JP2010137137A - 溶剤回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、水溶性溶剤含有のガスを、水滴と十分に接触させた後、より多く水噴霧部から気液分離部へ供給することで、気液分離部で分離される水溶性溶剤を含む水溶液の回収効率の向上を図る。
【解決手段】水噴霧部30は、濃縮器20から吐出されたガス1aを吸込む吸込口31と、水滴2と接触したガス1bを気液分離部40へ吐出する吐出口32と、吸込口31と吐出口32とをつなぐガス流路33とを有し、ガス流路33内には、水滴2を噴出するノズル36と、吸込口31とノズル36との間に、吐出口32とノズル36との間のガス流路33の断面積よりも吸込口31とノズル36との間のガス流路33の断面積を小さくする絞り部35とを設けるというものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、工場から排出される排気ガスなどに含まれる水溶性溶剤を回収する溶剤回収装置に関するものである。
従来より、水よりも沸点が高い水溶性溶剤を含む排気ガス(本願の「ガス」)から、その水溶性溶剤を回収する装置として、以下のものが提案されている。
すなわち、水溶性溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と記す)を例示し、NMP含有の排気ガスが、濃縮器で冷却され、ダクト(本願の「水噴霧部」が対応)を介して容器(本願の「気液分離部」)へと導かれている。ダクト内にはノズルが設けられている。容器で回収された水溶液または水(以下、「水溶液等」と記す)は、ノズルから噴霧され、排気ガスと接触する。
その後、容器内に導かれた排気ガスは、容器に設けられた濃縮器内を循環する熱媒体と熱交換を行い、さらに冷却される。その結果、水溶液等と接触した排気ガスは、気液分離を促され、NMPが溶けた水溶液を生成する(例えば、特許文献1参照)。
なお、より多くのNMPが溶けた水溶液を回収するために、排気ガスと水溶液等とが接触するダクト内には、つぎの要件が要求される。
まず、排気ガスと水溶液等とを十分に接触させる必要がある。
つまり、排気ガス中に含まれるNMPを水溶液としてより多く回収するためには、容器の前工程であるダクト内で、NMPが水溶液等により多く溶解している必要がある。NMPが水溶液等により多く溶解していれば、NMPが溶解した水溶液等を容器内で冷却して気液分離することで、水溶液としてNMPを回収しやすくなる。
つぎに、水溶液等と接触した排気ガスがダクト内に滞留することなく、より多くの排気ガスが容器内へ送り込まれる必要がある。
つまり、ノズルから噴霧された水溶液等は、ダクト内において霧状の水滴として漂っている。この霧状の水滴と接触した排気ガスは、水滴と接触する前と比べて重量が増す。適度な重量であれば、ダクト内を流れる排気ガスの流れによって、容器へと送付される。しかし、過度に水滴と接触しすぎた場合、容器へ到達できず、ダクト内を滞留する恐れがある。ダクト内を滞留する排気ガスは、ダクトの内壁面に付着したり、ダクト内を落下するなどして、ダクト内で液化する可能性がある。
特開2008−168290号公報
ところで、排気ガスと水溶液等とを十分に接触させるためには、排気ガスと水溶液等とが接触する空間を広くする、あるいは、排気ガスと水溶液等とが接触する時間を長くしなければならない。
この要件を実現するためには、ダクトの長さを長くして排気ガスと水溶液等とが接触する空間を広くする、あるいは、排気ガスが流れる速度を遅くして排気ガスと水溶液等とが接触する時間を長くすることが考えられる。
一方、水滴と接触した排気ガスをダクト内に滞留させることなく、少しでも多く容器へ送り込むためには、ダクトの長さは長くなく、排気ガスが流れる速度は速いほうがよい。
本発明は、これらの相反する要件を満たすものであり、十分に水溶液等と接触させた排気ガスをより多く容器内へ送り込むことで、より多くの水溶性溶剤を回収することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、水噴霧部は、ガスを吸込む吸込口と、水滴と接触したガスを気液分離部へ吐出する吐出口と、吸込口と吐出口とをつなぐガス流路とを有し、ガス流路内には、水滴を噴出するノズルと、吸込口とノズルとの間に、吐出口とノズルとの間のガス流路の断面積よりも吸込口とノズルとの間のガス流路の断面積を小さくする絞り部とを設けるというものである。
本装置とすることで、絞り部を通過して流速が早くなったガスの流れが、ガスと水滴とが過大に接触して生じる液滴落下する水溶液を、次工程である気液分離部へと吹き上げることができる。
本発明の溶剤回収装置は、水噴霧部内の要部にガスの流れを早くする絞り部を設け、ガスと水噴霧部内に設けたノズルから噴出する水とが十分に接触できるように水噴霧部内に気液接触部を設けることで、液滴落下する水溶液の発生を抑制し、ガスと水滴とが十分に接触できる空間を設けたため、水溶液として回収できる溶剤の回収率が向上できるというものである。
本発明の実施の形態は、ガス流路内に、水滴を噴出するノズルと、吸込口とノズルとの間に、吐出口とノズルとの間のガス流路の断面積よりも吸込口とノズルとの間のガス流路の断面積を小さくする絞り部とを設けるというものである。
本構成とすることにより、ガス流路内を流れるガスの流速を加速することができるので、水滴と接触して重量が重くなったガスを吐出口近傍まで吹き上げることができる。
その結果、水滴と接触したガスを水噴霧部から気液分離部へと送り届けることができるため、気液分離部で水溶液として回収される水溶性溶剤が増える。
また本発明の実施の形態は、絞り部を、ガス流路をなす内壁面に設けたガイド板で構成し、このガイド板は、一端を内壁面に接続し、他端を一端よりも上方へ位置するように傾斜して取り付けるというものである。
本構成とすることにより、水滴とガスとがガス流路の内壁面に付着することで生じる水溶液を、絞り部の取り付け部分に貯えることができる。
その結果、水溶液が濃縮器へ流入することを防止できる。
また本発明の実施の形態は、絞り部を、ガイド板の吸込口面側に、吸込口から吐出口へと流れるガスの流れる方向を斜め方向へと変更する斜流ガイド部を設けるというものである。
本構成とすることにより、水噴霧部の水滴とガスとが接触する空間において、ガス流路の内壁面に沿ったガスの斜流を生じることができる。
その結果、水滴と接触したガスが、ガス流路の内壁面に付着することを抑制することが可能となり、次工程である気液分離部へ供給できるガスの量が増える。
また本発明の実施の形態は、絞り部を、ガス流路をなす内壁面に設けたガイド板で構成し、ガイド板は、一端を内壁面に接続し、他端を一端よりも下方へ位置するように傾斜して取り付けるというものである。
本構成とすることにより、水滴と接触したガスがガス流路の内壁面に付着することで生じた水溶液を、内壁面からガイド板を伝って、ガイド板の先端部分へと導くことができる。そして、ガイド板の先端部分へと導かれた水溶液は、吸込口から吐出口へと流れるガスの流れに吹き上げられ、気液分離部へと運ばれる。
その結果、気液分離部で回収できる水溶液の量は増える。
なお、絞り部の下方において、ガイド板の吸込口側に、一端を内壁面に接続し、他端を一端よりも上側に位置する導風板を設ければ、より滑らかに吸込口から絞り部を介して吐出口へと流れるガスの流れを、絞り部へと導くことが可能となる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における水溶性溶剤の溶剤回収装置の構成図である。この図1を用いて、溶剤回収装置100の全体概要について説明する。
水溶性溶剤を回収する溶剤回収装置100は、ガス1を冷却するとともに、後述する気液分離部40で分離された水溶液3を加熱して濃縮する濃縮器20と、この濃縮器20で冷却されたガス1aに対して水滴2を接触させる水噴霧部30と、この水噴霧部30で水滴2と接触したガス1bを冷却する気液分離部40とを備えている。
気液分離部40で抽出された水溶性溶剤を含む水溶液3は、配管50を介して濃縮器20へと導かれる。濃縮器20へと流入された水溶液3は、新たに吸込まれるガス1と熱交換を行うことで、水溶液3中の水分を蒸発させて、その濃度が高められる。その結果、高濃度となった水溶液3aは、配管6を介してタンク51に回収される。一方、気液分離部40で水溶液成分を除去されたガス1cは、エリミネータ52で浄化され、大気中へ放出される。
このような溶剤回収装置100の各部について、図2に示す、本発明の実施例1における水溶性溶剤の溶剤回収手順を示すフローチャートとともに説明する。なお、水溶性溶剤としては、NMPを用いて説明する。
工場などから排気ガスとして回収されたガス1は、濃縮器20にて冷却される(S1)。濃縮器20は、図1に示すように、冷却準備室21と、冷却部22と、吐出準備室23に区分されている。濃縮器20の外部からファン5で冷却準備室21へと吹き込まれたガス1は、冷却部22に複数設けられた管24へ吸い込まれる。冷却部22は、複数の仕切板25、26で仕切られている。管24の周囲で、これら複数の仕切板25、26で仕切られた冷却部22内には、後述する水溶液3が貯められ、ガス1と熱交換を行う。冷却部22で放熱し、濃縮されたガス1aは、吐出準備室23を介して、次工程となる水噴霧部30へと送り出される。
一例として、冷却準備室21に吸込まれたNMPを含むガス1が100℃前後の場合、冷却準備室21の水溶液3が25℃前後であれば、吐出準備室23に存在するガス1aは、70℃程度まで冷却することが可能である。
つぎに、ガス1aは、濃縮器20と水噴霧部30とを連絡する吸込口31を介して水噴霧部30内へと吸込まれる。
水噴霧部30は、吸込口31と吐出口32とをつなぐガス流路33からなる。本実施の形態1では、水噴霧部30は縦長のものを使用している。ガス流路33内は、ガス1aが流れる流路の面積を小さくする絞り部35を境として、吸込口31から絞り部35までをガス吸込室34、絞り部35から吐出口32までを気液接触室37と区分している。なお、気液接触室37内には、ノズル36が設けてある。このノズル36から噴霧された水滴2は、気液接触室37内においてガス1aと接触する。
以下、水噴霧部30について詳述する。
まず、次工程である気液分離部40でNMPを含む水溶液3を少しでも多く回収するために、ノズル36は水噴霧部30の下方に取り付けられている。本構成とすれば、気液接触室37内でガス1aと水滴2とが十分に接触できるようになる。
ノズル36には、水滴2の源となる水を供給する給水パイプ36aと、水を噴出するための圧縮空気を供給する給気パイプ36bとが接続されている。ノズル36から噴霧される水滴2は、ノズル36に施した孔径によって、その直径が定められる。水滴2は、水を噴出する圧縮空気の圧力によって、その噴霧速度や噴霧量を調整することができる。本実施例1では、ガス1a内に含まれるNMPに対し、より多くの水滴2を接触させるために、直径10μm程度の水滴2を得ることができるノズル36を用いている。なお、水滴2の直径を小さくすれば、単位体積当たりの表面積が大きくなるため、同量の水であっても、より多くのNMPと接触することが可能となる(S2)。
さらに、溶剤回収装置100に流れ込むガス1の流量が安定しない場合、ガス流路33内を流れるガス1aの流量に合わせて、給水パイプ36aと給気パイプ36bから供給する水と圧縮空気の量を調整できるようにしてもよい。本構成とすれば、ガス1aに含有されるNMPの量に応じて水と圧縮空気の量を調整し、適量の水滴2を供給できるため、不要な水や圧縮空気を消耗することがない。
つぎに、次工程でNMPを少しでも多く回収するために、気液接触室37内で、水滴2と十分に接触したガス1bを、少しでも多く気液分離部40へ送付する必要がある。
この要件を満たすために、以下の考慮が必要となる。
まず、気液接触室37内で、ノズル36から噴出する水滴2の方向を吐出口32方向(図中上側)とする。つまり、ガス1aと同方向へ水滴2を噴霧して、ガス1aの流れが阻害されないようにする。
つぎに、ガス1aの流速よりも噴霧する水滴2の速度を遅くする。こうすれば、気液接触室37中を漂う水滴2の中をガス1aが通過することになるため、ガス1aが水滴2と接触できる機会が多くなる。つまり、水滴2とガス1aとの相対速度の関係から、水滴2とガス1aとが接触する時間を少しでも長くできる。
さらに、水滴2と接触することで重量を増したガス1bが、失速することなく気液分離部40へ移動できるよう、ガス1aの流速を加速する絞り部35を設ける。
つまり、ガス1aが通過する絞り部35の開口35aの断面積Bを、ガス吸込室34の断面積Aよりも小さくすれば、開口35aを通過するガス1aの流速は早くなる。本構成とすれば、従来、水滴2と接触したガス1bで、吐出口32へ達することなく水噴霧部30内に液滴落下していたものが、開口35aを通過して流速を増したガス1aに吹き上げられ、吐出口32へ到達するようになる。
ところで、本実施例1では、水滴2と接触することで重量を増したガス1bを所定高さまで吹き上げた後、さらに水滴2とガス1bとの接触を促進させるために、ガス吸込室34と気液接触室37とを同じ断面積Aにして、加速されたガス1bの流速を絞り部35通過前の流速へと戻している。
なお、このような流速の調整については、次工程である気液分離部40へ流入するガス1bの最適速度や、水滴2とガス1bの接触状況などを考慮して調整すればよい。
また、本実施例1では、ガス吸込室34及び気液接触室37の直径aを1000mm、絞り部35に設けた開口35aの直径bを400mmとした。その結果、ガス吸込室34を流れるガス1aの流速t=2m/secは、開口35aを通過する冷却されたガスの流速8m/secにまで加速できた。
さらに、本実施例1の水噴霧部30では、水滴2とガス1aとが接触したもので、ガス流路33の側壁面に付着して生じる水溶液を効率よく回収するために以下の対応を行っている。
すなわち、図1に示すように、絞り部35は、絞り部35とガス流路33との接続部分よりも、絞り部35の開口35aを高くなるように取り付けられている。本構成とすれば、絞り部35とガス流路33との接続部分に水溶液4を貯めることができる。さらに、戻り管53が、絞り部35とガス流路33との接続部分近傍と、濃縮器20との間に設けられている。絞り部35とガス流路33との接続部分を濃縮器20よりも上側に設ければ、ポンプなどの不要な機器を必要とすることなく、絞り部35に溜まった水溶液4を冷却部22へ供給できる。
つぎに、気液分離部40について説明する。
吐出口32を介して気液分離部40へ吐出されたガス1bは、気液分離部40内に設けられた凝縮器41により冷却され、ガス1b中に溶けていたNMPが、水溶液3として抽出、回収される。
本実施例1では、凝縮器41を2段に分け、前段の凝縮器41aを用いてガス1bを高温から中温へ、後段の凝縮器41bを用いてガス1bを中温から低温へ冷却している(S3)。
図1に示す凝縮器41は、冷却管42a、42bと放熱部43a、43bとからなる。
各凝縮器41a、41bには冷媒として水が封入されている。
まず、気液分離部40へ流入したガス1bは、冷却管42a近傍の空気および、冷却管42aに直接触れることにより、50〜65℃程度あった温度が40℃程度に冷却される。ガス1bと熱交換した冷媒の水は、放熱部43aへと循環され、吸収した熱を大気中に放出した後、再び冷却管42aへと供給される。
一方、冷却管42aと接触したガス1bの一部で露点に達したものは、NMPを含む水溶液3として抽出される。
同様に、冷却管42b近傍へと流れてきたガス1bは、冷却管42b近傍の空気および、冷却管42bに直接触れることにより、40℃程度あった温度が20℃程度に冷却される。冷却管42bは、冷却管42aよりも低い温度のため、より多くのガス1bを露点へ導くことができ、冷却管42aよりも多くのNMPを含む水溶液3を抽出し、回収することができる。
一方、ガス1bと熱交換した冷媒の水は、放熱部43bへと循環され、吸収した熱を大気中に放出した後、再び冷却管42bへと供給される。
つぎに、気液分離部40で主たる水溶液3成分を除去されたガス1cは、さらにエリミネータ52へ送付される。ガス1cは、エリミネータ52内に設けられた金属細線からなる網状部52aを通過することで、気液分離部40では除去されなかった液体の微粒子を分離回収される(S4)。
その後、液体の微粒子まで分離されたガス1dは、大気中へ放出される。
また、気液分離部40およびエリミネータ52にて抽出、回収されたNMPを含む水溶液3は、配管50を介して濃縮器20へと集められる。
ところで、濃縮器20でガス1を冷却した冷却部22には、回収した水溶液3を加熱して濃縮し、NMP濃度が高い水溶液3を回収するという機能も備わっている。
まず、濃縮器20に設けられた冷却部22の詳細について説明する。図3は、図1のA−A矢視図、B−B矢視図を示している。
図3(a)に示すように、仕切板26は上端を、図3(b)に示すように、仕切板25は下端を切り欠いた形状とし、各々切欠き部25a、26aを隣接する空間への連絡路としている。すなわち、冷却部22には、配管50を介して冷却部22へ流入した水溶液3を、冷却部22からタンク51へと送り出す流路が構成されている。
上述したように、100℃程度の高温で冷却準備室21へと吸い込まれたガス1は、吐出準備室23に至るまでに70℃程度まで下げられて放熱を行う。換言すれば、冷却部22に対して放熱したのと略同容量の熱を供給することになる。この熱は、ガス1が冷却部22中を左から右へと流れるため、水溶液3が冷却部22中を右から左へ流れるほど高くなる。つまり、水溶液3に含まれる水分は、ガス1から供給される熱によって蒸発することになる(S5)。
このようにして、水分を蒸発することで濃縮されたNMPを含む水溶液3aは、タンク51に回収される。一方、ガス1と熱交換した結果、水溶液3から蒸発したNMPを含む蒸気は、戻り管27を介して濃縮器20の冷却準備室21へと導かれる。
以上説明したように、本発明の実施例1に記載の溶剤回収装置100では、水噴霧部30の内部に絞り部35を設けて、水噴霧部30の吸込口31から吐出口32へと流れるガス1aの流路の断面積を要部で絞っている。この絞り部35は、使用する水噴霧部30の形状や大きさ、あるいは流れるガス1aの成分によって適宜、最適な設計を行えばよいが、以下の内容に留意する必要がある。
ひとつ目は、水噴霧部30の主目的である、ガス1aとノズル36から噴出する水滴2との接触時間を少しでも長く確保することである。これは、上述したように、次工程である気液分離部40で、ガス1aに含まれる水溶性溶剤を少しでも多く回収するために、ガス1aに十分な水滴2を付けておく必要がある。具体的には、図1で示した水噴霧部30を用いた場合、絞り部35とノズル36を水噴霧部30の下部に設置し、ノズル36から吐出口32までの空間を十分に確保することで実現している。
ふたつ目は、水滴2と接触したガス1bを、水噴霧部30内で液化させることなく、次工程である気液分離部40へ送り出すことである。本実施例1に示す溶剤回収装置100では、水溶液3となったNMPは、気液分離部40から回収する構成となっており、水噴霧部30にて、水溶液となったNMPを積極的に回収するという構成となっていない。従って、水噴霧部30内でガス1bが液化した場合、気液分離部40で回収可能なNMPの水溶液3が減少することになる。しかも、吐出口32から前工程である濃縮器20への逆流が生じる可能性もあり、水噴霧部30の下部に水滴が残留する場合は、内面腐食を防ぐために頻繁に水抜き作業を行う必要があるという余分な手間が生じることになる。
そこで、ガス1aを気液分離部40へ送り出すためには、絞り部35とノズル36とを水噴霧部30の上部に設けるようにしている。
この矛盾するひとつ目とふたつ目の留意事項を実現するために、本発明の実施例1では、絞り部35とノズル36とを水噴霧部30の下部に設置して、ガス1aと水滴2との接触時間を確保し、絞り部35の開口35aを用いてガス流路33の要部断面積を絞ることでガス1aの流速を早めて、液滴を防止し、より多くのガス1bを気液分離部40へ吐出するようにしている。
このような構成とすることにより、水噴霧部30内において、落下してきた水滴2を水噴霧部30上方へと吹き上げることができる。しかも、水噴霧部30上部におけるガス流路33の断面積は、水滴2とガス1bとが十分に接触可能な速度を得ることが可能な面積を有しているため、絞り部35で加速されたガス1aの流速を抑制し、水滴2とガス1bとの接触を促進することができる。
なお、図1に示す絞り部35を用いた場合、水噴霧部30の側壁面に付着し、やむを得ず生じる水溶液4を受け止めることができる。
このような構成とすれば、やむを得ず生じる水溶液4が、前工程である濃縮器20に逆流することを防止できる。
また、図1に示すように、水噴霧部30の絞り部35と、濃縮器20の冷却部22とを連絡する戻り管53を設けて、水溶液4を冷却部22に戻せば、より多くのNMPの水溶液3aを回収することが可能となる。
なお、絞り部35を、濃縮器20よりも上方に設置すれば、ポンプなどの余分な機器を設置することなく、戻り管53を介して水溶液4を冷却部22へ導くことが可能である。
(実施例2)
つぎに、本発明の実施例2について、図4を用いて説明する。
図4は、水噴霧部30aにおいて、絞り部38の先端を吸込口31方向に向けている。本構成とした場合、水噴霧部30aの上部において、水滴2とガス1aとが接触した結果、水噴霧部30aの側壁面に付着するなどして、やむを得ず生じる水溶液4aを、以下のようにして回収することができる。
すなわち、側壁面に付着した水溶液4aは、側壁面を伝って、絞り部38へと流れてくる。絞り部38にたどり着いた水溶液4aは、絞り部38の傾斜に従い、絞り部38の開口38aへと流れる。その結果、水溶液4aが絞り部38の開口38aへたどり着くと、吸込口31から吐出口32へと流れるガス1aによって、水溶液4aは開口38aから吐出口32へと吹き上げられる。特に、開口38aは、ガス流路33の断面積を絞って、ガス1aの流速を加速しているため、水溶液4aを吹き上げるに十分な流速を確保している。
さらに、図5に示すように、絞り部38の下側に下端を水噴霧部30aの内壁面に接続し、上端を絞り部38の開口38a近傍に開口した導風板39を設ける。このような導風板39を設ければ、図中、矢印60a、60bで示すように、水噴霧部30aの内壁面から導風板39を介して絞り部38へと続く滑らかな風の流れを構築することが可能となる。
このような滑らかな風の流れを構築できれば、冷却されたガス1aを移動させるファン5などのエネルギーロスを抑制することができ、溶剤回収装置100を駆動するエネルギーの省力化を図ることができる。
(実施例3)
つぎに、本発明の実施例3について、図6から図8を用いて説明する。
図6、図7は、他の実施例における絞り部70、71を示している。すなわち、図6に示すように、絞り部70のガイド板72を用いて斜流ガイド部73を設けたり、図7に示すように、絞り部71のガイド板74に斜流ガイド部75を設ける。
このような斜流ガイド部73、75を有する絞り部70、71を図8に示す水噴霧部30bに設置する。吸込口31から吸い込まれた冷却されたガス1aには、ガス流路33の中央部を流れるガスの流れ76aと側壁面に沿って流れるガスの流れ76bとが生じる。ガス流路33の中央部を流れるガスの流れ76aは、流速も早いことから、絞り部70、71を経由して吐出口32へと円滑に流れることが期待できる。
しかしながら、側壁面近傍のガスの流れ76bについては、冷却されたガス1aと側壁面との間で生じる摩擦力の影響などから、吸込口31から絞り部70、71、吐出口32へと流れる円滑なガス1aの流れを期待できない。
そこで、本実施例3に示すように、斜流ガイド部73、75を有する絞り部70、71を用いることにより、気液接触室37では、内壁面に沿った斜めのガスの流れ77、いわゆる斜流を発生させることができる。この結果、内壁面近傍でのガスの流れ77を促すとともに、水滴2と接触したガス1bが内壁面に付着して、液化することを防止することが可能となる。
従って、次工程である気液分離部40で回収できるガス1bの量が増え、NMPが溶けた水溶液3の回収効率を向上できる。
本発明の溶剤回収装置は、排気ガス中の低濃度の水溶性溶剤を、吸着剤を用いずに安定して効率的に回収できるため、連続的な排気ガス浄化の分野に有用である。
本発明の一実施例における溶剤回収装置の構成図 同本発明の一実施例における水溶性溶剤の溶剤回収手順を示すフローチャート (a)は同本発明の一実施例における冷却部22のA−A矢視図、(b)は同B−B矢視図 本発明の他の一実施例における水噴霧部の構成図 本発明の他の一実施例における水噴霧部の構成図 本発明の他の一実施例における絞り部の斜視図 本発明の他の一実施例における絞り部の斜視図 本発明の他の一実施例における水噴霧部の構成図
符号の説明
1,1a,1b,1c,1d ガス
2 水滴
20 濃縮器
30,30a,30b 水噴霧部
31 吸込口
32 吐出口
33 ガス流路
35,38,70,71 絞り部
36 ノズル
39 導風板
40 気液分離部
72,74 ガイド板
73,75 斜流ガイド部

Claims (9)

  1. 水より沸点が高い水溶性溶剤を含むガスに対して水滴を接触させる水噴霧部と、
    前記水噴霧部で前記水滴と接触した前記ガスを冷却する気液分離部とを備え、
    前記水噴霧部は、
    前記ガスを吸込む吸込口と、
    前記水滴と接触した前記ガスを前記気液分離部へ吐出する吐出口と、
    前記吸込口と前記吐出口とをつなぐガス流路とを有し、
    前記ガス流路内には、
    前記水滴を噴出するノズルと、
    前記吸込口と前記ノズルとの間に、前記吐出口と前記ノズルとの間の前記ガス流路の断面積よりも前記吸込口と前記ノズルとの間の前記ガス流路の断面積を小さくする絞り部とを設けた溶剤回収装置。
  2. 前記気液分離部で分離された水溶液を加熱して濃縮する濃縮器を備え、
    前記水噴霧部は、
    前記吐出口を前記吸込口よりも上側に設置し、
    前記絞り部を前記濃縮器よりも上側に設けた請求項1に記載の溶剤回収装置。
  3. 前記絞り部は、
    前記ガス流路をなす内壁面に設けたガイド板からなり、
    前記ガイド板は、一端を前記内壁面に接続し、他端を前記一端よりも上方へ位置するように傾斜して取り付けた請求項1に記載の溶剤回収装置。
  4. さらに前記絞り部は、
    前記ガイド板の吸込口面側に、前記吸込口から前記吐出口へと流れる前記ガスの流れる方向を変更する斜流ガイド部を設けた請求項3に記載の溶剤回収装置。
  5. 前記絞り部は、
    前記ガス流路をなす内壁面に設けたガイド板からなり、
    前記ガイド板は、一端を前記内壁面に接続し、他端を前記一端よりも下方へ位置するように傾斜して取り付けた請求項1に記載の溶剤回収装置。
  6. さらに前記絞り部は、
    前記ガイド板の前記吸込口側に、一端を前記内壁面に接続し、他端を前記一端よりも上側に位置する導風板を設けた請求項5に記載の溶剤回収装置。
  7. さらに前記絞り部は、
    前記導風板の吸込口面側に、前記吸込口から前記吐出口へと流れる前記ガスの流れる方向を変更する斜流ガイド部を設けた請求項6に記載の溶剤回収装置。
  8. 前記ノズルが前記水滴を噴出する方向は、
    前記吸込口から前記吐出口へ向かう方向とする請求項1または2に記載の溶剤回収装置。
  9. 前記吸込口から前記吐出口へと流れる前記ガスの速度よりも遅い速度で、前記ノズルから前記水滴を噴出することを特徴とする請求項8に記載の溶剤回収装置。
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