JP2010142743A - 高温高圧発生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ダイヤモンドアンビルセルで100万気圧以上に加圧された物質を、ダイヤモンドアンビルを溶かすことなく、1万度以上の高温状態にする。
【解決手段】ダイヤモンドアンビルセルで試料を100万気圧以上の高圧状態にする。ブラッグピークが試料の目的の加熱位置に合致するように、全種イオン加速器を操作してイオン粒子の運動エネルギーを制御する。10Hz程度の繰り返し周波数のパルスイオンビーム3で試料を照射して、1万度以上に直接加熱する。パルスイオンビームは瞬間的に試料を加熱するので、ダイヤモンドアンビル1を溶かすことはない。急速加熱された試料は急速に冷却されるので、加熱前の状態に戻ることなく常温での安定状態になる。超高圧超高温により、新しい物質を合成することができる。
【選択図】図1
【解決手段】ダイヤモンドアンビルセルで試料を100万気圧以上の高圧状態にする。ブラッグピークが試料の目的の加熱位置に合致するように、全種イオン加速器を操作してイオン粒子の運動エネルギーを制御する。10Hz程度の繰り返し周波数のパルスイオンビーム3で試料を照射して、1万度以上に直接加熱する。パルスイオンビームは瞬間的に試料を加熱するので、ダイヤモンドアンビル1を溶かすことはない。急速加熱された試料は急速に冷却されるので、加熱前の状態に戻ることなく常温での安定状態になる。超高圧超高温により、新しい物質を合成することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、高温高圧発生装置に関し、特に、ダイヤモンドアンビルセルで100万気圧以上に加圧された試料を、パルスイオンビームにより1万度以上に加熱する高温高圧発生装置に関する。
従来、高圧発生装置にダイヤモンドアンビルセル法が用いられている。ダイヤモンドアンビルセルは、高圧と高密度状態を発生する基本的な実験手段である。ダイヤモンドアンビルセルは、数百気圧〜数万気圧の高圧を容易に得られること、静的な高密度状態が得られること、単純な構造で低コストであることなどの利点がある。しかし、ダイヤモンドアンビルセルで扱える試料サイズは小さく、100μm〜1cm程度である。
ダイヤモンドアンビルセル法では、定常的に高圧状態が発生できるものの、温度が室温程度の領域に限られている。そこで、レーザーによる直接加熱や、衝撃波加熱や、電磁波による共鳴吸収加熱などの方法によってダイヤモンドアンビルセルを加熱し、高温高圧の状態を作り出している。レーザーによる直接加熱法では、集光されたレーザーが試料を加熱すると同時に、ダイヤモンドアンビルセル自身を直接加熱してダイヤモンドアンビルを溶かしてしまう。レーザーによる衝撃波加熱法では、温度上昇が試料の熱力学変数と照射物質の熱力学変数に依存するため、到達圧力や到達温度の予測を行うことが困難である。電磁波による共鳴吸収加熱法では、定常的に高温高圧状態を作り出すことができるが、レーザーによる直接加熱と同様に、高温物質がダイヤモンドアンビルを温めて溶かしてしまう。そのため、到達可能な圧力や温度に限界がある。
これらの問題を回避する方法として、図6(a)に示すように、ダイヤモンドアンビルセルで超高圧状態にした試料に、加速器で加速した高速重イオンビームを、ダイヤモンドアンビルを透過させて照射する方法がある。この方法で試料を高温高圧状態にして、物質に相変化を起こさせることなどが試みられている。ダイヤモンドアンビルセル中の試料を強力イオンビームで加熱することにより、試料中のブラッグピーク位置を直接、効率的に加熱できる。この装置は構造が簡単で低コストである。しかし、小サイズの試料しか加熱できないし、ダイヤモンドアンビルの2000W/m・Kという高熱伝導率による熱損失が多くて、試料全体を定常的な高温にすることはできない。
ブラッグピークとは、図6(b)に示すように、イオンビームの停止直前におけるエネルギー放出のピークのことである。高速の荷電粒子が物質内を通過するとき、荷電粒子はその経路に沿って物質原子を電離し、イオンと電子との対を作る。入射した荷電粒子は次第にエネルギーを失って行く。荷電粒子は物質内の経路を進むにつれてエネルギー損が増大して行き、いずれ停止する。高速の荷電粒子は、停止する直前に最大のエネルギーを放出する。この荷電粒子の通過距離とエネルギー損の関係をプロットしたものを、発見者のウィリアム・ヘンリー・ブラッグに因んでブラッグ曲線(Bragg curve)と呼ぶ。ブラッグ曲線の極大部分はブラッグピークと呼ばれる。ブラッグピーク後のブラッグ曲線の接線が比電離ゼロの軸と交わる点までの距離のことを飛程という。
イオンビームを発生する方法として、イオン加速器が周知であるが、イオン種や運動エネルギーなどに制約が多いので、任意のイオン種を所望のエネルギーに加速できる全種イオン加速器が提案されている。図7に、その性能を表すグラフを示す。以下に、ダイヤモンドアンビルセル中の試料を加熱する方法に関連する従来技術の例をあげる。
特許文献1に開示された「超高圧発生用ダイヤモンドアンビル」は、100GPa以上の超高圧の発生の際にも壊れることが少なく、また、レーザーを照射した際のルミネッセンスやアブレーションなどの問題のない超高圧発生用ダイヤモンドアンビルである。高圧下の温度差法により合成された不純物量3ppm以下のダイヤモンド単結晶から作製された超高圧発生用ダイヤモンドアンビルである。アンビルの先端部(超高圧を発生させる部分)に、結晶欠陥を含まず、合成ダイヤモンド結晶の<001>方向と、アンビルの加圧方向とのなす角が3度以下である。
特許文献2に開示された「ナノダイヤモンドの製造方法」は、ダイヤモンド焼結体や、スラリー状研摩材等として有用な、ナノサイズの均一な粒径を有するナノダイヤモンドの製造方法である。カーボンナノチューブを、ダイヤモンドアンビルセル装置等のような密閉された高圧容器内に配置して、10GPa以上の高い静圧を均等に加えて1600℃以上の高温に、数十秒〜数分程度保持する。
特許文献3に開示された「全種イオン加速器」は、全種イオンを任意のエネルギーレベルに加速できるものである。前段加速器からのイオンビームを、誘導加速シンクロトロンの誘導加速セルに入射する。誘導加速セルによって、イオンビームに誘導電圧を印加して加速する。イオンビームの通過シグナルや位置シグナルと、イオンビームに印加された誘導電圧値を知るための誘導電圧シグナルを基にして、誘導電圧の発生タイミングと印加時間を決める。デジタル信号処理装置とパターン生成器で、ゲート信号パターンを生成する。誘導加速セルのオンオフを、インテリジェント制御装置によりフィードバック制御する。
非特許文献1には、「高速重イオンビームを用いた物質研究」について、次のように報告されている。この計画書は、主に2つのテーマの研究を提案する。1つは、重イオンによる超高圧下の固体の変性である。このためには、固体をアンビルの間に閉じ込めて圧力をかける必要がある。したがって、アンビルの片方を通り抜けて試料に到達して、そこで最大エネルギーロス(ブラッグピーク)を発生するか、あるいは高速度で完全に通過するために、イオンは大きな運動エネルギーを必要とする。圧力に加えて、温度やせん断力などのさらに他のパラメータが、変性過程に影響を及ぼす。重イオンは、大量のエネルギーを非常に短時間に、非常に小さい体積中に放出する。このようにして、すでに閾値に近い状態にある物質の変性の引き金となる。相転移と音波伝播は、後者は短く強いイオンパルスで巨視的な試料に励起されることが好ましいが、努力を傾注すべき重要な観点である。もう1つは、高速重イオンにより惹き起こされる物質変性の解析である。粒子通過により励起された過程の短時間のしるしには、イオン軌跡から放出される電子や、イオンや、クラスターや、電磁放射(X線やチェレンコフ光)がある。それらの強度やエネルギーや時間スケールや空間的分布に関する特性値から、軌跡形成の様子がわかる。この情報は、最終的な物質変性の解析によって完全になる。
非特許文献2には、「天然ダイヤモンドにおける50GeVウランイオンのエネルギーロス」について、次のように報告されている。ダイヤモンドアンビルセル(DAC)中の高圧状態の物質に重イオンを照射する研究である。この研究では、天然ダイヤモンドからなる2つのアンビルの1つを通るイオンの完全な通過路が必要である。典型的なアンビルの長さは約2〜3mmであるから、GSIのSIS重イオンシンクロトロンで得られるような数百MeV/uのイオンのエネルギーが必要である。エネルギーロスと、このエネルギーでのイオンの飛距離のデータは、ダイヤモンドに関して不十分であるので、DACダイヤモンドの片方と、それに隣接して重ねられた100枚の30μm厚のポリカーボネート箔とに、50.3 GeV (211.5 MeV/u) のウラン238イオンを照射する一連の実験で、その飛距離を計測した。ダイヤモンドアンビルは損傷を受けない。ポリカーボネート箔中の軌跡をエッチングして穴を数える方法で、箔層中のイオン飛距離と飛距離のばらつきを計測した。実験的に求めたポリマー箔層中のイオン飛距離は、SRIMとATIMAの計算機プログラムで求めたダイヤモンドとポリマー中のエネルギーロス値と符合している。同時に、これらのプログラムはダイヤモンドに関して信頼できるものであることが証明された。したがって、SRIMとATIMAを、DAC中で圧縮された物質への重イオン照射を目的とする今後の実験で用いる。
非特許文献3には、「重イオンによる高圧下の相形成」について、次のように報告されている。高圧相は、惑星や衛星での種々の自然環境で形成される。放射性崩壊中に生成された活動的なイオンが高圧相の形成に及ぼす影響について、詳細に研究されてはいない。ここで、室温で14万気圧までの圧力下の物質中の加速イオンによる相変化に関する最初の実験を報告する。高エネルギーの重イオンを、ダイヤモンドアンビルを通して、メリル-バセット型ダイヤモンドアンビルセルで加圧された試料に注入した。GSIの重イオンシンクロトロン(SIS)で、238Uイオンと197Auイオンを使って照射実験を行った。ビームエネルギーは、1.5〜4ミリの厚さの第1ダイヤモンドアンビルを完全に通過するのに十分な20GeV以上であった。1×108〜1.9×1011ions/cm2の流束のイオンを印加した。一連の実験において、種々の圧力下で、合成高配向熱分解黒鉛(HOPG)とルチル(TiO2)とジルコン(ZrSiO4)に照射した。これらの実験の大部分では、各鉱物が熱力学的安定領域外になるように、圧力を調整した。アンビルダイヤモンドは、照射中に強い蛍光を発した。しかし、ダイヤモンドが放射損傷を受けた兆候はなかった。そして、セル中の圧力は、照射の前の圧力とほとんど同じであった。軌跡形成抑圧や完全再結晶化や新相形成のような効果を含む、イオンによる目標鉱物の変性に、圧力が劇的に影響するという明確な証拠がある。
非特許文献4には、「高圧と高速重イオンの同時印加による固体の相転移」について、次のように報告されている。多くの固体では、MeV〜GeV程度の高エネルギーの重イオンにより、直径が10nm程度の長円筒状の傷痕ができる。現在まで、高エネルギー粒子と高圧の同時印加により固体がどうなるかについて、ほとんど何も知られていない。GSIのSIS重イオンシンクロトロンからの高速重イオンを、数mmのダイヤモンドアンビルを通して、ダイヤモンドアンビルセル中で18GPa(18万気圧)に加圧された固体試料に打ち込んだ最初の実験を報告する。70GeVまでの運動エネルギーのイオンを用いて、2つのダイヤモンドアンビルの1つを完全に通過させ、高圧セル中の試料に進入させて、十分なエネルギーロスにより損傷を与えた。合成黒鉛や天然ジルコンなどのいくつかの固体では、圧力とイオンビームの組合せが、圧力やイオンの単独印加では起きない激烈な構造変化を惹き起こす。変態には、個々の飛跡形成ではない黒鉛の長距離非晶質化がある。さらに、ジルコンの場合、ナノ結晶への分解と、高圧相レイダイトの形成がある。それに反して、黒雲母などの他の物質では、イオン軌跡形成における圧力の格別の影響は観測されなかった。
非特許文献5には、「マルチメガバールにおけるレーザー加熱実験」について、次のように報告されている。地球内部コアにおけるような超高圧超高温状態を実現することは、主要な実験的挑戦の1つである。ここでは、レーザー加熱ダイヤモンドアンビルセルを用いる数百万気圧領域の超高圧と高温の技術の最近の発展について説明する。300万気圧で2000度までの石英と鉄の相関係についての最近の実験からの結果を紹介する。
しかし、従来の重イオンビームによる加熱法では、充分な粒子エネルギーが得られないので、試料を超高温にすることができないという問題がある。また、イオンビームの元素として、任意の元素を選択できないので、試料が最適の温度になるようにきめ細かく制御できない。
本発明の目的は、上記従来の問題を解決して、ダイヤモンドアンビルセルで100万気圧以上に加圧された物質を、1万度以上の所望の高温状態にすることである。
上記の課題を解決するために、本発明では、高温高圧発生装置を、試料を100万気圧以上の高圧状態にするダイヤモンドアンビルセルと、任意の元素について任意のエネルギーで10Hz程度の繰り返し周波数のパルスイオンビームをデジタル制御により発生する全種イオン加速器と、全種イオン加速器からのパルスイオンビームをダイヤモンドアンビルセルに導いて高圧状態の試料を1万度以上に直接加熱するための照射手段と、試料中の目的位置に一致するブラッグピークをもつパルスイオンビームを発生するように全種イオン加速器を制御する手段とを具備する構成とした。
上記のように構成したことにより、最適な元素を選択して、パルスイオンビームの照射強度をきめ細かく制御することができ、超高圧下の試料を目的の最適温度にできる。物質を任意の超高圧超高温状態にできるので、超高温超高圧下の物質の特性評価や、凝縮物質の特性評価が容易にできる。さらに、温度と圧力を制御して、種々の新物質を生成できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図5を参照しながら詳細に説明する。
本発明の実施例は、ダイヤモンドアンビルセルで100万気圧以上の高圧状態にした試料の位置に、10Hz程度の繰り返し周波数のパルスイオンビームのブラッグピークを合わせて照射して、1万度以上に直接加熱する高温高圧発生装置である。
図1は、本発明の実施例における高温高圧発生装置の概念図である。図1において、ダイヤモンドアンビル1は、試料を加圧するダイヤモンド単結晶である。ガスケット2は、試料を保持する手段である。イオンビーム3は、アルゴンのパルスイオンビームである。
図2は、ブラッグピークを説明するグラフである。図3は、加熱ロスを説明するグラフである。図4は、加圧水素を加熱する様子を説明するグラフである。図5は、加圧された金を加熱する様子を説明するグラフである。
上記のように構成された本発明の実施例における高温高圧発生装置の機能と動作を説明する。最初に、図1を参照しながら、高温高圧発生装置の機能の概要を説明する。ダイヤモンドアンビルセルで、試料を100万気圧以上の高圧状態にする。ダイヤモンドアンビルセルは、従来のものと同様である。試料は、固体でも液体でもよい。全種イオン加速器により、10Hz程度の繰り返し周波数でイオンを加速する。ここでは、アルゴンイオンを用いる例を説明するが、どのような元素のイオンでもよい。全種イオン加速器はどのようなものでもよいが、任意のイオンを十分に加速できるものであることが必要である。
イオンビーム3のブラッグピークが試料の目的の加熱領域に来るように、全種イオン加速器を操作してイオン粒子の運動エネルギーを制御する。ダイヤモンドアンビルセルで100万気圧以上の高圧状態にした試料に、パルスイオンビーム照射を行って、1万度以上に直接加熱する。目的の温度になるように、イオン粒子の照射量を調節する。パルスイオンビーム3は、瞬間的に試料を加熱するので、ダイヤモンドアンビルへの熱負荷は小さい。全種イオン加速器から10Hz程度の繰り返し周波数のイオンビームを、ダイヤモンドアンビルセルに長時間入射できるので、超高圧状態を保ちながら、試料に任意の元素のイオンを注入できる。超高圧状態の試料に所望のイオンを注入して、超高圧超高温状態にして新物質を創成することができる。他の一般的な加速器ではイオン種が限られてしまうため、このようなことは不可能である。
次に、図2を参照しながら、アルゴンイオンビームのブラッグピークについて説明する。ダイヤモンドアンビルの厚さは約4mmである。ブラッグピークは、試料内部の約0.2mmの位置にある。アルゴンイオンビームのエネルギーは、ダイヤモンドアンビル中では、ほとんど吸収されていない。イオン粒子の運動エネルギーが約2GeV以上であれば、エネルギーロスは少ないので、イオン粒子の運動エネルギーを調節することにより、ブラッグピークの位置を試料中の所望の位置に合わせることができる。この計算はSRIMなどのプログラムで実行できる。
次に、図3を参照しながら、加熱ロスについて説明する。ダイヤモンドアンビルの熱伝導率は2000W/m・Kである。熱伝導損失は、照射開始から100nsで1.9mJである。熱伝導により、ダイヤモンドアンビルに接している部分のアルミニウムの温度は低下するが、アルミニウム内部の温度は1万度から低下していない。ダイヤモンドアンビルは、熱伝導率が大きいので温度は上昇せず、アルミニウムに接している部分の温度が少し上がる程度である。100ns程度の短時間ではあるが、ダイヤモンドアンビルセル中の試料にイオンビームを照射することで、物質を超高密度状態で高温にできる。
次に、図4を参照しながら、加圧水素の加熱について説明する。試料の初期状態は、圧力が2万気圧で室温である。試料にイオンビームを照射して5000度近くまで加熱できる。10μm程度にわたって高温状態となる。この到達可能温度と初期密度は、推定値である。
次に、図5を参照しながら、加圧された金の加熱について説明する。4万度近くまで加熱できる。数μmにわたって高温状態となる。ダイヤモンドアンビルセル中の試料の超高圧超高温状態は、極めて短時間であるので測定が困難であるが、X線回折などの周知の方法で測定可能である。超高温状態は極めて短時間であるので、温度による試料の状態変化は準静的な変化ではなく、可逆変化とはならないので、常温に戻った場合でも、状態変化の影響が安定的あるいは準安定的に残る。したがって、常温常圧に戻した試料を分析することで、超高圧超高温下における状態変化の様子を知ることができる。イオンビームにより試料に注入されるイオンの数は、試料の原子数に比較してはるかに少ないので、不純物としての影響はほとんどない。
上記のように、本発明の実施例では、高温高圧発生装置を、ダイヤモンドアンビルセルで100万気圧以上の高圧状態にした試料の位置に、10Hz程度の繰り返し周波数のパルスイオンビームのブラッグピークを合わせて照射して、1万度以上に直接加熱する構成としたので、パルスイオンビームの照射強度をきめ細かく制御して、超高圧下の試料を目的の超高温度にできる。
本発明の高温高圧発生装置は、試料を100万気圧以上で1万度以上の高温状態にする手段として最適である。
1 ダイヤモンドアンビル
2 ガスケット
3 イオンビーム
2 ガスケット
3 イオンビーム
Claims (2)
- 試料を100万気圧以上の高圧状態にするダイヤモンドアンビルセルと、任意の元素について任意のエネルギーで10Hz程度の繰り返し周波数のパルスイオンビームをデジタル制御により発生する全種イオン加速器と、前記全種イオン加速器からのパルスイオンビームを前記ダイヤモンドアンビルセルに導いて高圧状態の試料を1万度以上に直接加熱するための照射手段と、試料中の目的位置に一致するブラッグピークをもつパルスイオンビームを発生するように前記全種イオン加速器を制御する手段とを具備することを特徴とする高温高圧発生装置。
- ダイヤモンドアンビルセルで試料を100万気圧以上の高圧状態にし、任意の元素について任意のエネルギーで10Hz程度の繰り返し周波数のパルスイオンビームを全種イオン加速器で発生し、試料中の目的位置に一致するブラッグピークをもつパルスイオンビームを発生するように前記全種イオン加速器を制御し、前記全種イオン加速器からのパルスイオンビームを前記ダイヤモンドアンビルセルに導いて高圧状態の試料を1万度以上に直接加熱することを特徴とする高温高圧発生方法。
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JP2008323576A JP2010142743A (ja) | 2008-12-19 | 2008-12-19 | 高温高圧発生装置 |
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2008
- 2008-12-19 JP JP2008323576A patent/JP2010142743A/ja active Pending
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