JP2010136660A - Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型の検出による不整脈検査方法及び不整脈改善剤 - Google Patents

Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型の検出による不整脈検査方法及び不整脈改善剤 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、不整脈の新規検査方法を提供することを課題とする。より詳しくは、不整脈の原因遺伝子を解明し、解明された遺伝子を解析することによる新規検査方法及び該遺伝子を標的とする薬剤を提供し、並びに新規薬剤のスクリーニング方法を提供することを課題とする。
【解決手段】Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型、具体的には変異型KCNJ3(KCNJ3 N83H)を検出することを特徴とする不整脈の検査方法による。さらには、変異型Gタンパク質制御カリウムチャネルを発現しうる遺伝子、具体的にはKCNJ3 N83Hを発現しうる遺伝子が組み込まれてなる徐脈性不整脈モデル動物を用いてスクリーニングすることによる。
【選択図】図10

Description

本発明は、Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型を検査することによる不整脈の検査方法に関する。具体的には、アセチルコリン感受性カリウムチャネルであるKCNJ3遺伝子の変異型を検査することによる不整脈の検査方法に関する。さらには、該遺伝子を標的とする不整脈改善剤並びに変異型KCNJ3遺伝子を導入した徐脈性不整脈動物モデルを用いた新規薬剤のスクリーニング方法に関する。
不整脈とは、心拍数やリズムが一定でない状態をいい、心拍数等が整であっても心電図に異常がある場合は臨床的には不整脈と判断される。心拍数の異常による不整脈は、頻脈性不整脈及び徐脈性不整脈に分類することができる。ヒト安静時の心拍数は、通常50〜100拍/分程度であるが、これを下回っている場合を徐脈、多い場合を頻脈という。徐脈性不整脈では、洞房ブロック (S-A block)、 房室ブロック (A-V block) 、房室解離 (A-V dissociation) 、接合部性調律 (Junctional rhythm) 、洞不全症候群 (SSS : Sick sinus syndrome) 、呼吸性不整脈 (Respiratory Arrhythmia) などが挙げられる。
洞不全症候群とは、主に洞結節の機能が低下することによって脈が遅くなり、そのために脳、心臓、腎臓等の機能不全が認められる疾患である。心電図的には、1)原因不明の持続性洞徐脈(心拍数50拍/分以下)2)洞停止又は洞房ブロック、3)徐脈頻脈症候群の3種に分類される。臨床的には、Adam-Stokes発作(アダムス・ストークス発作)、心不全、易疲労性などの症状が慢性的に出現する。治療方法としては、洞結節の自発的興奮回数を増強させるために、抗コリン薬(硫酸アトロピン)、β刺激剤などの経口薬や静脈注射剤を用いることがあり、これらの投与によっても徐脈が反応しない場合や、薬剤投与を中止すると症状が悪化する場合は、ペースメーカーを用いる場合がある。
心臓における電気刺激の始まりである洞結節は、心筋の一部が特殊化して自動能を獲得した組織であり、特異的なタンパクが発現している。そのなかでも、洞結節の機能にもっとも重要なのがチャネルとよばれる細胞膜タンパク群である。チャネルは細胞膜を介して、イオンを透過させることにより細胞内外における電位勾配の形成に寄与し、洞結節のみならず、すべての心筋細胞の電気信号の伝播と、それに続いておこる心臓の収縮という最も重要な心臓としての機能に関与する。
チャネル遺伝子の異常が不整脈を引き起こすことは古くから知られており、近年の遺伝子解析技術の進歩により、不整脈に関連する原因遺伝子としていくつかのチャネル遺伝子が同定されている。また、これらのチャネルの機能を修飾する薬剤が不整脈治療薬として臨床応用されている。
一例として、重症の致死性不整脈をきたす遺伝性疾患であるブルガダ症候群では、ナトリウムチャネルをコードするいくつかの遺伝子のうち、SCN5A遺伝子が原因遺伝子のひとつであることが判明している(非特許文献1)。洞不全症候群家系での変異遺伝子として同定されたHCN4やSCN5A遺伝子は、その家系において徐脈以外に様々な不整脈をきたしたことが確認されているが、洞不全症候群に関連するその他の遺伝子は殆ど同定されておらず、機能についても十分に解明されているとはいえない。他の一例としてカリウムチャネルのひとつであるGIRK1タンパク質を標的とする不整脈治療剤について報告がある(非特許文献2)。GIRK1は、別名KCNJ3ともいわれるが、これらのタンパク質に関し、疾患と変異の関係を示した報告はない。
カリウムチャネルの1種であるGIRK2 (KCNJ6)について、酵母での変異解析による変異について報告がある(非特許文献3)。ここでは、チャネルが開口しやすくなる変異部位が4箇所同定されたことが報告されている。しかしながら、チャネルが開口しやすくなる変異と、疾患との関係については不明である。
J. Clinical Investigation, 112 (7), 1019-1028 (2003) J. Cardiovasc. Pharmacol., 51 (2), 162-169 (2008) Neuron, 29, 657-667 (2001)
本発明は、不整脈の新規検査方法を提供することを課題とする。より詳しくは、不整脈の原因遺伝子を解明し、解明された遺伝子を解析することによる新規検査方法及び該遺伝子を標的とする薬剤を提供し、並びに新規薬剤のスクリーニング方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、先天的に徐脈を呈する家系において徐脈をきたす遺伝子を確認し、洞結節の機能に重要なチャネルのうち、Gタンパク質制御カリウムチャネルに変異が生じていることを見出した。かかるGタンパク質制御カリウムチャネルをコードする遺伝子を解析することで、不整脈検査が可能であり、該変異遺伝子を含む動物モデルを用いることで、不整脈改善剤をスクリーニングしうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下よりなる。
1.Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型を検出することを特徴とする不整脈の検査方法。
2.Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型が、Gタンパク質制御カリウムチャネルの開口に影響を及ぼす変異型であることを特徴とする前項1に記載の不整脈の検査方法。
3.Gタンパク質制御カリウムチャネルが、KCNJ3、KCNJ5及び/又はKCNJ6である前項1又は2に記載の不整脈の検査方法。
4.Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型が、KCNJ3タンパク質のN末端から83番目に相当する部位のアスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されているカリウムチャネルである、前項1〜3のいずれか1に記載の検査方法。
5.Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型の検出が、Gタンパク質制御カリウムチャネルをコードする遺伝子を検出する、前項1〜4のいずれか1に記載の検査方法。
6.Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型の検出が、KCNJ3、KCNJ5及び/又はKCNJ6をコードする遺伝子を検出する、前項5に記載の検査方法。
7.Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型の検出が、KCNJ3、KCNJ5及び/又はKCNJ6をコードする遺伝子において、KCNJ3タンパク質のN末端から83番目に相当する部位のアスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されているカリウムチャネルを発現しうる遺伝子を検出する、前項6に記載の検査方法。
8.不整脈が、徐脈性不整脈である前項1〜7のいずれか1に記載の検査方法。
9.徐脈性不整脈が、洞不全症候群である前項8に記載の検査方法。
10.Gタンパク質制御カリウムチャネルのアゴニスト又はアンタゴニストを有効成分とする不整脈改善剤。
11.Gタンパク質制御カリウムチャネルがKCNJ3である前項10に記載の不整脈改善剤。
12.不整脈が、前項1〜9のいずれか1に記載の検査方法により検出された不整脈である前項10に記載の不整脈改善剤。
13.Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型を発現しうる遺伝子が組み込まれてなる徐脈性不整脈モデル動物。
14.Gタンパク質制御カリウムチャネルが、KCNJ3、KCNJ5及び/又はKCNJ6である前項13に記載の徐脈性不整脈モデル動物。
15.Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型が、KCNJ3タンパク質のN末端から83番目に相当する部位のアスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されているカリウムチャネルである、前項13又は14に記載の徐脈性不整脈モデル動物。
16.前項13〜15のいずれか1に記載の徐脈性不整脈モデル動物を用いた不整脈改善剤のスクリーニング方法。
17.前項16に記載のスクリーニング方法により得られた不整脈改善剤。
本発明のGタンパク質制御カリウムチャネルの変異型を検出することを特徴とする不整脈の検査方法によると、不整脈、とりわけ徐脈性不整脈を検査することができる。例えば、Gタンパク質制御カリウムチャネルの一種であるKCNJ3の変異型は優性遺伝を示すために、変異型KCNJ3が検出された家系では、不整脈のリスクがあることを予測することができる。また、KCNJ3の異常が原因ではない不整脈であっても、KCNJ3の機能を増強又は抑制させることで、不整脈を改善することが期待できる。
さらに、本発明の徐脈性不整脈モデルでは、心臓の伸縮性等に関する機能は正常の場合と同等であるが、心拍数において徐脈を呈する点においてのみ正常モデルと相違することが確認された。かかるモデルを使用することにより、新規な不整脈改善剤をスクリーニングすることができる。
本発明は、Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型を検出することを特徴とする不整脈の検査方法に関する。ここで、Gタンパク質制御カリウムチャネルとは、例えばKCNJ3、KCNJ5及びKCNJ6が挙げられる。本発明において、Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型とは、Gタンパク質制御カリウムチャネルの開口に影響を及ぼす変異型であり、かつ表現型として不整脈を呈する変異型であればよく、特に限定されない。より好適には、Gタンパク質制御カリウムチャネルが開口しやすくなる変異型が挙げられる。具体的にはヒト野生型KCNJ3タンパク質(以降は「KCNJ3 WT」と称する場合がある。)のN末端から83番目のアスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されている変異型(以降は「KCNJ3 N83H」と称する場合がある。)が挙げられる。KCNJ5及びKCNJ6の場合でも、KCNJ3 WTのN末端から83番目に相当する位置で、アスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されている変異型であれば本発明の範囲に含まれる。また、これらの部位以外の変異であってもよい。
KCNJ3 WTの配列は、GenBank Accession No. NM_002239に登録されている。KCNJ3 WTのN末端から83番目に相当する位置が、アスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されているのであれば、その他の部位において、1〜複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加若しくは挿入されていても良い。1〜複数個とは、1〜10個、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個を意味する。具体的には、マウス、ゼブラフィッシュなどのKCNJ3や、ヒトのKCNJ5及びKCNJ6において、KCNJ3 WTのN末端から83番目に相当する位置で、アスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されているのであれば本発明の範囲に含まれる。即ち、ヒトのKCNJ5の変異を解析する場合も、本発明の不整脈の検査方法を実施することができる。
本発明において、先天的に徐脈を呈する家系の、徐脈に関連する遺伝子を解析したところ、Gタンパク質制御カリウムチャネルのひとつであるKCNJ3の遺伝子変異が同定された。脈が異常に遅い表現型を有する患者について、患者へのインフォームドコンセント及び施設の倫理委員会の了承を得た上で、患者及びその家族の遺伝子解析を行った結果、家系図及び家族における徐脈表現型の有無は、KCNJ3の遺伝子変異の有無に連動していることが確認された(図1〜3参照)。この変異は、KCNJ3の遺伝子産物であるKCNJ3タンパク質のN末端から83番目のアミノ酸がアスパラギン(N)からヒスチジン(H)に変化したものに対応する。KCNJ3 N83Hの表現型が徐脈を呈することから、KCNJ3遺伝子のKCNJ3 N83Hに係る変異は優性遺伝であることが示唆された。
KCNJ3の遺伝子産物であるKCNJ3タンパク質のN末端から83番目のアスパラギンは、多くの種で保存されており、さらにはヒトのKCNJ5及びKCNJ6でも保存される重要部位であると考えられる(図4)。
本発明の不整脈の検査方法におけるGタンパク質制御カリウムチャネルの変異型の検出は、変異を検出しうる方法であればいかなる方法であっても良いが、特にGタンパク質制御カリウムチャネルをコードする遺伝子検出が簡便であり、効果的である。具体的には、KCNJ3をコードする遺伝子配列検査により検出が挙げられる。具体的には、例えばポリメラーゼチェーンリアクション法(PCR法)などの核酸増幅方法で遺伝子を増幅させ、得られた増幅産物を制限酵素処理することで遺伝子の切断パターンを解析するPCR-RFLP法や、得られた増幅産物の塩基配列を確認する方法などが挙げられる。
上述のごとく、KCNJ3遺伝子のKCNJ3 N83Hに係る変異は優性遺伝であるため、本発明の検査方法によりKCNJ3 N83Hを検出することで、不整脈のリスクを予測することができる。本発明において、不整脈とは臨床的に判断される不整脈であっても良いが、特に心拍により分類される不整脈であり、より好適には徐脈に分類される不整脈であり、さらに好適には洞不全症候群に分類される不整脈である。例えば、運動選手等トレーニングを積み重ねた者が、徐脈を呈する場合があるが、本発明の検査方法によると、運動選手等のように不整脈とは分類されない徐脈の場合と、将来的に不整脈のリスクを有する徐脈の場合とを区別することができ、日常生活において、早期に対応を講じることができる。
さらに、本発明において、Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異、具体的にはKCNJ3、KCNJ5又はKCNJ6の変異型、より具体的には、KCNJ3遺伝子のKCNJ3 N83Hに係る変異が徐脈に関連することが確認されたため、Gタンパク質制御カリウムチャネルの遺伝子、具体的にはKCNJ3、KCNJ5又はKCNJ6遺伝子に起因しない不整脈等であっても、Gタンパク質制御カリウムチャネル、具体的にはKCNJ3、KCNJ5又はKCNJ6のアゴニスト又はアンタゴニストにより、不整脈を改善することが期待される。例えば、KCNJ3のアゴニストは徐脈性不整脈に効果をもたらし、アンタゴニストは頻脈性不整脈に効果をもたらすことが期待される。本発明の範囲は、このような不整脈改善剤も含まれる。
さらに、本発明は変異型Gタンパク質制御カリウムチャネルを発現しうる遺伝子、具体的にはKCNJ3、KCNJ5又はKCNJ6の変異型を発現しうる遺伝子、より具体的にはKCNJ3 N83Hを発現しうる遺伝子が組み込まれている徐脈性不整脈モデル動物にも及ぶ。該徐脈性不整脈モデル動物は、上述の如く、KCNJ3 WTのN末端から83番目に相当する位置が、アスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されているKCNJ3、KCNJ5又はKCNJ6の変異型等のGタンパク質制御カリウムチャネルを発現可能であり、徐脈を呈する動物であればよく、特に限定されない。特に好適にはKCNJ3 N83H発現動物が挙げられる。このような動物として、例えば脊椎動物が挙げられ、取り扱いの容易さから魚類が挙げられる。特に好適には、ゼブラフィッシュが挙げられる。ゼブラフィッシュは脊椎動物発生の研究用に十分に許容されるモデルである。マウスとは異なり、ゼブラフィッシュの胚は母体の外部で発生し、そして透明であるので、分化する組織及び器官の観察を容易にすることができる。
本発明の変異型Gタンパク質制御カリウムチャネルに組み込まれるDNAは、変異型Gタンパク質制御カリウムチャネルを発現しうるDNAであればよく、特に限定されない。具体的には、マウス、ゼブラフィッシュなどのKCNJ3や、ヒトのKCNJ5及びKCNJ6において、KCNJ3 WTのN末端から83番目に相当する位置で、アスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されている変異型のGタンパク質制御カリウムチャネルを発現しうるDNAであればよい。より好ましくは、KCNJ3 N83Hを発現しうるDNAが挙げられる。KCNJ3 WTのN末端から83番目に相当する位置がアスパラギンからヒスチジンへ置換されているのであれば、その他の部位において、1〜複数個のアミノ酸が置換、欠失、付加若しくは挿入されているタンパク質をコードするDNAであっても良い。1〜複数個とは、1〜10個、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個を意味する。組込用DNAを得るために、KCNJ3 N83HをコードするDNA又はmRNAに特異的に設計したプライマーセットを用いて、例えばPCR法など、自体公知の核酸増幅方法を用いることができる。組込用DNAとして、KCNJ3 N83Hについて配列表の配列番号1で特定される塩基配列をもとに組込用cDNAを調製することができる。組込用DNAは、KCNJ3 N83Hを発現しうるのであれば、上記で特定される組込用DNAから1〜複数個のヌクレオチドが、置換し、欠失し、挿入し、及び/若しくは付加されていてもよい。さらには、発現したときに、KCNJ3 WTのN末端から83番目に該当する位置で、アルギニンがヒスチジンに変異しているのであれば、徐脈性に影響をきたさない他の部位でヌクレオチドの変異があっても良い。また、動物モデルにより、場合に応じて組み込むヌクレオチドは、RNAやcRNAであってもよい。
1〜複数個のヌクレオチドが、置換し、欠失し、挿入し、及び/若しくは付加されている組込用DNA又はRNAは、自体公知の方法により調製することができる。1〜複数個とは、1〜10個、好ましくは1〜6個、より好ましくは1〜3個を意味する。
1〜複数個の塩基が置換、欠失、挿入及び/若しくは付加といった改変させた組込用DNA又はRNAも、自体公知の方法により調製することができる。例えば、部位特異的変異導入法、遺伝子相同組換え法、プライマー伸長法又はPCRを単独又は適宜組み合わせて、例えばMolecular Cloning;A Laboratory Manual、2版、Sambrookら編、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス、コールド・スプリング・ハーバー、ニューヨーク、1989年;[ラボマニュアル遺伝子工学]、村松正實編、丸善株式会社、1988年;[PCRテクノロジー、DNA増幅の原理と応用]、Ehrlich,HE.編、ストックトンプレス、1989年等に記載の方法に準じて、あるいはそれらの方法を改変して実施することができ、例えばUlmerの技術(Science(1983)219:666)を利用することができる。
上記組込用DNAをベクターに導入して、発現ベクターを作製する。例えばKCNJ3 N83Hの発現ベクターは、KCNJ3 N83Hを発現可能であれば特に限定されるものではなく、動物モデルに使用可能であればよく、適宜選択することができる。プロモーターなどは、適宜選択することができる。ベクターへの組込用DNAの導入は、通常の方法により行うことができる。
モデル動物がゼブラフィッシュの場合は、受精卵を採集し、該受精卵にKCNJ3 N83H cRNAをマイクロインジェクターを用いてトランスフェクションし、形質変換体を得ることができる。マイクロインジェクションに関しては、1993" The Zebrafish Book"Westerfield Mや2002"Zebrafish: A practical approach"Nusslein -Volhardらにおいて詳細に記載されており、参照することができる。
上記の変異型Gタンパク質制御カリウムチャネル発現動物は、常法に従って飼育することができる。モデル動物の心電図や心臓の画像診断等により不整脈の症状を観察することで、変異型Gタンパク質制御カリウムチャネルの発現を確認することができる。
本発明は、不整脈改善剤のスクリーニング方法にも及ぶ。本発明において不整脈改善剤とは、上記の徐脈性不整脈モデル動物において、表現された不整脈の症状を変動せしめる薬剤をいい、Gタンパク質制御カリウムチャネル、具体的にはKCNJ3、KCNJ5及び/又はKCNJ6のアンタゴニストやアゴニストが挙げられる。特にKCNJ3の機能を阻害、又は増強しうる薬剤でなくとも、徐脈性不整脈の表現型を改善しうる薬剤であれば、本発明のスクリーニング方法により得ることができる。
上述した本発明のスクリーニングは、例えば、候補化合物(被検化合物)をKCNJ3 N83H発現動物に投与し、心電図や心臓の画像診断等により不整脈の症状を観察し、候補化合物が存在しない場合のものと比較することにより行うことができる。例えば96穴のマイクロプレートの各ウェルに、上記モデルであるゼブラフィッシュを加え、候補化合物を含む水溶液で飼育した後、ゼブラフィッシュの心電図等を観察することにより、不整脈改善剤をスクリーニングすることができる。
以下に、本発明を完成するに至った経緯を具体的に参考例に示し、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではないことは明らかである。
(参考例1)変異型KCNJ3について
先天的に徐脈を呈する家系の遺伝子解析により徐脈を呈する遺伝子を同定した。脈が異常に遅い表現型を有する患者について、患者へのインフォームドコンセント及び施設の倫理委員会の了承を得た上で、患者及びその家族の遺伝子解析を行った。家系図及び家族における徐脈の表現型の有無を、図1に示した。黒で塗られた個人は発症者であり、白抜きは正常者を示す。この徐脈の原因として、カリウムチャネルのひとつであるKCNJ3の遺伝子変異が同定された(図2参照)。この変異は、KCNJ3の遺伝子産物であるKCNJ3タンパク質のN末端から83番目のアミノ酸がアスパラギン(N)からヒスチジン(H)に変化したもの(KCNJ3 N83H)である。徐脈を呈する患者については、解析した範囲で全員当該遺伝子の変異を有しており、発症していない家族では同じ変異を認めなかった(図3参照)。以上の結果、KCNJ3 N83Hの表現型が徐脈を呈することから、KCNJ3遺伝子のKCNJ3 N83Hに係る変異は優性遺伝であることが示唆された。なお、KCNJ3の遺伝子産物であるKCNJ3タンパク質のN末端から83番目のアミノ酸がアスパラギン(N)は、多くの種で保存されており、さらにはヒトのKCNJ5及びKCNJ6でも保存される重要部位であると考えられる(図4参照)。
KCNJ3 N83Hについて解析するため、アフリカツメガエルの卵母細胞にKCNJ3 N83H又は野生型KCNJ3(KCNJ3 WT)のcDNAを組込み、各カリウムチャネルを発現させ、電極を挿入してtwo electrode voltage clamp法によりチャネル活性を確認した。この方法により、発現させたチャネルを介した全細胞電流量を直接測定することができる。アセチルコリン(ACh)添加前及び添加後のいずれも、変異型(KCNJ3 N83H)は野生型(KCNJ3 WT)に比べて5〜10倍電流が流れやすく、変異型のほうがチャネル活性が大きいことが確認された(図5a)。ウエスタンブロット解析の結果、野生型及び変異型のいずれも発現しているチャネルタンパク質の量は変わらないことが確認された(図5b)。このことから、チャネルでの電流通過量が変異していることが確認された(図6)。ここで、カリウムチャネルタンパク質であるKCNJ3と、KCNJ3タンパク質のうち83番目のアミノ酸(アスパラギン(N))を示す構造を図7に模式的に示した。
さらに、腎由来のHEK 293T細胞にKCNJ3 N83H又はKCNJ3 WTのcDNAを組込み、単一チャネル電流の測定法(single channel patch clamp法)によりチャネル活性を測定した。その結果、KCNJ3 N83H及びKCNJ3 WTについて、カリウムチャネルが開いたときに流れる電流の量は変わらないが(図8)、KCNJ3 N83HのほうがKCNJ3 WTに比べてチャネルが開口している時間が長いことが確認された(図9)。
以上の結果より、徐脈を呈する患者ではKCNJ3 N83Hを発現していることが確認され、KCNJ3 N83Hを発現したアフリカツメガエル及びHEK 293T細胞でのチャネル活性を測定した結果、一個の変異チャネルについて、流れる電流量は正常チャネルとほとんど変わらないが、KCNJ3 N83Hを発現している細胞では、アセチルコリン(ACh)添加による刺激がなくともチャネルが開口している時間が長く、多くの電流が流れ、その結果心臓の脈を調節する洞結節部位での電位が高くなり、徐脈になるものと考えられた。
(実施例1)変異型KCNJ3の検査について
被験者のKCNJ3遺伝子を検査し、KCNJ3タンパク質のN末端から83番目のアスパラギン(N)がヒスチジン(H)への置換にかかわる遺伝子の配列を確認することで、不整脈性の疾患を検出した。塩基配列レベルではアスパラギンを指定するコドン(AAC)の最初の座位がアデニン(A)からシトシン(C)に置換するため、変異型KCNJ3にはBanIサイト(GGCACC)が出現する。検査は、PCR-RFLP法により行った。洞不全症候群の患者を含む12名の末梢血からDNAを分離し、KCNJ3エクソンに特異的なプライマーを用いてPCR法によりDNAを増幅し、解析した。PCRのために使用したプライマーは、以下であった。
フォワードプライマー:CTGGCTCGCCCCTTCGTATTATGTCTGCACT(配列番号2)
リバースプライマー:CCGTCCCTCATGGAGATCACCGCGTGCTCGCT(配列番号3)
上記PCR法により得られた増幅産物を、BanI制限酵素を用いて処理し、得られた遺伝子断片の大きさを電気泳動により解析した。その結果、KCNJ3 N83Hが認められた被験者では670bp、340bp及び270bpの3箇所でバンドを認めた(図3参照)。この結果は、徐脈の表現型とほぼ一致していた(図1参照)。
(実施例2)徐脈性不整脈ゼブラフィッシュモデル
ゼブラフィッシュ(Danio rerio)の発生初期にKCNJ3 N83Hをコードする遺伝子を組み込むことにより、徐脈性不整脈の表現型を呈するゼブラフィッシュモデルを作製した。本発明のKCNJ3 N83H発現用ゼブラフィッシュは、次のようにして作製した。比較例として、KCNJ3 WT発現用ゼブラフィッシュも同様に作製した。
in vitro 転写システム(mMESSAGE mMACHINE(R)システム、Ambion社)により、KCNJ3 N83Hとして配列表の配列番号1で特定される塩基配列をもとに組込用cRNAを調製した。また、比較例として、KCNJ3 WTとして配列表の配列番号4で特定される塩基配列をもとに組込用cRNAを調製した。
150 pgのヒトKCNJ3 WT(又はKCNJ3N83H)のRNA及び150 pgのラットKCNJ5 RNAを、150 pgのDS-RED RNA(トレーサー)とともに、1若しくは2細胞段階のゼブラフィッシュ胚にインジェクションした。この時に使用したゼブラフィッシュ胚の遺伝的背景は、心臓特異的にGFPを発現するライン、hspGFF3A; UAS: GFPであり(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 105, 1255-1260 (2008))、実際にはイメージング分析用ツールとして利用した。
ゼブラフィッシュの飼育は、明期14h、暗期10h、28℃という人工条件下で行った。飼育器が暗期に入る前にゼブラフィッシュの雄・雌を隔離し、翌朝明期になった直後には逆に雄・雌を合わせることにより交配を行った。受精から30分以内に卵を採集し、上述の組込用cRNAを、一試験あたり60-120個の卵にインジェクションを行った。インジェクションを施した卵を、28℃の条件で、メチレンブルー+0.03% sea salt中でインキュベートした。
インジェクションの施された卵をメチレンブルー+0.03% sea saltですすぎ、内部温度28.5℃のインキュベーター内で培養した。培養72時間後の発生中の胚において蛍光を観察確認した。
(実験例1)構築されたゼブラフィッシュの観察
構築されたゼブラフィッシュのKCNJ3 N83H発現は、心電図や心臓の画像診断等により不整脈の症状を観察した。心臓の画像診断は瀬口ら(The Journal of clinical investigation 117, 2812-2824 (2007))の方法に従って行った。ゼブラフィッシュ胚の心臓画像診断は、およそ幅5mの2種の単極の電極針(Unique Medical社)を挿入したゼブラフィッシュ胚の心電図を、機器(DC-100H、日本光電工業社)により記録し、行った。
遺伝子を組み込まないゼブラフィッシュをコントロールとし、実施例2と同手法により構築したKCNJ3 WT(野生型)ゼブラフィッシュを比較例とし、KCNJ3 N83H(変異型)との比較を行った。その結果を図10に示した。図の1列目に示すように、各ゼブラフィッシュの形状は殆ど同じであった。図の2列目に示すように、野生型及び変異型のKCNJ3を発現しうる遺伝子の発現量は、ほぼ同じであった。また、図の3列目に示すように、心臓の形状も各々殆ど相違はなかった。一方、図の4列目は体表面心電図の結果であり、心房及び心室の電位を表すが、コントロール及びKCNJ3 WTを組み込んだゼブラフィッシュの心電図では、脈拍が速いために心房及び心室の電位の違いが明確ではないが、KCNJ3 N83Hを組み込んだゼブラフィッシュ(即ち実施例2で作製したモデル)では、徐脈のため心房、心室の電位の違いが明確に観察された。図の5列目は、心臓の伸縮性を上下の幅で示すものであるが、各ゼブラフィッシュにおいて、心臓の収縮性には差がないことが確認された。さらに、各ゼブラフィッシュの心拍数を図11に示した。
以上により、本発明の徐脈性不整脈ゼブラフィッシュモデルは、心臓の伸縮性等に関する機能は正常の場合と同等であるが、心拍数において徐脈を呈する点においてのみ他のゼブラフィッシュと相違することが確認された。
(実験例2)不整脈改善剤のスクリーニング方法
候補化合物(被検化合物)を、実施例2の方法で作製した徐脈性不整脈ゼブラフィッシュ(KCNJ3 N83H発現ゼブラフィッシュ)に添加することにより、心電図や心臓の画像診断等により不整脈の症状を観察する。候補化合物が存在しない場合のものと比較することにより、スクリーニングを行う。例えば96穴のマイクロプレートの各ウェルに、上記モデルであるゼブラフィッシュを飼育液ともに加え、飼育液中に候補化合物を含ませ、ゼブラフィッシュの心電図等を観察することにより、不整脈改善剤をスクリーニングする。
以上説明したように、本発明のGタンパク質制御カリウムチャネルの変異型を検出することを特徴とする不整脈の検査方法によると、不整脈、とりわけ徐脈性不整脈を検査することができる。例えば、Gタンパク質制御カリウムチャネルの一種であるKCNJ3の変異型は優性遺伝を示すために、変異型KCNJ3が検出された家系では、不整脈のリスクがあることを予測することができる。また、KCNJ3の異常が原因ではない不整脈であっても、KCNJ3の機能を増強又は抑制させることで、不整脈を改善することが期待できる。
さらに、本発明の徐脈性不整脈モデルでは、心臓の伸縮性等に関する機能は正常の場合と同等であるが、心拍数において徐脈を呈する点においてのみ正常モデルと相違することが確認された。かかるモデルを使用することにより、新規な不整脈改善剤をスクリーニングすることができる。
以上により、不整脈のリスクを早期に発見して対策を講じることができる点、また不整脈に関する新規な薬剤を提供できる点で、本発明は経済的にもすぐれた効果を有する。
徐脈を呈する家族の家系図である。図において、黒は発症者を示し、白抜きは正常者を示す。各数字は、染色体2番のマーカー群のアリルであり、発症者で共通する領域は網かけで示す。矢印は発端者を示す。 KCNJ3タンパク質を発現する遺伝子について、配列を確認した結果であり、KCNJ3の83番目のアミノ酸がアスパラギン(N)からヒスチジン(H)に変異したアリルであることを示す図である(優性遺伝形質なので、野性型と上記の変異を併せ持つヘテロ配列をしめす)。 徐脈を呈する家族のKCNJ3タンパク質の変異を電気泳動にて確認した結果を示す図である。制限酵素処理により、変異型を示す遺伝子は制限酵素により切断されるため、図において複数のバンドが認められる。図1の家系図における表現型と、遺伝子の変異が一致していることを示す図である。 種の違いによるN83の保存を示す図である。多くの種で保存されるとともに、ヒトKCNJ5及びKCNJ6の貫通部分で共通した配列であることを示す図である。 アフリカツメガエルを用いた実験系で、two electrode voltage clamp法により、KCNJ3タンパク質の機能を確認した図である。(参考例1) アフリカツメガエルを用いた実験系で、two electrode voltage clamp法により、KCNJ3タンパク質の機能を確認した図である。(参考例1) KCNJ3タンパク質の構造を示す図である。 腎由来の293T細胞を用いた実験系で、単一チャネル活動の測定法(single channel patch clamp法)によりKCNJ3タンパク質の機能を確認した図である。(参考例1) 腎由来のHEK 293T細胞を用いた実験系で、単一チャネル活動の測定法(single channel patch clamp法)によりKCNJ3タンパク質の機能を確認した図である。(参考例1) ゼブラフィッシュモデルの表現型を、画像及び心電図により示した図である。 ゼブラフィッシュモデルの心拍数を確認した図である。

Claims (17)

  1. Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型を検出することを特徴とする不整脈の検査方法。
  2. Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型が、Gタンパク質制御カリウムチャネルの開口に影響を及ぼす変異型であることを特徴とする請求項1に記載の不整脈の検査方法。
  3. Gタンパク質制御カリウムチャネルが、KCNJ3、KCNJ5及び/又はKCNJ6である請求項1又は2に記載の不整脈の検査方法。
  4. Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型が、KCNJ3タンパク質のN末端から83番目に相当する部位のアスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されているカリウムチャネルである、請求項1〜3のいずれか1に記載の検査方法。
  5. Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型の検出が、Gタンパク質制御カリウムチャネルをコードする遺伝子を検出する、請求項1〜4のいずれか1に記載の検査方法。
  6. Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型の検出が、KCNJ3、KCNJ5及び/又はKCNJ6をコードする遺伝子を検出する、請求項5に記載の検査方法。
  7. Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型の検出が、KCNJ3、KCNJ5及び/又はKCNJ6をコードする遺伝子において、KCNJ3タンパク質のN末端から83番目に相当する部位のアスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されているカリウムチャネルを発現しうる遺伝子を検出する、請求項6に記載の検査方法。
  8. 不整脈が、徐脈性不整脈である請求項1〜7のいずれか1に記載の検査方法。
  9. 徐脈性不整脈が、洞不全症候群である請求項8に記載の検査方法。
  10. Gタンパク質制御カリウムチャネルのアゴニスト又はアンタゴニストを有効成分とする不整脈改善剤。
  11. Gタンパク質制御カリウムチャネルがKCNJ3である請求項10に記載の不整脈改善剤。
  12. 不整脈が、請求項1〜9のいずれか1に記載の検査方法により検出された不整脈である請求項10に記載の不整脈改善剤。
  13. Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型を発現しうる遺伝子が組み込まれてなる徐脈性不整脈モデル動物。
  14. Gタンパク質制御カリウムチャネルが、KCNJ3、KCNJ5及び/又はKCNJ6である請求項13に記載の徐脈性不整脈モデル動物。
  15. Gタンパク質制御カリウムチャネルの変異型が、KCNJ3タンパク質のN末端から83番目に相当する部位のアスパラギン(N)がヒスチジン(H)へ置換されているカリウムチャネルである、請求項13又は14に記載の徐脈性不整脈モデル動物。
  16. 請求項13〜15のいずれか1に記載の徐脈性不整脈モデル動物を用いた不整脈改善剤のスクリーニング方法。
  17. 請求項16に記載のスクリーニング方法により得られた不整脈改善剤。
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