JP2010138481A - 電気防食用電極の押し込み工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンクリート構造物に形成された溝内に電気防食用電極を押し込むための電気防食用電極の押し込み工具5であって、電気防食用電極を押圧して溝内に押し込む押し込み部6と、コンクリート構造物に当接することにより、前記押し込み部の溝内への進入距離を規制する規制部7とが備えられてなることを特徴とする電気防食用電極の押し込み工具。
【選択図】図2
Description
通常、斯かる電気防食電極の陽極としては、棒状又は帯状に形成された長尺状の電極が使用され、コンクリート構造物に設けられた溝の内部にこの長尺状の電極を設置し、その溝を左官施工やグラウト注入等で充填することにより、該電極をコンクリート構造物中に埋設している。
ここで、斯かる方法を実施する押し込み工具としては、電極に当接させて電極を溝内に押し込む車輪を備えたローラを用いることが考えられる。
斯かる構成の電気防食用電極の押し込み工具に於いては、押し込み用車輪で押圧して、該車輪と円形規制部の半径差の分だけ電極の一部を溝内に押し込むことができ、更に、車輪を回転させて溝(即ち、電極の長手方向)に沿って移動させることにより、溝に沿って長尺状の電極を容易に押し込んでいくことができる。
斯かる構成の電気防食用電極の押し込み工具に於いては、円形規制部の直径を調整することにより、押し込み用車輪と円形規制部との半径差を調整することができ、容易に電極の押し込み距離を調整することができる。
まず、本実施形態の電気防食用電極の押し込み工具にて押し込まれる電気防食用電極の具体例について説明する。
また、延伸方向と直交する方向が幅方向となるため、幅方向の長さ(つまり、電極1の幅)を収縮させながら溝3の内側へ挿入した後には、溝3と電極1とが強固に擦れあう状態となり、該電極1をより確実に溝3の内側に固定することが可能となる。
本実施形態の電気防食用電極の押し込み工具5は、コンクリート構造物2に形成された溝3内に電気防食用電極1を押し込むものであり、図2(a)、(b)に示すように、電気防食用電極1を押圧して溝3内に押し込む押し込み部6と、コンクリート構造物2に当接することにより、前記押し込み部6の溝3内への進入距離を規制する規制部7とが備えられてなる。
詳しくは、押し込み工具5は、前記押し込み部6として、溝3内に進入しうる押し込み用車輪6が備えられ、前記規制部7として、前記押し込み用車輪6と同心状に配された前記押し込み用車輪6のよりも径小の円形規制部7が備えられて構成されている。更に、押し込み工具5は、前記押し込み用車輪6を枢支する枢支部8と、該枢支部8から棒状に延出した使用者が把持するためのハンドル4とを備えている。
前記枢支部8は、前記押し込み用車輪6の回転軸となる枢支軸9と該枢支軸9を支持するフォーク10とを有している。
前記円形規制部7は、前記押し込み用車輪6の両側、詳しくは、前記枢支部8の両外側(より詳しくは前記フォーク10の両外側)に、前記押し込み用車輪6と同心状となるように配置されてなり、例えば、前記押し込み用車輪6と同期して回転するように取り付けられている。
好ましくは、本実施形態の電気防食用電極の押し込み工具5は、円形規制部7毎に、円形規制部7を構成しうる部材として前記円形体7aと該円形体7aに順次外嵌装着されうる複数の環状スリーブ7b1、7b2とを備え、前記円形規制部7は、前記円形体7aのみによって構成された最径小状態と、前記円形体7aと1以上の環状スリーブ7bとで構成された複数の径大状態とをとりうるように構成されてなり、構成部材として用いる環状スリーブ7bの数を調整することにより、直径調整が可能とされてなる。
図3は、電気防食用電極1の埋設方法の一例を示した概略図である。図3に示す如く、まず、コンクリート構造物2に、該電気防食用電極1の幅よりも幅狭の溝3を形成する。具体的には、電気防食用電極1の幅に対して、0.8〜0.9倍程度の幅の溝3を形成することが好ましく、例えば、該電気防食用電極1の幅が10mmであれば、溝3の幅は8〜9mmとすることが好ましい。
該溝3は、例えばコンクリートカッター等を用いて形成することができ、必要に応じて複数の溝3を形成することができる。
挿入する際に於いては、本実施形態の電気防食用電極の押し込み工具5を用いて、該電極1を幅方向に弾性変形させつつ幅方向の長さを収縮させながら、長手方向に沿って順次溝3に押し込んでいく。
具体的には、例えば、図4に示す如く、ハンドル4を把持しつつU字状に湾曲した電極1の内側(即ち、前記側壁部12と側壁部12との間)に押し込み部6としての押し込み用車輪6を挿入し、且つ円形規制部7を溝3の両壁たるコンクリート構造物2に当接させる。そして、押し込み工具5を溝3方向(電極1の長手方向)に進行させることにより、連続的に長尺状の電極1を溝3に押し込んで行くことができる。
斯かる押し込み工具5を用いることにより、図5に示す如く、電極1を必要以上に深く押し込むこと無く、溝3内の所定の深さに押し込むことができる。
ここで、押し込み深さの調整は、予め円形規制部7と押し込み用車輪との半径の差L(図2(b)参照)が所定の値となるように、円形規制部7を構成する環状スリーブ7bの数を調整して(即ち、より深く押し込む場合には、環状スリーブ7bを用いずに、浅く押し込む場合には、環状スリーブ7bを必要数外嵌装着して)円形規制部7の直径を調節することにより行うことができる。
尚、上記に於いては、電極1を埋設する方法として、電極1を押し込んだ後にのみモルタルやグラウト材を充填する方法を例示したが、例えば、電極1を押し込む前に、モルタルやグラウト材の一部(例えば、2〜5割程度)を予め充填し、次いで、電極1を押し込んだ後に残りのモルタルやグラウト材を充填することにより電極1を埋設してもよい。
斯かる構成に於いては、規制部7たる各フォーク10の枢支軸側先端部が曲面状に形成されてなるので、該規制部7をコンクリート構造物2に当接させながら容易に摺動させることができ、その結果、容易に長手方向に沿って連続的に電極1を押し込んでいくことができる。
更に、斯かる構成においては、円形規制部7と押し込み用車輪6とが同期して一体的に回転するように構成されてなるものであってもよい。
Claims (3)
- コンクリート構造物に形成された溝内に電気防食用電極を押し込むための電気防食用電極の押し込み工具であって、
電気防食用電極を押圧して溝内に押し込む押し込み部と、コンクリート構造物に当接することにより、前記押し込み部の溝内への進入距離を規制する規制部とが備えられてなることを特徴とする電気防食用電極の押し込み工具。 - 前記押し込み部として、溝内に進入しうる押し込み用車輪が備えられ、前記規制部として、前記押し込み用車輪と同心状に配された前記押し込み用車輪のよりも径小の円形規制部が備えられてなる請求項1記載の電気防食用電極の押し込み工具。
- 前記円形規制部は、直径調整が可能である請求項2記載の電気防食用電極の押し込み工具。
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