JP2010139345A - 複屈折測定装置 - Google Patents

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晋 梅本
Tomohito Takita
智仁 滝田
Hiroki Yamagishi
洋毅 山岸
Norimasa Okui
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【課題】複屈折量及び複屈折軸角度を一度の測定で高精度に演算できる複屈折測定装置を提供する。
【解決手段】被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を測定する複屈折測定装置は、光源部10と、分割部20と、偏光部30と、受光部40,41と、演算部50とからなる。光源部10は、被測定物1に直線偏光、円偏光、楕円偏光の何れか1つを照射する。分割部20は、被測定物からの透過光を2つに分割する。偏光部30は、互いに偏光面の角度が異なり、且つその角度差が90度の倍数ではない2つの偏光子31,32を有し、分割部20により分割される2つの光をそれぞれ偏光させる。受光部40,41は、偏光部30により偏光される2つの光をそれぞれ受光する。そして、演算部50は、受光部40,41により受光される2つの受光量を用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算する。
【選択図】図1

Description

本発明は複屈折測定装置に関し、特に、複屈折量及び複屈折軸角度を測定することが可能な複屈折測定装置に関する。
結晶性材料や分子配向を有する非晶性材料は、多くの場合複屈折を示す。この複屈折性を測定することにより、結晶配向、分子配向に関する有用な知見を得ることができる。このような複屈折測定の手法としては、偏光顕微鏡において、光路に偏光子、検光子を直交させて挿入し、被測定物である試料を測定するクロスニコルが良く知られている。クロスニコルの場合、試料を透過する光量は、試料自体の複屈折量や、偏光子・検光子に対する試料の複屈折軸のなす角度、光の波長等に依存するため、複屈折量と複屈折軸角度をそれぞれ独立に測定することはできなかった。
これに対して、単色光を照射し、試料又は測定光学系を光軸を中心に回転させて順次透過光量を測定し、これらの測定結果から複屈折量と複屈折軸角度を独立に演算する手法もある。また、既知の任意の偏光光を試料に照射したときの反射光の偏光状態を計測するときに、検光子を回転させ、検光子の方位角度に対する受光強度を多数測定して複屈折量や複屈折軸角度を測定する、回転検光子法と呼ばれるものも知られている。
試料や光学系の回転や回転検光子法による回転では、何れも回転中に時間的な差が生じるため、試料の複屈折量や複屈折軸角度が時間的に変化する場合には、これらを同時に測定することは困難であった。さらに、回転を伴うため測定に非常に時間がかかるものであった。また、回転角度のずれは測定結果の精度に大きな影響を及ぼすため、物理的に試料や測定光学系を回転させなければならない手法では、回転による機械誤差は無視できるものではなかった。
このような回転を必要としない複屈折測定手法として、特許文献1に開示のものがある。これは、円偏光を試料に入射し、透過光を複数に分割し、1/4位相差板等を介して受光して求めたストークスパラメータを用いて複屈折を演算するものである。円偏光を入射するために、1/4位相差板を用いて光源からの光を円偏光に変換している。なお、ストークスパラメータを定めるためには、光の直交成分の電界強度2つとその位相差を求める必要があり、最低3つ、好ましくは4つの光強度を測定することが必要と考えられる。
特開2004−205500号公報
上述のように、測定時に回転が伴うものでは、測定に時間がかかり、リアルタイムに複屈折量や複屈折軸角度を測れず、さらにこれらを一度に測定することもできなかった。また、特許文献1に開示のものは、1/4位相差板を用いて円偏光を発生させているが、正確に円偏光とするのは非常に困難である。位相差板の軸が所定の角度となるように製造したとしても、正確な角度とならず誤差を含む場合もある。また、位相差板が正確な角度であったとしても、複数の位相差板の配置角度がずれてしまう場合もある。このような場合、正確な円偏光とはならず、楕円偏光となってしまう。さらに、このような問題は、試料からの透過光を1/4位相差板を介して光強度を測定する場合には、特に大きな誤差を生じる原因となり、測定精度上大きな問題となる。したがって、測定系には1/4位相差板等の位相差板を含まない構成が望ましい。
したがって、測定系にこのような誤差要因を含まず、短時間で精度良く複屈折量と複屈折軸角度を測定できる装置の開発が望まれていた。
本発明は、斯かる実情に鑑み、複屈折量及び複屈折軸角度を一度の測定で高精度に演算できる複屈折測定装置を提供しようとするものである。
上述した本発明の目的を達成するために、本発明による複屈折測定装置は、被測定物に直線偏光、円偏光、楕円偏光の何れか1つを照射する光源部と、被測定物からの透過光を少なくとも2つに分割する分割部と、互いに偏光面の角度が異なり、且つその角度差が90度の倍数ではない少なくとも2つの偏光子を有し、分割部により分割される少なくとも2つの光をそれぞれ偏光させる偏光部と、偏光部により偏光される少なくとも2つの光をそれぞれ受光する受光部と、受光部により受光される少なくとも2つの受光量を用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算する演算部と、を具備するものである。
ここで、光源部は、単色光を照射するものであれば良い。
また、光源部は、被測定物に直線偏光を照射し、偏光部は、直線偏光の偏光面を挟んで面対称となる偏光面となるようにそれぞれ配置される少なくとも2つの偏光子を有するものであれば良い。
また、分割部は、被測定物からの透過光を3つに分割し、偏光部は、互いに偏光面の角度が異なり、且つその角度差が90度の倍数ではない少なくとも3つの偏光子を有し、分割部により分割される3つの光をそれぞれ偏光させ、受光部は、偏光部により偏光される3つの光をそれぞれ受光し、演算部は、受光部により受光される3つの受光量を用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算するものであっても良い。
また、光源部は、被測定物に直線偏光を照射し、偏光部は、直線偏光の偏光面に直交する偏光面となるように配置される1つの第1偏光子と、該第1偏光子の偏光面を挟んで面対称となる偏光面となるようにそれぞれ配置される2つの第2偏光子とを有するものであっても良い。
さらに、光源部は、被測定物に円偏光又は楕円偏光を照射し、偏光部は、1つの第1偏光子と、該第1偏光子の偏光面を挟んで面対称となる偏光面となるようにそれぞれ配置される2つの第2偏光子とを有するものであっても良い。
また、分割部は、さらに、光量変動補償用に被測定物からの透過光を分割し、受光部は、さらに、分割部により分割される光量変動補償用の分割光も受光し、演算部は、さらに、受光部により受光される光量変動補償用の受光量も用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算するものであっても良い。
さらに、光源変動補償用に光源部からの照射光を分割する補償用分割部を有し、受光部は、さらに、補償用分割部により分割される光量変動補償用の分割光も受光し、演算部は、さらに、受光部により受光される光量変動補償用の受光量も用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算するものであっても良い。
本発明の複屈折測定装置には、複屈折量及び複屈折軸角度を一度の測定で高精度に演算できるという利点がある。また、回転も不要なため、非常に短時間で測定が行えるという利点もある。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図示例と共に説明する。図1は、本発明の第1実施例の複屈折測定装置を説明するための概略ブロック図である。図示の通り、本発明の複屈折測定装置は、光源部10と、分割部20と、偏光部30と、受光部40,41と、演算部50とから主に構成される。光源部10からの光を被測定物1に照射し、被測定物1からの透過光を分割部20へ入射し、分割光が偏光部30を介して受光部40,41で受光され、受光量を用いて演算部50で複屈折量及び複屈折軸角度が演算される構成となっている。
光源部10は、試料等の被測定物1に直線偏光、円偏光、楕円偏光の何れか1つを照射するものである。例えば直線偏光を発する光源部10は、発光部と直線偏光子とから構成される。また、光源部10は、好ましくは単色光を照射するものであり、より具体的には、発光部は例えばHe−Neレーザ等の単色光、又は白色光を干渉フィルタ等で単色化した単色光を照射するものである。例えば、位相差により複屈折量を求める場合、複屈折量は波長に依存するため、単色光以外、例えば白色光を用いると、波長の範囲は550±150nmとなり、これがそのまま測定誤差となる。勿論、測定誤差が許容できる程度であれば、必ずしも単色光でなくても良い。また、後述のように、本発明の複屈折測定装置では、システム較正が可能であるため、略単色光や略円偏光、略楕円偏光であっても、ある程度許容可能な誤差範囲内での測定が可能となる。
分割部20は、被測定物1からの透過光を分割するものである。光源部10から照射された偏光光は、被測定物1を透過する。この透過光を分割部20に入射させる。分割部20は、ビームスプリッタやハーフミラー等からなる。図示例の第1実施例では、被測定物1からの透過光を2つに分割している。
偏光部30は、分割部20からの光を偏光させるものである。偏光部30は、2つの偏光子(検光子)31,32からなるものであり、分割部20により分割された光をそれぞれ偏光させる。偏光子31,32は、互いに偏光面の角度が異なり、且つその角度差が90度の倍数ではないものである。
そして、偏光部30により偏光された光が、受光部40,41でそれぞれ受光される。受光部は、光量を測定できるものであれば如何なるものであっても良い。例えば、エリアイメージセンサやデジタルカメラ等であれば良い。
演算部50は、これらの受光部40,41により受光される2つの受光量を用いて被測定物1の複屈折量及び複屈折軸角度を演算するものである。演算部50は、パーソナルコンピュータ等の電子計算機で構成されれば良い。
以下、図2を用いてより詳細に本発明の第1実施例の複屈折測定装置について説明する。図2は、本発明の第1実施例の複屈折測定装置の偏光部の配置角を説明するための概略斜視図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。光源部10の干渉フィルタ付き白色発光部11から発せられた光が直線偏光板12を介して偏光面がθ=0の直線偏光として出力される。この直線偏光が被測定物1に照射され、被測定物1からの透過光がビームスプリッタからなる分割部20で2つに分割される。分割された光は、それぞれ偏光部30の偏光子31,32に入射される。そして、偏光子31,32を通った光がそれぞれ受光部40,41にて受光される。
偏光部30の偏光子31,32は、直線偏光の偏光面を挟んで面対称となる偏光面となるようにそれぞれ配置されている。具体的には、偏光子31,32は、各偏光面がそれぞれラジアンでθ=π/2+Δθ、θ=π/2−Δθとなるように配置されている。
このように配置された光学系において、直線偏光板12と被測定物1と偏光子31,32を通過した光量の一般式を解くと、複屈折量と複屈折軸角度を一度に算出が可能な、入射光強度を1として規格化した以下の式が得られる。
但し、Iπ/2−Δθa、Iπ/2+Δθaはそれぞれπ/2−Δθ、π/2+Δθに配置される偏光子を透過した透過光量、Δθは任意の角度、θは被測定物の複屈折軸角度、δは位相差(δ=2πR/λ)である。また、λは波長、Rはレターデーション(R=Δnd)であり、Δnは複屈折量、dは被測定物の厚さである。
演算部50では、上式を用いて、受光部40,41で測定された透過光量Iπ/2+Δθa、Iπ/2−Δθaや、既知の波長λ、被測定物の厚さd、角度Δθを代入することで、複屈折量Δn及び複屈折軸角度θを演算することが可能となる。
ここで、上述のように、偏光子31,32は、その角度差が90度の倍数とならないように配置される。即ち、2Δθが90度の倍数ではなく、したがってΔθ≠0,45,90・・・である。角度差が90度の倍数となると、数1を用いてδやθを求めることができないためである。
このように、本発明の第1実施例の複屈折測定装置では、測定結果と既知の情報を用いて演算することにより、複数回の測定が不要で短時間で精度良く複屈折量と複屈折軸角度を測定できる。また、一度に複屈折量及び複屈折軸角度が測定できるため、高速に変化する被測定物であっても、リアルタイムに測定が可能である。
次に、本発明の第2実施例の複屈折測定装置を、図3を用いて説明する。図3は、本発明の第2実施例の複屈折測定装置を説明するための概略ブロック図である。図中、図1と同一の符号を付した部分は概ね同一物を表しているため、重複説明は省略する。本発明の第2実施例では、分割部21が、被測定物1からの透過光を3つに分割している。そして、偏光部35は、互いに偏光面の角度が異なり、且つその角度差が90度の倍数ではない3つの偏光子31,32,33からなる。そして、3つの偏光子31,32,33は、分割部21により分割される3つの光をそれぞれ偏光させる。そして、受光部40,41,42は、偏光部31,32,33により偏光される3つの光をそれぞれ受光する。演算部50では、このようにして受光された3つの受光量を用いて、被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算する。
以下、図4を用いてより詳細に本発明の第2実施例の複屈折測定装置について説明する。図4は、本発明の第2実施例の複屈折測定装置の偏光部の配置角を説明するための概略斜視図である。図中、図2及び図3と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。光源部10の干渉フィルタ付き白色発光部11から発せられた光が直線偏光板12を介して偏光面がθ=0の直線偏光として出力される。この直線偏光が被測定物1に照射され、被測定物1からの透過光がビームスプリッタからなる分割部22でまず2つに分割される。分割された光は、一方が分割部23に入射され、他方が偏光部35の偏光子33に入射される。同様に、ビームスプリッタからなる分割部23に入射した光は2つに分割され、それぞれ偏光部35の偏光子31,32に入射される。
そして、偏光子31,32,33を通った光がそれぞれ受光部40,41,42にて受光される。
偏光部35の偏光子33は、直線偏光の偏光面に直交する偏光面となるように配置されている。また、偏光子31,32は、偏光子33の偏光面を挟んで面対称となる偏光面となるようにそれぞれ配置されている。具体的には、偏光子33は、偏光面がラジアンでθ=π/2となるように配置されると共に、偏光子31,32は、各偏光面がそれぞれラジアンでθ=π/2+Δθ、θ=π/2−Δθとなるように配置されている。
このように配置された光学系において、直線偏光板12と被測定物1と偏光子31,32,33を通過した光量の一般式を解くと、複屈折量と複屈折軸角度を一度に算出が可能な、入射光強度を1として規格化した以下の式が得られる。
但し、Iπ/2はπ/2に配置される偏光子を透過した透過光量、Iπ/2−Δθa、Iπ/2+Δθaはそれぞれπ/2−Δθ、π/2+Δθに配置される偏光子を透過した透過光量、Δθは任意の角度、θは被測定物の複屈折軸角度、δは位相差(δ=2πR/λ)である。また、λは波長、Rはレターデーション(R=Δnd)であり、Δnは複屈折量、dは被測定物の厚さである。
演算部50では、上式を用いて、受光部40,41,42で測定された透過光量Iπ/2+Δθa、Iπ/2−Δθa、Iπ/2や、既知の波長λ、被測定物の厚さd、角度Δθを代入することで、複屈折量Δn及び複屈折軸角度θを演算することが可能となる。
このように、本発明の第2実施例の複屈折測定装置でも、測定結果と既知の情報を用いて演算することにより、複数回の測定が不要で短時間で精度良く複屈折量と複屈折軸角度を測定できる。また、第1実施例の複屈折測定装置と比べて、より高精度に複屈折量と複屈折軸角度を算出することが可能となる。
なお、本発明の第2実施例において、光源部10が円偏光又は楕円偏光を照射する場合には、偏光子33の偏光面は任意の角度で配置され、偏光子31,32は偏光子33の偏光面を挟んで面対称となる偏光面となるようにそれぞれ配置されれば良い。以下、円偏光を用いた場合に演算部で用いられる数式について説明する。なお、光源部に楕円偏光を用いる場合には、以下に説明する数式に基づき、楕円偏光の補正を加えれば良い。
光源部から左回りの円偏光を照射する光学系において、被測定物1と偏光子31,32,33を通過した光量の一般式を解くと、複屈折量と複屈折軸角度を一度に算出が可能な、入射光強度を1として規格化した以下の式が得られる。
但し、Iπ/2はΔθがラジアンで0に配置される偏光子を透過した透過光量、Iπ/2−Δθa、Iπ/2+Δθaはそれぞれラジアンでπ/2−Δθ、π/2+Δθに配置される偏光子を透過した透過光量、Δθは任意の角度、θは被測定物の複屈折軸角度、δは位相差(δ=2πR/λ)である。また、λは波長、Rはレターデーション(R=Δnd)であり、Δnは複屈折量、dは被測定物の厚さである。
また、光源部から右回りの円偏光を照射する光学系において、被測定物1と偏光子31,32,33を通過した光量の一般式を解くと、複屈折量と複屈折軸角度を一度に算出が可能な、入射光強度を1として規格化した以下の式が得られる。
但し、Iπ/2はΔθがラジアンで0に配置される偏光子を透過した透過光量、Iπ/2−Δθa、Iπ/2+Δθaはそれぞれラジアンでπ/2−Δθ、π/2+Δθに配置される偏光子を透過した透過光量、Δθは任意の角度、θは被測定物の複屈折軸角度、δは位相差(δ=2πR/λ)である。また、λは波長、Rはレターデーション(R=Δnd)であり、Δnは複屈折量、dは被測定物の厚さである。
演算部50では、円偏光が右回りか左回りかに応じて、数3又は数4の何れかを用いて受光部40,41,42で測定された透過光量Iπ/2+Δθa、Iπ/2−Δθa、Iπ/2や、既知の波長λ、被測定物の厚さd、角度Δθを代入することで、複屈折量Δn及び複屈折軸角度θを演算することが可能となる。
なお、第1実施例の複屈折測定装置においても、光源部に右回り又は左回りの円偏光を用いることも勿論可能である。この場合、円偏光の回転方向に応じて、数3又は数4の透過光量Iπ/2−Δθa、Iπ/2+Δθaの式を用いれば、同様に複屈折量及び複屈折軸角度を演算することが可能である。
また、第1実施例や第2実施例の複屈折測定装置において、右回り又は左回りの楕円偏光を光源部に用いる場合には、予めその偏光状態を測定し、これを較正要素として用いることで、同様に複屈折量及び複屈折軸角度を演算することが可能となる。
以下、本発明の第2実施例の複屈折測定装置のより具体的な構成について説明する。複屈折測定装置の光学系には、偏光顕微鏡を用いることが可能である。例えば、偏光顕微鏡として、オリンパス株式会社製のBX−51を用いて、光源として水銀ランプを用いる。光源の単色化のために、シグマ光機株式会社製の450nm干渉フィルタを用いる。そして、偏光顕微鏡の上部鏡筒上及び2つの接眼レンズ部のそれぞれに、受光部として3台のデジタルカメラを取り付ける。各デジタルカメラの前部には、偏光部を構成する偏光板が検光子としてそれぞれ設けられる。3枚の偏光子は、それぞれ互いに偏光面の角度が異なり、且つその角度差が90度の倍数とならないように配置される。なお、鏡筒中には倍率1.67倍の撮像用中間レンズを取り付け、対物レンズとして倍率20倍の長焦点レンズを用いる。そして、ステージ上に被測定物を配置し、被測定物からの透過光をビームスプリッタ及び偏光子を介してデジタルカメラで撮像し、演算部であるパーソナルコンピュータ等の電子計算機に撮像画像を取り込む。電子計算機では、撮像画像から画素単位(ピクセル単位)で光量(光強度)を計測して複屈折量と複屈折軸角度を算出する。このようにして、撮像エリアのすべての領域において、デジタルカメラの解像度に応じた分解能で複屈折量と複屈折軸角度を測定することが可能となる。また、デジタルカメラのシャッタ速度と演算部による演算処理時間程度の非常に短時間での測定が可能であるため、リアルタイム測定も可能である。
なお、光学系中の各光学素子の差異の影響により、各デジタルカメラで撮像されるすべての画像の拡大倍率や傾き角度は完全には一致しない場合がある。この不一致による誤差を補正するために、予め被測定物として例えば既知の対物マイクロメータ等を撮像し、各デジタルカメラで撮像される画像の測定範囲、測定位置、測定角度がすべて一致するように、撮像画像を画像処理により補正する。なお、この際に、デジタルカメラ自体の製品誤差等に基づく撮像画像のばらつき等も補正可能である。そして、このような補正パラメータを用いて複屈折量と複屈折軸角度を演算すれば良い。
また、光量とデジタルカメラの画素の光強度(光学濃度)の関係は線形性を有さない場合もある。このような場合には、入射光量を変えたときの光量を予め光量計等を用いて計測しておき、同一光量下でのデジタルカメラのグレースケール画像の光強度と、既知光量との関係を用いて較正曲線を作成し、計測された各画素の光強度を光量となるように較正することも可能である。
さらに、既知の複屈折量と複屈折軸角度を有する例えば1/4位相差板等の複屈折材料を被測定物として予め測定し、測定された光量を用いて算出した複屈折量と複屈折軸角度と、既知の複屈折量と複屈折軸角度との誤差があれば、これを用いて較正することも可能である。なお、被測定物と較正用の複屈折材料の複屈折特性が大きく異なると較正誤差も大きくなることから、較正に用いられる複屈折材料と被測定物とは、複屈折特性が近似していることが好ましい。
次に、本発明の第3実施例の複屈折測定装置を、図5を用いて説明する。図5は、本発明の第3実施例の複屈折測定装置を説明するための概略ブロック図である。図中、図3と同一の符号を付した部分は概ね同一物を表しているため、重複説明は省略する。本発明の第3実施例では、分割部25が、被測定物1からの透過光を、光量変動補償用にさらに1つ多く分割している。そして、光量変動補償用に設けられる受光部43にて光量変動補償用の分割光が受光される。受光部43における受光量は、受光部40,41,42における受光量と共に演算部50に入力され、演算部50では、これらの受光量を用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算する。
このように構成された本発明の第3実施例の複屈折測定装置では、時間的に光源からの照射光量が変動するような場合でも、高精度な測定が可能である。即ち、被測定物からの透過光に対して、偏光部を介さないで受光するルートを新たに設け、これを光量変動補償用に用いて偏光部を通過して測定された光量を補正することが可能となる。なお、各部の構成や具体例については、上述の第2実施例で述べたものと基本的には同一であるため、詳説は省略する。
なお、図示例の第3実施例では、第2実施例のものをベースに光量変動補償用のルートを新たに設けたが、本発明はこれに限定されず、第1実施例のものをベースに光量変動補償用のルートを新たに設けても良い。
また、必要により、より多くの分割部や偏光子、受光部を設けても良い。
次に、本発明の第4実施例の複屈折測定装置を、図6を用いて説明する。図6は、本発明の第4実施例の複屈折測定装置を説明するための概略ブロック図である。図中、図3と同一の符号を付した部分は概ね同一物を表しているため、重複説明は省略する。本発明の第4実施例では、光源10と被測定物1との間に補償用分割部27を設けている。そして、補償用分割部27で分割された一方の分割光は被測定物1に照射され、他方の分割光は、光量変動補償用に設けられる受光部45にて受光される。受光部45における受光量は、受光部40,41,42における受光量と共に演算部50に入力され、演算部50では、これらの受光量を用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算する。
このように構成された本発明の第4実施例の複屈折測定装置では、被測定物及び偏光部を介さないで受光するルートを新たに設け、これを光量変動補償用に用いて、被測定物及び偏光部を通過して測定された光量を補正することが可能となる。なお、各部の構成や具体例については、上述の第2実施例や第3実施例で述べたものと基本的には同一であるため、詳説は省略する。
なお、図示例の第4実施例では、第2実施例のものをベースに光量変動補償用のルートを新たに設けたが、本発明はこれに限定されず、第1実施例や第3実施例のものをベースに光量変動補償用のルートを新たに設けても良い。
さて、このようにして構成される本発明に複屈折測定装置を用いて具体的な被測定物を測定した結果について、以下に説明する。まず、被測定物として、ポリエチレンサクシネート球晶の融液からの成長過程における複屈折量及び複屈折軸角度を測定した。その結果、成長中のポリエチレンサクシネート球晶の複屈折量(レターデーションの分布)や複屈折軸角度を明確に測定できた。特に、複屈折軸角度については、球晶内の角度にしたがって変化することが知られているが、この現象についても明確に測定できた。
また、被測定物として、ポリエチレンアジペート球晶の融液からの成長過程における複屈折量及び複屈折軸角度についても測定した。ポリエチレンアジペート球晶は、ポリエチレンサクシネート等の他の多くの球晶と異なり、球晶成長中に球晶半径方向に複屈折が変化して成長することが知られている。本発明の複屈折測定装置により測定した結果、この現象が顕著に測定でき、球晶成長中の複屈折量及び複屈折軸角度が明確に測定できた。
さらに、本発明の複屈折測定装置では、結晶の温度変化による相転移挙動についても測定することが可能である。例えば被測定物として、ネマティック液晶(4'−n−pentyl−4−cyanobipenyl)を配向処理後、両面カバーガラス間に挟んだものを用意した。これを加熱・冷却し、50℃で等方相とした後、39.8℃に急速冷却したときの液晶の相転移に伴う構造変化を測定した。高速で変化する相転移のような現象であっても、本発明の複屈折測定装置では連続的に被測定物を撮像することにより、時間的変化を高精度に測定できた。また、このような時間的変化の結果を用いて、液晶分子のダイレクタ(液晶分子の配向方向)についても算出することも可能である。
以上、説明したように、本発明の複屈折測定装置によれば、複屈折量及び複屈折軸角度を一度の測定で高精度に演算可能となる。また、光学系を回転させたりすることがないため、非常に短時間に測定が可能であり、リアルタイム処理も可能である。
なお、本発明の複屈折測定装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
図1は、本発明の第1実施例の複屈折測定装置を説明するための概略ブロック図である。 図2は、本発明の第1実施例の複屈折測定装置の偏光部の配置角を説明するための概略斜視図である。 図3は、本発明の第2実施例の複屈折測定装置を説明するための概略ブロック図である。 図4は、本発明の第2実施例の複屈折測定装置の偏光部の配置角を説明するための概略斜視図である。 図5は、本発明の第3実施例の複屈折測定装置を説明するための概略ブロック図である。 図6は、本発明の第4実施例の複屈折測定装置を説明するための概略ブロック図である。
符号の説明
1 被測定物
10 光源部
11 干渉フィルタ付き白色発光部
12 直線偏光板
20,21,22,23,25 分割部
27 補償用分割部
30,35 偏光部
31,32,33 偏光子
40,41,42,43,45 受光部
50 演算部

Claims (8)

  1. 被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を測定する複屈折測定装置であって、該複屈折測定装置は、
    被測定物に直線偏光、円偏光、楕円偏光の何れか1つを照射する光源部と、
    被測定物からの透過光を少なくとも2つに分割する分割部と、
    互いに偏光面の角度が異なり、且つその角度差が90度の倍数ではない少なくとも2つの偏光子を有し、前記分割部により分割される少なくとも2つの光をそれぞれ偏光させる偏光部と、
    前記偏光部により偏光される少なくとも2つの光をそれぞれ受光する受光部と、
    前記受光部により受光される少なくとも2つの受光量を用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算する演算部と、
    を具備することを特徴とする複屈折測定装置。
  2. 請求項1に記載の複屈折測定装置において、前記光源部は、単色光を照射することを特徴とする複屈折測定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の複屈折測定装置において、
    前記光源部は、被測定物に直線偏光を照射し、
    前記偏光部は、前記直線偏光の偏光面を挟んで面対称となる偏光面となるようにそれぞれ配置される少なくとも2つの偏光子を有する、
    ことを特徴とする複屈折測定装置。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れかに記載の複屈折測定装置において、
    前記分割部は、被測定物からの透過光を3つに分割し、
    前記偏光部は、互いに偏光面の角度が異なり、且つその角度差が90度の倍数ではない少なくとも3つの偏光子を有し、前記分割部により分割される3つの光をそれぞれ偏光させ、
    前記受光部は、前記偏光部により偏光される3つの光をそれぞれ受光し、
    前記演算部は、前記受光部により受光される3つの受光量を用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算する、
    ことを特徴とする複屈折測定装置。
  5. 請求項4に記載の複屈折測定装置において、
    前記光源部は、被測定物に直線偏光を照射し、
    前記偏光部は、前記直線偏光の偏光面に直交する偏光面となるように配置される1つの第1偏光子と、該第1偏光子の偏光面を挟んで面対称となる偏光面となるようにそれぞれ配置される2つの第2偏光子とを有する、
    ことを特徴とする複屈折測定装置。
  6. 請求項4に記載の複屈折測定装置において、
    前記光源部は、被測定物に円偏光又は楕円偏光を照射し、
    前記偏光部は、1つの第1偏光子と、該第1偏光子の偏光面を挟んで面対称となる偏光面となるようにそれぞれ配置される2つの第2偏光子とを有する、
    ことを特徴とする複屈折測定装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の複屈折測定装置において、
    前記分割部は、さらに、光量変動補償用に被測定物からの透過光を分割し、
    前記受光部は、さらに、前記分割部により分割される光量変動補償用の分割光も受光し、
    前記演算部は、さらに、前記受光部により受光される光量変動補償用の受光量も用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算する、
    ことを特徴とする複屈折測定装置。
  8. 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の複屈折測定装置であって、さらに、光源変動補償用に前記光源部からの照射光を分割する補償用分割部を有し、
    前記受光部は、さらに、前記補償用分割部により分割される光量変動補償用の分割光も受光し、
    前記演算部は、さらに、前記受光部により受光される光量変動補償用の受光量も用いて被測定物の複屈折量及び複屈折軸角度を演算する、
    ことを特徴とする複屈折測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103401610A (zh) * 2013-08-06 2013-11-20 中国科学院长春光学精密机械与物理研究所 差分式圆偏振激光载波通讯系统
WO2023176585A1 (ja) * 2022-03-14 2023-09-21 日東電工株式会社 光学フィルムの評価方法

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