JP2010136746A - 血液透析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】透析治療過程においてドライウェイトに近似させ得る適正な透析治療であるか否かを判定し、適切な除水速度とすることができる血液透析装置を提供する。
【解決手段】透析処理手段と、ヘマトクリットセンサ5と、算出手段9と、制御手段10とを具備した血液浄化装置であって、制御手段10は、透析処理手段にて予め定められた規定の除水速度で除水を行って、算出手段9にて算出された循環血液量変化率の推移に基づきドライウェイトに近似させ得る適正値であるか否かを判定する判定工程と、該判定工程で規定の除水速度が適正であると判定された場合は、当該規定の除水速度で除水を続行させるとともに、当該判定手段で規定の除水速度が適正でないと判定された場合は、ドライウェイトに近似させ得る循環血液量変化率の推移とすべく除水速度を変更してその後の除水を行わせる制御工程とを行わせ得るものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、患者の血液を体外循環させつつ浄化処理及び除水を行うための血液透析装置に関するものである。
一般に、透析治療においては、患者の血液を体外循環させるための血液回路と、該血液回路の途中に接続されたダイアライザと、しごき型の血液ポンプと、ダイアライザとの間で透析液の導入又は導出を行って浄化処理を行いつつ除水可能な透析装置本体とを有した血液透析装置が用いられる。尚、血液回路は、先端に動脈側穿刺針が取り付けられる動脈側血液回路と、先端に静脈側穿刺針が取り付けられる静脈側血液回路とから主に構成されている。
そして、動脈側及び静脈側の穿刺針を患者に穿刺した状態で血液ポンプを駆動させると、動脈側穿刺針から患者の血液が採取され、その血液が、動脈側血液回路、ダイアライザ及び静脈側血液回路を経て、静脈側穿刺針から患者の体内に戻るようになっている。かかるダイアライザの内部には、血液浄化膜としての複数の中空糸が配設されており、それぞれの中空糸の内部に血液を流通させるとともに、当該中空糸の外部(即ち、中空糸の外周面と筐体の内周面との間)に透析装置本体から供給される所定濃度の透析液を流通させ、中空糸内部を通過する血液の老廃物等が血液浄化膜を透過して透析液内に排出されるようになっている。
これにより、老廃物等が排出されて浄化処理された血液が静脈側血液回路を介して患者の体内に戻るようになっている。一方、透析装置本体内には、患者の血液から水分を取り除くための除水ポンプが配設されており、透析治療時に血液浄化膜を介して除水が行われるように構成されている。かかる除水ポンプによる除水時において除去すべき水分量(除水速度)は、除水ポンプの駆動を制御することにより行われる。
然るに、除水すべき量(水分除去量)が多い場合、除水速度を高くする必要があるため、患者の健康状態によっては、しばしば低血圧などのショック症状を引き起こす可能性がある。かかるショック症状の前兆を把握すべく、従来、透析治療中における患者の血液のヘマトクリット値(血液中の血球成分の体積分率)を検出し、このヘマトクリット値から患者の循環血液量変化率(ΔBV%)を算出して監視する装置が提案されている。
即ち、通常、除水によって患者の循環血液量変化率(ΔBV%)は治療時間の経過に伴い低下するのであるが、急激なΔBV%の低下が生じた場合には低血圧などのショック症状が生じる前兆であると予想され、当該急激なΔBV%の低下時に何らかの処置(補液処置や透析治療の停止等)を施せばショック症状を未然に防止することが可能と考えられるのである。しかして、透析治療中において、患者のヘマトクリット値を逐次測定し、そのヘマトクリット値から患者の循環血液量変化率(ΔBV%)を検出し得る透析治療装置が例えば特許文献1にて開示されている。
ところで、上記除水ポンプによる除水量は、患者の体重がドライウェイト(透析療法によって細胞外液量が是正された時点の体重)に近づくように予め設定されるべきである。すなわち、医師等医療従事者の経験等により患者のドライウェイトが予め推定され(このように推定されたドライウェイトを推定ドライウェイトとよぶ)、その推定ドライウェイトとなるように除水量が設定されるのである。
特開2004−97781号公報
しかしながら、上記従来の血液透析装置においては、以下の如き問題があった。
上記従来のものは、ドライウェイトに近似させ得る適正な透析治療であったか否かが治療が終了した後に初めて判別できるものであったため、例えば除水速度が不適切であったとしても治療過程において適切な処置(除水速度の変更等)を施すことができず、規定の透析治療時間内でドライウェイトに近似させることが困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、透析治療過程においてドライウェイトに近似させ得る適正な透析治療であるか否かを判定し、適切な除水速度とすることができる血液透析装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、体外循環する患者の血液に対して浄化処理しつつ除水して透析治療を行う透析処理手段と、該透析処理手段による透析治療過程で体外循環する血液濃度を時系列的に検出し得る検出手段と、該検出手段で検出された血液濃度から循環血液量変化率を算出し得る算出手段と、任意の除水速度で除水を行わせる制御手段とを具備した血液浄化装置であって、前記制御手段は、前記透析処理手段にて予め定められた規定の除水速度で除水を行うとともに、その過程で前記算出手段にて算出された循環血液量変化率の推移に基づき、当該規定の除水速度がドライウェイトに近似させ得る適正値であるか否かを判定する判定工程と、該判定工程で前記規定の除水速度が適正であると判定された場合は、当該規定の除水速度で除水を続行させるとともに、当該判定手段で前記規定の除水速度が適正でないと判定された場合は、ドライウェイトに近似させ得る循環血液量変化率の推移とすべく除水速度を変更してその後の除水を行わせる制御工程とを行わせ得ることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の血液透析装置において、前記制御手段は、前記透析処理手段による除水を停止するとともに、その停止後の循環血液量変化率の推移に基づき、除水に伴う血管外の間質液の血液に対する補充に余裕があるか否かを判定するプラズマリフィリング判定工程を行わせ得ることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の血液透析装置において、前記制御手段は、前記判定工程の前に前記プラズマリフィリング判定工程を行わせ、当該プラズマリフィリング判定工程にて除水に伴う血管外の間質液の血液に対する補充に余裕があると判定された場合に限り、当該判定工程を行わせるよう制御されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の血液透析装置において、前記プラズマリフィリング判定工程は、透析治療開始から所定時間経過後に行われることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、規定の除水速度が適正であると判定された場合は、当該規定の除水速度で除水を続行させるとともに、当該判定手段で規定の除水速度が適正でないと判定された場合は、ドライウェイトに近似させ得る循環血液量変化率の推移とすべく除水速度を変更してその後の除水を行わせるので、透析治療過程においてドライウェイトに近似させ得る適正な透析治療であるか否かを判定し、適切な除水速度とすることができる。
請求項2の発明によれば、前記透析処理手段による除水を停止するとともに、その停止後の循環血液量変化率の推移に基づき、除水に伴う血管外の間質液の血液に対する補充(プラズマリフィリング)に余裕があるか否かを判定するプラズマリフィリング判定工程を行わせ得るので、当該プラズマリフィリングに余裕がない患者に対して適切な処置を行わせることができる。
請求項3の発明によれば、判定工程の前にプラズマリフィリング判定工程を行わせ、当該プラズマリフィリング判定工程にて除水に伴う血管外の間質液の血液に対する補充に余裕があると判定された場合に限り、当該判定工程を行わせるので、プラズマリフィリングに余裕がない患者に対する除水を回避又は著しく制限することができる。
請求項4の発明によれば、プラズマリフィリング判定工程は、透析治療開始から所定時間経過後に行われるので、例えば立位から臥位への患者の体位変更に伴う循環血液量変化率の変化がある間にプラズマリフィリングの判定を行ってしまうのを回避でき、より精度よくプラズマリフィリングの判定を行わせることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る血液透析装置は、患者の血液を体外循環させつつ浄化処理(血液透析処理)及び除水を行うためのもので、図1に示すように、患者の血液を体外循環させるための血液回路1と、該血液回路1に接続されて血液透析処理を行うためのダイアライザ2と、該ダイアライザ2に接続されて透析液を供給しつつ除水する透析装置本体6とから主に構成されている。尚、血液回路1は、同図に示すように、可撓性チューブから成る動脈側血液回路1a及び静脈側血液回路1bから主に構成されており、これら動脈側血液回路1aと静脈側血液回路1bの間にダイアライザ2が接続されている。
動脈側血液回路1aには、その先端に動脈側穿刺針aが接続されているとともに、途中にしごき型の血液ポンプ3、及び検出手段としてのヘマトクリットセンサ5が配設されている。一方、静脈側血液回路1bには、その先端に静脈側穿刺針bが接続されているとともに、途中に除泡用のドリップチャンバ4が接続されている。
ヘマトクリットセンサ5は、透析治療過程で血液回路1を体外循環する血液の濃度(血液濃度)を時系列的に検出し得るもので、例えばLED等の発光素子及びフォトダイオード等の受光素子を備え、発光素子から血液に所定波長の光を照射するとともに、その透過した光或いは反射した光を受光素子にて受光することにより、血液回路1内を流れて体外循環する患者の血液の濃度を示すヘマトクリット値を測定するものである。ヘマトクリット値とは、血液の濃度を示す指標であり、具体的には、全血に占める赤血球の容積率で表されるものである。
そして、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺した状態で、血液ポンプ3を駆動させると、患者の血液は、動脈側血液回路1aを通ってダイアライザ2に至り、該ダイアライザ2によって血液浄化が施され、ドリップチャンバ4で除泡がなされつつ静脈側血液回路1bを通って患者の体内に戻る。即ち、患者の血液を血液回路1にて体外循環させつつダイアライザ2にて浄化するのである。
ダイアライザ2は、その筐体部に、血液導入ポート2a、血液導出ポート2b、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dが形成されており、このうち血液導入ポート2aには動脈側血液回路1aの基端が、血液導出ポート2bには静脈側血液回路1bの基端がそれぞれ接続されている。また、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dは、透析装置本体6から延設された透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2とそれぞれ接続されている。
ダイアライザ2内には、複数の中空糸が収容されており、該中空糸内部が血液の流路とされるとともに、中空糸外周面と筐体部の内周面との間が透析液の流路とされている。中空糸には、その外周面と内周面とを貫通した微少な孔(ポア)が多数形成されて中空糸膜を形成しており、該膜を介して血液中の不純物等が透析液内に透過し得るよう構成されている。
一方、透析装置本体6は、図2に示すように、透析液導入ラインL1及び透析液排出ラインL2に跨って形成された複式ポンプPと、透析液排出ラインL2において複式ポンプPを迂回して接続されたバイパスラインL3と、該バイパスラインL3に接続された除水ポンプ8とから主に構成されている。そして、透析液導入ラインL1の一端がダイアライザ2(透析液導入ポート2c)に接続されるとともに、他端が所定濃度の透析液を調製する透析液供給装置7に接続されている。
また、透析液排出ラインL2の一端は、ダイアライザ2(透析液導出ポート2d)に接続されるとともに、他端が図示しない排液手段と接続されており、透析液供給装置7から供給された透析液が透析液導入ラインL1を通ってダイアライザ2に至った後、透析液排出ラインL2及びバイパスラインL3を通って排液手段に送られるようになっている。
除水ポンプ8は、ダイアライザ2中を流れる患者の血液から水分を除去して除水を施すためのものである。即ち、かかる除水ポンプ8を駆動させると、複式ポンプPが定量型であるため、透析液導入ラインL1から導入される透析液量よりも透析液排出ラインL2から排出される液体の容量が多くなり、その多い容量分だけ血液中から水分が除去されるのである。尚、かかる除水ポンプ8以外の手段(例えば所謂バランシングチャンバ等を利用するもの)にて患者の血液から水分を除去するようにしてもよい。尚、複式ポンプP及び除水ポンプ8は、体外循環する患者の血液に対し血液透析処理及び除水を行うための透析処理手段を構成する。
一方、透析装置本体6には、図3に示すように、算出手段9と、制御手段10と、透析装置本体6が具備するディスプレイ等から成る表示手段11と、音声出力可能なスピーカや警告灯等から成る報知手段12とが配設されている。このうち算出手段9は、前述したヘマトクリットセンサ5(検出手段)と電気的に接続されており、当該ヘマトクリットセンサ5から送信されたヘマトクリット値(血液濃度)に基づき循環血液量変化率(ΔBV%)を算出し得るものである。
即ち、透析治療過程で体外循環する血液の濃度に係るパラメータであるヘマトクリット値をヘマトクリットセンサ5にて時系列的に逐次測定するとともに、各ヘマトクリット値に基づいて算出手段9が循環血液量変化率(ΔBV%)を算出することにより、時系列的に複数時点で測定した時系列データ(透析治療時における循環血液量変化率の経時的変化傾向を示すデータ)を得ることができるのである。
因みに、ヘマトクリットセンサ5にて得られるヘマトクリット値をHtとおくと、循環血液量変化率ΔBV%は、(透析開始時のHt−測定時のHt)/測定時のHt×100なる演算式から求めることができる。これにより、透析治療時間経過に伴って患者の循環血液量変化率(ΔBV%)を逐次検出することができ、当該透析治療における時系列データを得ることができる。
尚、本実施形態に係る算出手段9は、測定されたヘマトクリット値に基づいて循環血液量変化率(ΔBV%)を求めているが、これに代えて例えばヘモグロビン濃度や血清総蛋白濃度などに基づいて循環血液量変化率(ΔBV%)を用いてもよい。更に、循環血液量変化率(ΔBV%)を求めるためのパラメータを測定するにあたり、光学的或いは超音波等種々形態のものを使用することができる。
制御手段10は、算出手段9と電気的に接続されるとともに、除水ポンプ8及び複式ポンプPと電気的に接続されたものであり、当該複式ポンプP又は除水ポンプ8の駆動をそれぞれ制御して任意の除水速度で除水を行わせるものである。ここで、本実施形態に係る制御手段10は、プラズマリフィリング判定工程(I)と、判定工程(II)と、制御工程(III)とを行わせ得るものとされている。
プラズマリフィリング判定工程(I)は、透析処理手段(除水ポンプ8)による除水を停止するとともに、その停止後の循環血液量変化率(ΔBV%)の推移に基づき、除水に伴う血管外の間質液の血液に対する補充(以下、これを「プラズマリフィリング」と称する。)に余裕があるか否かを判定する工程であり、判定工程(II)及び制御工程(III)よりも前に行われるとともに、透析治療開始から所定時間経過後に行われる。尚、かかるプラズマリフィリング判定工程(I)における除水の停止は、透析時間の有効利用(溶質除去効率)の観点からは透析液を流しておいた方が好ましいが、測定精度を上げるという観点からは、透析液の流動自体を停止させる方が好ましい。
判定工程(II)は、透析処理手段(除水ポンプ8)にて予め定められた規定の除水速度(例えば1時間に患者の体重に対して2%の比較的高速な除水速度)で除水を行うとともに、その過程で算出手段9にて算出された循環血液量変化率(ΔBV%)の推移に基づき、当該規定の除水速度がドライウェイトに近似させ得る適正値であるか否かを判定する工程である。
制御工程(III)は、判定工程(II)で規定の除水速度が適正であると判定された場合は、当該規定の除水速度で除水を続行させるとともに、当該判定手段で規定の除水速度が適正でないと判定された場合は、ドライウェイトに近似させ得る循環血液量変化率(ΔBV%)の推移とすべく除水速度を変更してその後の除水を行わせる工程である。即ち、判定工程(II)において、循環血液量変化率(ΔBV%)が理想の推移(透析治療が終了する時点で適正なドライウェイトに近似すると推定される傾向)である場合は、ドライウェイトが適正であったと推定し、暫定的に設定された規定の除水速度で除水が続行される一方、循環血液量変化率(ΔBV%)が理想の推移から外れている場合は、当該理想の推移とすべく除水速度を変更するよう構成されているのである。
然るに、本実施形態に係る制御手段10は、判定工程(II)の前にプラズマリフィリング判定工程(I)を行わせ、当該プラズマリフィリング判定工程(I)にてプラズマリフィリングに余裕があると判定された場合に限り、当該判定工程(II)を行わせるよう制御される。これにより、プラズマリフィリングに余裕がない患者に対する除水を回避又は著しく制限することができる。また、本実施形態においては、プラズマリフィリング工程(I)にてプラズマリフィリングに余裕がないと判断された場合、表示手段11にてその旨の表示を行わせ、それと共に或いはそれに代え、報知手段12による報知がなされるよう構成されている。
次に、本実施形態に係る制御手段10の制御内容について、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、透析開始前に、本血液透析装置に患者の体重(透析前の体重)と除水量(目標除水量)とを入力し、それらを減算(透析前体重−除水量)した値をその治療時のドライウェイト(DW)とみなす。透析開始直後は、このような透析前体重と目標除水量とから導かれる平均除水速度で均等除水を行う。
そして、当該均等除水にて除水を開始した後、所定時間(この時間は設定により変更可能とされるが、約15〜30分程度が好ましい)経過後、除水を停止させる(S1)。かかる停止後であって時間t1(約5〜10分程度)が経過するまでの循環血液量変化率の推移が、図5に示すように、時間経過と共に上方へ大きく移動する如き推移(即ち、「α」の如き推移)になっているか否かを判定(S2)し、上方へ移動する如き推移ではない(即ち、「β」の如き時間経過と共に下方へ移動する如き推移又はΔBV%が変化しない推移)と判定された場合は、S3に進む。
而して、循環血液量変化率の推移が、時間経過と共に上方へ大きく移動する如き推移となっていない場合、その患者においてプラズマリフィリングに余裕がないと判断することができる。プラズマリフィリングに余裕がない原因としては、例えばナトリウムが欠乏した低Na血症、蛋白が欠乏した低蛋白血症が考えられ、その是正処置が施される。S3では、S2での判断が所定回数繰り返し行われたか否か、或いは透析開始から所定時間経過したか否かが判定され、所定回数又は所定時間に達していない場合は、是正処置が可能であると判断し、再びS1に戻るとともに、所定回数又は所定時間に達していると判定された場合は、是正処置が不可能であると判断し、報知手段12による報知を行わせ、それ以降の工程が中止される。
一方、S2にて循環血液量変化率の推移が時間経過と共に上方へ移動する如き推移(即ち、「α」の如き推移)になっていると判定された場合、透析処理手段(除水ポンプ8)にて予め定められた規定の除水速度(例えば1時間に患者の体重に対して2%の比較的高速な除水速度)で除水を行う(S5)。そして、透析治療時間t2に達した時点で、当該高速除水の過程(t1〜t2)で算出手段9にて算出された循環血液量変化率(ΔBV%)の推移(即ち、循環血液量変化率ΔBV%の変化(Δ(ΔBV%))が「−3〜−1%」の範囲であるか否かを判定する(S6)。
S6にて、循環血液量変化率(ΔBV%)の推移(循環血液量変化率ΔBV%の変化(Δ(ΔBV%))が「−3〜−1%」の範囲であると判定された場合、規定の除水速度がドライウェイトに近似させ得る適正値であると判定(即ち、循環血液量変化率(ΔBV%)が透析治療が終了する時点で適正なドライウェイトに近似すると推定される傾向であると判定)され、ドライウェイトの設定が適正であると判断される(S7)。この場合、S8に進み、規定の除水速度(1時間に患者の体重に対して2%の比較的高速な除水速度)による除水が続行される。尚、この場合には、図5に示すように、循環血液量変化率(ΔBV%)の傾向aがそのまま維持されることとなる。
また、S6にて、循環血液量変化率(ΔBV%)の推移(循環血液量変化率ΔBV%の変化(Δ(ΔBV%))が「−3〜−1%」の範囲でないと判定された場合、当該高速除水の過程(t1〜t2)で算出手段9にて算出された循環血液量変化率(ΔBV%)の推移(循環血液量変化率ΔBV%の変化(Δ(ΔBV%))が「−3%以下」であるか否かを判定する(S9)。そして、S9にて、循環血液量変化率(ΔBV%)の推移(循環血液量変化率ΔBV%の変化(Δ(ΔBV%))が−3%以下であると判定された場合、規定の除水速度がドライウェイトに近似させ得る適正値より高すぎる(即ち、ドライウェイトの設定が厳しすぎる)と判断される(S10)。この場合、S11に進み、規定の除水速度より低い速度(例えば、1時間に患者の体重に対して1%の除水速度)に除水速度を変更し、その後の除水(透析治療終了時間t3(約240分程度が好ましい)までの除水)が行われる。尚、規定の除水速度より低い速度にて除水が行われる場合には、図5に示すように、循環血液量変化率(ΔBV%)の傾向bが傾向b’とされ、直線の傾きが緩やかになる。
一方、S9にて、循環血液量変化率(ΔBV%)の推移(循環血液量変化率ΔBV%の変化(Δ(ΔBV%))が「−3%以下」でないと判定された場合、当該高速除水の過程(t1〜t2)で算出手段9にて算出された循環血液量変化率(ΔBV%)の推移(循環血液量変化率ΔBV%の変化(Δ(ΔBV%))が「−1%以上」であると把握される。その場合、規定の除水速度がドライウェイトに近似させ得る適正値より低すぎる(即ち、ドライウェイトの設定が甘すぎる)と判断される(S12)。この場合、S13に進み、規定の除水速度より高い速度(例えば、1時間に患者の体重に対して3%の除水速度)に除水速度を変更し、その後の除水(透析治療終了時間t3(約240分程度が好ましい)までの除水)が行われる。尚、規定の除水速度より高い速度にて除水が行われる場合には、図5に示すように、循環血液量変化率(ΔBV%)の傾向cが傾向c’とされ、直線の傾きが急激になる。
而して、本実施形態によれば、傾向a〜cの何れであっても制御手段9による制御工程で除水速度が適宜に維持又は変更されるので、透析治療終了時間t3に至った時点でドライウェイトに近似させることができる。即ち、規定の除水速度が適正であると判定された場合は、当該規定の除水速度で除水を続行させるとともに、当該判定手段で規定の除水速度が適正でないと判定された場合は、ドライウェイトに近似させ得る循環血液量変化率の推移とすべく除水速度を変更してその後の除水を行わせるので、透析治療過程においてドライウェイトに近似させ得る適正な透析治療であるか否かを判定し、適切な除水速度とすることができる。
また、透析処理手段(除水ポンプ8)による除水を停止するとともに、その停止後の循環血液量変化率(ΔBV%)の推移に基づき、プラズマリフィリングに余裕があるか否かを判定するプラズマリフィリング判定工程(I)を行わせ得るので、当該プラズマリフィリングに余裕がない患者に対して適切な処置を行わせることができる。更に、プラズマリフィリング判定工程(I)は、透析治療開始から所定時間経過後に行われるので、例えば立位から臥位への患者の体位変更に伴う循環血液量変化率(ΔBV%)の変化がある間にプラズマリフィリングの判定を行ってしまうのを回避でき、より精度よくプラズマリフィリングの判定を行わせることができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば透析治療過程で体外循環する血液の濃度(血液濃度)は、他のパラメータ(ヘマトクリット値自体、循環血液量(BV)、循環血漿量(CPV)、循環血漿量変化率(ΔCPV)など)としてもよく、それらパラメータを時系列毎に複数時点で測定して時系列データを得るようにし、それに基づき算出手段9にて循環血液量変化率(ΔBV%)やΔBV%の推移(循環血液量変化率ΔBV%の変化(Δ(ΔBV%))を算出するよう構成してもよい。
また、本実施形態においては、プラズマリフィリング判定工程(I)が透析治療開始から所定時間経過後に行われているが、例えば寝たきりの入院患者など体位の変換がない場合は、透析治療開始直後にプラズマリフィリング判定工程(I)を行わせるようにしてもよい。また、制御手段10は、プラズマリフィリング工程(I)を行わず、判定工程(II)及び制御工程(III)のみ行わせるものであってもよい。
透析処理手段にて予め定められた規定の除水速度で除水を行うとともに、その過程で算出手段にて算出された循環血液量変化率の推移に基づき、当該規定の除水速度がドライウェイトに近似させ得る適正値であるか否かを判定する判定工程と、該判定工程で規定の除水速度が適正であると判定された場合は、当該規定の除水速度で除水を続行させるとともに、当該判定手段で規定の除水速度が適正でないと判定された場合は、ドライウェイトに近似させ得る循環血液量変化率の推移とすべく除水速度を変更してその後の除水を行わせる制御工程とを行わせ得る制御手段を具備した血液透析装置であれば、別途の機能が付加されたもの等、他の形態の血液透析装置に適用することができる。
本発明の実施形態に係る血液透析装置を示す全体模式図 同血液透析装置における透析装置本体であって、内部の機械的構成を示す模式図 同血液透析装置における透析装置本体であって、内部の電気的構成等を示すブロック図 同血液透析装置における制御手段による制御内容を示すフローチャート 同血液透析装置における制御手段による制御で変化する循環血液量変化率(ΔBV%)の推移を示すグラフ
符号の説明
1 血液回路
1a 動脈側血液回路
1b 静脈側血液回路
2 ダイアライザ
3 血液ポンプ
4 静脈側ドリップチャンバ
5 ヘマトクリットセンサ(検出手段)
6 透析装置本体
7 透析液供給装置
8 除水ポンプ(透析処理手段)
9 算出手段
10 制御手段
11 表示手段
12 報知手段
P 複式ポンプ

Claims (4)

  1. 体外循環する患者の血液に対して浄化処理しつつ除水して透析治療を行う透析処理手段と、
    該透析処理手段による透析治療過程で体外循環する血液濃度を時系列的に検出し得る検出手段と、
    該検出手段で検出された血液濃度から循環血液量変化率を算出し得る算出手段と、
    任意の除水速度で除水を行わせる制御手段と、
    を具備した血液浄化装置であって、
    前記制御手段は、
    前記透析処理手段にて予め定められた規定の除水速度で除水を行うとともに、その過程で前記算出手段にて算出された循環血液量変化率の推移に基づき、当該規定の除水速度がドライウェイトに近似させ得る適正値であるか否かを判定する判定工程と、
    該判定工程で前記規定の除水速度が適正であると判定された場合は、当該規定の除水速度で除水を続行させるとともに、当該判定手段で前記規定の除水速度が適正でないと判定された場合は、ドライウェイトに近似させ得る循環血液量変化率の推移とすべく除水速度を変更してその後の除水を行わせる制御工程と、
    を行わせ得ることを特徴とする血液透析装置。
  2. 前記制御手段は、前記透析処理手段による除水を停止するとともに、その停止後の循環血液量変化率の推移に基づき、除水に伴う血管外の間質液の血液に対する補充に余裕があるか否かを判定するプラズマリフィリング判定工程を行わせ得ることを特徴とする請求項1記載の血液透析装置。
  3. 前記制御手段は、前記判定工程の前に前記プラズマリフィリング判定工程を行わせ、当該プラズマリフィリング判定工程にて除水に伴う血管外の間質液の血液に対する補充に余裕があると判定された場合に限り、当該判定工程を行わせるよう制御されることを特徴とする請求項2記載の血液透析装置。
  4. 前記プラズマリフィリング判定工程は、透析治療開始から所定時間経過後に行われることを特徴とする請求項3記載の血液透析装置。
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