JP2010138081A - インフルエンザウイルス免疫賦活剤、および抗インフルエンザウイルス剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の医薬組成物は、アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩の少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする。また本発明の抗IFV剤は、NA阻害剤と併用して用いることもできる。
【選択図】なし
Description
Von Itzstein M., et al., Nature, 363, 418-423 (1993) Yang G., et al., Zhongcaoyao, 33, 724-726 (2002) Y. Kawaoka, et al., Nature, 437, 1108 (2005) Yang Zifeng, et al., Journal of Chinese medicinal materials (2005), 28(11), 1012-1014
(I)インフルエンザウイルスに対する免疫賦活剤
(I-1)アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、インフルエンザウイルスに対する免疫賦活剤。
(I-2)インフルエンザに対する予防剤として用いられる、(I-1)記載の免疫賦活剤。
(I-3)インフルエンザウイルスの流行期または感染後に投与されることを特徴とする、(I-1)または(I-2)に記載する免疫賦活剤。
(I-4)免疫低下した被験者に対して投与されるものである、(I-1)乃至(I-3)のいずれかに記載する免疫賦活剤。
(II-1)ノイラミニダーゼ阻害剤と組み合わせて用いられる、アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする抗インフルエンザウイルス剤。
(II-2)抗インフルエンザウイルス作用を増強するとともにノイラミニダーゼ阻害剤の副作用を低減するためにノイラミニダーゼ阻害剤と組み合わせて用いられる、(II-1)記載の抗インフルエンザウイルス剤。
(II-3)上記ノイラミニダーゼ阻害剤の副作用が、インフルエンザウイルスの薬剤耐性化である、(II-2)に記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(II-4)アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種と組み合わせて用いられるノイラミニダーゼ阻害剤の投与量が、ノイラミニダーゼ阻害剤の単独有効投与量より少ないことを特徴とする、(II-1)乃至(II-3)のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(II-5)免疫低下した患者に対して投与される、(II-1)乃至(II-4)のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(II-6)経口投与形態を有する薬剤である(II-1)乃至(II-5)のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(II-7)ノイラミニダーゼ阻害剤が、オセルタミビル、ザナタビルまたはそれらの薬学的に許容される塩である、(II-1)乃至(II-6)のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(III-1)ノイラミニダーゼ阻害剤とアークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を組み合わせてなる、抗インフルエンザウイルス剤。
(III-2)ノイラミニダーゼ阻害剤の投与量が、ノイラミニダーゼ阻害剤の単独有効投与量より少なくなるように製剤化されてなる(III-1)に記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(III-3)免疫低下した患者に対して投与される薬剤である、(III-1)または(III-2)に記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(III-4)ノイラミニダーゼ阻害剤と、アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種とからなるキットである、(III-1)乃至(III-3)のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(III-5)ノイラミニダーゼ阻害剤が、オセルタミビル、ザナタビルまたはそれらの薬学的に許容される塩である、(III-1)乃至(III-4)のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(III-6)経口投与形態を有する、(III-1)乃至(III-5)のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤。
(IV-1)ノイラミニダーゼ阻害剤に、アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を組み合わせることを特徴とする、ノイラミニダーゼ阻害剤に対する耐性インフルエンザウイルス出現の抑制方法。
(IV-2)ノイラミニダーゼ阻害剤の投与量がその単独有効投与量より少なくなるように、ノイラミニダーゼ阻害剤とアークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種とを組み合わせることを特徴とする(IV-1)に記載する方法。
(IV-3)ノイラミニダーゼ阻害剤が、オセルタミビルまたはその薬学的に許容される塩若しくは溶媒和物である、(IV-1)または(IV-2)に記載する方法。
本発明の免疫賦活剤は、アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩の少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする。
本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、前述するアークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とするものであって、ノイラミニダーゼ阻害剤と組み合わせて用いられることを特徴とする。
(1)カプセル剤
(1-1)治療に用いる場合、通常、成人および体重37.5kg以上の小児はオセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間経口服用する。
(1-2)予防に用いる場合、通常、成人および13歳以上の小児はオセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7〜10日間経口服用する。
(2-1)通常、成人はオセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間、用時懸濁して経口服用する。
(2-2)通常、幼小児はオセルタミビルとして1回2mg/kgを1日2回、5日間、用時懸濁して経口服用する。
(1)治療
通常、成人および小児には、ザナミビルとして1回10mgを1日2回、5日間、専用の吸入器を用いて吸入する。
(2)予防
通常、成人および小児には、ザナミビルとして1回10mgを1日2回、10日間、専用の吸入器を用いて吸入する。
本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、前述するアークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種とノイラミニダーゼ阻害剤とが組み合わされてなることを特徴とする。
(1)カプセル剤
(1-1)治療に用いる場合、通常、成人および体重37.5kg以上の小児はオセルタミビルとして1回75mgを1日2回経口服用する(1日投与量150mg)。
(1-2)予防に用いる場合、通常、成人および13歳以上の小児はオセルタミビルとして1回75mgを1日1回経口服用する(1日投与量75mg)。
(2-1)通常、成人はオセルタミビルとして1回75mgを1日2回経口服用する(1日投与量150mg)。
(1)治療・予防
通常、成人および小児には、ザナミビルとして1回10mgを1日2回、専用の吸入器を用いて吸入する(1日20mg)。
調製例1 アークチンの調製
牛蒡子500gをブレンダー(GRINDOMIX GM200、Retsch社) (5,000 rpm, 0.5 min)で微細粉末にした。これをn-ヘキサン500mlに加えて1日間攪拌し脱脂した。n-ヘキサンを吸引濾過にて取り除いた後、牛蒡子粉末にジエチルエーテルを500ml加え、更に1日間攪拌し、ジエチルエーテルを吸引濾過にて取り除いた。その後、牛蒡子粉末にクロロホルム500mlを加え、1日間攪拌抽出を行った。この操作を2度くり返し、クロロホルム抽出エキスを合わせた。得られたクロロホルム抽出エキスからクロロホルムを減圧留去し、得られた残渣を、クロロホルム-メタノール(95:5)を展開溶媒として、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、アークチン9.9g(収率約2%)を得た。
mp. 110℃
IR: νmax 3643.3,2929.7,2858.3,1764.7,1514.0, 1454.2, 1415.7, 1074.3, 970.1, 804.3, 457.1.
1H NMR (399.65 MHz,chloroform-d): δH 6.91(1H, d, J=8.0 Hz, 5’), 6.75(1H, d, J=8.0 Hz, 5), 6.63(1H, d, J=1.6 Hz, 2’), 6.57(1H, dd, J=1.8, 8.8Hz, 6’), 6.49(1H, dd, J=1.8, 8.2 Hz, 6), 6.46(1H, d, J=1.6 Hz, 2), 5.19(1H, s, ‐OH), 5.06 (1H, s, ‐OH), 5.00(1H, s, ‐OH), 4.85 (1H, s, ‐OH), 4.09(1H, dd, J=6.8,9.2 Hz, 9),3.81(1H, dd, J=7.4, 9.20Hz, 9), 3.68(3H, s, OMe), 3.65(3H, s, OMe), 3.64(3H, s, OMe), 3.17 - 3.46(7H, m, Glc‐1, Glc‐2, Glc‐3, Glc‐4, Glc‐5, Glc‐6), 2.72 - 2.83(2H, m, 7’), 2.47 - 2.55(4H, m, 7, 8,8’)。
13C NMR (100.40 MHz, chloroform-d): δC178.41(C‐9’), 148.67(C‐3), 148.67(C‐3’),147.32(C‐4), 145.30(C‐4’), 131.78(C‐1), 138.19(C‐1’), 121.31(C‐6’),120.41(C‐6), 115.11(C‐5’), 113.82(C‐2’), 112.39(C‐2), 111.86(C‐5), 100.19(Glc‐1), 76.99(Glc‐3), 76.87(Glc‐5), 73.21(Glc‐2), 70.68(C‐9), 55.63(OMe), 55.46(OMe), 55.39(OMe), 45.54(C‐8’), 40.75(C‐8), 36.85(C‐7), 33.51(C‐7’)。
MS (ESI, positive mode): 557 [M+Na]+ , 553 [M+H3O]+。
調製例1で得られたアークチン100mgを、0.2N H2SO4水溶液15mlに加え、外浴80℃で1時間加熱しながら攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られた残渣を、クロロホルム-メタノール(95:5)を展開溶媒としてカラムクロマトグラフィー(PLC)に付し、アークチゲニン31mg(収率31%)を得た。
mp. 102℃
IR: nmax 3438.8, 3018.4, 2918.1, 2839.0, 1759.0, 1591.2, 1514.0, 1433.0, 334.6, 1028.0.
1H NMR (399.65 MHz, chloroform-d): δH 6.82(1H, d, J=8.0 Hz, 5’), 6.75(1H, d, J=8.0
Hz, 5), 6.64(1H, d, J=1.6 Hz, 2’), 6.61(1H, dd, J=1.8, 8.2 Hz, 6’), 6.54(1H, dd, J=1.8, 8.2 Hz, 6), 6.46(1H, d, J=1.6 Hz, 2), 5.65 (1H, brs, ‐OH), 4.14(1H, dd, J=6.8, 9.2 Hz, 9), 3.88(1H, dd, J=7.4, 9.20Hz, 9), 3.85(3H, s, OMe), 3.817(3H, s, OMe), 3.813(3H, s, OMe)2.87 - 2.98(2H, m, 7’), 2.45 - 2.66(4H, m, 7, 8, 8’).
13C NMR(100.40 MHz,chloroform-d): δC178.82(C‐9’), 149.05(C‐3), 147.86(C‐3’), 146.76(C‐4), 144.58(C‐4’), 130.49(C‐1), 129.51(C‐1’), 122.12(C‐6’), 120.62(C‐6), 114.18(C‐5’), 111.82(C‐2’), 111.58(C‐2), 111.32(C‐5), 71.34(C‐9), 55.92(OMe), 55.87(OMe), 55.83(OMe), 46.61(C‐8’), 40.94(C‐8), 38.20(C‐7), 34.54(C‐7’).
MS (ESI, positive mode): 395 [M+Na]+, 391 [M+H30]+, 373 [M+H]+。
牛蒡子100gをブレンダー(GRINDOMIX GM200、Retsch社) (5,000 rpm, 3.5 min)で粉末にした。これを更に乳鉢にて微細粉末にした。
(1)調製方法
牛蒡子200gを、ブレンダー(GRINDOMIX GM200、Retsch社) (5,000 rpm, 3.5 min)で粉末にした。これを食用なべに移し、超純水3Lを加えて家庭用コンロで加熱沸騰した。この操作を液量が半分になるまで行った。次いで水を減圧濃縮し、残渣をP2O5上で減圧乾燥した。得られた乾燥粉末を乳鉢で細かく砕いて牛蒡子熱水抽出エキス粉末23g(収率11.5%)を取得した。
上記で得られた牛蒡子熱水抽出エキス粉末100 mg にメタノールを10 ml加え、1分間超音波処理した後、シリンジ用フィルターで不要物を除去し、下記条件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に供した。
カラム:ZORBAX SB-Phenyl 4.6 mm x 75 mm Agilent Technologies
移動相:アセトニトリル(A) -水(B)によるグラジュエント
グラジュエント条件
0−50分: 5%A-95%B − 60%A-40%B
50−60 min: 5%A-95%B
検出:UV254 nm
保持時間(Rt): アークチン21 分、アークチゲニン27分。
(1)調製方法
牛蒡子200gを、フライパンで弱火にて15分間炒った後(184 g)、ブレンダー(GRINDOMIX GM200、Retsch社) (5,000 rpm, 3.5 min)で粉末にした。油脂成分を除去するため、この粉末に超純水を500ml加えて80℃で1時間加熱した。吸引濾過にて水を除去後、粉末にエタノール500mlを加えて90℃で1時間加熱した。この抽出操作をもう1度くり返した。得られたエタノール抽出液を合わせて減圧濃縮し、得られた残渣をP2O5上で減圧乾燥した。得られた乾燥粉末を乳鉢で細かく砕いて、牛蒡子熱エタノール抽出エキス粉末25g(収率12.5%)を取得した。
調製例4と同様にして、上記牛蒡子熱エタノール抽出エキス粉末中のアークチンおよびアークチゲニンの含有量を求めたところ、アークチンの含有量は2.5重量%、アークチゲニンの含有量は0.5重量%であった。
(1)MDCK細胞の調製
96ウエル培養マイクロプレートを使用し、2ウエルあたりに10%牛胎児血清含有MEM培地100μl中にイヌ正常腎由来株化細胞(MDCK細胞)を2×104個となるように入れ、37℃で5% CO2存在下で16〜24時間培養した。次いで、顕微鏡下でウエル一面に細胞が単層になっていることを確認した。
上記で調製したアークチンおよびアークチゲニンについて、上記MDCK細胞に対する細胞毒性を評価した。具体的には、上記の培養MDCK細胞に、各濃度のアークチンまたはアークチゲニンを添加して、37℃で5% CO2存在下で3日間培養して、細胞の生存率をトリパンブルー染色法で測定し、50%阻害濃度(CC50)を計算した。
インフルエンザウイルスに対する予防効果をみるために、上記の培養MDCK細胞に、A型インフルエンザウイルス(H1N1)(細胞1個あたり0.1プラーク形成単位のウイルス量)と各濃度のアークチンまたはアークチゲニンをそれぞれ添加して、室温で、1時間静置することで、インフルエンザウイルスをMDCK細胞に感染させた。感染終了後、アークチンまたはアークチゲニンの存在下で24時間、37℃、5% CO2存在下で培養した。その後、培地に放出されたウイルスを測定するために、培地を適宜希釈して、35mmディッシュに培養したMDCK細胞に感染させ、2日後に形成されたプラークをクリスタルバイオレット液で染色して白く抜けたプラークを観察し、プラーク数から50%ウイルス増殖阻害濃度(IC50)を計算した。
(1)作用時期の特定
実験例1で抗インフルエンザウイルス作用の活性本体と考えられたアークチゲニンを用いて、インフルエンザウイルス感染のどの時期で抗ウイルス作用を発揮するかを調べた。
アークチゲニン(5μM、25μM)およびリン酸オセルタミビル(1μM、5μM)を、表2に示すように、下記の培養工程の1)〜3)のいずれかの段階で添加し、最終のインフルエンザウイルス量をプラークアッセイ法で測定した。
1) 実験例1(1)と同様の方法で調製したMDCK細胞(35mmディッシュ)を4℃で3時間冷却する。
2) 上記MDCK細胞に、1ディッシュあたり、100μlのA型インフルエンザウイルス(H1N1)(100 PFU/100 ml)を加えて、室温で1時間静置することで、インフルエンザウイルスをMDCK細胞に感染させる。
3) 感染終了後、冷却したPBSで3回洗浄後、10%牛胎児血清含有MEM培地を入れて、24時間に亘り、37℃、5% CO2存在下で培養する。
結果を表2に併せて示す。結果は、被験薬(アークチゲニン、リン酸オセルタミビル)を添加しないで同様に実験した場合(対照試験)に得られたインフルエンザウイルス量を100%として、それとの相対比(%)を示す。
アークチゲニンの作用機序を調べる目的で、アークチゲニンにインフルエンザウイルスの細胞吸着を阻害する作用があるかを調べた。
1) 実験例1(1)と同様の方法で調製したMDCK細胞(35mmディッシュ)に、1ディッシュあたり、100μlのA型インフルエンザウイルス(H1N1)(100 PFU/100μl)、および最終濃度が5μM、25μMまたは50μMとなるようにアークチゲニンを添加し、4℃で1時間静置した。なお、MDCK細胞および各試料は予め4℃で3時間冷却しておいたものを使用した。
2) 得られた細胞を冷却したPBSで3回洗浄した後、10%牛胎児血清含有MEM培地を入れて、1時間、37℃、5% CO2存在下で培養した。
3) MDCK細胞を回収した後、クエン酸塩緩衝液(pH3)で1分間処理し、これに0.8%の寒天培地を重層して、37℃、5% CO2条件で培養した。
4) 培養から2日後に、形成されたプラークをクリスタルバイオレット液で染色して白く抜けたプラークを観察し、プラーク数を求めた。
結果を表3に示す。結果は、被験薬(アークチゲニン)を添加しないで同様に実験した場合(対照試験)に得られたプラーク数を100%として、それとの相対比(%)を示す。また、値は3回実験を行って得られた平均値である。
アークチゲニンの作用機序を調べる目的で、アークチゲニンにインフルエンザウイルスの細胞への侵入を阻害する作用があるかを調べた。
1) 実験例1(1)と同様の方法で調製したMDCK細胞(35mmディッシュ)に、1ディッシュあたり、100μlのA型インフルエンザウイルス(H1N1)(100 PFU/100μl)を添加し、4℃で1時間静置して、ウイルスを感染させた。なお、MDCK細胞およびウイルスは予め4℃で3時間冷却したものを使用した。
2) 得られた細胞を冷却したPBSで3回洗浄した後、最終濃度が5μM、25μMまたは50μMとなるようにアークチゲニンを添加した10%牛胎児血清含有MEM培地、またはアークチゲニン不添加の培地を入れて、37℃、5% CO2存在下で培養した。
3) 培養から、一定時間(0h、0.5h、1h、2h、3h)後に、MDCK細胞を回収し、クエン酸塩緩衝液(pH3)で1分間処理し、これに0.8%の寒天培地を重層して、37℃、5% CO2条件で培養した。
4) 培養から2日後に、形成されたプラークをクリスタルバイオレット液で染色して白く抜けたプラークを観察し、プラーク数を求めた。
結果を表4に示す。結果は、被験薬(アークチゲニン)を添加しないで37℃で3時間処理した場合(対照試験)に得られたプラーク数を100%として、それとの相対比(%)を示す。また、値は3回実験を行って得られた平均値である。
アークチゲニンの作用機序を調べる目的で、アークチゲニンに感染細胞からの子孫ウイルス放出を阻止する作用があるかを調べた。
1) 実験例1(1)と同様の方法で調製したMDCK細胞(35mmディッシュ)に、A型インフルエンザウイルス(H1N1)(0.1PFU/細胞)を添加し、室温で1時間静置して、ウイルスを感染させた。
2) これに、アークチゲニン(最終濃度:5μM、25μM)またはリン酸オセルタミビル(最終濃度:1μM、5μM)を添加して、37℃、5% CO2存在下で培養した。
3) 培養から、一定時間(5h、8h、10h、12h、18h、20h、24h)後に、培地を回収した。
4)その後、培地に放出されたウイルス数を測定するために、培地を適宜希釈して、35mmディッシュに培養したMDCK細胞に感染させ、2日後に形成されたプラークをクリスタルバイオレット液で染色して白く抜けたプラークを観察し、プラーク数から培地に放出されたウイルス量を求めた(プラーク1個がウイルス1個に相当する。)。
結果を表5および図1に示す。表5の各上段は、被験薬(アークチゲニン、リン酸オセルタミビル)を添加しないで37℃で24時間培養した場合(対照試験)に培地に放出されたウイルス量を100%として、それとの相対比(%)を示した値である。また、表5の各下段は、各被験薬(アークチゲニン、リン酸オセルタミビル)を添加して37℃で24時間培養した場合に培地に放出されたウイルス量を100%として、それとの相対比(%)を示した値である。図1の縦軸は、培地に放出されたウイルスの量(×103 PFU/dish)を示す。
(1)被験試料の投与とインフルエンザウイルス感染
上記で抗インフルエンザウイルス作用が確認されたアークチンおよびアークチゲニンを用いて、インフルエンザウイルス感染マウスに対する抗インフルエンザウイルス作用を調べた。
第1群(#1):対照群[蒸留水投与、0.2ml/mouse/day]
第2群(#2):比較群[リン酸オセルタミビル投与、0.2mg/0.2ml/mouse/day]
第3群(#3):アークチゲニン投与群[アークチゲニン投与、0.5mg/0.2ml/mouse/day]
第4群(#4):アークチゲニン投与群[アークチゲニン投与、1mg/0.2ml/mouse/day]
第5群(#5):アークチゲニン投与群[アークチゲニン投与、2mg/0.2ml/mouse/day]
第6群(#6):アークチン投与群[アークチン投与、0.5mg/0.2ml/mouse/day]
第7群(#7):アークチン投与群[アークチン投与、1mg/0.2ml/mouse/day]
第8群(#8):アークチン投与群[アークチン投与、2mg/0.2ml/mouse/day]
第9群(#9):アークチン投与群[アークチン投与、5mg/0.2ml/mouse/day]。
各被験群のマウスのうち、半数については、感染から3日目(3 day)に、気管・気管支洗浄液(以下、「BALF」という)及び肺を採取して、BALFと肺のインフルエンザウイルス量を、実験例1に記載する方法に従ってプラーク法にて定量した。各被験群のマウスのうち、残り半数について感染直後から4週間に亘って(0 day〜28 day)、体重と死亡数を記録するとともに、感染から14日目(14 day)に尾静脈から採血して、下記の方法に従って血清中の中和抗体価を評価した。また、感染から28日後には、血清における中和抗体価、およびBALFにおける中和抗体価とIgA量を
それぞれ求めた。なお、IgA量はELISA法で測定した。
(a)血清における中和抗体価
マウスの血液から血清を分離し、滅菌した生理食塩水で5〜78125倍に希釈する。その希釈液0.1 mlとインフルエンザウイルス(200プラーク形成単位/0.1 ml)0.1 mlとを混合し、37℃で、1時間処理した。0.1mlの混合液を、35mmディッシュに培養したMDCK細胞に感染させ、2日後に形成されたプラークをクリスタルバイオレット液で染色して、プラーク数を測定する。血清の代わりに生理食塩水をウイルス液に加えた対照のプラーク数を100%として、50%のプラーク数になる血清希釈倍数を計算し、その値を中和抗体価とする。
上記血清に代えて、BALFを用いる以外は、上記(a)と同様にして、中和抗体価を算出する。
各被験群について、感染後4週間に亘って測定した体重の結果を図7に、死亡率を表6に示す。
図7からわかるように、対照群(蒸留水投与群)(#1)では、投与を中止した7日以降も体重減少が見られ、感染10日後に約30%の体重減少が認められた。その後は漸増した。比較群(リン酸オセルタミビル投与群)(#2)では、10%以内の体重減少が認められた。これに対して、アークチゲニン投与群およびアークチン投与群は、感染7日後に20−30%の体重減少が認められたものの、投与を中止した7日目以降急速に回復した。
アークチゲニンおよびアークチンに代えて、調製例3〜5で調製した牛蒡子微細粉末(調製例3)、牛蒡子熱水抽出エキス粉末(調製例4)および牛蒡子熱エタノール抽出エキス粉末(調製例5)を用いて、下記表7に示す各マウス被験群に対して、実験例3と同様の試験を行い、感染後3日後の肺およびBALFにおけるインフルエンザウイルス量を測定した。
(1)被験試料の投与とインフルエンザウイルス感染
BALB/cマウス(5週齢、雌)を表8に記載するように11群(第1群は16匹、他の群は各10匹)に分け、各群のマウスにA型インフルエンザウイルス(H1N1)(2×105 PFU/50μl/mouse)を麻酔下で経鼻接種(経鼻感染)させ、感染前7日から感染直前の計7日間(投与A)、感染直後から感染後7日間の計7日間(投与B)、および感染前7日から感染後7日間の計14日間(投与C)(但し、牛蒡子微細粉末は、感染直後から感染後7日間の計7日間(投与A)のみ)、各被験試料(蒸留水、アークチン、アークチゲニン、牛蒡子微細粉末、リン酸オセルタミビル)を1日2回(午前9時と午後6時)経口投与した。
各被験群のマウスのうち、半数については、感染から3日目(3 day)に、BALF及び肺を採取して、BALFと肺のインフルエンザウイルス量を定量した。各被験群のマウスのうち、残り半数について感染直後から4週間に亘って(0 day〜28 day)、体重と死亡数を記録するとともに、感染から14日目(14 day)に尾静脈から採血して、下記の方法に従って血清中の中和抗体価を評価した。また、感染から28日後には、血清における中和抗体価、およびBALFにおける中和抗体価とIgA量をそれぞれ求めた。
各被験群について、感染後4週間に亘って測定した体重の結果を図10に、死亡率を表10に示す。図10からわかるように、対照群(蒸留水投与群)(#1)では、投与を中止した7日後に体重減少が見られ、その後は漸増した。比較群(リン酸オセルタミビル投与群)(#5)では、10%以内の体重減少が認められた。これに対して、アークチゲニン投与群およびアークチン投与群は、感染7日後に20−30%の体重減少が認められたものの、投与を中止した7日目以降急速に回復した。
下記の方法により、牛蒡子微細粉末、アークチンおよびアークチゲニンについて貪食促進作用の有無を調べた。
1)24-well plate(10%牛胎児血清加ダルベッコMEM培地)にRAW 264.7(マウスのマクロファージ由来)細胞(2 x 104 cells/well)を加えて37℃で培養する。
2)1時間後に被験薬(牛蒡子微細粉末、アークチン、アークチゲニン)を表11に記載する濃度となるように加え、72時間、37℃で処理する。
3)これに蛍光ラテックスビーズ(Polysciences社製)を0.75μl/well加え、37℃で1時間培養する。
4)培養したRAW264.7細胞を、氷冷したPBS(リン酸緩衝生理食塩水)で3回洗浄する。
5)洗浄後、RAW264.7細胞を4%ホルムアルデヒドで固定後、クリスタルバイオレット液で染色する。
6)蛍光顕微鏡下で、蛍光ラテックスビーズを貪食した細胞としていない細胞とを計数する。
結果を表11に示す。
下記の方法により、牛蒡子微細粉末、アークチンおよびアークチゲニンについてNO産生刺激作用の有無を調べた。
<試験方法>
1) RAW 264.7細胞(1 x 106 cells/ml)を50μl/wellで96-well plateに加える。
2) 細胞が付着後、被験薬(牛蒡子微細粉末、アークチン、アークチゲニン)を表12の濃度で添加した培地(100μl/well)と交換する。
3) 20時間培養後、培養上清を80μl採取して、別の96-well plateに移す。
4) グリース試薬(1%スルファニルアミド+0.1% N-1-ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩+2.5%リン酸)を同量加え、室温で10分間放置する。
5) OD550を測定する(対照OD630)
6) NO定量のための標準曲線は、NaNO2溶液(1-50μMの範囲)を用いて作成する。
結果を表12に示す。
マウスにアークチンを経口投与し、体内における代謝動向を調べた。
(1)検量線の作成
マウス(6週齢、雌、BALB/cマウス)3匹の腋下頚動脈から採血し、直ちに遠心分離処理(3000×g, 10 min, 25℃)し、上清より血漿を得た。この血漿 各50μlに、アークチン標品(1.07 mg)、アークチゲニン標品(0.74 mg)をそれぞれ加え、ボルテックスにてよく振盪した。各血漿溶液に、アセトニトリル200μlを加え、ボルテックス振盪後、遠心分離(15,000×g, 5 min, 4℃)を行った。次いで上清液を回収し、LC-MS用96穴プレートに移し、下記の条件でElectrospray Ionization Tandem Mass Spectrometry(ESI-MS/MS)測定を行った。
カラム:GL Sciences社製 イナートシル(R)シリーズHPLCカラム ODS-3
移動相:0.1%蟻酸水溶液(Aポンプ)及び0.1%蟻酸アセトニトリル (Bポンプ)によるグラジュエント
グラジュエント条件
0 min − 15 min: 80%A - 20%B − 20% A - 80%B
15 min − 18 min: 20%A - 80%B − 0%A - 100%B
18 min − 24 min: 0%A - 100%B
24 min − 26 min: 0%A - 100%B − 80%A − 20%B
26 min − 30 min: 80%A - 20%B
流速:400μl/mim
検出: UV 254 nm。
測定モード:positive
arctiin、arctigenin由来共通イオンm/z: 373の娘イオンm/z:173をSRMでモニターした。
DP 50、FP 270、EP 10、CE 30、CXP 15。
マウス(6週齢,雌、BALB/cマウス)24匹に、アークチン5 mg/mL (1% ethanol)を経口投与し、0.5、1、2、3、6、12、24及び48時間後に、各3匹のマウスの腋下頚動脈から血液を採取した。各血液はすぐさま遠心分離処理(3000×g, 10 min, 25℃)し、上清より血漿を得た。各血漿溶液は、検量線作成時と同様に処理をし、LC-MS/MS測定用試料とした。各時間経過後の試料を、検量線作成の条件でLC-MSMS測定し、血漿中のアークチン及びアークチゲニンの濃度を求めた。
(1)インビトロ試験
抗インフルエンザウイルス作用が確認されたアークチゲニンを用いて、ノイラミニダーゼ阻害剤との併用効果を調べた。なお、ノイラミニダーゼ阻害剤として、リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル、ロッシュ製)を用いた。
アークチゲニンの配糖体であるアークチンとノイラミニダーゼ阻害剤とを組み合わせて、インフルエンザウイルス感染マウスに経口投与し、抗インフルエンザウイルス作用の相乗効果の有無を調べた。なお、ノイラミニダーゼ阻害剤として、リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル、ロッシュ製)を用いた。
、肺を採取し、BALFと肺のウイルス量をプラーク法で定量した。
アークチゲニンの配糖体であるアークチンのインフルエンザウイルス感染動物に対する抗インフルエンザウイルス作用を評価するとともに、制癌剤である5−フルオロウラシル(以下「5-FU」という)を投与して免疫を低下させたマウスを用いて、免疫低下動物に対するアークチンの有効性を評価した。
感染から3日目と7日目に採取した各被験群の肺とBALFについて、プラーク法によってインフルエンザウイルス量を測定した。結果を表15に示す。また、感染から3日目および7日目の肺中のインフルエンザウイルス量をそれぞれ図13(A)および図13(B)に、3日目および7日目のBALF中のインフルエンザウイルス量をそれぞれ図14(A)および図14(B)に示す。
感染3日後の結果から、アークチン投与(No.5)によって対照群の正常マウス(No.1)に比べて有意にウイルス量が低下しており、アークチンの経口投与による抗インフルエンザウイルス効果が認められた。免疫低下マウスについては、感染3日目では両者に有意な差異はみられなかったが、感染7日後のアークチン投与マウス(No.6)は対照群の免疫低下マウス(No.2)に比べて有意にウイルス量が低下しており、免疫低下マウスに対するアークチンの抗インフルエンザウイルス効果が確認された。
感染3日後および7日後とも、肺のインフルエンザウイルス量と同様な結果を示した。具体的には、感染3日後の結果から、アークチン投与(No.5)によって対照群の正常マウス(No.1)に比べて有意にウイルス量が低下しており、アークチンの経口投与による抗インフルエンザウイルス効果が認められた。また免疫低下マウスについては、感染3日目では両者に有意な差異はみられなかったが、感染7日後のアークチン投与マウス(No.6)は対照群の免疫低下マウス(No.2)に比べて有意にウイルス量が低下しており、免疫低下マウスに対するアークチンの抗インフルエンザウイルス効果が確認された。
マウスの血液から血清を分離し、滅菌した生理食塩水で5〜78125倍に希釈した。その希釈液0.1 mlとインフルエンザウイルス(200プラーク形成単位/0.1 ml)0.1 mlとを混合し、37℃で、1時間処理した。0.1mlの混合液を、35mmディッシュに培養したMDCK細胞に感染させ、2日後に形成されたプラークをクリスタルバイオレット液で染色して、プラーク数を測定した。血清の代わりに生理食塩水をウイルス液に加えた対照のプラーク数を100%として、50%のプラーク数になる血清希釈倍数を計算し、その値を中和抗体価とした。
いずれの被験群も、感染3日後の中和抗体価は全体的に低く、31〜39の範囲であり、処理の違いや5-FU処理の有無による差はみられなかった。またいずれの被験群も感染7日後には中和抗体価が上昇した。しかし、5-FU処理により免疫が低下したマウスでは中和抗体価は低下していた。具体的には、第1群(対照群)では3900(No.1)→ 990(No.2)(3.9倍の低下)、第2群(リン酸オセルタミビル投与群)では1100(No.3)→ 170(No.4)(6.5倍の低下)、第3群(アークチンン投与群)では2800(No.5)→ 1800(No,6)(1.6倍の低下)でいずれも5-FU処理により中和抗体価は低下した。中でもリン酸オセルタミビルは、被験群の免疫低下の影響を最も大きく受けることが確認された。一方、アークチンは被験群の免疫低下の影響を受けにくく、免疫低下したインフルエンザウイルス感染動物に対しても高い中和抗体価を誘導し、有効な抗インフルエンザウイルス作用(免疫効果)を示した。
感染3日後の全被験群(No.1〜6)の試料と、感染7日後の5-FU処理群(No.2,4,6)の試料は、いずれもウイルスが存在するために中和試験による評価はできなかった。感染7日後の5-FU非処理群(No.1,3,5)の試料について測定した中和抗体価の結果から、アークチンの投与(No.5)によってリン酸オセルタミビルの投与(No.3)よりも中和抗体価が有意に高くなっていた。このことから、アークチンは、インフルエンザウイルス感染動物に対して高い中和抗体価を誘導して、優れた抗インフルエンザウイルス作用(免疫作用)を有することが確認された。
各被験群(No.1〜6)について、3週間(-7day〜14day)に亘って測定した体重の結果を図16に示す。
実験例10で調製した第2群(リン酸オセルタミビル投与群)の5-FU処理群(No.4)及び第3群(アークチン投与群)の5-FU処理群(No.6)のインフルエンザウイルス感染7日後の肺とBALFの試料を用いて、アークチン投与およびリン酸オセルタミビル投与によるウイルス耐性化の有無を評価した。
(1-1) 免疫正常マウス(5-FU非処理マウス)において、感染3日後の急性期の肺及び気道のウイルス産生を有意に抑制した。
(1-2) 免疫低下マウス(5-FU処理マウス)において、感染7日後の肺及び気道のウイルス産生を有意に抑制した。また、中和抗体価を有意に上昇させた。これらのことから、アークチゲニンおよびその配糖体は、体内から早期にインフルエンザウイルスを排除することに寄与することが期待される。
(2-1) 免疫正常マウス、免疫低下マウスのいずれにおいても、ウイルス量の低下効果はリン酸オセルタミビル投与の場合よりも低かったが、中和抗体価はリン酸オセルタミビル投与の場合よりも有意に上昇した。
(2-2) 感染7日後に体内(肺及び気道洗浄液)に残存していたウイルスについて薬剤感受性を検討したところ、リン酸オセルタミビル投与によって約50%の分離株が感受性の低下を示し、耐性ウイルスが出現しやすいことが明らかになった。これに対して、アークチン感受性には変化がみられなかった。すなわち、インフルエンザウイルスはアークチンに対して耐性を獲得しにくいとみられる。
Claims (8)
- アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、インフルエンザウイルス感染に対する免疫賦活剤。
- インフルエンザに対する予防剤として用いられる、請求項1記載の免疫賦活剤。
- インフルエンザウイルスの流行期または感染後に投与されることを特徴とする、請求項1または2に記載する免疫賦活剤。
- 免疫低下した被験者に対して投与されるものである、請求項1乃至3のいずれかに記載する免疫賦活剤。
- ノイラミニダーゼ阻害剤と組み合わせて用いられる、アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分とする、抗インフルエンザウイルス剤。
- ノイラミニダーゼ阻害剤と、アークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択されるの少なくとも1種とを組み合わせてなる、抗インフルエンザウイルス剤。
- ノイラミニダーゼ阻害剤、およびアークチゲニン、その配糖体およびそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を、それぞれ別個の包装形態で含むキットである、請求項6に記載する抗インフルエンザウイルス剤。
- ノイラミニダーゼ阻害剤が、オセルタミビル、ザナミビルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項7乃至9のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤。
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