JP2010136065A - データ通信システム、データ復号装置およびその方法 - Google Patents

データ通信システム、データ復号装置およびその方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PCマッピングにより生成された伝送信号を効率よく復号する。
【解決手段】受信用プログラム32は、PCマッピングによりメッセージデータの値を、それぞれM個の搬送波のM個の搬送波の組み合わせを、伝送される搬送波に対応する値1のビットで示すシンボルxにマッピングし、変換処理してサンプルyとすることにより生成された伝送信号を受信する。行列演算部320は、不要信号成分を含むパラレル形式のサンプルy'を変換処理し、シンボルz'とする。第1復号部322は、シンボルz'をMビットずつ順次、最尤値復号し、最終的にシンボルz'全体を復号してシンボルx"とする。第2復号部324は、シンボルx"に値1のビットがM個だけ含まれているときには、シンボルx"を最終的な復号結果とし、これ以外の場合には、シンボルz'全体を最尤復号して最終的な復号結果とする。
【選択図】図8

Description

本願は、伝送対象のデータを、予め決められた数のビットずつ、複数の搬送波のサブセットを示すシンボルに対応付けることにより伝送するデータ通信システム、データ復号装置およびその方法を開示する。
例えば、非特許文献1は,高密度マルチキャリヤ変調(HC−MCM)方式にPC方式を適用したPC/HC−MCM(high compaction multicarrier modulation)方式を開示している。
しかながら、非特許文献1は、マルチキャリア変調により得られた伝送信号を、2段階の復号により復号する方法を開示していない。
つまり、非特許文献1は、第1の復号において、伝送信号から得られるサンプルに含まれるデータを、1度に一部ずつ復号するための最尤復号を順次、複数回、行い、最終的に全てのデータを復号し、この第1の復号の結果に誤りが含まれると認められるときにのみ、第2の復号を行い、第1の復号の結果から想定され得る全通りまたは一部のデータパターンに対して最尤復号を行い、伝送信号に含まれるデータを復号する構成を開示していない。
Y. Hou and M. Hamamura, "A novel modulation with Parallel combinatory and high compaction multi-carrier modulation", IEICE Trans. Fundamentals, vol. 90, no. 11, pp.2556-2567, Nov. 2007.
本願は、上述の背景からなされたものであり、PC/HC−MCM方式により生成された伝送信号から、データを、より高速で誤り率が低くなるように復号するように改良された通信システム、データ復号装置およびその方法を提供する。
本願にかかる通信システムは、送信装置と、受信装置とを有する通信システムであって、前記送信装置は、伝送の対象であって、予め決められたビット数の伝送対象データを、伝送に使用されうる第1の数の搬送波の内、存在しうる前記伝送対象データの全てそれぞれに対応し、前記第1の数よりも少ない第2の数の搬送波の組み合わせを示す前記第1の数のデータを含む第1のシンボルにマッピングするマッパー(mapper)と、前記第1のシンボルを、前記第1の数×1の構成の第1のベクトルとし、この第1のベクトルを、前記第1の数×前記第1の数より多い第3の数の構成の第1の行列に乗算することによって、前記第1のシンボルを、前記第3の数のデータを有する第1のサンプルを含む伝送信号に変換する第1の変換を行うトランスホーマであって、前記第1の変換により得られた前記第1のサンプルが有する第3の数のデータそれぞれと、これら第1のサンプルが有する第3の数のデータそれぞれに対する第2の係数それぞれとを乗算することに対応する前記第1の数×前記第1の数の構成の対角行列に対する前記第1の行列の第1の乗算結果は、前記第3の数×前記第3の数の構成の複素形式の正則行列に対する前記第3の数×前記第1の数の構成の上三角行列の第2の乗算結果と等しく、前記正則行列および前記上三角行列は、それぞれ前記第1の行列および前記対角行列に応じて、前記第1の乗算結果と前記第2の乗算結果とが等しくなるように与えられる第1のトランスホーマと、前記伝送信号に含まれる前記第1のサンプルそれぞれと、前記第2の係数それぞれとを乗算するマルチプライヤと、前記係数が乗算された第3の数の信号を含む伝送信号を、前記受信装置に対して送信するトランスミッタとを有し、前記受信装置は、前記送信装置から、前記伝送信号以外の信号成分を含みうる前記伝送信号を受信するレシーバと、前記正則行列の複素共役逆行列に対して、前記受信された伝送信号に含まれる前記第1のサンプルが有する第3の数のデータを、前記第3の数×1の構成の第2のベクトルとして乗算することにより、前記上三角行列に対する前記第1のベクトルの乗算結果に対応する第2のサンプルに変換する第2の変換を行う第2のトランスホーマと、前記第2の変換により得られた前記第3の数の第2のサンプルが有するデータに対して、前記第1のシンボルの内の前記第1の数よりも少ない第4の数ずつのデータを求める第1の復号を、順次、行い、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルの一部ずつを、順次、復号することにより、前記第2のシンボルの全てを得る第1のデコーダと、前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性があるときには、前記第1の復号により得られた第2のシンボルを前記第1のシンボルとし、これ以外のときには、前記第3の数の第2のサンプルの全てに対して、第2の復号を行い、この第2の復号により得られたシンボルを、前記第2のシンボルとする第2のデコーダと、前記第2のデコーダにより得られた第1のシンボルから前記伝送対象データを復号するデマッパ(demapper)とを有し、前記第1の復号は、第3の数の第2のサンプルに対して、前記第1のシンボルの内の前記第1の数よりも少ない第4の数の要素を前記第4の数×1構成のベクトルの前記上三角形行列に乗算した結果の全てによる最尤復号を行うことより実現され、前記第2の復号は、前記第1の復号により得られ、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルに対応する前記第2のサンプルの組み合わせの内、前記第3の数の第2のサンプルと最も同じ可能性が高い組み合わせを選択することにより実現され、前記第2の復号は、前記第1の復号により得られ、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルに含まれる値1のビットの数を、予め決められた範囲内の数だけ値0のビット数に置換して得られる前記第1のシンボルと同じ数の値1のビットを含む第2のシンボルに対応する前記第1のサンプルの内、前記第1の復号により得られ、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルに対応する第2のサンプルと最も同じ可能性が高い組み合わせを選択することにより実現される。
また、本願にかかるデータ復号装置は、伝送の対象であって、予め決められたビット数の伝送対象データを、伝送に使用されうる第1の数の搬送波の内、存在しうる前記伝送対象データの全てそれぞれに対応し、前記第1の数よりも少ない第2の数の搬送波の組み合わせを示す前記第1の数のデータを含む第1のシンボルにマッピングし、前記第1のシンボルを、前記第1の数よりも多い第3の数のデータを有する第1のサンプルを含む伝送信号に変換することにより生成された伝送信号を受信して、前記受信した伝送信号から前記伝送対象データを復号するデータ復号装置であって、前記伝送信号以外の信号成分を含みうる伝送信号を受信するレシーバと、前記受信された伝送信号を、前記第1のサンプルに対応する前記第3の数のデータを有する第2のサンプルに変換するトランスホーマと、前記得られた第2のサンプルに含まれる第3の数のデータに対して、前記第3の数より少ない第4の数ずつのデータを求める第1の復号を行い、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルの一部ずつを、順次、復号することにより、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルを復号する第1のデコーダと、前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性があるときには、前記第1の復号により得られた第2のシンボルを前記第1のシンボルとし、これ以外のときには、前記第2のサンプルが有するデータの全てに対して、第2の復号を行い、この第2の復号により得られた第2のシンボルを、前記第1のシンボルとする第2のデコーダと、前記第2のデコーダにより得られた前記第1のシンボルから、前記伝送対象データを復号するデマッパ(demapper)とを有する。
また、本願にかかるデータ復号方法は、伝送の対象であって、予め決められたビット数の伝送対象データを、伝送に使用されうる第1の数の搬送波の内、存在しうる前記伝送対象データの全てそれぞれに対応し、前記第1の数よりも少ない第2の数の搬送波の組み合わせを示す前記第1の数のデータを含む第1のシンボルにマッピングし、前記第1のシンボルを、前記第1の数よりも多い第3の数のデータを有する第1のサンプルを含む伝送信号に変換することにより生成された伝送信号を受信して、前記受信した伝送信号から前記伝送対象データを復号するデータ復号方法であって、前記伝送信号以外の信号成分を含みうる伝送信号を受信し、前記受信された伝送信号に対する変換を行い、前記第1のサンプルに対応する前記第3の数のデータを有する第2のサンプルを得て、前記得られた第2のサンプルに含まれる第3の数のデータの内、前記第3の数より少ない第4の数のデータずつに対して、第1の復号を行い、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルの一部ずつを、順次、復号することにより、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルを復号し、前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性があるときには、前記第1の復号により得られた第2のシンボルを前記第1のシンボルとし、これ以外のときには、前記第2のサンプルが有するデータの全てに対して、第2の復号を行い、この第2の復号により得られた第2のシンボルを、前記第1のシンボルとし、前記第2のデコーダにより得られた前記第1のシンボルから、前記伝送対象データを復号する。
[サマリー]
本願にかかる通信システム、データ復号装置およびその方法は、以下に説明する伝送信号からデータを復号するように構成されている。
なお、以下、この項目においては、説明の具体化および明確化のために、シンボルx(x〜xMc)およびサンプルy(y〜yMt)が用いられる場合が具体例とされる。
伝送の対象とされるデータストリームに含まれるデータビットは、Mpcビットずつに分けられ、Mpcビットのデータが、1つの伝送信号フレームで伝送される。
伝送信号においては、データの伝送のために、M個の搬送波が用いられ、Mpcビットのデータが示す値それぞれは、M個の搬送波から選択されるM(M<M)個の搬送波の組み合わせのいずれかに対応し、例えば、使用される搬送波を1で示し、使用されない搬送波を0で示す第1のシンボルx(x〜xMc)に対応付けられる。
ただし、搬送波1フレームにより伝送されるデータのビット数Mpcは、
pc≦||logMcMp||
(この式において演算子||x||は、演算数x(operand)と等しい整数、または、演算子xより小さい最大の整数を示し、(Y>Z)は、Y個の物からZ個の物を選択する組み合わせの数を示す)
に制限される。
第1のシンボルx(x〜xMc)は、例えば、M×1構成のベクトルとして取り扱われ、第1のシンボルを、サンプルy(y〜yMt)に変換するM×M構成の行列Fに対して乗算されてサンプルy(y〜yMt)に変換される(なお、この変換は、ある領域のシンボルを、他の領域のサンプルに変換する処理としても把握されることができ、例えば、周波数領域のシンボルの時間領域のサンプルへの変換とも把握されうる)。
なお、さらに、必要に応じて、サンプルyの要素(y〜yMt)それぞれに対しては、伝送信号の帯域幅を制限するための窓関数の係数w(w〜wMt)それぞれが乗算される。
複素形式の行列Fは、後述するユニタリー行列(複素形式の直交行列(正則行列))Qに、M×M構成の複素形式の上三角形行列Rを乗算した値、F=QR(ただし、サンプルyに窓関数の係数wが乗算されない場合、窓関数の係数wが乗算されるときにはWF=QR(W=diag[w〜wMt]))として与えられる。
このようにして得られたサンプルy((y〜yMt)または(w〜wMtMt))は、シリアル/パラレル変換され、さらに、ディジタル/アナログ変換などの信号処理がなされ、伝送信号y(t)とされ、雑音・混信など、伝送信号以外の信号成分n(t)が重畳される可能性がある伝送路を介して伝送される。
本願にかかる通信システム、データ復号装置およびその方法は、伝送信号y(t)+n(t)を受信し、受信した伝送信号y(t)+n(t)に対して、アナログ/ディジタル変換およびシリアル/パラレル変換などの処理を行い、送信時のサンプルy(y〜yMt)に対応するサンプルy'(y'〜y'Mt)を得る。
さらに、サンプルy'(y'〜y'Mt)は、M×1構成のベクトルYBiとして扱われ、このベクトルYBiは、シンボルz(z〜zMt)に変換するためのM×M構成の複素共役転置(Hermit転置)されたユニタリー行列(Q(正則行列の逆関数))に対して乗算される(なお、この変換もまた、ある領域のシンボルを、他の領域のサンプルに変換する処理としても把握されることができ、例えば、時間領域のサンプルの周波数領域のシンボルへの変換とも把握されうる)。
この乗算結果として、上記第1のシンボルx(x〜xMc)に対応する第2のシンボルx'(x'〜x'Mc)が得られる。
つまり、第2のシンボルx'(x'〜x'Mc)を、M×1構成のベクトルXBiとして扱うと、ベクトルXBi,YBiは、YBi=FXBi=QRXBiの関係にあり、ベクトルYBiを、ユニタリー行列Qの複素共役転置行列Q=Q−1に乗算することは、上述のように、F=QRなので、QBi=QQRXBi=RXBiを求めることになる。
第2のシンボルx'(x'〜x'Mc)のM個の要素x'〜x'Mcは、Mt×1構成のベクトルRxBiにおいて、第1〜第Mc番目とされ、ベクトルRxBiの残りの要素は0となる。
このベクトルRxBiから、要素x'Mc側から順に、M(M<M)個ずつの要素が、順次、取り出され、取り出されたM個の要素に対して、順次、最尤復号が行われ、最終的に、第1のシンボルx(x〜xMc)に最も近いと推定される第2のシンボルx'(x'〜x'Mc)が復号される(第1の復号)。
ここで、第2のシンボルx'(x'〜x'Mc)が第1のシンボルx(x〜xMc)と同じ数の値1のビットと値0のビットとを含んでいない場合には、第2のシンボルx'(x'〜x'Mc)が第1のシンボルx(x〜xMc)と等しい可能性はない。
この場合には、第2のシンボルx'(x'〜x'Mc)の1のビットを0に置換したり、0のビットを1に置換したりして、値1のビットの数と値0のビットの数を第1のシンボルのそれらと同じ数あるいは近い数にした第2のシンボルx'(x'〜x'Mc)を与えるベクトルRxBi全てを用いた最尤復号が行われ、第2のシンボルx'(x'〜x'Mc)が復号される(第2の復号)。
なお、本願にかかる通信システム、データ復号装置およびその方法においては、ベクトルおよび行列を用いた演算が行われるが、本願の請求項、明細書および図面に示したベクトルおよび行列の行および列の構成は例示である。
つまり、本願の請求項、明細書および図面に示したベクトルおよび行列を転置しても、演算を適切に変更することにより転置しないベクトルおよび行列と、転置したベクトルおよび行列とは等価に扱われうる。
本願請求項におけるベクトルおよび行列の構成は、記載の煩雑さを防ぐために、明細書および図面に示したベクトルおよび行列と一致する構成のみとされているが、本願請求項におけるベクトルおよび行列を転置したり、適切な演算の変更により等価と見なされうる構成に変更したりすることにより構成されたシステム、装置および方法は、本願請求項により把握される開示の技術範囲に含まれることは明らかである。
また、本願の開示事項におけるビットの値を単に反転したり、ビットの数を変更したりした構成も、本願請求項により把握される開示の技術範囲に含まれることは明らかである。
本願特許請求の範囲にかかる開示の技術的利点およびその他の技術的利点は、図面に示される実施形態の詳細な説明を読むことにより、当業者に明らかとされるであろう。
添付図面は、本願明細書に組み込まれて、その一部をなし、本願特許請求の範囲にかかる開示の実施形態を図示しており、その説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
本願明細書中で参照される図面は、特に断らない限り、一定の縮尺で描かれているわけではないと解されるべきである。
以下、本願特許請求の範囲にかかる開示の実施形態が、詳細に説明される。
本願特許請求の範囲にかかる開示の実施形態は、添付図面に例示されている。
本願特許請求の範囲にかかる開示は、実施形態に関連して説明されるが、この実施形態は、本願特許請求の範囲にかかる開示を、その開示内容に限定することを意図しないことが、当業者に理解されよう。
逆に、本願特許請求の範囲にかかる開示は、本願特許請求の範囲によって規定される開示の精神、および、本願特許請求の範囲内に含まれ得る代替物、変更および均等物を包含することを意図している。
また、本願特許請求の範囲にかかる開示の説明は、本願特許請求の範囲にかかる開示を充分に理解可能なように、具体的に、また、詳細になされる。
しかしながら、当業者に明らかなように、本願特許請求の範囲にかかる開示は、これら具体的に、また、詳細に説明された事項の全てを用いなくては、実施され得ないということはない。
なお、既知の方法、手続き、コンポーネント、および回路は、本開示の態様を不必要に分かりにくくすることがないように、詳細には記載されていないことがある。
以下の議論から明らかなように、特に別段の断りがない限り、本開示全体を通じて、「送信する」、「受信する」および「変換する」などの用語を利用する議論は、コンピュータシステム等の電子的コンピューティングデバイス、およびこれに付随する電子デバイスの作用およびプロセスを指すと理解される。
コンピュータシステム等の電子的コンピューティングデバイスは、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子的)量として表現されるデータを操作して、コンピュータシステムメモリもしくはレジスタまたは他のそのような情報ストレージ、伝送、もしくはディスプレイデバイス内の物理量として同様に表現される他のデータに変換する。
また、本開示は、例えば光および機械的コンピュータのような他のコンピュータシステムの使用にも適している。
[導入(Introduction)]
まず、本願にかかる通信システムを説明する前に、その導入として、本願にかかる通信システムに関連するデータ伝送方式を説明する。
これまで、データ伝送方式の1つとして、直交周波数分割多重化(Orthogonal frequency division multiplexing; OFDM)方式が用いられてきた。
このOFDM方式においては、送信信号の電力のピーク値と平均値との比(peak-to-average power ratio; PAR)が大きいので、PARを小さくするために、並列組み合わせ(PC; Parallel combinatory)シグナリング技術(technique)を用いたPC−OFDMが提案された。
さらに、波形を切り取るように構成された(truncated version of)OFDM方式の信号を送信する高密度複数搬送波変調(high-compaction multicarrier modulation; HC−MCM)方式が提案されたが、この方式においては、2つの連続した信号波形の振幅に不連続性が現れ、不要な周波数帯域幅の拡大が生じる。
この不具合を解消するために、HC−MCM方式のビットエラーレート(bit error rate; BER)を向上させ、PARを減らすために、並列組み合わせHC−MCM(Parallel combinatory HC−MCM; PC/HC−MCM方式)が提案された。
PC/HC−MCM方式においては、伝送信号に含まれる係数と、存在しうる全てのシンボルに対応する係数とが比較される。
この比較の結果に基づいて、伝送信号に含まれる係数に対応する可能性が最も高いシンボル、つまり、ユークリッド空間における距離が最も短いシンボルが選択されることにより、送信号に含まれる係数に対応するシンボルが復号される(最尤(ML;Maximum Likelihood)復号)。
しかしながら、PC/HC−MCM方式における最尤復号は、演算量が多く、その実現には、高い演算処理能力と、長い演算時間とが必要とされるので、例えば、M>>1で、M≒M/2であるようなときには、その効率的な実現および高性能化は難しい。
本願は、上述したPC/HC−MCM方式における復号処理における演算の複雑さを減らすように、QR分解(ある行列Xを複素形式の直交行列(ユニタリー行列)と上三角形行列Rに分解することX=QR;QRD(QR Decomposition)アルゴリズムおよびMアルゴリズムを用いて改良され、効率が高められた復号方式を採用した複雑性低減PC/HC−MCM(CR−PC/HC−MCM: Complexity Reduced PC/HC−MCM)方式を開示する。
また、本願は、CR−PC/HC−MCM方式が、雑音・混信など、所望の信号成分以外の不要な信号成分が重畳された伝送信号から、いかに低いBERで、データを復号しうるかを示す評価結果を開示する。
[PC−OFDM方式]
CR−PC/HC−MCM方式の説明の前に、その理解を助けるために、まず、CR−PC/HC−MCM方式の前提となるPC−OFDM方式を説明する。
PC−OFDM方式は、PCシグナリングと、一般的なN進(N−ary;Nは一般には、2のべき乗数の整数を代表する記号)振幅および位相シフトキーイング(N−APSK)とで、メッセージデータを搬送するOFDM方式である。
以下、FSKを例として、N進変調方式をさらに説明する。
たとえば、2進(N=2)FSK変調方式においては、2つの搬送波f,fが用いられ、搬送波f,fのいずれを送信するかにより、1,0のいずれかのデータが送信される。
同様に、4進FSK変調方式においては、4つの搬送波f〜fが用いられ、搬送波f〜fのいずれを送信するかにより、(0,0),(0,1),(1,0),(1,1)のいずれかのデータが送信される。
このように、N進FSK変調方式は、N個の搬送波f〜fN−1を用いて、搬送波f〜fN-1のいずれか送信するかにより、1度にn=logNビット分のデータを送信する。
以下、PCシグナリング技術をさらに説明する。
PCシグナリング技術は、複数の搬送波を組み合わせて送信することにより、1度に送ることができるデータのビット数を増やす。
たとえば、4個の搬送波から2個の搬送波を選択して送信し、他の2個の搬送波を送信しないときには、=6通りの組み合わせがある。
PCシグナリング技術により、例えば、M個の搬送波から、M個の搬送波を選択して送信し、これ以外の搬送波を送信しないと、1度にMcMp通りのデータを送信することができる(は、x個からy個(x、yは正の整数,x≧y)を選択する組み合わせであって、以下、を、記載の明確化・簡略化のために(x/y)とも記す)。
このように、N進FSK変調方式によると、1度に2ビット分(4通り)のデータが送信可能であるのに対して、PCシグナリング技術によれば、1度に6通りのデータを送信可能である。
さらに、例えば、8個の搬送波から2個の搬送波を選択して送信するPCシグナリング技術によれば、1度に(8/2)=28通りのデータを送信することができる。
ここで、あらかじめ割り当てられた搬送波(carrier)の総数をMとし、M(M>M)をPCシグナリングのために選択された搬送波の数とする。
このような場合には、PC−OFDM方式の信号あたりのメッセージデータビット(Message Data Bits)の数Mtotalは、下式1により与えられる。
total=Mapsk+Mpc (1)
ここで、Mapsk(ビット)は、N進APSK信号点配置(コンステレーション(constellation);例えば、BPSKの場合には±1の2点、QPSKの場合には±1±jの4点(jは虚数単位))にマッピングされたメッセージビットの数であり、下式2により与えられる。
また、Mpc(ビット)は、M個の搬送波の内から予め定められたM個の搬送波の組み合わせ(set)の1つに符号化されたメッセージデータのビット数である。
apsk=MlogN (2)
つまり、伝送に用いられる搬送波の総数Mと、組み合わせに用いられるMと、メッセージデータのビット数Mとの関係は、下式3−1,3−2により与えられる。
pc ≦ ||log(M/M)|| (3−1)、
一般には、
pc = ||log(M/M)|| (3−2)
なお、上式3−1,式3−2に用いられた演算子||x||は、演算数x(operand)と等しい整数、または、演算子xより小さい最大の整数を意味する。
PC−OFDMは、下式4,5によりモデル化される。
Figure 2010136065
Figure 2010136065
ここで、x (n)(l=1,2,...,N)は、第l番目の搬送波への複素シンボルであり、通常のN進APSK変調方式の信号点に、振幅0の点を加えた(N+1)進APSK信号点に配置される。
また、nT≦t<(n+1)Tにおいて、T=1/Δf(秒)は、1つのPC−OFDM方式の信号の時間長であって、Δf(Hz)は、周波数間隔(frequency spacing)である。
ここで、Mpcメッセージデータビットは、PC−OFDMのN進APSKなしに送信されうる。
この場合には、x (n)={0,1}であり、Mtotal=Mpcである。
[PC/HC−MCM方式]
さらに、CR−PC/HC−MCM方式の前提となるPC−OFDM方式を説明する。
PC/HC−MCM方式は、2つのシステム、変調(modulated)または非変調(unmodulated)PC/HC−MCM方式に分類される。
変調PC/HC−MCM方式は、信号波形の頂が切り取られ(truncated)信号を送信する。
一方、非変調PC/HC−MCM方式は、N進ASK変調なしに、信号波形の頂が切り取られた(truncated)信号を送信する。
従って、PC/HC−MCM方式の信号は、下式6に示すようにモデル化される。
Figure 2010136065
ここで、T<1/Δfである。
[送信機20]
以下、PC/HC−MCM方式の好ましい特性を本質的に発揮する非変調PC/HC−MCM方式について記述する。
以下、非変調PC/HC−MCM方式を、単にPC/HC−MCM方式と記す。
図1は、逆離散フーリエ変換(IDFT; Inverse Discrete Fourier Transform)を用いて(IDFT based)PC/HC−MCM方式の送信信号を生成する第1の送信機20を示す図である。
図1に示すように、第1の送信機1は、タイミング制御部200、シリアル/パラレル変換部(S/P)202、PCマッピング部204、IDFT部206、係数設定部208、乗算部210−1〜210−M、パラレル/シリアル変換部(P/S)212およびディジタル/アナログ変換部(D/A)214から構成される。
なお、以下、各図において、実質的に同じ構成部分には、同じ符号が付される。
送信機1は、これらの構成部分により、PC/HC−MCM方式の信号を生成する。
送信機1は、たとえば、DSP(Digital Signal Processor)およびアナログ/ディジタル変換装置を備えた信号処理装置上で動作するソフトウェアとして実現される(図2を参照して後述する受信機22について同様)。
タイミング制御部200は、送信機20の各構成部分の処理のタイミングを制御する。
S/P202は、シリアル形式で入力されたMpcビットのメッセージデータビットを、パラレル形式に変換し、PCマッピング部204に対して出力する。
PCマッピング部204は、PCシグナリング技術について上述したように、/P202から入力されたMpcビットのメッセージデータビットそれぞれを、M個の搬送波の内のM個の搬送波の組み合わせそれぞれに対応付ける。
PCマッピング部204は、M個のビットから構成されるシンボルx(x〜xMc)のビットの内、Mpcビットのメッセージデータの値それぞれに対応付けられたM個の搬送波に対応するビットの値を1とし、これ以外の出力ビットの値を0とすることによりマッピングを行い、マッピングの結果として得られたシンボルx(x〜xMc)を、IDFT部206の第1〜M番目の入力とする。
なお、搬送波の数Mと、M個の搬送波から選択される搬送波の数Mとは、メッセージデータビット数Mpcに対して、式3を満たすように選択される。
また、PCマッピング部204は、数値0を、パディングとして、IDFT部206の第M+1番目以降のK個の入力とする。
IDFT部206は、PCマッピング部204からのマッピングされたメッセージデータビットを受けて、逆離散フーリエ変換(IDFT)処理し、周波数領域のメッセージデータビットを時間領域に変換する。
このIDFT処理の結果として、(M+K)個のサンプルが得られる。
IDFT部206は、これらのうち、(M+K−M(ただし、M<M+K))個のサンプルを取り除き、逆離散フーリエ変換の結果のサンプルy(y,y,...,yMt)として、乗算部212−1〜212−Mに対して出力する。
なお、逆離散フーリエ変換の結果として得られたサンプルから、(M+K−M)個のサンプルを取り除く処理は、PC/HC−MCM方式において、時間領域の矩形窓関数により、信号波形の頂の部分を切り取ることに相当する。
係数設定部208は、下式7により定義され、IDFT部206から出力されるサンプルy(y,y,...,yMt)の要素それぞれに乗算される係数w〜wMtそれぞれを、乗算部210−1〜210−Mに対して出力する。
なお、係数w〜wMtは、送信機20から出力される伝送信号の波形整形用の窓関数の係数である。
波形成型用として、多様な窓関数が用いられうるが、以下、帯域を制限することを目的とした下式7に示す窓関数の係数が用いられる場合が具体例とされる。
= sin[(i−1)π/M],(i=1〜M),(7)
PS212は、乗算部210−1〜210−Mからパラレル形式で入力された逆離散フーリエ変換の結果のサンプルy(y,y,...,yMt)をシリアル形式に変換し、D/A214に対して出力する。
D/A214は、PS212からシリアル形式で入力されたディジタル形式の逆離散フーリエ変換の結果を、アナログ形式に変換して、送信信号y(t)を発生して出力する。
送信信号y(t)は、さらに周波数変換および電力増幅などの処理を受けて、伝送信号として無線通信路など、雑音などの不要信号成分が重畳されうる通信回線を介して、受信側の装置に対して伝送される。
[受信機22]
以下、送信機20(図1)により発生され、無線伝送路などを介して送られてきた伝送信号を受信し、DFTを用いてメッセージデータを復号する受信機22を説明する。
図2は、図1に示した送信機20から伝送信号を受信して、メッセージデータを復号する受信機22の構成を示す図である。
図2に示すように、受信機22は、タイミング制御部200、アナログ/ディジタル変換部(A/D)220、S/P202、離散フーリエ変換(DFT)222、決定(decision)部224およびP/S212から構成される。
受信機22は、これらの構成部分により、通信相手の送信機20からのPC/HC−MCM方式の伝送信号を受けて、メッセージデータを復号する。
図2に示すように、通信相手の通信装置2からの伝送信号y(t)には、無線伝送路において、例えば、加法性白色ガウス雑音AWGN(additive white Gaussian noise)n(t)のような不要信号成分が重畳される。
受信用プログラム34において、タイミング制御部200は、受信機22の各構成部分の処理のタイミングを制御する。
A/D220は、無線伝送路(図3)から受信され、増幅および周波数変換などの信号処理により得られ、例えば、加法性白色ガウス雑音n(t)が加えられたアナログ形式の伝送信号y(t)+n(t)を、ディジタル形式に変換し、S/P202に対して出力する。
S/P202は、A/D220からシリアルに入力されたディジタル形式の伝送信号を、M個のパラレル形式のサンプルy'〜y'Mtに変換し、DFT部222に対して出力する。
DFT部342は、S/P100からのサンプルy'〜y'Mtを第1〜M番目の入力として受け入れ、受け入れたこれらの時間領域のサンプルに対して離散フーリエ変換(DFT)を行い、周波数領域のM個のサンプルz'(z'〜z'Mt)を生成し、決定部224に対して出力する。
決定部224は、受信機223から、どのようなPC(parallel combinatory)信号が伝送されてきたかを判断する。
つまり、決定部224は、受信機22(図1)のPCマッピング部204に対応する処理を行い、DFT222から入力されるM個のサンプルz'(z'〜z'Mt)が、Mpcビットのメッセージデータに用いられうる全ての搬送波の組B(n)の内のいずれに対応する可能性が最も高いかを判断することにより、最尤復号を行う。
搬送波の組B(n)は、存在しうる全てのMpcビットのメッセージデータの値に応じて発生され得るM個のレプリカのサンプルzb,k(zb,1〜zb,Mt)の全てを含み、サンプルz(z〜zMt)それぞれのインデックスビットは、サンプルzb,k(zb,1〜zb,Mt)それぞれに対応するMpcビットのメッセージデータを示す整数である。
この判断を行うために、決定部224は、存在しうるすべての搬送波の組B∈Cから、下式8を満たす搬送波の組B'を見つけ出す。
Figure 2010136065
ここで、「arg」は複素数の偏角を示し、「arg min」は、「評価関数を最小化せよ」ということを示す。
なお、レプリカのサンプルzb,k(zb,1〜zb,Mt)は、ノイズを含まない伝送信号から得られる可能性があるレプリカのサンプルzb,kの全てとして定義される。
つまり、レプリカのサンプルzb,k(zb,1〜zb,Mt)は、Mpcビットのメッセージデータビットの全てを、PCマッピング部204によりマッピングして得られるシンボルx(x〜xMc)の全てを、IDFT部206によりIDFT処理して得られるサンプルy(y〜yMt)の全てを、伝送路を介さずに直接、DFT222によりDFT処理して得られるサンプルzb,k(zb,1〜zb,Mt)である。
決定部224は、式9に示すように、レプリカのサンプルzb,k(zb,1〜zb,Mt)と、受信により得られたノイズを含むサンプルz'(z'〜z'Mt)とを比較し、ノイズを含むサンプルz'(z'〜z'Mt)と同じ可能性が最も高いレプリカのサンプルzb,kを選択する。
決定部224は、上述のように選択されたレプリカのサンプルzb,kのインデックスが示すシンボルx'(x'〜x'Mc)に対応するMpcビットのメッセージデータを、復調結果としてP/S212に対して出力する。
P/S212は、パラレル形式で入力されたメッセージデータを、シリアル形式に変換し、外部に対して出力する。
[CR−PC/HC−MCM方式が適用される通信システム1]
以下、本願にかかるCR−PC/HC−MCM方式の実施形態を説明する。
図3は、本願開示の実施形態として示すCR−PC/HC−MCM方式の通信システム1の構成図である。
図4は、図1に示した通信システム1の通信回線において、伝送信号に不要信号成分が重畳される態様を例示する図である。
図3に示されるように、通信システム1は、ネットワークなどに接続された情報処理装置100−1と、通信装置2−1とが接続され、ネットワークなどに接続された情報処理装置100−1と、通信装置2−1と実質的に同じ構成の通信装置2−2とが接続され、通信装置2−1,2−2が、無線伝送路などの通信回線を介して接続されて構成される。
なお、図4に示すように、通信システム1の通信回線においては、通信装置2−1から送信された伝送信号に、加法性白色ガウス雑音(AWGN;additive white Gaussian noise)n(t)のような不要な信号が重畳される。
また、以下、情報処理装置100−1,100−2など、複数あり得る構成部分のいずれかを特定せずに示すときには、単に情報処理装置100などと記す。
なお、通信システム1の情報処理装置100は、たとえば、通信装置2およびネットワークなどに接続可能で、これらの間でメッセージデータを受け渡すことができるコンピュータである。
[ハードウェア構成]
図5は、図3に示した通信装置2のハードウェア構成を示す図である。
図5に示すように、通信装置2は、データ入力インターフェース(IF)120、DSP122、DSP用メモリ124、情報処理装置100にメッセージデータを受け渡すデータ出力インターフェース126、受信部(Rx)128、送信部130(Tx)、CPU132、CPU用メモリ134およびユーザインターフェース部136から構成される。
送信側の通信装置2は、これらの構成部分により、メッセージデータを受け入れて、CR−PC/HC−MCM方式の伝送信号を生成し、無線伝送路を介して受信側の通信装置2に対して送信する。
また、受信側の通信装置2は、送信側の通信装置2から、無線伝送路を介して、CR−PC/HC−MCM方式の伝送信号を受信し、メッセージデータを複合して、情報処理装置100に対して出力する。
なお、以下、説明の明確化・具体化のために、通信装置2の処理が、ソフトウェア的に行われる場合が例示されるが、通信装置2の処理は、専用のハードウェアによっても、専用のハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによっても実現可能である。
また、図3には、通信装置2が、DSP122とCPU13とを有する構成を例示したが、通信装置2の仕様および要求される性能などによっては、通信装置2は、これらのいずれかのみを有する構成をとることもできる。
通信装置2において、データ入力インターフェース120は、情報処理装置100からメッセージデータを受け入れて、DSP122に対して出力する。
受信部128は、通信相手の通信装置2から、アンテナ102を介して受信した伝送用周波数帯域の伝送信号を、アナログ形式のベースバンドの伝送信号に変換し、DSP122に対して出力する。
DSP122は、アナログ/ディジタル変換装置およびディジタル/アナログ変換装置を含み(図示せず)、DSP用メモリ124に記憶された送信および受信用のプログラム(図6,図8を参照して後述)を実行し、情報処理装置100から入力されたディジタル形式のメッセージデータをCR−PC/HC−MCM方式で変調し、ベースバンドの伝送信号を生成して、送信部130に対して出力する。
送信部130は、DSP122から入力されるディジタル形式のベースバンドのCR−PC/HC−MCM方式の伝送信号を、伝送用周波数帯域の伝送信号に変換して、無線伝送路などの通信回線を介して通信相手の通信装置2に対して送信する。
CPU132は、CPU用メモリ134に記憶されたプログラムを実行し、ユーザインターフェース部136に対するユーザの操作などに従って、通信装置2の各構成部分を制御する。
[送信用プログラム]
以下、CR−PC/HC−MCM方式の伝送信号を発生し、送信する送信用プログラム30を説明する。
図6は、図3に示した送信側の通信装置2において実行される送信用プログラム30の構成を示す図である。
図6に示すように、送信用プログラム30は、タイミング制御部200、S/P202、PCマッピング部204、行列演算部300、係数設定部(F)208、乗算部210−1〜210−M、P/S212およびD/A214から構成される。
つまり、送信用プログラム30は、図1に示した送信機20のIDFT部206を、同様な機能を有する行列演算部300で置換した構成をとる。
送信用プログラム30は、たとえば、ネットワークおよび情報処理装置100を介して通信装置2に供給され、DSP用メモリ304またはCPU用メモリ314にロードされ、DSP302またはCPU312上で動作するOS(図示せず)上で、通信装置2のハードウェア資源を具体的に利用して実行される(以下のプログラムも同様)。
送信用プログラム30は、これらの構成部分により、情報処理装置100から入力されたメッセージデータを、CR−PC/HC−MCM方式で変調し、アナログ形式のべーバンドの伝送データを生成する。
なお、送信用プログラム30および受信用プログラム34において用いられる数値M,M,Mpc,Mは、通信装置2の処理能力、BER特性およびスペクトル効率などのかねあいに応じて、計算あるいは実測により調整され、最適化される。
図7は、図6に示した送信用プログラム30のPCマッピング部204によるマッピングにより得られるシンボルxを例示する図表である。
なお、図7には、メッセージデータのビット数Mpc=4であり、搬送波の総数M=8であり、選択される搬送波の数M=2であり、シンボルのビット数M=8の場合が具体例として示されている((M/M)=(8/2))。
以下、送信機20と送信用プログラム30との差分について説明する。
送信用プログラム30において、PCマッピング部204は、送信機20においてと同様に、データ入力IF120を介して外部から入力され、S/P202によってパラレル形式に変換されたMpcビットのメッセージデータを、Mビットのシンボルx=[x〜xMt(図7においては、x〜x)](Tは転置を示す)にマッピングする。
図7に示した具体例においては、PCマッピング部204は、4(Mpc)ビットのメッセージデータ(0001〜1111)を、8(M)個の搬送波から選択される2個の搬送波の組み合わせにマッピングし、2(M)ビットの1と、6(M−M)ビットの0を含む8(M)ビットのシンボルx=[x〜xを生成する。
なお、送信用プログラム30におけるPCマッピング部204は、送信機20においてと異なり、シンボルxに対して、値0のK個のビットを付加せずに、行列演算部300に対して出力する。
行列演算部300は、PCマッピング部204から入力されたシンボルx=[x〜xを、下式10に示すM個の複素サンプルy=[y〜yMtに変換するM×M構成の行列Fに乗算することにより変換(第1の変換)を行い、この乗算の結果Fxとして得られたサンプルy=[y〜yMtそれぞれを、乗算部210−1〜210−Mそれぞれに対して出力する。
Figure 2010136065
ただし、行列Fの要素は、下式11により定義される。
Figure 2010136065
乗算部210−1〜210−Mそれぞれは、係数設定部208が生成した係数w〜wMt(式7)を、サンプルy=[y〜yMtの要素それぞれに対して乗算する。
乗算部210−1〜210−Mによる乗算結果として求められるサンプルy=[y〜yMtは、下式12に示すM×M構成の対角行列Wを用いて、WFxと表される。
Figure 2010136065
なお、式10,式11に示した行列F,Wは、図8を参照して後述する受信用プログラム32において、受信された伝送信号に含まれるサンプルy'=[y'〜y'Mt]を、シンボルz'=[z'1〜z'Mc]に変換するために用いられるM×M構成のユニタリー行列Qの複素共役転置行列Q(下式13)と、乗算結果WFの値に応じて求められるM×M構成の上三角行列R(下式14)との間に、WF=QRの関係を有する。
なお、上述のように、Hは行列の複素共役転置を示し、行列Qは、上述のようにユニタリー行列なので、Q=Q−1(Q−1はQの逆行列)となる。
また、以下の記載においては、記載の明確化のために、行列Wは考慮しないとき、つまり、送信用プログラム30において係数設定部208および乗算部210が省略されたときに用いられる行列Q,Rを示す。
Figure 2010136065
Figure 2010136065
以上説明したように生成されたサンプルy=[y〜yMt]は、P/S212およびD/A214によりベースバンドの伝送信号y(t)とされ、さらに、送信部130(図5)により通信回線に適合した伝送信号とされ、アンテナ102(図3)を介して、受信側の通信装置2に対して送信される。
上述したように、伝送信号は、通信回線においてAWGNなどの不要信号成分n(t)が重畳され、受信側の通信装置2において、伝送信号y'(t)=y(t)+n(t)として受信される。
[受信用プログラム]
以下、CR−PC/HC−MCM方式の伝送信号からメッセージデータビットを復号する受信用プログラム32を説明する。
図8は、図3に示した受信側の通信装置2において実行される受信用プログラム32の構成を示す図である。
図8に示すように、受信用プログラム32は、タイミング制御部200、S/P202、行列演算部320、第1復号部322、第2復号部324およびPCデマッピング部326から構成される。
つまり、受信用プログラム32は、受信機22(図2)のDFT222および決定部224を、行列演算部320、第1復号部322、第2復号部324およびPCデマッピング部326で置換した構成をとる。
送信側の通信装置2から通信回線およびアンテナ102(図3)を介して受信された伝送信号は、受信部128によりベースバンドの伝送信号y'(t)=y(t)+n(t)とされる。
A/D220およびS/P202は、伝送信号y'(t)=y(t)+n(t)を、パラレル形式のサンプルy'=WFx+η=[y'〜y'Mt](ただし、ηはM×1構成の不要信号成分を示すベクトル)として、行列演算部320に対して出力する。
行列演算部320は、サンプルy'を、上述したユニタリー行列の複素共役転置行列Qに対して乗算することにより変換(第2の変換)を行い、この乗算結果として得られたサンプルz'=Q(WFx+η)=QWFx+Qη=[z'〜z'Mcを、第1復号部322に対して出力する。
送信用プログラム30と受信用プログラム32との間で、行列F,Wの情報は共有されており、予め、第1復号部322は、送信用プログラム30において用いられる行列F(実際にはWF;式11,式12)の値に応じて、行列Q(式13),行列R(式14)を求め、さらに、下式15に示すように、存在しうる全てのシンボルxBi=[xi1〜xMcを、下式15に示すように、行列Rに乗算して得られるレプリカのシンボルRxBiを求める。
このレプリカのシンボルRxBiは、送信用プログラム30のPCマッピング部204が生成したシンボルxBi=[xi1〜xiMcを行列Fに乗算し、この乗算結果FxBi(実際にはWFxBi)=QRxBi(実際にはQWFxBi)を、不要信号成分が重畳されない状態で、さらに、行列Qの複素共役転置行列Q(=Q−1)に乗算した結果QQRxBi=Q−1QRxBi=RxBi(実際にはWFxBi)として定義することができる。
Figure 2010136065
なお、式15において、xi,l(l=1〜M)は、ベクトルxBiの第l番目の要素である。
[第1復号部322による復号処理]
図9は、図8に示した受信用プログラム32の第1復号部322の復号処理に用いられるMアルゴリズムを例示する図である。
なお、図9には、M=4,M=2,M=2のときの処理が、具体例として示されている。
[復号処理の概要]
まず、第1復号部322によるMアルゴリズムを用いた復号処理の概要を説明する。
第1復号部322によるMアルゴリズムを用いた復号処理は、下記ステップ1〜ステップ(M−M)に示すように実行される。
[ステップ1]下式16に示されるベクトルx (0)の集合が、行列Rに乗算され、Mアルゴリズムでの最初のレプリカのシンボルの集合Rx (0)とされる。
これらレプリカのシンボルRx (0)の集合を用いて、下式17に示す最尤復号が行われ、ビット値x'Mcが得られる。
さらに、この処理により得られたビット値x'Mcを、式18に示すように、一番下の要素とするベクトルxu (1)の集合が作成される。
[ステップ2]作成されたベクトルx (1)の集合は、行列Rに乗算され、2回目のレプリカのシンボルRxu (1)の集合が作成される。
2回目のレプリカのシンボルRxu (1)の集合が用いられ、下式17に示す最尤復号が行われ、ビット値x'Mc−1が得られる。
さらに、この処理により得られたビット値x'Mc〜x'Mc−1、を、下式18に示すように、下から1番下と2番目の要素とするベクトルx (2)の集合が作成される。
[ステップ(M−M−1)]以上(1),(2)に示したような処理がM−M−2回、行われ、M−M−2回目の処理により作成されたベクトルx (Mc−M−2)の集合は、行列Rに乗算され、M−M−1回目のレプリカのシンボルRx (Mc−M−2)の集合が作成される。
−M−1回目のレプリカのシンボルRxu (Mc−M−2)の集合が用いられて、第1,2回目と同様な最尤復号が行われ、ビット値x'Mc−M−2が得られる。
さらに、この処理により得られたビット値x'Mc〜x'Mc−M−2を、下から1番〜Mc−M−1番目の要素とするベクトルx (Mc−M−1)の集合が作成される。
[ステップ(M−M)]以上、ステップ1〜(M−M−1)に示した処理が行われ、シンボルRxu (Mc−M−1)に含まれる要素がM個だけになったときには、このM個の要素の全体に対して最尤復号が行われ、シンボルの全てのビット値が復号される。
[復号処理の詳細]
以下、第1復号部322による復号処理をさらに詳細に説明する。
第1復号部322は、以下に示すように、Mアルゴリズムを用いて行列演算部320から入力されたシンボルz'=[z'〜z'Mcに対して復号処理する。
まず、図9に第0番目のステップとして示すように、シンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの第M−M番目〜第M番目のM個の要素(xi,Mc−M〜xi,Mc)の全て(U通り)のビット配列を用意し、それら全てにM−M個の0を上方に付加して、下式16に示すM×1構成のベクトルx (0)(u=1,2,...,U≦2)を作成する。
Figure 2010136065
さらに、第1復号部322は、下式17の演算を行い、シンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの第M番目のビットの値を求める。
Figure 2010136065
次に、第1復号部322は、図9に示す第1番目のステップにおいて、第0番目のステップで求められたビットの値を第M番目の要素x'Mcとし、シンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの第M−M−1番目〜第M−1番目のM個の要素(xi,Mc−M−1〜xi,Mc−1)の全て(U通り)のビット配列を用意し、それら全てにM−M−1個の0を上方に付加して、下式18に示すM×1構成のベクトルx (1)(u=1,,...,U≦2)を作成する。
Figure 2010136065
さらに、第1復号部322は、下式19の演算を行い、シンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの第M−1番目のビットの値を求める。
Figure 2010136065
さらに、第1復号部322は、順次、第n(n=1〜M―M)番目のステップにおいて、第n−1番目のステップまでに求められたビットの値を第M〜Mc−n−1番目の要素x'Mc〜x'Mc―n−1とし、シンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの第M−M−n番目〜第M−n番目のM個の要素(xi,Mc−M−n〜xi,Mc−n)の全て(Un通り)のビット配列を用意し、それら全てにM−M−n個の0を上方に付加して、M×1構成のベクトルx (n)(u=1,2,...,U≦2)を作成する。
さらに、第1復号部322は、下式20の演算を行い、シンボルxBi=[xBi1〜xBiMcの第1−M番目のビットの値を求める。
なお、最終のn=M―M番目のステップにおいては、シンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの第1〜第M番目のビットの値が、一括して求められる。
Figure 2010136065
以上説明したように、第1復号部322は、第0〜第M−M番目のステップの処理を行い、最終的に、シンボルz'=[z'〜z'McからxBiの全ての要素を復調して、シンボルx"=[x"〜x"Mcを得て、第2復号部324に対して出力する。
なお、第1復号部322がシンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの要素をM個ずつ使って第0〜第M−M番目のステップで最尤復号するために必要とされる演算量は、シンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの要素の全てを1度に最尤復号するための演算量に比べて著しく少なくなる。
シンボルx"=[x"〜x"McのM個のビットの内、M個のビットの値が1で、他のビットの値が0であるときには、送信用プログラム30のPCマッピング部204により生成されたシンボルx=[x〜xMcにおける値1のビット数と、値0のビット数と一致しているので、このシンボルx"=[x"〜x"Mcは、送信用プログラム30に入力されたMpcビットのメッセージデータから生成されたx=[x〜xMcと等しい可能性が高い。
一方、シンボルx"=[x"〜x"McのM個のビットの内、M個のビットの値が1で、他のビットの値が0であるとき以外は、送信用プログラム30のPCマッピング部204により生成されたシンボルx=[x〜xMcにおける値1のビット数と、値0のビット数と一致しないので、このシンボルx"=[x"〜x"Mcは、送信用プログラム30に入力されたMpcビットのメッセージデータから生成されたx=[x〜xMcと等しい可能性は全くない。
[第2復号部により第1復号部の復号結果が正しいと判定された場合]
第2復号部324は、以上説明した事実に従って、第1復号部322から入力されたシンボルx"=[x"〜x"McのM個のビットの内、M個のビットの値が1で、他のビットの値が0であるか否かを判定し、最終的な復号結果のシンボルx'=[x'〜x'Mcを復号し、PCデマッピング部326に対して出力する。
つまり、シンボルx"=[x"〜x"McのM個のビットの内、M個のビットが1で、他のビットの値が0であるときには、第2復号部324は、第1復号部322から入力されたシンボルx"=[x"〜x"Mcを、最終的な復号結果のシンボルx'=[x'〜x'McとしてPCデマッピング部326に対して出力する。
図10は、図7に示した第1復号部322による復号結果のシンボルx"=[x"〜x"Mcに含まれる値1のビット数の出現頻度を計算機シミュレーションにより求めた結果を例示するヒストグラム図である。
ただし、図10は、M=16,M=8,ΔfT=0.75,E/N=6bB,M=7)の場合が示されている。
図10を参照すると、第1復号部322によるシンボルx"=[x"〜x"Mcが、値1のビットをM個含み、第1復号部322により、送信用プログラム30(図6)のPCマッピング部204により生成されたシンボルx=[x〜xMcと等しい可能性が高い復号結果が得られる確率は非常に高いことが分かる。
従って、この場合には、第2復号部324における最尤復号が必要とされる頻度は非常に低く、大部分の場合、第1復号部322による少ない演算量で、シンボルx'=[x'〜x'Mcが復号されうる。
シンボルx"=[x"〜x"McのM個のビットの内、M個のビットが1で、他のビットの値が0であるときには、第2復号部324は、第1復号部322からシンボルx"=[x"〜x"Mcを得て、それをそのままシンボルx'=[x'〜x'Mcとし、PCデマッピング部326に対して出力する。
[第2復号部により第1復号部の復号結果が誤りと判定された場合]
一方、第1復号部322により復号されたシンボルx"=[x"〜x"Mcに実際に含まれる値1のビット数をM'とすると、M<M'の場合には、N=M'−Mの余分な値1のビットが含まれることになる。
従って、値1のビットをN個だけ値0に置換することで、第1復号部322で得られたシンボルx"=[x"〜x"Mcをx=[x〜xMcに近づけられる。
但し、Nが大きいときには、x"=[x"〜x"Mcの値1のビットの値0のビットへの置換方法の数が増えるので、実用的には、置換するビット数の上限を、置換の深さ(depth)d(d≦N)により制限することが好ましい。
なお、d=Nのときには、考え得る全ての置換が行われることになる。
このようにして置換され、新しく生成されたベクトル(集合)がx (v)であり、下式21によりシンボルx'=[x'〜x'Mcが得られる。
Figure 2010136065
このようなときには、シンボルz'=[z'〜z'Mcの比較対象とされるべきx (v)の数は(M'/d)となり、第1復号部322のみによる復号処理に、第2判定部324による復号が追加されても、演算量は大幅に増加することはない。
なお、M>M'の場合には、N=M−M'個だけ値1のビットが不足していることとなる。
従って、値0のビットをN個だけ値1に置換することにより、第1復号部322で得られたシンボルx"=[x"〜x"Mcは、x=[x〜xMcに近づけられる。
この場合にも、置換を行うビット数を、置換の深さd(d≦N)による制限が有効であり、シンボルz'=[z'〜z'Mcの比較対象とされるべきx (v)の数は(M−M'/d)となり、第1復号部322のみによる復号処理に、第2判定部324による復号が追加されても、演算量は大幅に増加することはない。
従って、第2復号部324において復号が行われる場合でも、第1復号部322による演算量からの増分は少ない。
PCデマッピング部326は、送信用プログラム30(図6)におけるPCマッピング部204に対応する処理を行い、復号の結果として得られたx'=[x'〜x'Mcに対応するMpcビットのメッセージデータを生成し、パラレル形式でP/S212に対して出力する。
P/S212は、PCデマッピング部326から入力されたメッセージデータを、シリアル形式に変換して、データ出力IF126を介して外部に出力する。
[通信システム1全体の動作]
以下、通信システム1(図3)の全体的な動作を、通信装置2−1が送信側(Tx)となり、通信装置2−2が受信側(Rx)となる場合を例として説明する。
[送信動作]
通信装置2−1において動作する送信用プログラム30(図6)のPCマッピング部204は、データ入力IF120を介して外部から入力され、S/P202によってパラレル形式に変換されたMpcビットのメッセージデータを、Mビットのシンボルx=[x〜xMtにマッピングする。
行列演算部300は、PCマッピング部204から入力されたシンボルx=[x〜xを、式10に示した行列Fに乗算して上記第1の変換を行い、サンプルy=[y〜yMtを得て、その要素それぞれを、乗算部210−1〜210−Mそれぞれに対して出力する。
乗算部210−1〜210−Mそれぞれは、係数設定部208が生成した係数w〜wMtそれぞれを、サンプルy=[y〜yMtの要素それぞれに乗算する。
なお、乗算部210−1〜210−Mによる乗算結果として求められるサンプルy=[y〜yMtは、式12に示した行列Wを用いて、WFxと表される。
なお、上述のように、式10,式11に示した行列F,Wは、受信用プログラム32(図8)におけるサンプルy'=[y'〜y'Mtのシンボルz'=[z'1〜z'Mcへの変換のために用いられる行列Qの複素共役転置行列Q(式13)と、行列R(式14)との間に、WF=QRの関係を有する。
なお、以下の説明においては、記載の明確化のために、送信用プログラム30についての説明においてと同様に、係数設定部208および乗算部210が省略された場合の行列Q,Rが用いられる。
サンプルy=[y〜yMtは、P/S212およびD/A214によりベースバンドの伝送信号y(t)とされ、さらに、送信部130(図5)により通信回線に適合した伝送信号とされ、通信回線を介して、受信側の通信装置2−2に対して送信される。
[受信動作]
上述したように、伝送信号には、通信回線において不要信号成分n(t)が重畳され、通信装置2−2において、伝送信号y'(t)=y(t)+n(t)として受信される。
通信装置2−2において動作する受信用プログラム32(図8)のA/D220およびS/P202は、伝送信号y'(t)=y(t)+n(t)を、パラレル形式のサンプルy'=WFx+η=[y'〜y'Mtとして、行列演算部320に対して出力する。
行列演算部320は、サンプルy'を、行列Qに対して乗算することにより上記第2の変換を行い、この第2の変換の結果として得られたサンプルz'=[z'〜z'Mcを、第1復号部322に対して出力する。
第1判定部322は、式16〜式18を参照して上述したように、サンプルz'=[z'〜z'Mcの要素をM個ずつ使用し、シンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの第M〜M―M−1番目のビットを、1ビットずつ復号する処理を、M〜M―M−1回繰り返す。
第1判定部322は、最終のn=M―M番目の復号処理において、式20を参照して上述したように、シンボルxBi=[xi,1〜xi,Mcの第1〜第M番目のビットの値を、一括して復号する。
第1判定部322は、以上の復号処理により、最終的に、シンボルx"=[x"〜x"Mcの全てのビットを復号する。
第2復号部324は、第1復号部322から入力されたシンボルx"=[x"〜x"McのM個のビットの内、M個のビットの値が1で、他のビットの値が0であるときには、第2復号部324は、第1復号部322から入力されたシンボルx"=[x"〜x"Mcを、最終的な復号結果のシンボルx'=[x'〜x'Mcとする。
第2復号部324は、これ以外の場合には、式21を参照して上述したように、サンプルz'=[z'〜z'Mc全体に対して最尤復号を行い、この結果としてシンボルx'=[x'〜x'Mcを得る。
第2復号部324は、以上の復号処理により得られたシンボルx'=[x'〜x'Mcを、PCデマッピング部326に対して出力する。
PCデマッピング部326は、復号の結果として得られたサンプルx'=[x'〜x'Mcに対応するMpcビットのメッセージデータを生成し、パラレル形式でP/S212に対して出力する。
P/S212は、PCデマッピング部326から入力されたメッセージデータを、シリアル形式に変換して、データ出力IF126(図5)を介して外部に出力する。
[CR−PC/HC−MCM方式の特徴]
以下、CR−PC/HC−MCM方式の特徴を説明する。
図11は、図7に示した受信用プログラム32により復号されたシンボルx'に生じるBER値と、E/Nの値との関係をグラフ形式で示す図である。
なお、図11には、M=16,M=8,ΔfT=0.75,M=7の場合が示されている。
図11を参照すると理解できるように、伝送信号に不要信号成分が重畳されず、受信側の通信装置2−2において、伝送信号から、最尤復号により、完全にシンボルx=[x〜xMcが復号される場合と比べると、不要信号成分が重畳された伝送信号から、受信用プログラム32が復号したシンボルx=[x〜xMcおよびこれから復号されるメッセージデータのBER値は、いくらか悪化する。
しかしながら、上述した深度dが、d=0(第2復号部324による最尤復号が行われないときに相当)から、順次、d=1〜3(|N|の値が1〜3となる範囲内で第2復号部324が最尤復号を行うときに相当)へ深くなるのに従って、受信用プログラム32が復号したシンボルx'=[x'〜x'Mcおよびこれから復号されるメッセージデータのBER値は改善され、通信装置2−2において完全な最尤復号が行われる場合のBER値に近づいていく。
図12は、図2に示した通信装置2による最尤復号と、図7に示した受信用プログラム32の第1復号部322および第2復号部324による復号の最多の演算量を表形式で示す図である。
なお、図12においても、M=16,M=8,M=7の場合が示されている。
受信機22においても、受信用プログラム32においても、シンボルz'とレプリカのシンボルとのユークリッド距離を算出するために、最も多くの演算量が必要とされる。
図12に示すように、深度d=0〜3それぞれの場合における受信用プログラム32の演算量は、1/6.40,1/6.36,1/6.18,1/5.67と非常に少なく、また、深度dの増加に応じた演算量の増加も少ない。
上記実施形態は、例示および説明のために提示されたものであって、本願特許請求の範囲にかかる開示の実施形態の全てを網羅していない。
また、上記実施形態は、本願特許請求の範囲にかかる開示の技術的範囲を、その開示内容に限定することを意図しておらず、その開示内容に照らして、様々に変更され、変形されうる。
また、上記実施形態は、本願特許請求の範囲にかかる開示の原理およびその実際的な応用を最もよく説明できるように選択され、記載されているので、当業者は、上記実施形態の開示内容に基づいて、本願特許請求の範囲にかかる開示およびその実施形態を、あり得るべき全ての実際の用途に最適とするための種々の変更を加えて利用することができる。
また、本願特許請求の範囲にかかる開示の技術的範囲は、その記載および均等物によって画定されるように意図されている。
本願にかかる通信システム、データ復号装置およびデータ受信方法は、データ通信のために利用可能である。
逆離散フーリエ変換を用いてPC/HC−MCM方式の送信信号を生成する第1の送信機を示す図である。 図1に示した送信機から伝送信号を受信して、メッセージデータを復号する受信機の構成を示す図である。 本願開示の実施形態として示すCR−PC/HC−MCM方式の通信システムの構成図である。 図1に示した通信システムの通信回線において、伝送信号に不要信号成分が重畳される態様を例示する図である。 図3に示した通信装置のハードウェア構成を示す図である。 図3に示した送信側の通信装置2において実行される送信用プログラムの構成を示す図である。 図6に示した送信用プログラムのPCマッピング部によるマッピングにより得られるシンボルxを例示する図表である。 図3に示した受信側の通信装置において実行される受信用プログラムの構成を示す図である。 図8に示した受信用プログラムの第1復号部の復号処理に用いられるMアルゴリズムを例示する図である。 図7に示した第1復号部による復号結果のシンボルx"=[x"〜x"Mcに含まれる値1のビット数の出現頻度を計算機シミュレーションにより求めた結果を例示するヒストグラム図である。 図7に示した受信用プログラムにより復号されたシンボルx'に生じるBER値と、E/Nの値との関係をグラフ形式で示す図である。 図2に示した通信装置による最尤復号と、図7に示した受信用プログラムの第1復号部および第2復号部による復号の最多の演算量を表形式で例示する図である。
符号の説明
1・・・通信システム,
100・・・情報処理装置,
102・・・アンテナ,
2・・・通信装置,
120・・・データ入力IF,
124・・・DSP用メモリ,
126・・・データ出力IF,
128・・・データ出力IF,
130・・・送信部,
132・・・CPU
134・・・CPU用メモリ,
136・・・UI,
20・・・送信機,
200・・・タイミング制御部,
202・・・S/P,
204・・・PCマッピング部204,
206・・・IDFT部,
208・・・係数設定部,
210・・・乗算部,
212・・・P/S,
214・・・D/A,
22・・・受信機,
220・・・A/D,
222・・・DFT,
224・・・復号部,
30・・・送信用プログラム,
300,320・・・行列演算部,
32・・・受信用プログラム,
322・・・第1復号部,
324・・・第2復号部,
326・・・PCデマッピング部,

Claims (17)

  1. 送信装置と、
    受信装置と
    を有する通信システムであって、
    前記送信装置は、
    伝送の対象であって、予め決められたビット数の伝送対象データを、伝送に使用されうる第1の数の搬送波の内、存在しうる前記伝送対象データの全てそれぞれに対応し、前記第1の数よりも少ない第2の数の搬送波の組み合わせを示す前記第1の数のデータを含む第1のシンボルにマッピングするマッパー(mapper)と、
    前記第1のシンボルを、前記第1の数×1の構成の第1のベクトルとし、この第1のベクトルを、前記第1の数×前記第1の数より多い第3の数の構成の第1の行列に乗算することによって、前記第1のシンボルを、前記第3の数のデータを有する第1のサンプルを含む伝送信号に変換する第1の変換を行うトランスホーマであって、
    前記第1の変換により得られた前記第1のサンプルが有する第3の数のデータそれぞれと、これら第1のサンプルが有する第3の数のデータそれぞれに対する第2の係数それぞれとを乗算することに対応する前記第1の数×前記第1の数の構成の対角行列に対する前記第1の行列の第1の乗算結果は、前記第3の数×前記第3の数の構成の複素形式の正則行列に対する前記第3の数×前記第1の数の構成の上三角行列の第2の乗算結果と等しく、前記正則行列および前記上三角行列は、それぞれ前記第1の行列および前記対角行列に応じて、前記第1の乗算結果と前記第2の乗算結果とが等しくなるように与えられる
    第1のトランスホーマと、
    前記伝送信号に含まれる前記第1のサンプルそれぞれと、前記第2の係数それぞれとを乗算するマルチプライヤと、
    前記係数が乗算された第3の数の信号を含む伝送信号を、前記受信装置に対して送信するトランスミッタと
    を有し、
    前記受信装置は、
    前記送信装置から、前記伝送信号以外の信号成分を含みうる前記伝送信号を受信するレシーバと、
    前記正則行列の複素共役逆行列に対して、前記受信された伝送信号に含まれる前記第1のサンプルが有する第3の数のデータを、前記第3の数×1の構成の第2のベクトルとして乗算することにより、前記上三角行列に対する前記第1のベクトルの乗算結果に対応する第2のサンプルに変換する第2の変換を行う第2のトランスホーマと、
    前記第2の変換により得られた前記第3の数の第2のサンプルが有するデータに対して、前記第1のシンボルの内の前記第1の数よりも少ない第4の数ずつのデータを求める第1の復号を、順次、行い、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルの一部ずつを、順次、復号することにより、前記第2のシンボルの全てを得る第1のデコーダと、
    前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性があるときには、前記第1の復号により得られた第2のシンボルを前記第1のシンボルとし、これ以外のときには、前記第3の数の第2のサンプルの全てに対して、第2の復号を行い、この第2の復号により得られたシンボルを、前記第2のシンボルとする第2のデコーダと、
    前記第2のデコーダにより得られた第1のシンボルから前記伝送対象データを復号するデマッパ(demapper)と
    を有し、
    前記第1の復号は、第3の数の第2のサンプルに対して、前記第1のシンボルの内の前記第1の数よりも少ない第4の数の要素を前記第4の数×1構成のベクトルの前記上三角形行列に乗算した結果の全てによる最尤復号を行うことより実現され、前記第2の復号は、前記第1の復号により得られ、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルに対応する前記第2のサンプルの組み合わせの内、前記第3の数の第2のサンプルと最も同じ可能性が高い組み合わせを選択することにより実現され、
    前記第2の復号は、前記第1の復号により得られ、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルに含まれる値1のビットの数を、予め決められた範囲内の数だけ値0のビット数に置換して得られる前記第1のシンボルと同じ数の値1のビットを含む第2のシンボルに対応する前記第1のサンプルの内、前記第1の復号により得られ、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルに対応する第2のサンプルと最も同じ可能性が高い組み合わせを選択することにより実現される
    通信システム。
  2. 伝送の対象であって、予め決められたビット数の伝送対象データを、伝送に使用されうる第1の数の搬送波の内、存在しうる前記伝送対象データの全てそれぞれに対応し、前記第1の数よりも少ない第2の数の搬送波の組み合わせを示す前記第1の数のデータを含む第1のシンボルにマッピングし、前記第1のシンボルを、前記第1の数よりも多い第3の数のデータを有する第1のサンプルを含む伝送信号に変換することにより生成された伝送信号を受信して、前記受信した伝送信号から前記伝送対象データを復号するデータ復号装置であって、
    前記伝送信号以外の信号成分を含みうる伝送信号を受信するレシーバと、
    前記受信された伝送信号を、前記第1のサンプルに対応する前記第3の数のデータを有する第2のサンプルに変換するトランスホーマと、
    前記得られた第2のサンプルに含まれる第3の数のデータに対して、前記第3の数より少ない第4の数ずつのデータを求める第1の復号を行い、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルの一部ずつを、順次、復号することにより、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルを復号する第1のデコーダと、
    前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性があるときには、前記第1の復号により得られた第2のシンボルを前記第1のシンボルとし、これ以外のときには、前記第2のサンプルが有するデータの全てに対して、第2の復号を行い、この第2の復号により得られた第2のシンボルを、前記第1のシンボルとする第2のデコーダと、
    前記第2のデコーダにより得られた前記第1のシンボルから、前記伝送対象データを復号するデマッパ(demapper)と
    を有するデータ復号装置。
  3. 前記第1のシンボルに含まれる第3の数のデータおよび前記第2のシンボルに含まれる第1の数のデータは、第1の数のビットであって、
    前記第2のデコーダは、前記第1の復号により復号された第2のシンボルに含まれる値1のビットの数が、前記第2の数と同じときには、前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性があると判定し、
    これ以外のときには、前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性がないと判定する
    請求項2に記載のデータ復号装置。
  4. 前記第1のデコーダは、前記第2のサンプルに含まれる第4の数のデータの存在しうる全ての組み合わせの内、前記第2のサンプルに含まれる第4の数のデータと同じ可能性が最も高い組み合わせを、順次、選択することにより、前記第1の復号を行う
    請求項2に記載のデータ復号装置。
  5. 存在しうる全ての前記第2のサンプルに含まれる第4の数のデータの組み合わせそれぞれは、存在しうる全ての前記第1のシンボルに含まれる第4の数のデータそれぞれを前記第1のサンプルに変換し、前記変換された前記第1のサンプルに対して前記トランスホーマによる変換を行うことにより得られる
    請求項4に記載のデータ復号装置。
  6. 前記第1のデコーダは、前記得られた第2のサンプルに含まれるデータの内、すでに前記第1の復号の対象とされたデータ以外の第4の数のデータに対して、順次、前記第1の復号を行い、最終的に全ての前記第2のシンボルを得る
    請求項4に記載のデータ復号装置。
  7. 前記第2のデコーダは、前記第1の復号により得られた第2のシンボルが、前記第1のシンボルと同じ可能性がないときには、この第2のシンボルに対して予め決められた操作が行われた結果として得られる第2のシンボルの全てに対応する前記第2のサンプルの組み合わせの内、前記第1の復号により得られ、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルに対して、前記トランスホーマによる変換を行うことにより得られた第2のサンプルと最も同じ可能性が高いいずれかを選択することにより、前記第2の復号を行う
    請求項4に記載のデータ復号装置。
  8. 前記第1のシンボルに含まれる第3の数のデータおよび前記第2のシンボルに含まれる第3の数のデータは、第3の数のビットであって、
    前記選択の対象となる第2のサンプルは、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルを、この第2のシンボルに含まれる値1のビットの数と、前記第1のシンボルに含まれる値1のビットの数との差が、予め決められた範囲内になるように変更して得られる第2のシンボルの全てに対応する前記第2のサンプルの組み合わせの全てである
    請求項7に記載のデータ復号装置。
  9. 前記第1のシンボルの前記第1の数よりも多い第3の数の第1のサンプルを含む伝送信号への変換は、
    前記第1のシンボルを、前記第1の数×1の構成の第1のベクトルとし、この第1のベクトルを、前記第1の数×前記第1の数より多い第3の数の構成の第1の行列に乗算することによって、前記第1のシンボルを、前記第3の数のデータを有する第1のサンプルを含む伝送信号に変換することにより行われ、
    前記変換により得られた前記第1のサンプルが有する第3の数のデータそれぞれと、これら第3の数のデータそれぞれに対する第2の係数それぞれとを乗算することに対応する前記第1の数×前記第1の数の構成の対角行列に対する前記第1の行列の第1の乗算結果は、前記第3の数×前記第3の数の構成の複素形式の正則行列に対する前記第3の数×前記第1の数の構成の上三角行列の第2の乗算結果と等しく、前記正則行列および前記上三角行列は、それぞれ前記第1の行列および前記対角行列に応じて、前記第1の乗算結果と前記第2の乗算結果とが等しくなるように与えられ、
    前記トランスホーマは、前記正則行列の逆行列に対して、前記受信された伝送信号に含まれる前記第1のサンプルの第3の数のデータを、前記第3の数×1の構成の第2のベクトルとして乗算することにより、前記上三角行列に対する前記第2のベクトルの乗算結果に対応する第2のサンプルに変換する
    請求項2に記載のデータ復号装置。
  10. 伝送の対象であって、予め決められたビット数の伝送対象データを、伝送に使用されうる第1の数の搬送波の内、存在しうる前記伝送対象データの全てそれぞれに対応し、前記第1の数よりも少ない第2の数の搬送波の組み合わせを示す前記第1の数のデータを含む第1のシンボルにマッピングし、前記第1のシンボルを、前記第1の数よりも多い第3の数のデータを有する第1のサンプルを含む伝送信号に変換することにより生成された伝送信号を受信して、前記受信した伝送信号から前記伝送対象データを復号するデータ復号方法であって、
    前記伝送信号以外の信号成分を含みうる伝送信号を受信し、
    前記受信された伝送信号に対する変換を行い、前記第1のサンプルに対応する前記第3の数のデータを有する第2のサンプルを得て、
    前記得られた第2のサンプルに含まれる第3の数のデータの内、前記第3の数より少ない第4の数のデータずつに対して、第1の復号を行い、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルの一部ずつを、順次、復号することにより、前記第1のシンボルに対応する第2のシンボルを復号し、
    前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性があるときには、前記第1の復号により得られた第2のシンボルを前記第1のシンボルとし、これ以外のときには、前記第2のサンプルが有するデータの全てに対して、第2の復号を行い、この第2の復号により得られた第2のシンボルを、前記第1のシンボルとし、
    前記第2のデコーダにより得られた前記第1のシンボルから、前記伝送対象データを復号する
    データ復号方法。
  11. 前記第1のシンボルに含まれる第3の数のデータおよび前記第2のシンボルに含まれる第1の数のデータは、第1の数のビットであって、
    前記第2の復号を行う際に、前記第1の復号により復号された第2のシンボルに含まれる値1のビットの数が、前記第2の数と同じときには、前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性があると判定され、
    これ以外のときには、前記第1の復号により復号された第2のシンボルが、この第2のシンボルに対応する前記第1のシンボルと同じ可能性がないと判定される
    請求項10に記載のデータ復号方法。
  12. 前記第1の復号を行う際に、前記第2のサンプルに含まれる第4の数のデータの存在しうる全ての組み合わせの内、前記第2のサンプルに含まれる第4の数のデータと同じ可能性が最も高い組み合わせが、順次、選択されることにより、前記第1の復号が行われる
    請求項11に記載のデータ復号方法。
  13. 存在しうる全ての前記第2のサンプルに含まれる第4の数のデータの組み合わせそれぞれは、存在しうる全ての前記第1のシンボルに含まれる第4の数のデータそれぞれを、前記第1のサンプルに変換し、前記変換された前記第1のサンプルに対して、前記受信された伝送信号に対する変換を行うことにより得られる
    請求項12に記載のデータ復号方法。
  14. 前記第1の復号を行う際に、前記得られた第2のサンプルに含まれるデータの内、すでに前記第1の復号の対象とされたデータ以外の第4の数のデータに対して、順次、前記第1の復号が行われ、最終的に全ての前記第2のシンボルが得られる
    請求項13に記載のデータ復号方法。
  15. 前記第2の復号を行う際に、前記第1の復号により得られた第2のシンボルが、前記第1のシンボルと同じ可能性がないときには、この第2のシンボルに対して予め決められた操作が行われた結果として得られる第2のシンボルの全てに対応する前記第2のサンプルの組み合わせの内、前記第1の復号により得られ、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルが、前記変換により得られる第2のサンプルと最も同じ可能性が高いいずれかを選択することにより、前記第2の復号が行われる
    請求項13に記載のデータ復号方法。
  16. 前記第1のシンボルに含まれる第3の数のデータおよび前記第2のシンボルに含まれる第3の数のデータは、第3の数のビットであって、
    前記選択の対象となる第2のサンプルは、前記第1のシンボルと同じ可能性がない第2のシンボルを、この第2のシンボルに含まれる値1のビットの数と、前記第1のシンボルに含まれる値1のビットの数との差が、予め決められた範囲内になるように変更して得られる第2のシンボルの全てに対応する前記第2のサンプルの組み合わせの全てである
    請求項15に記載のデータ復号方法。
  17. 前記第1のシンボルを、前記第1の数×1の構成の第1のベクトルとし、この第1のベクトルを、前記第1の数×前記第1の数より多い第3の数の構成の第1の行列に乗算することによって、前記第1のシンボルを、前記第3の数のデータを有する第1のサンプルを含む伝送信号に変換することにより行われ、
    前記変換により得られた前記第1のサンプルが有する第3の数のデータそれぞれと、これら第3の数のデータそれぞれに対する第2の係数それぞれとを乗算することに対応する前記第1の数×前記第1の数の構成の対角行列に対する前記第1の行列の第1の乗算結果は、前記第3の数×前記第3の数の構成の複素形式の正則行列に対する前記第3の数×前記第1の数の構成の上三角行列の第2の乗算結果と等しく、前記正則行列および前記上三角行列は、それぞれ前記第1の行列および前記対角行列に応じて、前記第1の乗算結果と前記第2の乗算結果とが等しくなるように与えられ、
    前記第1の復号を行う際に、前記正則行列の逆行列に対して、前記受信された伝送信号に含まれる前記第1のサンプルの第3の数のデータが、前記第3の数×1の構成の第2のベクトルとして乗算されることにより、前記上三角行列に対する前記第2のベクトルの乗算結果に対応する第2のサンプルに変換される
    請求項10に記載のデータ復号方法。
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