第一の粒子101よりも粒子径の大きな第二の粒子104の単粒子膜107を形成する。
(Dhw2)/(Dhw1)>10 ・・・ (式1)
これは、第一の粒子101が第二の粒子104の粒子間に位置しやすくなり、第二の粒子104と第一の粒子101とが相互作用することで、第二の粒子同士の凝集やクラスター形成が抑制され、配列性の高い単粒子膜を形成することができるため好ましい。ここで、重量平均流体力学粒子径は第一の溶媒に分散した粒子を、動的光散乱法により測定することができる。
(Dhw2)/(Ddw2)<1.2 ・・・(式2)
これは、第二の粒子104が第一の分散液103の液面上にある状態から、後述の転写工程において、基板上にある状態におかれたときの収縮の度合いが小さい方が、基板上に配列性の高い単粒子膜を形成させることができるからである。重量平均乾燥粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって粒子を撮影して得られる粒子の写真からノギスを用いて粒子径を計測する、という作業を1000個の粒子について行い、各々の粒子径を下記式に代入して算出することができる。なお、粒子径を測定する粒子の数は1000個に限られない。
[重量平均乾燥粒子径]=ΣfiDi4 / fiDi3
ただし、fiは粒子径がDiである粒子の個数、iは1から1000の整数、Σはiを1から1000まで変化させたときの和である。
(Ddw2)/(Ddn2)<1.2 ・・・ (式3)
この関係を満たす場合、第二の粒子は均一に近く、単粒子膜の配列の乱れ、クラック、欠陥が生じにくく、本発明を好ましく実施することが出来る。ここで、数平均乾燥粒子径は、前述の重量平均乾燥粒子径と同様に、1000個の粒子について粒子径を測定し、各々の粒子径を下記の式に代入することで算出できる。なお、粒子径を測定する粒子の数は1000個に限られない。
[数平均乾燥粒子径]= ΣfiDi / fi
ただし、fiは粒子径がDiである粒子の個数、iは1から1000の整数、Σはiを1から1000まで変化させたときの和である。
変動係数(%)=100×ピッチ間距離の標準偏差/ピッチ間距離の平均値 ・・・ (式4)
より好ましい変動係数の値は5%以下であり、さらに好ましくは3%以下である。変動係数の値が10%より小さい場合、単粒子膜107を構成する第二の粒子104の配列のばらつきが小さく、例えば光学材料として単粒子膜を適用した場合にその光学特性が大きく損なわれないため好ましい。また、第二の粒子104同士の相互作用を弱め、第二の粒子104同士の凝集やクラスター形成を抑制させるために、第二の粒子104の粒子間には第一の粒子101が存在することが好ましい。そのため、第一の分散液103における第一の粒子101の濃度は、第二の粒子104の粒子間に第一の粒子101が存在するような適切な濃度に設定しておくことが好ましい。なお、第一の粒子101は、第二の粒子104同士の凝集やクラスターを抑制する程度の数だけ存在していればよく、充填されていなくてもよい。ここでいう充填とは、第二の粒子104の粒子間に隙間がないように第一の粒子101が存在することである。
前記基板上に堆積した前記単粒子膜を除去する除去工程と、を有することを特徴とする多孔性膜の製造方法である。
水中における重量平均流体力学粒子径(Dhw)5nmのシリカ粒子1を、7vol%となるように蒸留水中に分散させ、シリカ粒子1の水分散液を調製する。9gのスチレンと0.005gのpスチレンスルホン酸ナトリウム、0.9gのNイソプロピルアクリルアミド、100gの蒸留水を4つ口フラスコに秤量して混合液とし、混合液に対して30分間の窒素バブリングを行う。
3gのメチルメタクリレートと0.5gのドデシル硫酸ナトリウム、50gの蒸留水を4つ口フラスコに秤量して混合液とし、超音波ホモジナイザーで処理してマイクロエマルションを調製する。このマイクロエマルションに対して30分間の窒素バブリングを行う。次に、マイクロエマルションを70℃に昇温し、0.03gの過硫酸カリウムを添加することで重合を開始する。12時間の重合反応し、マイクロエマルションを遠心分離によって精製し、PMMA粒子(ポリメチルメタクリレート粒子)を得る。DLS8000(大塚電子製)にてPMMA粒子の水中における重量平均流体力学粒子径を評価すると、14nmの単分散粒子であることを確認できる。PMMA粒子を10vol%になるように蒸留水に分散させて、PMMA粒子の水分散液を調製する。
まず、蒸留水の液面に、実施例1と同一の、SN粒子のエタノール分散液を展開して30分間静置する。次に、10mm/minでバリアを圧縮し、表面張力変化に不連続点が観察されたら、この不連続点でSN粒子の単粒子膜が形成されたと判断できる。前記不連続点にてバリア圧縮を停止し、30分間静置した後、10mm/minでバリアを再度圧縮しながら、SN粒子の単粒子膜をウェハ上に10mm/minにて堆積させ、自然乾燥させて膜3を得る。膜3を光学顕微鏡、及びSEMにて評価すると、多数の点欠陥やクラック等が観察されることを確認できる。
水中における重量平均流体力学粒子径(Dhw)5nmのシリカ粒子1を、7vol%となるように蒸留水中に分散させ、シリカ粒子1の水分散液を調製する。3gのNイソプロピルアクリルアミド、0.05gのメチレンビスアクリルアミド、100gの蒸留水を4つ口フラスコに秤量して混合液とし、混合液に対して30分間の窒素バブリングを行う。
102 第一の粒子が分散する溶媒
103 第一の分散液
104 第二の粒子
105 第二の溶媒
106 第二の分散液
107 単粒子膜
108 第一の溶媒
109 第一の分散液
110 基板
111 膜
112 多孔性膜
201 バリア
202 表面張力計
203 サブフェーズ
204 展開面
Claims (8)
- 第一の粒子を有する第一の分散液の液面に、該第一の粒子よりも粒子径の大きな第二の粒子の単粒子膜を形成する膜形成工程と、
前記第一の粒子とともに前記単粒子膜を基板上に堆積させる転写工程と、
を有することを特徴とする膜の製造方法。 - 前記膜形成工程が、
前記第一の粒子と第一の溶媒とを有する分散液(a)の液面に、
前記第二の粒子と揮発性を有する第二の溶媒とを有する分散液(b)を展開する工程であることを特徴とする請求項1に記載の膜の製造方法。 - 前記膜形成工程が、
前記第一の粒子と第一の溶媒とを有する分散液(a)の液面に、
前記第二の粒子と前記第一の溶媒に対して溶解性を有する第二の溶媒とを有する分散液(b)を展開する工程であることを特徴とする請求項1に記載の膜の製造方法。 - 前記第一の粒子の重量平均流体力学粒子径(Dhw1)と前記第二の粒子の重量平均流体力学粒子径(Dhw2)との関係が下記の式1を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の膜の製造方法。
(Dhw2)/(Dhw1)>10 ・・・ (式1) - 前記第二の粒子の重量平均流体力学粒子径(Dhw2)と前記第二の粒子の重量平均乾燥粒子径(Ddw2)との関係が下記の式2を満たすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の膜の製造方法。
(Dhw2)/(Ddw2)<1.2 ・・・ (式2) - 前記第二の粒子の重量平均乾燥粒子径(Ddw2)と前記第二の粒子の数平均乾燥粒子径(Ddn2)との関係が下記の式3を満たすことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の膜の製造方法。
(Ddw2)/(Ddn2)<1.2 ・・・ (式3) - 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の膜の製造方法により膜を製造する工程と、
前記膜が有する前記単粒子膜を除去する除去工程と、
を有することを特徴とする多孔性膜の製造方法。 - 前記第一の粒子および前記第二の粒子のうちの、一方が無機化合物からなり、他方が有機化合物からなることを特徴とする請求項7に記載の多孔性膜の製造方法。
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